明 細 書
安全スィッチ
技術分野
[0001] 本発明は、例えば産業機械が設置される部屋の出入口などの壁面に装着され、そ の出入口の扉が開かれたときには、産業機械等への電源供給を停止する安全スイツ チに関する。
背景技術
[0002] 産業機械が設置された部屋や工場あるいは産業機械自体の危険領域では、作業 者が機械に巻き込まれて負傷するといつたトラブルの発生を防止することを目的とし て、部屋や危険領域の出入口の扉が完全に閉まっていないときには、機械の駆動を ロックするシステムを設けることが要求されており、このような要求に応じるために安全 スィッチ (特開平 6— 76675号公報参照)が提案されている。この安全スィッチは、ス イッチ本体が部屋の出入口周辺の壁面に装着され、その出入口の扉を閉じたときに 扉に固着された専用のァクチユエータがスィッチ本体の挿入口力 挿入されると、ス イッチ本体内の駆動カムが回転し、その駆動カムの回転に応じて操作ロッドが移動し て接点の接続状態が切り替わる構造のスィッチであって、このような接点の切り替わり 動作で回路接続が主回路 (産業機械への電源供給回路)側へと切り替わって部屋内 の機械が運転可能な状態となるとともに、ロック機構がァクチユエータに対して自動的 にロックする、つまり扉を開けられないように機械的にロックするようになっている。一 方、産業機械への電源供給を遮断するように操作されたときに、その作動オフ信号 により、ソレノイドが励磁してロック機構によるロックを解除し、扉を開放可能状態にす る構成になっている。
[0003] ところで、このようなロック機構付きの安全スィッチでは、停電時'メンテナンス時等 にお 、て、ソレノイドを動作させずに手動でロックを解除することが必要となる場合が あり、その解除方式として、従来、スィッチ側面に設けたねじを外してロックを解除す る方法や、手動ロック解除キーを操作してロックを解除する方法が採られているが、こ れらの方式は、 Vヽずれも部屋 (機械室等)外部からの手動操作を対象としたものであ
るため、作業者が何らかの理由により部屋内部に閉じ込められた時には、ロックを解 除する手段がなく、自力では脱出できな 、と 、う問題がある。
[0004] そこで、力かる問題を解決するため本出願人は、ァクチユエータのロック機構 (例え ばロックレバー等)を手動操作により解除することが可能なロック解除手段、例えば解 除用のピン (小ねじ)とこれに変位を与えるための解除レバーをスィッチ本体に設ける とともに、その手動ロック解除手段を、スィッチ本体の取付面 (背面)側から操作できる ように構成した安全スィッチを提案して 、る(特開平 10— 302580号公報参照)。
[0005] 特許文献 1 :特開平 6— 76675号公報
特許文献 2:特開平 10— 302580号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 上記特許文献 2では、産業機械等が設置された部屋の内部側からの手動操作によ りァクチユエータのロック機構を解除することが可能となり、作業者が機械室等の部屋 の内部に入っているときに、扉が閉じて作業者が部屋内に閉じ込められても自力で 脱出することが可能となる。しかしながら、手動ロック解除手段を元の状態にする、所 謂リセットするためには手動ロック解除手段をロック解除時とは逆方向に手動操作を してリセットを行なう必要がある。例えば、手動ロック解除手段が押ボタンの場合には 、ロックを解除するために押ボタンを押し、リセットするためには、押ボタンを引っ張つ て元の状態に復帰させる必要がある。換言すれば、リセットするためには、取付面側 、即ち危険領域側力も操作することが必要である。よって、リセットするために危険領 域に入るときは十分に注意するよう作業者に教示したり、リセットするために危険領域 に入るときは機械が絶対に動力ないような構成にしたり、機械とロック解除手段との間 の距離を十分に確保したりなどの安全対策を講じる必要がある。
[0007] 本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、ロック解除 手段を元の状態に復帰させたときに、危険領域にいる作業者の安全が確保される安 全スィッチを提供することである。
課題を解決するための手段
[0008] 上記目的を達成するために、本発明のうち請求項 1記載の発明は、機械等の設置
された危険領域の出入口に設けられ、出入口を扉で閉じてロックすると機械等の動 作を許可し、そうでなければ機械等の動作を許可しない安全スィッチであって、前記 ロックを行うロック実行部、危険領域側力ゝらの手動操作によって前記ロックを解除する ロック解除部を含むロック実行解除部と、危険領域外の安全領域カゝら前記ロック実行 解除部に対して操作を行う安全側操作部と、を備えたことを特徴とする。
[0009] 上記構成により、作業者は危険領域側力 ロック解除部の手動操作によってロック を解除して危険領域カゝら安全領域へ出ることができ、その後は安全領域側からロック 実行解除部を操作することができるので、安全性がより確保できる。
[0010] 請求項 2記載の発明は、請求項 1に記載の安全スィッチであって、前記安全側操作 部による前記操作は、前記ロック実行部がロックすることを禁止しつつ、前記ロック解 除部を操作することを特徴とする。
[0011] 上記構成により、安全領域側カゝら安全側操作部によってロック解除部が操作された だけでは、ロックして機械等が動作することはないので、作業者が危険領域に存在し て ヽても安全性が確保される。
[0012] 請求項 3記載の発明は、請求項 2に記載の安全スィッチであって、前記ロック解除 部を操作するとは、ロック解除部を元の状態に戻すことであることを特徴とする。
[0013] 上記構成により、ロック実行部がロックすることを禁止しつつ、安全領域側から安全 側操作部によってロック解除部を元の状態に戻すことができる。
[0014] 請求項 4記載の発明は、請求項 1に記載の安全スィッチであって、前記安全側操作 部が前記ロック実行解除部を操作するまでは、ロック解除部を元の状態に手動で戻 すことができな 、手段を備えたことを特徴とする。
[0015] 上記構成により、危険領域にいる作業者はロック解除部を元の状態に戻せないの で機械等が作動しないままであり、安全性が確保される。
[0016] 請求項 5記載の発明は、請求項 1に記載の安全スィッチであって、前記安全側操作 部が、該安全側操作部を操作することにより前記安全領域カゝらその有無を視認し得 る視覚的変化を生じることを特徴とする。
[0017] 本発明において、「安全領域力もその有無を視認し得る視覚的変化」とは、安全側 操作部を操作することにより、安全側操作部を構成する部材に生じる構造上の変化、
例えば、押しボタンの押し込みによる水平移動(実施の形態 1ないし実施の形態 2)、 押しボタンの引き起こしおよび押し込みによる体勢変化および水平移動(実施の形態 5)、レバーの回動および押し込みによる角度位置の変化および水平移動(実施の形 態 6)、係止部材のスライドおよび押しボタンの押し込みによる水平移動(実施の形態 7)等を 、ずれも含むものとする。
[0018] 上記構成により、安全側操作部による操作がなされたカゝ否かが安全領域力ゝらー目 瞭然となっており、したがって、安全側操作部を操作することによりロック解除部が元 の状態に戻ったか否かが、危険領域に入らなくても安全領域力 容易に確認するこ とができる。このため、さらに安全性が確保される。
[0019] 請求項 6記載の発明は、請求項 1に記載の安全スィッチであって、前記安全側操作 部の誤操作を防止するための誤操作防止機構を備えることを特徴とする。
[0020] 上記構成により、例えば危険領域に作業者力 ^、る状態で、安全領域において他の 作業者の体の一部が当たったりして安全側操作部が誤操作される事態が防止され、 さらに安全性が確保される。
発明の効果
[0021] 本発明に係る安全スィッチによれば、作業者は危険領域側カゝらロック解除部の手 動操作によってロックを解除して危険領域力も安全領域へ出ることができ、その後は 安全領域側からロック実行解除部を操作することができるので、安全性がより確保で きる。
発明を実施するための最良の形態
[0022] 以下、本発明に係る安全スィッチを実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発 明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
[0023] (実施の形態 1)
本発明の実施の形態に係る安全スィッチは、例えば図 1に示すようなシステムに適 用される。産業用ロボットや工作機械等の機械 1は、安全柵 2で囲まれている。なお、 安全柵 2の内側領域を危険領域 S1と称し、安全柵 2の外側領域を安全領域 S2と称 する。
安全柵 2には出入口 3が設けられ、出入口 3を通ってオペレータや搬送物が外部と
機械 1との間を出入りできる。また、安全柵 2には出入口 3を閉じるための扉 4が設け られている。扉 4は方向 Zに移動できる。安全柵 2の端部 2a付近には安全スィッチ 5が 設けられ、扉 4の端部 4a付近にはァクチユエータ 6が設けられている。また、安全柵 2 の安全領域側表面には操作盤 7が設けられている。この操作盤 7には、安全スィッチ 5に内蔵されたソレノイド 50 (図 2に参照)を励磁するための操作ボタン 8が備えられて いる。
[0024] 図 2は安全スィッチの内部構造を示す断面図、図 3は安全スィッチの一部を拡大し た斜視図、図 4は安全スィッチの一部断面図、図 5は安全スィッチの動作を説明する ための図である。なお、図 5 (1)はァクチユエータがロックされている状態を示し、図 5 (2)はァクチユエータのロック状態が解除された状態を示して 、る。
[0025] 安全スィッチ 5は、操作ヘッド 10とスィッチ本体 11とを含んで構成される。操作へッ ド 10は外部からァクチユエータ 6が差し込まれることによって、外部からの操作カを受 け、この操作力をスィッチ本体 11へ伝える機能を有する。スィッチ本体 11は操作へッ ド 10から伝えられた操作力を受け、この操作力に基づいてオン Zオフする機能と、操 作ヘッド 10の動作を固定 (ロック)する機能とを有する。
[0026] まず、操作ヘッド 10の構成について説明する。操作ヘッド 10は筐体 12と偏心カム 13とを含んで構成される。筐体 12は内部に偏心カム 13を収納する箱状であり、上面 及び前面にそれぞれに揷入孔 14、揷入孔 15が設けられている。上面の揷入孔 14 は図 1などに示すように、外部からのァクチユエータ 6が差し込まれるためのものであ る。また、前面にもァクチユエータ 6が差し込むことができるように、挿入孔 15が設けら れている。また、ァクチユエータ 6のその他の方向からの差し込みに対応できるように するため、操作ヘッド 10をスィッチ本体 11に対して、方向 Yl, Y2を中心に回転でき る構成にしてちよい。
[0027] 偏心カム 13は筐体 12の内部において、揷入孔 14のある上面と揷入孔 15のある前 面との法線方向の中心軸 16を中心に回動可能に保持されている。偏心カム 13の外 周の表面には、凹部 17、凹部 18、凹部 19が設けられている。凹部 17は挿入孔 15か ら挿入されたァクチユエータ 6の先端部を弓 Iつかけるために設けられて 、る。凹部 18 は挿入孔 14力も挿入されたァクチユエータ 6の先端部を引っかけるために設けられ
て!、る。凹部 19は後述のロッド 20が差し込まれて操作ヘッド 10の偏心カム 13の回動 動作をロックするために設けられて 、る。
[0028] 次にスィッチ本体 11の構成について説明する。スィッチ本体 11は、筐体 100、操 作ロッド 20、作動軸 21、ロック解除用押しボタン 22、ロック解除用押しボタン 22を元 の状態に復帰させる復帰用押しボタン 23、スィッチ SW1、スィッチ SW2、スィッチ S W3、スィッチ SW4等を含んで構成されている。
[0029] 筐体 100は、内部に操作ロッド 20、作動軸 21、スィッチ SW1、スィッチ SW2、スィ ツチ SW3、スィッチ SW4等を収納する箱状である。筐体 100の上面には操作ロッド 2 0の先端が突出するための開口部 24が設けられている。この筐体 100の上面と操作 ヘッド 10の下面とが対向するように、操作ヘッド 10がスィッチ本体 11に取り付けられ る。
[0030] 筐体 100の底面(図 2の左側面)は、安全柵 2の表面 2bに取り付けられている。この 安全柵 2には貫通孔 25が形成されており、この貫通孔 25を作動軸 21が貫通し、そ の端部にロック解除用押しボタン 22が形成されており、このロック解除用押しボタン 2 2は安全柵 2の裏面側 2cに露出した状態で設けられている。即ち、ロック解除用押し ボタン 22は危険領域 S1側力も手動操作可能に構成されている。一方、筐体 100の 前面には、ロック解除用押しボタン 22が押し込まれた後に、元の状態に復帰させるた めの復帰用押しボタン 23が露出した状態で設けられている。即ち、復帰用押しボタン 23は安全領域 S2側から手動操作可能に構成されている。ロック解除用押しボタン 2 2及び復帰用押しボタン 23は、筐体 100の方向 Y1に関して同一位置に配置されて いる。ロック解除用押しボタン 22と復帰用押しボタン 23とは、筐体 100内部を方向 XI に延びる共通の作動軸 21の両端部に一体的に形成されている。この作動軸 21の Y 2方向側の面(図 2の下面)には、ァクチユエータ 6の引き抜きを許容し得る位置まで 操作ロッド 20を移動させる操作ロッド駆動用第 1カム 26が形成されて ヽる。この操作 ロッド駆動用第 1カム 26は、基準表面 27に対して突出した台形状のカム面 28を有す る。このカム面 28は、後述する受動面 30に接触して押圧力を作用させる働きをなす
[0031] 前記操作ロッド 20は細長い棒状であり、方向 Yl、方向 Υ2に移動可能に筐体 100
内に保持されている。この操作ロッド 20は、ロッド本体部 20Aと接点操作カム部 20B と力もなる。接点操作カム部 20Bの上部には、カム面 28に接する受動面 30を有する 受動体 31が形成されている。受動面 30は、図 3に明らかに示すように、第 1平坦面 3 OAと傾斜面 30Bと第 2平坦面 30Cで構成されている。
[0032] また、操作ロッド 20の接点操作カム部 20Bには、その一方の側面に基準表面 A1に 対して凹凸する台形状凸部 40、台形状凸部 41が設けられ、その他方の側面に台形 状凸部 42が設けられている。台形状凸部 40、台形状凸部 41はそれぞれ基準表面 A 1に対して外側に突出した台形状である。つまり、台形状凸部 40における操作ロッド 20の側面は、基準表面 A1から台形状凸部 40の傾斜部に沿って突出して台形状凸 部 40の頂部に達し、この頂部から傾斜部に沿って基準表面 A1に達する。また、同様 に台形状凸部 41における操作ロッド 20の側面は、基準表面 A1から台形状凸部 41 の傾斜部に沿って突出して台形状凸部 41の頂部に達し、この頂部から傾斜部に沿 つて基準表面 A1に達する。また、台形状凸部 42における操作ロッド 20の側面は、基 準表面 A2から台形状凸部 42の傾斜部に沿って台形状凸部 42の頂部に達し、この 頂部から傾斜部に沿って基準表面 A2に達する。
[0033] 接点操作カム部 20Bの側面の近傍には、スィッチ SW1、スィッチ SW2、スィッチ S W3、スィッチ SW4が配置されている。スィッチ SW1、スィッチ SW2、スィッチ SW3、 スィッチ SW4は、それぞれ進退部 eを備えている。この進退部 eは、方向 Yl、方向 Υ 2と交わる方向の方向 XI、方向 Χ2 (ここでは方向 Yl、方向 Υ2と方向 XI、方向 Χ2と は互いに直角方向)に進退し、進退部 eの先端は操作ロッド 20の側面に対向する。
[0034] 接点操作カム部 20Bの下端部には、ソレノイド 50の励磁により方向 Y2に移動可能 な移動体 51が装着されて!、る。移動体 51の内部には付勢手段 52を収納する収納 空間が形成されている。この移動体 51の上面に形成されている揷通孔 51Aを、操作 ロッド 20の下端部が挿通している。そして、操作ロッド 20の下端部に抜止め部 53が 形成されて 、る。この抜止め部 53は付勢手段 52によって方向 Y1に付勢されて 、る 。また、移動体 51のフランジ部 51Bと、ソレノイド 50が回卷される中空状のボビン 55 との間には、付勢手段 54が介在されている。これにより、移動体 51は方向 Y1に付勢 されている。なお、付勢手段 52, 54は、付勢力を有すればよぐ図示のようなコイル
パネの他、板パネなどでもよい。
[0035] 実施の形態 1では、扉 4のァクチユエータ 6をロックするロック実行部は、偏心カム 13 、操作ロッド 20及びロック実行部本体を含んで構成される。ロック実行部本体は、ソレ ノイド 50、移動体 51及び付勢手段 52, 54を含んで構成される。危険領域側からの 手動操作によってロックを解除するロック解除部は、ロック解除用押しボタン 22、作動 軸 21、操作ロッド駆動用第 1カム 26及び受動体 31を含んで構成される。ロック実行 解除部は、ロック実行部及びロック解除部を含んで構成される。危険領域外の安全 領域からロック実行解除部に対して操作を行う安全側操作部は、復帰用押しボタン 2 3及び作動軸 21を含んで構成される。
[0036] 次いで、図 5を参照して、上記構成の安全スィッチの動作について説明する。まず 、扉 4が開いており、ァクチユエータ 6が安全スィッチの操作ヘッド 12に差し込まれて いない状態では、ロッド 20は偏心カム 13に押されて、方向 Y2へ後退している。この 状態では、スィッチ SW1の進退部 eは操作ロッド 20の表面に押されておらず前進し、 スィッチ SW1はオンの状態である。スィッチ SW1がオンであることは操作ヘッドの偏 心カム 13の回動動作がロックされていないことを示す。スィッチ SW2の進退部 eは操 作ロッド 20の台形状凸部 40の頂部に押されて後退し、スィッチ SW2はオフの状態で ある。スィッチ SW3の進退部 eは操作ロッド 20の表面に押されておらず前進し、スイツ チ SW3はオンの状態である。スィッチ SW3がオンであることは扉 4が開いていること を示す。スィッチ SW4の進退部 eは操作ロッド 20の台形状凸部 42の頂部に押されて 後退し、スィッチ SW4はオフの状態である。
[0037] コントローラ(図示せず)はスィッチ SW1のオン、スィッチ SW2のオフ、スィッチ SW 3のオン、スィッチ SW4のオフを受け、機械 1の動作を許可しない。
次に、扉 4を閉じると、操作ヘッド 10の揷入孔 14にァクチユエータ 6が差し込まれる 。ァクチユエータ 6の先端は凹部 18に係合し、ァクチユエータ 6が操作ヘッド 10内の さらに奥へ差し込まれることにより、偏心カム 13は中心軸を中心に回動する。この偏 心カム 13の回動に伴い、付勢手段 52, 54によって方向 Y1へ付勢力が与えられて いる操作ロッド 20は上端部が偏心カム 13の外縁に接して動く。そして、ァクチユエ一 タ 6が完全に操作ヘッド 10内に差し込まれ、偏心カム 13の凹部 19が操作ロッド 20の
一端部に対向するところに位置する。操作ロッド 20は付勢手段 52, 54の付勢力によ つて方向 Y1へ移動する。この操作ロッド 20の移動により、スィッチ SW1の進退部 eは 操作ロッド 20の基準表面 A1から台形状凸部 40の傾斜部に沿って押されて後退し、 進退部 eが頂部に達したとき、スィッチ SW1はオフになる。同様に、スィッチ SW3の 進退部 eはロッド 20の基準表面 A2から台形状凸部 42の傾斜部に沿って押されて後 退し、進退部 eが頂部に達したとき、スィッチ SW3はオフになる。一方、スィッチ SW2 の進退部 eは、操作ロッド 20の台形状凸部 40の頂部力も傾斜部に沿って前進し、進 退部 eが基準表面 A1に対向する位置に達したとき、スィッチ SW2はオンになる。同 様に、スィッチ SW4の進退部 eは、操作ロッド 20の台形状凸部 42の頂部から傾斜部 に沿って前進し、進退部 eが基準表面 A2に対向する位置に達したとき、スィッチ SW 4はオンになる。スィッチ SW2がオンであることは操作ヘッド 10の偏心カム 13の回動 動作がロックされて 、ることを示し、スィッチ SW4がオンであることは扉 4が閉じて!/、る ことを示す。このよう状態が図 5 (1)に示されている。
[0038] コントローラ(図示せず)はスィッチ SW1のオフ、スィッチ SW2のオン、スィッチ SW 3のオフ、スィッチ SW4のオンを受けると、機械 1の動作を許す。
次いで、このようなロック状態でロック解除のためにロック解除用押しボタン 22を押し 込むと、図 5 (2)に示すように、作動軸 21の第 1カム 26が受動体 31の受動面 30に当 接した状態で押し込まれる。これにより、操作ロッド 20は Y2方向に移動する。そして、 第 1カム 26が第 2平坦面 30cに達すると、操作ロッド 20の Y2方向の移動により、スィ ツチ SW1はオン,スィッチ SW2はオフとなり、スィッチ SW3はオフを維持し、スィッチ SW4はオンを維持している。従って、ロック状態が解除され、且つ扉 4が閉じられて いる状態であるので、機械 1が動作不許可状態となっている。
[0039] 次いで、ロック解除用押しボタン 22を元の状態に復帰させるために、安全領域 S2 側から復帰用押しボタン 23を押し込む。これにより、ロック解除用押しボタン 22は危 険領域 S1側に露出した元の状態に戻る。なお、このとき、操作ロッド 20が付勢手段 5 2, 54の付勢力により Y1方向に移動し、ァクチユエータ 6がロックされた状態と同様の スィッチ SWl, SW3力オフ、スィッチ SW2, SW4はオンとなり、機械 1が動作許可状 態となる。しかしなから、安全領域 S2側力も操作を行っているので、機械 1が作動し
ても安全性が確保される。このようにして、安全性を確保しつつ、ロック解除用押しボ タン 22を元の状態に戻すことが可能となる。なお、上記の例では、ロック解除用押し ボタン 22及び復帰用押しボタン 23の作動軸として共通の作動軸 21を使用したけれ ども、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 23それぞれに作動軸を設け るようにしてもよい。但し、本実施の形態のように 1つの作動軸 21を用いる構成であれ ば、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 23それぞれに作動軸を設ける 構成に比べて、部品点数の低減が図れる。
以上のように、作業者は危険領域側からロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部) の手動操作によってロックを解除して危険領域力も安全領域へ出ることができ、その 後は安全領域側カゝら復帰用押しボタン 23 (安全側操作部)によってロック実行解除 部を操作することができるので、安全性がより確保できる。
[0040] また、上記構成の安全スィッチ 5にお ヽては、安全側操作部が、該安全側操作部を 操作することにより前記安全領域 S2からその有無を視認し得る視覚的変化を生じる ものとなっている。即ち、前記したように、復帰用押しボタン 23は安全領域 S2側から 押し込むようにして操作されるので、この操作にともなう構造上の変化、即ち復帰用 押しボタン 23の押し込みによる水平移動力 前記安全領域 S2からその有無を視認 し得るようになつている。これにより、復帰用押しボタン 23の押し込み (安全側操作部 による操作)がなされた力否かが安全領域 S2から一目瞭然となっており、したがって 、復帰用押しボタン 23を押し込むことによりロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部) が元の状態に戻った力否かが、危険領域 S1に入らなくても安全領域 S2から容易に 確認することができる。このため、さらに安全性が確保される。
[0041] (実施の形態 2)
上記実施の形態 1では、安全領域 S2側からの手動操作により、ロック解除用押しボ タン 22を元の状態に復帰させる復帰用押しボタン 23を備え、この復帰用押しボタン 2 3を押すことにより、ロック解除用押しボタン 22は元の状態に復帰するとともに、ロック 状態に戻るように構成されていた。し力しながら、ロック解除用押しボタン 22を操作し た作業者が危険領域 S 1内にまだ ヽるのに、他の作業者が復帰用押しボタン 23を押 した場合に、ロック状態に戻り機械 1が作動する場合がある。そこで、本実施の形態 2
では、ロック解除用押しボタン 22を元の状態に復帰させるに際して、予め他の部材で ロック解除状態を維持させておく(つまりロックすることを禁止する)ように構成したこと を特徴とするものである。
[0042] 図 6は実施の形態 2に係る安全スィッチの内部構造を示す断面図、図 7は安全スィ ツチの一部を拡大した斜視図である。本実施の形態では、ロック解除用押しボタン 22 に連動する第 1作動軸 60と、復帰用押しボタン 23に連動する第 2作動軸 61とを備え ている。ロック解除用押しボタン 22は安全柵 2の裏面に露出している。このロック解除 用押しボタン 22は、押し込まれた状態では、筐体 100の裏面に突出形成されている 挿入口部 63内に収納されるようになっている。また、第 1作動軸 60はその先端部下 面が傾斜状カム面 28A1となっている(図 7参照)。なお、この第 1作動軸 60において は、第 1作動軸 60自体が操作ロッド駆動用第 1カムを構成しており、傾斜状カム面 28 A1と、傾斜状カム面 28A1に連なる平坦面 28A2 (図 7参照)とをカム面として構成さ れている。
[0043] 一方、復帰用押しボタン 23は筐体 100の前面に露出している。第 1作動軸 60と第 2 作動軸 61とは同一高さ位置にあって、それぞれの先端部が対向して配置されている 。そして、第 2作動軸 61の先端部下面は、第 1作動軸 60の先端部下面と同様に傾斜 状カム面 28B1となっている(図 7参照)。なお、この第 2作動軸 61においては、第 2作 動軸 61自体が操作ロッド駆動用第 2カムを構成しており、傾斜状カム面 28B1と、傾 斜状カム面 28B1に連なる平坦面 28B2 (図 7参照)とをカム面として構成されて!、る。 また、作動軸 60, 61の傾斜状カム面 28A1, 28B1に対応して、操作ロッド 20の受 動体 31の両側面には、第 1平坦面 30Aと傾斜面 30Bとがそれぞれ形成されていると 共に、傾斜面 30B、 30B間に第 2平坦面 30Cが形成されている(図 7参照)。
[0044] 実施の形態 2では、ロック解除部はロック解除用押しボタン 22、第 1作動軸 60及び 受動体 31を含んで構成される。安全側操作部は復帰用押しボタン 23及び第 2作動 軸 61を含んで構成される。なお、ロック実行部は実施の形態 1と同様である。
[0045] 次 、で、上記構成の安全スィッチの動作にっ 、て説明する。なお、以下の説明で は、主としてロック解除及び復帰の各動作にっ 、て説明する。
先ず、図 6 (1)に示すように、ァクチユエータ 6がロックされた状態においては、スイツ
チ SW1, SW3力オフ、スィッチ SW2, SW4はオンであり、従って、ロック状態で、且 つ扉 4が閉じられている状態であるので、機械 1が動作許可状態となっている。
このようなロック状態でロック解除のためにロック解除用押しボタン 22を押し込むと、 図 6 (2)に示すように、第 1作動軸 60の傾斜状カム面 28A1が受動体 31の傾斜面 30 Bに当接した状態で押し込まれる。これにより、操作ロッド 20は Y2方向に移動する。 そして、ロック解除用押しボタン 22を挿入口部 63内に収納された図 6 (2)に示す状 態では、操作ロッド 20の Y2方向の移動により、スィッチ SW1はオン、スィッチ SW2は オフとなり、スィッチ SW3はオフを維持し、スィッチ SW4はオンを維持している。従つ て、ロック状態が解除され、且つ扉 4が閉じられている状態であるので、機械 1が動作 不許可状態となっている。
次いで、ロック解除手段を元の状態に復帰させるために、安全領域 S2側から復帰 用押しボタン 23を押し込む。なお、図 6 (2)に示すロック解除状態では、ロック解除用 押しボタン 22は挿入口部 63に収納された状態となっており、ロック解除用押しボタン 22を引き抜くことができないようになつている。これによつて、危険領域 S1内にいる作 業者がロック解除用押しボタン 22を引き抜いて図 6 (1)の状態に戻り、機械 1が動作 するということはない。
復帰用押しボタン 23を押し込むと、第 2作動軸 61の平坦面 28B2が受動体 31の平 坦面 30cに当接した状態で押し込まれる。そして、第 2作動軸 61の先端部によって第 1作動軸 60の先端部が押され、第 1作動軸 60が X2方向に移動し、ロック解除用押し ボタン 22が、図 6 (3)に示すように挿入口部 63から引き抜かれる。このとき、第 2作動 軸 61の平坦面 28B2が受動体 31の平坦面 30cに当接した状態で押し込まれて、第 1作動軸 60を X2方向に移動させるので、受動体 31の第 2平坦面 30Cに接する面が 、第 1作動軸 60の平坦面 28A2から第 2作動軸 61の平坦面 28B2に引き継がれるだ けであるので操作ロッド 20の移動はない。即ち、ロック解除用押しボタン 22が復帰し た図 6 (3)に示す状態における操作ロッド 20の高さ位置は、ロック解除状態を示す図 6 (2)に示す状態と同じ高さ位置を維持したままである。従って、機械 1が動作不許可 状態となっている。この結果、復帰用押しボタン 23を押し込んでロック解除用押しボ タン 22を元の状態に復帰させても、ロック解除状態を維持させておく(つまり、ロック
することを禁止する)ことにより、危険領域内に人が存在していても、機械 1の作動が なく安全性が確保される。その後、危険領域内に人力 Sいないことを確認した後、復帰 用押しボタン 23を引き抜けば、付勢手段 52, 54の作用により操作ロッド 20が Y1方 向へ移動して図 6 (1)に示す状態に戻り、扉 4がロックされて機械 1の動作が許可され る。
[0047] 以上のように、作業者は危険領域側からロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部) の手動操作によってロックを解除して危険領域力も安全領域へ出ることができ、その 後は安全領域側カゝら復帰用押しボタン 23 (安全側操作部)によってロック実行解除 部を操作することができるので、安全性がより確保できる。また、安全領域側から復帰 用押しボタン 23 (安全側操作部)の押し込みのみによってロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部)が操作されただけでは、付勢手段 52, 54によって操作ロッド 20をロッ クする方向へ移動するような力が作用していてもロックして機械 1が動作することはな いので、作業者が危険領域に存在していても安全性が確保される。また、ロック解除 用押しボタン 22を押し込むと挿入口部 63に収納された状態になるので、その後、復 帰用押しボタン 23 (安全側操作部)がロック実行解除部を操作するまではロック解除 用押しボタン 22 (ロック解除部)を元の状態に手動で戻すことができない。よって、危 険領域にいる作業者はロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部)を元の状態に戻せ ないので、付勢手段 52, 54によって操作ロッド 20をロックする方向へ移動するような 力が作用して 、ても機械 1が動作しな 、ままであり、安全が確保される。
[0048] また、本実施の形態 2にお ヽては、前記実施の形態 1の場合と同様に、安全側操作 部が、該安全側操作部を操作することにより前記安全領域カゝらその有無を視認し得 る視覚的変化を生じるものとなっている。即ち、前記したように、復帰用押しボタン 23 は安全領域側カゝら押し込むようにして操作されるので、この操作にともなう構造上の 変化、即ち復帰用押しボタン 23の押し込みによる水平移動が、前記安全領域からそ の有無を視認し得るようになつている。これにより、復帰用押しボタン 23の押し込み( 安全側操作部による操作)がなされたカゝ否かが安全領域力ゝらー目瞭然となっており、 したがって、復帰用押しボタン 23を押し込むことによりロック解除用押しボタン 22 (口 ック解除部)が元の状態に戻った力否かが、危険領域に入らなくても安全領域力 容
易に確認することができる。このため、さらに安全性が確保される。
[0049] (実施の形態 3)
本実施の形態 3は、上記実施の形態 2と同様に、ロック解除用押しボタン 22を元の 状態に復帰させるに際して、予め他の部材でロック解除状態を維持させて (つまり、口 ックすることを禁止して)おかなければ、復帰操作ができな 、ように構成したことを特 徴とするちのである。
[0050] 図 8は実施の形態 3に係る安全スィッチの内部構造を示す断面図、図 9は安全スィ ツチの一部を拡大した斜視図である。本実施の形態 3では、ロック解除用押しボタン 2 2のみが備えられ、上記実施の形態 2のような復帰用押しボタン 23は存在しない構成 となっている。更に、上記実施の形態 2のような挿入口部 63も存在しない。本実施の 形態 3における第 1作動軸 60には、傾斜状カム面 28A1よりも基部側寄りに嵌合凹部 70が形成されている。また、操作ロッド 20における受動体 31の第 2平坦面 30Cには 、上記嵌合凹部 70に嵌まり込む嵌合凸部 71が形成されている。
[0051] 実施の形態 3では、ロック解除部はロック解除用押しボタン 22、嵌合凹部 70を有す る第 1作動軸 60及び嵌合凸部 71を有する受動体 31を含んで構成される。安全側操 作部はロック実行部の一部と兼ねており、ソレノイド 50、移動体 51及び操作ロッド 20 を含んで構成される。なお、ロック実行部は実施の形態 2と同様である。
[0052] 次 、で、上記構成の安全スィッチの動作にっ 、て説明する。なお、以下の説明で は、主としてロック解除及び復帰の各動作にっ 、て説明する。
先ず、図 8 (1)に示すように、ァクチユエータ 6がロックされた状態においては、スイツ チ SW1, SW3はオフ、スィッチ SW2, SW4はオンであり、従って、ロック状態で、且 つ扉 4が閉じられている状態であるので、機械 1が動作許可状態となっている。
[0053] このようなロック状態でロック解除のためにロック解除用押しボタン 22を押し込むと、 図 8 (2)に示すように、第 1作動軸 60の傾斜状カム面 28A1が受動体 31の傾斜面 30 Bに当接した状態で押し込まれる。これにより、操作ロッド 20は Y2方向に移動する。 そして、第 1作動軸 60の嵌合凹部 70が受動体 31の嵌合凸部 71に嵌まり込む。これ により、ロック解除用押しボタン 22を引き抜くことができない状態となり、引き抜きによ りロック解除用押しボタン 22を元の状態に復帰することは不可能となっている。なお、
図 8 (2)に示すロック解除状態では、操作ロッド 20の Y2方向の移動により、スィッチ S W1がオン、スィッチ SW2がオフとなり、スィッチ SW3はオフを維持し、スィッチ SW4 はオンを維持している。従って、ロック状態が解除され、且つ扉 4が閉じられている状 態であるので、機械 1が動作不許可状態となっている。
[0054] 次いで、ロック解除用押しボタン 22を元の状態に復帰させるために、ソレノイド 50を 励磁する。具体的には、安全領域 S 2側に設けられているソレノイド励磁用の操作ボ タン 8 (図 1参照)を押圧操作する。なお、図 8 (1)に示すロック状態及び図 8 (2)に示 すロック解除状態では、ソレノイド 50は消磁 (非励磁)状態となって!/、る。
[0055] 操作ボタン 8の押圧操作によりソレノイド 50が励磁されると、移動体 51は付勢手段 5 4の付勢力に抗して Y2方向に後退する。そうすると、付勢手段 52を収納する収納室 も後退する。このとき、操作ロッド 20の上端部は第 1作動軸 60によって上方への移動 が阻止されているので、操作ロッド 20は現状位置を維持したままである。なお、付勢 手段 52は収納室の下面の移動によって伸張する。そして、操作ロッド 20の下端部の 抜止め部 53が収納室の上面に当接する。更に、移動体 51が後退すると、収納室の 上面が抜止め部 53に押圧力を作用させ、これにより操作ロッド 20が Y2方向に移動 する。そして、移動体 51が完全に後退した図 8 (3)に示す状態では、第 1作動軸 60 の嵌合凹部 70が受動体 31の嵌合凸部 71に嵌まり込んだ状態力も脱した状態となり 、第 1作動軸 60の移動が許容された状態となる。このような図 8 (3)に示す状態では、 スィッチ31\^1〜31\^4のスィッチング態様は図8 (2)に示す状態と同様である。即ち、 スィッチ SW1, SW4力 Sオン、スィッチ SW2, SW3はオフである。従って、ロック状態 が解除され、且つ扉 4が閉じられている状態であるので、機械 1が動作不許可状態と なっている。このように、ロック解除用押しボタン 22を元の状態に復帰させるに際して 、ソレノイド 50の励磁によりロック解除状態を維持させて(つまり、ロックすることを禁止 し)且つ第 1作動軸 60の移動を許容させることにより、危険領域 S1内に人が存在して いても、機械 1の作動がなく安全性が確保される。
[0056] 以上のように、作業者は危険領域側からロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部) の手動操作によってロックを解除して危険領域力も安全領域へ出ることができ、その 後は安全領域側力もソレノイド 50 (安全側操作部)によってロック実行解除部を操作
することができるので、安全性がより確保できる。また、安全領域側から操作ボタン 8 の押圧操作によりソレノイド 50 (安全側操作部)が励磁されていると、付勢手段 52, 5 4により操作ロッド 20がロックして機械 1が動作することはないので、作業者が危険領 域内に存在していても安全性が確保される。また、ロック解除用押しボタン 22を押し 込むと嵌合凹部 70と嵌合凸部 71とが互いに係合するので、その後、ソレノイド 50 (安 全側操作部)がロック実行解除部を操作するまではロック解除用押しボタン 22 (ロック 解除部)を元の状態に手動で戻すことができない。よって、危険領域にいる作業者は ロック解除用押しボタン 22 (ロック解除部)を元の状態に戻せないので、付勢手段 52 , 54によって操作ロッド 20をロックする方向へ移動するような力が作用していても機 械 1が動作しないままであり、安全が確保される。
[0057] (実施の形態 4)
図 10は実施の形態 4の断面図である。本実施の形態 4では、第 1作動軸 60の外周 面には Oリング 79が装着されている。また、第 1作動軸 60を案内する案内面 80は、 第 1作動軸 60との間隔が大きい第 1案内面 80Aと、第 1作動軸 60との間隔が小さい 第 2案内面 80Bと、第 1作動軸 60との間隔が大きい第 3案内面 80Cとから構成されて いる。このような構成により、第 1作動軸 60が第 1案内面 80Aから第 2案内面 80Bに 移動したとき、 Oリング 79の圧縮率が変化する。同様に、第 1作動軸 60が第 1案内面 80B力も第 2案内面 80Cに移動したときも、 Oリング 79の圧縮率が変化する。これに より、ロック解除用押しボタン 22を押し込むときに、ノッチ感が得られる。なお、第 2作 動軸 61に関しても、同様の構成をとることで、復帰用押しボタン 23の押し込み時にも 、同様のノッチ感が得られる。また、実施の形態 1の作動軸 21についても同様の構成 をとることで、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 23の押し込み時にも、 同様のノッチ感が得られる。
このような構成により、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 23の押し込 み操作時に、確実に押し込み操作を行なったことを知りうることが可能となり、誤って 機械が作動しうる危険を回避することができる。
[0058] (実施の形態 5)
図 11は実施の形態 5に係る安全側操作部の操作を説明する模式図である。例えば
前記実施の形態 1では、安全領域 S2側からの手動操作により、即ち復帰用押しボタ ン 23を押すことにより、ロック解除用押しボタン 22は元の状態に復帰するとともに、口 ック状態に戻るように構成されていた。この場合、ロック解除用押しボタン 22を操作し た作業者が危険領域 S1内にまだいる状態で、例えば他の作業者の体の一部が誤つ て復帰用押しボタン 23に当たったりすると、これによつて誤ってロック状態に戻り機械 1が作動する可能性がある。そこで、本実施の形態 5は、このような安全側操作部の 誤操作を防止するための誤操作防止機構を備えることを特徴とするものである。
[0059] 本実施の形態 5では、安全側操作部が復帰用押しボタン 81および作動軸 82を含 んで構成されている。なお、ロック実行解除部は前記実施の形態 1と同様である。復 帰用押しボタン 81および作動軸 82はいずれも同一の径を有する断面円形状のロッ ド状の部材よりなる。復帰用押しボタン 81は短尺に成形され、作動軸 82の先端に、 該作動軸 82に対し直角をなす軸 83を中心として回動可能に枢着され、線パネよりな る付勢手段 83Aにより、該作動軸 82に対し一方側に折れ曲がる方向に付勢されて おり、図 11 (1)に示すように、ロック状態が解除されて作動軸 82の先端部が筐体 10 0の前面より外方へ押し出された状態では、一方側に折れ曲がって筐体 100の前面 に当接し、作動軸 82に対し直角に折曲されて L字形状をなした状態となっている。口 ック解除部を元の状態に復帰させる際には、図 11 (1)中の矢印 R1に示すように、付 勢手段 83Aの付勢力に抗して復帰用押しボタン 81を起こし作動軸 82と同一の軸上 に延びる状態とし、この状態で、図 11 (2)中の矢印 P1に示すように、安全領域 S2側 力も復帰用押しボタン 81を押し込む。
[0060] 本実施の形態 5では、復帰用押しボタン 81が作動軸 82の先端に回動可能に枢着 され、付勢手段 83Aにより折れ曲がる方向に付勢されることにより、誤操作防止機構 が構成されている。即ち、図 11 (1)に示すように、ロック状態が解除された状態では、 復帰用押しボタン 81がー方側に折れ曲がって筐体 100の前面に当接し、作動軸 82 に対し直角に折曲された状態に保持されるので、例えば作業者の体の一部が誤って 復帰用押しボタン 81に当たったりしても、作動軸 82力 S動くことはなく、したがって安全 側操作部が誤操作されることはない。安全側操作部を正しく操作するには、前記した ように、付勢手段 83Aの付勢力に抗して復帰用押しボタン 81を起こす必要がある。こ
れにより、安全側操作部の誤操作が防止される。
[0061] また、本実施の形態 5においては、前記実施の形態 1の場合と同様に、安全側操作 部が、該安全側操作部を操作することにより前記安全領域 S2からその有無を視認し 得る視覚的変化を生じるものとなっている。即ち、前記したように、復帰用押しボタン 8 1は安全領域 S2側から起こして押し込むようにして操作されるので、この操作にともな う構造上の変化、即ち復帰用押しボタン 81の引き起こしおよび押し込みによる体勢 変化および水平移動 [図 11 (3)に示す状態への変化]が、前記安全領域 S2からそ の有無を視認し得るようになつている。これにより、復帰用押しボタン 81の引き起こし および押し込み (安全側操作部による操作)がなされたカゝ否かが安全領域 S2から一 目瞭然となっており、したがって、復帰用押しボタン 81を起こして押し込むことにより ロック解除用押しボタン (ロック解除部)が元の状態に戻った力否かが、危険領域に入 らなくても安全領域 S2から容易に確認することができる。このため、さらに安全性が 確保される。
[0062] (実施の形態 6)
図 12は実施の形態 6に係る安全側操作部の操作を説明する模式図である。本実 施の形態 6は、前記実施の形態 5と同様に、安全側操作部の誤操作を防止するため の誤操作防止機能を備えることを特徴とするものである。
[0063] 本実施の形態 6では、安全側操作部が復帰用レバー 84、作動軸 85およびレバー 受け部 86を含んで構成されている。なお、ロック実行解除部は前記実施の形態 1と 同様である。復帰用レバー 84は、作動軸 85よりも細径で断面円形状のロッド状の短 尺部材となっており、同じくロッド状の部材よりなる作動軸 85の先端近傍の周面から 両側へそれぞれ作動軸 85に対し直角をなす方向に延出するように設けられており、 作動軸 85の先端部と復帰用レバー 84とが概略十字形状をなすように構成されてい る。筐体 100の前面には、厚肉の円盤状体の中央部に丸孔が穿設された円環形状 を有し、一方面に、径方向に延びる溝部 87が形成されてなるレバー受け部 86が設 けられ、作動軸 85は筐体 100およびレバー受け部 86を貫通するように挿入され軸方 向に移動可能に支持されている。作動軸 85は、パネよりなる付勢手段 88により、図 1 2 (1)に示すように復帰用レバー 84がレバー受け部 86の溝部 87に対し所定の角度
をなす位置 (本実施形態では溝部 87に対しほぼ 90° をなす位置)〖こ位置するように 付勢されており、ロック状態が解除されて作動軸 85の先端部が筐体 100の前面より 外方へ押し出された状態では、該作動軸 85の先端部がレバー受け部 86の外部に 突出し、復帰用レバー 84がレバー受け部 86の外側面上に保持された状態となって いる。ロック解除部を元の状態に復帰させる際には、図 12 (1)中の矢印 R2に示すよ うに、付勢手段 88の付勢力に抗して復帰用レバー 84を回し、レバー受け部 86の溝 部 87と重なる位置 (即ち溝部 87に対する角度が 0° となる位置)となった状態で、図 12 (2)中の矢印 P2に示すように、安全領域 S2側から作動軸 85を押し込み、復帰用 レバー 84をレバー受け部 86の溝部 87内に嵌入する。
[0064] 本実施の形態 6では、作動軸 85に復帰用レバー 84が突設され、付勢手段 88によ りレバー受け部 86の溝部 87に対し所定の角度をなす位置に位置するように付勢さ れることにより、誤操作防止機構が構成されている。即ち、図 12 (1)に示すように復 帰用レバー 84がレバー受け部 86の外側面上に保持された状態では、例えば作業 者の体の一部が誤って作動軸 85に当たったりしても、作動軸 85が動くことはなぐし たがって安全側操作部が誤操作されることはな ヽ。安全側操作部を正しく操作する には、前記したように、付勢手段 88の付勢力に抗して復帰用レバー 84を回し、レバ 一受け部 86の溝部 87と重なる位置となった状態で、作動軸 85を押し込む必要があ る。これにより、安全側操作部の誤操作が防止される。
[0065] また、本実施の形態 6にお 、ても、前記実施の形態 1の場合と同様に、安全側操作 部が、該安全側操作部を操作することにより前記安全領域 S2からその有無を視認し 得る視覚的変化を生じるものとなっている。即ち、前記したように、復帰用レバー 84を 回し、安全領域 S2側力も作動軸 85を押し込むようにして操作されるので、この操作 にともなう構造上の変化、即ち復帰用レバー 84の回動および作動軸 85の押し込み による角度位置の変化および水平移動圆 12 (3)に示す状態への変化]が、前記安 全領域 S 2からその有無を視認し得るようになつている。これにより、復帰用レバー 84 の回動および作動軸 85の押し込み (安全側操作部による操作)がなされたか否かが 安全領域 S2から一目瞭然となっており、したがって、復帰用レバー 84を回して作動 軸 85を押し込むことによりロック解除用押しボタン (ロック解除部)が元の状態に戻つ
た力否かが、危険領域に入らなくても安全領域 S2から容易に確認することができる。 このため、さらに安全性が確保される。
[0066] (実施の形態 7)
図 13は実施の形態 7に係る安全側操作部の操作を説明する模式図である。本実 施の形態 7は、前記実施の形態 5と同様に、安全側操作部の誤操作を防止するため の誤操作防止機能を備えることを特徴とするものである。
[0067] 本実施の形態 7では、安全側操作部が復帰用押しボタン 89、作動軸 90および係 止部材 91を含んで構成されている。なお、ロック実行解除部は前記実施の形態 1と 同様である。復帰用押しボタン 89は、前記実施の形態 1および実施の形態 2におけ る復帰用押しボタン 23と同様に、作動軸 90の先端に一体的に形成された円盤状の ボタンとなっており、筐体 100の前面に露出している。筐体 100には作動軸 90が揷 通される貫通孔 92が穿設されているが、この貫通孔 92の内周面からは、断面矩形状 の坑道部 93が径方向に延びるように設けられ、この坑道部 93は、貫通孔 92からや や距離をおいた位置から直角に折曲するように延びて筐体 100の外部(安全領域 S 2)に連通している。係止部材 91は、坑道部 93内部の形状にほぼ対応する鉤形状の 部材となっており、坑道部 93内にスライド可能に収容されている。係止部材 91の一 方端は、筐体 100の内方側の角部が切除されたテーパ状に成形され、一方、作動軸 90の周面には直方体状の凹部 94が設けられており、係止部材 91の一方端が凹部 9 4内に嵌入し得るようになつている。係止部材 91の他方端は、筐体 100の外部(安全 領域 S2)に突出している。また、係止部材 91は、パネよりなる付勢手段 95により、図 13 (1)に示すように作動軸 90にむ力う方向に付勢されており、ロック状態が解除され て作動軸 90の先端部が筐体 100の前面より外方へ押し出された状態では、作動軸 9 0の凹部 94が筐体 100の坑道部 93に連通する位置にあり、係止部材 91の一方端が 凹部 94内に嵌入して、作動軸 90がこの位置に係止されるようになつている。ロック解 除部を元の状態に復帰させる際には、図 13 (1)中の矢印 R3に示すように、安全領 域 S2側力も付勢手段 95の付勢力に抗して係止部材 91の突出端をずらし、係止部 材 91を作動軸 90から離れる方向にスライドさせ、係止部材 91の一方端が凹部 94か ら離脱した状態で、図 13 (2)中の矢印 P3に示すように、安全領域 S2側から復帰用
押しボタン 89を押し込む。
[0068] 本実施の形態 7では、作動軸 90に凹部 94が形成されるとともに係止部材 91が付 設され、この係止部材 91の一方端が凹部 94内に嵌入するように付勢手段 95により 付勢されることにより、誤操作防止機構が構成されている。即ち、図 13 (1)〖こ示すよう に係止部材 91の一方端が凹部 94に係止した状態では、例えば作業者の体の一部 が誤って作動軸 90に当たったりしても、作動軸 90力動くことはなく、したがって安全 側操作部が誤操作されることはない。安全側操作部を正しく操作するには、前記した ように、付勢手段 95の付勢力に抗して係止部材 91の突出端をずらし、係止部材 91 の一方端を凹部 94から離脱させた状態で、復帰用押しボタン 89を押し込む必要が ある。これにより、安全側操作部の誤操作が防止される。
[0069] また、本実施の形態 7にお ヽても、前記実施の形態 1の場合と同様に、安全側操作 部が、該安全側操作部を操作することにより前記安全領域 S2からその有無を視認し 得る視覚的変化を生じるものとなっている。即ち、前記したように、係止部材 91をスラ イドさせて安全領域 S2側力も復帰用押しボタン 89を押し込むようにして操作されるの で、この操作にともなう構造上の変化、即ち係止部材 91のスライドおよび復帰用押し ボタン 89の押し込みによる水平移動 [図 13 (3)に示す状態への変ィ匕]力 前記安全 領域 S 2からその有無を視認し得るようになつている。これにより、係止部材 91のスラ イドおよび復帰用押しボタン 89の押し込み (安全側操作部による操作)がなされたか 否かが安全領域 S2から一目瞭然となっており、したがって、係止部材 91をスライドさ せて安全領域 S2側力 復帰用押しボタン 89を押し込むことによりロック解除用押しボ タン (ロック解除部)が元の状態に戻った力否かが、危険領域に入らなくても安全領域 S2から容易に確認することができる。このため、さらに安全性が確保される。
[0070] (実施の形態 8)
図 14は実施の形態 8に係るロック解除部および安全側操作部の操作を説明する模 式図である。本実施の形態 8は、前記実施の形態 5と同様に、安全側操作部の誤操 作を防止するための誤操作防止機能を備えることを特徴とするものである。
[0071] 本実施の形態 8では、ロック解除部はロック解除用押しボタン 96、第 1作動軸 97お よび受動体 31を含んで構成される。安全側操作部は復帰用ヘッド 98および第 2作
動軸 99を含んで構成される。なお、ロック実行部は前記実施の形態 1と同様である。
[0072] ロック解除用押しボタン 96は、前記実施の形態 1および実施の形態 2におけるロッ ク解除用押しボタン 22と同様に、第 1作動軸 97の一方端に一体的に形成された円 盤状のボタンとなっており、安全柵 2の裏面に露出している。このロック解除用押しボ タン 96は、押し込まれた状態では、筐体 100の裏面に突出形成されている挿入口部 103内に収納されるようになっている。第 1作動軸 97の他方端部には、雌ネジ部 104 が形成されている。この雌ネジ部 104は、概略直方体状の外形を有し、第 1作動軸 9 7と一体的に成形され、その内部には、第 1作動軸 97と同一軸をなすようにして先端 面から内方へ延びるネジ穴 105が形成されている。また、雌ネジ部 104の先端面の 一方側端縁をなす稜角部は角落ちした形状とされて、傾斜状のカム面 106が形成さ れている。このカム面 106は、前記実施の形態 1における作動軸 21に形成された力 ム面 28とほぼ同様に、操作ロッド 20に形成された受動体 31の受動面に接触して押 圧力を作用させるように機能するものとなって 、る。
[0073] 復帰用ヘッド 98は、第 2作動軸 99の一方端に一体的に形成された円盤状の頭部 であり、その表面には、レンチ等の工具に嵌合し得る六角穴等の凹部(図示せず)が 形成されている。筐体 100の前面には、復帰用ヘッド 98の径および厚さにそれぞれ 対応する内径および深さを有するヘッド保持凹部 107が陥入形成されており、復帰 用ヘッド 98が、表面を筐体 100の前面に露出した状態で、ヘッド保持凹部 107内に 回転可能に収容されている。復帰用ヘッド 98はヘッド保持凹部 107から外部へ離脱 し得な 、ように保持され、ヘッド保持凹部 107内で回転運動し得るのみとなって 、る。 第 2作動軸 99の周面にはネジ山が形成されており、前記雌ネジ部 104のネジ穴 105 に螺合し得るようになって 、る。
[0074] 以下、上記実施の形態 8に係るロック解除部および安全側操作部の操作を順次説 明する。
先ず、図 14 (1)に示すロック状態でロック解除のためにロック解除用押しボタン 96 を押し込むと、雌ネジ部 104のカム面 106が受動体 31の傾斜面に当接するとともに、 ネジ穴 105に第 2作動軸 99が螺合した状態で、図 14 (2)に示すように、第 1作動軸 9 7が押し込まれる。これにより、操作ロッド 20が Y2方向に移動し、ロック状態が解除さ
れる。このとき、前記したように復帰用ヘッド 98はヘッド保持凹部 107から外部へ離 脱し得な!/、ように保持されて!、るので、第 2作動軸 99は移動せずに矢印 R4方向に 回転のみしながら、第 1作動軸 97が押し込まれる。また、ロック解除用押しボタン 96 は挿入口部 103内に収納され、危険領域側から元の状態に手動で戻すことができず 、これにより安全性が確保されるようになっている。
次いで、図 14 (3)に示すように、ロック解除手段を元の状態に復帰させるために、 安全領域側から復帰用ヘッド 98を回転させる。即ち、安全領域側から復帰用ヘッド 9 8表面の凹部にレンチ等の工具(図示せず)を嵌合し、前記回転方向 R4とは逆の方 向 R5に回す。これにより、雌ネジ部 104が第 2作動軸 99の回転によって筐体 100の 裏面方向へ移動し、ロック解除用押しボタン 96が挿入口部 103から引き抜かれて元 の位置まで押し戻される。
[0075] 本実施の形態 8では、第 1作動軸 97と第 2作動軸 99とが螺合され、第 2作動軸 99 の回転によって第 1作動軸 97が元の位置まで押し戻されるようにすることで、誤操作 防止機構が構成されている。前記したように、復帰用ヘッド 98はヘッド保持凹部 107 カゝら外部へ離脱し得ないように保持され、ヘッド保持凹部 107内で回転運動し得るの みとなつており、例えば作業者の体の一部が誤って復帰用ヘッド 98に当たったりして も、第 2作動軸 99が動くことはなぐしたがって第 1作動軸 97が動くこともないので、 安全側操作部が誤操作されることはない。安全側操作部を正しく操作するには、前 記したように、復帰用ヘッド 98を工具により回して第 2作動軸 99を回転させ、これによ り第 1作動軸 97を押し戻す必要がある。これにより、安全側操作部の誤操作が防止さ れる。
[0076] なお、本実施の形態 8にお 、て、復帰用ヘッド 98に適宜な寸法および形状を有す る突起を設けてッマミとして使用し得るように構成すると、工具を使用することなぐ手 で復帰用ヘッド 98を回すことができる。
[0077] (その他の事項)
(1)上記実施の形態においては、操作ロッド 20は、ロッド本体部 20Aと接点操作カム 部 20Bとから構成されて 、たけれども、ロッド本体部 20Aと接点操作カム部 20Bとを 別部材 (即ち、操作ロッドと接点操作カム部材)とするとともに、それらの部材が係合
するようにして、操作ロッドの移動に追従して接点操作カム部材が移動するように構 成してちょい。
(2)上記実施の形態においては、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 2 3を用 、て作動軸を XI方向又は X2方向に移動させたけれども、ロック解除用押しボ タン 22及び復帰用押しボタン 23に代えて、回転操作ボタンを使用し且つその回転 操作ボタンにより作動軸を回転させてカム駆動を行なうような構成であってもよい。あ るいは、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 23に代えて、図 15に示す ように方向 Yl, Y2にスライド移動することで、操作ロッド 20を移動させる構成であつ てもよい。この構成においても、前記実施の形態 1の場合と同様に、安全側操作部が 、該安全側操作部を操作することにより安全領域からその有無を視認し得る視覚的 変化 (構造上の変化)を生じるものとなる。即ち、方向 Yl, Y2へのスライド移動が、安 全領域カゝらその有無を視認し得るようになつている。これにより、スライド移動 (安全側 操作部による操作)がなされたカゝ否かが安全領域力ゝらー目瞭然となっており、したが つて、ロック解除部が元の状態に戻ったか否かが、危険領域に入らなくても安全領域 力も容易に確認することができる。このため、さらに安全性が確保される。
また、ボタンを直接操作するのに代えて、工具等を用いて間接的に操作するような 構成であってもよい。
(3)上記実施の形態においては、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用押しボタン 2 3に作動軸が一体形成されて 、たけれども、ロック解除用押しボタン 22及び復帰用 押しボタン 23と作動軸とを動力伝達手段を介して連結し、ロック解除用押しボタン 22 及び復帰用押しボタン 23の操作力を作動軸に間接的に伝達するように構成してもよ い。
(4)上記実施の形態では、作動軸は操作ロッド 20の軸方向に垂直な方向に移動し たけれども、本発明は垂直方向に限定されず、作動軸は操作ロッド 20の軸方向に交 差する方向に移動するものであればょ 、。
(5)上記実施の形態では、スィッチ本体 11は、スィッチ SW1, SW2, SW3, SW4力 らなる 4つのスィッチを含む構成を示したが、 4つ以外の数のスィッチを含む構成にし てもよい。また、ソレノイド 50は空気圧や油圧を利用して操作ロッド 20を動かす機構
に代えてもよい。
また、制御対象は機械等、つまり機械 1 (ロボットや工作機械)の他、側にいる作業 者に危険が及ぶ可能性のある装置であってもよい。また、ロック実行解除部、ロック実 行部、ロック解除部、安全側操作部は図示のものに限らなくてもよい。
産業上の利用可能性
[0078] 本発明は、ロック付き安全スィッチ等に好適に実施することができる。
図面の簡単な説明
[0079] [図 1]本発明の実施の形態に係る安全スィッチを用いた適用例を示す斜視図である。
[図 2]安全スィッチの内部構造を示す断面図である。
[図 3]安全スィッチの一部を拡大した斜視図である。
[図 4]安全スィッチの一部断面図である。
[図 5]安全スィッチの動作を説明するための図である。
[図 6]実施の形態 2に係る安全スィッチの内部構造を示す断面図である。
[図 7]実施の形態 2に係る安全スィッチの一部を拡大した斜視図である。
[図 8]実施の形態 3に係る安全スィッチの内部構造を示す断面図である。
[図 9]実施の形態 3に係る安全スィッチの一部を拡大した斜視図である。
[図 10]実施の形態 4の断面図である。
[図 11]実施の形態 5に係る安全スィッチの動作を説明するための図である。
[図 12]実施の形態 6に係る安全スィッチの動作を説明するための図である。
[図 13]実施の形態 7に係る安全スィッチの動作を説明するための図である。
[図 14]実施の形態 8に係る安全スィッチの動作を説明するための図である。
[図 15]他の例を示す図である。
符号の説明
[0080] 1 :機械 2 :安全柵
3 :出入口 5 :安全スィッチ
6 :ァクチユエータ 14, 15 :揷入孔
20 :操作ロッド 21 :作動軸
22:ロック解除用押しボタン 23 :復帰用押しボタン
26:操作ロッド駆動用第
28, 28A, 28B:カム面
30:受動面 31:受動体
50:ソレノイド 60:第 1作動軸
61:第 2作動軸 63:挿入口部
70:嵌合凹部 71:嵌合凸部
S1:危険領域 S2:安全領域