JP4911778B2 - スタビライザの軸受装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記諸点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、異音の発生を抑え、しかも簡単に組み付けることができるスタビライザの軸受装置を提供することにある。
さらに、本発明のスタビライザの軸受装置によれば、係合凸部が係合孔に係合していることから、スタビライザへの組み付け時に弾性支持部材の開閉に伴い弾性支持部材に追従して円筒ブッシュが開閉され、スタビライザへの組み付けが簡単になされる。
また、本発明のスタビライザの軸受装置では、前記鍔部が半径方向の内側に撓んで前記小径孔部に挿入し易いように、突出方向の先部が開放された中空状に形成されていると、係合凸部の係合孔への係合が簡単になされ、円筒ブッシュをスタビライザへ簡単に組み付ける上で有利となる。
また、本発明で用いる円筒ブッシュは、好ましくは、自己潤滑性に優れたポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性合成樹脂から形成されているとよい。
図1はスタビライザを支持する軸受装置の斜視図、図2は円筒ブッシュを抱持した弾性支持部材の側面図、図3は図2のA―A断面図、図4は図3のB―B断面図、図5は円筒ブッシュの側面図、図6は円筒ブッシュの正面図、図7は図5のC―C断面図、図8は図6のD―D断面図を示す。
図1において、本例のスタビライザの軸受装置2は、懸架アーム(図示せず)側に連結されたスタビライザSを摺動自在に支承する合成樹脂製の円筒ブッシュ6と、円筒ブッシュ6を抱持するゴム弾性体からなる弾性支持部材8と、円筒ブッシュ6を抱持した弾性支持部材8を車体側へ固定するブラケットBとからなる。
弾性支持部材8の周方向に間隔をおいた2箇所に、半径方向に延在し弾性支持部材8の内周面と外周面とに開口する係合孔14が設けられている。
係合孔14は、前記内周面に開口する小径孔部1402と、前記外周面に開口し小径孔部1402よりも直径が大きい大径孔部1404と、小径孔部1402と大径孔部1404との境の箇所に設けられた環状の係止面1406とで構成されている。
円筒ブッシュ6には、軸方向に延在するスリット22が設けられている。
また、スリット22に対向する円筒ブッシュ6の箇所に、円筒ブッシュ6の外周面を平坦面として該円筒ブッシュ6の肉厚を薄くした薄肉部24が軸方向に延在して設けられている。
したがって、円筒ブッシュ6は、薄肉部24からスリット22まで延在し薄肉部24を支点として内周面20を開閉する2つの半円筒部分2002を有している。
そして、係合孔14に係合可能な係合凸部26が、2つの半円筒部分2002が対向する箇所に1つずつ設けられている。
鍔部2604は、小径軸部2602側に近づくにつれて次第に外径が大きくなる円錐面からなる外周面2610と、小径軸部2602の端部と外周面2610の端部とを接続し環状の係止面1406に係止可能な環状の端面2612とを有している。
係合凸部26は、鍔部2604が半径方向の内側に撓んで小径孔部1402に挿入し易いように、突出方向の先部が開放された中空状に形成されている。
詳細には、小径軸部2602が小径孔部1402に嵌合され、鍔部2604が大径孔部1404に挿入され、鍔部2604の環状の端面2612が係合孔14の環状の係止面1406に係止されることで、円筒ブッシュ6が弾性支持部材8の抱持孔10に組み付けられている。
そして、スタビライザ2の外面に装着された円筒ブッシュ6および弾性支持部材8は、ブラケットBを介して車体に取着される。このブラケットBは、例えば、横断面U字状をなし、U字状の部分が弾性支持部材8の外周面の凹所に嵌合され、U字状の部分の両端の取り付け片が車体側にボルト止め等によって固定される。
また、合成樹脂製の円筒ブッシュ6でスタビライザSを摺動自在に支承しているので、スティック−スリップ現象の発生を阻止し、異音の発生を防止することが可能となる。
そして、2つの係合凸部26がそれぞれ係合孔14に係合していることから、より詳細には、小径軸部2602が小径孔部1402に嵌合され、鍔部2604が大径孔部1404に挿入されて鍔部2604の環状の端面2612が係合孔14の環状の係止面1406に係止されていることから、スタビライザSへの組み付け時に弾性支持部材8の開閉に伴い弾性支持部材8に追従して円筒ブッシュ6が開閉され、スタビライザSへの組み付けが簡単になされる。
また、2つの係合凸部26をそれぞれ係合孔14に係合する構成であるので、弾性支持部材8への円筒ブッシュ6の組み付けも簡単になされ、また、弾性支持部材8に対する円筒ブッシュ6の回転が確実に阻止され、円筒ブッシュ6は弾性支持部材8に確実に抱持される。
図9は円筒ブッシュを抱持した弾性支持部材の側面図、図10は図9のA―A断面図、図11は図10のB―B断面図、図12は円筒ブッシュの側面図、図13は円筒ブッシュの正面図、図14は図12のC―C断面図、図15は図13のD―D断面図を示し、図12〜図15において2つの円筒ブッシュ36Aのうち下側に位置する円筒ブッシュ36Aを点線で示している。
弾性支持部材38の周方向に間隔をおいた2箇所に、半径方向に延在し弾性支持部材38の内周面と外周面とに開口する係合孔44が設けられている。
係合孔44は、前記内周面に開口する小径孔部4402と、前記外周面に開口し小径孔部4402よりも直径が大きい大径孔部4404と、小径孔部4402と大径孔部4404との境の箇所に設けられた環状の係止面4406とで構成されている。
円筒ブッシュ36は径方向に二分割された二つの半円筒体36Aから構成されている。
そして、係合孔44に係合可能な係合凸部46は各半円筒体36Aが対向する箇所に1つずつ設けられている。
鍔部4604は、小径軸部4602側に近づくにつれて次第に外径が大きくなる円錐面からなる外周面4610と、小径軸部4602の端部と外周面4610の端部とを接続し環状の係止面4406に係止可能な環状の端面4612とを有している。
係合凸部46は、鍔部4604が半径方向の内側に撓んで小径孔部1402に挿入し易いように、突出方向の先部が開放された中空状に形成されている。
詳細には、小径軸部4602が小径孔部4402に嵌合され、鍔部4604が大径孔部4404に挿入され、鍔部4604の環状の端面4612が係合孔44の環状の係止面4406に係止されることで、円筒ブッシュ36が弾性支持部材38の抱持孔40に組み付けられている。
そして、2つの係合凸部46がそれぞれ係合孔44に係合していることから、スタビライザSへの組み付け時に弾性支持部材38の開閉に伴い弾性支持部材38に追従して円筒ブッシュ36が開閉され、また、弾性支持部材38に対する円筒ブッシュ36の回転が確実に阻止される。
そして、スタビライザ2の外面に装着された円筒ブッシュ36および弾性支持部材38は、ブラケットBを介して車体に取着される。このブラケットBは、例えば、横断面U字状をなし、U字状の部分が弾性支持部材8の外周面の凹所に嵌合され、U字状の部分の両端の取り付け片が車体側にボルト止め等によって固定される。
すなわち、スタビライザSの外面に摩擦接触する内周面50を有する円筒ブッシュ36は、車体のロールに対して抵抗する際のスタビライザSの回転を許容し、弾性支持部材38は走行中の路面から受けるスタビライザSの振動を緩和して車体側への伝達を阻止する。
また、合成樹脂製の円筒ブッシュ36でスタビライザSを摺動自在に支承しているので、スティック−スリップ現象の発生を阻止し、異音の発生を防止することが可能となる。
そして、各係合凸部46がそれぞれ係合孔44に係合していることから、より詳細には、小径軸部4602が小径孔部4402に嵌合され、鍔部4604が大径孔部4404に挿入されて鍔部4604の環状の端面4612が係合孔44の環状の係止面4406に係止されていることから、スタビライザSへの組み付け時に弾性支持部材38の開閉に伴い弾性支持部材38に追従して二つの半円筒体36Aが開閉され、スタビライザSへの組み付けが簡単になされる。
また、各係合凸部46をそれぞれ係合孔44に係合する構成であるので、弾性支持部材38への円筒ブッシュ36の組み付けも簡単になされ、また、弾性支持部材38に対する円筒ブッシュ36の回転が確実に阻止され、円筒ブッシュ36は弾性支持部材38に確実に抱持される。
Claims (5)
- 懸架アーム側に連結されたスタビライザを車体側において支持するスタビライザの軸受装置であって、軸受装置は、スタビライザを摺動自在に支承する合成樹脂製の円筒ブッシュと、該円筒ブッシュを抱持するゴム弾性体製の弾性支持部材と、円筒ブッシュを抱持した弾性支持部材を車体側に固定するブラケットとからなり、
前記弾性支持部材は、前記円筒ブッシュを抱持する抱持孔と、前記抱持孔の軸方向に延在して前記抱持孔の開閉を可能としたスリットとを備え、
前記弾性支持部材の周方向に間隔をおいた複数箇所に前記弾性支持部材の内周面に開口して半径方向に延在する係合孔が設けられ、
前記係合孔は、前記内周面に開口する小径孔部と、前記小径孔部の端部に連接され前記小径孔部よりも直径が大きい大径孔部と、前記小径孔部と前記大径孔部との境の箇所に設けられた係止面とで構成され、
前記円筒ブッシュに、軸方向に延在するスリットが設けられ、
前記弾性支持部材のスリットと前記円筒ブッシュのスリットとは周方向において同位相の箇所に位置し、
前記円筒ブッシュの外周面に、前記係合孔に係合可能な係合凸部が設けられ、
前記係合凸部は、前記小径孔部に嵌合される小径軸部と、前記小径軸部の端部に連接され前記大径孔部に挿入されて前記係止面に係止される鍔部とで構成されている、
ことを特徴とするスタビライザの軸受装置。 - 前記スリットに対向する前記円筒ブッシュの箇所に、前記円筒ブッシュの肉厚を薄くした薄肉部が軸方向に延在して設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のスタビライザの軸受装置。 - 懸架アーム側に連結されたスタビライザを車体側において支持するスタビライザの軸受装置であって、軸受装置は、スタビライザを摺動自在に支承する合成樹脂製の円筒ブッシュと、該円筒ブッシュを抱持するゴム弾性体製の弾性支持部材と、円筒ブッシュを抱持した弾性支持部材を車体側に固定するブラケットとからなり、
前記弾性支持部材は、前記円筒ブッシュを抱持する抱持孔と、前記抱持孔の軸方向に延在して前記抱持孔の開閉を可能としたスリットとを備え、
前記弾性支持部材の周方向に間隔をおいた複数箇所に前記弾性支持部材の内周面に開口し半径方向に延在する係合孔が設けられ、
前記係合孔は、前記内周面に開口する小径孔部と、前記小径孔部の端部に連接され前記小径孔部よりも直径が大きい大径孔部と、前記小径孔部と前記大径孔部との境の箇所に設けられた係止面とで構成され、
前記円筒ブッシュは径方向に二分割された二つの半円筒体からなり、
前記二つの半円筒体の周方向の両端が向かい合う2箇所のうちの1箇所は、前記弾性支持部材のスリットと周方向において同位相の箇所に位置し、
前記円筒ブッシュの外周面に、前記係合孔に係合可能な係合凸部が設けられ、
前記係合凸部は、前記小径孔部に嵌合される小径軸部と、前記小径軸部の端部に連接され前記大径孔部に挿入されて前記係止面に係止される鍔部とで構成されている、
ことを特徴とするスタビライザの軸受装置。 - 前記鍔部は、前記小径軸部側に近づくにつれて次第に外径が大きくなる円錐面からなる外周面と、前記小径軸部の端部と前記外周面の端部とを接続し前記係止面に係止可能な環状の端面とを有している、
ことを特徴とする請求項1または3記載のスタビライザの軸受装置。 - 前記係合凸部は、前記鍔部が半径方向の内側に撓んで前記小径孔部に挿入し易いように、突出方向の先部が開放された中空状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1または3記載のスタビライザの軸受装置。
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