JP2011111336A - 光学素子成形用型 - Google Patents

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Abstract

【課題】下型により保持部材に支持された熱可塑性素材を持ち上げて上型に押し当てる際、熱可塑性素材が下型の成形面の中心から遠く離れるのを防止する成形型を提供する。
【解決手段】対向配置され、それらの間に加熱軟化して加圧成形される球状の熱可塑性素材38が配置される上型41及び下型42と、これら上型41及び下型42Bを嵌挿するスリーブ43と、上型41及び下型42Bの対向面間でスリーブ43内に摺動可能に配置され、下型42Bの先端部が挿通される貫通孔44aを備え、少なくとも該貫通孔44a上に熱可塑性素材38を接触して保持する保持部材44と、を有し、保持部材44と熱可塑性素材38との接触部から上型41の成形面41aまでの加圧方向の寸法Lは、熱可塑性素材38の成形前の直径Dよりも小さい。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱可塑性素材を成形型間に挟んで加熱・プレスし光学素子を成形する光学素子成形用型に関する。
近年の光学素子は、映像の高画質化に伴い、高い形状精度・外観品質が求められている。これに対し、熱可塑性素材を加熱・プレスすると、成形品の成形面に曇りや発泡等の変質が発生することがある。
これを回避する技術として、例えば特許文献1には、図11に示すように、熱可塑性素材138の機能面予定面138a,138bと上型141及び下型142の機能面成形面141a,142aとが非接触のまま熱可塑性素材138を機能面予定面以外の部位にて保持し、該保持部位から熱可塑性素材138への伝熱加熱により熱可塑性素材138を加熱軟化し、曇りや発泡等の変質を防ぐ技術が提案されている。
これを実施するには、加熱プレート124を上型141に当接して押付け、この状態で下プレート126の内部に格納された押し上げ部材136を上昇させて下型142を持ち上げる。すると、この下型142が保持部材144に支えられている熱可塑性素材138を持ち上げる。こうして、熱可塑性素材138を上型141に当てつけ、上型141及び下型142間に挟みこむことで成形を行う。
これによれば、熱可塑性素材138を下型142と非接触の状態で保持部材により位置決めしながら加熱することができるため、成形品の曇りや発泡等の変質を防止できるというものである。
特開2007−186392号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、例えば球体の熱可塑性素材138を使用する場合は、次のような課題が生じる。
すなわち、図12A〜図12Cに示すように、熱可塑性素材138と上型141との間にクリアランスδがあるため(図12A)、ハンドリング時などに球体の熱可塑性素材138が転がり(図12B)、成形時に下型142が直接上型141に衝突したり(図12C)、レンズ駄肉が大きく偏ってしまったりするおそれがある。
また、成形時に下型142が直接上型141に衝突すると、上型141及び下型142の一方または両方の成形面にキズ・カケが発生し、良好な外観のレンズを成形することが困難となる。あるいは、例えば下型142の先端が途中で折損するおそれもある。
さらに、図13A〜図13Cに示すように、レンズ駄肉が特定の方向に偏ると、特にその反対方向のガラスが不足し、必要なレンズ形状になりえないことがある。また、レンズ駄肉が特定の方向に偏ると、成形後の冷却工程で発生する応力分布がレンズ光軸に対し対称とならず、そのレンズを使用する光学系にアス・コマなど製造上の収差を与える。また、芯取り工程においても、レンズ駄肉が偏っていない方が作業性がよい。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、下型により保持部材に支持された熱可塑性素材を持ち上げて上型に押し当てる際、熱可塑性素材が下型の成形面の中心から遠く離れるのを防止した光学素子成形用型を提供することを目的とする。
本発明の光学素子成形用型は、対向配置され、それらの間に加熱軟化して加圧成形される球状の熱可塑性素材が配置される上型及び下型と、
これら上型及び下型を嵌挿するスリーブと、
前記上型及び下型の対向面間で前記スリーブ内に摺動可能に配置され、前記下型の先端部が挿通される貫通孔を備え、少なくとも該貫通孔上に前記熱可塑性素材を接触して保持する保持部材と、を有し、
前記保持部材と前記熱可塑性素材との接触部から前記上型の成形面までの加圧方向の寸法は、前記熱可塑性素材の成形前の直径よりも小さい。
また、請求項1に記載の光学素子成形用型において、
前記保持部材は、テーパ面を有し、
前記接触部は、前記テーパ面上に位置する。
本発明によれば、下型により保持部材に支持された熱可塑性素材を持ち上げて上型に押し当てる際、熱可塑性素材が下型の成形面の中心から遠く離れるのを防止することができる。
第1の実施の形態の成形装置の構成を示す図である。 成形型の構成を示す図である。 同上の拡大図である。 上型の成形面と保持部材の上端縁との間の寸法と成形前の熱可塑性素材の直径との関係を示す図である。 上型の成形面と保持部材の上端縁との間の寸法と成形前の熱可塑性素材の直径との関係を示す図である。 上型の成形面と保持部材の上端縁との間の寸法と成形前の熱可塑性素材の直径との関係を示す図である。 上型の成形面と保持部材の上端縁との間の寸法と成形前の熱可塑性素材の直径との関係を示す図である。 熱可塑性素材が支持された状態を示す図である。 熱可塑性素材を持ち上げて成形を開始する工程を示す図である。 保持部材を持ち上げて成形を完了する工程を示す図である。 成形品を冷却する工程を示す図である。 本実施の形態の成形型の構成を示す図である。 同上の拡大図である。 保持部材の上端面の一部にテーパ面を形成した例を示す図である。 保持部材の上端面の一部にテーパ面を形成した例を示す図である。 保持部材の上端面の全部にテーパ面を形成した例を示す図である。 保持部材の上端面の全部にテーパ面を形成した例を示す図である。 従来の成形型の構成を示す図である。 従来の成形型を用いて球体の熱可塑性素材を成形する例を示す図である。 従来の成形型を用いて球体の熱可塑性素材を成形する例を示す図である。 従来の成形型を用いて球体の熱可塑性素材を成形する例を示す図である。 従来の成形型を用いて球体の熱可塑性素材を成形する例を示す図である。 従来の成形型を用いて球体の熱可塑性素材を成形する例を示す図である。 従来の成形型を用いて球体の熱可塑性素材を成形する例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態の成形装置10の構成を示す図である。
この成形装置10は、予備室11、成形室12、排出室13を有し、これら各室が光学素子成形用型としての成形型40の搬送方向(矢印A方向)に連続して形成されている。この成形装置10は、周囲を筐体18で覆われ、各室内は気密に形成されている。また、予備室11の入口と各室間の境界、及び排出室13の出口には、夫々開閉可能なシャッター14〜17が設けられている。
(予備室11の構成)
予備室11は、床面に平坦なプレート19が敷設されている。このプレート19の上面に,下端が開口したチャンバー20が配置されている。このチャンバー20は、不図示のシリンダ等で昇降可能となっている。この予備室11は密室となっているが、入口のシャッター14を開くことで、外部から予備室11内、さらにチャンバー20内に成形型40を搬入できるようになっている。
こうして、チャンバー20を上昇移動させて内部に成形型40を収容することができる。この場合、予備室11の高さは、図1では正確でないが、実際にはチャンバー20を昇降移動可能な高さに設定されている。
なお、詳しくは後述するが、搬入される成形型40内には、機能面予定面よりも外側の部位で支持された球状の熱可塑性素材38が収容されている。
本実施の形態では、チャンバー20内に成形型40を収容した後、該チャンバー20内の真空引きが行われる。また、この真空引きの後、チャンバー20の内部を窒素や非酸化性ガスによってガス置換を行う。
そのために、チャンバー20の上方には、配管21を介して真空ポンプ22及びN2供給装置23が接続されている。この真空ポンプ22により、チャンバー20内を真空引きし、代わりに窒素ガスを充填できるようになっている。こうして、チャンバー20内は窒素ガスで置換される。また、成形型40には、外気と連通する不図示の空気孔が形成されていて、この空気孔を介して成形型40の内部も窒素ガスで充満される。
チャンバー20内が窒素ガスで置換された後は、チャンバー20が上昇して開放され、成形型40が搬出できるようになっている。
チャンバー20が開放された後は、成形室12との間にあるシャッター15が開き、成形型40が成形室12へ搬入される。その後、シャッター15は閉じられる。
なお、本実施の形態において、成形型40の投入、移動、搬出は不図示の搬送アームによって行うものとする。また、予備室11内の酸素濃度は20ppm以下に保たれている。このように、予備室11の酸素濃度を低くするのは、成形型40や成形装置10内の構造物の耐久性の向上と、成形品(光学素子)の不良発生の防止のためである。さらに、予備室11内にチャンバー20を設けたのは、成形型40内の酸素濃度を確実に低くするためである。

(成形室12の構成)
成形室12内は、窒素置換(窒素パージ)が行われ、酸素濃度は10ppm以下に保たれている。また、搬入された成形型40に対し、加熱、成形、冷却が行えるように、複数(本実施の形態では2つ)のステージに分割されている。本実施の形態では、加熱と成形を行うステージ1と、冷却を行うステージ2の二つのステージに分割されている。
ステージ1は、1対の上プレート24及び下プレート26を有し、各上・下プレート24,26内には、夫々上・下カートリッジヒーター28、29が内蔵されている。この上・下カートリッジヒーター28、29により、上・下プレート24,26を所望の温度に加熱することができる。この上・下プレート24,26により、挟持した成形型40を加熱することができる。また、上プレート24は、シリンダ32により上下方向に昇降することができる。
また、ステージ1では、下プレート26の中心に孔35が貫通形成されている。この孔35に、プレス機構36(図示せず)の押上げ部材36が摺動可能に嵌挿されている。この押上げ部材36は、不図示のヒーターにより下プレート26と同じ温度状態に加熱されている。この押上げ部材36は、不図示のシリンダにより上下方向に昇降移動することができる。
ステージ2は、1対の上プレート25及び下プレート27を有し、各上・下プレート25,27内には、夫々上・下カートリッジヒーター30、31が内蔵されている。この上・下カートリッジヒーター30、31により、上・下プレート25,27を所望の温度に加熱することができる。この上・下プレート25,27により、挟持した成形型40を冷却することができる。また、上プレート25は、シリンダ33により上下方向に昇降することができる。
なお、成形室12での具体的な作業内容については後述する。

(排出室13の構成)
この排出室13は、成形室12から搬送されてきた成形型40を冷却して外部に搬出する役目を有している。
排出室13は、床面にプレート51が敷設されている。また、上方には、不図示のシリンダ等で放熱板52が上下方向に昇降可能に配置されている。こうして、排出室13内に成形型40が搬入されると、放熱板52が下降してくる。
また、排出室13内の酸素濃度は20ppm以下に保たれている。そして、放熱板52で成形型40の上端面を所定時間あてつけ、常温近くまで成形型40の温度を下げる。その後、排出口に設けられたシャッター17を開き、不図示の搬送アームにより成形型40を外部へ排出し、工程完了となる。

(成形型40の構成)
図2は、成形型40の構成を示す図であり、図3は、その拡大図である。
同図2において、成形型40は、上型41、下型42、スリーブ43、及び保持部材44を有している。
上型41及び下型42は、スリーブ43の内部で、それぞれの成形面41a,42aが対向するようにスリーブ43の両端側から嵌挿されている。上型41は、略円柱状をなし、フランジ部41Aと先端部41Bとを有している。先端部41Bには、下型42との対向面側に凹状の成形面41aが形成されている。
また、下型42は、大径の基体部42Aと小径の細長い先端部42Bとを有している。この先端部42Bには、上型41との対向面側に凸球面状の成形面42aが形成されている。
スリーブ43は、略円筒状で内面が段付きになっており、その段部43aにリング状の保持部材44が摺動可能に支持されている。この保持部材44は、中央に貫通孔44aが形成されている。この貫通孔44aに、下型42の先端部42Bが挿通可能となっている。保持部材44は、熱可塑性素材38と接触している。保持部材44により、熱可塑性素材38は、貫通孔44a上、貫通孔44a内、及び保持部材44の上面上に保持されている。
この貫通孔44aの上端部には、開口端縁44bが形成されている。開口端縁44bは、本実施形態の例では、リング状の保持部材44の角部である。開口端縁44bの形状は、平面視において、例えば円周などである。この開口端縁44bに、ボール形状の熱可塑性素材38のうち、下側の光学機能面予定面よりも外側の部位が支持されている。本実施形態では、開口端縁44bは、保持部材44と熱可塑性素材38との接触部となる。本実施形態では、この熱可塑性素材38として球状のガラス素材が用いられている。
なお、光学機能面予定面とは、熱可塑性素材38が成形されて成形品(光学素子)となった場合の光学素子の光学機能面と同じ位置・形状の仮想面をいう。
こうして、熱可塑性素材38は、上型41の成形面41aと下型42の成形面42aとの間に離間して支持されている。
上型41は、そのフランジ部41Aがスリーブ43の上端面に当て付くように配置されている。また、下型42の基体部42Aは、スリーブ43の軸方向に摺動可能となっている。
なお、上型41、下型42、スリーブ43、及び保持部材44は、タングステンカーバイド(WC)等の超硬合金を研磨して仕上げられている。
次に、図3において、リング状の保持部材44の開口端縁(接触部)44bから、該開口端縁44bから加圧方向(Z方向)に引いた線と上型41の成形面41aとの交点Pまでの寸法をL、熱可塑性素材38の成形前の直径をDとしたとき
L<D
の関係を有している。
これにより、熱可塑性素材38が図3の破線位置よりも外側に大きく移動するのが防止される。
こうして、下型42が持ちあがると、下型42の成形面42aは熱可塑性素材38と接触してこれを持ち上げ、熱可塑性素材38は上型41の成形面41aに当接され、成形が開始される。
次いで、下型42のさらなる上方移動によりリング状の保持部材44を持ち上げ、この保持部材44も熱可塑性素材38の周囲に当接して、やがて成形を完了する。なお、成形工程の詳細については後述する。
図4A及び図4B、図5A及び図5Bは、本実施の形態の上型41の成形面と保持部材44の開口端縁44bとの間の寸法Lと、成形前の熱可塑性素材38の直径Dとの関係を示す図である。なお、図2と同一又は相当する部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4A及び図4Bでは、上型41の成形面41a’が凸面をなしており、この場合の寸法Lは、リング状の保持部材44の開口端縁44bから加圧方向(Z方向)に引いた線と、上型41の成形面41a’との交点Qまでの寸法となる。そして、成形前の熱可塑性素材38の直径DとLとが、L<Dとなっている。これにより、成形時に熱可塑性素材38が、図4Bの矢印方向(破線)に移動することはない。
仮に、熱可塑性素材38が矢印方向に若干移動したとしても、重力により調心される。
また、図5A及び図5Bでは、上型41の成形面41a”が平面となっており、この場合の寸法Lは、リング状の保持部材44の開口端縁44bから加圧方向(Z方向)に引いた線と、上型41の成形面41a”との交点Rまでの寸法となる。そして、成形前の熱可塑性素材38の直径DとLとが、L<Dとなっている。これにより、成形時に熱可塑性素材38が、図5Bの矢印方向(破線)に移動することはない。
同様に、仮に、熱可塑性素材38が矢印方向に若干移動したとしても、重力により調心される。

(成形室12での具体的な作業内容)
次に、図6A〜図6Dに基づき、前述した成形室12での具体的な作業内容を説明する。
図6Aは、熱可塑性素材38が支持された状態を示す図、図6Bは、熱可塑性素材38を持ち上げて成形を開始する工程を示す図、図6Cは、保持部材44を持ち上げて成形を完了する工程を示す図、図6Dは、成形品39を冷却する工程を示す図である。図6A〜図6Cの工程は、主としてステージ1で行われ、図6Dの工程は、ステージ2で行われる。
図6Aにおいて、熱可塑性素材38が収容された成形型40は、初めに予備室11からステージ1の下プレート26の中心に搬送される。その後、上プレート24が下降してきて上型41の上端面に当てつく。本実施の形態では、熱可塑性素材38は上型41と非接触のため、上プレート24の荷重や衝撃で熱可塑性素材38が割れることはない。そのため、熱可塑性素材38がどんなに微小なサイズであっても、上プレート24の荷重を小さくする必要はない。
但し、その後の成形工程において、押上げ部材36が下型42を下方から持ち上げるため、上プレート24による荷重は、押上げ部材36の荷重よりも大きい荷重を付加する必要がある。
この状態で、熱可塑性素材38が成形可能な粘度状態になるまで、上・下プレート24,26により成形型40を加熱する。このとき、成形型40の温度が熱可塑性素材38の屈伏点よりも10℃〜30℃程度高温になるように、カートリッジヒーター28,29の出力を調整する。また、加熱時間は、熱可塑性素材38の材料と体積によって調整する。
次に、図6Bに示すように、熱可塑性素材38が成形可能な粘度状態になったとき、下プレート26の中心内部に格納されていた押上げ部材36が下方から上方へ上方移動する。この押上げ部材36は、スリーブ43の内径よりも細く形成されていて、下型42を持ち上げることができる。すると、下型42の先端の成形面42aが上方移動して熱可塑性素材38に接触し、この熱可塑性素材38を持ち上げる。
これにより、熱可塑性素材38は保持部材44から離れて上型41の成形面41aに当てつけられる。こうして、熱可塑性素材38は下型42の成形面42aと上型41の成形面41aとの間に挟まれ、成形が開始される。
さらに、下型42は上方へと持ち上げられ続けるが、その途中で下型42の基体部42Aの上端面42bが(図6A参照)、保持部材44の下面44cと接触し、保持部材44を持ち上げる。続いて、熱可塑性素材38は、下型42の上方移動により、下型42の成形面42aと上型41の成形面41aとの間で加圧成形される。なお、保持部材44は熱可塑性素材38の周囲に当接する。
押上げ部材36の荷重は、熱可塑性素材38の材料や加熱時間・加熱温度にもよるが、成形品(光学素子)の光軸と垂直面の面積でおよそ1mm当り1kgfである。また、熱可塑性素材38を十分に軟化させておけば、1mm当り3kgf、又はそれ以上の高荷重でも、熱可塑性素材38が割れずにプレスを行えるため、比較的短時間でプレスを完了することができる。
このことは、熱可塑性素材38の機能面予定面と、上型41の成形面41a及び下型42の成形面42aとが高温で接触する時間が短くて済むので、成形品(光学素子)の曇りや発泡等の変質リスクを大幅に軽減することが可能となる。
次に、図6Cにおいて、押上げ部材36が下プレート26からどれだけ突出しているかは、不図示のシリンダに取付けられたマイクロメータ等により把握することができる。この押上げ部材36の突出量と成形型40の構成から、プレス中の熱可塑性素材38の肉厚を算出することができる。熱可塑性素材38をある肉厚までプレスしたとき、上・下プレート24,26の温度を屈伏点程度まで下げ、プレス速度を抑える。こうすることで、成形される光学素子の肉厚精度を高めることができる。
なお、本実施の形態では、リング状の保持部材44は下型42とともに上方移動して、熱可塑性素材38の周囲に当接するが、これに限らない。当接しなくてもよい。
押上げ部材36の荷重については、加熱温度の変更に伴って変更してもよいし、加熱温度の変更とは別に変更してもよい。さらに、熱可塑性素材38が所定の肉厚までプレスされたとき、上・下プレート24,26の温度を転移点以下まで下げる。こうして、熱可塑性素材38の成形面にヒケ・ハガレが発生しないように荷重を与えながら固化させる。
さらに、熱可塑性素材38の温度が転移点以下になると、押上げ部材36を下プレート26の内部へ再び格納する。それに伴い、下型42は落下し下プレート26上に戻る。成形された成形品39も上型41及び下型42から離れる。その後、成形型40は不図示の搬送アームによってステージ2へ搬送される。
次に、図6Dにおいて、上プレート25のシリンダ33を下降させて上型41に当て付ける。こうして、成形型40を上・下プレート24,26に挟み込み、成形品39を冷却する。なお、上・下プレート24,26の温度は200〜400℃程度がよい。こうして、成形品39が排出室13で急冷されたときのサーマルショックによるワレや、成形型40や排出室13内での酸化によるダメージを防ぐことができる。
次いで、成形品39を所定時間冷やした後、成形室12と排出室13との間のシャッター16が開かれ、成形品39は不図示の搬送アームにより排出室13へ送られる。その後、シャッター16は閉じる。この排出室13で、常温近くまで成形型40の温度を下げ、排出口のシャッター17を開いて成形型40を外部へ排出し、工程完了となる。この後、搬出された成形型40を分解して成形品(光学素子)を取り出す。
本実施の形態によれば、下型42により保持部材44に支持された熱可塑性素材38を持ち上げ、この熱可塑性素材38を上型41に押し当てる際、熱可塑性素材38が下型42の成形面42aの中心42cから遠く離れるのを防止することができる。より具体的には、下型42を上昇させる際に、下型42の成形面42aの中心42cの垂直上方(加圧方向)には、必ず熱可塑性素材38の一部が存在することになる。
これにより、空打ちによる成形型40の破損の防止、光学素子の体積不足の防止、応力非対称となることの防止、芯取り工程の労力削減などを図ることができる。

[第2の実施の形態]
図7は、本実施の形態の成形型40の構成を示す図であり、図8は、その拡大図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
同図7において、第1の実施の形態と同様に、成形型40は、上型41、下型42、スリーブ43、及び保持部材44を有している。本実施の形態では、図8に示すように、保持部材44にテーパ面44dを形成し、テーパ面44d上に接触部46が位置する点が相違している。接触部46は、例えば図のように、テーパ面44dの中央付近に位置している。テーパ面44dの最下端は、開口端縁44bである。
図8において、寸法Lは、保持部材44と熱可塑性素材38との接触部46から、この接触部46から加圧方向(Z方向)に引いた線と上型41の成形面41aとの交点Sまでの寸法となる。そして、成形前の熱可塑性素材38の直径DとLとが、L<Dとなっている。これにより、成形時に熱可塑性素材38が、図8の破線位置よりも外側に大きく移動することはない。
なお、本実施の形態では、保持部材44の接触部46の周囲にテーパ面44dを形成した場合について説明したが、これに限らない。例えば、接触部46の周囲に凹曲面を形成してもよい。また、例えば、保持部材44と熱可塑性素材38とが面で接触している場合には、保持部材44と熱可塑性素材38との接触部46から、この接触部46から加圧方向に引いた線と上型41の成形面41aとの交点Sまでの寸法のうちの最も短い寸法を寸法Lとすることができる。
図9A及び図9Bは、保持部材44の上端面の一部にテーパ面44dを形成した例を示す図であり、図10A及び図10Bは、保持部材44の上端面の全部にテーパ面44dを形成した例を示す図である。この場合、図9A及び図9Bのテーパ面44dは、図10A及び図10Bのテーパ面44dよりも急傾斜となっている。
なお、本実施の形態では、保持部材44の上端面はテーパ面44dのため、成形時に熱可塑性素材38に当接しない。ただし、これに限らない。例えば、成形時に保持部材44のテーパ面44dが熱可塑性素材38に当接するようにしてもよい。
成形室12での成形の際には、図9A(又は図10A)に示すように、成形型40は、ステージ1の下プレート26の中心に搬送され、続いて、上プレート24が下降してきて上型41の上端面に当てつく。
次いで、熱可塑性素材38が成形可能な粘度状態になるまで、上・下プレート24,26により成形型40を加熱する。熱可塑性素材38が成形可能な粘度状態になったとき、下プレート26の中心内部に格納されていた押上げ部材36が下方から上方へ移動して下型42によりプレスを開始する。
この場合、熱可塑性素材38は保持部材44の開口端縁44bに支持された状態で、下型42により持ち上げられる。こうして、熱可塑性素材38は貫通孔44aの中心または略中心に位置したまま持ち上げられ、若干転がったとしてもテーパ面44dにより自動調心される。このため、熱可塑性素材38が中心からずれることはない。
次に、図9B(又は図10B)において、熱可塑性素材38をある肉厚までプレスしたとき、上・下プレート24,26の温度を屈伏点程度まで下げ、プレス速度を抑える。こうすることで、成形される光学素子の肉厚精度を高めることができる。
また、熱可塑性素材38の温度が転移点以下にまで下げ、荷重を与えながら固化させる。熱可塑性素材38が転移点以下になると、押上げ部材36を下プレート26の内部へ再び格納し、下型42は落下する。同時に、成形された成形品39も上型41及び下型42から離れる。その後、成形型40はステージ2へ搬送される。ステージ2での工程は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、ハンドリング時に成形型40を傾けたとしても、また、成形型40の搬送時に慣性力や振動を受けたとしても、球状の熱可塑性素材38が転がってテーパ面44dから飛び出すことはない。また、仮に球状の熱可塑性素材38がテーパ面44dに沿って移動したとしても、重力により調心される。
これにより、第1の実施の形態と同様に、空打ちによる成形型40の破損の防止、光学素子の体積不足の防止、応力非対称となることの防止、芯取り工程の労力削減などを図ることができる。
10 成形装置
11 予備室
12 成形室
13 排出室
14 シャッター
15 シャッター
16 シャッター
17 シャッター
18 筐体
19 プレート
20 チャンバー
21 配管
22 真空ポンプ
23 N供給装置
24 上プレート
25 上プレート
26 下プレート
27 下プレート
28 カートリッジヒーター
29 カートリッジヒーター
30 カートリッジヒーター
31 カートリッジヒーター
32 シリンダ
33 シリンダ
35 孔
36 押し上げ部材
38 熱可塑性素材
39 成形品
40 成形型
41 上型
41A フランジ部
41B 先端部
41a 成形面
41a’ 成形面
42 下型
42A 基体部
42B 先端部
42a 成形面
42b 上端面
42c 中心
43 スリーブ
43a 段部
44 保持部材
44a 貫通孔
44b 開口端縁
44c 下面
44d テーパ面
46 接触部
51 プレート
52 放熱板

Claims (2)

  1. 対向配置され、それらの間に加熱軟化して加圧成形される球状の熱可塑性素材が配置される上型及び下型と、
    これら上型及び下型を嵌挿するスリーブと、
    前記上型及び下型の対向面間で前記スリーブ内に摺動可能に配置され、前記下型の先端部が挿通される貫通孔を備え、少なくとも該貫通孔上に前記熱可塑性素材を接触して保持する保持部材と、を有し、
    前記保持部材と前記熱可塑性素材との接触部から前記上型の成形面までの加圧方向の寸法は、前記熱可塑性素材の成形前の直径よりも小さい、光学素子成形用型。
  2. 請求項1に記載の光学素子成形用型において、
    前記保持部材は、テーパ面を有し、
    前記接触部は、前記テーパ面上に位置する、光学素子成形用型。
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