WO2007091647A1

WO2007091647A1 - エレベータ用品の揚重装置及び揚重方法

Info

Publication number: WO2007091647A1
Application number: PCT/JP2007/052254
Authority: WO
Inventors: Naohiro Takamura
Original assignee: Toshiba Elevator Kabushiki Kaisha
Priority date: 2006-02-09
Filing date: 2007-02-08
Publication date: 2007-08-16
Also published as: JP4959986B2; CN101374749A; CN101374749B; JP2007210744A

Abstract

滑車（１８）を備える滑車装置（１０）を、建屋の昇降路（１）の天井部（１ａ）に設けられたほぼＵ字状の掛け部材（６）に、前記滑車（１８）がその掛け部材（６）の下端部より上方の位置に配置するように取り付け、この滑車装置（１０）の滑車（１８）に揚重用線条材としての玉掛けワイヤ（２７）を巻き掛け、この玉掛けワイヤ（２７）の一端部を揚重対象物としての巻上機（３１）に連結し、他端部を揚重機（３０）に連結し、かつ揚重機（３０）の吊元側のワイヤ（３２）を昇降路１の側壁面の吊元部（３３）に連結し、この状態で揚重機（３０）を操作して玉掛けワイヤ（２７）を引張って巻上機（３１）を昇降路（１）の最上部に位置にまで吊り上げる。

Description

明細書

エレベータ用品の揚重装置及び揚重方法技術分野

[0001] 本発明は、建屋の昇降路内にエレベータを据え付けるに当ってそのエレベータ用品を昇降路内で揚重するエレベータ用品の揚重装置及び揚重方法に関する。背景技術

[0002] 建屋の昇降路内にエレベータを据え付ける際には、そのエレベータの各種の用品を揚重装置を用いて揚重する作業が伴う。例えば、マシンレスエレベータの場合に、その卷上機を揚重してガイドレール上部のマシンヘッドに据え付ける。

[0003] このような揚重の作業に当っては、日本の特開 2004— 331348に見られるように、昇降路の天井部に設けられている掛け部材に揚重機を掛け止めて吊下げ、その揚重機カゝら垂下されたロープで揚重対象物を揚重する方法や、日本の特開 2003— 6 3777に見られるように、昇降路の天井部の掛け部材に滑車を備える天秤装置を掛け止めて吊下げ、その天秤の一端部にワイヤを介して揚重対象物を支持し、天秤の他端部を引き下げることで揚重対象物を揚重する方法が知られている。

[0004] ところで、エレベータ用品のうちには、昇降路内のより高い位置にまで揚重することが必要なものがある。例えばマシンレスエレベータの場合の卷上機であり、この場合の卷上機は昇降路内の最も高い最上部にまで揚重して据え付けることが必要である

[0005] し力しながら、従来の揚重方法では、昇降路の天井部の掛け部材に揚重機を掛け止めて吊下げ、その揚重機カゝら垂下したロープで揚重対象物を揚重する形態であるため、昇降路の天井部の至近距離の位置にまで揚重対象物を揚重することができないという課題がある。

発明の開示

[0006] 本発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、建屋の昇降路内にエレベータを据え付ける際に、そのエレベータ用品を昇降路の天井部の至近距離の位置にまで揚重することができるエレベータ用品の揚重装置及び揚重方法を提供することにある。

[0007] 本発明の一形態は、ほぼ U字状の掛け部材を備える建屋の昇降路の天井部と、滑車を備え、その滑車が前記掛け部材の下端部より上方の位置に配置するように前記掛け部材に取り付けられる滑車装置と、前記滑車装置の滑車に巻き掛けられる揚重用線条材と、前記揚重用線条材の一端部に連結される揚重対象物としてのエレべ一タ用品と、前記揚重用線条材の他端部に連結され、該揚重用線条材を引張ることにより前記エレベータ用品を吊り上げる揚重機とを具備することを特徴としている。

[0008] 発明の一形態は、滑車を備える滑車装置を、建屋の昇降路の天井部に設けられたほぼ U字状の掛け部材に、前記滑車がその掛け部材の下端部より上方の位置に配置するように取り付け、この滑車装置の滑車に揚重用線条材を卷き掛け、この揚重用線条材の一端部に揚重対象物としてのエレベータ用品を、他端部に揚重機をそれぞれ連結し、その揚重機を操作して前記揚重用線条材を引張って前記エレベータ用品を吊り上げることを特徴としている。

[0009] 発明の一形態は、前記滑車装置が、前記天井部の掛け部材の内側に挿入される本体と、前記掛け部材に引っ掛けられ、ナットによる締め付けで前記本体を前記天井部に圧着させることが可能なフック部材を備えることを特徴としている。

[0010] 発明の一形態は、前記滑車装置が、前記天井部の掛け部材の垂直部に Uボルトを介して取り付けられ、その Uボルトを緩めることにより前記掛け部材の垂直部の軸回り方向に回動することが可能となって、ることを特徴として！/、る。

[0011] 発明の一形態は、前記滑車装置が、前記天井部の掛け部材の内側に挿入される本体と、前記本体にその下側力ゝら螺挿されたボルトとを備え、前記ボルトを締め付け、その先端を前記天井部に押し当てることで前記本体を前記掛け部材の下端部に押圧して該掛け部材に固定することが可能となっていることを特徴としている。

[0012] 発明の一形態は、前記天井部には一対の掛け部材が設けられ、前記滑車装置はその一対の掛け部材に跨って取り付けられて、ることを特徴として、る。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]図 1は、本発明の第 1の実施形態に係るマシンレスエレベータの卷上機の揚重状態を示す説明図である。 [図 2]図 2は、その第 1の実施形態に係る滑車装置の側面図である。

[図 3]図 3は、その第 1の実施形態に係る滑車装置の平面図である。

[図 4]図 4は、図 2中の A— A線に沿う断面図である。

[図 5]図 5は、本発明の第 2の実施形態に係る滑車装置の側面図である。

[図 6]図 6は、本発明の第 2の実施形態に係る滑車装置の平面図である。

[図 7]図 7は、本発明の第 3の実施形態に係る滑車装置の平面図である。

[図 8]図 8は、本発明の第 3の実施形態に係る滑車装置の正面図である。

[図 9]図 9は、本発明の第 3の実施形態に係る滑車装置の側面図である。

[図 10]図 10は、本発明の第 4の実施形態に係る滑車装置の平面図である。

[図 11]図 11は、本発明の第 4の実施形態に係る滑車装置の側面図である。

[図 12]図 12は、本発明を実施する際の作業工程の一例を示す工程図である。

発明を実施するための最良の形態

[0014] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

[0015] 図 1には第 1の実施形態を示してあり、この実施形態は建屋に設けられた昇降路 (h oist way) 1内の最上部にマシンレスエレベータの卷上機 31を据え付ける場合の例である。昇降路 1内にはエレベータの乗りかご (car)あるいは釣合、重りの昇降をガイドするガイドレール 2, 3が互いに対向して設けられている。これらガイドレール 2, 3はそれぞれブラケット 4を介して昇降路 1の側壁面に固定されている。そして一方のガイドレール 2の上端部には、マシンレスエレベータの卷上機 31を据え付けるためのマシンベット 5が水平に取り付けられて!/、る。

[0016] また、昇降路 1の天井部 laには、それぞれ金属棒材を U字状に曲成してなる一対の掛け部材 6, 7が一定の間隔をあけて取り付けられている。そして一方の掛け部材 6 の内側に滑車装置 10が設けられている。

[0017] 滑車装置 10の構造を図 2及び図 3に示す。図 2は滑車装置 10の側面図で、図 3は滑車装置 10の平面図である。滑車装置 10は本体 11を備えている。この本体 11は互いに対向する一対の側板 12が鋼材 13で一体的に結合されてなる。本体 11は水平部 11 aと垂直部 1 lbとを有するほぼ L形状をなして、る。その水平部 1 laと垂直部 11 bとが交差する部分の両側外面には鋼材 14が取り付けられている。その一方の鋼材 14の外面力も前記両側板 12を貫通して他方の鋼材 14の外面側に達する滑車ボルト 15が設けられている。この滑車ボルト 15を介して両側板 12間に一対の滑車 18が並列するようにそれぞれ回転自在に支持されている。なお、 16は前記滑車ボルト 15 の先端部に螺着されたナットである。

[0018] 本体 11における垂直部 l ibの下部にはフック部材 20が設けられている。このフック部材 20は図 4に示すように両側板 12間に設けられた断面コ字状の鋼材 21を介してその両側板 12間に配置するように支持されて!、る。断面コ字状の鋼材 21は支持軸 2 2を介して両側板 12に対して回動自在に取り付けられ、フック部材 20の下端部は鋼材 21に摺動自在に貫挿され、その下側にナット 23が螺着され、フック部材 20の全体が鋼材 21と一体的に支持軸 22を中心としてその軸回り方向に回動することが可能となっている。

[0019] 滑車装置 10を掛け部材 6に取り付ける手順について説明すると、まず図 2に示すように、本体 11の水平部 11aを U字状の掛け部材 6の内側に挿入し、この状態で本体 11の垂直部 1 lbに設けられて、るフック部材 20を回動してその先端部を掛け部材 6 の下端部に掛け止めるとともに、ナット 23を締め付け、フック部材 20を軸方向に移動させて本体 11の水平部 11aの上面を昇降路 1の天井部 laに押し付けて圧着させる。これにより滑車装置 10の全体が昇降路 1の天井部 laに強固にかつ安定して固定されている。

[0020] このように、昇降路 1の天井部 laに設けられた掛け部材 6の内側に滑車装置 10を取り付けた後には、この滑車装置 10の滑車 18に図 1に示すように揚重用線条材としての玉掛けワイヤ 27を巻き掛ける。そしてこの玉掛けワイヤ 27の一端部をエレベータ用品としての卷上機 31に連結し、他端部を揚重機 30に連結する。揚重機 30の吊元側のワイヤ 32は、昇降路 1の側壁面に設けられている吊元部 33に掛け止める。

[0021] この状態で、揚重機 30を操作して玉掛けワイヤ 27を揚重機 30側に引き込み、卷上機 31を昇降路 1の上部に向けて吊り上げる。そして卷上機 31がマシンベット 5より上方の位置にまで達した際に揚重機 30の操作を停止し、マシンベット 5の上に卷上機 3 1を乗せる。卷上機 31を横にずらすことが必要なときには、卷上機 31をマシンベット 5 に沿って移動させる。卷上機 31が所定の位置に配置された後には、ボルトやクリップなどの締結部品を用いて卷上機 31をマシンベット 5に据え付けて固定し、卷上機 31 力も玉掛けワイヤ 27を取り外す。

[0022] このような揚重形態においては、卷上機 31の吊上頂部となる滑車 18が昇降路 1の天井部 laに設けられて、る掛け部材 6の内側に配置されて天井部 laの間近にあり、このため卷上機 31を天井部 1 aの至近距離まで吊り上げて卷上機 31を天井部 laの間近の最上部に据え付けることができる。なお、卷上機 31の場合のほか、他のエレベータ用品につヽても同様に吊り上げることができる。

[0023] 図 5及び図 6にはこの発明の第 2の実施形態に滑車装置 10の構造を示してある。

図 5はその滑車装置 10の側面図で、図 6は同じく平面図である。この滑車装置 10は、ベース 36を備え、このベース 36の上に 3つの支持板 37, 38, 39力 ^それぞれ互!ヽに離間して対向するようにボルト 40を介して取り付けられている。支持板 37, 38間には滑車ボルト 41が架設され、この滑車ボルト 41を介して支持板 37, 38間において一対の滑車 42がそれぞれ回転自在に支持されて、る。

[0024] 支持板 38, 39の一方の端面側にはその支持板 38, 39の双方に跨って配置するように当板 44が設けられている。この当板 44はそれぞれボルト 45を介して支持板 38, 39の端面に着脱可能に取り付けられている。そしてこの当板 44の内側に Uボルト 47 を取り付けることができるようになって、る。

[0025] この滑車装置 10は昇降路 1の天井部 laの掛け部材 6に次のような手順で取り付ける。まず、当板 44を取り外した状態で、滑車装置 10の側方側から U字状をなす掛け部材 6の片側の垂直部を支持板 38, 39間の空間内に介入させる。次に、前記支持板 38, 39の端面に当板 44を突き当て、この当板 44をボルト 45で支持板 38, 39の端面に締結して固定する。次に、当板 44の内側から前記掛け部材 6の垂直部を抱え込むように Uボルト 47を挿入し、その挿入側の端部にナット 48を螺着し、これらナット 48を締め付け、 Uボルト 47と当板 44とで掛け部材 6の垂直部を挟み込んで締め付ける。これにより、滑車装置 10が掛け部材 6の垂直部に水平に取り付けられ、滑車 42 が掛け部材 6の下端部より上方に位置に配置される。

[0026] このように掛け部材 6に滑車装置 10を取り付けた後には、前述の場合と同様に、滑車装置 10の滑車 42に揚重用線条材としての玉掛けワイヤ 27を巻き掛け、その玉掛けワイヤ 27の一端部を揚重対象物であるエレベータ用品に連結し、他端部を揚重機に連結する。そして揚重機を操作してエレベータ用品を吊り上げる。

[0027] この場合においても、エレベータ用品の吊上頂部となる滑車 42が昇降路 1の天井部 laに設けられている掛け部材 6の下端部より上方に配置されているから、そのエレベータ用品を天井部 laの間近となるより高い位置にまで吊り上げて天井部 laの間近の最上部の位置に据え付けることができる。

[0028] そしてこの場合には、滑車装置 10が掛け部材 6の垂直部に Uボルト 47を介して取り付けられているため、その Uボルト 47を緩めることにより滑車装置 10の全体をその掛け部材 6の垂直部の軸回り方向に回動してその向きを変えることができる。したがって、エレベータ用品を吊り上げる揚重方向が変わるような場合であってもそれに容易に対応することができる。

[0029] 図 7乃至図 9にはこの発明の第 3の実施形態に係る滑車装置 10の構造を示してある。図 7はその滑車装置 10の平面図、図 8は同じく正面図、図 9は同じく側面図である。

[0030] この滑車装置 10は一対の側板 50を有する本体 51を備えている。各側板 50は、それぞれ水平部 50aと垂直部 50bとを有する断面 L字状に形成されて、る。その各側板 50の水平部 50aがそれぞれ外側を向、てヽる。垂直部 50bが互いに対向する状態でその両垂直部 50b間に 2本の滑車ボルト 52が架設されている。これら滑車ボルト 52で両側板 50が互いに連結されて一体的な本体 51として組み立てられている。そして前記各滑車ボルト 52にそれぞれ滑車 53が回転自在に設けられている。

[0031] 各側板 50における水平部 50aの先端縁の中間部及び垂直部 50bの下端縁の中間部にはそれぞれ切欠部 54, 55が形成されている。また、また各側板 50における水平部 50aの両端寄りの部分にはその下面側力も押しボルト 56が垂直に螺挿され、これら押しボルト 56にはそれぞれ緩み止め用のナット 57が螺着されている。

[0032] この滑車装置 10は昇降路 1の天井部 laの掛け部材 6に次のような手順で取り付ける。まず、本体 51を U字状をなす掛け部材 6の内側に挿入する。この際、各側板 50 がやや傾く姿勢で本体 51を掛け部材 6の内側に挿入する。そして挿入後に、本体 5 1を正立させ、切欠部 54を掛け部材 6の垂直部に嵌合させ、切欠部 55を掛け部材 6 の下端部に嵌合させる。次に、各押しボルト 56を工具を用いて回し、その先端を昇降路 1の天井部 laに圧接させる。この後、各ナット 57を締め付けて各押しボルト 56の緩み止めを図る。

[0033] これにより滑車装置 10の全体が昇降路 1の天井部 laと掛け部材 6との間に強固に安定して固定される。そして、このように掛け部材 6に滑車装置 10を取り付けた後に、前述の場合と同様に、滑車装置 10の滑車 53に揚重用線条材としての玉掛けワイヤ 27を巻き掛け、その玉掛けワイヤ 27の一端部を揚重対象物であるエレベータ用品に連結し、他端部を揚重機に連結し、その揚重機を操作してエレベータ用品を吊り上げる。

[0034] この場合においても、エレベータ用品の吊上頂部となる滑車 53が昇降路 1の天井部 laに設けられている掛け部材 6の下端部より上方に配置されているから、そのエレベータ用品を天井部 laの間近となるより高い位置にまで吊り上げて天井部 laの間近の最上部の位置に据え付けることができる。

[0035] 図 10及び図 11にはこの発明の第 4の実施形態に係る滑車装置 10を示してある。

図 10はその滑車装置 10の平面図、図 11は同じく正面図、図は同じく側面図である。

[0036] この滑車装置 10は昇降路 1の天井部 laに設けられた一対の掛け部材 6, 7の双方に跨って取り付けられるもので、その一対の掛け部材 6, 7の離間ピッチよりも大きい長さのベースプレート 60を備えて!/、る。

[0037] ベースプレート 60の両端部の片面にはそれぞれ支持板 61が溶接などにより取り付けられている。これら支持板 61とベースプレート 60の両端部との間にそれぞれ滑車ボルト 62が架設され、これら滑車ボルト 62にそれぞれ滑車 63が回転自在に設けられている。また、ベースプレート 60には前記一対の掛け部材 6, 7の離間ピッチと同じピツチの位置にそれぞれナット 65での締め付けが可能な Uボルト 66が設けられている

[0038] この滑車装置 10は昇降路 1の天井部 laの掛け部材 6, 7に次のような手順で取り付ける。まず、ベースプレート 60から各 Uボルト 66を取り外した状態でそのベースプレート 60を一対の掛け部材 6, 7の垂直部に突き当てる。そしてベースプレート 60の一方の片面側から各 Uボルト 66を前記掛け部材 6, 7の垂直部を抱え込むようにしてベースプレート 60に挿入する。そして各 Uボルト 66の挿入先端部にナット 65を螺着し、これらナット 65を締め付ける。これにより掛け部材 6, 7の垂直部が Uボルト 66とべ一スプレート 60とで挟み付けられ、滑車装置 10の全体がその掛け部材 6, 7に安定して固定される。

[0039] そして、このように掛け部材 6, 7に滑車装置 10を取り付けた後に、前述の場合と同様に、滑車装置 10の滑車 63に揚重用線条材としての玉掛けワイヤ 27を巻き掛け、その玉掛けワイヤ 27の一端部を揚重対象物であるエレベータ用品に連結し、他端部を揚重機に連結し、その揚重機を操作してエレベータ用品を吊り上げる。

[0040] この場合においても、エレベータ用品の吊上頂部となる滑車 63が昇降路 1の天井部 laに設けられている掛け部材 6の下端部より上方に配置されているから、そのエレベータ用品を天井部 laの間近となるより高い位置にまで吊り上げて天井部 laの間近の最上部の位置に据え付けることができる。

[0041] 以上のような揚重方法を実施する際の全体の作業工程について説明すると、次の通りである。図 12にはその作業工程を順に示してある。まず、建屋の昇降路内に足場用機材を搬入する (Sl)。次に、その足場用機材を用いて昇降路内の所要の各レベルの位置に足場を組み立てる（S2)。次に、その足場に足を掛けて昇降路の天井部の掛け部材に滑車装置を取り付ける (S3)。

[0042] 次に、昇降路内に卷上機などのエレベータ用品ゃ揚重機、揚重用線条材などの機材を搬入する (S4)。次に、前記揚重用線条材を前記滑車装置の滑車に巻き掛ける (S5)。次に、揚重用線条材の一端部にエレベータ用品としての卷上機を連結し、他端部に揚重機を連結し、その揚重機の吊元ワイヤを昇降路の側壁面の吊元部に接続する (S6)。次に、前記揚重機を操作して前記卷上機を吊り上げ、昇降路の最上部の位置に配置させる（S7)。次に、その卷上機をガイドレールの最上部のマシンべットの上に乗せ、ボルトなどの締結部品を用いてその卷上機をマシンベットに締結して固定する（S8)。さらに、必要なエレベータ用品を前記揚重機で揚重して所定の位置に据え付け、この後、前記滑車装置を昇降路の天井部の掛け部材から取り外す（ S9)。以上により施工が完了する。

[0043] なお、マシンレスエレベータの場合の卷上機は、ガイドレールの最上部にマシンべッドを組み立ててそのマシンベットの上に据え付ける場合に限らず、ボルトやクリップなどの締結部品を用いてガイドレールの最上部に直接据え付けるような場合であつてもよい。

[0044] なお、本発明を実施するに当たって、前記実施形態以外にも、各部材の形状や数等、本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施できることは言うまでもない。

産業上の利用可能性

[0045] 建屋の昇降路内にエレベータを据え付ける際に、そのエレベータ用品を昇降路の天井部の至近距離の位置にまで揚重できるエレベータ用品の揚重装置及び揚重方法を提供することができる。

Claims

請求の範囲

[1] ほぼ U字状の掛け部材 (6)を備える建屋の昇降路（1)の天井部（la)と、

滑車（18)を備え、その滑車（18)が前記掛け部材 (6)の下端部より上方の位置に配置するように前記掛け部材 (6)に取り付けられる滑車装置（ 10)と、

前記滑車装置（10)の滑車に巻き掛けられる揚重用線条材 (27)と、

前記揚重用線条材（27)の一端部に連結される揚重対象物としてのエレベータ用品（31)と、

前記揚重用線条材（27)の他端部に連結され、該揚重用線条材（27)を引張ることにより前記エレベータ用品（31)を吊り上げる揚重機（30)と、

を具備することを特徴とするエレベータ用品の揚重装置。

[2] 滑車を備える滑車装置（10)を、建屋の昇降路の天井部に設けられたほぼ U字状の掛け部材 (6)に、前記滑車がその掛け部材 (6)の下端部より上方の位置に配置するように取り付け、この滑車装置（10)の滑車に揚重用線条材 (27)を巻き掛け、この揚重用線条材（27)の一端部に揚重対象物としてのエレベータ用品（31)を、他端部に揚重機 (30)をそれぞれ連結し、その揚重機 (30)を操作して前記揚重用線条材（ 27)を引張って前記エレベータ用品（31)を吊り上げることを特徴とするエレベータ用品の揚重方法。

[3] 前記滑車装置（10)は、前記天井部（la)の掛け部材 (6)の内側に挿入される本体

(11)と、前記掛け部材 (6)に引っ掛けられ、ナット（23)による締め付けで前記本体（ 11)を前記天井部（la)に圧着させることが可能なフック部材 (20)を備えることを特徴とする請求項 1に記載のエレベータ用品の揚重装置。

[4] 前記滑車装置（10)は、前記天井部（la)の掛け部材 (6)の内側に挿入される本体

(11)と、前記掛け部材 (6)に引っ掛けられ、ナット（23)による締め付けで前記本体（ 11)を前記天井部（la)に圧着させることが可能なフック部材 (20)を備えることを特徴とする請求項 2に記載のエレベータ用品の揚重方法。

[5] 前記滑車装置（10)は、前記天井部の掛け部材 (6)の垂直部に Uボルト (47)を介して取り付けられ、その Uボルト (47)を緩めることにより前記掛け部材 (6)の垂直部の軸回り方向に回動することが可能となって、ることを特徴とする請求項 1に記載のエレベータ用品の揚重装置。

[6] 前記滑車装置（10)は、前記天井部の掛け部材 (6)の垂直部に Uボルト (47) (66) を介して取り付けられ、その Uボルト (47)を緩めることにより前記掛け部材 (6)の垂直部の軸回り方向に回動することが可能となっていることを特徴とする請求項 2に記載のエレベータ用品の揚重方法。

[7] 前記滑車装置（10)は、前記天井部の掛け部材 (6)の内側に挿入される本体と、前記本体にその下側から螺挿されたボルトとを備え、前記ボルトを締め付け、その先端を前記天井部に押し当てることで前記本体を前記掛け部材 (6)の下端部に押圧して該掛け部材に固定することが可能となっていることを特徴とする請求項 1に記載のェレベータ用品の揚重装置。

[8] 前記滑車装置（10)は、前記天井部の掛け部材 (6)の内側に挿入される本体と、前記本体にその下側から螺挿されたボルトとを備え、前記ボルトを締め付け、その先端を前記天井部に押し当てることで前記本体を前記掛け部材 (6)の下端部に押圧して該掛け部材に固定することが可能となっていることを特徴とする請求項 2に記載のェレベータ用品の揚重方法。

[9] 前記天井部には一対の掛け部材 (6、 7)が設けられ、前記滑車装置（10)はその一対の掛け部材 (6、 7)に跨って取り付けられていることを特徴とする請求項 1に記載のエレベータ用品の揚重装置。

[10] 前記天井部には一対の掛け部材 (6、 7)が設けられ、前記滑車装置（10)はその一対の掛け部材 (6、 7)に跨って取り付けられていることを特徴とする請求項 2に記載のエレベータ用品の揚重方法。