WO2007086354A1

WO2007086354A1 - 新規ヒスチジン誘導体

Info

Publication number: WO2007086354A1
Application number: PCT/JP2007/050942
Authority: WO
Inventors: Ko Nakamura; Yoshitaka Nakazawa; Minoru Kawamura; Kunihiko Higashiura; Tomoshi Miura
Original assignee: Nippon Zoki Pharmaceutical Co., Ltd.
Priority date: 2006-01-24
Filing date: 2007-01-23
Publication date: 2007-08-02
Also published as: US20090149658A1; US8236844B2; KR20080091460A; EP1982716B1; CA2636787A1; TWI382018B; AU2007208819A1; TW200736226A; CN101374518B; AU2007208819B2; EP1982716A1; KR101378821B1; CN101374518A; JP5128959B2; JPWO2007086354A1; EP1982716A4

Abstract

【課題】鎮痛薬等の医薬として有用な新規化合物を提供することにある。【解決手段】本発明は優れた鎮痛作用等を有する新規なヒスチジン誘導体を提供するものであり、急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛を治療するための鎮痛薬などとして非常に有用である。

Description

明細書

新規ヒスチジン誘導体

技術分野

[0001] 本発明は、新規ヒスチジン誘導体及びその薬学的に許容される塩及び水和物、並びに該化合物を有効成分として含有する医薬に関する。

背景技術

[0002] ヒスチジン又はメチルヒスチジンに 13ーァラニンが結合したアンセリン (N- β -了ラ二ル -1-メチル -L-ヒスチジン）及びカルノシン（ j8 -ァラ -ル- L-ヒスチジン）は、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類などの筋肉中に多く存在するヒスチジン誘導体であるが、これらは種々の薬理作用を有することが報告されている。

[0003] 例えば、アンセリンは免疫調節作用（特許文献 1参照）、抗ストレス作用（特許文献 2 参照）を有することが、またアンセリン及びカルノシンは血圧上昇抑制効果 (特許文献 3参照)、鉄吸収促進作用（特許文献 4参照)、学習能力の向上作用（特許文献 5参照）、亜鉛吸収促進作用（特許文献 6参照)及び抗酸化，老化防止，抗ガン作用（特許文献 7参照)等を有することが開示されているが、鎮痛作用については報告されていない。

[0004] 特許文献 1 :特公平 6— 41411号公報

特許文献 2：特開平 9 - 20660号公報

特許文献 3 :特許第 2939301号公報

特許文献 4：特開平 7— 97323号公報

特許文献 5：特開平 9 - 20661号公報

特許文献 6 :国際公開 WO01Z091762号公報

特許文献 7：特開 2003 - 267992号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 本発明の目的は、優れた鎮痛薬として有用な新規化合物を提供することにある。

課題を解決するための手段 [0006] 本発明者らは、各種の痛みに対して効果を示すィ匕合物について鋭意研究を行った結果、下記構造式 (I)で表される新規ヒスチジン誘導体が、急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛の病態モデル動物にぉ、て優れた鎮痛作用を有し、医薬として有用であることを見出し本発明を完成した。

発明の効果

[0007] 本発明ヒスチジン誘導体は急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛の病態モデル動物に対して優れた鎮痛作用を示す新規化合物であり、また、毒性試験においても何ら異常所見が認められない低毒性の化合物である。従って、本発明化合物は、急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛を呈する疾患を治療するための鎮痛薬などの医薬品として非常に有用である。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 本発明は下記一般式 (I)で表されるヒスチジン誘導体並びにその薬学的に許容される塩及び水和物、及び該化合物を有効成分として含有する鎮痛薬等の医薬に関する。

[化 1]

〔式中、 Rは水素、炭素数 1乃至 6のアルキル又は炭素数 1乃至 4のアルキル若しくは

1

ハロゲンで置換されていてもよいベンジルを表し、 Rは水素又は炭素数 1乃至 4のァ

2

ルキルを表し、 R及び Rは各々同一若しくは異なって水素、炭素数 1乃至 4のアルキ

3 4

ル又は炭素数 1乃至 6のアルキル、炭素数 1乃至 6のアルコキシ、ハロゲン、トリフルォロメチル、ニトロ及びシァノの、ずれ力 1種若しくは 2種の基で置換されて!、てもよ!/、フェ-ルを表し、 Rは水素又は炭素数 1乃至 4のアルキル基を表す。〕

5

[0009] 前記一般式 (I)の置換基において、炭素数 1乃至 6のアルキルとは好ましくはメチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec-ブチル、 t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、 t-ペンチル、へキシル、イソへキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、炭素数 1乃至 4のアルキルとは好ましくはメチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec-ブチル、 t-ブチル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。炭素数 1乃至 6のアルコキシとは好ましくはメトキシ、エトキシ、プロピルォキシ、イソプロピルォキシ、ブチルォキシ、ペンチルォキシ、へキシルォキシ等の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を表す。ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を表す。

[0010] 本発明化合物中、好ましい化合物は以下の化合物及びそのエステル体 (上記一般式にぉ、て Rが炭素数 1乃至 4のアルキル基である化合物）である。

5

N( a ) -アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 1]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π；)-ェチル -L-ヒスチジン [化合物 2]

N( a ) -クロトノィル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 3]

N( a ) -クロトノィル- Ν( π ) -ェチル- L-ヒスチジン [化合物 4]

N( a )-3-メチルクロトノィル- Ν( π )-メチル - L-ヒスチジン [化合物 5]

N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジン [化合物 6]

N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- Ν( π )-メチル - L-ヒスチジン [化合物 7]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -プロピル- L-ヒスチジン [化合物 8]

N( a )-3-メチルクロトノィル- Ν( π ) -ェチル- L-ヒスチジン [化合物 9]

N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- Ν( π ) -ェチル- L-ヒスチジン [化合物 10]

N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- Ν( π )-ェチル - L-ヒスチジン [化合物 11]

N( a ) -クロトノィル- Ν( π ) -プロピル- L-ヒスチジン [化合物 12]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -イソプロピル- L-ヒスチジン [化合物 13]

Ν( α ) -アタリロイル- L-ヒスチジン [化合物 14]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π；)-メチル -D-ヒスチジン [化合物 15] [0011] Ν( α )- 3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジン [化合物 16] N( a )-3- (4-メトキシフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 17] N( a )-3- (4-クロロフヱ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 18] N( a )-3- (3,4-ジクロロフヱ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 19] N( a )-3- (4-フルオロフェ -ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 20] N( a )-3- (3,5-ビストリフルォロメチルフヱ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジン [化合物 21]

N( a )-3- (4-イソブチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [ィ匕合物 22 ]

N( a )-3- (3,4-ジメトキシフヱ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 2 3]

N( a )-3- (4--トロフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 24]

N( a )-3- (3-シァノフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 25]

N( a )-3- (3-メトキシフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 26]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -ベンジル- L-ヒスチジン [化合物 27]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π )-4-クロ口ベンジル- L-ヒスチジン [化合物 28]

N( a ) -アタリロイル- Ν( π )-4-メチルベンジル- L-ヒスチジン [化合物 29]

N( a ) -メタクリル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジン [化合物 30]

[0012] 以下に本発明化合物の一般製法を示す。上記一般式 (I)で表される本発明化合物は、アルキル基又は水素がイミダゾール環の π -窒素原子上にあるヒスチジン誘導体であり、以下に記載した方法によって製造することができる。尚、下記には本発明化合物ヒスチジン誘導体の L-体につ、ての製法の例を示すが、立体異性体である D- 体にっ、ても同様の経路で合成できる。

[0013] (1) Rがアルキル基の場合

1

ヒスチジンのイミダゾール _π位を選択的にアルキル化するために、文献記載の方法 (Brown, J. H. Jones and J. D. Richards ^ J. し hem. Soc. Perkin Trans. I、 1533貝、 198 2年）に従い、 N-Boc-L-ヒスチジンメチルエステル (A)を出発物質として、下記の〔ィ匕 2〕に示す経路で合成を行った。 [0014] (A)を塩化メチレン中でトリェチルァミンの存在下、トリチルクロライドで処理して τ - トリチル体（Β)とした。塩化メチレン中で、（Β)を 10モル当量のヨウ化アルキルと加熱還流してアンモ-ゥム塩 (C)を得た。

[化 2]

B

[0015] さらに、 (C)を 80%酢酸中、酢酸銀で処理することにより化合物（D)に変換した。 (D )の Boc基を塩化水素 Zジォキサンで除去して塩酸塩（E)とし、ジシクロへキシルカルポジイミド (DCC)を用いてカルボン酸と縮合して（F)とした。

[0016] 反応終了後、塩化メチレンに不溶の DCUreaを濾去した後、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い (F)を単離した。これには、まずアミノプロピル基修飾型シリカゲルを用い、トリェチルァミン塩酸塩をァミノプロピル基により分解して塩化水素をシリカゲルに吸着し、遊離のトリェチルァミンとして溶出し、減圧溜去によりトリエチルァミンを除去した。さらに通常のシリカゲルにより未反応の DCC等を除去して、高純度の (F)を得た。

[0017] (F)のメチルエステルをメタノール中アルカリけん化により除去し、ナトリウムイオンはポリスチレン担持スルホン酸により除去して、遊離酸 (G)を得た。（G)は、凍結乾燥により不定形固体とし、最終物とした。

(2) Rが水素の場合

1

下記〔化 3〕に示す通り、ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩 (H)を塩化メチレン中、トリエチルァミンの存在下、アクリル酸塩ィ匕物で処理することにより（I)を得た。 (I)のメチルエステルをメタノール中アルカリけん化により除去し、ナトリウムイオンはポリスチレン担持スルホン酸により除去して、遊離酸 ωを得た。 ωは、凍結乾燥により不定形固体とし、最終物とした。

[化 3]

(3) Rが無置換ないし置換べンジル基の場合

1

Rがアルキル基の場合と同様に、ヒスチジンのイミダゾール π位を選択的にベンジ

1

ル化するために、〔化 2〕に示したィ匕合物 (Β)を出発物質として、下記の〔ィ匕 4〕に示す経路で合成を行った。

[化 4]

(0)

[0020] 〔化 2〕で得たて -トリチル体 (B)を、ベンゼン環が無置換またはベンゼン環に置換基を有する臭化ベンジルの過剰量と、塩化メチレン中で加熱還流してアンモ-ゥム塩（ K)を得た。さらに、（K)を 80%酢酸中、酢酸銀で処理することにより化合物（L)に変換した。 (L)の Boc基を塩ィ匕水素 Zジォキサンで除去して塩酸塩 (M)とした。 (M)をジシクロへキシルカルポジイミド (DCC)を用いてアクリル酸と縮合した。反応終了後、塩化メチレンに不溶の DCUreaを濾去した後、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行ヽ (N)を単離した。（N)のメチルエステルをメタノール中アルカリけん化により除去し、ナトリウムイオンはポリスチレン担持スルホン酸により除去して、遊離酸 (0)を得た。（0)は、凍結乾燥による不定形固体、またはエーテルにより結晶化して最終物とした。

[0021] (4) Rが 2- (置換フエ-ル）ェテュル基の場合

2

Rがアルキル基の場合と同様に、〔ィ匕 2〕に示した化合物 (E)を出発物質として、下

1

記の〔化 5〕に示す経路で合成を行った。

[化 5]

[0022] 〔化 2〕で得た π -アルキル体 (Ε)に、塩化メチレン中トリエチルァミンの存在下で芳香環に種々の置換基を持つケィ皮酸塩化物を反応させた。反応終了後、反応混合物を水で洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い（Ρ)を単離した。（Ρ)のメチルエステルをメタノール中アルカリけん化により除去し、ナトリウムィォンはポリスチレン担持スルホン酸により除去し溶媒を溜去した後、エーテルにより結晶化して最終物 (Q)とした。

[0023] 前記一般式 (I)で表される化合物は、その薬学的に許容しうる塩が存在する場合はそれら各種の塩を包含し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、チォシアン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、タエン酸、酒石酸、コハク酸、ダルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラ-ル酸、安息香酸、ケィ皮酸、 ρ-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸等との酸との付加塩、又はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシゥム等のアルカリ土類金属若しくはアルミニウム等の金属との塩、或いはアンモニア、有機アミン等の塩基類との塩を挙げることができる。これらの塩は公知の方法により、遊離の各化合物より製造でき或いは相互に変換できる。またシストランス異性体、光学異性体、配座異性体等の立体異性体或いは水和物等の溶媒和物又は金属錯化合物の状態で存在する場合においても、そのいずれの立体異性体、溶媒和物及び錯化合物をも本発明は包含する。 [0024] 本発明化合物は、適当な医薬用の担体若しくは希釈剤と組み合わせて医薬とすることができ、通常の如何なる方法によっても製剤化可能であり、錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の経口剤として、又は皮下、筋肉内、直腸内、鼻腔内投与用の非経口剤として製剤化できる。処方にあたっては、本発明化合物をその薬学的に許容しうる塩の形で用いてもよぐ単独若しくは適宜組み合わせて用いることができ、又、他の医薬活性成分との配合剤としてもょ、。

[0025] 本発明化合物の望ましい投与量は、投与対象、剤形、投与方法、投与期間等によつて変わるが、所望の効果を得るには、一般に成人に対して、本発明化合物 0.5乃至 1000 mgを一日 1乃至数回に分けて経口投与することができる。非経口投与 (例えば注射剤)の場合、一日投与量は、前記各々の投与量の 3乃至 10分の 1の用量レベルが好ましい。

実施例

[0026] 融点はャマト MP-21型融点測定器で測定し、補正はして、な、。核磁気共鳴スぺタトル（1H- NMR)は Bruker ARX-500型核磁気共鳴装置で測定し、 TMS ( δ = 0)を内部標準物質に用いた。旋光度は JASCO DP-140型旋光計で測定した。シリカゲル力ラムクロマトグラフィーにはァミノプロピル基結合型クロマトグラフィー用シリカゲル DM 1020及び、通常型順相クロマトグラフィー用シリカゲル BW-127ZH (いずれも富士シリシァ化学 (株)）を用いて行った。薄層クロマトグラフィーは Silica gel F254 (Merck, No. 5715)を使用し、 UVランプおよび 5%リンモリブデン酸—エタノール発色試薬を用いて検出した。試薬、溶媒類は市販品をそのまま用いた。

[0027] 実施例 1.

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル (B)の製造。

Boc- L-ヒスチジンメチルエステル（A) (25.0 g、 93 mmol)とトリエチルァミン（14 mL、 10 0 mmol)を塩化メチレン（400 mL)に溶かし氷冷し、トリチルクロライド（27.9 g、 100 mm ol)の塩化メチレン（100 mL)溶液を 30分かけて滴下した。氷冷下で 30分、室温で 20 時間かき混ぜた後、反応混合物を水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を溜去して N( _a )-tert-ブトキシカルボニル -N(て )-トリフエ-ルメチル -L-ヒスチジンメチルエステル (67.5 g、定量的）を油状物として得た。本品はそのまま次の反応に供した。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.34 (s, 9H), 2.73-2.84 (m, 2H), 3.55 (s, 3H), 4.19-4.24 (

6

m, IH), 6.66 (s, IH), 7.03-7.07 (m, 7H), 7.10 (d, J = 8.0 Hz, IH), 7.28 (s, IH), 7.3 5-7.42 (m, 9H).

[0028] 実施例 2.

4-(2-tert-ブトキシカルボニルァミノ- 2-メトキシカルボニルェチル) -3-メチル -1-トリチル -3H-イミダゾル -1-ィゥムィオダイドの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル（93 mmol)を塩化メチレン（400 mL)〖こ溶力し、ヨウ化メチル（56 mL、 900 mmol)を加えて油浴 (温度 55°C)で 20時間加熱還流した。放冷後、溶媒を減圧下で溜去した後、残渣油状物を石油エーテルから固化して 4-(2-tert-ブトキシカルボ-ルァミノ- 2- メトキシカルボ-ルェチル) -3-メチル -1-トリチル -3H-イミダゾル -1-ィゥムィオダイド（ 58.0 g、 95%)を黄色固体として得た。

Mp. 178-179 °C. ^JH-NMR (DMSO-d ) δ： 1.32 (s, 9H), 2.98 (dd, J = 9.5, 15.5 Hz,

6

IH), 3.14 (dd, J = 5.0, 15.5 Hz, IH), 3.62 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 4.36-4.42 (m, IH), 7.11-7.15 (m, 6H), 7.28 (s, IH), 7.42-7.48 (m, 10H), 8.96 (s, IH).

[0029] 実施例 3.

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 4-(2-tert-ブトキシカルボニルァミノ- 2-メトキシカルボニルェチル) -3-メチル -1-トリチル- 3H-イミダゾル -1-ィゥムィオダイド（58.0 g、 88.7 mmol)と酢酸銀（15.0 g、 90 mmol )を 80%酢酸 (300 mL)に加え、室温で 20時間力き混ぜた。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣を水に溶かし、無水炭酸カリウムをカ卩えてアルカリ性とし、析出した油状物を酢酸ェチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー（クロ口ホルム：メタノール = 19 : 1)で精製して、 N( a )- tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π ) -メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（18.94 g、 75%)を結晶として得た。

Mp. 109-110 °C. [ α ] ²⁰ =—13.5° (cl, MeOH). 'H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.35 (s, 9H), 2.87 (dd, J = 9.8, 15.4 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 4.2, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 4.18-4.25 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H)

[0030] 実施例 4.

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル（48.6 g、 95 mmol)を塩化メチレン（400 mL)〖こ溶力し、ヨウ化工チル（72 mL、 900 m mol)を加えて油浴 (温度 55°C)で 48時間加熱還流した。ヨウ化工チル（72 mL、 900 m mol)を追加してさらに 48時間加熱還流した後、溶媒を減圧下で溜去した。得られた残渣油状物に石油エーテルをカ卩えて 3回デカンテーシヨンした後、 80%酢酸に溶かして酢酸銀（16.69 g、 100 mmol)をカ卩ぇ 24時間室温でカゝき混ぜた。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣を水に溶かし、無水炭酸カリウムを加えてアル力リ性とし、析出した油状物を酢酸ェチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー（クロ口ホルム：メタノール = 19 : 1)で精製して、 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )_ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（19.71 g、 70%)を油状物として得た。 JH-NMR (DMSO-d ) δ： 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 2.87 (dd, J = 9.8, 15

6

.4 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 4.2, 15.4 Hz, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.90 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.18-4.25 (m, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H).

[0031] 実施例 5.

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- N( π )-プロピル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル（48.6 g、 95 mmol)を塩化メチレン（400 mL)に溶力し、ヨウ化プロピル（92 mL、 950 mmol)をカ卩えて油浴 (温度 55°C)で 48時間加熱還流した。ヨウ化工チル (92 mL、 950 mmol)を追加してさらに 48時間加熱還流した後、溶媒を減圧下で溜去した。得られた残渣油状物に石油エーテルをカ卩えて 3回デカンテーシヨンした後、 80%酢酸に溶かして酢酸銀（18.36 g、 110 mmol)をカ卩えて 24時間室温で力き混ぜた。。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣を水に溶かし、無水炭酸カリウムを加えてアルカリ性とし、析出した油状物を酢酸ェチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー（クロ口ホルム：メタノール = 19 : 1)で精製して、 N( a )- tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π ) -プ口ピル- L-ヒスチジンメチルエステル（17.91 g、 60%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： :0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H), 1.62-1.72 (m, 2H),

6

2.87 (dd, J = 9.8, 15.4 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 4.2, 15.4 Hz, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.78—

3.88 (m, 2H), 4.18—4.25 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.36 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H ).

[0032] 実施例 6.

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- N( π )-イソプロピル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル（48.6 g、 95 mmol)を塩化メチレン（400 mL)に溶力し、ヨウ化イソプロピル（90 mL、 900mmol)をカ卩えて油浴 (温度 55°C)で 10日間加熱還流した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣油状物に石油エーテルをカ卩えて 3回デカンテーシヨンした後、 80%酢酸に溶力して酢酸銀（18.36 g、 110 mmol)をカ卩えて 24時間室温で力き混ぜた。。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣を水に溶かし、無水炭酸カリウムを加えてアルカリ性とし、析出した油状物を酢酸ェチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣油状物をシリカゲルカラムクロマトダラフィー（クロ口ホルム：メタノール = 19 : 1)で精製して、 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル -Ν( π )_イソプロピル- L-ヒスチジンメチルエステル（2.50 g、 8.4%)を油状物として得た

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.35 (s, 9H), 1.37—1.42 (m, 6H), 2.87 (dd, J = 9.8, 15.4 Hz

6

, 1H), 2.97 (dd, J = 4.2, 15.4 Hz, 1H), 3.62 (s, 3H), 4.18—4.29 (m, 2H), 6.61 (s, 1H) , 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H).

[0033] 実施例 7.

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- N( π )-メチル -D-ヒスチジンメチルエステルの製造。 D-ヒスチジンより N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルェステルの合成と同様にして N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル - D-ヒスチジンメチルエステルを調製した。

Mp. 107-109 °C. [ α ] ²⁰ = + 12.4。 (cl, MeOH). 'H-NMR (DMSO— d ) δ： 1.35 (s, 9

D 6

H), 2.87 (dd, J = 9.8, 15.4 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 4.2, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3. 62 (s, 3H), 4.18-4.25 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H).

[0034] 実施例 8.

N( a ) -ァクリロイル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（ 11.33 g 、 40 mmol)を塩化メチレン（150 mL)に溶かし、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（ 100 mL)を滴下した。室温で 2時間カゝき混ぜた後、減圧下で溶媒を溜去して Ν( π )-メチル- L-ヒスチジンメチルエステルを得た。 Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩を塩化メチレン（500 mL)に溶力し、アクリル酸（4.1 mL、 60 mmol) ,トリェチルァミン（17 mL、 120 mmol)をカ卩えた後、 DCC (12.38 g、 60 mmol)の塩化メチレン（50 mL)溶液を室温で滴下した。室温で 20時間力き混ぜた後、不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧下で溜去した後、ァミノプロピル基結合型クロマトグラフィー用シリカゲル DM1020を充填したカラムに通し、クロ口ホルムで溶出した。目的物のフラクションを集め、次に順相クロマトグラフィー用シリカゲル BW-127ZHを充填したカラムに展着してクロ口ホルム：メタノール = 19： 1)で溶出して、 N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L- ヒスチジンメチルエステル（1.58 g、 17%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz,

6

1H), 3.53 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 4.57-4.64 (m, 1H), 5.63 (dd, J = 2.0, 10.3 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 2.0, 16.9 Hz, 1H), 6.27 (dd, J = 10.3, 16.9 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.4 9 (s, 1H), 8.62 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0035] 実施例 9.

N( a ) -ァクリロイル- N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（7.43 g、

25 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（65 mL)、塩化メチレン（65 mL)より N ( _π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、アクリル酸（1.9 mL、 28 mmol)、トリエチルァミン（10 mL、 70 mmol)、 DCC (5.78 g、 28 mmol)及び塩化メチレン（300 mL )より Ν( α ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして、 Ν( α ) -アタリロイル- Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（0.91 g、 14%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.30 (t, J = 7.4 Hz, 3H), (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.04 (

6

dd, J = 5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.90 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 4.57-4.64 (m, 1H) , 5.63 (dd, J = 2.0, 10.3 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 2.0, 16.9 Hz, 1H), 6.27 (dd, J = 10.3 , 16.9 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.62 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0036] 実施例 10.

N( a )-クロトノィル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（5.76 g、 20 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（50 mL)、塩化メチレン（50 mL)より N ( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、クロトン酸（2.58 g、 30 mmol)、トリェチルァミン（8.4 mL、 60 mmol)、 DCC (6.19 g、 30 mmol)及び塩化メチレン（300 mL )より Ν( α ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして Ν( α )-クロトノィル- Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（3.04 g、 60%)を油状物として得た。

^JH-NMR (DMSO-d ) δ： 1.79 (dd, J = 1.5, 6.8 Hz, 3H), 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz,

6

1H), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 4.54—4.61 (m, 1H), 5.95 (dd, J = 1.5, 15.3 Hz, 1H), 6.59—6.68 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 8.38 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0037] 実施例 11.

N( a )-クロトノィル- N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（4.00 g、 13.5 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（50 mL)、塩化メチレン（50 mL)より Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、クロトン酸（2.32 g、 27 mmol)、トリェチルァミン（7.5 mL、 54 mmol)、 DCC (5.57 g、 27 mmol)及び塩化メチレン（300 mL)より N( a ) -ァクリロイル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして Ν( α )_クロトノィル- Ν( π )_ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（1.11 g、 31%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.29 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.79 (dd, J = 1.5, 6.8 Hz, 3H), 2.

6

96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, IH), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, IH), 3.62 (s, 3H), 3.89 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 4.54-4.61 (m, IH), 5.95 (dd, J = 1.5, 15.3 Hz, IH), 6.59—6.68 (m, IH), 6.64 (s, IH), 7.55 (s, IH), 8.39 (d, J = 7.8 Hz, IH).

[0038] 実施例 12.

N( a )-プロパノィル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（4.25 g、 15 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（40 mL)、塩化メチレン（40 mL)より N ( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、プロピオン酸（1.7 mL、 22.5 mmol )、トリェチルァミン（7.0 mL、 50 mmol)、 DCC (4.64 g、 22.5 mmol)及び塩化メチレン（ 150 mL)より N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして Ν( α )_プロパノィル- Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（2.39 g、 6 7%)を油状物として得た。

^JH-NMR (DMSO-d ) δ： 0.95 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, IH), 3

6

.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, IH), 3.53 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 4.57-4.64 (m, IH), 6.62 ( s, IH), 7.48 (s, IH), 8.26 (d, J = 7.8 Hz, IH).

[0039] 実施例 13.

N( a )-3-メチルクロトノィル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（4.25 g、 15 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（40 mL)、塩化メチレン（40 mL)より N ( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、 3-メチルクロトン酸（3.0 g、 30 mm 。1)、トリェチルァミン（8.4 mL、 60 mmol)、 DCC (6.2 g、 30 mmol)及び塩化メチレン（2 00 mL)より N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-3-メチルクロトノィル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（2.00 g、 50%)を油状物として得た。 Ή-NMR (DMSO-d ) δ： 1.78 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H),

6

3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 4.57-4.64 (m, 1H), 5.69 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 8.21 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0040] 実施例 14.

N( a )-3-メチルクロトノィル- N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（4.00 g、 13.5 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（40 mL)、塩化メチレン（40 mL)より Ν( π )_ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、 3-メチルクロトン酸（2.30 g、 20 mmol) ,トリェチルァミン（5.7 mL、 41 mmol)、 DCC (4.19 g、 20 mmol)及び塩化メチレン（150 mL)より N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-3-メチルクロトノィル- Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル (2.15 g、 57%)を油状物として得た。

'H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.23 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.78 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.96 (d

6

d, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.89 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.57-4.64 (m, 1H), 5.69 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 8.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0041] 実施例 15.

N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（2.83 g、 10 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（30 mL)、塩化メチレン（30 mL)より N ( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、ケィ皮酸（2.22 g、 15 mmol)、トリェチルァミン（4.2 mL、 30 mmol)、 DCC (3.1 g、 15 mmol)及び塩化メチレン（150 mL) より N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステル（1.20 g 、 38%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 3.00 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.08 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz,

6

1H), 3.55 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 4.64-4.70 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.71 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 7.38-7.46 (m, 4H), 7.50 (s, 1H), 7.56-7.59 (m, 2H), 8.60 (d, J = 7.8 Hz, 1 H).

[0042] 実施例 16.

N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )_メチル - L-ヒスチジンメチルエステル（5.0 g、 1 7 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（30 mL)、塩化メチレン（30 mL)より N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、ケィ皮酸（3.85 g、 26 mmol)、トリェチルァミン（7.2 mL、 52 mmol)、 DCC (5.36 g、 26 mmol)及び塩化メチレン（150 mL )より Ν( α ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- Ν( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステル（1.00 g 、 18%)を油状物として得た。

^JH-NMR (DMSO-d ) δ： 1.30 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 3.00 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 3

6

.08 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.91 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.64-4.70 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.68 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 7.38-7.46 (m, 4H), 7.50 (s, 1H), 7.56 -7.59 (m, 2H), 8.60 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0043] 実施例 17.

N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（2.83 g、 10 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（30 mL)、塩化メチレン（30 mL)より N ( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、 trans-2,3-ジメチルアクリル酸（1. 50 gゝ 15 mmol) ,トリエチノレアミン（4.2 mLゝ 30 mmol)、 DCC (3.1 gゝ 15 mmol)及び塩化メチレン（150 mL)より N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（1.45 g、 55%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.67-1.71 (m, 6H), 3.01 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 3.05 (

6

dd, J = 5.5, 15.4 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 4.48-4.54 (m, 1H), 6.28—6.35 (m, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 8.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H).

[0044] 実施例 18.

N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- N( π )-ェチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )_ェチル - L-ヒスチジンメチルエステル（4.0 g、 1 3.5 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（30 mL)、塩化メチレン（30 mL)より Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、 trans-2,3-ジメチルアクリル酸（ 1.50 g、 15 mmol) ,トリエチノレアミン（4.2 mし、 30 mmol)、 DCC (3.1 g、 15 mmol)及び塩化メチレン（150 mL)より N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- Ν( π )-ェチル - L-ヒスチジンメチルエステル（1.17 _g、 31%)を油状物として得た。

^JH-NMR (DMSO-d ) δ： 1.29 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.67—1.71 (m, 6H), 2.98—3.09 (m,

6

2H), 3.62 (s, 3H), 4.48-4.54 (m, IH), 6.28—6.35 (m, IH), 6.63 (s, IH), 7.55 (s, IH) , 8.16 (d, J = 7.8 Hz, IH).

[0045] 実施例 19.

N( a ) -ァクリロイル- N( π )-プロピル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π ) -プロピル- L-ヒスチジンメチルエステル（4.67 g 、 15 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（50 mL)、塩化メチレン（50 mL)より Ν( π )_プロピル- L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、アクリル酸（1.6 mL、 23 mmol )、トリェチルァミン（7.0 mL、 50 mmol)、 DCC (4.75 g、 23 mmol)及び塩化メチレン（15 0 mL)より N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして Ν( α ) -アタリロイル- Ν( π )-プロピル- L-ヒスチジンメチルエステル（0.37 g、 9% )を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.61—1.71 (m, 2H), 2.96 (dd, J =

6

8.7, 15.4 Hz, IH), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, IH), 3.63 (s, 3H), 3.78—3.88 (m, 2H), 4.57-4.64 (m, IH), 5.63 (dd, J = 2.0, 10.3 Hz, IH), 6.12 (dd, J = 2.0, 16.9 Hz, IH) , 6.27 (dd, J = 10.3, 16.9 Hz, IH), 6.63 (s, IH), 7.54 (s, IH), 8.63 (d, J = 7.8 Hz, 1 H).

[0046] 実施例 20.

N( a ) -クロトノィル- N( π ) -プロピル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-プロピル- L-ヒスチジンメチルエステル（3.11 g

、 10 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（30 mL)、塩化メチレン（30 mL)より Ν( π )-プロピル- L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、クロトン酸（1.29 g、 15 mmol) 、トリェチルァミン（4.2 mL、 30 mmol)、 DCC (3.09 g、 15 mmol)及び塩化メチレン（150 mL)より N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして Ν( α )-クロトノィル- Ν( π )-プロピル- L-ヒスチジンメチルエステル（1.00 g、 36%) を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.61—1.71 (m, 2H), 1.79 (dd, J =

6

1.5, 6.8 Hz, 3H), 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, IH), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz, IH), 3 .63 (s, 3H), 3.78-3.88 (m, 2H), 4.57-4.64 (m, IH), 5.95 (dd, J = 1.5, 15.3 Hz, IH), 6.59-6.68 (m, IH), 6.63 (s, IH), 7.54 (s, IH), 8.63 (d, J = 7.8 Hz, IH).

[0047] 実施例 21.

N( a ) -ァクリロイル- N( π )-イソプロピル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-イソプロピル- L-ヒスチジンメチルエステル（2. 50 g、 8 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（40 mL)、塩化メチレン（40 mL) より Ν( π )_イソプロピル- L-ヒスチジンメチルエステルを得た後、アクリル酸（0.82 mL、 12 mmol)、トリエチルァミン（3.3 mLゝ 24 mmol)、 DCC (2.48 g、 12 mmol)及び塩化メチレン（100 mL)より N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-イソプロピル- L-ヒスチジンメチルエステル (0.19 g、 9%)を油状物として得た。

'H-NMR (DMSO-d ) δ： 1.35-1.42 (m, 6H), 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, IH), 3.07 (

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dd, J = 5.5, 15.4 Hz, IH), 3.63 (s, 3H), 4.22—4.30 (m, IH), 4.57-4.62 (m, IH), 5.63 (dd, J = 2.0, 10.3 Hz, IH), 6.10 (dd, J = 2.0, 16.9 Hz, IH), 6.27 (dd, J = 10.3, 16.9 Hz, IH), 6.60 (s, IH), 7.69 (s, IH), 8.62 (d, J = 7.8 Hz, IH).

[0048] 実施例 22.

N( a ) -ァクリロイル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩（6.05 g、 25 mmol)とトリエチルァミン（14 mL、 100 mmol)の塩化メチレン（200 mL)溶液に、塩化アクリル酸（1.6 mL、 20 mmol)を氷冷下で滴下した後、 N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして Ν( α )-アタリロイル- L-ヒスチジンメチルエステル（2.0 g、 36%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 2.88(dd, J = 8.5, 14.6 Hz, IH), 2.95 (dd, J = 5.5, 14.6 Hz,

6

IH), 3.60 (s, 3H), 4.54-4.60 (m, IH), 5.61 (dd, J = 2.0, 10.1 Hz, IH), 6.08 (dd, J = 2.0, 17.0 Hz, IH), 6.27 (dd, J = 10.1, 17.0 Hz, IH), 6.79 (s, IH), 7.52 (s, IH), 8.45 (d, J = 7.5 Hz, IH), 11.81 (brs, IH).

[0049] 実施例 23.

N( a ) -ァクリロイル- N( π )-メチル -D-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( π )-メチル -D-ヒスチジンメチルエステル（5.67 g、 20 mmol)、 4 mol/L塩化水素 Zジォキサン溶液（50 mL)、塩化メチレン（65 mL)して Boc基を除去して塩酸塩を得た後、アクリル酸（2.1 mL、 30 mmol)、トリエチルァミン（8 .4 mL、 60 mmol)、 DCC (6.19 g、 30 mmol)及び塩化メチレン（200 mL)より Ν( α )-ァクリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの合成と同様にして N( a )-アタリロイル- Ν( π )_メチル -D-ヒスチジンメチルエステル（0.70 g、 10%)を油状物として得た

^JH-NMR (DMSO-d ) δ： 2.96 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, IH), 3.04 (dd, J = 5.5, 15.4 Hz,

6

IH), 3.53 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 4.57-4.64 (m, IH), 5.63 (dd, J = 2.0, 10.3 Hz, IH), 6.12 (dd, J = 2.0, 16.9 Hz, IH), 6.27 (dd, J = 10.3, 16.9 Hz, IH), 6.63 (s, IH), 7.4 9 (s, IH), 8.62 (d, J = 7.8 Hz, IH).

[0050] 実施例 24.

ひ)-ァクリロィル-^：兀)-メチル-し-ヒスチジン [化合物 1]の製造。

Ν( α ) -アタリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（5.04 g、 21 mmol)をメタノール（125 mL)〖こ溶力し、 1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液（25 mL、 25 mmol of N aOH)を室温で加えた。 30分力き混ぜた後、溶媒を減圧下で溜去した。残渣を水に溶力し、ポリスチレン結合型ベンゼンスノレホン酸ビーズ（9.0 g、ベンゼンスノレホン酸 26 m mol相当）を加えた。 pHが 7であることを確認した後ビーズを濾去し、濾液を 0.45 μ m のメンブランフィルターで濾過した。濾液を凍結乾燥して、 ^ )-ァクリロィル-^：兀）- メチル -L-ヒスチジン (3.5 g、 75%)を吸湿性不定形固体として得た。

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Zl760S0/.00Zdf/X3d 93 17SC980/.00Z OAV 0：)-ァクリロィル-^；兀）-メチル-0-ヒスチジン [化合物 15]の製造。

Ν( α ) -アタリロイル- Ν( π )-メチル -D-ヒスチジンメチルエステル（0.7 g、 3.0 mmol)、メタノール（40 mL)、 1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液（5 mL、 5 mmol of NaOH)、ポリスチレン結合型ベンゼンスノレホン酸ビーズ（2.0 g、ベンゼンスノレホン酸 6 mmol相当）より化合物 1の合成と同様にして、 N( a ) -アタリロイル- Ν( π；)-メチル -D-ヒスチジン（0.25 g、 37%)を吸湿性不定形固体として得た。

[ α ] ²⁰ =—38.0。 (cl, H O). 'Η NMR (D O) δ ： 3.01 (dd, J = 8.6, 15.7 Hz, 1H), 3

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[0065] 実施例 39.

N( a )-3-(4-メチルフエ-ル)アタリロイル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)を塩化メチレン（40 0 mL)に溶力し、トリェチルァミン（20 mL、 44 mmol)をカ卩えた後、塩化 4-メチルシンナモイル（5.1 g、 28 mmol)の塩化メチレン（50 mL)溶液を氷冷下で滴下した。室温で 5 時間かき混ぜた後、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去して得られた残渣油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー（クロ口ホルム：メタノール = 19： 1)で精製して Ν( α )-3-(4-メチルフ -ル)アタリ口ィル- Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（4.8 g、 61%)を油状物として得た。 1H-NMR(DMSO-d ) δ : 2.32 (s, 3H), 3.00 (dd, J =8.5, 15.5 Hz, 1H), 3.09 (dd, J =5.

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5, 15.5 Hz, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 4.68 (m, 1H), 6.66 (d, J =15.9 Hz, 1H), 6.68 (s, 1H), 7.22 (d, J =8.0 Hz, 2H), 7.41 (d, J =15.9 Hz, 1H), 7.46 (d, J =8.0 Hz, 2H), 7.51 (s, 1H), 8.58 (d, J =5.8 Hz, 1H).

[0066] 実施例 40.

N( a )-3- (4-メトキシフエ-ル)アタリロイル- N( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 4-メトキシシンナモイル（5.5 g、 28 mmol)及び塩化メチレン（4 50 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして N( a )-3- (4-メトキシフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（3.3 g、 40%)を油状物質として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ : 2.99 (dd, J =8.7, 15.6 Hz, 1H), 3.08 (dd, J =5.5, 15.6 Hz, 1

6

H), 3.55 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 4.67 (m, 1H), 6.56 (d, J =15.7 Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.98 (d, J =8.7 Hz, 2H), 7.39 (d, J =15.7 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.52 ( d, J =8.7 Hz, 2H), 8.51 (d, J =7.9Hz, 1H).

[0067] 実施例 41.

N( a )-3- (4-クロ口フエ-ル)アタリロイル- N( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 4-クロ口シンナモイル（5.6 g, 28 mmol)及び塩化メチレン（45 0 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして N( a )-3- (4-クロ口フエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステル（7.1 g、 86%)を油状物質として得た。

^-NMRCDMSO-d ) δ : 3.00 (dd, J =8.7, 15.5 Hz, 1H), 3.09 (dd, J =5.5, 15.5 Hz, 1

6

H), 3.55 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 4.68 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.72 (d, J =15.8 Hz, 1H), 7.44 (d, J =15.8 Hz, 1H), 7.48 (d, J =8.6 Hz, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.60 (d, J =8.6 Hz, 2H), 8.63 (d, J =7.8 Hz, 1H).

[0068] 実施例 42.

N( a )-3-(3,4-ジクロロフヱ-ル)アタリロイル- N( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 3,4-ジクロロシンナモイル（8.2 g、 28 mmol)及び塩化メチレン (450 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして N( a )-3-(3,4-ジクロロフヱ-ル)アタリロイル- Ν( π )-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（7.5 g、 65%)を油状物質として得た。 H-NMR (DMSO-d ) δ : 3.01 (dd, J =8.5, 15.5 Hz, IH), 3.09 (dd, J =5.5, 15.5 Hz, 1

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H), 3.55 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 4.68 (m, IH), 6.67 (s, IH), 6.78 (d, J =15.9 Hz, IH), 7.43 (d, J =15.9 Hz, IH), 7.51 (s, IH), 7.57 (m, IH), 7.68 (d, J =8.6 Hz, IH), 7.86 ( s, IH), 8.63 (d, J =7.8 Hz, IH).

[0069] 実施例 43.

N( a )-3- (4-フルオロフェ -ル)アタリロイル- N( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 4-フルォロシンナモイル（5.2 g、 28 mmol)及び塩化メチレン（ 450 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして N( a )-3- (4-フルオロフヱ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L- ヒスチジンメチルエステル（7.7 g、 96%)を油状物質として得た。

NMR (DMSO— d ) δ : 3.00 (dd, J =8.6, 15.5 Hz, IH), 3.08 (dd, J =5.5, 15.5 Hz, 1

6

H), 3.55 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 4.67 (m, IH), 6.65 (m, IH), 6.67 (s, IH), 7.26 (m, 2 H), 7.44 (m, IH), 7.50 (s, IH), 7.63 (m, 2H), 8.60 (d, J =7.8Hz, IH).

[0070] 実施例 44.

N( a )-3- (3,5-ビストリフルォロメチルフヱ-ル)アタリロイル- N( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 3,5-ビストリフルォロメチルシンナモイル (8.5 g、 28 mmol)及び塩化メチレン（450 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル - L- ヒスチジンメチルエステルと同様にし N( a )-3-(3,5-ビストリフルォロメチルフヱ-ル)ァクリロイル- Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル（9.2 g, 85%)を油状物質として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ : 3.02 (dd, J =8.6, 15.6 Hz, IH), 3.10 (dd, J =5.4, 15.6 Hz, 1

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1H-NMR(DMSO-d ) δ : 3.01 (dd, J =8.6, 15.5 Hz, 1H), 3.10 (dd, J =5.5, 15.5 Hz, 1

6

H), 3.56 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 4.69 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.90 (d, J =15.7 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.56 (d, J =15.7 Hz, 1H), 7.84 (d, J =8.7 Hz, 2H), 8.26 (d, J =8.7 Hz, 2H), 8.77 (d, J =7.8 Hz, 1H).

[0074] 実施例 48.

N( a )-3- (3-シァノフエ-ル)アタリロイル- N( π；)-メチル -L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 3-シァノシンナモイル（5.4 g、 28 mmol)及び塩化メチレン（45 0 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして N( a )-3- (3-シァノフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒスチジンメチルエステル (5.7 g、 70%)を油状物質として得た。

NMR (DMSO— d ) δ : 3.00 (dd, J =8.7, 15.6 Hz, 1H), 3.09 (dd, J =5.5, 15.6 Hz, 1

6

H), 3.55 (s、 3H), 3.66 (s, 3H), 4.67 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.82 (d, J =15.8 Hz, 1H), 7.48 (d, J =15.8 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.63 (t, J =7.8, 7.8Hz, 1H), 7.84 (d, J =7.8 Hz, 1H), 7.91 (d, J =7.8 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.65 (d, J =7.8 Hz, 1H).

[0075] 実施例 49.

N( a )-3- (3-メトキシフエ-ル)アタリロイル- N( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_メチル -L-ヒスチジンメチルエステル 3塩酸（7.0 g、 24 mmol)、トリェチルアミン（ 20 mL、 44 mmol)、塩化 3-メトキシシンナモイル（5.5 g、 28 mmol)及び塩化メチレン（4 50 mL)より N( a )-3- (4-メチルフエ-ル)アタリロイル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして N( a )-3- (3-メトキシフエ-ル)アタリロイル- Ν( π；)-メチル -L-ヒ ¾(！奪 ¾^0％66SΖ Κ κ>Η//： ώ。.

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[0088] 実施例 62.

N( π )-4-クロ口ベンジル- N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル（48.6 g、 95 mmol)、臭化 4-塩化べンジル（50 g、 244 mmol)、 80%酢酸水溶液（300 mL)、酢酸銀（16.70 g、 100 mmol)より Ν( π )-ベンジル- Ν( α )- tert-ブトキシカルボ- ル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして Ν( π )-4-クロ口ベンジル- N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- L-ヒスチジンメチルエステル（23.6 g、 63%)を油状物として得た。 JH-NMR (DMSO— d ) δ： 1.35 (s, 9H), 2.76 (dd, J = 9.6, 15.5 Hz, 1), 2.82 (dd, J = 5

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[0089] 実施例 63.

N( π )-4-メチルベンジル- N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- Ν( τ )-トリフエ-ルメチル- L-ヒスチジンメチルエステル（48.6 g、 95 mmol)、臭化 4-メチルベンジル（25 g、 135 mmol)、 80%酢酸水溶液（30 0 mL)、酢酸銀（16.70 g、 100 mmol)より Ν( π )-ベンジル- Ν( α )- tert-ブトキシカルボ -ル- L-ヒスチジンメチルエステルと同様にして Ν( π )-4-メチルベンジル- N( a )-tert- ·99ί^¾ϊ第 [2600]

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Zl760S0/.00Zdf/X3d 8S ^SC980/.00Z OAV N( π )-4-メチルベンジル- L-ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩の製造。

Ν( π )-4-メチルベンジル- N( a )-tert-ブトキシカルボ-ル- L-ヒスチジンメチルエステル（25.0 g、 67 mmol)、 4 mol/L塩化水素ジォキサン溶液（150 mL、 600 mmol HC1) 及び塩化メチレン（200 mL)より Ν( π )-ベンジル- L-ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩と同様にして Ν( π )-4-メチルベンジル- L-ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩（17.45 g 、 75%)を結晶として得た。

Mp.143-144 °C. 'H-NMR (DMSO-d ) δ： 2.31 (s, 3H), 3.20 (dd, J = 6.6, 16.0, IH),

6

3.26 (dd, J = 7.1, 16.0, IH), 3.73 (s, 3H), 4.31 (dd, J = 6.6, 7.1 Hz, IH), 5.49 (s, 2 H), 7.32 (s, 4H), 7.63 (s, IH), 8.80—9.10 (brs, 3H), 9.20 (s, IH), 14.5—15.5 (brs, IH ).

[0093] 実施例 67.

N( a ) -ァクリロイル- N( π )-ベンジル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。

Ν( π )_ベンジル- L-ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩（24.15 g、 60 mmol)を塩化メチレン（500 mL)に溶力し、アクリル酸（4.5 mL、 66 mmol)、トリエチルァミン（21 mL、 150 mmol)をカ卩えた後、 DCC (13.6 g、 66 mmol)の塩化メチレン（50 mL)溶液を室温で滴下した。室温で 48時間力き混ぜた後、不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧下で溜去した。残渣油状物を順相クロマトグラフィー用シリカゲル BW-127ZHを充填したカラムに展着してクロ口ホルム:メタノール = 19： 1)で溶出して N( a ) -ァクリロイル- Ν( π )-ベンジル -L-ヒスチジンメチルエステル（4.70 g、 25%)を油状物として得た。

1H-NMR (DMSO-d ) δ： 2.84 (dd, J = 8.5, 15.5 Hz, IH), 2.91 (dd, J = 5.5, 15.5 Hz,

6

IH), 3.60 (s, 3H), 4.46-4.51 (m, IH), 5.17 and 5.19 (ABq, J = 16.1 Hz, 2H), 5.63 ( dd, J = 2.0, 10.2 Hz, IH), 6.10 (dd, J = 2.0, 17.2 Hz, IH), 6.26 (dd, J = 10.2, 17.2 Hz, IH), 6.70 (s, IH), 7.06-7.11 (m, 2H), 7.26-7.38 (m, 3H), 7.67 (s, IH), 8.61 (d, J = 7.7 Hz, IH).

[0094] 実施例 68.

N( a ) -アタリロイル- N( π )-4-クロ口ベンジル- L-ヒスチジンメチルエステルの製造。 Ν( π )- 4-クロ口ベンジル- L-ヒスチジンメチルエステル 2塩酸塩（17.23 g、 47 mmol)、アクリル酸（3.8 mし、 55 mmol) ,トリェチルァミン（23 mし、 165 mmol)、 DCC (11.35 g、 ffl措^¹ ^9 ； ·Π辛殿、止 ϊί教继鄴

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()()()()()ppΐΐ S9ΐ 6寸ΐ 6Sΐ 6S ίIΗΗΗ SΗΗH f V =ssssZ - - - - - - - - - - •... [0101] 実施例 75.鎮痛効力試験（1)

鎮痛効力試験には、 SARTストレス負荷マウスという慢性的な痛覚過敏状態を呈する病態モデル動物を用いた。 SART (Specific Alternation of Rhythm in Temperature) ストレス、即ち反復寒冷ストレスの負荷は、喜多らの方法に（日薬理誌、 71卷、 195-21 0頁、 1975年）に準じて行った。飼育用恒温槽を用い、 ddY系雄性マウスの飼育環境温度を午前 10時から午後 5時までは 1時間毎に 4°Cと 24°Cに交互に変更し、次いで午後 5時から翌朝の午前 10時の間は 4°Cに維持し、水及び飼料は自由に摂取させ 5日間飼育して反復寒冷ストレスを負荷した後、実験に供した。被験物質の投与前および投与 30分後に Randall-Selitto変法（尾圧法：日薬理誌、 72卷、 573-584頁、 1976年 )により痛覚閾値を測定した。即ち、圧力子をマウス尾部用に改変した RandaU-Selitto 式鎮痛効果測定装置を用い、マウス尾根部より先端側へ 1.5cmの部位に圧刺激を 16 g/秒の速度で加え、逃避或いは啼鳴反応を示す加圧重量 (g)を測定し、痛覚閾値とした。正常対照群では 125〜135g前後の痛覚閾値であるが、 SARTストレスを負荷した SART対照群では 80〜85前後の加圧重量 (痛覚閾値)で疼痛反応を示し、 SARTストレス負荷マウスは痛覚過敏となって、た。被験物質投与群の痛覚閾値を SART対照群の痛覚閾値で除した値 (鎮痛係数)を算出して、被験物質の鎮痛効果を確認した。即ち、被験物質に全く効果の無い場合は値が 1.0となり、効果が強くなるにつれて、 1. 1、 1.2、 1.3と鎮痛係数の値は増力!]してゆく。両群間の有意差は痛覚閾値を統計処理して求め、鎮痛係数は痛覚閾値の平均値で算出した。

[0102] 実験動物として 4週齢の ddY雄性系マウス（1群 10匹)を用い、本発明化合物を被験物質として、マウス 1匹あたり 25ng又は 50ngの投与量で側脳室内に投与し、その鎮痛効力を測定した。上記試験結果の一例 (鎮痛係数の平均値)を表 1に示す。本発明化合物は慢性的な痛覚過敏を示す病態モデル動物である SARTストレス負荷マウスを用いた鎮痛効力試験を行った結果、優れた鎮痛効果を示した。尚、痛覚閾値の有意差検定には Dunnettの多重比較検定を用いた力表中の被験物質における結果は、ずれの場合も、 SARTストレス負荷マウス対照群と比較して Pく 0.05で有意差が認められた。

[0103] [表 1] 被験物質投与置 (ng) 鎮痛係数

化合物 1 25 1 . 33

化合物 3 25 1 . 23

化合物 6 25 1. 17

化合物 7 25 1 . 31 化合物 1 0 25 1. 14

化合物 2 50 1. 18 化合物 1 3 50 1 . 31

[0104] さらに、本発明化合物 1を腹腔内投与（100 g/kg)したとき、 SART対照群の痛覚閾値 79.0gに対して、被験物質投与群では 97.8g (鎮痛係数 1.24)と有意な痛覚過敏改善作用が認められた。また、経口投与の場合には、経口投与 30分後をピークとして 3 及び 10mg/kgで有意な鎮痛作用を示し、作用ピーク時の改善率から求めた ED 値は

50

2.7mg/kgであった。これに対して、アンセリン、カルノシンを被験物質として上記の側脳室内投与による鎮痛試験を行ったが、有意な鎮痛作用は認められな力た。

[0105] 実施例 76.鎮痛効力試験（2)

神経因性疼痛モデルである Chungモデルラットを用いて、鎮痛効力試験を行った。実験動物として 9週齢の Wistar系雄性ラットを用い、 Kimと Chungの方法（Pain、 50卷、 355-363頁、 1992年）に準じてモデルラットを作製した。すなわち、ペントバルビタール (40 mg/kg,腹腔内投与)麻酔下に、ラット L5脊髄神経を露出して L5後根神経節末梢側を 5-0絹糸で強く結紮した。底が金網になって V、る透明アクリルケージに動物を入れ、 von Freyフィラメント（North Coast Medical Inc.製）を用レ、、 Chaplan等（J. Neurosc i. Method, 53卷、 55- 63頁、 1994年）および Lee等（J. NeurophysioL, 81卷、 2226-223 3頁、 1999年）の方法に従い、 up-down法により 50%反応閾値を算出し、ァロディ-ァの測定を実施した。 50%反応閾値は脊髄神経損傷前に 2回測定し、閾値が基準外の動物は脊髄神経損傷手術力も除外した。脊髄神経損傷 14、 17、 28日後に 50%反応閾値を測定し、安定した閾値低下を示すと同時に 28日後において 1 g以上 4 g未満の閾値を示すものを試験に用いた。これらの実験動物は、神経損傷 28日後の 50%反応閾値を指標に 1群 7匹として各群の平均値がほぼ均一になるように群構成した。

[0106] 本発明化合物の化合物 1を被験物質として単回腹腔内（100 g/kg)投与し、また、神経損傷対照群には 0.5%CMC-NaZ生理食塩液を同様に投与して、被験物質投与 30分後にァロディニァの測定を行い、 50%反応閾値を算出した。尚、有意差の検定は、神経損傷前後の比較には対応のある t検定、神経損傷対照群と被験物質投与群との多群間比較には Dunnettの多重検定比較を用い、いずれの場合も Pく 0.05で有意差有りとした。

[0107] 上記鎮痛効力試験を実施した結果、 L5脊髄神経損傷前の正常時における 50%反応閾値は平均値で 15.00g (n=42)であった力神経損傷後 28日後には 2.46g (n=42、群編成前)と低下し、脊髄神経損傷前後で明らかな機械刺激性ァロディ二ァを呈することが確認された。これを踏まえて本発明化合物の Chungモデルラットを用いた鎮痛効力試験を行った結果、神経損傷対照群については、 50%反応閾値は平均値で溶媒投与前は 2.48g (n=7、群編成後）、溶媒投与 30分後は 2.70gを示し、投与前後で大きな変化は見られな力つた。これに対し、被験物質投与群の 50%反応閾値は 9.60 gと神経損傷対照群と比較して有意な閾値の上昇が見られ、本発明化合物の強、抗ァロディニァ作用、即ち、神経因性疼痛に対する優れた鎮痛作用が認められた。また

、経口投与した場合には、 Chungモデルラットの機械刺激性ァロディユアに対し、本発明化合物 1は経口投与 30分後をピークとして 10 mg/kgで有意な抗ァロディニァ作用を示し、作用ピーク時の改善率から求めた ED50値は 2.4 mg/kgであった。

[0108] 実施例 77.鎮痛効力試験 (3)

上記鎮痛効力試験（2)と同様に、本発明化合物の化合物 2、 6、 7、 27及び 30を被験物質として単回腹腔内 (400 μ g/kg)投与し、また、神経損傷対照群には 0.5%CM C-NaZ生理食塩液を同様に投与して、被験物質投与 30分後にァロディユアの測定を行い、 50%反応閾値を算出した。試験結果の一例を表 2に示す。本発明化合物は神経因性疼痛モデルである Chungモデルラットを用いた鎮痛効力試験を行った結果、有意な優れた鎮痛効果を示した。 [0109] [表 2]

* ： P<0. 05 (Dunnett多重比較検定)

[0110] 実施例 78.鎮痛効力試験 (4)

本発明化合物をマウスに経口投与して、酢酸ライジング法により鎮痛効力試験を行つた。実験動物として 4週齢の雄性 ddY系マウスを予備飼育した後、 1群 10匹を用いた。本発明化合物を被験物質として単回経口（10mg/kg、 100mg/kg)投与し、また、対照群には蒸留水 (注射用水)を同様に投与して、被験物質投与 25分後に 0.7%酢酸 Z生理食塩液を 10mL/kgで腹腔内投与し、その 5分後から 10分間のライジング回数を計測し、各個体毎の抑制率を次式により算出した。

抑制率 (％) = (対照群の平均ライジング回数各個体のライジング回数） ÷対照群の平均ライジング回数 X 100

上記試験結果の一例を表 3に示す。本発明化合物は酢酸ライジング法による鎮痛効力試験を行った結果、優れた鎮痛効果を示した。

[0111] [表 3] 被験物質投与量（mg/kg) 抑制率（％)

10 33. 1

化合物 1

100 53. 8

化合物 2 100 27. 6 化合物 4 10 32. 9 化合物 5 10 17. 8 化合物 6 100 23. 5 化合物 7 100 36. 1 化合物 9 100 38. 0 化合物 1 0 10 27. 7 化合物 1 1 10 36. 1 化合物 1 6 100 30. 3 化合物 2 7 10 37. 9

[0112] 上記齚酸ライジング法の他、ラットのホルマリン疼痛試験の第二相における疼痛反応に対して、化合物 1は 100 mg/kgの経口投与で有意な鎮痛作用を示し、モノョード酢酸をラットの関節内に投与して誘発させた変形性関節症モデルにおける痛覚過敏に対しても、化合物 1の lmg/kgの経口投与で有意な鎮痛効果が認められた。

[0113] 実施例 79.マウス単回投与毒性試験

本発明化合物について、マウスを用いた腹腔内投与による単回投与毒性試験を行つた。 4週齢の雄性 ddY系マウスは、各群の平均体重がほぼ均一になるように 1群 5匹として群編成し、本発明化合物の化合物 1を被験物質として、 250 mg/kg, 500 mg/kg 及び 1000 mg/kgの用量で腹腔内投与した。

[0114] この毒性試験において、いずれの投与量においても、投与直後から 14日後までの観察期間を通して何ら異常所見は見られず、死亡例も認められな力つた。更に 14曰間の観察期間終了後、剖検による全身の器官及び組織にっ、て肉眼的観察を行つたが、対照群 (生理食塩液投与群)と同様の観察所見が得られ、なんら異常所見は認められな力つた。また、体重の推移も対照群と比較して有意な差は認められなかつた。これらの結果により、本発明化合物はマウス腹腔内投与によって毒性的に何ら影響しな、ことが示され、極めて低毒性の化合物であることが認められた。

産業上の利用可能性

上記の各種鎮痛効果試験に示されるように、本発明ヒスチジン誘導体は急性又は慢性の疼痛や神経因性疼痛の病態モデル動物に対して優れた鎮痛作用を示し、且つ極めて低毒性の化合物である。従って、本発明化合物は、種々の急性又は慢性疼痛疾患や、非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs)などの通常の鎮痛薬が効き難!、反射性交感神経性ジストロフィー、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロバチ一等の神経因性疼痛疾患を治療するための医薬品として非常に有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 下記一般式 (I)で表されるヒスチジン酸誘導体並びにその薬学的に許容される塩及び水和物。

[化 6]

1

2

3 4

5

[2] Rが炭素数 1乃至 6のアルキルである請求項 1記載のヒスチジン誘導体。

1

[3] Rが水素である請求項 2記載のヒスチジン誘導体。

3

[4] Rが水素である請求項 3記載のヒスチジン誘導体。

4

[5] Rが炭素数 1乃至 4のアルキルである請求項 3記載のヒスチジン誘導体。

4

[6] Rがフエ-ルである請求項 3記載のヒスチジン誘導体。

4

[7] Rが水素である請求項 4乃至 6のいずれか一項記載のヒスチジン誘導体。

2

[8] Rが炭素数 1乃至 4のアルキルである請求項 4乃至 6のいずれか一項記載のヒスチ

2

ジン誘導体。

[9] Rがベンジル、 R、 R及び Rが水素である請求項 1記載のヒスチジン誘導体。

[10] N( a ) -アタリロイル- N( π ) -メチル- L-ヒスチジン、 N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -ェチル- L-ヒスチジン、 Ν( α )-クロトノィル- Ν( π )-メチル - L-ヒスチジン、 Ν( α )- 3-フエ-ルプロぺノィル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジン、 N( a )-2-メチル -2-ブテノィル- Ν( π ) -メチル- L-ヒスチジン、 N( a )-3-フエ-ルプロぺノィル- Ν( π ) -ェチル- L-ヒスチジン、 N( a ) -ァクリロイル- Ν( π ) -イソプロピル- L-ヒスチジン、 N( a ) -アタリロイル- Ν( π ) -ベンジル- L- ヒスチジン若しくは N( a ) -メタクリル- Ν( π )-メチルヒスチジン又はその薬学的に許容される塩、エステル体若しくは水和物。

[11] N( o; )-アタリロイル- Ν( π )_メチル -L-ヒスチジン又はその薬学的に許容される塩、ェステル体若しくは水和物。

[12] 請求項 1乃至請求項 11のいずれか一項記載のヒスチジン誘導体又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を有効成分として含有する医薬。

[13] 鎮痛薬である請求項 12記載の医薬。