JP5087470B2 - 光学素子の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Description
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、型セット内の密閉空間を外側よりも減圧することで型セット内の成形素材に気圧差から生じる保持力を作用させ、成形素材の位置ズレがない光学素子の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
一対の上型及び下型とこれらを嵌挿するスリーブとを有する型セット内で成形素材を成形する光学素子の製造方法において、
前記型セットが収容されている空間内にて、
前記上型を持ち上げて前記型セット内を減圧し減圧状態のまま前記上型を前記スリーブに嵌合させ、次に前記型セットの外側の気圧を前記型セット内の密閉空間の気圧よりも高くし、
前記上型の自重と圧力差による荷重を前記成形素材に加え得るように、前記型セット内の密閉空間の気圧を前記型セットの外側の気圧よりも減圧する工程と、
減圧した状態で前記型セットを搬送する工程と、
搬送された前記型セットをプレスして前記成形素材を成形する工程と、を備えることを特徴とする。
前記スリーブと前記上型及び下型との相対変位により前記型セット内の密閉空間の減圧状態を開放することを特徴とする。
一対の上型及び下型とこれらを嵌挿するスリーブとを有する型セット内で成形素材を成形する光学素子の製造装置において、
前記型セットが収容されている空間内にて、
前記上型を持ち上げて前記型セット内を減圧し減圧状態のまま前記上型を前記スリーブに嵌合させ、次に前記型セットの外側の気圧を前記型セット内の密閉空間の気圧よりも高くし、
前記上型の自重と圧力差による荷重を前記成形素材に加え得るように、前記型セット内の密閉空間の気圧を前記型セットの外側の気圧よりも減圧する減圧手段と、
前記型セットを搬送する搬送手段と、
前記成形素材をプレスして成形する成形手段と、を備えることを特徴とする。
前記減圧手段は、
前記上型を前記スリーブから持ち上げる金型上下アームと、
前記型セット内の密閉空間を真空にする吸引装置と、
前記型セットの外側の空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、を有することを特徴とする。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態における光学素子の製造装置の概要を示す断面正面図であり、図2は、その平面図である。
また、成形チャンバー13内には、型セット40の搬送方向に沿って列状に加熱ステージ20、プレスステージ21、冷却ステージ22が設けられている。この成形チャンバー13内には、型セット40を搬送方向に移送する搬送手段としての搬送アーム48が設けられている。この搬送アーム48には、型セット40を押圧すべく各ステージ20、21,22に対応して3個の受け部49が設けられている。
加熱ステージ20は、上下に対向する上成形プレート251及び下成形プレート252を備えている。
上成形プレート281及び下成形プレート282には、夫々カートリッジヒータ291、292が内蔵されている。また、上成形プレート281を上下(対向)方向に駆動する成形手段としてのエアシリンダ30が設けられている。このエアシリンダ30による上成形プレート281の昇降動作により、型セット40の挟持、挟圧(プレス)等の動作が行われる。
上成形プレート311及び下成形プレート312には、夫々カートリッジヒータ321、322が内蔵されている。また、上成形プレート311を上下(対向)方向に駆動するエアシリンダ33が設けられている。このエアシリンダ33による上成形プレート311の昇降動作により、型セット40の挟持、挟圧等の動作が行われる。
型セット40は、上型42、下型43、及びスリーブ44を有している。上型42及び下型43は、スリーブ44の内部で、それぞれの成形面42a,43aが対向するようにスリーブ44の両端側から嵌挿されている。上型42は段付き円柱状をなし、その先端部に凸球面状の成形面42aが形成されている。
前述した図3に示すように、光学素子の製造装置10の外で、上型42及び下型43間に球状の成形素材41を挟持して型セット40を組み立てる。この場合、型軸中心O−Oに対し上型42及び成形素材41の中心が一致するように正確にセットする。このとき、型セット40の内側と外側の圧力は、いずれも大気圧P0となっている。次に、組み立てた型セット40を、光学素子の製造装置10の投入部19の移動ステージ24上に載置する。
次いで、金型上下アーム46により、持ち上げた上型42を再びスリーブ44内に嵌挿して組み込む。これにより、型セット40内(及び置換室14内)は気圧P1に減圧された状態が維持されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、型セット40内の密閉空間の気圧を型セット40の外側の気圧よりも減圧し、この減圧した状態で型セット40を搬送し、型セット40内の成形素材41を成形するようにしたので、成形素材41は上型42の自重と気圧の圧力差の荷重をもって型軸中心O−Oの方向に押圧される。このため、成形素材41は十分な保持圧で保持され、位置ずれを起こすことがない。
すなわち、図8A及び図8Bにおいて、スリーブ44と上型42との嵌合ストロークが短いと、上型42がスリーブ44に対して図8Bの矢印A方向に傾斜して嵌挿される。このとき、上型42の先端の成形面42aは矢印B方向に移動する。このため、上型42の成形面42aは、これに接している成形素材41を矢印B方向に付勢する結果、成形素材41は型軸中心に対して位置ずれした状態で保持される。
[第2の実施の形態]
図9〜図11は、第2の実施の形態における型セット40内の減圧手段の概要を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
すなわち、スリーブ44に取り付けられた一方向弁51が、一端に弁収容部56を有するホース57を介して吸引装置58に接続されている。この一方向弁51は、型セット40の内外の圧力差を維持するためのものである。この一方向弁51は、スリーブ44に孔45(図10A等参照)を形成して取り付けられている。
一方向弁51は、円筒状の本体フレーム52と、本体フレーム52の内側に突出する支持片53と、この支持片53にバネ55を介して支持された開閉板54と、を有している。そして、開閉板54はバネ55の付勢圧によりスリーブ44に密着する方向に常時付勢されている。
この型セット40が入口チャンバー12内に搬入されると、型セット40内の圧力P1と入口チャンバー12内の圧力P2には圧力差(P1<P2)が生じている。
[第3の実施の形態]
図12及び図13は、第3の実施の形態における型セット40内の減圧手段の概要を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
[第4の実施の形態]
図14及び図15は、本実施形態における成形素材41の位置決め状態を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態によれば、型セット40の内側と外側との気圧差を利用してスリーブ44に挿通した位置決めピン62を型セット40内で移動自在とし、成形素材41を型軸中心に位置決めすることができる。
11 装置架台
12 入口チャンバー
13 成形チャンバー
14 置換室
15 筐枠
16 入口シャッタ
17 中間シャッタ
18 出口シャッタ
19 投入部
20 加熱ステージ
21 プレスステージ
22 冷却ステージ
23 プッシャ
24 移動ステージ
251 上成形プレート
252 下成形プレート
261 カートリッジヒータ
262 カートリッジヒータ
27 エアシリンダ
281 上成形プレート
282 下成形プレート
291 カートリッジヒータ
292 カートリッジヒータ
30 エアシリンダ
311 上成形プレート
312 下成形プレート
321 カートリッジヒータ
322 カートリッジヒータ
33 エアシリンダ
34 吸排気口
35 ホース
36 切り替えバルブ
37 吸引装置
38 不活性ガス供給装置
40 型セット
41 成形素材
42 上型
42a 成形面
43 下型
43a 成形面
44 スリーブ
45 孔
46 金型リフトアーム
48 搬送アーム
49 受け部
51 一方向弁
52 本体フレーム
53 支持片
54 開閉板
55 バネ
56 弁収容部
57 ホース
58 吸引装置
60 排気孔
61 リーク孔
62 位置決めピン
62a 抜け防止片
140 型セット
141 成形素材
142 上型
143 下型
144 スリーブ
Claims (4)
- 一対の上型及び下型とこれらを嵌挿するスリーブとを有する型セット内で成形素材を成形する光学素子の製造方法において、
前記型セットが収容されている空間内にて、
前記上型を持ち上げて前記型セット内を減圧し減圧状態のまま前記上型を前記スリーブに嵌合させ、次に前記型セットの外側の気圧を前記型セット内の密閉空間の気圧よりも高くし、
前記上型の自重と圧力差による荷重を前記成形素材に加え得るように、前記型セット内の密閉空間の気圧を前記型セットの外側の気圧よりも減圧する工程と、
減圧した状態で前記型セットを搬送する工程と、
搬送された前記型セットをプレスして前記成形素材を成形する工程と、を備える
ことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記スリーブと前記上型及び下型との相対変位により前記型セット内の密閉空間の減圧状態を開放する
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。 - 一対の上型及び下型とこれらを嵌挿するスリーブとを有する型セット内で成形素材を成形する光学素子の製造装置において、
前記型セットが収容されている空間内にて、
前記上型を持ち上げて前記型セット内を減圧し減圧状態のまま前記上型を前記スリーブに嵌合させ、次に前記型セットの外側の気圧を前記型セット内の密閉空間の気圧よりも高くし、
前記上型の自重と圧力差による荷重を前記成形素材に加え得るように、前記型セット内の密閉空間の気圧を前記型セットの外側の気圧よりも減圧する減圧手段と、
前記型セットを搬送する搬送手段と、
前記成形素材をプレスして成形する成形手段と、を備える
ことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 前記減圧手段は、
前記上型を前記スリーブから持ち上げる金型上下アームと、
前記型セット内の密閉空間を真空にする吸引装置と、
前記型セットの外側の空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の光学素子の製造装置。
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