WO2007069380A1 - スタビライザブッシュ - Google Patents

Abstract

　スタビライザブッシュ４は、弾性体４ａに穿設された軸孔４ｂに、スタビライザ２のトーション部２ａを挿通して保持し、弾性体４ａの外周面４ｃを、車体に取り付けられるブラケット５によって保持する。軸孔４ｂは、軸方向の中心から外側に向かって内径ｄ１，ｄ２が漸減するように形成されている。

Description

明 細 書

スタビライザブッシュ

技術分野

[0001] 本発明は、車両のスタビライザ（アンチロールバーともいう）のトーシヨン部を保持す るスタビライザブッシュに関する。

背景技術

[0002] 従来力も車両のスタビライザのトーシヨン部は、略筒状に形成されたゴム製の弾性 体力もなる防振用のスタビライザブッシュを挿通し、ブラケットによって、車体に取り付 けられている。

[0003] このようにスタビライザは、スタビライザブッシュを介在させて車体に取り付けることに よって、車体の振動や衝撃を緩衝している。そして、特許文献 1のスタビライザブッシ ュのように、軸孔の左右の開口端には、スタビライザに密着するリップがそれぞれ形 成されている。スタビライザブッシュは、そのリップによって、土砂や塵埃や泥水等が、 軸孔内のスタビライザとの摺接面に侵入するのを防止している。

[0004] 図 10は、従来のスタビライザブッシュの取り付け状態を示す要部拡大断面図である 図 10に示すように、スタビライザブッシュ 100は、厚肉筒状に形成されて、潤滑剤を 含んだゴム製の弾性体力もなり、中央部に、スタビライザ 200を挿通して保持するた めの軸孔 110が穿設されている。スタビライザブッシュ 100は、側面視して外面が略 U字状に形成されて、外周面 120から軸孔 110内に圧入してスタビライザ 200を組み 付けるためのスリット 130が形成されている。

[0005] スタビライザブッシュ 100の車両左右方向の両端部には、それぞれフランジ 140が 形成されて、これらフランジ 140間に車体取り付け用のブラケット（図示せず)が係合 され、そのブラケットによって、車体にボルトで固定される。

なお、スタビライザブッシュ 100は、通常、ある一定の締め付け代を持たせて形成さ れ、この締め付け代が圧縮されることによって、車体にしつ力りと取り付けられる。 発明の開示 発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、特許文献 1に示すようなスタビライザブッシュでは、リップの裏面側と スタビライザとの間に、窪み状の隙間が形成されることにより、リップが劣化し易いとい う問題点がある。

[0007] また、そのリップは、薄肉状の突出片から形成されていることにより、弾性変形し易く なっている。このため、スタビライザブッシュは、軸孔の開口端の剛性が低下して、走 行中に左右の車輪のサスペンションの上下動によって、スタラビライザが振動や弾性 変形し、スタビライザとの間に隙間が発生する場合がある。すると、その隙間からリツ プの内側に土砂が侵入して、リップの内側の窪み状の隙間にその土砂が滞留するこ とがある。

[0008] 土砂がリップの内側に滞留した場合には、その土砂によって摩擦係数が増加し、ス テックスリップ音 (異音）のような音を発生したり、土砂力スタビラィザの塗膜を削って 鲭劣化を促進させたり、および、スタビライザの金属面に傷を付けたりして、スタビラィ ザの信頼性を低下させるという問題点があった。

[0009] 一般に、スタビライザブッシュとスタビライザとの間に土砂が侵入することを防止する には、スタビライザブッシュとスタビライザとの間の締め付け代を大きくすることが挙げ られる。

[0010] し力しながら、締め付け代を大きくした場合には、スタビライザが回転運動するとき のフリクションが増加して、 自動車の操縦安定性や乗り心地が低下するという問題点 があるため、締め付け代を大きくすることができない。

[0011] また、図 10に示すようなスリット 130を有するスタビライザブッシュでは、スリット 130 が形成された分だけ変形し易くなるので、軸孔 110とスタビライザ 200との間に隙間 S が形成されて、その隙間 Sに土砂や塵埃や泥水等が侵入し易いという問題点がある

[0012] そこで、本発明は、前記課題を解消すべく発明されたものであり、自動車の操縦安 定性と乗り心地を維持しながら、スタビライザブッシュの軸孔とスタビラィザとの接触面 に、土砂や塵埃や泥水等が侵入することを防止したスタビライザブッシュを提供する ことを課題とする。 課題を解決するための手段

[0013] 前記課題を解決するために、請求項 1に記載のスタビライザブッシュは、弾性体に 穿設された軸孔に、スタビライザのトーシヨン部を揷通して保持し、前記弾性体の外 周面を、車体に取り付けられるブラケットによって保持するスタビライザブッシュにお いて、前記軸孔は、軸方向の中心力も外側に向力つて内径が漸減することを特徴と する。

[0014] 請求項 1に記載の発明によれば、スタビライザブッシュの軸孔は、軸方向の中心か ら外側に向力つて内径が漸減して形成されている。これにより、軸孔の左右の開口端 側がスタビライザの摺接面に比較的強く密着して、軸孔の中心側がスタビライザの摺 接面に弱く摺接するようになる。その結果、軸孔の左右の開口端は、スタビライザに 密着して閉塞されるため、土砂や塵埃や泥水等の侵入が防止される。

[0015] 請求項 2に記載のスタビライザブッシュは、請求項 1に記載のスタビライザブッシュで あって、前記軸孔は、円周方向に連続して形成されていることを特徴とする。

[0016] 請求項 2に記載の発明によれば、スタビライザブッシュの軸孔は、円周方向に連続 して形成されていることにより、スリット等が形成されていない。このため、軸孔とスタビ ライザとの接触面が変形することを抑制できるので、軸孔内に土砂や塵埃や泥水等 が侵入することをさらに確実に防止できる。

[0017] 請求項 3に記載のスタビライザブッシュは、請求項 1または請求項 2に記載のスタビ ライザブッシュであって、前記弾性体の軸方向の側面の端部には、前記軸孔の開口 端に沿って溝部が形成されていることを特徴とする。

[0018] 請求項 3に記載の発明によれば、スタビライザブッシュの軸方向の端部の側面には 、軸孔の開口端に沿って溝部が形成されていることにより、溝部が形成された分だけ 、軸孔の開口端が弾性変形し易くなつている。このため、軸孔内にスタビライザを圧 入したときには、軸孔の両側の開口端付近が弾性変形してスタビライザの摺接面に 密着し、土砂や塵埃や泥水等の侵入を防止することができる。

[0019] 請求項 4に記載のスタビライザブッシュは、請求項 1な!、し請求項 3の 、ずれか 1項 に記載のスタビライザブッシュであって、一方の軸方向の端部に向力つて軸が径外 方向に湾曲して 、ることを特徴とする。 [0020] 請求項 4に記載の発明によれば、スタビライザブッシュは、一方の軸方向の端部に 向かって軸が径外方向に湾曲していることにより、一方の開口端の付近カ^タピライ ザに密着するようになるため、締め付け代を安定して確保することができる。さらに、 一方の開口端の付近は、一方の開口端に過大な応力がかかっても、屈曲するように 変形することが防止されて、局部的に歪みが発生することが解消される。

[0021] 請求項 5に記載のスタビライザブッシュは、請求項 1な!、し請求項 4の 、ずれか 1項 に記載のスタビライザブッシュであって、前記軸孔内には、潤滑剤が塗布されている ことを特徴とする。

[0022] 請求項 5に記載の発明によれば、軸孔内に潤滑剤を塗布したことにより、スタビラィ ザブッシュは、軸孔内の摩擦係数が低下して、全体がうねるように変形し易くなるので 、開口端に過大な応力が力かっても局部的に変形することが防止される。また、潤滑 剤は、撥水性があるので、泥水の浸入を防ぐことができる。

[0023] 請求項 6に記載のスタビライザブッシュは、請求項 5に記載のスタビライザブッシュで あって、前記軸孔内には、前記潤滑剤を貯めるための窪みが形成されていることを特 徴とする。

[0024] 請求項 6に記載の発明によれば、軸孔内に潤滑剤を貯めるための窪みを形成した ことにより、開口端付近の油分が泥水によって洗い流されたとしても、窪み内に貯留 された潤滑剤が開口端付近に供給されて、撥水性が長期間保持されるようになる。 発明の効果

[0025] 本発明に係るスタビライザブッシュによれば、 自動車の操縦安定性と乗り心地を維 持しながら、軸孔の開口端の耐久性をも保持して、スタビライザブッシュの軸孔と、ス タビラィザとの接触面を密着させて、土砂や塵埃や泥水等が軸孔内に侵入すること を防止することができる。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの設置状態を示すスタビライザの 斜視図である。

[図 2]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを示す図であり、 (a)は拡大断面 図、（b)は拡大側面図である。 圆 3]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを示す図であり、 (a)はスタビラィ ザブッシュの組み付け状態を示す拡大断面図、 (b)はスタビライザに大きな荷重がか 力つたときの状態を示す拡大断面図である。

圆 4]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを示す図であり、軸孔内に土砂 等の粒子が侵入したときの状態を示す要部拡大断面図である。

圆 5]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 1変形例を示す図であり、 (a )は拡大断面図、（b)は拡大側面図である。

圆 6]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 1変形例を示す図であり、 (a )はスタビライザブッシュの組み付け状態を示す拡大断面図、 (b)はスタビライザに大 きな荷重が力かったときの状態を示す拡大断面図である。

圆 7]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 2変形例を示す拡大断面図 である。

圆 8]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 3変形例を示す拡大断面図 である。

圆 9]本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 4変形例を示す拡大断面図 である。

圆 10]従来のスタビライザブッシュの取り付け状態を示す要部拡大断面図である。 符号の説明

2 スタビライザ

2a 卜ーシ 3ン咅

2b 曲げ部

4, 6, 7, 8, 9 スタビライザブッシュ

4a, 6a, 7a, 8a, 9a 弾性体

4b, 6b, 7b, 8b, 9b 軸孔

4c 外周面

4e, 6d, 7c, 8c, 9c 開口端

5 ブラケット 9d 窪み

B 土砂等の粒子

dl, d2 内径

La, Lb 潤滑剤

発明を実施するための最良の形態

[0028] 次に、図 1〜図 4を参照して、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを説明 する。図 1は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの設置状態を示すスタ ビライザの斜視図である。

[0029] 《スタビライザの構成》

図 1に示すように、スタビライザ 2は、車両が旋回した際の車体のローリングを抑制 するものであり、左右の車輪 Wがそれぞれ独自に動けるように、車体のインディペン デントサスペンション 1に取り付けられている。スタビライザ 2は、棒状のばね部材から 構成されるトーシヨン部 2aを備え、左右端部には、それぞれボルト 3で締結するため のボルト挿入孔（図示せず）が形成されている。このスタビライザ 2の左右の途中には 、スタビライザブッシュ 4が嵌着されている。

[0030] <スタビライザブッシュの構成》

図 1に示すように、スタビライザブッシュ 4は、弾性体 4aに穿設された軸孔 4bに、ス タビラィザ 2の端部を押し込んで、トーシヨン部 2aまで移動させて保持される。スタビラ ィザブッシュ 4を形成する弾性体 4aの外周面 4c (図 2参照）には、車体に取り付けら れるブラケット 5が装着されて 、る。

[0031] 図 2は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを示す図であり、 (a)は拡大 断面図、（b)は拡大側面図である。

[0032] 図 2 (a)、 (b)に示すように、スタビライザブッシュ 4は、左右横方向に向けてスタビラ ィザ 2が挿通される軸孔 4bが穿設されている。このスタビライザブッシュ 4は、例えば、 潤滑剤を含んだゴム製の防振用の弾性体 4aによって厚肉筒状に形成されている。

[0033] 図 2 (a)に示すように、スタビライザブッシュ 4は、左右方向の両端部に、断面略 Ω字 状のブラケット 5 (図 1参照）が係合するフランジ部 4dをそれぞれ有し、このブラケット 5 を車体にボルト締めすることによって車体に固定される。左右のフランジ部 4d間には 、ブラケット 5が圧接する曲面状の凸部 4gが形成されて 、る。

図 2 (b)に示すように、スタビライザブッシュ 4は、側面視して外周面 4cが略 U字状 に形成され、頂面 4fが曲面状に形成されている。

[0034] 軸孔 4bは、図 2 (a)に示すように、軸方向の中心力も外側に向かって内径 d2が内 径 dlに漸減して、円周方向に連続して形成されている。すなわち、軸孔 4b内は、左 右の開口端 4eの内径 dlが、軸孔 4b内の中央部の内径 d2より短く形成されている。 このため、左右の開口端 4eの角度 Θは、 90度より僅かに小さい鋭角に形成されてい る。

[0035] 図 3は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを示す図であり、 (a)はスタビ ライザブッシュの組み付け状態を示す拡大断面図、 (b)はスタビライザに大きな荷重 力 Sかかったときの状態を示す拡大断面図である。

そして、図 2および図 3 (a)、（b)に示すように、軸孔 4bにスタビライザ 2を挿入して組 み付けると、常に、スタビライザブッシュ 4の開口端 4e付近がスタビライザ 2に密着して 圧接した状態に組み付けられるようになって!/、る。

[0036] 《スタビラィザブッシュの作用》

次に、図 3および図 4を主に参照して本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュ 4の作用を説明する。

スタビライザブッシュ 4を圧嵌したスタビライザ 2に通常の荷重が力かっている場合に は、図 3 (a)に示すように、軸孔 4bは、開口端 4eが比較的大きな力を受けてスタビラ ィザ 2に圧接し、軸孔 4bの中央部がスタビライザ 2に比較的小さな力で圧接している

[0037] スタビライザブッシュ 4は、例えば、旋回走行時の横力によりスタビライザ 2に、図 3 ( b)に示す矢印 Aの下方向に大きな荷重がかかる。すると、スタビライザブッシュ 4は、 軸孔 4b内の下面でスタビライザ 2の大きな荷重を受けるため、スタビライザ 2が軸孔 4 b内の下面に圧接して押し潰されるように変形し、軸孔 4b内の上面中央部に僅かな 隙間 Sができる。そして、左右の開口端 4eは、外側の内径 dlが、中央部の内径 d2よ り小さくなつている分だけ大きな荷重が力かって、押し潰されるように変形して、スタビ ライザ 2に密着する（図 2 (a)参照)。なお、図 3 (b)は、隙間 Sを表すために、その隙間

Sを誇張して図示してある。

[0038] このようにスタビライザブッシュ 4は、左右の開口端 4eが、常に、スタビライザ 2に密 着して圧接状態となっている。その結果、スタビライザブッシュ 4は、軸孔 4b内に土砂 や塵埃や泥水等が侵入することを防止できると共に、土砂が軸孔 4bに入り込んでス タビラィザ 2に摺接して異音を発生することを防止できる。

また、スタビライザブッシュ 4を車体に組み付けるときには、凸部 4gが図 1に示すブ ラケット 5に密着し、頂面 4fが車体に密着するため、ガタ等が発生することはない。

[0039] また、軸孔 4bは、図 2 (a)に示すように、内部が軸方向の中心部力 外側に向かつ て内径 d2から内径 dlに漸減して、円周方向に連続して形成されているので、スタビ ライザ 2 (図 3 (a)、 (b)参照）の締め付け代を大きく取ることができる。

[0040] その結果、図 3 (b)に示すように、大きな荷重が力かって、スタビライザブッシュ 4が 大きく動いた場合であっても、開口端 4eがスタビライザ 2に密着した状態が保持され て、開口端 4eが開くことがないため、土砂等の侵入を確実に防止することができる。

[0041] 次に、図 4を参照して、スタビライザブッシュ 4内に万が一、土砂等の粒子 Bが侵入 した場合の作用を説明する。

図 4は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュを示す図であり、軸孔内に土 砂等の粒子が侵入したときの状態を示す要部拡大断面図である。

[0042] 例えば、図 4に示すように、万が一、スタビライザブッシュ 4の軸孔 4b内に土砂等の 粒子 Bが侵入したときに、旋回走行時の横力によりスタビライザ 2に、下方向（図 3 (b) に示す矢印 A方向）に大きな荷重が力かると、スタビライザブッシュ 4には、軸孔 4b内 の下面にスタビライザ 2の大きな荷重が負荷される。この場合、軸孔 4bの開口端 4eは 、角度 Θが鋭角で、かつ肉薄状態に形成されて、外側に向力つて内径 dlが漸減して 、肉厚が薄く形成されている（図 2参照)。すると、開口端 4eには、図上側に折れ曲が るように力が作用して、図 4に示す矢印 C方向の力が発生する。このため、開口端 4e は、土砂等の粒子 Bに対して、斜め内側方向に小さい面圧 Cで押圧する。

[0043] そして、土砂等の粒子 Bより内側からは、スタビライザブッシュ 4の肉厚が厚くなつて いることにより、面圧 Cより大きな面圧 Dで、土砂等の粒子 Bに対して、斜め外側方向 に押圧する。

[0044] その結果、土砂等の粒子 Bには、大きな面圧 Dによって、矢印 E方向の力が発生す る。このため、粒子 Bは、スタビライザ 2の表面に沿って矢印 Eの外側方向に移動して 、軸孔 4bの外部に排出される。このように、スタビライザブッシュ 4は、万が一、土砂等 の粒子 Bが軸孔 4b内に侵入したとしても、面圧 C, Dによる勾配的な方向の力が働く ことにより、土砂等の粒子 Bを外部に排出させる機能がある。

[0045] なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなぐその技術的思想の範 囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された 発明にも及ぶことは勿論である。

[0046] 《変形例〉〉

次に、図 5〜図 9を参照して、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 1 〜第 4変形例を順次に説明する。

[0047] <第 1変形例 >

図 5は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 1変形例を示す図であり 、（a)は拡大断面図、（b)は拡大側面図である。

[0048] 図 5 (a)、 (b)に示すスタビライザブッシュ 6のように、弾性体 6aの軸方向の側面の端 部 6cには、軸孔 6bの開口端 6dに沿って溝部 6eが形成されているものであってもよ い。

この場合、溝部 6eは、開口端 6dの近傍に環状に形成されている。その溝部 6eは、 例えば、断面が略半円形の溝でなる。また、開口端 6dには、図 5 (a)に示すように、 長さ L外側に突出した環状突出片 6fが形成されている。

[0049] 図 6は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 1変形例を示す図であり 、（a)はスタビライザブッシュの組み付け状態を示す拡大断面図、（b)はスタビライザ に大きな荷重が力かったときの状態を示す拡大断面図である。

[0050] スタビライザ 2には、スタビライザブッシュ 6がスタビライザ 2に対して所定範囲以上に 移動しないように、図 6 (a)に示すように、一方の軸方向の端部に向力つて径外方向 に湾曲して 、る曲げ部 2bを形成することがある。

このような場合、図 6 (b)に示すように、スタビライザブッシュ 6は、スタビライザ 2の曲 げ部 2b側に移動して、開口端 6dの環状突出片 6fが曲げ部 2bに乗り上げて反り返る ように変形することがある。

[0051] このような場合、スタビライザブッシュ 6は、開口端 6dの近傍に、環状の溝部 6eが沿 つて形成されていることにより、環状突出片 6fの圧縮変形が緩和されるため、しわ等 の発生を防止できる。

このようにスタビライザブッシュ 6の開口端 6dの近傍に溝部 6eを形成したことにより、 溝部 6eが、湾曲状に変形し、座屈変形しないため、開口端 6dに過大な応力がかか ることを防止して、耐久性を向上させることができる。

[0052] <第 2変形例 >

図 7は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 2変形例を示す拡大断 面図である。

[0053] 図 7に示すように、スタビライザブッシュ 7は、スタビライザ 2のトーシヨン部 2aに形成 された曲げ部 2bの形状にほぼ合わせて、一方の軸方向の開口端 (端部） 7cに向力つ て中心軸 (軸) Ol— Olが径外方向に湾曲していてもよい。そして、弾性体 7aの軸孔 7bは、軸孔 7b内の曲げ部 2b側の少なくとも開口端 7cの付近を、径外方向に湾曲さ せて曲げた状態に形成する。

すなわち、スタビライザブッシュ 7の中心軸 Ol— Olを、スタビライザ 2の曲げ部 2b の中心軸 02— 02にほぼ沿って曲げる。この場合、曲げ部 2b側の開口端 7cは、図 7 に示すように、開口端 7c付近が湾曲していることにより、斜めの方向を向いて開口し た状態に形成される。

[0054] このようにスタビライザブッシュ 7の開口端 7cの付近力 スタビライザ 2の形状に合わ せて径外方向に湾曲して形成されたことにより、開口端 7cの付近の外側コーナー部 Fカ^タビライザ 2に密着するようになるため、締め付け代を安定して確保することが できる。さらに、開口端 7cの付近の内側コーナー部 Gは、スタビライザ 2の形状に合 わせて形成されていることにより、開口端 7cに過大な応力がかかって、局部的に高い 歪みによるゴムの疲労劣化を招くことが解消されるため、耐久性を向上させることがで きる。

[0055] <第 3変形例 > 図 8は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 3変形例を示す拡大断 面図である。

図 8に示すスタビライザブッシュ 8のように、弾性体 8aの軸孔 8b内には、シリコンオイ ル、シリコングリス等のゴムへの被攻撃性と撥水性を持つ潤滑剤 Laを塗布してもよ ヽ

[0056] このように軸孔 8b内に潤滑剤 Laを塗布したことにより、スタビライザブッシュ 8は、軸 孔 8b内の摩擦係数が低下して、このスタビライザブッシュ 8の全体がうねるように変形 し易くなるので、開口端 (端部） 8cに過大な応力が力かっても、局部的に変形すること が防止されるため、耐久性を向上させることができる。

また、軸孔 8b内には、撥水性のある油脂 (潤滑剤 La)を塗布することにより、泥水の 浸入をより効果的に防ぐことができる。

[0057] <第 4変形例 >

図 9は、本発明の実施形態に係るスタビライザブッシュの第 4変形例を示す拡大断 面図である。

図 9に示すスタビライザブッシュ 9のように、弾性体 9aの軸孔 9b内には、グリスまた は高粘性のオイル等カゝらなる潤滑剤 Lbを貯めるための窪み 9dを形成してもよ ヽ。こ の場合、窪み 9dは、例えば、軸孔 9b内の中央部に形成された環状溝または断続的 に形成された溝カゝらなる。

[0058] このように軸孔 9b内に潤滑剤 Lbを貯めるための窪み 9dを形成したことにより、開口 端 (端部） 9c付近のシール部 9eの油分が泥水によって洗い流されたとしても、窪み 9 d内に貯留された潤滑剤 Lbがシール部 9eに安定的に供給されて、撥水性が長期間 保持されるようになる。

[0059] <その他の変形例 >

なお、前記実施形態では、左右対称なスタビライザブッシュ 4, 6, 7, 8, 9を例に挙 げて説明したが、左右対称な形状とする必要はなぐ適宜に形状を変更してもよい。

[0060] また、軸孔 4b, 6b, 7b, 8b, 9bは、軸方向の中心から外側に向かって内径が漸減 するように形成されていればよぐ例えば、軸孔 4b, 6b, 7b, 8b, 9b内の中央部から 開口端 4e, 6d, 7c, 8c, 9cに向力つてテーパ状に形成されていてもよぐあるいは、 軸孑し 4b, 6b, 7b, 8b, 9b内の開口端 4e, 6d, 7c, 8c, 9c付近のみ力 ^テーノ 状に形 成されていてもよい。

Claims

請求の範囲

[1] 弾性体に穿設された軸孔に、スタビライザのトーシヨン部を揷通して保持し、前記弾 性体の外周面を、車体に取り付けられるブラケットによって保持するスタビライザブッ シュにおいて、

前記軸孔は、軸方向の中心力も外側に向力つて内径が漸減することを特徴とする スタビライザブッシュ。

[2] 前記軸孔は、円周方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項 1に記載 のスタビライザブッシュ。

[3] 前記弾性体の軸方向の側面の端部には、前記軸孔の開口端に沿って溝部が形成 されていることを特徴とする請求項 1または請求項 2に記載のスタビライザブッシュ。

[4] 一方の軸方向の端部に向力つて軸が径外方向に湾曲していることを特徴とする請 求項 1な!、し請求項 3の!、ずれ力 1項に記載のスタビライザブッシュ。

[5] 前記軸孔内には、潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項 1ないし請求項

4のいずれ力 1項に記載のスタビライザブッシュ。

[6] 前記軸孔内には、前記潤滑剤を貯めるための窪みが形成されていることを特徴と する請求項 5に記載のスタビライザブッシュ。