腎ガン診断、腎ガン患者予後予測のための組成物および方法 技術分野
[oooi] 本発明は、被験者の予後の予測に有用な、および Zまたは腎ガンの転移の予測もし くは検出に有用な判定 (診断)用組成物、該組成物を利用した、被験者の予後の予 測もしくは判定方法、および Zまたは腎ガンの転移の予測もしくは検出方法、並びに 該組成物を利用した、被験者の予後予測、および Zまたは腎ガン転移予測用キット に関する。
背景技術
[0002] 腎臓は血液をろ過して尿を生成することにより生体内の老廃物を体外に排泄する役 割を持つ、重要な泌尿器系器官である。また同時に血圧をコントロールするアンギオ テンシン、赤血球造血因子であるエリスロポエチンなどのホルモンを産生する重要な 内分泌器官でもある。
[0003] 腎臓に発生する腫瘍には、成人に発生する腎細胞ガンと小児に発生するウィルムス 腫瘍、まれな腫瘍として肉腫があるが、以後最も発生率が高い悪性腫瘍である腎細 胞ガンを腎ガンと呼ぶ。 日本国での腎ガンの発生頻度は人口 10万人あたり 2. 5人 程度であり、男女比は 2〜3 : 1で男性に多い傾向がある。泌尿器科系悪性腫瘍の中 では、前立腺ガン、膀胱ガンに次いで多い腫瘍であるとされる。
[0004] 腎ガンの危険因子としては遺伝学的要因も知られているが、一般的には喫煙、過度 の脂肪摂取などを挙げることができる。また長期に透析を受けて 、る患者にぉ 、て該 腫瘍の発生率が高 、ことも知られて 、る。
[0005] 腎ガンでは腫瘍の最大径が 5cm以下の場合に何らかの自覚症状があることはまれ であり、検診時の CTスキャンなどによって発見されることが多い。サイズの大きい腫 瘍では血尿、腹部腫瘤、疼痛などがみられる。また全身的症状として発熱、体重減少 、貧血などをきたすことがあり、まれに内分泌因子によって赤血球増多症や高血圧、 高カルシウム血症などが引きおこされることがある。一方で腎ガンの下大静脈内への 進展によって腹部体表の静脈の怒張や精巣静脈瘤が起こることがある。腎ガンの約
2割は、肺や骨転移から発見される。腎ガンでは静脈の中に腫瘍が広がる傾向が強 ぐ他の臓器への転移を生じ易い。
[0006] 腎ガンの検査法としては超音波検査、 CT検査、血管造影検査などの方法があるが、 特異的な生化学マーカーは知られておらず、機器を利用した検診が必要となる。
[0007] また腎ガンはさらに病理学的にいくつかの分類が可能である力 そのうちの 90%を 占める淡明細胞型腎ガンの発生原因は、ガン抑制遺伝子である VHL (von-Hippe 1-Lindau)遺伝子の欠損であることが知られて ヽる(非特許文献 1)。 VHL遺伝子 の欠損は HIF— a ZVHF会合の障害を介して低酸素誘導遺伝子群の転写活性ィ匕 をもたらし (非特許文献 2)、 VEGF、 TGF βなどの遺伝子発現増強が起こる事が知 られている。
[0008] 腎ガンの治療の主体は外科療法である。病期にかかわらず、摘出できる場合は腎臓 の摘出、あるいは腎臓を部分的に摘出することが最も一般的であり、仮に転移があつ ても、腎臓の外科的摘出が考慮される場合がある。外科療法以外の方法としては、 腎動脈の動脈塞栓術があり、この方法は摘出が不可能な場合や、大きな腫瘍を摘出 する場合に手術に先立ち施行されることがある。
[0009] 最近の画像診断技術の発展により腎ガンは非常に小さいサイズであっても早期で発 見されるようになり、初期ガンでの治療では 90%以上が治癒する。しかし、 5cm以上 の大きな腫瘍や転移のある腫瘍の治療成績は劣る(腎細胞ガン全体の 5年生存率は 約 50〜60%)ため、腫瘍の有無や転移の有無をハイスループットに検査 '診断し、か つ予後を予測し、治療方針を策定することが重要である。
[0010] ヒト腎ガンの検出または診断については、遺伝子発現の差を利用する方法が特許 文献 1に開示されて 、る。またヒト腎ガンにぉ 、て増加することが知られて 、るタンパ ク質としては、細胞外基質を分解することによってガン細胞の運動性を増加させると 考えられる MMP2 (非特許文献 3)、腎障害において発現が増加することが知られて V、る TNFRSF7 (非特許文献 4)のほか、 PDE8B (特許文献 2)、 FLOT1 (特許文献 3)、 CD5 (非特許文献 5)、 ECM1 (特許文献 4)なども知られて 、るが、相対的に特 異性が高!、とは言えず、これらの発現量のみによる感受性が高い腎ガンの検査方法 の臨床的利用は行われていない。さらにまた、腎ガンを含む癌の腫瘍関連マーカー
として、 MCM3AP (特許文献 5)、 KRT19 (特許文献 6)、 SLK4 (特許文献 7)、 C5
P1 (特許文献 8)、 FGF2 (非特許文献 6)、 MMP14 (非特許文献 7)、 ERBB2 (非特 許文献 8)などが推定されて ヽる。
特許文献 1:国際公開第 2005Z024603号パンフレット
特許文献 2:国際公開第 2004Z042077号パンフレット
特許文献 3:国際公開第 2004Z048933号パンフレット
特許文献 4:米国特許第 6303765号明細書
特許文献 5:特表 2005 - 520536
特許文献 6:特表 2005 - 507997
特許文献 7:国際公開第 2002Z06339号パンフレット
特許文献 8:特表 2004 - 518402
非特許文献 l :Latif, F.ら、 Science, 1993年、第 260卷、 p. 1317- 1320 非特許文献 2 : Maxwell, P.ら、 Nature, 1999年、第 399卷、 p. 271 - 275 非特許文献 3 :Lein, M.ら、 International Journal of Cancer、 2000年、第 85 卷、 p. 801 -804
非特許文献 4:Nakatsuji, T.、 Clinical and Experimental Medicine, 2003 年、第 2卷、 p. 192- 196
非特許文献 5 :Nagase, Y.ら、 日本泌尿器科学会雑誌、 1991年、第 82卷、 p. 178 1 - 1789
非特許文献 6 : Miyake, H.ら、 1996年、 Cancer Research,第 56卷、 p. 2440 - 2445
非特許文献 7 :Kitagawa, Y.ら、 1999年、 Journal of Urology、第 162卷、 p. 9 05 - 909
非特許文献 8 : Freeman, M. R.ら、 1989年、 Cancer Research,第 49卷、 p. 6 221 -6225
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
上述のように、腎ガンの発現遺伝子マーカーはよく知られている力 転移を予測する
ことができる診断マーカーおよび予後を予測するマーカーについてはわずかに知ら れて 、るにすぎな!、。既存のマーカーは特異性および Zまたは感受性に乏し 、こと や、生体試料力ものその効率的な検出方法が確立していないことから一般に臨床上 の利用は行われておらず、より特異性および感受性が高 、腎ガンマーカーが切望さ れている。
[0012] もし有効な複数の腎ガンマ一力一が発見されるならば、腎ガン治療および転移腎ガ ン治療に大きな進歩力 Sもたらされることが予想される。特に転移腎ガン患者の多くは 予後不良である力 診断時に転移の有無を知ることによってより強力な治療を実施す ることが可能となり、予後が改善できると期待される。
[0013] 本発明は、腎ガンの診断、腎ガン転移 (または、予後)の診断、および腎ガンの治 療に有用な疾患判定用組成物、キットまたは DNAチップを提供することを目的とす る。
[0014] 本発明はまた、上記組成物、キットまたは DNAチップを用いて腎ガンの存在または 転移を検出、判定あるいは予測するための方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0015] マーカー探索の方法としては、腎ガン患者の予後を観察し、予後良の腎ガン患者 由来の腎ガン細胞と予後不良の腎ガン患者由来の腎ガン細胞における遺伝子発現 やタンパク質発現、または細胞の代謝産物などの量を何らかの手段によって比較す る方法や、予後良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織または予後不良の患者由来 の腎ガン細胞を含む組織の体液中に含まれる遺伝子、タンパク質、代謝産物などの 量を測定する方法が挙げられる。
[0016] DNAアレイを用いた発現遺伝子量解析は、近年、このようなマーカー探索の手法と して特に汎用されている。 DNAアレイには数百力 数万種の遺伝子に対応した塩基 配列を利用したプローブが固定されている。被検試料を DNAアレイに添加すること によって試料中の遺伝子がプローブと結合し、この結合量を何らかの手段によって測 定することにより、被検試料中の遺伝子量を知ることができる。 DNAアレイ上に固定 化するプローブに対応した遺伝子の選択は自由であり、また被検試料に予後良、お よび予後不良の患者由来の腎ガン細胞を用いて、試料中の発現遺伝子量を比較す
ることによって腎ガン転移、および zまたは腎ガン患者予後予測マーカーとなりうる遺 伝子群を推定することが可能である。
[0017] 上記の課題を解決するために、本発明者らは、予後良の腎ガン患者由来の腎ガン組 織および予後不良の腎ガン患者由来の腎ガン組織の遺伝子発現を DNAアレイによ つて解析した。さらに DNAアレイによって測定された遺伝子発現量の、各患者群の 手術後からの経時的な生存率変化に対する影響を指標として予後良の腎ガン患者 由来の腎ガン組織および予後不良の腎ガン患者由来の腎ガン組織、および Zまた は腎ガンの転移の有無を判別することができる遺伝子を選択し、本発明を完成させ た。
[0018] 発明の概要
本発明は、以下の特徴を有する。
[0019] (1) 下記の I群および/または II群:
I群:
(a)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列力 なるポリヌクレオチ ド、その変異体、または 15以上の連続した塩基を含むその断片、
(b)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド
(c)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列か らなるポリヌクレオチド、その変異体、または 15以上の連続した塩基を含むその断片
(d)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列を 含むポリヌクレオチド、および
(e)前記(a)〜(d)の!、ずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリ ダイズするポリヌクレオチド、または 15以上の連続した塩基を含むその断片、 力もなるポリヌクレオチド、
Π群:
(f)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列によってコードされるアミ ノ酸配列を含むポリペプチド、または配列番号 101〜110、 112〜120、 122〜147
で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、それらの変異体、あるいはそれらの断片 の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、その断片あるいはその化学修飾誘導体、 (g)配列番号 151、 153、 155〜160で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、 それらの変異体、ある ヽはそれらの断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、 その断片あるいはその化学修飾誘導体、および
(h)配列番号 161〜190で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、それらの変異 体、あるいはそれらの断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、その断片ある いはその化学修飾誘導体、
力 なる抗体、その断片あるいはその化学修飾誘導体、
力も選択される 1または 2以上のプローブを含んでなる、被験者における腎ガンの存 在または転移をインビトロで検出、判定または予測するための組成物。
[0020] (2)前記 I群および Π群 (f)の各プローブによって腎ガンの存在または転移を検出、判 定または予測することができる、(1)に記載の組成物。
[0021] (3)前記 II群 (g)、(h)の各プローブによって腎ガンの存在を検出、判定または予測す ることができる、(1)に記載の組成物。
[0022] (4)前記ポリヌクレオチドが DNAまたは RNAである、(1)に記載の組成物。
[0023] (5)前記 I群における断片が、 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチドである、 (
1)に記載の組成物。
[0024] (6)前記 I群における断片が、配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47のいずれかで表さ れる塩基配列において、それぞれ配列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97のいずれ力 で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドの配列に相補 的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである、(1)に記載の組成物。
[0025] (7)前記 I群における断片が、配列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97のいずれかで表 される塩基配列、またはこれらに相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである、 (1 )に記載の組成物。
[0026] (8)前記 I群のプローブに加えて、配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列か らなるポリヌクレオチド、その相補的配列力もなるポリヌクレオチド、それらのポリヌクレ ォチドとストリンジェントな条件下でハイブリダィズするポリヌクレオチド、またはそれら
のポリヌクレオチドの 15以上の連続した塩基を含む断片から選択される 1または 2以 上のポリヌクレオチドをプローブとしてさらに含む、(1)に記載の組成物。
[0027] (9)前記断片が、 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチドである、(8)に記載の 組成物。
[0028] (10)前記断片が、配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列において、配列番 号 61、 71、 98〜: LOOで表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、または該ポリヌク レオチドの配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである、(8)に記載の組成 物。
[0029] (11)前記断片が、配列番号 61、 71、 98〜: LOOで表される塩基配列、またはこれに相 補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである、(8)に記載の組成物。
[0030] (12)前記 II群(f)のプローブに加えて、配列番号 111、 121、 148〜150で表されるポ リペプチド、その変異体またはその断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、そ の断片またはその化学修飾誘導体をさらに含む、(1)に記載の組成物。
[0031] (13)前記 II群(g)のプローブに加えて、配列番号 152、 154、 191で表されるアミノ酸 配列を含むポリペプチド、その変異体またはその断片の少なくとも 1つと特異的に結 合する抗体、その断片またはその化学修飾誘導体をさらに含む、(1)に記載の組成物
[0032] (14)前記 II群(h)のプローブに加えて、配列番号 192〜 197で表されるアミノ酸配列 を含むポリペプチド、その変異体またはその断片の少なくとも 1つと特異的に結合す る抗体、その断片またはその化学修飾誘導体をさらに含む、(1)に記載の組成物。
[0033] (15)前記ポリペプチドまたは変異体の断片力 少なくとも 7個のアミノ酸力 なるェピ トープを含む、(1)、(12)、(13)または (14)に記載の組成物。
[0034] (16)前記抗体が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、合成抗体、組換え抗体 、多重特異性抗体または単鎖抗体である、請求項 (1)、(12)、(13)または (14)に記載の 組成物。
[0035] (17)前記 I群または II群 (£)、(g)、(h)力 選択される 2以上のプローブを組み合わせて 含む、(1)に記載の組成物。
[0036] (18)上記 (1)に定義される I群または II群 (£)、(g)、(h)力 選択される 1または 2以上の
プローブを含む、被験者における腎ガンの存在または転移をインビトロで検出、判定 または予測するためのキット。
[0037] (19)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列力 なるポリヌクレオチド、その 相補的配列からなるポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条 件下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、またはそれらのポリヌクレオチドの 15以上 の連続した塩基を含む断片をプローブとしてさらに含む、(18)に記載のキット。
[0038] (20)前記プローブが、配列番号 1〜10、 11、 12〜20、 21、 22〜47、 48〜50のいず れかで表される塩基配列力 なるポリヌクレオチド、その相補的配列力 なるポリヌク レオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ工ントな条件下でノ、イブリダィズするポ リヌクレオチド、またはそれらの 15以上の連続した塩基を含む断片である、(18)または (19)に記載のキット。
[0039] (21)前記 I群における断片力 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチドである、 (18)〜(20)の!、ずれかに記載のキット。
[0040] (22)前記 I群における断片力 配列番号 1〜10、 11、 12〜20、 21、 22〜47、 48〜5 0の 、ずれかで表される塩基配列にお 、て、 60以上の連続した塩基を含むポリヌク レオチド中にそれぞれ配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜: LOOの V、ずれかで表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドの配 列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである、(18)〜(20)の 、ずれかに記載 のキット。
[0041] (23)前記 I群における断片力 配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜
100の 、ずれかで表される塩基配列、またはこれらに相補的な塩基配列を含むポリ ヌクレオチドである、(18)〜(20)のいずれかに記載のキット。
[0042] (24)前記 I群における断片力 配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜
100の!、ずれかで表される塩基配列力もなるポリヌクレオチドである、(18)〜(20)の!ヽ ずれかに記載のキット。
[0043] (25)配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜: LOOで表される塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチドの 2以上力 全部を含む、(18)に記載 のキット。
[0044] (26)前記 II群(f)のプローブに加えて、配列番号 111、 121、 148〜150で表されるポ リペプチド、その変異体またはその断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、そ の断片またはその化学修飾誘導体をさらに含む、(18)に記載のキット。
[0045] (27)前記 II群(g)のプローブに加えて、配列番号 152、 154、 191で表されるポリぺプ チド、その変異体またはその断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、その断 片またはその化学修飾誘導体をさらに含む、(18)に記載のキット。
[0046] (28)前記 II群(h)のプローブに加えて、配列番号 192〜 197で表されるポリペプチド、 その変異体またはその断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、その断片また はその化学修飾誘導体をさらに含む、(18)に記載のキット。
[0047] (29)前記プローブが、単独でまたは組み合わせて異なる容器に包装されている、 (18) に記載のキット。
[0048] (30)上記 (1)に定義される I群 (a)〜(e)力 選択される 1または 2以上のプローブを含む
、被験者における腎ガンの存在または転移のいずれかをインビトロで検出、判定また は予測するための DNAチップ。
[0049] (31)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、その変 異体および/またはその断片をさらに含む、(30)に記載の DNAチップ。
[0050] (32)配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜: LOOで表される塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチドの 2以上〜全部を含む、(30)に記載の
DNAチップ。
[0051] (33)被験者由来の生体試料中の 1または複数の腎ガン関連標的核酸の存在または 存在量もしくは発現量を、上記 (1)に定義される I群および/または II群 (£)、(g)、(h)から 選択されるプローブを用いてインビトロで測定することを含む、腎ガンの存在または転 移をインビトロで検出、判定または予測する方法。
[0052] (34)前記測定を DNAチップを用いて行う、(33)に記載の方法。
[0053] (35)前記腎ガンの存在または転移の検出、判定または予測を、対照試料からの変化 を指標にして決定する、(33)に記載の方法。
[0054] (36)前記測定を免疫学的方法によって行う、(33)に記載の方法。
[0055] (37)前記免疫学的方法による測定が、前記 II群 (£)、(g)または (h)の抗体、その断片、ま
たはその化学修飾誘導体を用いて行われる、(36)に記載の方法。
[0056] (38)前記抗体、その断片、またはその化学修飾誘導体が標識されている、(37)に記載 の方法。
[0057] (39)前記生体試料が腎由来の組織または細胞、血液、血漿、血清、あるいは尿であ る、(33)に記載の方法。
[0058] (40)被験者由来の生体試料中の 1または複数の腎ガン関連標的核酸の存在または 量もしくは発現量を、上記 (1)に記載の組成物、上記 (18)に記載のキット、または上記( 30)に記載の DNAチップを用いてインビトロで測定することを含む、腎ガンの存在ま たは転移をインビトロで検出、判定または予測する方法。
[0059] (41)上記 (1)に定義される I群力も選択されるプローブ、あるいは、該プローブを含む、 上記 (1)に記載の組成物、上記 (18)に記載のキット、または上記 (30)に記載の DNAチ ップを用いて、被験者由来の腎ガン細胞生体試料における標的核酸の発現レベル を、予後不良の腎ガン患者母集団由来の腎ガン細胞における標的核酸の発現レべ ルおよび Zまたは予後良の患者母集団由来の腎ガン細胞における標的核酸の発現 レベルと比較することによって被験者の予後、ならびに Zあるいは腎ガンの転移の有 無をインビトロで予測する方法であって、該標的核酸が該組成物、キットまたは DNA チップに含まれるポリヌクレオチド、その変異体またはその断片によって検出可能な ものであり、かつ被験者由来の該標的核酸の発現レベルが、予後良の腎ガン患者母 集団の発現レベルおよび Zまたは予後不良の患者母集団の発現レベル力 変化が 認められる場合それぞれ、被験者の予後が悪いまたは被験者の予後が良いと決定 する、ならびに Zあるいは腎ガンの転移が有るまたは腎ガンの転移が無いと決定す る、肯 ij '己方法。
[0060] (42)DNAチップを用いる (41)に記載の方法。
[0061] (43)上記 (1)に定義される I群力も選択されるプローブ、あるいは、該プローブを含む、 上記 (1)に記載の組成物、上記 (18)に記載のキット、または上記 (30)に記載の DNAチ ップを用いて、予後不良の患者由来の腎ガン細胞および/または予後良の患者由来 の腎ガン細胞であることが既知である複数の生体試料中における標的核酸の発現レ ベルをインビトロで測定する第 1の工程、前記第 1の工程で得られた該標的核酸の発
現レベルの測定値を教師とした判別式 (サポートベクターマシーン)を作成する第 2の 工程、被験者の腎ガン由来の生体試料中における該標的核酸の発現レベルを第 1 の工程と同様にインビトロで測定する第 3の工程、前記第 2の工程で得られた判別式 に第 3の工程で得られた該標的核酸の発現レベルの測定値を代入し、該判別式力 得られた結果に基づいて、被験者の予後を予測する、および Zまたは被験者由来の 腎ガンが、転移が有る患者由来の腎ガンである、または転移が無い患者由来の腎ガ ンであると決定する、第 4の工程を含む、ここで、該標的核酸が該組成物、キットまた は DNAチップに含まれるポリヌクレオチド、その変異体またはその断片によって検出 可能なものである、(41)または (42)に記載の方法。
[0062] (44)上記 (1)に定義される I群および/または II群力 選択されるプローブ、あるいは、 該プローブを含む、上記 (1)に記載の組成物、上記 (18)に記載のキット、または上記 (3 0)に記載の DN Aチップの、被験者由来の生体試料中の腎ガンの存在または転移を インビトロで検出、判定または予測するための使用。
[0063]
本明細書中で使用する用語は、以下の定義を有する。
[0064] 本明細書において「プローブ」とは、腎ガンの存在または転移を検出、判定あるい は予測するための、腎関連マーカーである特定の遺伝子類またはそれらによってコ ードされるポリペプチド類と結合可能な核酸、抗体またはそれらの均等物を指す。
[0065] ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質などの略 号による表示は、当技術分野における慣用の意味および表示に従うものとする。
[0066] 本明細書にぉ 、て「ポリヌクレオチド」とは、 RNAおよび DNAの!、ずれも包含する核 酸として用いられる。なお、上記 DNAには、 cDNA、ゲノム DNA、および合成 DNA のいずれもが含まれる。また上記 RNAには、 totalRNA、 mRNA、 rRNA、および合 成 RNAのいずれもが含まれる。また、本明細書では、ポリヌクレオチドは核酸と互換 的に使用される。
[0067] 本明細書にぉ 、て「cDNA」とは、遺伝子の発現によって生じた RNAに相補的な配 列の DNA鎖全長、およびその部分配列力 なる DNA断片、を包含する。 cDNAは 、 RNAを铸型にして、ポリ Tプライマーを用いる RT—PCR (逆転写酵素一ポリメラー
ゼ連鎖反応)によって合成されうる。
[0068] 本明細書にぉ 、て「遺伝子」とは、 2本鎖 DNAのみならず、それを構成する正鎖 (ま たはセンス鎖)または相補鎖 (またはアンチセンス鎖)などの各 1本鎖 DNAを包含す ることを意図して用いられる。またその長さによって特に制限されるものではない。従 つて、本明細書において「遺伝子」は、特に言及しない限り、ヒトゲノム DNAを含む 2 本鎖 DNA、 cDNAを含む 1本鎖 DNA (正鎖)、該正鎖と相補的な配列を有する 1本 鎖 DNA湘補鎖)、およびこれらの断片のいずれも含む。また該「遺伝子」は特定の 塩基配列 (または配列番号)で示される「遺伝子」だけではなぐこれらによってコード されるタンパク質と生物学的機能が同等であるタンパク質、例えば同族体 (すなわち 、ホモログ)、スプライスノリアントなどの変異体、および誘導体をコードする「遺伝子」 が包含される。力かる同族体、変異体または誘導体をコードする「遺伝子」としては、 具体的には、後に記載したストリンジェントな条件下で、上記の配列番号 1〜50で示 される 、ずれかの特定塩基配列の相補配列とハイブリダィズする塩基配列を有する「 遺伝子」を挙げることができる。
[0069] 例えばヒト由来のタンパク質の同族体 (すなわち、ホモログ)またはそれをコードする 遺伝子としては、当該タンパク質またはそれをコードするヒト遺伝子に対応する他生 物種のタンパク質または遺伝子が例示でき、これらのタンパク質または遺伝子ホモ口 グは、 HomoioGene (http://www.ncDi.nlm.nih.gov/homoloGene/)により I PJ 定することができる。具体的には特定のヒトアミノ酸または塩基配列を BLASTプログ フム (Karlm, ¾.ら、 Proceedings of the National Academic Sciences U.¾.A .、 1993年、第 90卷、 p.5873— 5877, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAS T/)にかけて一致する(Scoreが最も高ぐ E— valueが 0でかつ Identifyが 100%を 示す)配列の登録番号(accession number)を取得することができる。 BLASTプロ グラムとしては、 BLASTN (遺伝子)、 BLASTX (タンパク質)などが知られている。例 えば、遺伝子検索の場合、上記 BLAST検索からの登録番号を UniGene (http:〃 www.ncbi.nlm.nih.gov/UniGene/)に入力して得られた UniGeneClusterlD (H s.で示す番号)を HomoioGeneに入力する。結果として得られた他生物種遺伝子と ヒト遺伝子との遺伝子ホモログの相関を示したリストから、特定の塩基配列で示される
ヒト遺伝子に対応する遺伝子ホモログとして、他生物種の遺伝子を選抜することがで きる。またこの方法において、 BLASTプログラムの代わりに FASTAプログラム(http ://www.ddbj. nig. ac. jp/ search/ fasta— e. html)を ffil、l よ ヽ。
[0070] なお、「遺伝子」は、機能領域の別を問うものではなぐ例えば発現制御領域、コード 領域、ェキソンまたはイントロンを含むことができる。
[0071] 本明細書において「転写産物」とは、遺伝子の DNA配列を铸型にして合成されたメ ッセンジャー RNA(mRNA)のことをいう。 RNAポリメラーゼが遺伝子の上流にある プロモーターと呼ばれる部位に結合し、 DNAの塩基配列に相補的になるように 3'末 端にリボヌクレオチドを結合させて 、く形でメッセンジャー RNAが合成される。このメ ッセンジャー RNAには遺伝子そのもののみならず、発現制御領域、コード領域、ェ キソンまたはイントロンをはじめとする転写開始点力 ポリ A配列の末端にいたるまで の全配列が含まれる。
[0072] 本明細書において「翻訳産物」とは、転写によって合成されたメッセンジャー RNAが 、スプライシングなどの修飾を受ける/受けないにかかわらず、その情報を元に合成さ れたタンパク質を示す。メッセンジャー RNAの翻訳過程においては、まずリボソーム とメッセンジャー RNAが結合し、次にメッセンジャー RNAの塩基配列に従ってァミノ 酸がつながつていき、タンパク質が合成される。
[0073] 本明細書にぉ 、て「プライマー」とは、遺伝子の発現によって生じた RNAまたはそれ に由来するポリヌクレオチドを特異的に認識し、増幅する、連続するポリヌクレオチド および Zまたはそれに相補的なポリヌクレオチドを包含する。
[0074] ここで相補的なポリヌクレオチド (相補鎖、逆鎖)とは、配列番号によって定義される塩 基配列からなるポリヌクレオチドの全長配列、またはその部分配列、(ここでは便宜上 、これを正鎖と呼ぶ)に対して A:T(U)、 G : Cといった塩基対関係に基づいて、塩基 的に相補的な関係にあるポリヌクレオチドを意味する。ただし、力かる相補鎖は、対象 とする正鎖の塩基配列と完全に相補配列を形成する場合に限らず、対象とする正鎖 とストリンジェントな条件でハイブリダィズできる程度の相補関係を有するものであって ちょい。
[0075] 本明細書において「ストリンジェントな条件」とは、プローブが他の配列に対するよりも
、検出可能により大きな程度 (例えばバックグラウンドよりも少なくとも 2倍)で、その標 的配列に対してハイブリダィズする条件を 、う。ストリンジェントな条件は配列依存性 であり、ハイブリダィゼーシヨンが行われる環境によって異なる。ハイブリダィゼーショ ンおよび Zまたは洗浄条件のストリンジエンシーを制御することにより、プローブに対 して 100%相補的である標的配列が同定され得る。
[0076] 本明細書にぉ 、て「変異体」とは、核酸の場合、多型性、突然変異、転写時の選択 的スプライシングなどに起因した天然の変異体、同族体、あるいは遺伝暗号の縮重 に基づく変異体、あるいは配列番号 1〜50で表される塩基配列またはその部分配列 において 1以上、好ましくは 1もしくは数個、の塩基の欠失、置換、付加または挿入を 含む変異体、あるいは該塩基配列またはその部分配列と約 80%以上、約 85%以上 、好ましくは約 90%以上、より好ましくは約 95%以上、約 97%以上、約 98%以上、も しくは約 99%以上の%同一性を示す変異体、あるいは該塩基配列またはその部分 配列を含むポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドと上記定義のストリンジェントな 条件でノ、イブリダィズする核酸を意味し、一方、タンパク質またはペプチドの場合、配 列番号 101〜197で表されるアミノ酸配列またはその部分配列において 1以上、好ま しくは 1もしくは数個、のアミノ酸の欠失、置換、付加または挿入を含む変異体、ある いは該アミノ酸配列またはその部分配列と約 80%以上、約 85%以上、好ましくは約 90%以上、より好ましくは約 95%以上、約 97%以上、約 98%以上、もしくは約 99% 以上の%同一性を示す変異体を意味する。
[0077] 本明細書において「数個」とは、約 10、 9、 8、 7、 6、 5、 4、 3または 2個以下の整数を 意味する。
[0078] 本明細書において「%同一性」は、上記の BLASTや FASTAによるタンパク質また は遺伝子の検索システムを用いて、ギャップを導入して、決定することができる (Karli n, S.ら、 1993年、 Proceedings of the National Academic Sciences U. ¾. A.、第 90卷、 p.5873- 5877 ;Altschul, S. F.ら、 1990年、 Journal of Molec ular Biology,第 215卷、 p. 403 -410 ; Pearson, W. R.ら、 1988年、 Proceed ings of the National Academic Sciences U. S. A.、第 85卷、 p.2444- 2448
) o
[0079] 本明細書において「誘導体」とは、核酸の場合、蛍光団などによるラベルイ匕誘導体 、修飾ヌクレオチド (例えばハロゲン、メチルなどのアルキル、メトキシなどのアルコキ シ、チォ、カルボキシメチルなどの基を含むヌクレオチドおよび塩基の再構成、二重 結合の飽和、脱ァミノ化、酸素分子の硫黄分子への置換などを受けたヌクレオチドな ど)を含む誘導体など、一方、タンパク質 (抗体を含む)の場合、酵素、蛍光団、放射性 同位元素などのラベルによるラベル化誘導体、あるいはァセチル化、ァシル化、アル キル化、リン酸化、硫酸化、グリコシル化などの化学修飾を含む誘導体を意味する。
[0080] 本明細書にぉ 、て「診断 (または検出または判定)用組成物」や「疾患判定用組成物 」とは、腎ガン患者の予後を予測するため、および Zまたは腎ガンの罹患の有無、罹 患の程度、腎ガンの転移の有無、もしくは改善の有無や改善の程度の診断に、また 腎ガンの予防、改善または治療に有用な候補物質をスクリーニングするために、直接 または間接的に利用される組成物を 、う。この組成物には腎ガンの罹患に関連して 生体内、特に腎組織において発現が変動する遺伝子を特異的に認識し、また結合 することのできるヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチド、および該遺 伝子の翻訳産物であるタンパク質を検出することができる抗体などが含まれる。これ らのヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、上記性質に基づいて 生体内、組織や細胞内などで発現した上記遺伝子を検出するためのプローブとして 、また生体内で発現した上記遺伝子を増幅するためのプライマーとして有効に利用 することができる。本明細書において使用される「組成物」は、本発明に関わる単一 のプローブ、または 2つ以上の異なるプローブの混合物、を含む組成物を意味し、該 組成物は、固体 (例えば凍結乾燥物など)、溶液 (例えば水溶液、緩衝溶液など)を 含む任意の形態をとることができる。また、該組成物は、必要に応じて、分析に影響 を与えないという条件で、安定剤、防腐剤などの添加剤を含有することができる。
[0081] 本明細書において検出 ·診断対象となる「生体試料」とは、腎ガンの発生にともない 本発明の標的遺伝子が発現変化する、あるいは本発明の標的ポリペプチドの量が正 常対照と比べて変化する、生体力も採取された試料 (または検体)をいう。生体試料 には、例えば腎糸且織、その周辺のリンパ節、転移が疑われる他臓器など力ゝらの組織、 それらの組織に由来する細胞、ならびに血液などの体液などが含まれる。
[0082] 本明細書において「特異的に結合する」とは、抗体またはその断片が、本発明の標 的ポリペプチド、その変異体またはその断片とのみ抗原-抗体複合体を形成し、他の ペプチド性またはポリペプチド性物質とは該複合体を実質的に形成しないことを意味 する。ここで、「実質的に」とは、程度は小さいが非特異的な複合体形成が起こり得る ことを意味する。
[0083] 本明細書において「ェピトープ」とは、本発明の標的ポリペプチド、その変異体または その断片において、抗原性または免疫原性を有する部分アミノ酸領域 (抗原決定基) 指す。ェピトープは通常、少なくとも 5アミノ酸、好ましくは少なくとも 7アミノ酸、より好 ましくは少なくとも 10アミノ酸力 なる。
[0084] 本明細書において「予後」とは Kaplan— Meier法 (例えば BMJ (1998) 317 : 1572 )でプロットした生存曲線で示される生存確率を表す。また「予後が良い」患者群とは、 なんらかの臨床情報により腎ガン患者を分類し、それぞれについて生存曲線を Kapl an— Meier法でプロットした上で、その差をなんらかの統計的手法によって検定し、 有意な差 (p< 0. 05)をもって生存率が高いとされた群を示す。同様に「予後が悪い 」患者群とは、なんらかの臨床情報により腎ガン患者を分類し、それぞれについて生 存曲線を Kaplan— Meier法でプロットした上で、その差をなんらかの統計的手法に よって検定し、有意な差 (P< 0. 05)をもって生存率が低いとされた群を示す。癌の 転移の有無は、患者の予後に影響を及ぼす要素の 1つであるため、予後の予測は、 一部には、癌の転移の予測と相関する。
[0085] 本明細書で使用される「PABPN1遺伝子」または「PABPN1」という用語は、配列番 号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 1)で示される Poly(A)— Binding Pr otein, Nuclear 1遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコー ドする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 1に記載の PABPN1遺伝 子(Ensembl Gene ID, ENSG00000100836)やその他生物種ホモログなど力 S 包含される。 PABPN1遺伝子は、例えば Brais, B.ら、 1998年、 Nature genetic s、第 18卷、 p. 164— 167に記載される方法によって得ることができる。 PABPN1遺 伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られていない。
[0086] 本明細書で使用される「PINK1遺伝子」または「PINK1」という用語は、配列番号で
指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 2)で示される PTEN Induced Putativ e Kinase 1遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする 遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 2に記載の PINK1遺伝子 (Ens embl Gene ID, ENSG00000180056)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 PINK1遺伝子は、例えば Unoki, M.ら、 2001年、 Oncogene,第 20卷、 p. 44 57— 4465に記載される方法によって得ることができる。 PINK1遺伝子の発現変動 が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0087] 本明細書で使用される「TFF2遺伝子」または「TFF2」 t 、う用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 3)で示される Trefoil Factor 2遺伝子(D NA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含す る。具体的には、配列番号 3に記載の TFF2遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGO 0000160181)やその他生物種ホモログなどが包含される。 TFF2遺伝子は、例え ば Tomasetto, C.ら、 1990年、 EMBO Journal,第 9卷、 p. 407— 414に記載さ れる方法によって得ることができる。 TFF2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標 となることは知られて ヽな 、。
[0088] 本明細書で使用される「EIF3S9遺伝子」または「EIF3S9」という用語は、配列番号 で指定しな 、限り、特定塩基配列(配列番号 4)で示される Eukaryotic Translatio n Initiation Factor 3 Subunit 9遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および 誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 4に記載 の EIF3S 9遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000106263)やその他生物種 ホモログなどが包含される。 EIF3S9遺伝子は、例えば Methot, N.ら、 1997年、 Jo urnal of Biological Chemistry、第 272卷、 p. 1110— 1116に記載される方法 によって得ることができる。 EIF3S9遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となる ことは知られていない。
[0089] 本明細書で使用される「MAX遺伝子」または「MAX」と 、う用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 5)で示される MAX Protein遺伝子(DNA )、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。 具体的には、配列番号 5に記載の MAX遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG000
00125952)やその他生物種ホモログなどが包含される。 MAX遺伝子は、例えば W agner, A.ら、 1992年、 Proceedings of the National Academic sciences U . S. A.、第 89卷、 p. 3111— 3115に記載される方法によって得ること力 Sできる。 M AX遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られて ヽな 、。
[0090] 本明細書で使用される「MLL4遺伝子」または「MLL4」 t 、う用語は、配列番号で指 定しな 、限り、特定塩基配列(配列番号 6)で示される Trithomx Homolog 2遺伝 子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包 含する。具体的には、配列番号 6に記載の MLL4遺伝子(Ensembl Gene ID, E NSG00000105663)やその他生物種ホモログなどが包含される。 MLL4遺伝子は 、例えば Nagase, T.ら、 1997年、 DNA Research,第 4卷、 p. 141— 150に記 載される方法によって得ることができる。 MLL4遺伝子の発現変動が腎ガンの転移 の指標となることは知られて 、な 、。
[0091] 本明細書で使用される「CACNB2遺伝子」または「CACNB2」という用語は、配列 番号で指定しな!ヽ限り、特定塩基配列(配列番号 7)で示される Dihydropyridine— Sensitive L— Type, Calcium Channel Beta— 2 Subunit¾fe子 (DNA) 、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具 体的には、配列番号 7に記載の CACNB2遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGOO 000165995)やその他生物種ホモログなどが包含される。 CACNB2遺伝子は、例 えば Rosenfeld, M.ら、 1993年、 Annals of Neurology.、第 33卷、 p. 113— 120に記載される方法によって得ることができる。 CACNB2遺伝子の発現変動が腎 ガンの転移の指標となることは知られて ヽな 、。
[0092] 本明細書で使用される「ZMYND11遺伝子」または「ZMYND11」という用語は、配 列番号で指定しな!、限り、特定塩基配列(配列番号 8)で示される Adenovirus 5 El A- Binding Protein遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体など をコードする遺伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 8に記載の ZMYN D 11遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000015171)やその他生物種ホモ口 グなどが包含される。 ZMYND11遺伝子は、例えば Hateboer, G.ら、 1995年、 E MBO Journal、第 14卷、 p. 3159— 3169に記載される方法によって得ることがで
きる。 ZMYND11遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られてい ない。
[0093] 本明細書で使用される「BAT2遺伝子」または「BAT2」 t 、う用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 9)で示される Adenovirus 5 El A- Bind ing Protein遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする 遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 9に記載の BAT2遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000111960)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 BAT2遺伝子は、 f列えば Banerji, J.ら、 1990年、 Proceedings of the Natio nal Academic Sciences U. S. A.、第 87卷、 p. 2374— 2378に記載される方 法〖こよって得ることができる。 BAT2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となる ことは知られていない。
[0094] 本明細書で使用される「NRBP遺伝子」または「NRBP」 t 、う用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 10)で示される Nuclear Receptor Bindi ng Protein遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺 伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 10に記載の NRBP遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000115216)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 NRBP遺伝子は、例えば Hooper, J. D. .ら、 2000年、 Genomics,第 66卷、 p . 113— 118に記載される方法によって得ることができる。 NRBP遺伝子の発現変動 が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0095] 本明細書で使用される「MCM3AP遺伝子」または「MCM3AP」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 11)で示される 80 KDa MCM3 -Associated Protein遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などを コードする遺伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 11に記載の MCM3A P遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000160294)やその他生物種ホモログ などが包含される。 MCM3AP遺伝子は、例えば Takei, Y.ら、 1998年、 Journal of Biological Chemistry、第 273卷、 p. 22177— 22180に記載される方法によ つて得ることができる。 MCM3AP遺伝子の発現変動が腎ガンの指標となることは、 特表 2005 - 520536のな力で推定されて!、るが、立証はされて!ヽな!、。
[0096] 本明細書で使用される「COL4Al遺伝子」または「COL4Al」という用語は、配列番 号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 12)で示される Collagen Alpha 1( IV) Chain遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺 伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 12に記載の COL4A1遺伝子 (En sembl Gene ID, ENSG00000139825)やその他生物種ホモログなどが包含さ れる。 COL4A1遺伝子は、例えば Solomon, E.ら、 1985年 Proceedings of the National Academic Sciences U. S. A.、第 82卷、 p. 3330— 3334に記載さ れる方法によって得ることができる。 COL4A1遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の 指標となることは知られて 、な 、。
[0097] 本明細書で使用される「MKNK1遺伝子」または「MKNK1」という用語は、配列番 号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 13)で示される MAP Kinase -Inte racting Serine/Threonine Kinase 1遺伝子(DNA)、その同族体、変異体お よび誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 13 に記載の MKNK1遺伝子(Ensembl Gene ID, . ENSG00000079277)やそ の他生物種ホモログなどが包含される。 MKNK1遺伝子は、例えば Fukunaga, R. ら、 1997年、 EMBO Journal、第 16卷、 p. 1921— 1933【こ記載される方法【こよつ て得ることができる。 MKNK1遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは 知られていない。
[0098] 本明細書で使用される「BBC3遺伝子」または「BBC3」 t 、う用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 14)で示される BCL2 Binding Compone nt 3遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (D NA)を包含する。具体的には、配列番号 14に記載の BBC3遺伝子(Ensembl Gen e ID, ENSG00000105327)やその他生物種ホモログなどが包含される。 BBC3 遺伝子は、例えば Yu, J.ら、 2001年、 Molecular Cell,第 7卷、 p. 673— 682に 記載される方法によって得ることができる。 BBC3遺伝子の発現変動が腎ガンの転移 の指標となることは知られて 、な 、。
[0099] 本明細書で使用される「FLJ10359遺伝子」または「FLJ10359」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 15)で示される Protein BAP28;
遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA) を包含する。具体的には、配列番号 15に記載の FIJ10359遺伝子(Ensembl Gen e ID, ENSG00000119285)やその他生物種ホモログなどが包含される。
[0100] 本明細書で使用される「DPT遺伝子」または「DPT」と 、う用語は、配列番号で指定 しない限り、特定塩基配列(配列番号 16)で示される Dermatopontin遺伝子(DNA )、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。 具体的には、配列番号 16に記載の DPT遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGOO 000143196)やその他生物種ホモログなどが包含される。 DPT遺伝子は、例えば S uperti-Fruga, A.ら、 1993年、 Genomics,第 17卷、 p. 463— 467に記載され る方法によって得ることができる。 DPT遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標と なることは知られていない。
[0101] 本明細書で使用される「C10orf76遺伝子」または「C10orf76」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列 (配列番号 17)で示される遺伝子 (DNA)、そ の同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体 的には、配列番号 17に記載の ClOorf 76遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGOO 000120029)やその他生物種ホモログなどが包含される。
[0102] 本明細書で使用される「DIA1遺伝子」または「DIA1」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 18)で示される NADH— Cytochrome B5 Reductase遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺 伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 18に記載の DIA1遺伝子 (Ensem bl Gene ID, ENSG00000100243)やその他生物種ホモログなどが包含される。 DIA1遺伝子は、例えば Du, M.ら、 1997年、 Biochemical Biophysical Resea rch Communication、第 235卷、 p. 779— 783に記載される方法によって得るこ とができる。 DIA1遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られてい ない。
[0103] 本明細書で使用される「PBK遺伝子」または「PBK」 t 、う用語は、配列番号で指定 しない限り、特定塩基配列(配列番号 19)で示される T—LAK Cell -Originated P rotein Kinase遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする
遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 19に記載の PBK遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000168078)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 PBK遺伝子は、例えば Gaudet, S.ら、 2000年、 Proceedings of the Nation al Academic Sciences U. S. A.、第 97卷、 p. 5167— 5172に記載される方法 によって得ることができる。 PBK遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となること は知られていない。
[0104] 本明細書で使用される「PRKD2遺伝子」または「PRKD2」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 20)で示される Protein Kinase C,
D2 Type遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺 伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 20に記載の PRKD2遺伝子 (Ens embl Gene ID, ENSG00000105287)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 PRKD2遺伝子は、例えば Sturany, S.ら、 2001年、 Journal of Biological Chemistry,第 276卷、 p. 3310— 3318に記載される方法によって得ることができ る。 PRKD2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0105] 本明細書で使用される「KRT19遺伝子」または「KRT19」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 21)で示される Keratin, Type I Cyt ◦skeletal 19遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする 遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 21に記載の KRT19遺伝子 (En sembl Gene ID, ENSG00000171345)やその他生物種ホモログなどが包含さ れる。 KRT19遺伝子は、例えば Bader, B.ら、 1986年、 EMBO Journal,第 5卷 、 p. 1865— 1875に記載される方法によって得ることができる。 KRT19遺伝子の発 現変動が腎ガンの指標となることは、特表 2005— 507997のなかで推定されている 力 立証はされていない。
[0106] 本明細書で使用される「FLJ23436遺伝子」または「FLJ23436」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列 (配列番号 22)で示される遺伝子 (DNA)、そ の同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体 的には、配列番号 22に記載の FLJ23436遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGOO 000169957)やその他生物種ホモログなどが包含される。 FLJ23436遺伝子は、例
えば Beausoleil, S. A.ら、 2004年、 Proceedings of the National Academic Sciences U. S. A.、第 101卷、 p. 12130— 12135【こ記載される方法【こよって得 ることができる。 FLJ23436遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知 られていない。
[0107] 本明細書で使用される「NPHS2遺伝子」または「NPHS2」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 23)で示される Podocin遺伝子 (DNA) 、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具 体的には、配列番号 23に記載の NPHS2遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGOO 000116218)やその他生物種ホモログなどが包含される。 NPHS2遺伝子は、例え ば Kestila, M.ら、 1998年、 Molecular Cell,第 1卷、 p. 575— 582に記載され る方法によって得ることができる。 NPHS2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標 となることは知られて ヽな 、。
[0108] 本明細書で使用される「C3orfl4遺伝子」または「C3orfl4」という用語は、配列番 号で指定しない限り、特定塩基配列 (配列番号 24)で示される遺伝子 (DNA)、その 同族体、変異体および誘導体などをコードする HT021遺伝子 (DNA)を包含する。 具体的には、配列番号 24に記載の C3orf 14遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG 00000114405)やその他生物種ホモログなどが包含される。
[0109] 本明細書で使用される「AGTR2遺伝子」または「AGTR2」 t 、う用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 25)で示される Type— 2 Angiotensi n II Receptor遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードす る遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 25に記載の AGTR2遺伝子( Ensembl Gene ID, ENSG00000180772)やその他生物種ホモログなどが包含 される。 AGTR2遺伝子は、例えば Koike, G.ら、 1994年、 Biochemical Biophy sical Research Communication、第 203卷、 p. 1842— 1850に記載される方 法によって得ることができる。 AGTR2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標とな ることは知られていない。
[0110] 本明細書で使用される「: HTR1F遺伝子」または「HTR1F」という用語は、配列番号 で指定しな!、限り、特定塩基配列(配列番号 26)で示される 5 Hydroxytryptami
ne IF Receptor遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコード する遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 26に記載の HTR1F遺伝子 (Ensembl Gene ID, ENSG00000179097)やその他生物種ホモログなどが包 含される。 HTR1F遺伝子は、例えば Lovenberg, T. W.ら、 1993年、 Proceeding s of the National Academic Sciences U. S. A.、第 90卷、 p. 2184— 2188 に記載される方法によって得ることができる。 HTR1F遺伝子の発現変動が腎ガンの 転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0111] 本明細書で使用される「KIF3B遺伝子」または「KIF3B」という用語は、配列番号で 指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 27)で示される Kinesin— Like Protein KIF3B遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝 子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 27に記載の KIF3B遺伝子 (Ensemb 1 Gene ID, ENSG00000101350)やその他生物種ホモログなどが包含される。 KIF3B遺伝子は、例えば Nagase, T.ら、 1997年、 DNA Research,第 4卷、 p. 141— 150に記載される方法によって得ることができる。 KIF3B遺伝子の発現変動 が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0112] 本明細書で使用される「DCN遺伝子」または「DCN」という用語は、配列番号で指定 しない限り、特定塩基配列(配列番号 28)で示される Decorin遺伝子 (DNA)、その 同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的 には、配列番号 28に記載の DCN遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG0000001 1465)やその他生物種ホモログなどが包含される。 DCN遺伝子は、例えば Daniels on, K. G.ら、 1993年、 Genomics,第 15卷、 p. 146— 160に記載される方法によ つて得ることができる。 DCN遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知 られていない。
[0113] 本明細書で使用される「STK22C遺伝子」または「STK22C」という用語は、配列番 号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 29)で示される Testis— Specific S erine/Threonine Kinase 22C遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘 導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 29に記載 の STK22C遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000162526)やその他生物
種ホモログなどが包含される。 STK22C遺伝子は、例えば Visconti, P. E.ら、 200 1年、 Genomics、第 77卷、 p. 163— 170に記載される方法によって得ることができ る。 STK22C遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られていない
[0114] 本明細書で使用される「DKFZp566C0424遺伝子」または「DKFZp566C0424」 という用語は、配列番号で指定しない限り、特定塩基配列 (配列番号 30)で示される Putative MAPK Activating Protein PM20遺伝子(DNA)、その同族体、 変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配 列番号 30に記載の DKFZp566C0424遺伝子 (ENSG00000055070)やその他 生物種ホモログなどが包含される。 DKFZp566C0424遺伝子は、例えば Visconti , P. E.ら、 2001年、 Genomics,第 77卷、 p. 163— 170【こ記載される方法【こよつ て得ることができる。 DKFZp566C0424遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標 となることは知られて ヽな 、。
[0115] 本明細書で使用される「CNR1遺伝子」または「CNR1」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 31)で示される Cannabinoid Receptor 1 遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする Cannabinoid Receptor 1遺伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 31に記載の CNR 1遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000118432)やその他生物種ホモログ などが包含される。 CNR1遺伝子は、例えば Matsuda, L. A.ら、 1990年、 Nature 、第 346卷、 p. 561— 564に記載される方法によって得ることができる。 CNR1遺伝 子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られていない。
[0116] 本明細書で使用される「HOMER3遺伝子」または「HOMER3」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 32)で示される HOMER, Neuro nal Immediate Early Gene, 3遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘 導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 32に記載 の HOMER3遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000051128)やその他生物 種ホモログなどが包含される。 HOMER3遺伝子は、例えば Xiao, B.ら、 2001年、 Neuron,第 21卷、 p. 707— 716に記載される方法によって得ることができる。 HO
MER3遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られていない。
[0117] 本明細書で使用される「GPR2遺伝子」または「GPR2」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 33)で示される C C Chemokine Recep tor Type 10遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする 遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 33に記載の GPR2遺伝子 (Ens embl Gene ID, ENSG00000177032)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 GPR2遺伝子は、例えば Marchese, A.ら、 1994年、 Genomics,第 23卷、 p. 609— 618に記載される方法によって得ることができる。 GPR2遺伝子の発現変動が 腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0118] 本明細書で使用される「FLJ12442遺伝子」または「FLJ12442」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列 (配列番号 34)で示される遺伝子 (DNA)、そ の同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体 的には、配列番号 34に記載の FLJ12442遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSGOO 000168268)やその他生物種ホモログなどが包含される。 FLJ12442遺伝子は、例 えば Ota, T.ら、 2004年、 Nature Genetics,第 36卷、 p. 40— 45に記載される 方法によって得ることができる。 FLJ12442遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指 標となることは知られて ヽな 、。
[0119] 本明細書で使用される「XLKD1遺伝子」または「XLKD1」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 35)で示される Extracellular Link Domain Containing 1遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などを コードする遺伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 35に記載の 1031 遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000133800)やその他生物種ホモログな どが包含される。 XLKD1遺伝子は、例えば Banerji, S.ら、 1999年、 Journal of Cellular Biology、第 144卷、 p. 1789— 801に記載される方法によって得ることが できる。 XLKD1遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な い。
[0120] 本明細書で使用される「CASKIN2遺伝子」または「CASKIN2」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 36)で示される CASK— Interacti
ng Protein 2遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードす る遺伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 36に記載の CASKIN2遺伝 子(Ensembl Gene ID, ENSG00000177303)やその他生物種ホモログなど力 S 包含される。 CASKIN2遺伝子は、例えば Strausberg, R. L.ら、 2002年、 Proce e dings of the National Academic Sciences U. S. A.、第 99卷、 p. 16899 - 16903に記載される方法によって得ることができる。 CASKIN2遺伝子の発現変 動が腎ガンの転移の指標となることは知られて ヽな 、。
[0121] 本明細書で使用される「COL5A2遺伝子」または「COL5A2」という用語は、配列番 号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 37)で示される Collagen Alpha 2( V) Chain遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝 子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 37に記載の COL5A2遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000179877)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 COL5A2遺伝子は、例えば Burgeson, R. E.ら、 2002年、 Proceedings of t he National Academic Sciences U. S. A.、第 73卷、 p. 2579— 2583に記載 される方法によって得ることができる。 COL5A2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移 の指標となることは知られて 、な 、。
[0122] 本明細書で使用される「BRD3遺伝子」または「BRD3」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 38)で示される Bromodomain—Containi ng Protein 3遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードす る遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 38に記載の BRD3遺伝子 (E nsembl Gene ID, ENSG00000169925)やその他生物種ホモログなどが包含さ れる。 BRD3遺伝子は、例えば Nomura, N. L.ら、 1994年、 DNA Research,第 1卷、 p. 223— 229に記載される方法によって得ることができる。 BRD3遺伝子の発 現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0123] 本明細書で使用される「ATP6V0A4遺伝子」または「ATP6V0A4」と!、う用語は、 配列番号で指定しない限り、特定塩基配列 (配列番号 39)で示される ATPase, H + Transporting, Lysosomal VO Subunit A ISOFORM 4遺伝子(DNA)、 その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具
体的には、配列番号 39に記載の八丁?6¥0八4遺伝子 11561111)1 Gene ID, ENS G00000105929)やその他生物種ホモログなどが包含される。 ATP6V0A4遺伝 子は、例えば Smith, A. N.ら、 2000年、 Nature Genetics,第 26卷、 p. 71— 7 5に記載される方法によって得ることができる。 ATP6V0A4遺伝子の発現変動が腎 ガンの転移の指標となることは知られて ヽな 、。
[0124] 本明細書で使用される「PRODH2遺伝子」または「PRODH2」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 40)で示される Nephrin遺伝子 (D NA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含す る。具体的には、配列番号 40に記載の PRODH2遺伝子(Ensembl Gene ID, E NSG00000161270)やその他生物種ホモログなどが包含される。 PRODH2遺伝 子は、例えば Chakravarti, A.ら、 2002年、 Proceedings of the National Aca demic Sciences U. S. A.、第 99卷、 p. 4755— 4756【こ記載される方法【こよって 得ることができる。 PRODH2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは 知られていない。
[0125] 本明細書で使用される「EPHB2遺伝子」または「EPHB2」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 41)で示される Ephrin Type— B Re ceptor 2遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝 子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 41に記載の EPHB2遺伝子 (Ensem bl Gene ID, ENSG00000133216)やその他生物種ホモログなどが包含される。 EPHB2遺伝子は、例えば Chan, J.ら、 1991年、 Oncogeneゝ第 6卷、 p. 1057— 1061に記載される方法によって得ることができる。 EPHB2遺伝子の発現変動が腎 ガンの転移の指標となることは知られて ヽな 、。
[0126] 本明細書で使用される「LYAR遺伝子」または「LYAR」と 、う用語は、配列番号で 指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 42)で示される Hypothetical Protein FLJ20425遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺 伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 42に記載の LYAR遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000145220)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 LYAR遺伝子は、例えば Su, L.ら、 1993年、 Genes Development,第 7卷、
p. 735— 748に記載される方法によって得ることができる。 LYAR遺伝子の発現変 動が腎ガンの転移の指標となることは知られて ヽな 、。
[0127] 本明細書で使用される「COX6B遺伝子」または「COX6B」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 43)で示される Cytochrome C Oxid ase Polypeptide VIB遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などを コードする遺伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 43に記載の COX6B 遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000126267)やその他生物種ホモログな どが包含される。 COX6B遺伝子は、例えば Taanman, J— W.ら、 1989年、 Nuclei c Acids Research,第 17卷、 p. 1766に記載される方法によって得ることができる 。 COX6B遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0128] 本明細書で使用される「PRH1遺伝子」または「PRH1」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 44)で示される Salivary Acidic Proline - Rich Phosphoprotein 1Z2遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体な どをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 44に記載の PRH 1遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000176621)やその他生物種ホモログ などが包含される。 PRH1遺伝子は、例えば Oppenheim, F. G.ら、 1971年、 Bioc hemistry,第 10卷、 p. 4233— 4238に記載される方法によって得ることができる。 PRH1遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られていない。
[0129] 本明細書で使用される「LAPTM5遺伝子」または「LAPTM5」 t ヽぅ用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 45)で示される Lysosomal— Asso ciated Multitransmembrane Protein遺伝子(DNA)、その同族体、変異体およ び誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 45〖こ 記載の LAPTM5遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000162511)やその他 生物種ホモログなどが包含される。 LAPTM5遺伝子は、例えば Adra, C. N.ら、 1 996年、 Genomics,第 35卷、 p. 328— 337に記載される方法によって得ることがで きる。 LAPTM5遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは知られていな V、が、腎ガンのマーカーとなりうることは推定されて!、る (国際公開 WO2005Z2460 3)。
[0130] 本明細書で使用される「RPS6KA4遺伝子」または「RPS6KA4」という用語は、配列 番号で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 46)で示される Ribosomal Protei n S6 Kinase, 90KDA, Polypeptide 4遺伝子(DNA)、その同族体、変異体お よび誘導体などをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 46 に記載の RPS6KA4遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000162302)やそ の他生物種ホモログなどが包含される。 RPS6KA4遺伝子は、例えば Pierrat, B.ら 、 1998年、 Journal of Biological Chemistry、第 273卷、 p. 29661— 29671 に記載される方法によって得ることができる。 RPS6KA4遺伝子の発現変動が腎ガ ンの転移の指標となることは知られて 、な 、。
[0131] 本明細書で使用される「GCC2遺伝子」または「GCC2」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 47)で示される GRIP and Coiled— Coil D omain Containing 2遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコ ードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 47に記載の GCC2遺伝 子(Ensembl Gene ID, ENSG00000144055)やその他生物種ホモログなど力 S 包含される。 GCC2遺伝子は、例えば Eichmuller, S.ら、 2001年、 Proceedings of the National Academic Sciences U. S. A.、第 98卷、 p. 629— 634に記 載される方法によって得ることができる。 GCC2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の 指標となることは知られて 、な 、。
[0132] 本明細書で使用される「FGF2遺伝子」または「FGF2」という用語は、配列番号で指 定しない限り、特定塩基配列(配列番号 48)で示される Heparin— Binding Growt h Factor 2遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺 伝子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 48に記載の FGF2遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000138685)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 FGF2遺伝子は、例えば Abraham, J.ら、 1986年、 Science,第 233卷、 p. 54 5— 548に記載される方法によって得ることができる。 FGF2遺伝子の発現変動が腎 ガンの転移の指標となることは Miyake, H.ら、 1996年、 Cancer Research,第 5 6卷、 p. 2440— 2445【こ示されるよう【こ公知である。
[0133] 本明細書で使用される「MMP14遺伝子」または「MMP14」という用語は、配列番号
で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 49)で示される Matrix Metalloprotei nase— 14遺伝子 (DNA)、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝 子(DNA)を包含する。具体的には、配列番号 49に記載の MMP14遺伝子 (Ense mbl Gene ID, ENSG00000157227)やその他生物種ホモログなどが包含され る。 MMP14遺伝子は、例えば Sato, H.ら、 1994年、 Nature,第 370卷、 p. 61— 65に記載される方法によって得ることができる。 MMP14遺伝子の発現変動が腎ガ ンの転移の指標となることは Kitagawa, Y.ら、 1999年、 Journal of Urology、第 162卷、 p. 905— 909などに示されるように公知である。
[0134] 本明細書で使用される「ERBB2遺伝子」または「ERBB2」という用語は、配列番号 で指定しない限り、特定塩基配列(配列番号 50)で示される Receptor Protein— T yrosine Kinase ERBB— 2遺伝子(DNA)、その同族体、変異体および誘導体な どをコードする遺伝子 (DNA)を包含する。具体的には、配列番号 50に記載の ERB B2遺伝子(Ensembl Gene ID, ENSG00000141736)やその他生物種ホモログ などが包含される。 ERBB2遺伝子は、例えば Yang— Feng, T. L.ら、 1985年、 Ci togenetic Cell Genetics,第 40卷、 p. 784に記載される方法によって得ることが できる。 ERBB2遺伝子の発現変動が腎ガンの転移の指標となることは Freeman, M . R.ら、 1989年、 Cancer Research,第 49卷、 p. 6221— 6225【こ示されるよう【こ 公知である。
[0135] 本明細書中に記載されるその他の遺伝子またはポリペプチドについては、下記の 詳細な説明のなかで適宜説明する。
[0136] 発明の効果
本発明は、腎ガンの存在ゃ腎ガンの転移の診断、検出、判定または予測、および腎 ガンの治療に有用な疾患判定用糸且成物、並びに、該糸且成物を用いた腎ガンおよび 腎ガン転移を診断、検出、判定または予測するための方法を提供するものであり、こ れによって、腎ガンの存在ゃ腎ガンの転移に対して特異的かつ高予測率の、および 迅速でかつ簡便な、検出、判定または予測方法を提供するという格別の作用効果を 有する。
[0137] また、本発明の腎ガンマ一力一のなかには、腎ガン患者の血液などの生体試料中に
も見出されるものもあるが、それは健常人にはほとんどまたは全く見出されないため、 単に上記マーカーの存在または量を指標にすることによって、例えば血液において 、容易に腎ガンを検出することができるという作用効果をも有する。
[0138] 本発明は、本発明の腎ガンを検出するプローブと腎ガンの転移を検出するプロ一 ブとを組み合わせることによって腎ガン患者の予後の管理のために有益な診断を行 うことを可能にする。
図面の簡単な説明
[0139] [図 1]手術時に腎臓以外への転移が診断されな力つた患者群 (M = 0)と転移が診断 された患者群(M= 1)それぞれの Kaplan— Meier法による生存曲線を示す。縦軸 は生存率を示し、横軸は手術後の年数 (年)を示す。 5年生存率は、 M = 0で 96%、 M= lで 13%であった。
[図 2]表 1に記載の遺伝子に対応する、配列番号 1〜19、 48のポリヌクレオチドを組 み合わせて DNAチップとして用いた場合の予後良の患者予測率および、配列番号 20〜47、 49、 50のポリヌクレオチドを組み合わせて DNAチップとして用いた場合の 予後不良の患者予測率を示す。縦軸は予後良の患者由来 Z予後不良の患者を予 測できる確率 (予測率)、横軸は予後良の患者由来 Z予後不良の患者の予測に必要 な遺伝子の合計数をそれぞれ示す。実線は予後が良い患者の予測確率、破線は予 後が悪!、患者の予測確率を示す。
発明を実施するための最良の形態
[0140] 以下に本発明をさらに具体的に説明する
1· 暨ガン閗速マーカー
1. 1 ガン斷車ネ票 酴
本発明の組成物、キットまたは DNAチップを使用して腎ガンの存在および転移を検 出、判定または予測するための、腎ガン患者予後予測のための、ならびに腎ガン転 移細胞の存在または不存在を判定するための、腎ガン転移関連マーカーとしての標 的核酸には、例えば、配列番号 1〜50で表される塩基配列を含むヒト遺伝子 (すなわ ち、それぞれ、 PABPN1、 PINK1、 TFF2、 EIF3S9、 MAX, MLL4、 CACNB2、 ZMYND11、 BAT2、 NRBP、 MCM3AP、 COL4Al、 MKNK1、 BBC3、 FLJIO
359、 DPT、 C10orf76、 DIA1、 PBK、 PRKD2、 KRT19、 FLJ23436、 NPHS2 、 C3orf 14、 AGTR2、 HTR1Fゝ KIF3B、 DCN、 STK22C、 DKFZp566C0424 、 CNR1、 HOMER3、 GPR2、 FLJ12442、 XLKD1, CASKIN2、 COL5A2、 BR D3、 ATP6V0A4、 PRODH2、 EPHB2、 LYAR、 COX6B、 PRH1、 LAPTM5、 RPS6KA4、 GCC2、 FGF2、 MMP14および ERBB2)、それらの同族体、それらの 転写産物または cDNA、あるいはそれらの変異体または誘導体が含まれる。ここで、 遺伝子、同族体、転写産物、 cDNA、変異体および誘導体は、上記定義のとおりで ある。好ましい標的核酸は、配列番号 1〜50で表される塩基配列を含むヒト遺伝子、 それらの転写産物または cDNA、より好ましくは該転写産物または cDNAである。 本発明において腎ガン患者予後予測の標的および Zまたは腎ガン転移予測の標的 となる上記遺伝子はいずれも、予後良の患者由来の腎ガン組織に比べて予後不良 の患者由来の腎ガン組織にぉ 、て該遺伝子の発現レベルが有意に変動(すなわち 、増加または低下)しているものである。表 1に、各遺伝子の Ensemble Gene ID および GenBank登録番号をまとめて示す。表示の遺伝子群は、予後良の患者由来 の腎ガン組織を識別する遺伝子、予後不良の患者由来の腎ガン組織を識別する遺 伝子からなる。
[表 1]
配列 Ensemble GenBank 配列 Ensemble GenBank
遣伝子名 伝子名 番号 Gene ID 登録番号 番号 Gene ID 登録番号 遺
ENSGOOOOOIO ENSG0000017
1 一 004643 PABPN1 26 M_000866 HTR1F
0336 9097
ENSGOOOOOIS ENSGOOOOOIO
2 N — 032棚 PINK1 27 TL004798 KIF3B
0056 1350
ENSG0000016 ENSGOOOOOOl
3 NM_005423 TFF2 28 _133506 DCN
0181 1465
ENSGOOOOOIO ENSG0000016
4 L003751 EIF3S9 29 N _052841 STK22C , 6263 2526
ENSG0000012 ENSG0000005 D FZp566C0
5 L002382 MAX 30 BX640985
5952 5070 424
ENSGOOOOOIO ENSGOOOOOil
一 014727 MLL1 31 NM_016083 CN 1 5663 8432
ENSG0000016 ENSG0000005
7 L000724 CACNB2 32 _004S38 HOMRR3 5995 1128
ENSGOOOOOOl ENSG0000017
8 NM_006624 ZMY D11 33 NM_016602 GPR2
5171 7032
ENSGOOOOOil ENSG000001B
9 BAT2 34 NM_022908 FLJ12442 1960 8268
ENSGOOOOOil ENSG0000Q13
10 NM„013392 NRBP 35 NM_ 06691 XLKD1 5216 3800
ENSGOOOOOIS ENSG0000017
11 _003906 MCM3AP 36 NM_0207G3 CASRIN2 0 94 7303
ENSG0000013 ENSG0000017
12 丽— 001845 C0L4A1 37 NM_000393 COL5A2 9825 9877
ENSG0000007 BNSG0000016
13 匪— 003684 MK K1 38 M_007371 BRD3
9277 B925
[0143] 第 1の標的核酸は、 PABPN1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0144] 第 2の標的核酸は、 PINK1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0145] 第 3の標的核酸は、 TFF2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0146] 第 4の標的核酸は、 EIF3S9遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0147] 第 5の標的核酸は、 MAX遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0148] 第 6の標的核酸は、 MLL4遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0149] 第 7の標的核酸は、 CACNB2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0150] 第 8の標的核酸は、 ZMYND11遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0151] 第 9の標的核酸は、 BAT2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0152] 第 10の標的核酸は、 NRBP遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0153] 第 11の標的核酸は、 MCM3AP遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0154] 第 12の標的核酸は、 COL4A1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0155] 第 13の標的核酸は、 MKNK1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0156] 第 14の標的核酸は、 BBC3遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0157] 第 15の標的核酸は、 FLJ10359遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0158] 第 16の標的核酸は、 DPT遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0159] 第 17の標的核酸は、 C10orf76遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0160] 第 18の標的核酸は、 DIA1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0161] 第 19の標的核酸は、 PBK遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である
第 20の標的核酸は、 PRKD2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0162] 第 21の標的核酸は、 KRT19遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0163] 第 22の標的核酸は、 FLJ23436遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0164] 第 23の標的核酸は、 NPHS2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0165] 第 24の標的核酸は、 C3orfl4遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0166] 第 25の標的核酸は、 AGTR2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0167] 第 26の標的核酸は、 HTR1F遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0168] 第 27の標的核酸は、 KIF3B遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0169] 第 28の標的核酸は、 DCN遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDN
A、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0170] 第 29の標的核酸は、 STK22C遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0171] 第 30の標的核酸は、 DKFZp566C0424遺伝子、それらの同族体、それらの転写 産物または cDNA、ある 、はそれらの変異体または誘導体である。
[0172] 第 31の標的核酸は、 CNR1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0173] 第 32の標的核酸は、 HOMER3遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0174] 第 33の標的核酸は、 GPR2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0175] 第 34の標的核酸は、 FLJ12442遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0176] 第 35の標的核酸は、 XLKD1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0177] 第 36の標的核酸は、 CASKIN2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0178] 第 37の標的核酸は、 COL5A2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0179] 第 38の標的核酸は、 BRD3遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0180] 第 39の標的核酸は、 ATP6V0A4遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物また は cDNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0181] 第 40の標的核酸は、 PRODH2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0182] 第 41の標的核酸は、 EPHB2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0183] 第 42の標的核酸は、 LYAR遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0184] 第 43の標的核酸は、 COX6B遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c
DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0185] 第 44の標的核酸は、 PRH1遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD
NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0186] 第 45の標的核酸は、 LAPTM5遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cDNA、ある ヽはそれらの変異体または誘導体である。
[0187] 第 46の標的核酸は、 RPS6KA4遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物また は cDNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である
第 47の標的核酸は、 GCC2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0188] 第 48の標的核酸は、 FGF2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0189] 第 49の標的核酸は、 MMP14遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または c DNA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0190] 第 50の標的核酸は、 ERBB2遺伝子、それらの同族体、それらの転写産物または cD NA、あるいはそれらの変異体または誘導体である。
[0191] 1. 2 腎ガン関連標的ポリペプチド( 1)
本発明の組成物またはキットを使用して腎ガンの存在および転移を検出、判定また は予測するための、腎ガン患者予後予測のための、ならびに腎ガン転移細胞の存在 または不存在を判定するための、腎ガン関連マーカーとしての標的ポリペプチドには 、 PABPN1、 PINK1、 TFF2、 EIF3S9、 MAX, MLL4、 CACNB2、 ZMYND11 、 BAT2、 NRBP、 MCM3AP、 COL4Al、 MKNK1、 BBC 3, FLJ10359、 DPT、 C10orf76、 DIA1、 PBK、 PRKD2、 KRT19、 FLJ23436、 NPHS2、 C3orfl4、 AGTR2、 HTR1F、 KIF3B、 DCN、 STK22C、 DKFZp566C0424、 CNR1、 H OMER3、 GPR2、 FLJ12442、 XLKD1, CASKIN2、 COL5A2、 BRD3、 ATP6 V0A4、 PRODH2、 EPHB2、 LYAR、 COX6B、 PRH1、 LAPTM5、 RPS6KA4 、 GCC2、 FGF2、 MMP14および ERBB2遺伝子によってコードされるポリペプチド 、例えば、配列番号 101〜150で表されるアミノ酸配列を含むヒトポリペプチド、それ らの同族体、あるいはそれらの変異体または誘導体が含まれる。ここで、ポリペプチド 、同族体、変異体および誘導体は、上記定義のとおりである。好ましい標的ポリぺプ チドは、配列番号 101〜110、 112〜120、 122〜 147で表されるアミノ酸配列を含 むヒトポリペプチドである。
[0192] 本発明において腎ガン転移予測および Zまたは腎ガン患者予後予測の標的となる 上記ポリペプチドはいずれも、対応する遺伝子およびその転写産物の発現量と同様 に、予後良の腎ガン患者由来の腎ガン組織に比べて予後不良の腎ガン患者由来の 腎ガン組織にぉ 、てその発現量が有意に変化 (すなわち、増加または低下)して!/、る ものであること、あるいは血液中の該ポリペプチドのレベル力 予後良の腎ガン患者 に比べて予後不良の腎ガン患者において有意に変化 (すなわち、増加または低下)
すること〖こよって特徴付けられる。
[0193] 1. 3 腎ガン関連標的ポリペプチド(2)
本発明の組成物またはキットを使用して腎ガンをインビトロで検出するための腎ガン マーカーとしての別の腎ガン関連標的ポリペプチドは、配列番号 151〜197、好まし くは配列番号 151、 153、 155〜160、配列番号 161〜190で表わされるアミノ酸配 列を含むポリペプチド、その変異体またはその断片である。
[0194] 本発明の配列番号 151〜160、 191、配列番号 161〜190、 192〜197のポリぺプ チドを、その遺伝子名およびタンパク質番号 (GenBank登録名および登録番号)、な らびにそれらの特性とともに、それぞれ下記の表 2、表 3に示す。これらのポリべプチ ドは、腎ガン患者血漿中に特異的に検出され、健常者の血漿には検出されないか、 または検出できるレベルにな力つた。
[表 2]
[表 3]
[0197] 本発明において腎ガン検出のための上記標的ポリペプチドはいずれも、腎ガン患者 において、血液などの生体試料中の該ポリペプチドのレベル力 健常人と比べて腎 ガンに罹患した被験者にぉ 、て有意にまたは格別に高 、ことによって特徴付けられ る。
[0198] 2.腎ガン診断用プローブ
本発明によれば、腎ガンの存在および/または転移を検出、判定または予測するた めの、あるいは被験者の術後の予後を予測するための、プローブは、下記の I群およ び/または II群:
I群:
(a)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列力 なるポリヌクレオチ ド、その変異体、または 15以上の連続した塩基を含むその断片、
(b)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド
(c)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列か らなるポリヌクレオチド、その変異体、または 15以上の連続した塩基を含むその断片
(d)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列を 含むポリヌクレオチド、および
(e)前記(a)〜(d)の!、ずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリ ダイズするポリヌクレオチド、または 15以上の連続した塩基を含むその断片、 力もなるポリヌクレオチド、
Π群:
(f)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列によってコードされるアミ ノ酸配列を含むポリペプチド、または配列番号 101〜110、 112〜120、 122〜147 で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、それらの変異体、あるいはそれらの断片 の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、その断片あるいはその化学修飾誘導体、
(g)配列番号 151、 153、 155〜160で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、 それらの変異体、ある ヽはそれらの断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、 その断片あるいはその化学修飾誘導体、および
(h)配列番号 161〜190で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、それらの変異 体、あるいはそれらの断片の少なくとも 1つと特異的に結合する抗体、その断片ある いはその化学修飾誘導体、
力 なる抗体、その断片あるいはその化学修飾誘導体、
から選択される。
[0199] 上記のプローブは、いずれも上記 1. 1節から 1. 3節に記載された腎ガン関連マーカ 一のいずれかと結合可能なものであり、腎ガンの存在または転移を検出、判定または 予測するために使用可能である。例えば、上記 I群および Π群 (f)の各プローブによつ て腎ガンの存在または転移を検出、判定または予測することができる。また、上記 II 群 (g)、(h)の各プローブによって腎ガンの存在を検出、判定または予測することがで きる。
[0200] 本発明にお!/、て、核酸プローブは DNAまたは RNAを含み、一方、抗体プローブは ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、それらの抗体断片、合成抗体、組換え抗 体、多重特異的抗体、単鎖抗体などを含む。
[0201] 本発明者らは、今回、上記 I群および Zまたは Π群に示したプローブが腎ガンの存
在および/または転移の検出、判定または予測に使用できることを初めて見出した。
[0202] 3. ガン診 j ^および/または ガンチ チ測もしくは転移チ沏 1)¾且
3. 1 核麵
本発明の組成物またはキットを使用して腎ガンの存在および転移を検出、判定また は予測するための、腎ガン患者予後予測のための、ならびに腎ガン転移細胞の存在 または不存在を判定するための核酸組成物は、上記 2節の I群に記載した 1または 2 以上のプローブを含み、腎ガン予後予測用または腎ガン転移予測用標的核酸として の、ヒト由来の、 PABPN1、 PINK1、 TFF2、 EIF3S9、 MAX, MLL4、 CACNB2 、 ZMYND11、 BAT2、 NRBP、 MCM3AP、 COL4Al、 MKNK1、 BBC3、 FIJI 0359、 DPT、 C10orf76、 DIA1、 PBK、 PRKD2、 KRT19、 FLJ23436, NPHS 2、 C3orf 14、 AGTR2、 HTR1F、 KIF3B、 DCN、 STK22C、 DKFZp566C042 4、 CNR1、 HOMER3、 GPR2、 FLJ12442、 XLKD1, CASKIN2、 COL5A2、 B RD3、 ATP6V0A4、 PRODH2、 EPHB2、 LYAR、 COX6B、 PRH1、 LAPTM5 、 RPS6KA4、 GCC2、 FGF2、 MMP14および ERBB2遺伝子、それらの同族体、 それらの転写産物または cDNA、あるいはそれらの変異体または誘導体の存在、発 現レベルまたは存在量を定性的および/または定量的に測定することを可能にする。
[0203] 上記の標的核酸は、予後良の腎ガン患者由来の腎ガン組織に比べて予後不良の腎 ガン患者由来の腎ガン組織にぉ 、てその発現レベルが有意に変化 (すなわち、増加 または低下)する。それゆえ、本発明の組成物は、予後良の腎ガン患者由来の腎ガ ン組織と予後不良の腎ガン患者由来の腎ガン組織について標的核酸の発現レベル を測定し、それらを比較するために有効に使用することができる。
[0204] 本発明で使用可能な組成物は、腎ガンに罹患した患者の生体組織において配列番 号 1〜50で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド群およびその相補的ポリヌクレ ォチド群、該塩基配列に相補的な塩基配列力 なる DNAとストリンジ ントな条件で それぞれノヽイブリダィズするポリヌクレオチド群およびその相補的ポリヌクレオチド群、 ならびにそれらのポリヌクレオチド群の塩基配列において 15以上の連続した塩基を 含むポリヌクレオチド群力 選ばれた 1または複数のポリヌクレオチドの組み合わせを 含む。
[0205] 具体的には、本発明の組成物は、以下の 1または複数のポリヌクレオチドまたはそ の断片を含むことができる。
[0206] (1)配列番号 1〜50で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド群、それらの変異 体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0207] (2)配列番号 1〜50で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド群。
[0208] (3)配列番号 1〜 10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列からなるポリヌクレオチ ド群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0209] (4)配列番号 1〜 10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド 群。
[0210] (5)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列 力もなるポリヌクレオチド群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含む それらの断片。
[0211] (6)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列を 含むポリヌクレオチド群。
[0212] (7)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列の各々と相補的な塩基 配列からなる DNAとストリンジェントな条件でハイブリダィズするポリヌクレオチド群、 または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0213] (8)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列の各々力 なる DNAと ストリンジェントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド群、または 15以上の連続 した塩基を含むそれらの断片。
[0214] (9)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列力もなるポリヌクレオチド群、それ らの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0215] (10)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド群。
[0216] (11)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列に相補的な塩基配列力もなる ポリヌクレオチド群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの 断片。
[0217] (12)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列に相補的な塩基配列を含むポ リヌクレオチド群。
[0218] (13)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列の各々と相補的な塩基配列か らなる DNAとストリンジェントな条件でハイブリダィズするポリヌクレオチド群、または 1
5以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0219] (14)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列の各々力 なる DNAとストリンジ ェントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド群、または 15以上の連続した塩基 を含むそれらの断片。
[0220] 上記(1)〜(14)のポリヌクレオチドの断片は、各ポリヌクレオチドの塩基配列において 、例えば、連続する 15〜配列の全塩基数、 15〜5000塩基、 15〜4500塩基、 15〜 4000塩基、 15〜3500塩基、 15〜3000塩基、 15〜2500塩基、 15〜2000塩基、 15〜1500塩基、 15〜: LOOO塩基、 15〜900塩基、 15〜800塩基、 15〜700塩基 、 15〜600塩基、 15〜500塩基、 15〜400塩基、 15〜300塩基、 15〜250塩基、 15〜200塩基、 15〜150塩基、 15〜140塩基、 15〜130塩基、 15〜120塩基、 1 5〜: L 10塩基、 15〜: LOO塩基、 15〜90塩基、 15〜80塩基、 15〜70塩基、 15〜60 塩基、 15〜50塩基、 15〜40塩基、 15〜30塩基または 15〜25塩基; 25〜配列の 全塩基数、 25〜: LOOO塩基、 25〜900塩基、 25〜800塩基、 25〜700塩基、 25〜 600塩基、 25〜500塩基、 25〜400塩基、 25〜300塩基、 25〜250塩基、 25〜2 00塩基、 25〜150塩基、 25〜140塩基、 25〜130塩基、 25〜120塩基、 25~11 0塩基、 25〜: L00塩基、 25〜90塩基、 25〜80塩基、 25〜70塩基、 25〜60塩基、 25〜50塩基または 25〜40塩基; 50〜配列の全塩基数、 50〜: L000塩基、 50〜90 0塩基、 50〜800塩基、 50〜700塩基、 50〜600塩基、 50〜500塩基、 50〜400 塩基、 50〜300塩基、 50〜250塩基、 50〜200塩基、 50〜150塩基、 50〜140塩 基、 50〜130塩基、 50〜120塩基、 50〜: L 10塩基、 50〜: L00塩基、 50〜90塩基、 50〜80塩基、 50〜70塩基または 50〜60塩基; 60〜配列の全塩基数、 60〜: L000 塩基、 60〜900塩基、 60〜800塩基、 60〜700塩基、 60〜600塩基、 60〜500塩 基、 60〜400塩基、 60〜300塩基、 60〜250塩基、 60〜200塩基、 60〜150塩基 、 60〜140塩基、 60〜130塩基、 60〜120塩基、 60〜: L 10塩基、 60〜: L00塩基、 60〜90塩基、 60〜80塩基または 60〜70塩基などの範囲の塩基数を含むことがで きるが、これらに限定されないものとする。
[0221] 本発明の実施形態により、配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列 を含むポリヌクレオチドの断片はそれぞれ、配列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97で 表される塩基配列またはその相補的配列、あるいはそれらの連続する 15塩基以上の 部分配列、を含むことが好ましい。
[0222] 本発明の組成物には、例えば以下のポリヌクレオチドが包含される。
[0223] (1)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列またはその相補的配列 の各々において、 15以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0224] (2)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列またはその相補的配列 の各々において、 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0225] (3)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列またはその相補的配列の各々に おいて、 15以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0226] (4)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列またはその相補的配列の各々に お!、て、 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0227] (5)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列において、それぞれ配 列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97で表される塩基配列を含み、かつ 60以上の連続 した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0228] (6)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な配列におい て、それぞれ配列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97で表される塩基配列に相補的な 配列を含み、かつ 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0229] (7)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列において、それぞれ配列番号 61
、 71、 98〜: LOOで表される塩基配列を含み、かつ 60以上の連続した塩基を含むポリ ヌクレオチド。
[0230] (8)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列に相補的な配列において、それ ぞれ配列番号 61、 71、 98〜: LOOで表される塩基配列に相補的な配列を含み、かつ 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0231] 本発明で使用される上記ポリヌクレオチド類またはその断片類は 、ずれも DNAでも よ!ヽし RNAでもよ!/ゝ
[0232] 本発明の組成物を構成するポリヌクレオチドは、 DNA組換え技術、 PCR法、 DNA
/RNA自動合成機による方法などの一般的な技術を用いて作製することができる。
[0233] DNA組換え技術および PCR法は、例えば Ausubelら, Current Protocols i n Molecular Biology, John Willey & Sons, US (1993); Sambroo kら, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring Harb or Laboratory Press, US (1989)などに記載される技術を使用することがで きる。
[0234] ヒト由来の、 PABPN1、 PINK1、 TFF2、 EIF3S9、 MAX, MLL4、 CACNB2、 Z MYND11、 BAT2、 NRBP、 MCM3AP、 COL4Al、 MKNK1、 BBC3、 FLJ103 59、 DPT、 C10orf76、 DIA1、 PBK、 PRKD2、 KRT19、 FLJ23436、 NPHS2、 C3orf 14、 AGTR2、 HTR1F、 KIF3B、 DCN、 STK22C、 DKFZp566C0424、 CNR1、 HOMER3、 GPR2、 FLJ12442、 XLKD1, CASKIN2、 COL5A2、 BR D3、 ATP6V0A4、 PRODH2、 EPHB2、 LYAR、 COX6B、 PRH1、 LAPTM5、 RPS6KA4、 GCC2、 FGF2、 MMP14および ERBB2は公知であり、その取得方法 も知られている。このため、これらの遺伝子をクローユングすることによって、本発明の 組成物としてのポリヌクレオチドを作製することができる。
[0235] 本発明の組成物を構成するポリヌクレオチドは、 DNA自動合成装置を用いて化学 的に合成することができる。この合成には一般にホスホアミダイト法が使用され、この 方法によって約 100塩基までの一本鎖 DNAを自動合成することができる。 DNA自 動合成装置は、例えば Polygen社、 ABI社、 Applied BioSystems社などから巿販 されている。
[0236] あるいは、本発明のポリヌクレオチドは、 cDNAクローユング法によって作製すること もできる。本発明において標的である上記遺伝子が発現される腎組織などの生体組 織力 抽出した total RNAをオリゴ dTセルロースカラムで処理して得られるポリ A ( + )RNAから RT— PCR法によって cDNAライブラリーを作製し、このライブラリーか らハイブリダィゼーシヨンスクリーニング、発現スクリーニング、抗体スクリーニングなど のスクリーニングによって目的の cDNAクローンを得ることができる。必要に応じて、 c DNAクローンを PCR法によって増幅することもできる。プローブまたはプライマーは 、配列番号 1〜50に示される塩基配列に基づいて 15〜: L00塩基の連続する配列の
中力も選択し、合成しうる。 cDNAクローユング技術は、例えば Sambrook, J. & Rus sel, D. 著、 Molecular Cloning, A LABORATORY MANUAL, Cold Sprin g Harbor Laboratory Press, 2001年 1月 15日発行、の第 1卷 7. 42〜7. 45、第 2卷 8. 9〜8. 17に記載されている。
[0237] 3. 2 抗体組成物
本発明の組成物は、腎ガン診断用プローブとして、上記 2節の II群に記載される抗 体、その断片または化学修飾誘導体を含むことができる。このような組成物は、腎ガ ンをもつ被験者における腎ガンの存在および/または転移をインビトロで検出、判定 または予測するために有用である。ここで、転移の予測は、被験者の術後の予後の 良、不良の予測に導くことができる。
[0238] (A)本発明の抗体組成物の第 1の例は、上記 II群 (f)に記載される配列番号 101〜1 10、 112〜120、 122〜 147で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチドに対する 1ま たは複数の抗体、その断片、またはそれらの化学修飾誘導体を含む組成物である。
[0239] 本発明の組成物には、配列番号 111、 121、 148〜 150で表されるアミノ酸配列を含 むポリペプチド、その変異体またはその断片に対する 1または複数の抗体、その断片 またはそれらの化学修飾誘導体をさらに含むことができる。これらの抗体の併用によ つて、予後予測のための精度を高めることができる。
[0240] すなわち、本発明により、腎ガン予後予測用または腎ガン転移マーカーとしての、 P ABPN1、 PINK1、 TFF2、 EIF3S9、 MAX, MLL4、 CACNB2、 ZMYND11、 B AT2、 NRBP、 MCM3AP、 COL4Al、 MKNK1、 BBC3、 FLJ10359、 DPT、 CI 0orf76、 DIA1、 PBK、 PRKD2、 KRT19、 FLJ23436, NPHS2、 C3orfl4、 AG TR2、 HTR1F、 KIF3B、 DCN、 STK22C、 DKFZp566C0424、 CNR1、 HOM ER3、 GPR2、 FLJ12442、 XLKD1, CASKIN2、 COL5A2、 BRD3、 ATP6V0 A4、 PRODH2、 EPHB2、 LYAR、 COX6B、 PRH1、 LAPTM5、 RPS6KA4、 G CC2、 FGF2、 MMP14および ERBB2遺伝子によってコードされるポリペプチド、そ れらの同族体、あるいはそれらの変異体または誘導体を検出するために、これらのポ リペプチドに対する抗体を 1または複数、好ましくは 2以上、組み合わせて用いること ができる。
[0241] (B)本発明の抗体組成物の第 2の例は、上記 II群 (g)、(h)にそれぞれ記載される配 列番号 151〜160、 191、配列番号 161〜190、 192〜197で表されるアミノ酸配列 を含むポリペプチドに対する 1または複数の抗体、その断片、またはそれらの化学修 飾誘導体を含む組成物である。
[0242] 上記のポリペプチドは、表 1、表 2および表 3に記載の遺伝子によってコードされて いる。各遺伝子の塩基配列は、 NCBIホームページにアクセスすることよって、表に 示される遺伝子名から容易に入手可能である。
[0243] これらのポリペプチドは、 DNA組換え技術によって得ることができる。例えば、上記 のようにして得られた cDNAクローンを発現ベクターに組み込み、該ベクターによつ て形質転換またはトランスフエクシヨンされた原核または真核宿主細胞を培養すること によって該細胞または培養上清力も得ることができる。ベクターおよび発現系は Nov agen社、宝酒造、第一化学薬品、 Qiagen社、 Stratagene社、 Promega社、 Roch e Diagnosmcs社、 Invitrogen社、 Genetics Institute社、 Amersham Biosci ence社などから入手可能である。
[0244] 宿主細胞としては、細菌などの原核細胞 (例えば大腸菌、枯草菌)、酵母 (例えばサ ッカロマイセス.セレビシァェ)、昆虫細胞 (例えば Sf細胞)、哺乳動物細胞 (例えば C OS、 CHO、 BHK)などを用いることができる。
[0245] ベクターには、該ポリペプチドをコードする DNAの他に、調節エレメント、例えばプロ モーター、ェンハンサー、ポリアデニル化シグナル、リボソーム結合部位、複製開始 点、ターミネータ一、選択マーカーなどを含むことができる。またポリペプチドの精製 を容易にするために標識ペプチドをポリペプチドの C末端または N末端につけた融 合ポリペプチドとしてもよい。代表的な標識ペプチドには、 6〜: L0残基のヒスチジンリ ピート、 FLAG, mycペプチド、 GFPポリペプチドなどが挙げられる力 標識べプチ ドはこれらにかぎられるものではない。また DN A組換え技術については、 Sambrook , J. & Russel, D. (上記)に記載されている。
[0246] 標識ペプチドを付けずに本発明に係るポリペプチドを生産した場合には、その精製 法として例えば限外ろ過、塩析、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィーなどによる 方法を挙げることができる。またこれに加えて、ァフィユティークロマトグラフィー、 HP
LC、疎水性クロマトグラフィー、等電点クロマトグラフィーなどを組み合わせる方法で もよい。一方、当該タンパクにヒスチジンリピート、 FLAG, myc、 GFPといった標識べ プチドを付けている場合には、一般に用いられるそれぞれの標識ペプチドに適した ァフィユティークロマトグラフィーによる方法を挙げることができる。単離'精製が容易 となるような発現ベクターを構築するとよい。特にポリペプチドと標識ペプチドとの融 合ポリペプチドの形態で発現するように発現ベクターを構築し、遺伝子工学的に当該 ポリペプチドを調製すれば、単離'精製も容易である。
[0247] 本発明における上記ポリペプチドの変異体は、上記定義のとおり、配列番号 101〜 197で表されるアミノ酸配列またはその部分配列おいて 1以上、好ましくは 1もしくは 数個、のアミノ酸の欠失、置換、付加または挿入を含む変異体、あるいは該アミノ酸 配列またはその部分配列と約 80%以上、約 85%以上、好ましくは約 90%以上、より 好ましくは約 95%以上、約 97%以上、約 98%以上、約 99%以上の%同一性を示 す変異体である。このような変異体には、例えば、ヒトと異なる哺乳動物種のホモログ 、ヒトの多型性変異ゃスプライス変異に基づく変異体などの天然変異体が含まれる。
[0248] 本発明における上記ポリペプチドまたは変異体の断片は、該ポリペプチドのァミノ 酸配列の少なくとも 5個、少なくとも 7個、少なくとも 10個、少なくとも 15個、好ましくは 少なくとち 20個、少なくとち 25個、より好ましくは少なくとち 30個、少なくとち 40個、少 なくとも 50個の連続するアミノ酸残基力もなり、 1個または複数のェピトープを保持す る。このような断片は、本発明の抗体またはその断片と免疫特異的に結合することが できるものである。上記ポリペプチドは、生体内に存在するプロテア一ゼゃぺプチダ ーゼなどの酵素によって切断され断片化されて存在することも予想される。
[0249] このようにして得られたポリペプチドを認識する抗体は、抗体の抗原結合部位を介し て、該ポリペプチドに特異的に結合し得る。具体的には、配列番号 101〜197のアミ ノ酸配列を含むポリペプチドまたはその断片、その変異体ポリペプチドまたは融合ポ リペプチドなどを、それぞれに免疫反応性である抗体を産生するための免疫原として 使用することが可能である。
[0250] より具体的には、ポリペプチド、断片、変異体、融合ポリペプチドなどは、抗体形成を 引き出す抗原決定基またはェピトープを含むが、これら抗原決定基またはェピトープ
は、直鎖でもよいし、より高次構造 (断続的)でもよい。なお、該抗原決定基またはェ ピトープは、当該技術分野に知られるあらゆるェピトープ解析法、例えばファージジ スプレイ法、リバースィムノジェネティックス法などによって同定できる。
[0251] 本発明のポリペプチドによってあらゆる態様の抗体が誘導される。該ポリペプチドの 全部もしくは一部またはェピトープが単離されていれば、慣用的技術を用いてポリク ローナル抗体およびモノクローナル抗体の 、ずれも調製可能である。そのための方 法には例えば、 Kennetら(監修), Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analyses, Pie num Press, New York , 1980に挙げられた方法がある。
[0252] ポリクローナル抗体は、鳥類 (例えば、 -ヮトリなど)、哺乳動物 (例えば、ゥサギ、ャギ、 ゥマ、ヒッジ、ネズミなど)などの動物に本発明に係るポリペプチドを免疫することによ つて作製することができる。目的の抗体は、免疫された動物の血液から、硫安分画、 イオン交換クロマとグラフィー、ァフィ-ティークロマトグラフィーなどの手法を適宜組 み合わせて精製することができる。
[0253] モノクローナル抗体は、各ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体を産生するハ イブリドーマ細胞株を、慣用技術によってマウスにおいて産生することを含む手法に よって得ることができる。こうしたノヽイブリドーマ細胞株を産生するための 1つの方法は 、動物を本発明の酵素ポリペプチドで免疫し、免疫された動物から脾臓細胞を採取 し、該脾臓細胞を骨髄腫細胞株に融合させ、それによりハイプリドーマ細胞を生成し 、そして該酵素に結合するモノクローナル抗体を産生するノ、イブリドーマ細胞株を同 定することを含む。モノクローナル抗体は、慣用技術によって回収可能である。
[0254] 本発明の抗体としては、本発明の標的ポリペプチドまたはその断片と特異的に結合 するものであれば特に限定されず、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でも 使用することができる力 モノクローナル抗体を使用するのが好ましい。別の抗体に は、組換え抗体、合成酵素、多重特異的抗体 (例えば二重特異的抗体)、単鎖抗体 、抗体断片などが含まれる。そのような抗体の例は、 Fab、 F (ab' ) 、 scFv、 Fv、 dsF
2
Vなどである。また、本発明の抗体のグロブリンタイプは、上記特徴を有するものであ る限り特に限定されるものではなぐ IgG、 IgM、 IgA、 IgE、 IgDのいずれでもよい。
[0255] <モノクローナル抗体の作製 >
(1)免疫および抗体産生細胞の採取
標的ポリペプチドからなる免疫原を、哺乳動物、例えばラット、マウス(例えば近交系 マウスの BalbZc)、ゥサギなどに投与する。免疫原の 1回の投与量は、免疫動物の 種類、投与経路などにより適宜決定されるものである力 動物 1匹当たり約 50〜200 gでよい。免疫は主として皮下、腹腔内に免疫原を注入することにより行われる。ま た、免疫の間隔は特に限定されず、初回免疫後、数日から数週間間隔で、好ましく は 1〜4週間間隔で、 2〜: LO回、好ましくは 3〜4回追加免疫を行う。初回免疫の後、 免疫動物の血清中の抗体価の測定を ELIS A (Enzyme— Linked Immuno Sor bent Assay)法などにより繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したときは、免疫原 を静脈内または腹腔内に注射し、最終免疫とする。そして、最終免疫の日から 2〜5 日後、好ましくは 3日後に、抗体産生細胞を採取する。抗体産生細胞としては、脾臓 細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞または局所リンパ節 細胞が好ましい。
[0256] (2)細胞融合
各標的ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマ細胞株 を作製する。こうしたハイプリドーマは、慣用的技術によって産生し、そして同定する ことが可能である。こうしたノ、イブリドーマ細胞株を産生するための 1つの方法は、動 物を本発明のタンパク質で免疫し、免疫された動物カゝら脾臓細胞を採取し、該脾臓 細胞を骨髄腫細胞株に融合させ、それによりハイプリドーマ細胞を生成し、そして該 酵素に結合するモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマ細胞株を同定すること を含む。抗体産生細胞と融合させる骨髄腫細胞株としては、マウスなどの動物の一 般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選 択性を有し、未融合の状態では HAT選択培地 (ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミ ンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有 するものが好ましい。また株化細胞は、免疫動物と同種系の動物に由来するものが 好ましい。骨髄腫細胞株の具体例としては、 BALBZcマウス由来のヒポキサンチン' グァニン 'ホスホリボシル 'トランスフェラーゼ(HGPRT)欠損細胞株である P3X63—
Ag. 8株 (ATCC TIB9)などが挙げられる。
[0257] 次に、上記骨髄腫細胞株と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を 含まない DMEM、 RPMI— 1640培地などの動物細胞培養用培地中で、抗体産生 細胞と骨髄腫細胞株とを約 1 : 1〜 20 : 1の割合で混合し、細胞融合促進剤の存在下 にて融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量 1500〜4000ダルトンの ポリエチレングリコール等を約 10〜80%の濃度で使用することができる。また場合に よっては、融合効率を高めるために、ジメチルスルホキシドなどの補助剤を併用しても よい。さらに、電気刺激 (例えばエレクト口ポレーシヨン)を利用した市販の細胞融合装 置を用いて抗体産生細胞と骨髄腫細胞株とを融合させることもできる。
[0258] (3)ハイプリドーマの選別およびクロー-ング
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイプリドーマを選別する。その方法として、 細胞懸濁液を、例えばゥシ胎児血清含有 RPMI— 1640培地などで適当に希釈後、 マイクロタイタープレート上に 200万個/ゥエル程度まき、各ゥエルに選択培地を加え 、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。培養温度は、 20〜40°C、好ましくは 約 37°Cである。ミエローマ細胞が HGPRT欠損株またはチミジンキナーゼ欠損株の ものである場合には、ヒポキサンチン'アミノプテリン'チミジンを含む選択培地 (HAT 培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞と骨髄腫細胞株のハイプリドーマ のみを選択的に培養し、増殖させることができる。その結果、選択培地で培養開始後 、約 14日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
[0259] 次に、増殖してきたハイプリドーマの培養上清中に、目的とする抗体が存在するか否 かをスクリーニングする。ハイプリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく 、特に限定されない。例えば、ハイプリドーマとして生育したゥエルに含まれる培養上 清の一部を採取し、酵素免疫測定法(EIA: Enzyme Immuno Assay、および EL IS A)、放射免疫測定法 (RIA: Radio Immuno Assay)等によって行うことができ る。融合細胞のクローユングは、限界希釈法等により行い、最終的にモノクローナル 抗体産生細胞であるハイプリドーマを榭立する。本発明のノ、イブリドーマは、後述す るように、 RPMI— 1640、 DMEM等の基本培地中での培養において安定であり、 標的ポリペプチドと特異的に反応するモノクローナル抗体を産生、分泌するものであ
る。
[0260] (4)抗体の回収
モノクローナル抗体は、慣用的技術によって回収可能である。すなわち榭立したノヽィ プリドーマ力 モノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法または 腹水形成法等を採用することができる。細胞培養法においては、ノヽイブリドーマを 10 %ゥシ胎児血清含有 RPMI— 1640培地、 MEM培地または無血清培地等の動物 細胞培養培地中で、通常の培養条件 (例えば 37°C、 5%CO濃度)で 2〜10日間培
2
養し、その培養上清力 抗体を取得する。腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由 来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイプリドーマを約 1000万個投与し、ハイ プリドーマを大量に増殖させる。そして、 1〜2週間後に腹水または血清を採取する。
[0261] 上記抗体の採取方法にお!、て、抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、ィ オン交換クロマトグラフィー、ァフィユティークロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフ ィーなどの公知の方法を適宜に選択して、またはこれらを組み合わせることにより、精 製されたモノクローナル抗体を得ることができる。
[0262] <ポリクローナル抗体の作製 >
ポリクローナル抗体を作製する場合は、前記と同様にゥサギ等の動物を免疫し、最終 の免疫日から 6〜60日後に、酵素免疫測定法 (EIAおよび ELISA)、放射免疫測定 法 (RIA)等で抗体価を測定し、最大の抗体価を示した日に採血し、抗血清を得る。 その後は、抗血清中のポリクローナル抗体の反応性を ELISA法などで測定する。
[0263] <化学修飾誘導体 >
本発明の抗体またはその断片は、化学修飾された誘導体であってもよい。例えば、 酵素、蛍光団、放射性同位元素などのラベルによる標識ィ匕誘導体、あるいはァセチ ル化、ァシル化、アルキル化、リン酸化、硫酸化、グリコシルイ匕誘導体、などの化学修 飾誘導体を挙げることができる。
[0264] 標識物質としては、酵素免疫測定法の場合には、ペルォキシダーゼ (POD)、アル力 リホスファターゼ、 13 ガラクトシダーゼ、ゥレアーゼ、カタラーゼ、グノレコースォキシ ダーゼ、乳酸脱水素酵素、アミラーゼまたはピオチン アビジン複合体等の酵素を、 蛍光免疫測定法の場合には、フルォレセインイソチオシァネート、テトラメチルローダ
ミンイソチオシァネート、置換ローダミンイソチオシァネート、ジクロロトリアジンイソチォ シァネート、 Alexaまたは AlexaFluoro等の蛍光性物質もしくは蛍光団を、そして放 射免疫測定法の場合にはトリチウム、ヨウ素 (131ι, 125ι, 123ι, 121ι)、リン (32P)、ィォゥ(
35S)、金属類 (例えば68 Ga, 67Ga, 68Ge, 54Mn, "Mo, "TC, 133Xeなど)等の放射 性同位元素を用いることができる。また、発光免疫測定法は、 NADH—、 FMNH2 一、ルシフェラーゼ系、ルミノール 過酸化水素 POD系、アタリジ-ゥムエステル 系またはジォキセタンィ匕合物系等の発光性分子、発光物質、生物発光物質を用いる ことができる。
[0265] また、必要に応じて、アビジン ピオチン系またはストレプトアビジン ピオチン系を 利用することも可能であり、この場合、本発明の抗体またはその断片に例えばビォチ ンを結合することもできる。標識物質と抗体との結合法は、酵素免疫測定法の場合に はダルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフイド法または過ヨウ素酸法等 の公知の方法を、放射免疫測定法の場合にはクロラミン T法、ボルトンノヽンター法等 の公知の方法を用いることができる。
[0266] 4. 暨ガン診断用あ び/または暨ガン予後予沏 Iもしくは転移予沏 I用キット
4. 1 核酸キット
本発明はまた、上記 2節の I群に記載されるポリヌクレオチド、その変異体および/また はその断片の 1つまたは複数を含む腎ガンの存在または腎ガンの転移もしくは予後 予測をインビトロで検出、判定または予測するためのキットを提供する。
[0267] 本発明のキットには、以下に記載するような I群からの核酸プローブを含有させること ができる。これらのプローブの各々は単独でまたは組み合わせて適当な容器に収納 されうる。
[0268] すなわち、本発明のキットは、配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配 列を含むポリヌクレオチド、その相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌク レオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、またはそれら のポリヌクレオチドの断片を少なくとも 1つ含むことができる。
[0269] 本発明のキットにはさらに、配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列を含むポ リヌクレオチド、その相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとス
トリンジェントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、またはそれらのポリヌクレ ォチドの断片を少なくとも 1つ含むことができる。
[0270] 本発明のキットに含むことができるポリヌクレオチド断片は、例えば下記の(1)〜(5) 力 なる群より選択される 1以上の DNAである:
(1)配列番号 1〜10、 11、 12〜20、 21、 22〜47、 48〜50で表される塩基配列また はその相補的配列にお 、て、 15以上の連続した塩基を含む DNA。
[0271] (2)配列番号 1〜10、 11、 12〜20、 21、 22〜47、 48〜50で表される塩基配列また はその相補的配列にぉ 、て、 60以上の連続した塩基を含む DNA。
[0272] (3)配列番号 1〜10、 11、 12〜20、 21、 22〜47、 48〜50で表される塩基配列また はその相補的配列において、それぞれ配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜
97、 98〜: LOOで表される塩基配列またはその相補的配列を含み、かつ 60以上の連 続した塩基を含む DNA。
[0273] (4)配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜: LOOで表される塩基配列 力 なる DNA。
[0274] (5)配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜: LOOで表される塩基配列 に相補的な塩基配列を含む DNA。
[0275] 好ましい実施形態では、前記ポリヌクレオチド力 配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜4
7の 、ずれかで表される塩基配列力 なるポリヌクレオチド、その相補的配列力 なる ポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブリダィズす るポリヌクレオチド、またはそれらの 15以上の連続した塩基を含む断片である。
[0276] 別の好ましい実施形態では、本発明のキットは、上記のポリヌクレオチドにカ卩えて、配 列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列力 なるポリヌクレオチド、その相補的 配列からなるポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、 イブリダィズするポリヌクレオチド、またはそれらの 15以上の連続した塩基を含む断片 をさらに含むことができる。
[0277] 好ましい実施形態では、前記断片は、 15以上、好ましくは 60以上の連続した塩基を 含むポリヌクレオチドであることができる。
[0278] 別の好ましい実施形態では、前記断片が、配列番号 1〜10、 11、 12〜20、 21、 22
〜47、 48〜50のいずれかで表される塩基配列において、それぞれ配列番号 51〜6
0、 61、 62〜70、 71、 72〜97、 98〜: L00の!ヽずれ力で表される塩基酉己歹 IJを含み、 かつ 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドの配 列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである。
[0279] 別の好ましい実施形態では、前記断片が、配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、
72〜97、 98〜: LOOのいずれかで表される塩基配列を含むポリヌクレオチドである。
[0280] 別の好ましい実施形態では、前記断片が、配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、
72〜97、 98〜: LOOのいずれかで表される塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリ ヌクレオチドである。
[0281] 別の好ましい実施形態では、前記断片が、配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 71、
72〜97、 98〜: LOOのいずれかで表される塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
[0282] 上記の組み合わせの具体例は、配列番号 1および 2の塩基配列またはその相補的 配列を含むポリヌクレオド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ工ントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜3の塩基配列ま たはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェ ントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜4の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレ ォチドとストリンジェントな条件でハイブリダィズするポリヌクレオチド、および/または その断片、配列番号 1〜5の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド 、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチ ド、および/またはその断片、配列番号 1〜6の塩基配列またはその相補的配列を含 むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ントな条件でノ、イブリダィズ するポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜7の塩基配列またはそ の相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条 件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜8の 塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオド、それらのポリヌクレオチドとスト リンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配 列番号 1〜9の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリ
ヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、および/ま たはその断片、配列番号 1〜: LOの塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレ ォチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ工ントな条件でノ、イブリダィズするポリヌク レオチド、またはその断片、配列番号 1〜11の塩基配列またはその相補的配列を含 むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ントな条件でノ、イブリダィズ するポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜12の塩基配列またはそ の相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条 件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜13 の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチド とストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断 片、配列番号 1〜14の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、そ れらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、 および/またはその断片、配列番号 1〜15の塩基配列またはその相補的配列を含む ポリヌクレオチドおよび/またはその断片、配列番号 1〜16の塩基配列またはその相 補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件で ハイブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜17の塩 基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチドおよび/またはその断片、配列 番号 1〜18の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリ ヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、および/ま たはその断片、配列番号 1〜19の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレ ォチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ工ントな条件でノ、イブリダィズするポリヌク レオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜20の塩基配列またはその相補的 配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ工ントな条件でノ、ィ ブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜21の塩基配 列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリン ジェントな条件でハイブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片配列番 号 1〜22の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また
はその断片、配列番号 1〜23の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜24の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜25の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜26の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片、配列番号 1〜27の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜28の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜29の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜30の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片、配列番号 1〜31の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜32の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜33の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜34の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片、配列番号 1〜35の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ
チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜36の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜37の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜38の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片、配列番号 1〜39の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜40の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜41の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜42の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片、配列番号 1〜43の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜44の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜45の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜46の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片、配列番号 1〜47の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオ チド、それらのポリヌクレオチドとストリンジヱントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレ
ォチド、および/またはその断片、配列番号 1〜48の塩基配列またはその相補的配 列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノ、イブ リダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番号 1〜49の塩基配列 またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌクレオチドとストリンジ ヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/またはその断片、配列番 号 1〜50の塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチド、それらのポリヌ クレオチドとストリンジヱントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、および/また はその断片である。
[0283] 別のより好ましい実施形態によれば、本発明のキットは、配列番号 51〜97、 98〜1 00で表される塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチドの 2以上〜全 部を含むことができる。
[0284] 別の組み合わせの具体例は、配列番号 1〜19、 48の塩基配列またはその相補的配 列を含む (または、力もなる)ポリヌクレオドぉよび/またはその断片である。
[0285] さらに別の組み合わせの具体例は、配列番号 20〜47、 49および 50の塩基配列ま たはその相補的配列を含む (または、力もなる)ポリヌクレオドぉよび/またはその断片 である。
[0286] 本発明において、上記のポリヌクレオチドの断片のサイズは、各ポリヌクレオチドの塩 基配列において、例えば、連続する 15〜配列の全塩基数、 15〜5000塩基、 15〜4 500塩基、 15〜4000塩基、 15〜3500塩基、 15〜3000塩基、 15〜2500塩基、 1 5〜2000塩基、 15〜1500塩基、 15〜: LOOO塩基、 15〜900塩基、 15〜800塩基 、 15〜700塩基、 15〜600塩基、 15〜500塩基、 15〜400塩基、 15〜300塩基、 15〜250塩基、 15〜200塩基、 15〜150塩基、 15〜140塩基、 15〜130塩基、 1 5〜120塩基、 15〜: L 10塩基、 15〜: LOO塩基、 15〜90塩基、 15〜80塩基、 15〜7 0塩基、 15〜60塩基、 15〜50塩基、 15〜40塩基、 15〜30塩基または 15〜25塩 基; 25〜配列の全塩基数、 25〜: LOOO塩基、 25〜900塩基、 25〜800塩基、 25〜 700塩基、 25〜600塩基、 25〜500塩基、 25〜400塩基、 25〜300塩基、 25〜2 50塩基、 25〜200塩基、 25〜150塩基、 25〜140塩基、 25〜130塩基、 25〜12 0塩基、 25〜: L 10塩基、 25〜: LOO塩基、 25〜90塩基、 25〜80塩基、 25〜70塩基
、 25〜60塩基、 25〜50塩基または 25〜40塩基; 50〜配列の全塩基数、 50〜: L00 0塩基、 50〜900塩基、 50〜800塩基、 50〜700塩基、 50〜600塩基、 50〜500 塩基、 50〜400塩基、 50〜300塩基、 50〜250塩基、 50〜200塩基、 50〜150塩 基、 50〜140塩基、 50〜130塩基、 50〜120塩基、 50〜: L 10塩基、 50〜: L00塩基 、 50〜90塩基、 50〜80塩基、 50〜70塩基または 50〜60塩基; 60〜配列の全塩 基数、 60〜: L000塩基、 60〜900塩基、 60〜800塩基、 60〜700塩基、 60〜600 塩基、 60〜500塩基、 60〜400塩基、 60〜300塩基、 60〜250塩基、 60〜200塩 基、 60〜150塩基、 60〜140塩基、 60〜130塩基、 60〜120塩基、 60〜: L 10塩基 、 60〜: L00塩基、 60〜90塩基、 60〜80塩基または 60〜70塩基などの範囲の塩基 数である。
[0287] 本発明のキットを構成する上記の組み合わせは、あくまでも例示であり、他の種々 の可能な組み合わせのすべてが本発明に包含されるものとする。
[0288] 本発明のキットには、上で説明した本発明におけるポリヌクレオチド、その変異体また はその断片に加えて、腎ガンの検出または腎ガンの転移予測もしくは予後予測を可 能とする既知のまたは将来見出されるポリヌクレオチドも包含させることができる。
[0289] 4. 2 杭体キット
本発明はまた、上記 2節の II群に記載される抗体、その断片またはその化学修飾誘 導体、上記 3. 2節に記載される抗体、その断片またはその化学修飾誘導体のうち 1 つまたは複数を含む腎ガンの存在または腎ガンの転移もしくは予後予測をインビトロ で検出、判定または予測するためのキットを提供する。
[0290] 本発明のキットには、以下に記載するような II群 (f)、(g)および (h)からの抗体、そ の断片またはその化学修飾誘導体プローブを含有させることができる。これらのプロ ーブの各々は単独でまたは組み合わせて適当な容器に収納されうる。
[0291] プローブの糸且み合わせの例は以下のとおりである。
[0292] 第 1の例は、腎ガン予後予測用または腎ガン転移マーカーとしての、 PABPN1、 PI NK1、 TFF2、 EIF3S9、 MAX, MLL4、 CACNB2、 ZMYND11、 BAT2、 NRB P、 MCM3APゝ COL4Al、 MKNK1、 BBC3、 FLJ10359、 DPT、 C10orf76、 DI Al、 PBK、 PRKD2、 KRT19、 FLJ23436、 NPHS2、 C3orfl4、 AGTR2、 HTR
1F、 KIF3B、 DCN、 STK22C、 DKFZp566C0424、 CNR1、 HOMER3、 GPR2 、 FLJ12442、 XLKD1, CASKIN2、 COL5A2、 BRD3、 ATP6V0A4、 PRODH 2、 EPHB2、 LYAR、 COX6B、 PRH1、 LAPTM5、 RPS6KA4、 GCC2、 FGF2、 MMP14および ERBB2遺伝子によってコードされるポリペプチド、それらの同族体、 あるいはそれらの変異体または誘導体を検出するために、これらのポリペプチド、そ の変異体またはその断片に対する抗体を 1または複数、好ましくは 2以上、組み合わ せて含む。
[0293] 具体的には、キットに含まれるプローブは、配列番号 101〜110、 112〜120、 122 〜 147で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、それらの変異体、あるいはそれら の断片の少なくとも 1つと特異的に結合する 1または複数の抗体、その断片、または それらの化学修飾誘導体である。
[0294] このキットには、さらに配列番号 111、 121、 148〜 150で表されるアミノ酸配列を含 むポリペプチドに対する抗体、その断片またはそれらの化学修飾誘導体を含ませる ことができる。併用により、転移の予測または術後予後の予測のための精度を高める ことができる。
[0295] 第 2の例は、腎ガンマ一力一としての、上記 II群 (g)、(h)それぞれに記載される配列 番号 151、 153、 155〜160、配列番号 161〜190で表されるアミノ酸配列を含むポ リペプチドに対する 1または複数の抗体、その断片、またはそれらの化学修飾誘導体 である。
[0296] このキットには、さらに酉己列番号 152、 154、 191、 192〜 197で表されるアミノ酸酉己列 を含むポリペプチドに対する抗体、その断片またはそれらの化学修飾誘導体を含ま せることができる。併用により、腎ガン検出のための精度を高めることができる。
[0297] 本発明のキットに含まれる抗体は、個別にまたは混合物の形態で存在し得るし、ある いは固相担体に結合されていてもよいしまたは遊離の形態でもよい。さらに本発明の キットは、標識二次抗体、担体、洗浄バッファー、試料希釈液、酵素基質、反応停止 液、精製された標準物質としてのマーカー (標的)ポリペプチド、使用説明書、等を含 むことができる。
[0298] 5. DNAチ プ
本発明はさらに、上記の 3節および 4節に記載されるような、本発明の組成物および Zまたはキットに含まれるものと同じたポリヌクレオチド、その変異体、その断片を単 独でまたは組み合わせて、好ましくは組み合わせて、腎ガンの検出または腎ガンの 予後予測もしくは転移予測のための DNAチップを提供する。
[0299] DNAチップの基板としては、 DNAを固相化できるものであれば特に制限はなぐス ライドガラス、シリコン製チップ、ポリマー製チップおよびナイロンメンブレンなどを例示 することができる。またこれらの基板にはポリ Lリジンコートゃァミノ基、カルボキシル基 などの官能基導入などの表面処理がされて 、てもよ 、。
[0300] また固相化法については一般に用いられる方法であれば特に制限はなぐスポッタ 一またはアレイヤーと呼ばれる高密度分注機を用いて DNAをスポットする方法や、ノ ズルより微少な液滴を圧電素子などにより噴射する装置 (インクジェット)を用いて DN Aを基板に吹き付ける方法、または基板上で順次ヌクレオチド合成を行う方法を例示 することができる。高密度分注機を用いる場合には、例えば多数のゥエルを持つプレ ートのおのおののゥエルに異なった遺伝子溶液を入れておき、この溶液をピン (針) で取り上げて基板上に順番にスポットすることによる。インクジェット法では、ノズルより 遺伝子を噴射し,基板上に高速度で遺伝子を整列配置することによる。基板上での DNA合成は、基板上に結合した塩基を光によって脱離する官能基で保護し、マスク を用いることにより特定部位の塩基だけに光を当て、官能基を脱離させる。その後、 塩基を反応液に加えて、基板上の塩基とカップリングさせる工程を繰り返すことによつ て行われる。
[0301] 固相化されうるポリヌクレオチドは、上で説明した本発明の全てのポリヌクレオチドで ある。
[0302] 例えば、そのようなポリヌクレオチドは、以下の 1または複数のポリヌクレオチドまたは その断片を含むことができる。
[0303] (1)配列番号 1〜50で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド群、それらの変異 体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0304] (2)配列番号 1〜50で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド群。
[0305] (3)配列番号 1〜 10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列からなるポリヌクレオチ
ド群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0306] (4)配列番号 1〜 10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド 群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0307] (5)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列 力もなるポリヌクレオチド群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含む それらの断片。
[0308] (6)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な塩基配列を 含むポリヌクレオチド群。
[0309] (7)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列の各々と相補的な塩基 配列からなる DNAとストリンジェントな条件でハイブリダィズするポリヌクレオチド群、 または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0310] (8)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列の各々力 なる DNAと ストリンジェントな条件でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド群、または 15以上の連続 した塩基を含むそれらの断片。
[0311] (9)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列力もなるポリヌクレオチド群、それ らの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0312] (10)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド群、それ らの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0313] (11)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列に相補的な塩基配列力もなる ポリヌクレオチド群、それらの変異体、または 15以上の連続した塩基を含むそれらの 断片。
[0314] (12)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列に相補的な塩基配列を含むポ リヌクレオチド群。
[0315] (13)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列の各々と相補的な塩基配列か らなる DNAとストリンジヱントな条件でハイブリダィズするポリヌクレオチド群、または 1 5以上の連続した塩基を含むそれらの断片。
[0316] (14)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列の各々力 なる DNAとストリンジ ェントな条件でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド群、または 15以上の連続した塩基
を含むそれらの断片。
[0317] (15)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列またはその相補的配 列の各々において、 15以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0318] (16)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列またはその相補的配 列の各々において、 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0319] (17)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列またはその相補的配列の各々 にお 、て、 15以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0320] (18)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列またはその相補的配列の各々 にお 、て、 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0321] (19)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列において、それぞれ配 列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97で表される塩基配列を含み、かつ 60以上の連続 した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0322] (20)配列番号 1〜10、 12〜20、 22〜47で表される塩基配列に相補的な配列にお いて、それぞれ配列番号 51〜60、 62〜70、 72〜97で表される塩基配列に相補的 な配列を含み、かつ 60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0323] (21)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列において、それぞれ配列番号 6
1、 71、 98〜: LOOで表される塩基配列を含み、かつ 60以上の連続した塩基を含むポ リヌクレ才チド。
[0324] (22)配列番号 11、 21、 48〜50で表される塩基配列に相補的な配列において、それ ぞれ配列番号 61、 71、 98〜: LOOで表される塩基配列に相補的な配列を含み、かつ
60以上の連続した塩基を含むポリヌクレオチド。
[0325] 好ましい実施形態によれば、本発明のキットは、配列番号 51〜60、 61、 62〜70、 7
1、 72〜97、 98〜: LOOで表される塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレ ォチドの 2以上力も全部を含むことができる。
[0326] 本発明において、固相化されるポリヌクレオチドは、ゲノム DNA、 cDNA、 RNA、合 成 DNA、合成 RNAのいずれでもよいし、あるいは 1本鎖でもよいしまたは 2本鎖でも よい。
[0327] 標的遺伝子、 RNAまたは cDNAの発現レベルを検出、測定することができる DNA
チップの例としては、 Affymetrix社の Gene Chip Human Genome U133 Plus 2. 0 Array ^ Agilent社の Whole human genome oligo microarray、タカフノィ ォ社の IntelliGene (登録商標) HS Human Expression CHIP,凹凸構造を持つ ポリメチルメタタリレート製 DNAチップ基板 (特開 2004— 264289)などを挙げること ができる。
[0328] DNAマイクロアレイの作製について、例えば予め調製したプローブを固相表面に固 定化する方法を使用することができる。予め調製したポリヌクレオチドプローブを固相 表面に固定ィ匕する方法では、官能基を導入したポリヌクレオチドを合成し、表面処理 した固相担体表面にオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを点着し、共有結合さ せる(例えば、 J. B. Lamtureら、 Nucleic. Acids. Research, 1994年、第 22卷、 p. 2121— 2125、 Z. Guoら、 Nucleic. Acids. Research, 1994年、第 22卷、 p. 5456— 5465)。ポリヌクレオチドは、一般的には、表面処理した固相担体にスぺー サ-やクロスリンカ一を介して共有結合される。ガラス表面にポリアクリルアミドゲルの 微小片を整列させ、そこに合成ポリヌクレオチドを共有結合させる方法も知られてい る ( . : ershovら、 Proceedings of the J ational Academic sciences u . S. A.、 1996年、第 94卷、 p. 4913)。また、シリカマイクロアレイ上に微 /J、電極のァレ ィを作製し、電極上にはストレプトアビジンを含むァガロースの浸透層を設けて反応 部位とし、この部位をプラスに荷電させることでピオチンィ匕ポリクレオチドを固定し、部 位の荷電を制御することで、高速で厳密なノ、イブリダィゼーシヨンを可能にする方法 も知られている (R. G. Sosnowskiら、 Proceedings of the National Academic Sciences U. S. A.、 1997年、第 94卷、 p. 1119—1123)。
[0329] 6.醫ガンの存在の檢出 '判定法および/または醫ガンの予後もしくは転移予測法
本発明は、本発明の組成物、キット、 DNAチップ、またはそれらの糸且み合わせを用 いて、被験者由来の腎ガン細胞生体試料における標的核酸の発現レベルを、予後 不良の腎ガン患者母集団由来の腎ガン細胞における標的核酸の発現レベルおよび Zまたは予後良の患者母集団由来の腎ガン細胞における標的核酸の発現レベルと 比較することによって被験者の予後および Zまたは腎ガンの転移の有無をインビトロ で予測する方法であって、該標的核酸が該組成物、キットまたは DNAチップに含ま
れるポリヌクレオチド、その変異体またはその断片によって検出可能なものであり、か つ被験者由来の該標的核酸の発現レベルが、予後良の腎ガン患者母集団の発現レ ベルおよび zまたは予後不良の患者母集団の発現レベル力 変化が認められる場 合それぞれ、被験者の予後が悪い、または被験者の予後が良いと決定する、ならび に zあるいは腎ガンの転移が有る、または腎ガンの転移が無いと決定する前記方法 を提供する。
[0330] 本発明はまた、本発明の組成物、キットまたは DNAチップの、被験者由来の検体試 料中の転移が予想される腎ガン細胞のインビトロ検出のための使用を提供する。
[0331] 本発明の上記方法において、組成物、キットまたは DNAチップは、上で説明したよう な、本発明のポリヌクレオチド、その変異体またはその断片を単独であるいはあらゆる 可能な組み合わせで含むものが使用される。
[0332] 本発明の腎ガン転移の予測、検出または (遺伝子)診断、および Zまたは腎ガン患 者予後予測において、本発明の組成物、キットまたは DNAチップに含まれるポリヌク レオチド、その変異体またはその断片は、プライマーとしてまたは検出プローブ (探索 子)として用いることができる。プライマーとして用いる場合には、通常 15〜50塩基、 好ましくは 15〜30塩基、より好ましくは 18〜25塩基の塩基長を有するものが例示で きる。また検出プローブとして用いる場合には、例えば 15塩基〜全配列の塩基数、 好ましくは 25〜: LOOO塩基、より好ましくは 25〜: LOO塩基の塩基長を有するものが例 示できる力 この範囲に限定されない。
[0333] 本発明の組成物またはキットに含まれるポリヌクレオチド、その変異体またはその断 片は、ノーザンブロット法、 RT—PCR法、 in situハイブリダィゼーシヨン法、サザン ハイブリダ一ゼーシヨンなどの、特定遺伝子を特異的に検出する公知の方法にぉ ヽ て、定法に従ってプライマーまたはプローブとして利用することができる。測定対象試 料としては、使用する検出方法の種類に応じて、被験者の腎組織または腎ガン細胞 の存在が疑われる生体組織の一部または全部をバイオプシーなどで採取するカゝ、も しくは手術によって摘出した生体組織から回収する。さらにそこから常法に従って調 製した total RNAを用いてもよいし、さらに該 RNAをもとにして調製される、 cDNA、 ポリ A ( + ) RNAを含む各種のポリヌクレオチドを用いてもよ!、。
[0334] あるいは、生体組織における本発明の遺伝子、 RNA、 cDNAなどの核酸の発現量 は、 DNAチップ(DNAマクロアレイを含む)を用いて検出ある!/、は定量することがで きる。この場合、本発明の組成物またはキットは DNAアレイのプローブとして使用す ることができる(例えば、ァフィメトリックス社の Human Genome U133 Plus 2. 0 Arrayでは 25塩基の長さのポリヌクレオチドプローブが用いられる)。かかる DNA アレイを生体組織力ゝら採取した RNAをもとに調製される標識 DNAまたは RNAとハイ ブリダィズさせ、該ノ、イブリダィズによって形成された上記プローブと標識 DNAまた は RNAとの複合体を、該標識 DNAまたは RNAの標識を指標として検出することに より、生体組織中での、本発明による腎ガン転移および Zまたは腎ガン患者予後予 測関連遺伝子の発現の有無、または発現レベル (発現量)を評価することができる。 本発明の方法では、 DN Aチップを好ましく使用できる力 これは、ひとつの生体試料 について同時に複数遺伝子の発現の有無または発現レベルの評価が可能である。
[0335] 本発明の組成物、キットまたは DNAチップは、腎ガン患者予後予測および/または 転移の予測、判定または検出(罹患の有無や罹患の程度の診断)のために有用であ る。具体的には、該組成物、キットまたは DNAチップを使用した腎ガン患者予後予 測および/または転移予測は、被験者の腎ガン細胞の存在する生体組織にっ 、て該 診断用組成物で検出される遺伝子の発現レベルを測定することによって行うことがで きる。この場合、遺伝子発現レベルには、発現の有無だけではなぐ予後良の患者由 来の腎ガン細胞の存在する生体組織と予後不良の患者由来の腎ガン細胞の存在す る生体組織の両者ともに発現がある場合でも、両者間の発現量を比較した時の差が 検定上有意 (P値 < 0. 05)である場合が含まれる。例えば PABPN1遺伝子は予後 不良の患者由来の腎ガンで発現誘導 Z減少を示すので、予後不良の被験者の腎ガ ン糸且織では発現増加 Z減少しており、該発現量と正常糸且織の発現量と比べて検定を 行った時に、その差が有意であれば、被験者について腎ガンの転移が疑われ、また 予後不良と予測される。
[0336] 本発明の組成物、キットまたは DNAチップを利用した腎ガン (細胞)の検出方法は、 被験者の生体組織の一部または全部をバイオプシーなどで採取する力 もしくは手 術によって摘出した生体組織から回収し、そこに含まれる遺伝子を、本発明のポリヌ
クレオチド群力 選ばれた単数または複数のポリヌクレオチド、その変異体またはそ の断片を用いて検出し、その遺伝子発現量を測定することにより、腎ガンの転移の予 測、転移の有無またはその程度を診断すること、および Zまたは腎ガン患者の予後 を予測することを含む。また本発明の腎ガン転移の予測方法は、例えば腎ガン患者 にお 、て、該疾患の改善のために治療薬を投与した場合における該疾患の改善の 有無またはその程度を検出、判定または診断することもできる。
[0337] 本発明の方法は、例えば以下の(a)、 (b)および (c)の工程:
(a)被験者由来の検体試料を、本発明の組成物、キットまたは DNAチップのポリヌク レオチドと接触させる工程、
(b)生体試料中の標的核酸の発現レベルを、上記ポリヌクレオチドをプローブとして 用いて測定する工程、
(c) (b)の結果をもとに、腎ガン患者の予後を予測する工程、および Zまたは、該検 体試料中の転移が予想される腎ガン (細胞)の存在または不存在を判定する工程、 を含むことができる。
[0338] 本発明方法で用いられる生体試料としては、被験者の生体組織、例えば腎組織およ びその周辺組織、腎ガンの転移が疑われる組織など、カゝら調製される試料を挙げる ことができる。具体的には該組織力 調製される RNA含有試料、あるいはそれからさ らに調製されるポリヌクレオチドを含む試料は、被験者の生体組織の一部または全部 をバイオプシーなどで採取する力 もしくは手術によって摘出した生体組織から回収 し、そこから常法に従って調製することができる。
[0339] ここで被験者とは、哺乳動物、例えば非限定的にヒト、サル、マウス、ラットなどを指し 、好ましくはヒトである。
[0340] 本発明の方法は、測定対象として用いる生体試料の種類に応じて工程を変更するこ とがでさる。
[0341] 測定対象物として RNAを利用する場合、腎ガン (細胞)の検出は、例えば下記のェ 程 (a)、 (b)および (c) :
(a)被験者の生体試料カゝら調製された RNAまたはそれから転写された相補的ポリヌ クレオチド(cDNA)を、本発明の糸且成物、キットまたは DNAチップのポリヌクレオチド
と結合させる工程、
(b)該ポリヌクレオチドに結合した生体試料由来の RNAまたは該 RNAから転写され た相補的ポリヌクレオチドを、上記ポリヌクレオチドをプローブとして用いて測定する 工程、
(c)上記 (b)の測定結果に基づいて、予後不良の患者由来の腎ガン (細胞)の存在 または不存在を判定する工程、
を含むことができる。
[0342] 本発明によって転移の有る腎ガン (細胞)を検出、判定または診断するために、例え ば種々のハイブリダィゼーシヨン法を使用することができる。力ようなハイブリダィゼー シヨン法には、例えばノーザンブロット法、サザンブロット法、定量 RT— PCR法、 DN Aチップ解析法、 in situノヽイブリダィゼーシヨン法、サザンハイブリダィゼーシヨン法 、などを使用することができる。
[0343] ノーザンプロット法を利用する場合は、本発明の診断用組成物をプローブとして用い ることによって、 RNA中の各遺伝子発現の有無やその発現レベルを検出、測定する ことができる。具体的には、本発明の診断用組成物湘補鎖)を放射性同位元素 (32P 、 33P、 35sなど)や蛍光物質などで標識し、それを常法にしたがってナイロンメンブレ ンなどにトランスファーした被検者の生体組織由来の RNAとハイブリダィズさせたの ち、形成された診断用組成物(DNA)と RNAとの二重鎖を診断用組成物の標識物( 放射性同位元素または蛍光物質)に由来するシグナルを放射線検出器 (BAS-180 011、富士写真フィルム株式会社、などを例示できる)または蛍光検出器 (STORM8 60、 Amersham Bioscience社、などを例示できる)で検出、測定する方法を例示 することができる。
[0344] 定量 RT— PCR法を利用する場合には、本発明の上記診断用組成物をプライマーと して用いることによって、 RNA中の遺伝子発現の有無やその発現レベルを検出、測 定することができる。具体的には、被検者の生体組織由来の RNAから常法にしたが つて cDNAを調製して、これを铸型として標的の各遺伝子の領域が増幅できるように 、本発明の診断用組成物カゝら調製した 1対のプライマー(上記 cDNAに結合する正 鎖と逆鎖からなる)を cDNAとハイブリダィズさせて常法により PCR法を行い、得られ
た二本鎖 DNAを検出する方法を例示することができる。なお、二本鎖 DNAの検出 法としては、上記 PCRをあら力じめ放射性同位元素や蛍光物質で標識してぉ 、たプ ライマーを用いて行う方法、 PCR産物をァガロースゲルで電気泳動し、ェチジゥムブ ロマイドなどで二本鎖 DNAを染色して検出する方法、産生された二本鎖 DNAを常 法にしたがってナイロンメンブレンなどにトランスファーさせて標識した診断用組成物 をプローブとしてこれとハイブリダィズさせて検出する方法をとることができる。
[0345] DNAアレイ解析を利用する場合は、本発明の上記診断用組成物を DNAプローブ( 一本鎖または二本鎖)として基板に貼り付けた DNAチップを用いる。遺伝子群を基 板に固相化したものには、一般に DNAチップおよび DNAアレイという名称があり、 D NAアレイには DNAマクロアレイと DNAマイクロアレイが包含される力 本明細書で は DNAチップと!/、つた場合、該 DN Aアレイを含むものとする。
[0346] ハイブリダィゼーシヨン条件は、限定されな!、が、例えば 30°C〜50°Cで、 3〜4 X SS C、0. 1〜0. 5% SDS中で 1〜24時間のハイブリダィゼーシヨン、より好ましくは 40 °C〜45°Cで、 3. 4 X SSC、 0. 3%SDS中で 1〜24時間のハイブリダィゼーシヨン、 そしてその後の洗浄を含む。洗浄条件としては、例えば、 2 33じと0. 1%SDSを含 む溶液、および 1 X SSC溶液、 0. 2 X SSC溶液による室温での連続した洗浄などの 条件を挙げることができる。ここで、 1 X SSCは、 150mM塩化ナトリウムおよび 15m Mクェン酸ナトリウムを含む水溶液 (pH7. 2)である。相補鎖は力かる条件で洗浄し ても対象とする正鎖とハイブリダィズ状態を維持するものであることが望まし 、。具体 的にはこのような相補鎖として、対象の正鎖の塩基配列と完全に相補的な関係にあ る塩基配列力 なる鎖、並びに該鎖と少なくとも 80%の相同性を有する塩基配列か らなる鎖を ί列示することができる。
[0347] 本発明の組成物またはキットのポリヌクレオチド断片をプライマーとして PCRを実施 する際のストリンジェントなハイブリダィゼーシヨン条件の例としては、例えば lOmMT ris— HCl (pH8. 3)、 50mMKCL、 l〜2mM MgClなどの組成の PCRバッファ
2
一を用い、当該プライマーの配列から計算された Tm— 5〜10°Cにおいて 15秒から 1分程度処理することなどが挙げられる。カゝかる Tmの計算方法として Tm= 2 X (アデ ニン残基数 +チミン残基数) +4 X (グァニン残基数 +シトシン残基数)などが挙げられる
[0348] これらのハイブリダィゼーシヨンにおける「ストリンジェントな条件」の他の例について は、例えば Sambrook, J. & Russel, D. 著、 Molecular Cloning, A LABOR ATORY MANUALゝ Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001年 1月 15 日発行、の第 1卷 7. 42〜7. 45、第 2卷 8. 9〜8. 17などに記載されており、本発明 において利用できる。
[0349] 本発明はまた、上記 I群および Zまたは II群の 1または複数のプローブ、あるいは本発 明の組成物、キット、 DNAチップ、またはそれらの組み合わせを用いて、被験者由来 の検体試料中の標的核酸または遺伝子の発現量を測定し、予後良の患者由来の腎 ガン組織と予後不良の患者由来の腎ガン組織の遺伝子発現量を教師(訓練サンプ ル)としたサポートベクターマシーン(SVM)を判別式として、腎ガン患者の予後を予 測する方法、ならびに Zあるいは検体試料中に転移が予想される腎ガン細胞が含ま れないことおよび Zまたは含まれることを判定する方法を提供する。
[0350] 本発明の実施形態により、本発明の方法は、本発明の組成物、キット、 DNAチップ、 またはそれらの組み合わせを用いて、予後良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織 または、予後不良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織であることが既知の複数の生 体試料中の標的核酸の発現量 (発現レベルともいう)をインビトロで測定する第 1のェ 程、前記第 1の工程で得られた該標的核酸の発現量の測定値を教師とした判別式( サポートベクターマシーン)を作成する第 2の工程、被験者の生体由来の検体試料 中の該標的核酸の発現量を第 1の工程と同様にインビトロで測定する第 3の工程、前 記第 2の工程で得られた判別式に第 3の工程で得られた該標的酢酸の発現量の測 定値を代入し、該判別式力 得られた結果に基づいて、腎ガン患者の予後を予測す るおよび/または検体試料中に転移が予想される腎ガン細胞が含まれな!/、こと、お よび/または転移が予想される腎ガン細胞が含まれることを判定する、第 4の工程を 含み、ここで、該標的核酸が該組成物、キットまたは DNAチップに含まれるポリヌクレ ォチド、その変異体またはその断片によって検出可能なものである。
[0351] あるいは、本発明の方法は、例えば下記の工程 (a)、 (b)および (c) :
(a)予後良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織または予後不良の患者由来の腎ガ
ン細胞を含む組織であることが既知の生体試料中の標的遺伝子の発現量を、本発 明による診断 (検出)用組成物、キットまたは DNAチップを用いて測定する工程、
(b) (a)で測定された発現量の測定値を、下記の数 1〜数 5の式に代入して、 SVMと 呼ばれる判別式を作成する工程、
(c)被験者由来の検体試料中の該標的遺伝子の発現量を、本発明による診断 (検出 )用組成物、キットまたは DNAチップを用いて測定し、(b)で作成した判別式にそれ らを代入して、得られた結果に基づいて腎ガン患者の予後を予測する、および Zま たは該検体試料中に転移がある腎ガン細胞が含まれるかどうか、を判定する工程、 を含むことができる。
[0352] SVMとは 2クラスの分類問題を解くためにつくられた 1995年に AT&Tの V. Vapni 丄、 he Nature of Statistical Leaning Theory、 Springer、 1995年発丁) によって統計的学習理論の枠組みで提案された学習機械である。 SVMは線形の識 別器である力 後述するカーネルを組み合わせることによって非線形問題を扱うこと ができる。異なるクラスの訓練サンプルについて、それらを識別する多数の超平面の うち、その超平面と訓練サンプルとの最小距離が最大となる超平面を識別面とするこ とにより、新たに与えられるテストサンプルがどのクラスに属するかを最も正確に識別 することができる。
[0353] SVMでは線形問題のみし力扱うことができな 、が、本質的に非線形な問題に対応 するための方法として、特徴ベクトルを高次元へ非線形変換し、その空間で線形の 識別を行う方法が知られている。こうすれば、元の空間で非線形モデルを用いている のと等価となる。し力 高次元への写像を行うと膨大な計算量が必要となり、汎化能 力も減少する。 SVMでは識別関数が入力パターンの内積のみに依存した形になつ ており、内積が計算できれば最適な識別関数を構成することが可能である。非線形 に写像した空間での二つの要素の内積がそれぞれのもとの空間での入力のみで表 現されるような式のことをカーネルと呼び、高次元に写像しながら、実際には写像され た空間での特徴の計算を避けてカーネルの計算のみで最適な識別関数、すなわち 判別式を構成することができる (「統計科学のフロンティア 6 ノターン認識と学習の統 計学」 p. 107-138、麻生英榭、津田宏治、村田昇著、岩波書店、東京、日本国、 2003
年 4月 11日発行)。
[0354] 本発明の方法で使用可能な判別式の算出例を以下に示す。
[0355] SVMを決めるためには予後良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織または予後不 良の患者由来の腎ガン組織であることが既知の生体試料中の標的遺伝子の発現量 を教師(訓練サンプル)として用意し、以下の手順によって識別関数の定数を決定す ることがでさる。
[0356] 訓練サンプル x;は(+、 -)でクラス分けされる、予後良の患者由来の腎ガン細胞を含 む組織または予後不良の患者由来の腎ガン組織のいずれかに属しているとする。こ れらの訓練サンプルが超平面によって線形分離できるとき、識別関数は例えば次式 となる。
[0357] (ここで、 Wは重み係数、 bはバイアス定数、 Xはサンプルの変数を表す。 )
ただし、この関数には制約条件:
[数 2] 少'〖(i r, + δ)≥1 - ί,
, ≥ 0, '· = 1, · · ·,"
[0358] (ここで、 Τは内積、 yはサンプルのクラス、 ζはスラック変数を表す。 )
があるため、 Lagurangeの未定乗数法を用いることにより Lagurange乗数 oを用い た以下の最適化問題に帰着する。
[数 3]
[数 4]
0≤α,≤0, ^ ,γ, = 0
[0360] (ここで、 Cは実験により決定される制限条件パラメーターを表す。 )
この問題を解くと最終的に、
[数 5]
h — (wrx^ +wTxs)
[0361] が得られ、識別関数を一義的に得ることができる。この関数に新たに与えられる検体 試料 (転移がある腎ガン細胞を含むかどうか未知の組織の発現遺伝子量)につ ヽて の Xを代入することによって、 f (x)をクラス分け (すなわち、 +または一)することができ 、検体試料がどちらのクラス (すなわち、予後良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織 群または予後不良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織群)に属するかを識別する。
[0362] 以上に示すように、未知試料のクラス分けを行うための SVMによる判定式の作成に は 2群の教師(訓練サンプル)が必要となる。この訓練サンプルは例えば今回の発明 の場合、「予後良の患者由来の腎ガン患者由来の腎ガン組織力 得られた発現遺伝 子 (遺伝子 x , x , . . x , . . . x;)」の各患者に対応したセット、および「予後不良の 患者由来の腎ガン患者由来の腎ガン組織力 得られた発現遺伝子 (遺伝子 X , X
1 2
, . . X, . . . X;)」の各患者に対応したセット、の 2群である。これらのセットについて それぞれ測定される発現遺伝子数 (n)は実験のデザインによって様々ではあるが、 個々の遺伝子については、どのような実験においても 2群間で大きく差がある場合と 、比較的差が少ない、あるいは差がない場合が観察される。 SVMによる判別式の精 度を上げるためには、訓練サンプルとなる 2群に、明確な差があることが条件となるた め、遺伝子セットの中から 2群間で発現量に差がある遺伝子のみを抽出して利用する ことが必要である。
[0363] このように、 2群間で差がある遺伝子を抽出する方法としては、平均値の差を検出す るパラメトリック解析である t—検定、ノンパラメトリック解析である Mann— Whitneyの U検定などを利用できる。または生存分析法を利用する方法として、 Kaplan— Meie
r法による生存曲線のプロットを Log— rank検定や Wilcoxon検定で解析する方法な どがある。また生存曲線を回帰モデルとして取り扱い、 Cox比例ハザードモデルで解 析する方法は、ある変数が生存に関係して 、るかどうかを推測するために特に有用 である。すなわち Cox比例ハザードモデルは、あるカテゴリーで分割した患者群につ いて Kaplan— Meier法によりプロットした複数の生存曲線に対して、様々な変数が どれだけよく回帰モデルを説明するかを示すものである。
[0364] また本発明の方法において、例えば、上に記載したような配列番号 1〜10、 12〜20 、 22〜47に基づく 1または複数の上記ポリヌクレオチドおよび上に記載したような配 列番号 11、 21、 48〜50に基づく 1または複数のポリヌクレオチドからの任意の組み 合わせを用いて、かつ上記の 50種の標的遺伝子の発現量がすべて有意に予後良 の患者由来の腎ガン細胞を含む組織と予後不良の患者由来の腎ガン細胞を含む組 織間で異なり、予後不良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織において発現が変動 していることを指標にして、これら 50種の遺伝子について発現量を測定することによ り、腎ガン患者の予後予測、および Zまたは腎ガンの転移の見分けを 85%以上、 89 %以上、 90%以上、好ましくは 92%以上、より好ましくは 93%以上、さらに好ましくは 94%以上の確率で行うことができる(図 2)。
[0365] 本発明はさらに、上記 50種の遺伝子 (すなわち、配列番号 1〜50に相当する)また はその断片(例えば、配列番号 51〜: L00に相当する)によってコードされるポリぺプ チド、例えば配列番号 101〜150で表されるアミノ酸配列力もなるポリペプチド、に対 する 1または複数の抗体またはその断片を用いて、予後良の患者由来の腎ガン細胞 を含む組織と予後不良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織間での該ポリペプチド の発現量、あるいは血液中の該ポリペプチドのレベルほたは存在量)、をインビトロで 測定することを含む、腎ガンの予後を予測する、あるいは腎ガンの転移を検出、判定 または予測する方法を提供する。
[0366] 本発明はまた、上記のさらに 47種のポリペプチド(すなわち、配列番号 151〜160、 191、配列番号 161〜190、 192〜197に相当する)またはその断片によってコード されるポリペプチドに対する 1または複数、例えば 2以上、 3以上、 5以上から全部、の 抗体またはその断片を用いて、腎ガン組織と非ガン組織間での該ポリペプチドの発
現量、あるいは血液中の該ポリペプチドのレベル (または存在量)、をインビトロで測定 することを含む、腎ガンの検出、判定または予測する方法を提供する。
[0367] 具体的には、上記の測定は、免疫学的方法によって行うことができる。
[0368] 免疫学的測定法として例えば、酵素免疫測定法 (ELISA、 EIA)、蛍光免疫測定法 、放射免疫測定法 (RIA)、発光免疫測定法、免疫比濁法、ラテックス凝集反応、ラテ ックス比濁法、赤血球凝集反応、粒子凝集反応またはウェスタンプロット法が挙げら れる。
[0369] 上記の方法において、標識を用いた免疫測定法により実施する場合には、本発明の 抗体を固相化するか、または試料中の成分を固相化して、それらの免疫学的反応を 行うことができる。
[0370] 固相担体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビュルトルエン、ポリプロピレ ン、ポリエチレン、ポリ塩化ビュル、ナイロン、ポリメタタリレート、ラテックス、ゼラチン、 ァガロース、セルロース、セファロース、ガラス、金属、セラミックスまたは磁性体等の 材質よりなるビーズ、マイクロプレート、試験管、スティックまたは試験片 (テストストリツ プ)等の形状の不溶性担体を用いることができる。
[0371] 固相化は、固相担体と本発明の抗体または試料成分とを物理的吸着法、化学的結 合法またはこれらの併用等の公知の方法に従って結合させることにより行うことができ る。
[0372] さらにまた、本発明においては、本発明の抗体と、試料中の標的ポリペプチドとの反 応を容易に検出するために、本発明の抗体を標識することにより該反応を直接検出 するか、または標識二次抗体を用いることにより間接的に検出する。本発明の検出方 法においては、感度の点で、後者の間接的検出(例えばサンドイッチ法など)を利 用することが好ましい。
[0373] 標識物質としては、酵素免疫測定法の場合には、ペルォキシダーゼ (POD)、アル力 リホスファターゼ、 13 ガラクトシダーゼ、ゥレアーゼ、カタラーゼ、グノレコースォキシ ダーゼ、乳酸脱水素酵素、アミラーゼまたはピオチン アビジン複合体等を、蛍光免 疫測定法の場合には、フルォレセインイソチオシァネート、テトラメチルローダミンイソ チオシァネート、置換ローダミンイソチオシァネート、ジクロロトリアジンイソチオシァネ
ート、 Alexaまたは AlexaFluoro等の蛍光物質もしくは蛍光団を、そして放射免疫測 定法の場合にはトリチウム、ヨウ素 (131ι, 125ι, 123ι, 121ι)、リン (32P, 33P)、ィォゥ (35s)
、金属類 (例えば68 Ga, 67Ga, 68Ge, 54Mn, "Mo, "TC, 133Xeなど)等の放射性同 位元素を用いることができる。また、発光免疫測定法は、 NADH―、 FMNH2—、ル シフェラーゼ系、ルミノール 過酸化水素 POD系、アタリジ-ゥムエステル系また はジォキセタンィ匕合物系等を用いることができる。
[0374] また、必要に応じて、アビジン一ピオチン系またはストレプトアビジン一ピオチン系 を利用することも可能であり、この場合、本発明の抗体またはその断片に例えばピオ チンを結合することもできる。
[0375] 標識物質と抗体との結合法は、酵素免疫測定法の場合にはダルタルアルデヒド法、 マレイミド法、ピリジルジスルフイド法または過ヨウ素酸法等の公知の方法を、放射免 疫測定法の場合にはクロラミン T法、ボルトンノヽンター法等の公知の方法を用いること ができる。測定の操作法は、公知の方法(Current protocols in Protein Scie nces、 1995年、 John Wiley & Sons Inc.、 Current protocols in Immu nology、 2001年、 John Wiley & Sons Inc. )により行うことができる。例えば、 本発明の抗体を直接標識する場合には、試料中の成分を固相化し、標識した本発 明の抗体と接触させて、マーカーポリペプチドと本発明の抗体との複合体を形成させ る。そして未結合の標識抗体を洗浄分離して、結合標識抗体量または未結合標識抗 体量より試料中の標的ポリペプチドの量を測定することができる。
[0376] また、例えば標識二次抗体を用いる場合には、本発明の抗体と試料とを反応させ (一 次反応)、さらに標識二次抗体を反応させる(二次反応)。一次反応と二次反応は逆 の順序で行ってもよいし、同時に行ってもよいし、または時間をずらして行ってもよい 。一次反応および二次反応により、固相化した標的ポリペプチド一本発明の抗体 標識二次抗体の複合体、または固相化した本発明の抗体 標的ポリペプチドー標 識二次抗体の複合体が形成する。そして未結合の標識二次抗体を洗浄分離して、 結合標識二次抗体量または未結合標識二次抗体量より試料中の標的ポリペプチド の量を測定することができる。
[0377] 具体的には、酵素免疫測定法の場合は標識酵素にその至適条件下で基質を反応さ
せ、その反応生成物の量を光学的方法等により測定する。蛍光免疫測定法の場合 には蛍光物質標識による蛍光強度を、放射免疫定法の場合には放射性物質標識に よる放射能量を測定する。発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を測 定する。
[0378] 本発明の方法では、免疫比濁法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝 集反応または粒子凝集反応等の免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱 光を光学的方法により測るか、目視的に測る測定法により実施する場合には、溶媒と してリン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液またはグッド緩衝液等を用いることが でき、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を反応系 に含ませてもよい。
[0379] 上記抗体または断片は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、合成抗体、組換 え抗体、多重特異性抗体 (二重特異性抗体を含む)、単鎖抗体、 Fab断片、 F (ab' )
2 断片などを含む。ポリクローナル抗体は、精製ポリペプチドを結合した親和性カラム に結合させることを含む、いわゆる吸収法によって、特異的抗体として調製することが できる。
[0380] 測定は、慣用の酵素または蛍光団で標識した抗体または断片と、組織切片またはホ モゲナイズした組織あるいは体液 (例えば血液、血清、血漿、尿など)とを接触させる 工程、抗原 抗体複合体を定性的にまたは定量的に測定する工程を含むことができ る。検出は、例えば免疫電顕により標的ポリペプチドの存在とレベルを測定する方法 、 ELISAや蛍光抗体法などの慣用法によって標的ポリペプチドのレベルを測定する 方法などによって行うことができ、これによつて、腎ガンを検出することができるだけで なぐ予後良の患者由来の腎ガン細胞を含む組織または予後不良の患者由来の腎 ガン組織にぉ 、て標的ポリペプチドの発現量が減少して!/、る場合、ある 、は血液中 の該ポリペプチドのレベルが予後良の患者由来の腎ガンに罹患した被験者と比べて 予後不良の患者由来の腎ガンに罹患した被験者において有意に変動している場合 、予後不良、および Zまたは腎ガンの転移があると決定することができる。言い換え れば、前記ポリペプチドの発現量またはレベル力 正常値と比較して有意に変化して いる場合、腎ガンであると診断する、あるいは、予後不良および Zまたは転移のある
腎ガンであると決定する。ここで、有意にとは、統計学的に有意であることを意味する 実施例
[0381] 本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明する。しかし、本発明の範囲は、 この実施例によって制限されないものとする。
[0382] <実施例 1 >
( 1 )実験者の臨床病理学的所見
インフォームドコンセントを得た 31名の日本人の腎ガン患者から、腎ガン摘出手術時 に組織を得た。摘出された組織片につ!ヽて肉眼的および Zまたは病理組織学的に 腎ガン組織であることを判断してただちに凍結し、液体窒素中で保存した。
[0383] (2) totalRNA抽出と cDNAの調製
試料として腎ガン患者の腎組織における腎ガン病変部の組織を用いた。それぞれの 組織力、ら、 Trizol reagent (Invitrogen社)を用いて、同社推奨のプロトコールにより totalRNAを調製した。
[0384] 上述の方法で得られた totalRNA 1 μ gにつ!/、て、 oligo (dT)プライマーおよびラン ダムノナマーを併用し、 CyScribe First-Strand cDNA Labeling Kit (GEヘルス ケア社、 日本国)を用いてメーカー推奨のプロトコールで逆転写反応を行った。腎ガ ン組織由来の totalRNAには Cy3— dUTP (GEヘルスケア社)を、リファレンス total RNA(Stratagene社)には Cy5— dUTP (GEヘルスケア社)を添カロして、メーカー 推奨のプロトコールで逆転写反応時に cDNAの標識を行った。標識された cDNAは QIA quick PCR purification Kit (QIAGEN社)で精製してからハイブリダィズに 用いた。
[0385] (3)オリゴ DNAマイクロアレイの作製
オリゴ DNAマイクロアレイとしては Affymetrix社 GeneChip™ (Human Genome U133 A)および本明細書中で述べる方法に従って作製した DNAチップを使用した
[0386] DNAチップの作製方法を以下に示す。最初に搭載するオリゴ DNAの種類を決定す るために、 Affymetrix社 GeneChip™を用いて遺伝子の絞込みを行った。 GeneC
hip の操作については、 Complete GeneChip Instrument Systemなどの同 社の定める手順に基づいて実施した。 Complete GeneChip™を用いた解析の結 果、腎ガンによって発現変動が起こる可能性がある遺伝子および実験対照となりうる 遺伝子を計 8961種抽出した。
[0387] 抽出した 8961種の遺伝子について、配列の重複をおこさないように配列特異性が 高!、部位の配列 60〜70残基をそれぞれ選択して合成した。 4倍に希釈した Solutio n I (タカラバイオ社、 日本国)に 30 μ Μとなるように溶解した、配列番号 21〜40のォ リゴ DNAを含む、 8961種の 60または 70merからなる合成オリゴ DNAを、 MATSU NAMI'DNAマイクロアレイ用コートグラス DMSO対応 Typelァミノ修飾オリゴ DN A固定コート(松浪硝子工業株式会社、 日本国)上にスポッター(GMS417arrayer , Affymetrix社)を用いて湿度環境 50〜60%でスポットした。
[0388] (4)ハイブリダィゼーシヨン
標識した cDNA 1 μ gをアンチセンスオリゴカクテル(QIAGEN社)に溶解し、 Gap力 バーグラス (松浪硝子工業社)を載せた DNAチップにアプライし、 42°Cで 16時間ハ イブリダィズを行った。ハイブリダィズ終了後、 DNAチップを 2 X SSCZ0. 1%SDS 、 1 X SSC、 0. 2 X SSCで j噴次洗净した。
[0389] (5)遺伝子発現量の測定
上述の方法によりハイブリダィゼーシヨンを行った DNAチップを Agilentマイクロアレ ィスキャナー (Agilent社)を用いてスキャンし、画像を取得して蛍光強度を数値ィ匕し た。統 3十'子的処理は Speed T.著「Statistical analysis of gene expression mic roarray dataj Chapman & Hall/CRC、および Causton H. C.ら著「A beginner ' s guide Microarray gene expression data analysisj Blackwell publishingを 参考にして行った。すなわちハイブリダィズ後の画像解析力も得られたデータにつ!ヽ て、それぞれの対数値をとり、 global normalizationをと LOWESS (locally weigh ted scatterplot smoother)による平滑化を行い、 MADによるスケーリング処理に よって数値補正を行った。
[0390] (6)予測スコアリングシステム
ここで全例の患者にっ 、て種々の臨床情報を検討して生存分析を行 ヽ、臨床情報
の違いによる生存年数の差がみられるかどうかについて検討した。そのひとつの例と して、手術時に腎臓以外への転移が診断された患者群と転移が診断されなカゝつた患 者群に分割し、それぞれの群について生存分析を行い、 Kaplan— Meier法によつ てグラフ化を行った (図 1)。このとき、手術時に腎臓以外への転移が診断された患者 群と転移が診断されな力つた患者群では、生存曲線に Log— rank法による検定で有 意な差 (p< 0. 05)が見られた。このことは両患者群の予後が異なり、転移が診断さ れた患者では予後が比較的悪ぐ診断されな力つた患者では予後が良いことを示す 。そこでさらに Cox比例ハザードモデル法により、各発現遺伝子について転移の有 無で区分けした患者群の予後、すなわち生存曲線のモデルへの影響を検討し、遺 伝子発現量と生存曲線の適合度の有意性を検討した。この結果、術後の生存曲線 を指標として、生存に有意に有利な発現遺伝子 321種、不利な発現遺伝子 164種を 得ることができた (上記表 1)。そこでこれらの遺伝子を利用して、腎ガン患者の予後、 および Zまたは腎ガンの転移の有無を検出できる。
[0391] これらの遺伝子を用いて、 Genomic Profiler (三井情報開発、 日本国)に搭載した SVMを用いる判別式を作成した。この判別式によって、全 31例のデータについてデ ータの予測を行った。すべての検体を対象として解析を行い、手術後 5年の時点での 生存を指標として、予後良の患者由来の腎ガン病変部と予後不良の患者由来の腎 ガン病変部の比較で、生存に有利に寄与すると考えられる上位の発現遺伝子データ を用いて解析した場合、配列番号 1〜19および 48のポリヌクレオチドを用いて測定し た遺伝子発現を検討することにより、 96%以上の確率で予後良の患者を予測した( 図 2)。
[0392] また一方で、すべての検体を対象として解析を行い、手術後 5年の時点での生存を 指標として、予後良の患者由来の腎ガン病変部と予後不良の患者由来の腎ガン病 変部の比較で、生存に不利に寄与すると考えられる上位の発現遺伝子データを用い て解析した場合、配列番号 20〜47、 49および 50のポリヌクレオチドを用いて測定し た遺伝子発現を検討することにより、 87%以上の確率で予後不良の患者を予測した (図 2)。
[0393] なお、上で使用したプローブ以外の本発明の他のプローブもまた、腎ガン患者の予
後の予測のために同様に使用可能である。
[0394] 上記の予後の判定においては、これら 2つの、予後良の患者由来の腎ガン組織を識 別する SVMと予後不良の患者由来の腎ガン組織を識別する SVMを同時に 1つの 被検組織の遺伝子発現量に対してあてはめ、解析を行うことができた。
[0395] その結果、ある被検組織について 2つの識別式が同時に予後良の患者由来の腎ガ ン組織あるという結果をもたらした場合、または 2つの識別式が同時に予後不良の患 者由来の腎ガン組織であると 、う結果をもたらした場合、それぞれの診断の確度は 従来の 1つの識別式によって診断する方法よりも有意に高いという結果を得た。
[0396] <実施例 2>
(1)健常人および腎ガン患者血漿のタンパク質同定
日本人の 50〜70歳代の腎ガン患者 5名より、腎ガン摘出手術前、および腎ガン摘 出手術 1ヶ月後の健常状態にぉ ヽて EDTA添加の血漿成分をそれぞれ得た。
[0397] 血漿をポアサイズ 0. 22 μ mのフィルターでろ過して夾雑物質を取り除き、タンパク 質濃度 50mgZmLとなるように調整した。この血漿をさらに 25mM重炭酸アンモ-ゥ ム溶液 (pH8. 0) 12. 5mgZmLに希釈し、中空糸フィルター(東レ、 日本国)によつ て分子量分画を行った。分画後の血漿サンプル (全量 1. 8mL、最大 250 /z gのタン パク質を含む)を ProteomeLab (登録商標) PF2D System (Beckman Coulter 社)逆相クロマトグラフィーで 7分画に分離し、凍結乾燥後、 100 しの25111\1重炭酸 アンモ-ゥム溶液(pH8. 0)に再溶解した。このサンプルをタンパク質の 50分の 1量 のトリプシンで 37°C、 2〜3時間消化し、ペプチド化した。各分画のペプチドをさらに イオン交換カラム (KYAテクノロジーズ、 日本国)によって 4分画ィ匕した。
[0398] その各々の分画を、逆相カラム (KYAテクノロジーズ)でさらに分画し、溶出されてき たペプチドについて、オンラインで連結された質量分析計 Q— TOF Ultima (Micr omass社)を用いて、サーベイスキャンモードで測定した。その測定データを、タンパ ク質同定ソフトウエアである MASCOT (Matrix Science)を用 、て解析することに より、網羅的にタンパク質同定を行った。その結果、手術前、手術後いずれの血漿成 分からも、 MASCOTスコア 40以上(同定ペプチド数 2個以上)の約 3500種類のタン ノ ク質が同定された。
[0399] (2)腎ガン患者の腎ガン摘出手術前および手術後の血漿のタンパク質発現比較 上記実施例 2 (1)で同定された血漿タンパク質について、腎ガン摘出手術前および 手術後間で比較を行った。手術後に発現が検出されず、手術前に 6名中 4名以上で 発現が検出されたタンパク質を見出した。これらのタンパク質は、上記表 2に示した配 列番号 151 160 191で表されるポリペプチドであり、所謂腎ガンマ一力一として 腎ガンの検出において有用であることが判明した。各患者においての発現頻度を表 2に示した。腎ガン摘出手術を受ける前の患者において発現(+で示す)が 6名中 4 名以上で検出されて 、る(表 4)
[0400] したがって、上記のポリペプチドの少なくとも 1つを、例えばその特異抗体を用いて、 該ポリペプチドの存在または量について、測定することによって、腎ガンを検出するこ とがでさる。
4]
〈実施例 3>
(1)健常人および腎ガン患者血漿のタンパク質同定
日本人の 50 70歳代の腎ガン患者 7名より、腎ガン摘出手術前、および腎ガン摘 出手術 1ヶ月後の健常状態にぉ ヽて EDTA添加の血漿成分をそれぞれ得た。
[0402] 血漿をポアサイズ 0. 22 μ mのフィルターでろ過して夾雑物質を取り除き、タンパク 質濃度 50mgZmLとなるように調整した。この血漿をさらに 25mM重炭酸アンモ-ゥ ム溶液 (pH8. 0) 12. 5mgZmLに希釈し、中空糸フィルター(東レ、 日本国)によつ て分子量分画を行った。分画後の血漿サンプル (全量 1. 8mL、最大 250 /z gのタン パク質を含む)を ProteomeLab (登録商標) PF2D System (Beckman Coulter 社)逆相クロマトグラフィーで 7分画に分離し、凍結乾燥後、 100 iu Lの25mM重炭酸 アンモ-ゥム溶液(pH8. 0)に再溶解した。このサンプルをタンパク質の 50分の 1量 のトリプシンで 37°C、 2〜3時間消化し、ペプチド化した。各分画のペプチドをさらに イオン交換カラム (KYAテクノロジーズ、 日本国)によって 4分画ィ匕した。
[0403] その各々の分画を、逆相カラム (KYAテクノロジーズ)でさらに分画し、溶出されてき たペプチドについて、オンラインで連結された質量分析計 Q— TOF Ultima (Micr omass社)を用いて、サーベイスキャンモードで測定した。その測定データを、タンパ ク質同定ソフトウエアである MASCOT (Matrix Science)を用 、て解析することに より、網羅的にタンパク質同定を行った。その結果、手術前、手術後いずれの血漿成 分からも、 MASCOTスコア 40以上(同定ペプチド数 2個以上)の約 3500種類のタン ノ ク質が同定された。
[0404] (2)腎ガン患者の腎ガン摘出手術前および手術後の血漿のタンパク質発現比較 上記実施例 3 (1)で同定された血漿タンパク質について、腎ガン摘出手術前および 手術後間で比較を行った。手術後に発現が検出されず、手術前に 7名中 3名以上で 発現が検出されたタンパク質を見出した。これらのタンパク質は、上記表 1に示した配 列番号 161〜182、 192、 193で表されるポリペプチドであり、所謂腎ガンマ一力一と して腎ガンの検出において有用であることが判明した。各患者においての発現頻度 を表 5に示した。腎ガン摘出手術を受ける前の患者において、上記タンパク質の発現 (+で示す)が 7名中 3名以上で検出された。
[0405] したがって、上記のポリペプチドの少なくとも 1つ、好ましくは少なくとも 3〜5つ、を、 例えばその特異抗体を用いて、該ポリペプチドの存在または量について、測定するこ とによって、腎ガンを検出することができる。
[表 5]
(3)腎ガン患者の腎ガン摘出手術前および手術後の血漿のタンパク質発現比較 上記(1)で同定された血漿タンパク質について、 7名の患者個別に腎ガン摘出手術 前および手術後間で比較を行った。各個人において手術後に発現が検出されず、 手術前に発現が検出された、同一人比較における腎ガン特異的タンパク質が見出さ れた。このうち、 7名の患者中 5名において共通に見出されたタンパク質を表 6に示す 。これらのタンパク質は、上記表 6に示した配列番号 183〜190、 194〜197で表さ れるポリペプチドであり、所謂腎ガンマ一力一として腎ガンの検出において有用であ
ることが判明した。
[表 6]
産業上の利用可能性
本発明により、特異性、感受性に優れた腎ガンの検出'診断、転移予測および Zまた は腎ガン患者予後予測のための糸且成物、キット、 DNAチップ、および方法を提供す ることができるため、特に製薬および医薬産業において有用である。