WO2007026687A1 - 積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置 - Google Patents

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Masahiro Inagaki
Shigenobu Nakamura
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Abstract

 抗折強度および絶縁性が高く、優れた変位性能を有する積層型圧電素子及びこれを備えた噴射装置を提供する。  その積層型圧電素子は、複数の圧電体層1が内部電極層2を介して積層されてなる積層体4を有する積層型圧電素子であって、積層方向に隣り合う2つの圧電体層1,1間に位置し、かつ、前記内部電極層2の側端部2aと前記積層体4の側面4aとの間に位置する周縁部31の少なくとも一部は、金属領域3が空隙21を介して複数点在した点在部である。

Description

明 細 書
積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置
技術分野
[0001] 本発明は、積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置に関し、より詳しくは、例え ば自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等 の精密位置決め装置、振動防止装置等に搭載される駆動素子、燃焼圧センサ、ノッ クセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ョーレートセンサ 等に搭載されるセンサ素子、圧電ジャイロ、圧電スィッチ、圧電トランス、圧電ブレー カー等に搭載される回路素子などに用いられる積層型圧電素子及び噴射装置に関 する。
背景技術
[0002] 従来より、複数の圧電体層が内部電極層(金属層)を介して積層された積層体を有 する積層型圧電素子を用いたものとしては、圧電ァクチユエータが知られている。こ の圧電ァクチユエータは、同時焼成タイプと、 1つの圧電磁器からなる圧電体層と板 状体の内部電極層を交互に積層したスタックタイプの 2種類に分類されている。低電 圧化、製造コスト低減、及び薄層化の点で有利であることと、耐久性の点で有利であ ることなどから、同時焼成タイプの圧電ァクチユエータが優位性を示しつつある。
[0003] 図 13Aは、従来の積層型圧電素子を示す斜視図である。この積層型圧電素子は、 積層体 110と、互いに対向する側面に形成された一対の外部電極 104とから構成さ れている。積層体 110は、複数の圧電体層 101が内部電極層 102を介して積層され たものである。複数の内部電極層 102は、積層体 110の互いに対向する側面に交互 に露出するように積層されている。そして、一対の外部電極 104が積層体 110の対 向する側面にそれぞれ形成され、内部電極層 102を一層おきに接続している。一般 に、外部電極 104は、銀等の導電材とガラスを含む導電性ペーストを積層体 110の 側面に塗布し、焼き付けを行うことによって形成されている(例えば、特許文献 1 :特 開 2000— 332312号公報、特許文献 2:特開 2000— 31558号公報、特許文献 3 : 特開 2005— 174974号公報)。積層体 110の積層方向における両端面には不活性 層 109が積層されている。
[0004] 図 13Bは、上記の積層型圧電素子における圧電体層 101と内部電極層 102の積 層状態を説明するための部分断面図である。図 13A、図 13Bに示すように、この積 層型圧電素子では、複数の内部電極層 102は、圧電体層 101の主面全体には形成 されておらず、圧電体層 101の主面の面積よりも内部電極層 102の面積が小さい構 造、いわゆる部分電極構造となっている。積層方向に隣り合う 2つの圧電体層 101, 101間には、内部電極層 102と、該内部電極層 102の側端部 102aと積層体 110の 側面 110aとの間の周縁部(内部電極非形成部位) 111とが存在する。
[0005] 図 14は、上記積層型圧電素子における積層体の側面と外部電極との接合部分を より詳細に示す部分拡大断面図である。図 14に示すように、積層体 110は、それを 構成する圧電体層 101 (101 , 101 , · · · , 101 (n≥ 2) )と内部電極層 102 (102
1 2 n- 1
, 102 , · · · , 102 , 102 (n≥ 2) )とが交互に積層されてなる。この積層体 110
1 2 n- 1 n
では、例えば圧電体層 101の主面上に内部電極層 102を形成していない周縁部 11 1 ( · · · , 111 , · · · , 111 , · · · (2≤m≤n— 3) )が設けられており、この周縁部 1 m m + 2
11がー対の外部電極 104に交互に隣接するように配置されている。これにより、内部 電極層 102がー層おきに積層体 110の異なる側面に露出され、積層体 110の相対 する側面に形成された一対の外部電極 104にそれぞれ一層おきに接続されている。
[0006] この積層型圧電素子を圧電ァクチユエータとして使用する場合には、半田を用いて 外部電極 104にさらにリード線 106が固定され、このリード線 106を通じて一対の外 部電極 104間に所定の電位がかけられる。これにより、積層型圧電素子が駆動する。 特に、近年においては、積層型圧電素子は、小型化されるとともに、大きな圧力下に おいて大きな変位量を確保するように要求されている。このため、より高い電界が印 加され、長時間連続駆動できることが求められている。
[0007] し力 ながら、従来の積層型圧電素子では、前述のように内部電極層 102が部分 電極構造になっているので、外部電極 104, 104に電圧を印加すると、圧電体層 10 1の上下に位置する 2枚の内部電極層 102に挟まれた部分、すなわち一方の内部電 極層 102を他方の内部電極層 102に対して積層方向に投影したときに重なり合う領 域のみが変位する(変位部)。一方、圧電体層 101のうち、図 13B,図 14に示すよう に内部電極層 102が形成されてレ、なレ、部分 (周縁部 111に接する部分)では、圧電 体層 101は変位しなレ、(非変位部)。例えば内部電極層 102 の周縁部 111 の積層 方向両側の圧電体層 101 , 101 は同極の内部電極層 102 , 102 で挟ま れることになる。したがって、周縁部 111 に対する積層方向両側の圧電体層 101
, 101 には電界が加わらないので、当該部分は変位しなレ、。し力も、周縁部 111 においては積層方向に隣り合う 2つ圧電体層 101 , 101 が互いに強固に接合さ れているので、この周縁部 111 が積層体全体の変位を拘束することになつて素子の 変位量が小さくなるという問題がある。周縁部 111 などの他の周縁部についても 上記と同様の問題がある。一方で、この周縁部 111は、内部電極層 102を一対の外 部電極 104に交互に接続させるために絶縁性を確保する役割と、内部電極層 102を 介さずに圧電体層 101同士を直接接合して積層型圧電素子の抗折強度を高める役 割を果たしている。
特許文献 1 :特開 2000— 332312号公報
特許文献 2 :特開 2000— 31558号公報
特許文献 3:特開 2005— 174974号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 上記したように、近年、小型の積層型圧電素子で大きな変位量を確保するという要 求が強まっているため、圧電体層および内部電極層の積層数を増やしたり、より高い 電界を印加して変位量を確保するという対策がとられている。
ところが、従来の積層型圧電素子の構造では、内部電極層が形成されていない周 縁部が存在するので、この部分の圧電体層は外部電極に電圧を印加しても変位せ ず、力えって変位部の動き(変位)を拘束するように作用する。一方で、周縁部は、絶 縁性確保と抗折強度確保のために、ある程度の大きさが必要である。すなわち、内部 電極層の側端部と積層体の側面との間の距離を小さくすることはできなレ、。しかし、 周縁部を大きくすると、拘束力が大きくなつて変位性能が低下するという問題がある。 逆に周縁部を小さくすると、抗折強度および絶縁性が低下するという問題がある。
[0009] したがって、本発明の目的は、抗折強度および絶縁性が高ぐ優れた変位性能を 有する積層型圧電素子及びこれを備えた噴射装置を提供することである。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明の積層型圧電素子は、以下の構成からなる。
(1)複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体を有する積層型 圧電素子において、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内 部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は 、無機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在した点在部であることを特徴とす る積層型圧電素子。
[0011] (2)前記無機化合物からなる領域が金属からなる金属領域であり、前記点在部は 前記金属領域が前記内部電極層と絶縁された状態で複数点在してなる前記(1)に 記載の積層型圧電素子。
[0012] (3)複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体を有する積層型 圧電素子において、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内 部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は 、金属からなる金属領域が前記内部電極層と絶縁された状態で複数点在した点在 部であることを特徴とする積層型圧電素子。
[0013] (4)前記金属領域が銀パラジウム合金からなる前記(2)又は(3)に記載の積層型 圧電素子。
[0014] (5)前記無機化合物からなる領域がセラミックスからなるセラミック領域であり、前記 点在部は前記セラミック領域が複数点在してなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載 の積層型圧電素子。
[0015] (6)前記セラミック領域が、前記積層体の積層方向に隣り合う 2つの圧電体層を連 結している前記(5)に記載の積層型圧電素子。
[0016] (7)前記セラミック領域が前記圧電体層と同じ圧電セラミックスからなる前記(5)又 は(6)に記載の積層型圧電素子。
[0017] (8)複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体を有する積層型 圧電素子において、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内 部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は 、樹脂からなる領域が空隙を介して複数点在した点在部であることを特徴とする積層 型圧電素子。
[0018] (9)前記点在部は前記内部電極層よりも空隙が多い前記(1)〜(8)のいずれかに 記載の積層型圧電素子。
[0019] (10)前記点在部を有する周縁部は、点在部を有していない周縁部と比較して、内 部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が長い前記(1)〜(9)のいずれか に記載の積層型圧電素子。
[0020] (11)前記積層体は、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間の距離 が異なる 2以上の点在部を有する前記(1)〜(: 10)のいずれかに記載の積層型圧電 素子。
[0021] (12)前記積層体は複数の前記点在部を有し、積層方向に隣り合う点在部間には 少なくとも 2層以上の前記圧電体層が配置されている前記(1)〜(10)のいずれかに 記載の積層型圧電素子。
[0022] (13)前記複数の点在部が前記積層体の積層方向に等間隔に配置されている前 記(12)に記載の積層型圧電素子。
[0023] (14)前記積層体における全ての周縁部には、各周縁部の少なくとも一部に前記点 在部がそれぞれ形成されている前記(1)〜(8)のいずれかに記載の積層型圧電素 子。
[0024] (15)前記積層体の側面には複数の前記内部電極層が一層おきにそれぞれ電気 的に接続された一対の外部電極が形成されており、前記周縁部の一部に前記外部 電極の一部が入り込んでいる前記(1)〜(: 14)のいずれかに記載の積層型圧電素子
[0025] (16)前記外部電極の一部は、前記点在部を構成する複数の前記領域間に入り込 んでいる前記(15)に記載の積層型圧電素子。
[0026] (17)前記周縁部には、前記内部電極層の側端部から前記外部電極の一部まで連 通した空隙が形成されている前記(15)又は(16)に記載の積層型圧電素子。
[0027] (18)前記積層体には、前記外部電極の一部が入り込んでいる前記周縁部が複数 存在し、これらの周縁部が前記積層体の積層方向に規則的に配置されている前記( 15)〜(17)のいずれかに記載の積層型圧電素子。
[0028] (19)前記金属領域の主成分が前記外部電極の主成分と同じである前記(15)〜(
18)のいずれかに記載の積層型圧電素子。
[0029] (20)前記積層体の側面には樹脂からなる被覆層が形成されており、前記周縁部 の一部に前記被覆層の一部が入り込んでいる前記(1)〜(: 19)のいずれかに記載の 積層型圧電素子。
[0030] (21)噴出孔を有する容器と、前記(1)〜(20)のいずれかに記載の積層型圧電素 子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前 記噴射孔から噴射するように構成されていることを特徴とする噴射装置。
発明の効果
[0031] 上記(1)に記載の積層型圧電素子によれば、上記周縁部の少なくとも一部が、無 機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在した点在部であるので、変位部の変 位を拘束する非変位部の拘束力を低減することができる。また、上記周縁部では、空 隙を介して上記領域を点在させてレ、るので、素子の抗折強度及び絶縁性が低下す るのを抑制できる。これにより、高い信頼性と高い変位性能を両立させることができる 。その結果、従来と比較して積層数を減らしても高い変位量を維持することができる ので、積層型圧電素子を小型化することができる。また、従来と比較して印加電圧を 小さくしても高い変位量を維持することができる。さらに、印加電圧を低下させることで 、電極間で短絡 (ショート)が生じるのをより確実に防止することができる。
なお、本発明において、「無機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在してい る」とは、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間において、複数の上記領域が空隙を 介して互いに孤立した状態で配置されてレ、ることを意味する。
[0032] 上記(2)に記載の積層型圧電素子では、無機化合物からなる領域が金属からなる 金属領域であり、点在部は金属領域が内部電極層と絶縁された状態で複数点在し てなる。このように、点在部が、圧電体層を構成する圧電性セラミックスよりも変形しや すレヽ金属領域が複数点在してなるので、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束 力をより低減することができる。また、空隙を介して金属領域が点在することで、金属 領域と圧電体層との接触面積を減少させることができるので、金属領域が圧電体層 をクランプする力を低減することができる。また、積層型圧電素子が変位する際には 圧縮応力や引張応力が複雑に分布することになるが、本発明における点在部は複 数の金属領域が点在してなるので、一つの点在部内に存在する個々の金属領域が 種々の方向力 作用する圧縮応力や引張応力をそれぞれ同時に緩和することがで きる。また、複数の金属領域が内部電極層と絶縁された状態で複数点在しているの で、周縁部の絶縁性が低下するのを防止することができる。
[0033] 上記(3)に記載の積層型圧電素子は、上記周縁部の少なくとも一部が、金属から なる金属領域が内部電極層と絶縁された状態で複数点在した点在部である。このよ うに、圧電体層よりも変形しやすい金属領域が複数点在している点在部を有している ので、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減することができるとともに、 素子の抗折強度及び絶縁性が低下するのを抑制できる。
[0034] 上記 (4)に記載のように、金属領域が銀パラジウム合金からなるときには、銀パラジ ゥム合金が全率固溶する合金であるので、任意の組成比率の合金を使用できる。こ れにより、種々の焼成温度を選択できるので、積層型圧電素子を焼成する時に、同 時に緩和層を焼結させることができる。また、銀パラジウム合金は溶融時の表面張力 が高いので、銀パラジウム合金で形成された金属領域には、鋭利な端部が形成され にくい。これにより、接合界面は円弧状のメニスカスが形成されるので、金属層自体 に応力集中箇所が生じることなく応力緩和効果を高めることができる。さらに、内部電 極層も銀パラジウムとすることで、焼結時の内部電極層と圧電体層との熱膨張差を圧 電体層のほぼ全面で均一化することができるので、熱膨張差に起因する応力が生じ るを iift¾すること力 Sできる。
[0035] また、上記(5)に記載の積層型圧電素子では、無機化合物からなる領域がセラミツ タスからなるセラミック領域であり、点在部はセラミック領域が複数点在してなる。この ように、点在部が、セラミック領域が複数点在してなるので、応力が加わった場合には 、セラミック領域に直接接する圧電体層に、応力を点在して分散させることができる。
[0036] さらに、応力集中箇所のセラミック領域に直接接する圧電体層は、応力に応じて結 晶構造が変化してその応力を吸収することができる。また、セラミック領域に接する圧 電体層の結晶構造が変化する際には、セラミック領域に接していない圧電体層(空 隙に接する圧電体層)の結晶構造も変化するので、応力が局所的に集中せず、点在 部全体に分散する。すなわち、セラミック領域自体が直接応力緩和するのではなぐ セラミック領域に接する圧電体層の結晶構造変化を利用して、間接的に応力緩和す ることができる。さらに、空隙を介してセラミック領域とともに金属領域とが備わってい るときには、上記した効果との相乗効果によりさらに応力緩和効果を高めることができ る。すなわち、早い衝撃に対しては圧電体が応力緩和効果を発揮し、強度の大きい 衝撃に対しては金属領域が応力緩和効果を発揮するので、点在部が金属領域と圧 電体からなるセラミック領域とを含むときに最も応力緩和効果が高くなる。
[0037] さらに、上記(6)に記載のようにセラミック領域が、積層体の積層方向に隣り合う 2つ の圧電体層を連結しているときには、これらの圧電体層同士の接合強度が過度に低 下するのを防止して素子の抗折強度を高めることができるとともに、セラミック領域に 加わった応力を、セラミック領域に接するふたつの圧電体層に分散して応力緩和す ること力 Sできる。
[0038] また、上記(7)に記載のように、セラミック領域が圧電体層と同じ圧電セラミックスか らなるときには、セラミック領域に応力が作用した際に、セラミック領域自体が応力に 応じて結晶構造が変化しその応力を吸収することができる。また、空隙を介してセラミ ック領域が点在することで、応力集中箇所のセラミック領域同士が離隔することになる 。したがって、応力に応じてセラミック領域の結晶構造が変化する際に、その近傍に 位置するセラミック領域の結晶構造にはほとんど影響を与えることなぐそれぞれのセ ラミック領域が応力緩和効果を発揮する。さらに、セラミック領域に接している圧電体 層もそのときの応力により結晶構造が変化するので、結晶構造変化による応力をセラ ミック領域のみに集中させることなく点在部及びその周辺において吸収することがで きる。また、応力緩和の原動力は結晶構造内のイオンの変位による構造相転移であ るので、圧電セラミックスからなるセラミック領域の場合は金属領域と比較して高速度 の変形が可能である。これにより、高速衝撃による応力に対しても、その速度に追随 できる、感応速度の速い応力緩和層とすることができる。
[0039] また、上記(8)に記載のように、点在部は樹脂からなる領域が空隙を介して複数点 在してなるものであってもよい。このように点在部力 S、圧電体層を構成する圧電性セラ ミックスよりも変形しやすレ、樹脂領域が複数点在したものであるので、変位部の変位 を拘束する非変位部の拘束力をより低減することができる。
[0040] 上記(9)に記載のように、点在部は内部電極層よりも空隙が多いことが好ましい。す なわち、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間において、内部電極層よりも周縁部の 方に多くの空隙を設けることにより、変位部では内部電極層と圧電体層との接触面積 を十分に確保することができる。その一方で、非変位部では点在部が積層体の変位 を拘束する力をより確実に弱めることができるとともに変位部と非変位部との境に生じ る応力を緩和できる。
[0041] 上記(10)に記載の積層型圧電素子では、点在部を有する周縁部は、点在部を有 していない周縁部と比較して、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が 長い。このような形態にすることで、変位部と非変位部との境に生じる応力集中箇所 に跨るように緩和層を設けることができるので、点在部の数が少なくても、変位部の変 位を拘束する拘束力の低減効果を高くすることができる。
[0042] 上記(11)に記載の積層型圧電素子では、積層体は、内部電極層の側端部と積層 体の側面との間の距離が異なる 2以上の点在部を有している。変位部と非変位部と の境には最も応力が集中する。仮に、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の 距離が均一になればなるほど素子の応力は集中しやすくなる。したがって、内部電 極層の側端部と積層体の側面との間の距離は均一にせず、異なる 2以上の距離を有 する点在部を複数形成するのがよい。また、積層体の積層方向において特に応力が 力かりやすい部位に、上記距離が長い点在部を配置して拘束力の低減効果をより高 めたり、特に高い抗折強度が必要な部位に、上記距離が短い点在部を配置して強 度をより高めることができる。
[0043] 上記(12)に記載のように、積層体が複数の点在部を有し、積層方向に隣り合う点 在部間には少なくとも 2層以上の圧電体層が配置されているときには、素子の抗折強 度を高く維持することができる。さらに、上記 (13)に記載のように、複数の点在部が積 層体の積層方向に等間隔に配置されているときには、素子の積層方向全体にわたり
、非変位部の拘束力をほぼ均一に低減させることができる。また、この場合には、特 定の積層箇所に応力が集中することなく応力を分散させることができる。 [0044] また、本発明では、素子の変位量をより高めたい場合には、上記(14)に記載のよう に、積層体における全ての周縁部に、各周縁部の少なくとも一部に点在部をそれぞ れ形成するとよい。これにより、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を、積層 体全体にわたって著しく低減させることができるので、より大きな変位量を得ることが できる。
[0045] 上記(15)に記載の積層型圧電素子は、積層体の側面には複数の内部電極層が 一層おきにそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極が形成されており、周縁 部の一部に前記外部電極の一部が入り込んでいる。これにより、積層体の側面から 積層体中に杭を打ち込んだような構造となるので、外部電極と積層体との接合強度 を著しく向上させることができる。その結果、高電界、高圧力下で長期間連続駆動さ せた場合であっても、外部電極が積層体の側面から剥離するのを防ぐことができるの で、外部電極と内部電極層との接続を良好に保ち、変位特性が低下するという問題 が生じるのを防止することができる。さらに、外部電極と金属領域とが連続的に接合し ているときには、金属領域の緩和効果を利用して外部電極に起因する素子の応力を ち緩和することがでさる。
[0046] また、上記(16)に記載のように、外部電極の一部は、点在部を構成する複数の領 域間に入り込んでいるのがよい。これにより、外部電極と積層体との接合強度をさら に高めることができる。また、上記領域が金属領域である場合には、金属領域間に外 部電極の一部が入り込むことで、金属領域を構成する金属と外部電極を構成する金 属との接合力により、外部電極の接合強度がさらに高められる。
[0047] 上記(17)に記載のように、周縁部に、内部電極層の側端部から外部電極の一部ま で連通した空隙が形成されているときには、当該周縁部の積層方向に隣り合う 2つの 圧電体層を拘束する拘束力を効果的に弱めることができるので、素子の変位量をさ らに大きくすること力 Sできる。
[0048] 上記(18)に記載のように、外部電極の一部が入り込んでいる周縁部が複数存在し 、これらの周縁部が積層体の積層方向に規則的に配置されているときには、外部電 極が積層体の積層方向の全域にわたってほぼ均一にかつ強固に接合される。
[0049] 上記(19)に記載のように、金属領域の主成分が外部電極の主成分と同じであると きには、外部電極形成時に、金属領域と外部電極との相互拡散が可能になるので、 積層体に対する外部電極の密着強度が高くなり、外部電極のアンカー効果を向上さ せることになる。その結果、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であって も、外部電極が積層体の側面から剥離するのを防ぐことができるので、外部電極と内 部電極層との接続を良好に保ち、変位特性が低下するという問題が生じるのを防止 することができる。さらに、外部電極と金属領域の熱膨張係数を同等にできるので、 積層型圧電素子の使用環境温度が変動しても、外部電極と圧電体との熱膨張係数 との差に起因する応力と、金属領域と圧電体との熱膨張係数との差に起因する応力 とを近づけることができる。これにより、外部電極と金属領域との間で内部応力の差が 小さくなるので、金属領域の緩和効果を利用して外部電極に起因する素子の応力を ち緩和することがでさる。
[0050] 上記(20)に記載の積層型圧電素子は、積層体の側面に樹脂からなる被覆層が形 成されており、周縁部の一部に被覆層の一部が入り込んでいる。これにより、積層体 の側面力 積層体中に杭 (被覆層の一部からなる被覆層)を打ち込んだような構造と なるので、被覆層と積層体との接合強度を著しく向上させることができる。その結果、 高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であっても、被覆層が積層体の側 面から剥離するのを防ぐことができるので、外部電極や内部電極層に求められる、素 子外部との絶縁特性を良好に保ち、変位特性が低下するという問題が生じるのを防 止することができる。さらに、被覆層と金属領域とが連続的に接合しているので、金属 領域の緩和効果を利用して、被覆層に起因する素子の応力をも緩和することができ る。張差に起因する応力が生じても、金属領域の緩和効果を用いて、外部電極に起 因する素子の応力をも緩和することができる。
[0051] 上記(21)に記載の本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、上記の積層型 圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動に より前記噴射孔から噴射するように構成されているので、液体吐出性能に優れ、耐久 性に優れている。
図面の簡単な説明
[0052] [図 1A]本発明の第 1の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 園 IB]図 1Aの積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層状態を説 明するための部分斜視図である。
園 2]第 1の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構 造を示す部分拡大断面図である。
園 3]第 2の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構 造を示す部分拡大断面図である。
園 4]第 3の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構 造を示す部分拡大断面図である。
園 5]第 4の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構 造を示す部分拡大断面図である。
園 6]第 5の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構 造を示す部分拡大断面図である。
園 7]第 6の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構 造を示す部分拡大断面図である。
[図 8]第 7の実施形態の積層型圧電素子を示す断面図である。
園 9]第 7の実施形態の積層型圧電素子における外部電極と積層体の側面との接合 部分を示す部分拡大断面図である。
園 10]第 7の実施形態の積層型圧電素子における周縁部の一例を示す部分拡大断 面図である。
[図 11]第 7の実施形態の積層型圧電素子を積層方向に垂直で、かつ、内部電極層 及び周縁部を含む平面で切ったときの断面図である。
園 12]本発明の一実施形態にかかる噴霧装置を示す断面図である。
[図 13A]従来の積層型圧電素子を示す斜視図である。
[図 13B]図 13Aの積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層状態を 説明するための部分斜視図である。
園 14]従来の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す 部分拡大断面図である。
符号の説明 [0053] 1, la, lb 圧電体層、 2 内部電極層、 2a 内部電極層の側端部、 3 金属領域、 4 積層体、 4a 積層体 4の側面、 5 外部電極、 6 リード線、 31 周縁部、 51 絶縁 性セラミックス、 61 点在部。
発明を実施するための最良の形態
[0054] <積層型圧電素子 >
(第 1の実施形態)
以下、本発明の第 1の実施形態にかかる積層型圧電素子について図面を参照し詳 細に説明する。図 1Aは、本実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図であり 、図 1Bは、この積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層(金属層)との積層 状態を説明するための部分断面図である。図 2は、第 1の実施形態にかかる積層型 圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図であ る。
[0055] 図 1A、図 IBに示すように、この積層型圧電素子は、複数の圧電体層 1が内部電極 層 2を介して積層された積層体 4を有している。積層体 4の側面には、複数の内部電 極層 2がー層おきに接続された一対の外部電極 5が形成されている。複数の内部電 極層 2は、圧電体層 1の主面全体には形成されておらず、圧電体層 1の主面の面積 よりも内部電極層 2の面積が小さい構造、いわゆる部分電極構造となっている。これ らの内部電極層 2は、積層体 4の互いに対向する側面に交互に露出するように積層 されている。
[0056] この積層型圧電素子では、上記したように内部電極層 2が部分電極構造となってい るため、外部電極 5, 5に電圧を印加すると、圧電体層 1の上下に位置する 2枚の内 部電極層 2に挟まれた部分、すなわち一方の内部電極層 2が他方の内部電極層 2に 対して積層方向に重なり合う領域 (変位部 70)のみが変位する。一方、圧電体層 1の うち、図 1Bに示すように内部電極層 2が形成されていない部分 (周縁部 31)では、圧 電体層 1は変位しなレヽ (非変位部 71)。
[0057] 本発明の積層型圧電素子を圧電ァクチユエータとして使用する場合には、半田に より外部電極 5にリード線 6を接続固定し、リード線 6を外部電圧供給部に接続すれば よい。この外部電圧供給部からリード線 6を通じて外部電極 5, 5に所定の電圧を印加 することで、各圧電体層 1を逆圧電効果により変位させることができる。
[0058] 図 1B及び図 2に示すように、この積層型圧電素子は、積層方向に隣り合う 2つの圧 電体層 1, 1間に位置し、かつ、内部電極層 2の側端部 2aと積層体 4の側面 4aとの間 に位置する周縁部 31を備えている。本実施形態の積層型圧電素子では、複数の周 縁部 31のうち、圧電体層 laと圧電体層 lbとの間の周縁部 31には、金属からなる金 属領域 3が複数点在した点在部 61が形成されている。図 1Bに示すように、この点在 部 61は、周縁部 31のほぼ全体に形成されている(複数の金属領域 3が周縁部 31の ほぼ全体に分布している)。金属領域 3に代えて、圧電性セラミックスよりも変形しや すい他の物質からなる領域を点在させてもよい。ここでいう「変形」とは、弾性変形、 塑性変形、脆性変形などのいずれの形態の変形であってもよい。圧電性セラミックス よりも変形しやすい物質としては、気体、液体、固体、ゲル状物質などのいずれの形 態であってもよい。
[0059] 上記したように本実施形態における領域 3は金属からなる金属領域 3である。これら の金属領域 3, 3, · · ·は、周縁部 31に内部電極層 2と絶縁された状態で点在してい る。ここで、「内部電極層 2と絶縁された状態で点在している」とは、複数の金属領域 3 が内部電極層 2と電気的に導通していない状態にあり、かつ、金属領域 3同士が互 いに離隔して電気的に導通してレ、なレ、状態のことをレ、う。
[0060] 積層体 4にある複数の周縁部 31のうち、点在部 61を積層体 4のどの位置に配置す るかは特に限定されなレ、。例えば、全ての周縁部 31 (全ての内部電極層 2に隣接す る周縁部 31)に点在部 61を形成してもよぐ任意に選定した周縁部 31に点在部 61 形成してもよレ、。この第 1の実施形態では、図 2に示すように、点在部 61が形成され ている周縁部 31が複数存在し、これらの点在部 61が、積層体 4の積層方向に、 2層 以上の圧電体層 1を隔ててそれぞれ配置されてレ、る。
[0061] 金属領域 3を構成する材料としては、例えば内部電極層 2と同様のものが使用でき 、好ましくは銀パラジウム合金であるのがよい。銀パラジウム合金は、金属の中でも柔 らかく変形しやすいので、少量でも非変位部の拘束力を低減させる効果が高い。ま た、銀パラジウム合金は、金属疲労しにくぐ耐酸化性も高いので、積層型圧電素子 の耐久性が低下するのを抑制することができる。金属領域 3の形状、大きさ、周縁部 3 1に存在する個数などについては特に限定されるものではなぐ少なくとも上記のよう に点在した状態にあればよい。
[0062] 具体的には、点在部 61が形成された周縁部 31を積層体 4の積層方向から見たとき に、周縁部 31の面積に対して複数の金属領域 3の合計面積が占める割合は、好まし くは 0. 1 -50%,より好ましくは 5〜30%であるのがよレ、。金属領域 3の占める割合 が 0. 1 %未満になると、変位部の変位を拘束する拘束力を低減する効果が十分に 得られないおそれがある。一方、金属領域 3の占める割合が 50%を超えると、抗折強 度および絶縁性が過度に低下するおそれがある。また、金属領域 3を積層体 4の積 層方向から見たときの領域 3の最大径 rは、特に限定されるものではなレ、が、過度に 大きくなると抗折強度および絶縁性が低下するおそれがある。したがって、領域 3の 最大径 rは、周縁部 31における内部電極層 2と外部電極 5の最短距離 Lの 1/2以下 、好ましくは 1/10以下であるのがよい。具体例を挙げると、例えば最短距離 Lが約 1 mm程度の場合、領域 3の最大径 rは、 500 μ ΐη以下、好ましくは 100 μ m以下である のがよい。
[0063] また、本実施形態では、点在部 61が形成された周縁部 31において、隣り合う金属 領域 3間の一部または全部には絶縁性セラミック領域が存在し、該絶縁性セラミック 領域が、隣り合う圧電体層 la, lb間を連結している。隣り合う金属領域 3間に存在し 圧電体層 1同士を連結するセラミックスとしては、特に限定されるものではないが、好 ましくは圧電体層 1と同じ材料であるのがよレ、。圧電体層 1の材料としてチタン酸ジノレ コン酸鉛を使用する場合には、周縁部 31において圧電体層 1同士を連結する絶縁 性セラミックスとしてチタン酸ジルコン酸鉛を使用するのが好ましい。これにより、熱膨 張差に起因する不具合の発生を防止できることに加え、圧電体層 1同士を結合する 高レ、接合強度を得ることができる。
[0064] また、点在部 61が形成された周縁部 31は、積層体 4の積層方向に等間隔に配置 されるのがより好ましい。すなわち、複数の内部電極層 2のうち、 2層以上の圧電体層 1を隔てて等間隔に選ばれた複数の内部電極層 2の側端部 2aと積層体 4の側面 4aと の間の複数の周縁部 31に、複数の金属領域 3が点在しているのがよレ、。このように 等間隔に選ばれた複数の周縁部 31に金属領域 3を点在させているので、変位性能 と抗折強度をよりバランスよく設定することができる。
[0065] 圧電体層 1の材料としては、種々の圧電性セラミックスを用いることができ、特に限 定されるものではな 例えば Bi層状化合物(層状べ口ブスカイト型化合物)、タンダ ステンブロンズ型化合物、 Nb系ぺロブスカイト型化合物(Nb酸ナトリウムなどの Nb酸 アルカリ化合物(NAC)、 Nb酸バリウムなどの Nb酸アルカリ土類化合物(NAEC) )、 マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、 Pbを含有する チタン酸ジノレコン酸鉛 (PZT)、チタン酸鉛等のぺロブスカイト型化合物などを例示で きる。これらのうち、特に、少なくとも Pbを含むぺロブスカイト型化合物であるのがよい 。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、 Pbを 含有するジルコン酸チタン酸鉛 (PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましレ、。 これらの中でもチタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛力 S、大きな変位を付加する上で好 適である。圧電セラミックスは、その圧電特性を示す圧電歪み定数 d が高いものが
33
望ましい。
[0066] 内部電極層 2の材料としては、導電性を有するものならばいずれでもよぐ金、銀、 ノ ラジウム、白金、銅、アルミニウムやこれらの合金などを用いることができる。合金の 具体的としては、例えば銀パラジウム合金などが挙げられる。内部電極層 2の厚みは 、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、一般に、 0. 5〜7 x m程 度、好ましくは l〜5 x m程度であるのがよレ、。また、圧電体層 1の厚み、つまり内部 電極層 2間の距離は 50〜200 μ m程度であるのが望ましレ、。圧電体層 1の厚みが厚 すぎるとァクチユエータの小型化、低背化ができなくなり、一方、圧電体 1の厚みが薄 すぎると絶縁破壊しやすくなるからである。外部電極 5の材料としては、導電性を有す るものならばレヽずれでもよく、金、銀、パラジウム、白金、銅、アルミニウム、ニッケルや これらの合金などを用いることができる。
[0067] 次に、本実施形態に力かる積層型圧電素子の製造方法について説明する。まず、 チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO -PbTiO )等のぺロブスカイト型酸化物からなる圧
3 3
電性セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、プチラール系等の有機高分子から成るバ インダ一と、 DBP (フタル酸ジブチル)、 DOP (フタル酸ジォチル)等の可塑剤とを混 合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール 法等のテープ成型法によりセラミックグリーンシートに成形する。
[0068] 次に、銀—パラジウム等の内部電極層 2を構成する金属粉末に、バインダー、可塑 剤等を添加混合して導電性ペーストを作製し、これを前記セラミックグリーンシートの 上面にスクリーン印刷等によって例えば 1〜40 μ m程度の厚みに印刷する。このとき 、内部電極層非形成部(周縁部 31)にはスクリーン印刷によって金属領域 3を点在さ せるように形成する。金属領域 3を点在させるには、スプレーや蒸着などの方法を用 レ、たり、膜状に形成した金属層をエッチングやサンドブラスト等で部分的に除去する 等の他の方法を用いてもょレ、。
[0069] 次に、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数積層し、この積層 成形体を所定の温度で脱バインダー処理を行った後、 900〜1200°Cで焼成するこ とによって積層体 4を得ることができる。
[0070] 次に、銀粉末にガラス粉末とバインダーをカ卩えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、 この導電性ペーストを積層体 4の対向する側面 4a、 4aにスクリーン印刷等の方法で 印刷し乾燥した後、 500〜800°Cで焼付けることにより外部電極 5を形成することがで きる。この際、印刷のかわりに、上記銀ガラスペーストを乾燥させた 5 / m以下のシー トを焼付けてもよレ、。
[0071] 次に、外部電極 5を形成した積層体 4をシリコーンゴム溶液に浸漬し、このシリコー ンゴム溶液を真空脱気した後、シリコーンゴム溶液から積層体 4を引き上げ、積層体 4 の側面にシリコーンゴムをコーティングする。その後、積層体 4の側面にコーティング したシリコーンゴムを硬化させることにより本発明の積層型圧電素子が完成する。
[0072] 最後に、外部電極 5にリード線を接続し、該リード線を介して一対の外部電極 5に 3 kVZmmの直流電圧を印加して積層体 4を分極処理することによって、本発明の積 層型圧電素子を用いた圧電ァクチユエータが完成する。リード線は、外部の電圧供 給部に接続され、リード線及び外部電極 5を介して金属層 2に電圧を印加することで 、各圧電体層 1は逆圧電効果によって大きく変位する。これにより、例えばエンジンに 燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
[0073] (第 2の実施形態)
図 3は、本発明の第 2の実施形態に力かる積層型圧電素子における圧電体層 1と 内部電極層 2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図 3に示すように、この実 施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部 61において、隣り合う領域 3, 3間に 空隙 21が形成されている。すなわち、点在部 61は、圧電体層 1を構成する圧電性セ ラミックスよりも変形しやすい金属領域 3と空隙 21とを含んでいる。点在部 61には、複 数の金属領域 3が内部電極層 2と絶縁された状態で点在しているとともに、複数の空 隙 21が点在している。隣り合う金属領域 3, 3間には空隙 21が介在している。空隙 21 が隣り合う金属領域 3間に存在することで、隣接する金属同士が導通することなく絶 縁性が確実に確保される。また、空隙 21が隣り合う金属領域 3間に存在することで、 金属領域 3の変形がより生じやすい空間を存在させることができるので非変位部の拘 束力をより低減させることができる。
[0074] 図 3の実施形態では、点在部 61において、隣り合う金属領域 3, 3間に絶縁性セラミ ック領域が存在し、該絶縁性セラミック領域が、隣り合う圧電体層 1同士を連結してい る。複数の空隙 21は、絶縁性セラミック領域中に分散している。本実施形態では、絶 縁性セラミック領域中に空隙 21が形成されている場合を示しているが、隣り合う領域 3間には、絶縁性セラミック領域のみが存在してもよぐまた、空隙 21のみが存在して もよぐさらに絶縁性セラミック領域と空隙 21の両方が存在してもよい。
[0075] 点在部 61が形成された周縁部 31において、金属領域 3間に空隙 21を存在させる には、以下のようにすればよい。すなわち、空隙のみを存在させるには、上記内部電 極層の導電性ペースト中に、脱脂時に分解される樹脂、例えばアクリルビーズやパラ フィン等の樹脂を混合し、これを塗布することにより実現できる。また、空隙を形成した 部位にバインダーを印刷することによつても可能である。また、周縁部 31において、 金属領域 3, 3間に空隙 21と絶縁性セラミック領域の両方を存在させるには、上記導 電ペーストに絶縁性セラミックスの共材を混合させることによって実現することができ る。他の部位については、図 1, 2と同じ符号を付して説明を省略する。
[0076] (第 3の実施形態)
図 4は、本発明の第 3の実施形態に力かる積層型圧電素子における圧電体層 1と 内部電極層 2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図 4に示すように、この実 施形態にかかる積層型圧電素子では、全ての内部電極層 2の側端部 2aと積層体 4 の側面 4aとの間の複数の周縁部 31 (周縁部 31の全て)に、点在部 61が形成されて いる。図 4では、積層体 4の一つの側面近傍を拡大したものであり、これに対向する 側面は描かれていなレ、が、この対向する側面近傍における全ての周縁部 31にも点 在部 61が形成されている。これにより、変位部の変位を拘束する拘束力を著しく低下 させることができるので、積層型圧電素子の変位性能を著しく向上させることができる 。また、本実施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部 61において、隣り合う金 属領域 3間の一部または全部に絶縁性セラミックス 51が存在し、該セラミックス 51が 隣り合う圧電体層 1同士を連結している。他の部位については、図:!〜 3と同じ符号を 付して説明を省略する。
[0077] (第 4の実施形態)
図 5は、本発明の第 4の実施形態に力かる積層型圧電素子における圧電体層 1と 内部電極層 2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図 5に示すように、この実 施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部 61が形成された周縁部 31が積層体 4 の積層方向に複数配置されている。これらの点在部 61には、金属領域 3と空隙 41が それぞれ複数点在している。本実施形態における点在部 61は、主として金属領域 3 と空隙 41力らなる。図 3に示す実施形態の場合と比較して、点在部 61に存在する絶 縁性セラミック領域が少ないので、素子の変位量がより大きくなる。また、本実施形態 では、点在部 61は内部電極層 2よりも空隙が多レ、。空隙の多さの比較は空隙率を測 定すればよい。空隙率は後述するのと同じ方法で測定することができる。他の部位に ついては、図 1〜3と同じ符号を付して説明を省略する。
[0078] (第 5の実施形態)
図 6は、本発明の第 5の実施形態に力かる積層型圧電素子における圧電体層 1と 内部電極層 2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図 6に示すように、この実 施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部 61が形成された周縁部 31は、点在部 が形成されていない周縁部 32よりも大きい。ここで、本実施形態において、「点在部 6 1が形成された周縁部 31は、点在部が形成されていない周縁部 32よりも大きレ、」とは 、内部電極層 2の側端部 2aと積層体 4の側面 4aとの間の距離が長いことを意味して いる。また、周縁部 31または周縁部 32を積層体 4の積層方向から見たときの面積で 比較してもよレ、。この場合、周縁部 31の面積が周縁部 32の面積よりも大きい。このよ うに、金属領域 3の点在する周縁部 31が金属領域の点在しない周縁部 32よりも大き い構造にすることで、金属領域 3の点在する周縁部 31の数が少なくても、変位部の 変位を拘束する拘束力の低減効果を高めることができる。他の部位については、図 1 〜3と同じ符号を付して説明を省略する。
[0079] (第 6の実施形態)
図 7は、本発明の第 6の実施形態に力かる積層型圧電素子における圧電体層 1と 内部電極層 2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図 7に示すように、この実 施形態にかかる積層型圧電素子では、内部電極層 2の側端部 2aと積層体 4の側面 4 aとの間の距離が異なる周縁部 31 , 31 'が積層体 4の積層方向に複数配置されてい る。これらの周縁部 31 , 31 'に、金属領域 3が内部電極層 2と絶縁された状態で複数 点在した点在部 61 , 61' がそれぞれ形成されている。このような構造にすることで、 拘束力をさらに低減することができる。他の部位については、図:!〜 3と同じ符号を付 して説明を省略する。
[0080] (第7の実施形態)
図 8は、第 7の実施形態に力かる積層型圧電素子の断面図である。図 9は、本実施 形態における外部電極と積層体の側面との接合部分の拡大断面図である。図 8, 9 に示すように、本実施形態に力かる積層型圧電素子は、複数の圧電体層 1 (1, 1,
1 2
•••, 1 (n≥2) )と複数の内部電極層 2 (2, 2,…, 2 , 2 (n≥ 2) )とが交互に 積層された積層体 4を有し、該積層体 4の対向する側面に内部電極層 2の端部を一 層おきに電気的に接続する一対の外部電極 5が接合されている。各外部電極 5には 、ハンダ等によりリード線 6が接続固定されている。このリード線 6は、外部の電圧供給 部(図示せず)に接続する。
[0081] リード線 6を通じて各圧電体層 1に所定の電圧が印加されると、圧電体層 1に逆圧 電効果による変位が生じる。一方、積層体 4の積層方向の両端部には、複数の圧電 体層からなる不活性層 9がそれぞれ配置されている。これらの不活性層 9は一方の主 面側にのみ内部電極層 2が配置され、他方の主面側には内部電極層が配置されて レヽなレ、ので、電圧を印加しても変位が生じなレ、。 [0082] 図 8, 9に示すように、複数の圧電体層 1, 1 , · · · , 1 から選ばれた、積層方向
1 2 1
に隣り合う 2つの圧電体層 1 , 1 (2≤k< n_ l)間には、内部電極層 2と、この内 k- 1 k k 部電極層 2の側端部 2aと積層体 4の側面 4aとの間の周縁部 31と、が設けられている k
[0083] 内部電極層 2は、主として金属と空隙とからなり、隣接する圧電体層 1 , 1の変 k k-1 k 位に寄与する領域である。積層体 4に存在する複数の周縁部 31のうち、内部電極層 2の側端部 2aと積層体 4の側面 4aとの間に位置する周縁部 31には、圧電体層 1を k
構成する圧電性セラミックスよりも変形しやすい物質からなる領域が複数点在した点 在部 61が形成されている。一方、内部電極層 2 の側端部 2aと積層体 4の側面 4a k k + 2
との間に位置する周縁部 31には、点在部が形成されておらず、積層方向の両側に 隣接する圧電体層 1 , 1 と同じ圧電性セラミックスが充填されている。
k+ 1 k+2
[0084] 図 10は、本実施形態における周縁部の一例を示す部分拡大断面図である。図 10 に示すように、点在部 61は、金属領域 3と空隙 41とを含む。すなわち、この実施形 k
態の場合、上記した「変形しやすい物質からなる領域」が金属からなる金属領域 3と 空隙 41であり、金属領域 3が空隙 41を介して内部電極層 3と絶縁された状態で点在 部 61に複数点在している。この点在部 61は、変位部の変位を拘束する非変位部 k k
の拘束力を低減することができる。また、点在部 61 には上記領域を点在させている k
ので、素子の抗折強度及び絶縁性が低下するのを抑制できる。これにより、高い信 頼性と高い変位性能を両立させることができる。また、点在部 61は、変位時の応力 k
緩和にも寄与している。
[0085] また、図 10に示すように、点在部 61が形成された周縁部 31は、内部電極層 2より k k も空隙が多 この周縁部 31の一部に外部電極 5の一部 5aが入り込んでいる。このよ うに外部電極 5の一部 5aを点在部 61に侵入させておくことにより、積層体 4の側面 4 k
aから積層体 4中に杭を打ち込んだような構造となって、いわゆるアンカー効果により 外部電極 5と積層体 4との接合強度が大幅に向上する。これにより、積層型圧電素子 を高電界、高圧力下で長時間駆動させた場合であっても、外部電極 5が積層体 4の 側面 4aから剥離するのを防ぐことができる。
[0086] 従来の積層型圧電素子では、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合、 積層体の伸縮により、積層体の側面と外部電極との接合部で応力が生じ、外部電極 の一部が積層体の側面から剥離し、一部の圧電体に電圧が供給されなくなって駆動 時に変位特性が変化するという問題があった。一方、第 7の実施形態にかかる積層 型圧電素子は、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であっても外部電 極が積層体の側面から剥離するのを抑制することができる耐久性に優れたものであ る。
[0087] 点在部 61と内部電極層 2との間で空隙の多さを比較する際には、例えば走查型 k k
電子顕微鏡(SEM)、金属顕微鏡、光学顕微鏡などを用いて内部電極層 2の断面 k 及び点在部 61の断面 (積層方向に平行な断面又は積層方向に垂直な断面)を観 k
察して断面画像を得、この断面画像を評価すればよい。この断面画像において、内 部電極層 2と点在部 61の空隙の多さに明らかな差が認められる場合には、 目視で k k
比較すればよい。また、内部電極層 2と点在部 61の空隙の多さを目視で判別する k k
ことができない場合には、後述する方法により空隙率をそれぞれ測定して比較すれ ばよい。
[0088] 本実施形態の積層型圧電素子では、点在部 61は内部電極層 2よりも空隙率が高 k k
く設定されている。点在部 61の空隙率とは、積層体 4の断面 (積層方向に垂直又は k
水平な断面)において、点在部 61の総断面積に対して点在部 61の断面内に存在 k k
する空隙の面積が占める割合(%)を意味する。内部電極層 2の空隙率とは、積層 k
体 4の断面において、内部電極層 2の総断面積に対して内部電極層 2の断面内に k k
存在する空隙の面積が占める割合(%)を意味する。また、空隙率を測定する方法は 大きく分けて次の 2つある。第 1の方法は、積層体 4を積層方向に平行な面で切った ときの断面を観察する方法であり、第 2の方法は、積層体 4を積層方向に垂直な面で 切ったときの断面を観察する方法である。
[0089] 点在部 61の空隙率及び内部電極層 2の空隙率を第 1の方法で測定するには、例 k k
えば以下のようにして行えばよい。まず、積層方向に平行な断面が露出するように、 積層体 4を公知の研磨手段を用いて研磨処理する。具体的には、例えば研磨装置と してケメット'ジャパン (株)社製卓上研磨機 KEMET—V— 300を用いてダイヤモンド ペーストで研磨することができる。この研磨処理により露出した断面を、例えば走査型 電子顕微鏡 (SEM)、光学顕微鏡、金属顕微鏡、光学顕微鏡などにより観察して断 面画像を得、この断面画像を画像処理することによって点在部 61の空隙率及び内
k
部電極層 2の空隙率を測定することができる。具体例を挙げると、光学顕微鏡にて
k
撮影した点在部 61若しくは内部電極層 2の画像に対して、空隙部分を黒色に塗り
k k
つぶし、空隙以外の部分を白色に塗りつぶし、黒色部分の比率、即ち、(黒色部分の 面積) Z (黒色部分の面積 +白色部分の面積)を求め、百分率で表すことにより空隙 率を算出することができる。例えば、断面画像がカラーである場合は、グレースケー ルに変換して黒色部分と白色部分に分けるとよい。このとき、黒色部分と白色部分に
2階調化するための境界の敷居値を設定する必要がある場合には、画像処理ソフト ウェアや目視により境界の敷居値を設定して 2値化すればょレ、。
また、点在部 61の空隙率及び内部電極層 2の空隙率を第 2の方法で測定するに
k k
は、例えば以下のようにして行えばよい。まず、空隙率を測定したい内部電極層 2の
k 断面又は点在部 61の断面 (積層方向に垂直な断面)が露出するまで、公知の研磨
k
装置を用いて積層体 4の積層方向に研磨する。具体的には、例えば研磨装置として ケメット'ジャパン (株)社製卓上研磨機 KEMET—V— 300を用いてダイヤモンドぺー ストで研磨することができる。この研磨処理により露出した断面を、例えば走査型電子 顕微鏡 (SEM)、光学顕微鏡、金属顕微鏡、光学顕微鏡などにより観察して断面画 像を得、この断面画像を画像処理することによって点在部 61の空隙率及び内部電
k
極層 2の空隙率を測定することができる。具体的には、光学顕微鏡にて撮影した点 k
在部 61若しくは内部電極層 2の画像に対して、空隙部分を黒色に塗りつぶし、空 k k
隙以外の部分を白色に塗りつぶし、黒色部分の比率、即ち、(黒色部分の面積 )Z( 黒色部分の面積 +白色部分の面積)を求め、百分率で表すことにより空隙率を算出 することができる。例えば、断面画像がカラーである場合は、グレースケールに変換し て黒色部分と白色部分に分けるとよい。このとき、黒色部分と白色部分に 2階調化す るための境界の敷居値を設定する必要がある場合には、画像処理ソフトウェアや目 視により境界の敷居値を設定して 2値化すればよい。なお、内部電極層 2又は点在
k
部 61の断面を観察する際には、これらの厚みの約 1/2の位置まで研磨し、これに k
より露出した断面を観察するのが好ましい。ただし、内部電極層 2の厚み又は点在 部 61の厚みが薄ぐかつ、厚みのばらつきが比較的大きな場合には、研磨処理によ k
り内部電極層 2の断面全体又は点在部 61の断面全体を露出させることができない k k
ことがある。このような場合には、内部電極層 2又は点在部 61の一部が露出するま k k
で研磨処理した時点で、その露出部分を観察して断面画像を得た後、さらに研磨を 進めて、既に観察した部分を除く他の部分を観察するという操作を複数回繰り返して もよレ、。このようにして複数回の操作で得た観察画像を足し合わせて内部電極層 2 k 又は点在部 61の断面全体が観察できればよい。
k
[0091] 点在部 61は、該点在部 61を介して配置されている内部電極層 2と外部電極 5の k k k
一部 5aとを絶縁している。これにより、複数の内部電極層 2を交互に外部電極 5に接 続できる。内部電極層 2と外部電極 5とを絶縁するには種々の方法が採用できるが、 本実施形態における点在部 61 には、内部電極層 2と絶縁された状態にある金属領 k k
域 3が複数点在している。このように内部電極層 2の非形成部位である点在部 61は k
、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層 1 , 1を複数の無機物 (本実施形態では金 k- 1 k
属領域 3)により部分的に接合しているので、内部電極層 2と外部電極 5とを絶縁で k
きる。また、従来の周縁部のように、積層方向に隣り合う 2つの圧電体層同士が全面 で強固に接合されている場合と比較して、変位部の圧電体を拘束する拘束力を低減 することができるので、変位量が大きな素子を得ることができる。
[0092] また、点在部 61は複数の金属領域 3が空隙 41を介して点在した構造を有している k
ので、次の理由から、点在部 61に外部電極 5の一部 5aを入り込ませることができる。
k
すなわち、後述する製法の説明に記載しているように、外部電極 5となる導電ペース トを積層体 4の側面に塗布して焼き付けする際に、導電ペーストが該導電ペーストの 軟化温度以上になると点在部 61を構成する点在した複数の金属領域 3間に毛管現 k
象によって侵入しやすくなる。その結果、外部電極 5を点在部 61の一部に効果的に k
侵入させることができる。これにより、外部電極 5を積層体 4の側面 4aに強固に接合さ せることができ、高電界、高発生力下で高速で長時間駆動させた場合でも優れた耐 久性を発揮する。
[0093] 外部電極 5の一部 5aが積層体 4の側面 4aから点在部 61 内に入り込む深さ Dは、 1 k
m以上、好ましくは 5 /i m以上であるのがよい。深さ Dが l x mより浅い場合には、 十分なアンカー効果が得られず、外部電極 5と積層体 4側面との十分な接合強度が 得られないおそれがある。一方、深さ Dの上限は、外部電極 5の一部 5aが内部電極 層 2と電気的に絶縁されていれば特に限定されるものではない。
[0094] また、点在部 61を構成する金属領域 3の大きさ(積層方向と垂直な方向の幅)は 1 k
〜100 II m程度であるのが好ましい。金属領域 3の大きさが 1 μ mより小さい場合に は、点在部 61 の厚みが薄くなりすぎてしまレ、、外部電極 5の一部 5aが点在部 61 内 k k に侵入しに《なる傾向がある。一方、金属領域 3の大きさが 100 z mよりも大きい場 合には、積層体 4の伸縮によって生じる応力を点在部 61 内で分散して吸収する効 k
果が低下し、応力が特定の金属領域 3に集中しやすくなるおそれがある。したがって 、点在部 61 に点在している金属領域 3の大きさを 1〜: 100 μ ΐηとすることにより、外部 k
電極 5の一部 5aを点在部 61 の一部に有効的に入り込ませ、且つ、積層体 4の伸縮 k
によって生じる応力を点在部 61が効果的に分散吸収することができる。さらに好まし k
くは、金属領域 3の大きさは 3〜50 x mであるのが望ましレ、。また、各金属領域 3の形 状は、円柱形、略球形等、特に限定されない。
[0095] また、本実施形態における点在部 61 には、点在部 61を構成する複数の金属領 k k
域 3が空隙 41を介して点在している。このように点在部 61を構成する金属領域 3が k
空隙 3bを介して点在していることで、点在部 61 の空隙率を内部電極層 2の空隙率 k k よりも高くすることが容易にできる。このように点在部 61の空隙率を内部電極層 2よ k k りも高くしておくことにより、後述するように、外部電極 5を形成する工程において、外 部電極 5の一部 5aを空隙の多い点在部 61内に深く入り込ませることができるので、 k
外部電極 5と積層体 4との接合強度をより効果的に向上させることができる。
[0096] 点在部 61の空隙率は、外部電極 5を形成する工程において外部電極 5の一部 5a k
を効果的に空隙 41の一部に入り込ませるために、好ましくは 45〜99. 9%、より好ま しくは 80〜99. 9%であるのがよレ、。また、空隙率を上記範囲に設定することで、外 部電極 5の一部 5aが点在部 61 内に深く入り込むことによるアンカー効果が得られる k
とともに、変位時に積層体 4の変位を拘束する拘束力を弱める効果が得られる。空隙 率が 45%より小さい場合には、外部電極 5の一部 5aが点在部 61 に入り込みに《な k
るおそれがある。一方、空隙率が 99. 9%よりも大きい場合には、点在部 61 内の金 属領域 3の存在量が少なくなり、焼成時に圧電体層 1, 1間の点在部 61で剥離しや
k
すくなるおそれがある。
[0097] さらに、図 10に示すように、外部電極 5の一部 5aは、点在部 61 に点在する複数の
k
金属領域 3間に入り込んでいることが望ましい。このように外部電極 5の一部 5aを、点 在部 61内の金属領域 3間に入り込ませておくことにより、積層体 4の側面 4aに対す k
る外部電極 5のアンカー効果が増し、接合強度を大幅に向上させることができる。
[0098] 図 11は、本実施形態の積層型圧電素子を積層方向に垂直で、かつ、内部電極層 2及び点在部 61を含む平面で切ったときの断面図である。図 11に示すように、点 k k
在部 61は、内部電極層 2と絶縁された状態にある金属領域 3が複数点在して構成 k k
されている。この点在部 61を構成する複数の金属領域 3は空隙 41を介して点在し
k
ている。この空隙 41は、内部電極層 2の側端部 2aから外部電極 5の一部 5aまで連
k
通しているので、この点在部 61の積層方向に隣り合う 2つの圧電体層 1 , 1を拘束す
k
る拘束力を効果的に弱めることができる。これにより、素子の変位量をさらに大きくす ること力 sできる。
[0099] また、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた点在部 61を有する周縁部 31は、積層体 4の積層方向に複数存在しているのが好ましい。これにより、積層型圧電素子の変位 量を増大させる効果をさらに高めることができるとともに、外部電極 5の接合強度をさ らに高めることができる。また、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた複数の周縁部 31 は、積層方向に規則的に配置されていることが望ましい。このように、外部電極 5が入 り込む周縁部 31を積層方向に規則的に配置することで、外部電極 5が積層体 4の積 層方向の全域にわたって略均一にかつ強固に接合される。
[0100] 外部電極 5の一部 5aを入り込ませた複数の周縁部 31は、内部電極層 2の全層数の
1Z2以下の層数毎に配置されるのがよぐより好ましくは全層数の 1/8以下の層数 毎、さらに好ましくは全層数の 1/15以下の層数毎に配置されているのがよい。仮に 、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた周縁部 31の配置される周期が内部電極層 2の 全層数の 1/2を超える層数毎であると、外部電極 5の一部が積層体 4内に入り込む 箇所が少なくなるので、外部電極 5の接合強度が積層方向でばらつきが生じるおそ れがある。 [0101] ここで、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた周縁部 31が「規則的に配置されている 」とは、これらの周縁部が配置される間隔がすべて同じである場合はもちろんのこと、 積層体 4の側面 4aにおいて積層方向全域にわたって略均一に且つ強固に外部電 極 5を接合することができる程度に、各周縁部の配置間隔が近似している場合も含む 概念である。具体的には、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた周縁部 31の配置間 隔は、各周縁部 31の配置間隔の平均値に対して好ましくは ± 20%の範囲内、より好 ましくは ± 15%の範囲内、さらに好ましくはすべて同数であるのがよい。
[0102] 外部電極 5の一部 5aを入り込ませた周縁部 31を規則的に配置する方法としては、 例えばこれらの周縁部 31を所定の枚数毎 (例えば 20層毎など)に配置する方法が 挙げられる。ただし、このような場合、内部電極層の総枚数が上記所定枚数で割り切 れないときには、積層体の両端付近においては、外部電極 5の一部 5aを入り込ませ た周縁部 31の配置が上記所定枚数毎の規則に従わなくてもよい。
[0103] また、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた周縁部 31は、正極及び負極の外部電極 5が形成される積層体 4の側面において、一対の外部電極に交互に隣接するように 配置されるのが望ましい。これにより、正極側の外部電極 5と負極側の外部電極 5が 均等に周縁部 31に入り込むことになり、正極側及び負極側の両側の外部電極 5が積 層体 4と強固にバランスよく接合することができるようになる。
[0104] 特に性能面のみを重視すると、外部電極 5の一部 5aを入り込ませた周縁部 31が全 ての圧電体層 1 , 1間に設けられていることが好ましい。この場合には、外部電極 5を 積層体 4の側面に対して積層方向全域にわたってさらに強固に接合させることができ るため、高電界で連続に高速駆動させた場合においても、外部電極 5が積層体 4の 側面から剥離することがなぐ駆動中に変位量が低下するといつた問題が生じるのを より確実に防ぐことができる。一方、全ての圧電体層間ではなぐ上記のように周縁部 31を規則的に配置することで性能面と製造コスト面とをバランスよく両立させることが k
できる。
[0105] 本実施形態の積層型圧電素子では、周縁部 31 内の無機物が金属領域 3からなる
k
場合について説明したが、これらの無機物は、金属材料もしくは圧電材料、又は金 属材料と圧電材料からなるものであってもよい。無機物が金属材料からなる場合には 、素子に高電界が加わり、素子自体が大きく変形した場合においても、金属材料が 圧電体層 1に比較してヤング率が低いため、金属材料が変形して応力を分散させる こと力 Sできる。これにより、圧電体層 1にクラックが入るのを抑制することができる。さら に、金属材料が変形しやすいので周縁部 31が積層体 4の変位を拘束する拘束力を
k
さらに低減させることができ、さらに高い変位を得ることができる。
[0106] 無機物を構成する金属材料は、主成分が周期表第 8〜: 11族金属から選ばれる少 なくとも一種であるのが好ましい。金属材料の主成分を上記のようにすることで、圧電 体層 1と周縁部 31を同時焼成することが可能となり、圧電体層 1と金属領域 3との接
k
合界面を強固に接合することができる。また、素子が変位して周縁部 31 に応力が加
k
わった場合でも、周縁部 31 自体が伸縮しやすい上記金属で構成されているので、
k
応力が一点に集中することなぐ耐久性に優れた積層型圧電素子を提供することが できる。特に、周縁部 31を構成する金属成分は、周期表第 8〜: 10族金属である Ni、
k
Pt、 Pd、 Rh、 Ir、 Ru及び〇sや周期表第 11族金属である Cu, Ag及び Au力 選ば れる金属やそれら金属の合金であるのが好ましい。これは、近年における合金粉末 合成技術において量産性に優れた金属組成であるからである。
[0107] さらに、内部電極層 2が銀一パラジウム合金等の周期表第 8〜: 10族金属である Ni、 Pt、 Pd、 Rh、 Ir、 Ru及び〇sから選ばれる金属 1種以上と周期表第 11族金属である Cu, Ag及び Auから選ばれる金属 1種以上とからなる合金の場合には、金属領域 3 を周期律第 11族金属もしくは周期律第 11族金属を含む合金で形成し、金属領域 3 中の周期表第 11族金属の比率が、内部電極層 2を形成する金属材料中の周期律
k
第 11属金属の比率よりも高く設定されているのが好ましい。これにより、周縁部 31の
k ヤング率を内部電極層 2よりも低くすることができるため、積層体 4の伸縮によって生
k
じる応力を周縁部 31が有効的に吸収することができる。これにより、積層体 4の伸縮
k
によって外部電極 5に生じる応力を低減することができるので、外部電極 5の一部 5a が積層体 4の側面 4aから剥離するなどの不具合が生じるのを防ぐことができる。
[0108] また、無機物が圧電材料からなる場合には、高圧力下での使用においても、周縁 部 31を構成する圧電材料が圧力に対して変形しやすいため、圧力が 1点に集中す k
ることがなぐ周縁部 31と隣り合う圧電体層 1に高い応力力 Sかかることを防止すること ができる。
[0109] さらに、無機物が金属材料と圧電材料とからなる場合には、上述する 2つの効果に より、高電界、高圧力下において連続駆動させた場合においても、素子自体が破断 することなく、上記 2つの効果を兼ね備えた積層型圧電素子を提供することができる。
[0110] また、無機物が金属材料を含む場合には、この金属材料の主成分と、内部電極層 2の主成分が同一であることが望ましい。これにより、圧電体層 1と内部電極層 2及び 周縁部 31を同時焼成することが可能になり、安価な積層型圧電素子を提供すること
k
ができる。
[0111] さらに、無機物が圧電材料を含む場合には、この無機物を構成する圧電材料と圧 電体層 1を構成する圧電材料が同一組成であることが望ましい。無機物を構成する 圧電材料と、圧電体層 1を構成する圧電材料の組成を同一にしておくことにより、圧 電体層 1と周縁部 31の同時焼成が可能となり、また、焼成時の組成の相互拡散が起
k
こった場合においても圧電体層 1を構成する圧電材料が組成変化を起こすことがなく 、所望の圧電特性を備えた積層型圧電素子を得ることができる。
[0112] また、無機物が金属材料を含む場合には、この金属材料の主成分と外部電極 5の 主成分が同一であることが望ましい。金属領域 3を構成する金属材料と外部電極 5の 主成分が同一であると、外部電極 5を形成するペーストを積層体 4の側面 4aに塗布し 焼き付けた際に、無機物と外部電極 5の接合部分で主成分が相互拡散し、いわゆる 拡散接合によって周縁部 31の金属領域 3と外部電極 5の接合を強固なものにするこ
k
とができ、外部電極 5の積層体 4の側面への接合強度をさらに強固なものにすること ができる。このように外部電極 5と無機物とが拡散接合する場合、外部電極 5と無機物 とが相溶した相溶領域が形成される。このような形態の場合、前述した外部電極 5の 一部 5aが積層体 4の側面 4aから周縁部 31 に入り込む深さ Dは、相溶領域と無機物
k
のみの領域との境界部分力 積層体 4の側面 4aまでの距離のことをいう。
[0113] なお、本実施形態において、内部電極層 2と、金属領域 3が点在した点在部 61を
k k 有する周縁部 31との境界は、例えば空隙率で表される空隙の多さを比較することに より半 IJ別すること力 Sできる。ただし、空隙率の差が小さぐかつ、内部電極層 2と点在
k 部 61内の金属領域 3を構成する金属とが同じ材料である場合には、内部電極層 2 と点在部 61との境界を判別しにくいことがある。このような場合には、次のような判別 k
方法により内部電極層 2と点在部 61 との境界を近似的に決定することができる。す k k
なわち、図 9に示すように、金属領域 3が点在していない圧電体層 1 の周 k+ 1, 1 間
k+2 縁部 31には、内部電極層 2 の側端部 2aと積層体 4の側面 4aとの間の領域に圧電 k + 2
体が充填されている。したがって、内部電極層 2 と、金属領域 3が点在していない 周縁部 31との境界は明確に判別できる。通常、各内部電極層 2は、積層方向に投影 したときに、一層おきにほぼ同じ位置に重なるように配置されている。したがって、内 部電極層 2と点在部 61との境界を判別しにくい場合には、内部電極層 2と点在部 6 k k k
1との境界は、例えば内部電極層 2 と周縁部 31との境界とほぼ同じ位置にあると k k + 2
近似すること力 Sできる。
[0114] 次に、第 7の実施形態にかかる積層型圧電素子の製法を説明する。まず、 PZT等 力 なるぺロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラ ール系等の有機高分子からなるバインダーと、 DBP (フタル酸ジブチル)、 DOP (フタ ル酸ジォクチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクタ 一ブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体層 1となるセラミツ クグリーンシートを作製する。
[0115] 次に、銀 パラジウム等の内部電極層 2を構成する金属粉末にバインダー、可塑剤 等、及び必要に応じて上記圧電セラミックスの仮焼粉末等を添加混合して、内部電 極層 2用の導電性ペーストを作製し、これを上記各グリーンシートの上面にスクリーン 印刷等によって 1〜40 μ m程度の範囲の厚みに印刷する。
[0116] その後、内部電極層 2の周縁部 31に複数の無機物を点在させるための点在用ぺ 一ストを印刷する。この点在用ペーストは、例えば銀などのように主成分が周期表第 8〜: 11族金属の金属材料及び圧電材料のうちの少なくとも一方の材料からなる無機 物の粉末に、バインダー、可塑剤等、さらには、乾燥時には接着固定され焼成時に は揮発するアクリルビーズ等の有機物を添カ卩混合したものである。この点在用ペース トに、乾燥時には接着固定され、焼成時には揮発する有機物を含有させておくことに より、任意の空隙率を有し、且つ、点在した無機物で構成される点在部 61を形成す k ることができる。点在用ペーストに添加するアクリルビーズの量を制御することにより、 周縁部 31の空隙率を制御することができる。つまり、添加するアクリルビーズの量が 少ない場合には空隙率は小さくなり、逆にアクリルビーズの量が多い場合には空隙 率が大きくなる。なお、点在用ペーストに用いる圧電材料の粉末は、圧電体層 1を形 成する圧電材料と同じ組成の圧電セラミックスの仮焼粉末が望ましい。
[0117] ついで、上面に内部電極層 2用の導電性ペーストが印刷されたグリーンシートと、内 部電極層 2を形成する導電性ペースト及び点在用ペーストが印刷されたグリーンシー トとを所定の順番に積層し積層成形体を得、この積層成形体を所定の温度で脱バイ ンダー処理を行った後、 900〜1200°Cで焼成することによって積層体 (積層焼結体 )を得る。
[0118] このように金属領域 3及び空隙 41を点在させた点在部 61を形成したい圧電体層 1
k
の部分には点在用ペーストを印刷したグリーンシートを積層する。これにより、所望の 位置に金属領域 3が空隙 41を介して点在した点在部 61を形成すること力 Sできる。ま
k
た、全ての圧電体層間に、上記領域が点在した周縁部 31を形成したい場合には、 全てのグリーンシートに導電性ペーストと点在用ペーストを印刷して積層すればょレヽ
[0119] また、不活性層 9用のグリーンシート中に、銀—パラジウム等の内部電極層 2を構成 する金属粉末を添加したり、不活性層 9用のグリーンシートを積層する際に、銀ーパ ラジウム等の内部電極層 2を構成する金属粉末および無機化合物とバインダーと可 塑剤からなるペーストをグリーンシート上に印刷することで、不活性層 9とその他の部 分の焼結時の収縮挙動ならびに収縮率を一致させることができるので、緻密な積層 体 4を形成することができる。
[0120] なお、積層体 4は、上記製法によって作製されるものに限定されるものではな 複 数の圧電体層 1と複数の内部電極層 2とを交互に積層してなる積層体 4を作製できれ ば、どのような製法によって形成されてもよい。
[0121] 次に、得られた積層体を周知の平面研削盤などを用いて、所定の形状に研削を行 う。その後、銀を主成分とする導電性粉末とガラス粉末にバインダー、可塑剤及び溶 剤を加えて作製した銀ガラス導電性ペーストを、外部電極 5を形成する積層体 4の側 面 4aにスクリーン印刷等によって印刷する。その後、所定の温度で乾燥、焼き付けを 行うことにより、外部電極 5を形成することができる。ここで、ガラス成分は、圧電体層 1 との接合強度を高め、且つ、有効に点在部 61内に侵入できるという点から、酸化鉛 k
若しくは酸化珪素の少なくとも 1種を含む軟ィ匕点 800°C以下のガラスが望ましい。ま た、前述以外に、ガラス成分は、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリけい酸ガ ラス、ァノレミノほうけレヽ酸塩ガラス、ほうけい酸塩ガラス、アルミノけい酸塩ガラス、ほう 酸塩ガラス、りん酸塩ガラス、鉛ガラス等を用いることができる。
[0122] 例えば、ほうけい酸塩ガラスとしては、 Si〇 40
2 〜70質量%、 B O 2
2 3 〜30質量%A1
〇 0〜20質量%、 Mg〇、 CaO、 Sr〇、 Ba〇のようなアルカリ土類金属酸化物を総
2 3
量で 0〜: 10質量%、アルカリ金属酸化物 0〜: 10質量%含有するものを使用すること ができる。また、上記ほうけい酸塩ガラスに、 5〜30質量%の Zn〇を含むようなガラス としても構わなレ、。 Zn〇は、ほうけい酸塩ガラスの作業温度を低下させる効果がある。
[0123] また、りん酸塩ガラスとしては、 P O 40
2 5 〜80質量0 /0、 Al O 0
2 3 〜30質量0 /0、 B O O
2 3
〜30質量%、 ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物 0〜30質量%、アルカリ 金属酸化物 0〜: 10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
[0124] また、鉛ガラスとしては、 PbO30〜80質量0 /0、 SiO 0
2 〜70質量0 /0、 Bi〇 0
2 3 〜30質 量%、 A1〇 0
2 3 〜20質量%、 ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物 0〜30質 量%、アルカリ金属酸化物 0〜: 10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
[0125] また、外部電極 5を構成する導電材料は、耐酸化性があり、ヤング率が低ぐ安価 であるという点から、銀を主成分とすることが望ましい。耐エレクト口マイグレーション性 を高めるという点から、微量の白金若しくはパラジウムを添加しても構わない。
[0126] 銀ガラス導電性ペーストの焼き付け温度は、外部電極 5の一部 5aを周縁部 31 に k 入り込ませ、且つ、外部電極 5と積層体 4の側面 4aの接合強度を高めるという点から 、銀ガラス導電性ペーストに含まれるガラスの軟化点以上の温度で、 500〜800°Cが 望ましい。また、銀ガラス導電性ペースト中のガラスの軟化点は、 500〜800°C力 S望 ましい。
[0127] さらに、外部電極 5の外面に、金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板が埋設さ れた導電性接着剤からなる導電性補助部材を形成してもよい。この場合には、外部 電極 5の外面に導電性補助部材を設けることによりァクチユエ一タに大電流を投入し 、高速で駆動させる場合においても、大電流を導電性補助部材に流すことができ、 外部電極 5に流れる電流を低減できるという理由から、外部電極 5が局所発熱を起こ し断線することを防ぐことができ、耐久性を大幅に向上させることができる。さらには、 導電性接着剤中に金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板を坦設してレ、るため、 導電性接着剤に亀裂が生じるのを防ぐことができる。金属のメッシュとは金属線を編 み込んだものであり、メッシュ状の金属板とは、金属板に孔を形成してメッシュ状にし たものをいう。
[0128] 導電性補助部材を構成する導電性接着剤は導電性粒子として銀粉末を分散させ たポリイミド樹脂からなることが望ましい。即ち、比抵抗の低い銀粉末を、耐熱性の高 レ、ポリイミド樹脂に分散させることにより、高温での使用に際しても、抵抗値が低く且 つ高い接着強度を維持した導電性補助部材を形成することができる。
[0129] さらに、導電性粒子はフレーク状や針状などの非球形の粒子であることが望ましレヽ 。導電性粒子の形状をフレーク状や針状などの非球形の粒子とすることにより、該導 電性粒子間の絡み合いを強固にすることができ、該導電性接着剤のせん断強度をよ り高めることができるためである。
[0130] その後、外部電極 5を含む積層体 4の側面 4aにシリコーンゴム等からなる外装樹脂 をデイツビング等の手法を用いてコーティングし、外部電極 5にリード線 6を半田等で 接続することにより本発明の積層型圧電素子が完成する。
[0131] なお、本発明の積層型圧電素子はこれらに限定されるものではな 本発明の要旨 を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上記実施形態では、 積層体 4の対抗する側面に外部電極 5を形成した例について説明したが、本発明で は、例えば隣り合う側面に一対の外部電極 5を形成してもよい。
[0132] <噴射装置 >
図 12は、本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す断面図である。図 12に示 すように、この噴射装置は、噴出孔 7を有した収納容器 6の内部に本発明の積層型 圧電素子からなる圧電ァクチユエータ 13を収納してなる。この噴射装置は、液体燃 料を収納容器 6内に導入するとともに、導入した液体燃料を圧電ァクチユエータ 13の 駆動によって噴出孔 7より外部へ噴出させるように構成されている。収納容器 6内に は、噴射孔 7を開閉することができるニードルバルブ 8が収容されている。噴射孔 7に は燃料通路 9が連通可能に設けられている。この燃料通路 9は外部の燃料供給源に 連結され、燃料通路 9に常時一定の圧力(高圧)で燃料が供給されている。従って、 ニードルバルブ 8が噴射孔 7を開放すると、燃料通路 9に供給されていた燃料が一定 の圧力で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように構成されている。また、 ニードルバルブ 8は、その上端部の直径が大きくなつており、収納容器 6に形成され たシリンダ 10と摺動可能なピストン 11を備えている。収納容器 6内には、上記した圧 電ァクチユエータ 13が収納されている。
[0133] このような噴射装置では、圧電ァクチユエータ 13が電圧を印加されて伸長するとピ ストン 11が押圧され、ニードルバノレブ 8が噴射孔 7を閉塞し燃料の供給が停止される 。また、電圧の印加が停止されると圧電ァクチユエータ 13が収縮し、皿バネ 12がビス トン 11を押し返し、噴射孔 7が燃料通路 9と連通して燃料の噴射が行われるようにな つている。
[0134] 以上、本発明の積層型圧電素子および噴射装置について説明したが、本発明は 上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、内部電極 層非形成部が圧電体層の端部に帯状に存在する場合について説明したが、本発明 はこのような形態に限定されるものではなぐ例えば内部電極層非形成部が圧電体 層の角部分に存在する場合などであってもよい。
[0135] なお、上記実施形態では、領域が金属領域の場合、及び空隙の場合にっレ、て説 明したが、これら以外であっても圧電体層を構成する圧電性セラミックスよりも変形し やすい物質からなる領域であればよい。圧電性セラミックスよりも変形しやすい物質と しては、例えば各種セラミックス、各種プラスチック、ゴムなどの固体の他、液体、ゲル 状物質などが挙げられる。これらの物質のうち、耐熱温度が積層体の焼成温度以下 である場合の製造方法としては、次のような方法が挙げられる。すなわち、積層体全 体を一体焼成するのではな 例えば、複数の積層体を作製した後、これらの積層体 間に上記物質力 なる領域を点在させて接合するような方法が挙げられる。これによ り、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減しつつ、抗折強度および絶縁 性が低下するのを抑制できるので、高レ、信頼性と高レ、変位性能を両立させることが できる。
[0136] さらに、本発明では、周縁部に、複数のセラミックスからなる領域が点在し、これらの セラミックス領域間に空隙が存在する形態であってもよい。このセラミックスとしては、 圧電体層と同じ材料であってもよぐ他のセラミックスであってもよい。これにより、変 位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減しつつ、抗折強度および絶縁性が 低下するのを抑制できるので、高い信頼性と高い変位性能を両立させることができる
[0137] また、本発明の積層型圧電素子は、例えば、 自動車エンジンの燃料噴射装置、ィ ンクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止装置 等に搭載される駆動素子、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、 超音波センサ、感圧センサ、ョーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、圧電ジャ イロ、圧電スィッチ、圧電トランス、圧電ブレーカ一等に搭載される回路素子以外であ つても、圧電特性を用いた素子であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば 種々の用途に適用可能である。
実施例 1
[0138] 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の積層型圧電素子を使 用した圧電ァクチユエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が 0. 4 x m のチタン酸ジルコン酸鉛 (PZT)を主成分とする圧電性セラミックスの仮焼粉末、バイ ンダ一、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で、焼成後の厚 みが約 150 z mになるように圧電体層 1用のセラミックグリーンシートを作製した。
[0139] ついで、このセラミックグリーンシートの片面に、銀一パラジウム合金(銀 95質量0 /0 パラジウム 5重量0 /0)にバインダーを加えた導電性ペーストをスクリーン印刷法によ り形成した。これらのシートを熱圧着積層して、焼成した。焼成は 800°Cで保持した後 に 1000°Cで焼成した。これにより図 2〜7及び図 14に示す構造を有する積層体をそ れぞれ得た。
[0140] なお、図 4に示す構造の積層型圧電素子は、周縁部に複数の金属領域 3が点在す るように、マスクパターンを施したスクリーン製版を用いて金属領域 3のパターンを印 刷した(島状の金属領域 3をスクリーン印刷により形成した)。金属領域 3を構成する 材料としては銀パラジウム合金を用レ、、この金属を含むペーストをスクリーン印刷した
[0141] 図 5に示す構造の積層型圧電素子は、島状の金属領域 3以外の部分にバインダー を印刷してマスキングを行レ、、焼成後に空隙 41が形成されるようにした。
図 3に示す構造の積層型圧電素子は、周縁部に複数の金属領域 3が点在するよう に、マスクパターンを施したスクリーン製版を用いて金属領域 3のパターンを印刷する とともに、金属領域 3以外の部分に PZTの共材とバインダーを混合させたペーストを 印刷して作製した。これにより、周縁部に金属領域 3が点在し、これらの金属領域 3の 間に PZTからなる絶縁セラミック領域が介在し、絶縁セラミック領域中に空隙が分散 した構造を形成した。
[0142] ついで、銀ガラスペーストを積層体 4の外部電極 5面に印刷して乾燥し、 700°Cで 3 0分焼き付けを行い、外部電極 5を形成した。その後、外部電極 5にリード線を接続し 、正極及び負極の外部電極 5にリード線を介して 3kV/mmの直流電界を 15分間印 加して分極処理を行った。これにより、図 1又は図 13に示す積層型圧電素子を得た。
[0143] 得られた積層型圧電素子に 150Vの直流電圧を印加し、得られる変位量をレーザ 一変位計を用いて測定した。また、積層体の抗折強度を 4点曲げ破壊荷重試験によ り測定した。結果を表 1に示す。
[0144] (表 1)
Figure imgf000038_0001
[0145] 表 1に示すように、周縁部に金属領域 3を点在させていない(島状の領域 3を形成し ていなレ、)試料 No.1と比較して、金属領域 3を点在させた試料 No.2〜7では、抗折強 度を低下させる事なぐ初期状態の変位量を向上させる事ができた。
実施例 2
[0146] 次に、第 7の実施形態にかかる積層型圧電素子を以下のようにして作製した。まず 、平均粒径が 0. 4 μ ΐηのチタン酸ジノレコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電性セラミツ タスの仮焼粉末、ノくインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレ ード法で、焼成後の平均厚みが約 150 /i mになるように圧電体層 1用のセラミックダリ ーンシートを作製した。
[0147] ついで、このセラミックグリーンシートの片面に、平均粒径 0. 8 μ mの銀一パラジゥ ム合金にバインダーを加えて作製した導電性ペーストをスクリーン印刷法により平均 厚み 4 x mで印刷を行った。さらに、無機物にバインダー及びアクリルビーズを加えて 作製した点在用ペーストを、前記導電性ペーストの非形成部(周縁部)にスクリーン印 刷法にて平均厚み 4 z mで印刷を行った。なお、無機物としては平均粒径 0. 8 μ ηι の銀粉末を用いた。アクリルビーズとしては平均粒径 0. 5 x mのものを用レ、、銀粉末 100体積%に対して 200体積%となるように添カ卩した。
[0148] その後、導電性ペーストのみが印刷されたグリーンシート 20層に対して、導電性べ 一ストと点在用ペーストの両方が印刷されたグリーンシート 1層の割合で積層して積 層成形体を得た。ついで、この積層成形体を 350〜450°Cの温度で脱脂を行った後 、 980〜: 1 100°Cで焼成して積層焼成体を得た。ついで、得られた積層焼成体を平 面研削盤にて研削し、積層体 4を得た。
[0149] 次に、平均粒径 2 μ mの銀粉末と残部が平均粒径 2 μ mのケィ素を主成分とする軟 化点が 650°Cのガラス粉末との混合物にバインダー添加して作製した銀ガラス導電 性ペーストを積層体 4側面の外部電極 5形成面にスクリーン印刷によって平均厚み 3 O x mで形成し、 700°Cにて 30分焼き付けを行うことにより、外部電極 5を形成した。
[0150] このとき、点在用ペーストを印刷しておいた圧電体間で内部電極層 2と積層体 4側 面との間の周縁部 31は、平均空隙率 95%で複数の無機物が点在した構造となった 。この周縁部 31には平均で深さ l O x m外部電極 5の一部 5aが入り込んでいた。なお 、内部電極層 2の空隙率は平均で 20%であった。なお、無機物が点在した周縁部 3 1の平均空隙率は、無機物が点在した複数の周縁部の空隙率をそれぞれ測定して その平均値を算出したものである。内部電極層 2の平均空隙率も同様にして測定し た。
[0151] また、外部電極 5の一部 5aが入り込んでいる深さ Dの平均とは、全ての周縁部 31を 観察してそれぞれの深さ Dを測定してその平均値を算出したものである。空隙率の測 定方法は次の通りである。すなわち、まず、積層方向に平行な断面が露出するように 、積層体 4をケメット'ジャパン (株)社製卓上研磨機 KEMET—V— 300を用いてダイ ャモンドペーストで研磨した。この研磨処理により露出した断面を、光学顕微鏡により 250倍に拡大して観察して断面画像を得、この断面画像から周縁部 31の空隙率及 び内部電極層 2の空隙率を測定した。なお、空隙率は、光学顕微鏡にて撮影した断 面画像の空隙部分を黒色に塗りつぶし、空隙以外の部分を白色に塗りつぶし、黒色 部分の比率((黒色部分の面積) / (黒色部分の面積 +白色部分の面積) )を求め、 百分率で表すことにより算出した。このとき、カラーの断面画像をグレースケールに変 換して黒色部分と白色部分に 2階調化した。黒色部分と白色部分に 2階調化するた めの境界の敷居値を設定する際には、 目視により境界の敷居値を設定した。
[0152] その後、外部電極 5にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極 5にリード線を 介して 3kV/mmの直流電界を 15分間印加して分極処理を行レ、、図 1に示すような 積層型圧電素子を用いた圧電ァクチユエータを作製した。得られた積層型圧電ァク チユエータに 160Vの直流電圧を印加したところ、積層方向に変位量 40 μ mが得ら れた。さらに、この積層型圧電ァクチユエータを室温で 0〜 + 160Vの交流電圧を 15 0Hzの周波数で印加して、 I X 109回まで連続駆動した試験行った。得られた結果を 表 2に示す。
[0153] (表 2) 周縁部に
1 X 1 0 9回 無機化合物の 入り込んでいる
試料 周縁部の 初期の変位量 駆動後の 点在した周縁部 外部電極の深さ
No. 構成 単 : μ m 変位量
の配置 D
卓位: μ m 単 H: β m
周縁部に
1 無機化合物の 2 0層に 1層 10 40 40
点在あり 周縁部に
2 無機化合物の ― ― 38 30
点在なし
[0154] 表 2に示すように、本発明の積層型圧電素子 (試料番号 1)では、連続駆動前と同 様に変位量 40 / mが得られ、また、外部電極 5には異常は見られなかった。一方、 無機物が点在していない周縁部のみで、積層体側面に外部電極の一部が入り込ん でいない試料番号 2の積層型圧電素子では、初期の変位量が本発明の積層型圧電 素子 (試料番号 1)よりも 2 x m少なぐさらに、 I X 109回の駆動後においては、変位 量が 30 z mにまで低下してしまっていた。これは、周縁部がないために、内部電極 層の非形成部分 (周縁部)において、全ての隣り合う圧電体間が強固に接合されて いるために、周縁部が積層体の変位を拘束し、試料番号 1よりも、初期の変位量が少 なくなってしまっている。さらに、試料番号 2の積層型圧電素子においては、外部電 極の一部が積層体内に入り込んでレ、なレ、ために、外部電極と積層体側面の接合強 度が弱ぐ結果、外部電極の一部が積層体側面から剥離し、一部の内部電極層と外 部電極の間で断線が生じて一部の圧電体に電圧が供給されなくなったために、変位 量が低下したものである。
実施例 3
[0155] 次に、周縁部を構成する無機物の材質と、周縁部の層数を変化させた以外は、実 施例 2と同様にして積層型圧電素子を作製した。
評価結果を表 3に示す。
[0156] (表 3) 無機化合物が 1 X 1 0 9回駆動 試料 周縁部に点在した 初期の変位量
点在した 後の変位量
No. 無機化合物 卓位: n m
周縁部の配置 単位: μ m
1 銀 2 0層に 1層 40 40
3 P Z T 2 0層に 1層 40 40
4 銀 + P Z T 2 0層に 1層 40 40
5 銀 全層 40 40
6 P Z T 全層 40 40
7 銀 + P Z T 全層 40 40 表 3より、本発明の積層型圧電素子である試料番号 1、 3、 4、 5、 6、 7は、 1 X 109回 連続駆動した場合においても、連続駆動前と同様の変位量が得られ、高信頼性を備 えた圧電ァクチユエータであることが分かった。

Claims

請求の範囲
[1] 複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体を有する積層型圧 電素子において、
積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部 と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、無機化合物から なる領域が空隙を介して複数点在した点在部であることを特徴とする積層型圧電素 子。
[2] 前記無機化合物からなる領域が金属からなる金属領域であり、前記点在部は前記 金属領域が前記内部電極層と絶縁された状態で複数点在してなる請求項 1に記載 の積層型圧電素子。
[3] 複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体を有する積層型圧 電素子において、
積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部 と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、金属からなる金 属領域が前記内部電極層と絶縁された状態で複数点在した点在部であることを特徴 とする積層型圧電素子。
[4] 前記金属領域が銀パラジウム合金からなる請求項 2又は 3に記載の積層型圧電素 子。
[5] 前記無機化合物からなる領域がセラミックスからなるセラミック領域であり、前記点在 部は前記セラミック領域が複数点在してなる請求項 1〜4のいずれかに記載の積層 型圧電素子。
[6] 前記セラミック領域が、前記積層体の積層方向に隣り合う 2つの圧電体層を連結し てレ、る請求項 5に記載の積層型圧電素子。
[7] 前記セラミック領域が前記圧電体層と同じ圧電セラミックスからなる請求項 5又は 6 に記載の積層型圧電素子。
[8] 複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体を有する積層型圧 電素子において、
積層方向に隣り合う 2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部 と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、樹脂からなる領 域が空隙を介して複数点在した点在部であることを特徴とする積層型圧電素子。 前記点在部は前記内部電極層よりも空隙が多い請求項 1〜8のいずれかに記載の 積層型圧電素子。
前記点在部を有する周縁部は、点在部を有していない周縁部と比較して、内部電 極層の側端部と積層体の側面との間の距離が長い請求項 1〜9のいずれかに記載 の積層型圧電素子。
前記積層体は、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間の距離が異 なる 2以上の点在部を有する請求項 1〜: 10のいずれかに記載の積層型圧電素子。 前記積層体は複数の前記点在部を有し、積層方向に隣り合う点在部間には少なく とも 2層以上の前記圧電体層が配置されている請求項 1〜: 10のいずれかに記載の積 層型圧電素子。
前記複数の点在部が前記積層体の積層方向に等間隔に配置されている請求項 1 2に記載の積層型圧電素子。
前記積層体における全ての周縁部には、各周縁部の少なくとも一部に前記点在部 がそれぞれ形成されている請求項 1〜8のいずれかに記載の積層型圧電素子。 前記積層体の側面には複数の前記内部電極層が一層おきにそれぞれ電気的に 接続された一対の外部電極が形成されており、前記周縁部の一部に前記外部電極 の一部が入り込んでいる請求項:!〜 14のいずれかに記載の積層型圧電素子。 前記外部電極の一部は、前記点在部を構成する複数の前記領域間に入り込んで レ、る請求項 15に記載の積層型圧電素子。
前記周縁部には、前記内部電極層の側端部から前記外部電極の一部まで連通し た空隙が形成されている請求項 15又は 16に記載の積層型圧電素子。
前記積層体には、前記外部電極の一部が入り込んでいる前記周縁部が複数存在 し、これらの周縁部が前記積層体の積層方向に規則的に配置されている請求項 15 〜 17のいずれかに記載の積層型圧電素子。
前記金属領域の主成分が前記外部電極の主成分と同じである請求項 15〜: 18の レ、ずれかに記載の積層型圧電素子。 [20] 前記積層体の側面には樹脂からなる被覆層が形成されており、前記周縁部の一部 に前記被覆層の一部が入り込んでいる請求項 1〜: 19のいずれかに記載の積層型圧 電素子。
[21] 噴出孔を有する容器と、請求項 1〜20のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備 え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔 から噴射するように構成されてレヽることを特徴とする噴射装置。
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