JP4474893B2 - セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置 - Google Patents

セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4474893B2
JP4474893B2 JP2003356827A JP2003356827A JP4474893B2 JP 4474893 B2 JP4474893 B2 JP 4474893B2 JP 2003356827 A JP2003356827 A JP 2003356827A JP 2003356827 A JP2003356827 A JP 2003356827A JP 4474893 B2 JP4474893 B2 JP 4474893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
thomson
punching
carrier film
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003356827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005119146A (ja
Inventor
成 門谷
昭夫 岩瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2003356827A priority Critical patent/JP4474893B2/ja
Publication of JP2005119146A publication Critical patent/JP2005119146A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4474893B2 publication Critical patent/JP4474893B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は,セラミック層を複数積層してなるセラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置に関する。
セラミック積層体は、例えば、セラミックス材料よりなる薄膜状のグリーンシートを打ち抜いたシート片を複数積層してなるシート積層体を焼成したものである。そして、例えば、各シート片の間に内部電極層を配置して得られたセラミック積層体の側面に一対の外部電極を接合すれば、積層型圧電素子を製造することができる。
上記のセラミック積層体を作製するに当たっては、特に、上記グリーンシートの破れや歪み等を十分に防止しながら上記シート片を打ち抜き、積層して上記シート積層体を形成する必要がある。シート積層体を構成するシート片に生じた歪みは、焼成時のクラック、変形や、積層型圧電素子としての動作時のクラック、デラミ等の種々のトラブルの原因となるからである。
グリーンシートやシート片のトラブルを回避するためには、可能な限り、キャリアフィルムに保持した状態でグリーンシートやシート片を取り扱うことが望ましい。この点において、例えば、打ち抜き形状と略同一の閉曲線形状に形成したトムソン刃を備えてなり、該トムソン刃の内周側に凹部を形成したトムソン型による打抜き積層が有効である。
このようなトムソン型によれば、キャリアフィルム上に保持した状態のグリーンシートからシート片を打ち抜くことができ、打ち抜いたシート片をそのままトムソン型内に収容し、積層できるからである(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、上記トムソン型を用いたセラミック積層体の製造方法では、キャリアフィルムから剥がした状態でグリーンシート等を取り扱う必要がない。そのため、この製造方法によれば、破れや歪み等を抑制した良好な状態のグリーンシートからシート片を打ち抜き、該シート片の良好な状態を維持しながら積層することにより優れた品質のセラミック積層体を製造することができる可能性がある。
しかしながら、上記従来のトムソン型を用いた上記セラミック積層体の製造方法では、次のような問題を生じる場合がある。
すなわち、上記グリーンシートの厚さが薄くなると、上記トムソン型内のシート積層体の端面に新たにシート片を積層する際、層間に空気が混入するおそれが多くなる。そして、層間に空気が混入したシート積層体では、焼成によりセラミック積層体を作製する際の層間剥離や、積層型圧電素子としての動作時のデラミやクラック等のトラブルを生じるおそれがある。
さらに、シート積層体に新たに積層したシート片をキャリアフィルムから剥がして分離する際には、キャリアフィルムがシート片を保持する力に対抗してシート片を剥がす必要があり、この保持力によってシート片に歪みや破れ等を生じるおそれがある。
特開2003−205511号公報
本発明は、積層したセラミック層に欠陥の少ない優れた品質のセラミック積層体を製造する方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、キャリアフィルム上にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからトムソン型を用いてシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
上記打抜積層工程において上記シート片を打ち抜いて積層するに当たっては、グリーンシートの表面であるシート表面に対して上記トムソン型を傾けた状態で、該トムソン型内に既に収容した上記シート片の上記積層面の外周部の一部のみを最初に上記シート表面に接触させ、
その後、上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、上記積層面と上記シート表面とが次第に略平行に近づくように上記トムソン型を相対的に回動させて、上記接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面を上記シート表面に接触させると共に、上記シート片を打ち抜くことを特徴とするセラミック積層体の製造方法にある(請求項1)。
第2の発明は、キャリアフィルム上にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからトムソン型を用いてシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
上記打抜積層工程において上記シート片を打ち抜いて積層するに当たっては、上記トムソン型をグリーンシートの表面であるシート表面に向けて進退させるためのメインシリンダと、上記キャリアフィルムを載置した載置面から凸状に突出させるためのサブシリンダとを備えた装置を用い、
上記サブシリンダにより上記キャリアフィルムを上記トムソン型に向けて凸状に突出させて突出部を形成すると共に、上記メインシリンダにより該突出部に対して上記トムソン型を相対的に前進させて、まず、上記積層面の一部のみを上記突出部に保持されて突出形状をなす上記シート表面の凸部に最初に接触させ、その後さらに、上記トムソン型のみを相対的に前進させるのに連動して上記突出部を後退させて上記シート表面を次第に平坦に近づけて上記接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面を上記シート表面に接触させると共に、上記シート片を打ち抜くことを特徴とするセラミック積層体の製造方法にある(請求項2)。
上記第1、第2の発明における上記打抜積層工程では、上記グリーンシートから上記シート片を打ち抜いて積層する際、上記積層面の一箇所のみを最初に上記シート表面に接触させた後、積層面とシート表面との接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面をシート表面に接触させると共に、シート片を打ち抜く。
そのため、上記打抜積層工程によれば、上記トムソン型内のシート積層体に新たにシート片を積層する際、該シート片のシート表面と上記積層面との間の空気をうまく逃がしながら積層することができる。
したがって、上記第1、第2の発明の製造方法により製造したセラミック積層体は、上記打抜積層工程において層間への空気の混入を抑制して製造してなり、層間剥離やクラック等を生じるおそれが少ない優れた品質を呈するものとなる。
第3の発明は、キャリアフィルムの保持面にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記グリーンシート上に導電ペーストを印刷する電極印刷工程と、トムソン型を用いて、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
上記打抜積層工程において新たに積層した上記シート片を上記キャリアフィルムから剥がすに当たっては、上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、上記保持面に対して上記トムソン型を相対的に回動させて傾けながら遠ざけることにより上記シート片を上記キャリアフィルムから分離することを特徴とするセラミック積層体の製造方法請求項3)。
第4の発明は、キャリアフィルムの保持面にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記グリーンシート上に導電ペーストを印刷する電極印刷工程と、トムソン型を用いて、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
上記打抜積層工程において新たに積層した上記シート片を上記キャリアフィルムから剥がすに当たっては、上記トムソン型をグリーンシートの表面であるシート表面に向けて進退させるためのメインシリンダと、上記キャリアフィルムを載置した載置面から凸状に突出させるためのサブシリンダとを備えた装置を用い、
上記メインシリンダにより上記保持面に対して上記トムソン型を相対的に後退させるのに連動して、上記サブシリンダにより上記シート片を保持する上記保持面の一部である突出部を上記トムソン型に向けて突出させていくことにより、少なくとも上記突出部において上記シート片との接触状態を維持しておき、その後さらに、上記トムソン型のみを相対的に後退させて上記シート片を上記キャリアフィルムから分離することを特徴とするセラミック積層体の製造方法にある(請求項4)。
上記第3の発明においては、上記トムソン型の相対的な回動に伴って該トムソン型内に積層したシート積層体に新たに積層した上記シート片を回動させ、該シート片の外周部のうち回動円弧の曲率半径が大きい箇所から剥がし始め、その後、上記保持面から徐々に分離していくことができる。
上記第4の発明においては、上記トムソン型の相対的な後退に連動して上記突出部を突出させていくことにより、上記突出部とシート片との接触状態を維持しながら、上記突出部から離れた外周部において上記保持面から上記シート片を剥がし始めることができる。そしてその後、上記トムソン型のみを相対的に後退させることで、上記突出部から上記シート片を剥がして該シート片を上記キャリアフィルムから完全に分離させることができる。
そのため、上記打抜積層工程によれば、上記シート積層体に新たに積層したシート片をキャリアフィルムから剥がす際、シート片に作用する力を小さくできる。
それ故、上記シート片を上記キャリアフィルムから剥がして分離する際、上記積層面と上記シート片との間に剥離が生じたり、シート片自体に破れや歪み等の発生するおそれを抑制でき、製造するセラミック積層体においてはクラックやデラミ等のトラブルが生じるおそれを抑制することができる。
第5の発明は、キャリアフィルム上に配置したグリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を積層してシート積層体を作製する打抜き積層装置において、
上記グリーンシートから上記シート片を打ち抜くトムソン刃を備えてなり、上記シート片を積層したシート積層体を内部に収容するように構成したトムソン型と、
上記グリーンシートを保持する上記キャリアフィルムを載置する載置台と、
該載置台に対して上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、該トムソン型を相対的に回動させる機構であって、上記打ち抜きの際には、その回動過程の最初において上記トムソン刃の刃先面と上記キャリアフィルムの表面である保持面とが斜めに対峙し、回動過程の最後に上記トムソン刃の刃先面と上記保持面とが略一致するように構成した回動機構とを有してなることを特徴とする打抜き積層装置にある(請求項5)。
上記第5の発明の打抜き積層装置は、上記載置台に対して上記トムソン型を相対的に回動させる上記回動機構を有してなる。そして、該回動機構は、その回動過程において上記トムソン刃の刃先面と上記キャリアフィルムの表面である保持面とを略一致するように構成してある。
そして、上記刃先面と上記保持面とを略一致させた状態の上記トムソン型によれば、上記載置台に載置したグリーンシートからシート片を打ち抜くと共に、打ち抜いたシート片をトムソン型内に順次、積層していくことができる。
なお、ここで、上記刃先面と上記保持面とが略一致するとは、上記トムソン刃によって上記保持面に保持した上記グリーンシートからシート片を打ち抜くことができる程度に両者が一致することをいい、厳密な一致を意味するものではない。なお、上記保持面に保持した上記グリーンシートを打ち抜くに当たっては、略平行に位置させた上記刃先面と上記保持面との間に、若干の隙間を空けておくのが一般的である。
そして、上記打抜き積層装置では、トムソン型の相対的な回動動作により上記刃先面と上記保持面とを略一致させるように構成してある。そのため、その到達過程においては、まず、トムソン型の刃先の周方向の1箇所が、グリーンシートの表面であるシート表面に接触すると共に、トムソン型内に既に収容した上記シート片の裏面である積層面の一部のみがシート表面に接触することになる。そして、さらにトムソン型を相対的に回動させていくと、トムソン型がシート片の外周を次第に切断していくと共に、上記積層面とシート表面との接触領域が徐々に拡大していくことになる。
したがって、上記打抜き積層装置では、トムソン型内のシート積層体に新たにシート片を積層する際、シート積層体とシート片との間の空気を逃がしながら接着でき、層間剥離等を生じるおそれが少ないセラミック積層体を作製することができる。
さらに、トムソン型内のシート積層体にシート片を積層した後、上記トムソン型をさらに回動させると、シート積層体に新たに積層したシート片は、まず、その外周の1箇所において上記保持面から剥がされ、徐々に全面が剥がされていくことになる。
そのため、上記打抜き積層装置では、上記トムソン型内のシート積層体に新たに積層したシート片をキャリアフィルムから分離する際、シート片に作用する力を小さくでき、該シート片の破れや歪み等の発生を抑制することができる。
第6の発明は、キャリアフィルム上に配置したグリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を積層してシート積層体を作製する打抜き積層装置において、
上記グリーンシートから上記シート片を打ち抜くトムソン刃を備えてなり、上記シート片を積層したシート積層体を内部に収容するように構成したトムソン型と、
上記グリーンシートを保持する上記キャリアフィルムを載置する載置面から上記トムソン型に向けて突出するように構成した昇降面を有してなり、該昇降面が上記トムソン型による打抜き領域の一部のみをなすように構成した載置台と、
該載置台に対して上記トムソン型を相対的に進退させるメインシリンダと、
上記昇降面を上記載置面から突出させるサブシリンダとを有してなることを特徴とする打抜き積層装置にある(請求項7)。
上記第6の発明の打抜き積層装置における上記載置台では、上記載置面における上記打抜き領域の一部のみに上記昇降面を配置してある。
該昇降面を突出させた状態で上記トムソン型を相対的に前進させると、上記トムソン型内に既に収容した上記シート片の裏面である積層面の一部のみを、まず最初に、上記グリーンシートの表面のうち上記昇降面により突出させた部分に接触させることができる。
そして、その後、例えば、上記トムソン型の相対的な前進に連動して上記昇降台を下降させれば、上記積層面と上記グリーンシートとの接触領域を徐々に拡大していきながら、上記シート片を打ち抜くことができる。そして、この場合には、上記積層面と上記シート片との間の空気をうまく逃がしながら、上記積層面に上記シート片を積層することができる。
また、上記打抜き積層装置によれば、例えば、上記トムソン型を相対的に後退させるのに連動して上記昇降面を突出させていけば、キャリアフィルムの一部に、トムソン型に向けて突出する突出部を形成することができる。
そのため、上記打抜き積層装置では、トムソン型を相対的に後退させるのに連動して上記昇降面を突出させる間、上記突出部とシート片との接触状態を維持することができる。
一方、上記昇降面を突出させる間であっても、シート片と保持面との接触領域のうち上記突出部から離れた外周部では、上記トムソン型の相対的な後退に伴って上記保持面からシート片が剥がれ始めることになる。そして、上記トムソン型をさらに後退させると、上記シート片の外周部から上記突出部に向けて徐々に剥離を進行させることができる。そして、上記昇降台の前進を停止させた後、上記トムソン型のみを後退させれば、上記突出部から上記シート片を剥がして上記キャリアフィルムから完全に分離することができる。
以上のように上記第6の発明の打抜き積層装置によれば、上記シート片を打ち抜いて積層する際の空気の混入を抑制することができると共に、新たに積層したシート片を上記キャリアフィルムから剥がして分離する際には、上記シート片に作用する力を小さくして該シート片に生じるトラブルを未然に防止することができる。
上記第1の発明においては、上記打抜積層工程において上記シート片を打ち抜いて積層するに当たっては、上記シート表面に対して上記トムソン型を傾けた状態で、該トムソン型内に既に収容した上記シート片の上記積層面の外周部の一部のみを最初に上記シート表面に接触させ、その後、上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、上記積層面と上記シート表面とが次第に略平行に近づくように上記トムソン型を相対的に回動させて、上記接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面を上記シート表面に接触させると共に、上記シート片を打ち抜く
この場合には、上記積層面を、その外周部の1箇所から上記シート表面に接触させ始めて徐々に上記接触領域を拡大していくことができる。
そのため、上記積層面に新たにシート片を積層する際、上記積層面と上記シート片との間から空気等をうまく逃がすことができる。
また、上記第2の発明においては、上記打抜積層工程において上記シート片を打ち抜いて積層するに当たっては、上記トムソン型をグリーンシートの表面であるシート表面に向けて進退させるためのメインシリンダと、上記キャリアフィルムを載置した載置面から凸状に突出させるためのサブシリンダとを備えた装置を用い、上記サブシリンダにより上記キャリアフィルムを上記トムソン型に向けて凸状に突出させて突出部を形成すると共に、上記メインシリンダにより該突出部に対して上記トムソン型を相対的に前進させて、まず、上記積層面の一部のみを上記突出部に保持されて突出形状をなす上記シート表面の凸部に最初に接触させ、その後さらに、上記トムソン型のみを相対的に前進させるのに連動して上記突出部を後退させて上記シート表面を次第に平坦に近づけて上記接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面を上記シート表面に接触させると共に、上記シート片を打ち抜く
この場合には、上記シート片を打ち抜いて積層する際、まず、上記積層面の一部のみを最初に上記シート表面の凸部に接触させ、その後、トムソン型を相対的に前進させるのに連動して上記シート表面を平坦に近くしていけば、上記接触領域を徐々に拡大していくことができる。
そのため、上記シート積層体と新たに積層するシート片との間に空気等が混入するおそれを抑制して上記シート積層体を形成することができる。
また、上記打抜積層工程において新たに積層した上記シート片を上記キャリアフィルムから剥がすに当たっては、該キャリアフィルムから上記トムソン型を相対的に遠ざけていき、上記キャリアフィルムに保持されたままの上記シート片を、その外周部における所定の箇所から剥がし始めて上記キャリアフィルムから分離することが好ましい
この場合には、上記保持面から上記シート片を剥がす際、該シート片に作用する力を小さくでき、該シート片が上記積層面から剥離したり、シート片自体に破れや歪み等が発生するおそれを抑制することができる。
なお、上記所定の箇所とは、外周部のうち予め予定した特定の箇所をいい、外周部の一部であっても全部であっても良い。
上記第5の発明においては、上記回動機構による上記回動過程の最初の状態よりも上記載置台と上記トムソン型とが離隔した状態と、上記回動過程の最初の状態との間において、上記載置台に対して上記トムソン型を相対的に進退させるよう構成した進退機構を有してなることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記回動機構による動作と、上記進退機構による動作とを組み合わせて、上記トムソン型を用いて上記シート片を効率良く打ち抜いて積層し、その後、打ち抜いたシート片をキャリアフィルムから効率良く分離することができる。
上記第6の発明においては、上記昇降面は、上記打抜領域の内周部に配置してあることが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記トムソン型を相対的に前進させて上記シート片を打ち抜いて積層する際、上記昇降面を突出させた状態にしておけば上記積層面の中央部分において、まず、上記グリーンシートと接触させることができる。そして、その後、トムソン型を前進させるに伴って上記昇降面を後退させていけば、上記積層面と上記グリーンシートとの接触面積を徐々に拡大していくことができる。
そのため、上記打抜き積層装置によれば、上記シート片を打ち抜いて積層する際、上記積層面と上記シート片との間の空気等を確実性高く逃がすことができる。
さらに、上記トムソン型を相対的に後退させて新たに積層したシート片を上記キャリアフィルムから剥離する際には、上記トムソン型の後退に連動して上記昇降面を突出させていけば、上記シート片の中央部分における上記キャリアフィルムとの接触状態を維持しながらその外周部分から徐々に剥がしていくことができる。
(実施例1)
本例は、セラミック層11を複数積層したセラミック積層体10(図4)を製造する方法及び、その製造方法に用いる打抜き積層装置3に関する例である。この内容について、図1〜図26を用いて説明する。
本例のセラミック積層体10の製造方法は、キャリアフィルム109上にセラミックス原料を配置してグリーンシート100を形成するシート形成工程と、トムソン型31を用いてキャリアフィルム109に保持したグリーンシート100からシート片210を打ち抜き、該打ち抜いたシート片210を上記トムソン型31内で積層してシート積層体20を形成する打抜積層工程と、シート積層体20を焼成してセラミック積層体10を形成する焼成工程とを含む製造方法である。
そして、上記打抜積層工程においてシート片210を打ち抜いて積層するに当たっては、図14〜図16に示すごとく、グリーンシート100に向けてトムソン型31を相対的に近づけていき、該トムソン型31内に既に収容した上記シート片210の裏面である積層面21の一部のみを最初に、上記グリーンシート100の表面であるシート表面101に接触させる。
そしてその後、さらに上記トムソン型31を相対的に近づけて積層面21とシート表面101との接触領域を次第に拡大していきながら積層面21の全面をシート表面101に接触させると共に、シート片210を打ち抜く。
以下、この内容について詳しく説明する。
まず、本例のセラミック積層体10の製造方法に使用する打抜き積層装置3について説明しておく。この打抜き積層装置3は、図1に示すごとく、グリーンシート100からシート片210を打ち抜くトムソン刃311を備えてなり、シート片210を積層してなるシート積層体20を内部に収容するように構成したトムソン型31と、グリーンシート100を保持するキャリアフィルム109を載置する載置台32と、該載置台32に対してトムソン型31を相対的に回動させる回動機構33とを有してなる装置である。特に、回動機構33は、図2に示すごとく、その回動過程においてトムソン刃311の刃先面310と、キャリアフィルム109の表面である保持面108とを略一致させるように構成してある。
なお、本例の打抜き積層装置3は、固定したトムソン型31に対して載置台32を回動させるように構成してある。
本例の打抜き積層装置3は、図1に示すごとく、基台351と、該基台351に対して所定の間隙を空けて対面する天板352を組み合わせてなる筐体35を有してなる。
トムソン型31は、上記天板352の略中央部分に穿孔した取り付け穴350を貫通し、トムソン刃311を上記基台351に向けて突出させた状態で剛性高く固定してある。本例のトムソン型31は、先端にトムソン刃311を備えた略円筒状の筒部312と、該筒部312内で積層したシート積層体20の積層高さに応じて進退するよう構成した積層ウェイト313とを有してなる。
この積層ウェイト313は、図1に示すごとく、真空ポンプ(図示略)から延設されたチューブを接続する吸引ポートを有してなる。そして、積層ウェイト313の外表面のうち筒部内に露出する積層吸着面314には、上記吸引ポートに連通する吸着口を配置してある。そして、トムソン型31は、積層ウェイト313の積層吸着面314にシート片210を吸着して、シート積層体20を確実に保持できるように構成してある。
また、同図に示すごとく、基台351には、載置台32を傾けた状態で載置する傾斜台353を取り付けてある。そして、この傾斜台353に載置された載置台32は、該載置台32と天板352との間に形成した回動軸の回りに回動可能に支持されるように構成してある。本例では、うね状(図1の紙面を貫く方向)に伸びる断面半円形状を呈するピボット331を天板352に配設すると共に、該ピボット331と対になる溝状の受け部332を載置台32に配設し、ピボット331と受け部332とを組み合わせて上記回動軸を構成した。
そして、この回動軸回りに回動可能に支持した載置台32は、図2に示すごとく、その回動過程において、載置したキャリアフィルム109の表面である保持面108とトムソン刃311の刃先面310とを、グリーンシート100の厚さの5〜10%に相当するわずかな隙間tを空けた状態で略一致させるように構成してある。
なお、本例では、トムソン刃311によってキャリアフィルム109が傷つくことを回避するため、図1に示すごとく、保持面108と刃先面310とが上記のごとく略一致したときに載置台32と当接し、該載置台32の回動動作を規制する回動ストッパ339を天板352に固定してある。
したがって、本例の打抜き積層装置3では、トムソン型31と載置台32との相対的な回動範囲における一方の終点において上記の保持面108と刃先面310との略一致状態が得られる。
なお、これに代えて、上記回動範囲の中点において上記略一致状態が得られるように上記打抜き積層装置3を構成することもできる。この場合には、上記回動範囲における片道の回動動作により、新たなシート片210を打ち抜いて積層し、保持面108から剥がすことができる。そして、上記回動範囲を往復させると2枚のシート片210を積層でき、効率良くシート積層体20を作製することができる。
また、載置台32は、図3に示すごとく、回動動作によりトムソン刃311の刃先のうち上記回動軸に近く回動円弧の曲率半径が小さい箇所が上記グリーンシート100の表面であるシート表面101に達したとき、刃先とシート表面との最大ギャップ長gが10μm〜40μmとなるように構成してある。
なお、上記シート表面101とは、グリーンシート100における大気に露出する表面をいい、グリーンシート100上に内部電極パターン107や接着パターン105を印刷してある場合には、接着パターン105の表面がシート表面101となる。
さらに、本例の打抜き積層装置3は、図1に示すごとく、上記回動軸の回りに載置台32を回動させるためのシリンダユニット333を傾斜台353の内部に有している。このシリンダユニット333は、油圧によって作動するアクチュエータ部334と、該アクチュエータ部334の進退動作を載置台32に伝達するためのアーム部335とにより構成してある。
載置台32は、グリーンシート100を保持したキャリアフィルム109を載置するように構成してある。そして、本例の打抜き積層装置3は、図示しない送り機構によって、載置台32に載置したキャリアフィルム109を上記回動軸に沿って送出し、シート片210を順次、打ち抜くことができるように構成してある。
なお、本例の載置台32は、吸引ポートに連通するよう配置した発泡金属部325を内部に有している。そして、載置面321は、上記発泡金属部325を介して上記吸引ポートと連通する吸着口を多数有してなり、載置したキャリアフィルム109を吸着して確実に保持できるように構成してある。
本例で製造するセラミック積層体10は、図4に示すごとく,直径10.5mm,厚さ100μmのセラミック層11を400枚積層してなる。特に、本例のセラミック積層体10は,図5に示すごとく,一対の外部電極18と組み合わせて積層型圧電素子1を構成するものであり,圧電セラミックよりなるセラミック層11と内部電極層12とを交互に積層してなる。
次に、上記打抜き積層装置3を用いて実施するセラミック積層体10の製造方法について説明する。
本例で上記セラミック積層体10を製造するに当たって,まず、図6に示すごとく、ロール状に巻き付けてなる長手方向に長いキャリアフィルム109を用い、図示しないロールから引き出して平面状に配置したキャリアフィルム109上にグリーンシート100を形成した。
そして,同図に示すごとく,ロールから引き出したキャリアフィルム109を順次、前進させながら,シート形成工程、内部電極印刷工程及び打抜積層工程を連続的に実施した。そして,上記打抜積層工程を終えた後には,グリーンシート100とキャリアフィルム109とを分離し,グリーンシート100は回収箱(図示略)に回収し、キャリアフィルム109は図示しない巻取り装置(図示略)にロール状に巻き取って回収した。
上記シート形成工程では,グリーンシート100の原料としてのスラリーをドクターブレード法を利用してキャリアフィルム109上に塗布してグリーンシート100を作製する。なお,本例のスラリーは,チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電セラミックスを形成するセラミック原料中にバインダーと微量の可塑剤及び消泡剤を添加してなるスラリー原料を、有機溶媒中に分散させて生成したものである。
そして、生成した上記スラリーをキャリアフィルム109上に塗布し,所定厚さのグリーンシート100を生成した。
なお,上記スラリーからグリーンシート100を生成する方法は、ドクターブレード法に限定されるものではなく、ドクターブレード法のほか、押出成形法など種々の方法を採用することができる。
次に,図6に示すごとく,上記内部電極印刷工程では,キャリアフィルム109に保持したグリーンシート100上に、電極パターン層107(図8参照。)を形成する。
本例では,内部電極層12を形成するための金属材料としてAg−Pdペーストを用い、打抜き積層装置3による打ち抜き箇所106を含むグリーンシート100の全面に渡ってAg−Pdペーストよりなる電極パターン層107(図8参照。)を印刷した。
なお、本例では、シート片210相互を強固に接着するため、電極パターン層107を印刷したグリーンシート100の表面に、さらに、上記スラリーを接着剤として塗布してある。本例では、図8に示すごとく、スラリーよりなる10〜20μm厚の接着パターン層105を形成した。
したがって、トムソン型31内のシート積層体20に新たなシート片210を積層する際には、上記接着パターン105の表面が上記グリーンシート100の表面としての上記シート表面101を形成することになる。
次に,図7及び図8に示すごとく,打抜積層工程では、上記打抜き積層装置3(図1)を用いてグリーンシート100からシート片210を打ち抜いて積層し、焼成によりセラミック積層体10となるシート積層体20を作製する。なお、本例では、電極パターン層107と、接着剤としての上記スラリーを塗布してなる接着パターン層105とを形成してなるシート片210を積層した。
この工程では、予め,図9に示すごとく、上記積層ウェイト313の吸着面314を上記トムソン刃311の刃先面310と略同一面に調整しておく。この状態で、シリンダユニット333のアーム部335を、グリーンシート100を保持したキャリアフィルム109を載置した載置台32に向けて前進させる。
そうすると、図10に示すごとく、載置台32が上記回動軸を中心として回動し、トムソン刃311の刃先のうち上記回動軸に近い側の刃先が、まず最初にグリーンシート100の表面であるシート表面101に接触することになる。このとき、同図に示すごとく、積層ウェイト313の吸着面314のうち上記回動軸に近い側の外周部が最初に、グリーンシート100のシート表面101に接触する。
さらに、シリンダユニット333のアーム部335を前進させると、図11に示すごとく、トムソン刃311の刃先面310とシート表面101とが略平行に近づいていくことになる。そうすると、図2に示すごとく、積層ウェイト313の吸着面314とシート表面101との接触領域が回動軸に近い外周部から回動軸から離れた側に次第に拡大していくと共に、接触領域の外縁をなすトムソン刃311がグリーンシート100を切り込んでいくことになる。
そして、図11に示すごとく、アーム部335がさらに前進して、ストッパ339との当接により載置台32の回動動作が制限された状態では、トムソン刃311の刃先がなす刃先面310とキャリアフィルム109の保持面108とが略一致(図2に示す状態)すると共に、全周に渡って打ち抜かれたシート片210はその全面が積層ウェイト313の吸着面314に吸着される。
このとき、同図に示すごとく、新たに積層するシート片210の厚みに応じて起きる積層ウェイト313の後退により、シート片210はトムソン型31内に収容されることになる。この状態においては、シート片210の裏面である積層面21が、トムソン刃311の刃先面310と略一致する。
但し、図11に示す状態における打ち抜いたシート片210は、トムソン型31内に取り込まれる一方、未だ、キャリアフィルム109の保持面に保持された不完全な状態となっている。
その後、図12に示すごとく、アーム部335をアクチュエータ部334に向けて後退させると、それに応じて載置台32が回動動作を開始する。この回動動作によると、まず、トムソン刃311の刃先のうち回動軸から離れた回動円弧の曲率半径の大きい側から、次第にキャリアフィルム109の保持面108から離れていく。そうすると、積層ウェイト313の吸着面314に吸着されたシート片210は、まず、回動軸から離れた側の外周部が上記保持面108から剥がされる。
そして、同図に示すごとく、アーム部335の後退に伴って上記の回動動作がさらに進行すると、シート片210と上記保持面108との接触領域は、回動軸に近い側に向けて次第に縮小していく。そして、最終的には、図13に示すごとく、シート片210のうち回動軸に近い側の外周部を上記保持面108から引き剥がすことで、シート片210をキャリアフィルム109から完全に分離することができる。
なお、本例では、1枚目に積層するシート片210としては、グリーンシート100のうち電極パターン層107及び接着パターン層105(図8)を形成してない領域を打ち抜く。そのため、上記シート表面101は、Ag−Pdペースト等を印刷していないグリーンシート100の表面となる。
なお、1枚目に積層するこのシート片210は、図4に示すごとく、セラミック積層体10において圧電効果を生じない保護層199を形成するものである。
次に,グリーンシート100を保持したキャリアフィルム109を所定量だけ前進させ、トムソン型31の打ち抜き箇所106(図6)を、グリーンシート100のうち電極パターン層107及び接着パターン層105を形成した部分に合致させる。
このとき、図14に示すごとく、上記トムソン型31内に既に収容したシート片210の裏面である積層面21は、上記のごとく、上記トムソン刃311の刃先面310と略一致している。この状態で、グリーンシート100を保持したキャリアフィルム109を載置した載置台32に向けて、シリンダユニット333のアーム部335を前進させる。
そうすると、図15に示すごとく、載置台32が上記回動軸を中心として回動し、トムソン刃311の刃先のうち上記回動軸に近い側の刃先は、まず最初に、グリーンシート100の表面であるシート表面101に接触することになる。また、同図に示すごとく、トムソン型31内に既に収容したシート片210の積層面21のうち上記回動軸に近い側の外周部のみが最初に、グリーンシート100のシート表面101に接触することになる。
なお、上記シート表面101とは、グリーンシート100上に形成した接着パターン層105の表面である。
上記打抜き積層装置3では、図3に示すごとく、トムソン刃311の刃先のうち上記回動軸から遠い側の刃先と、シート表面101との隙間gを20μmとしてある。本例では、グリーンシート100自体の厚さのばらつきやうねり、内部電極パターン107の厚さのばらつきや、接着パターン105の厚さのばらつきなどを考慮してシート表面101に生じ得る凸凹の最大ギャップ長さと同程度となるように上記隙間gを設定してある。
上記最大ギャップ長さと同程度の隙間gを設定すれば、シート表面101の凸凹面に関わらず、積層面21のうち上記回動軸に近い側の一部のみを最初に、確実にシート表面101に接触させることができる。そして、積層面21のうち上記回動軸に近い側の一部から全面に向けて、シート表面101との接触領域を徐々に拡大していき、空気等を混入させることなく両者を接触させることができる。
その後さらに、シリンダユニット333のアーム部335を前進させると、トムソン刃311の刃先面310とシート表面101とが略平行に近づいていくことになる。そうすると、図2に示すごとく、積層面21とシート表面101との接触領域が回動軸に近い外周部から回動軸から離れた側に向けて次第に拡大していくと共に、接触領域の外縁をなすトムソン刃311はグリーンシート100を切り込んでいくことになる。
そして、図16に示すごとく、アーム部335がさらに前進して、ストッパ339との当接により載置台32の回動動作が制限された状態では、トムソン刃311の刃先がなす刃先面310とキャリアフィルム109の保持面108とが略一致(図2に示す状態)すると共に、全周に渡って打ち抜かれたシート片210は、その全面が積層面21に接着されることになる。
このとき、同図に示すごとく、新たに積層するシート片210の厚みに応じた量の積層ウェイト313の後退により、シート片210はトムソン型31内に収容されることになる。
但し、図16に示す状態における打ち抜いたシート片210は、トムソン型31内に取り込まれる一方、未だ、キャリアフィルム109の保持面に保持された不完全な状態となっている。
その後、図17に示すごとく、アーム部335をアクチュエータ部334に向けて後退させると、それに応じて載置台32が回動動作を開始する。この回動動作によると、まず、トムソン刃311の刃先のうち回動軸から離れた回動円弧の曲率半径の大きい側から、次第にキャリアフィルム109の保持面108から離れていく。そうすると、シート積層体20の積層端をなすシート片210の積層面21に吸着されたシート片210は、まず、回動軸から離れた側の外周部が上記保持面108から剥がされることになる。
そして、同図に示すごとく、アーム部335の後退に伴って上記の回動動作がさらに進行すると、シート片210と上記保持面108との接触領域は、回動軸に近い側に向けて次第に縮小していくことになる。そして、最終的には、図18に示すごとく、シート片210のうち回動軸に近い側の外周部を上記保持面108から引き剥がすことで、シート片210をキャリアフィルム109から完全に分離することができる。
本例では、以上のようなキャリアフィルム109の前進、グリーンシート100の打ち抜き,打ち抜いたシート片210の積層という一連の動作を繰り返し実施する。このようにして2枚目以降のシート片210を順次打ち抜き,次々に積層する。そして,所定枚数のシート片210を積層したシート積層体20を作製した。
なお、最後に積層するシート片210としては、グリーンシート100に接着層105のみを印刷した領域を打ち抜く。最後に積層するこれらのシート片210は、セラミック積層体10において圧電効果を生じない保護層199を形成するものである。
さらに、本例では,上記のシート積層体20を焼成して、上記セラミック積層体10(図4)を作製した。本例では、温度1200℃で2時間保持した後,炉冷して図示しない断面略円形のセラミック積層体10を作製した。なお、本例では、略円形状のシート片210を積層して断面円形状のセラミック積層体10を作製したが、これに代えて、断面樽形,断面六角形状,断面八角形状等のシート片を積層してセラミック積層体を作製することもできる。
そして、本例のセラミック積層体10は、例えば、図19に示すごとく、その外周側面を平面研削して、一対の外部電極18を接合するための2箇所の接合面15を形成することができる。そして、さらに、例えば、図20に示すごとく、各内部電極層12に沿って溝122を形成することも有効である。
図21に示すごとく、接合面15における一層おきの内部電極層12に絶縁部材181を配置したうえ、導電性接着剤等による導電部183を介して外部電極18を接合すれば、図5に示すごとく電気的な信頼性の高い積層型圧電素子1を完成することができる。
以上のように,本例のセラミック積層体10の製造方法では、トムソン型31に対して載置台32を回動させて近づけていきシート片210を打ち抜く。そして、打ち抜いたシート片210をトムソン型31内で順次、積層していく。
このとき、本例の打抜き積層装置3によれば、トムソン型31内に既に収容したシート片210の裏面である積層面21のうち外周部の一部のみを最初に、グリーンシート100のシート表面101に接触させた後、積層面21とシート表面101との接触領域を次第に拡大していきながらシート片210を打ち抜くことができる。
そのため、本例の製造方法によれば、トムソン型31内のシート積層体20に新たにシート片210を積層する際、積層面21とシート片210との間から空気等をうまく逃がすことができる。
さらに、本例の打抜き積層装置3によれば、トムソン型31内のシート片210の積層面21にシート片210を接着させた後、キャリアフィルム109に保持されたままのこのシート片210を、その外周部から徐々に剥がし始めてキャリアフィルム109から分離させることができる。
そのため、トムソン型31内のシート積層体20に新たに積層したシート片210をキャリアフィルム109から剥がす際、シート片210に作用する力を小さくできる。
それ故、トムソン型31内に収容したシート片210の積層面21に新たに積層したシート片210が剥離したり、シート片210自体に破れや歪み等の発生するおそれを抑制でき、製造するセラミック積層体10においてはクラックやデラミ等のトラブルが生じるおそれを抑制することができる。
上記のごとく、本例で製造するセラミック積層体10は、シート片210を順次、積層する際に層間に空気が混入するおそれがない。また、積層したシート片210をキャリアフィルム109から剥がす際に、シート片210がダメージを受けるおそれが少ない。
そのため、本例により製造したセラミック積層体10は、層間剥離やクラック等を生じるおそれが少ない優れた品質を呈するものとなる。
なお、本例の製造方法によれば、セラミック積層体10を製造する全工程において,グリーンシート100を単体の状態で取り扱うことがない。すなわち,キャリアフィルム109に保持したままのグリーンシート100からシート片210を打ち抜き、打ち抜いたシート片210をそのまま積層する。
本例によれば,グリーンシート100及びシート片210を単体で取り扱うことがないため、折れ,しわ,割れ,乾燥収縮等が少ない良好な状態のシート片210を積層して、優れた品質のセラミック積層体10を作製することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1を基にして、使用する打抜き積層装置を変更したものである。この内容について、図22〜図26を用いて説明する。
本例の打抜き積層装置4は、図22に示すごとく、基台451上を進退するよう構成した載置台42と、回動軸を中心として回動するように構成したトムソン型41とを有してなる装置である。
載置台42は、同図に示すごとく、スライダー機構421を介して基台451に取り付けられ、図示しない油圧シリンダのストロークに応じて基台面450上を水平方向に進退するように構成してある。
トムソン型41は、回動動作するよう構成した保持プレート43を貫通し、該保持プレート43の表面からトムソン刃411を突出させた状態で固定してある。この保持プレート43は、上記載置台42に対面するように基台451に固定した対面壁板44に対して、回動軸を介して回動可能に取り付けしてある。
対面壁板44は、図22に示すごとく、上記回動軸を構成する支点穴441と、トムソン型41を揺動可能に貫通収容する収容穴440とを有してなる平板状の剛体部材である。そして、保持プレート43よりもひと回り大きく形成された対面壁板44のうち上記支点穴441から離れた端部には、保持プレート43の回動動作を規制する回動ストッパ46を取り付けてある。
この回動ストッパ46は、同図に示すごとく、対面壁板44の表面から起立するように取り付けられた断面カギ状を呈する部材である。この断面カギ状を呈する回動ストッパ46のうち対面壁板44に直交する起立部461は、保持プレート43の側端部を通過して載置台42側に至るように構成してある。そして、この起立部461の先端には、保持プレート43に向けて起立部461から突出するカギ部462を形成してある。該カギ部462は、保持プレート43の側端部と係合して、保持プレート43の回動範囲を規制するように構成してある。
上記支点穴441は、図22に示すごとく、保持プレート43の対面壁板33側の表面から起立するように固定した先端傘形状を呈する支点ロッド431を揺動可能な状態で貫通収容できるように構成してある。そして、この支点ロッド431の先端に形成された大径の傘部と、対面壁板44との間には、対面壁板44と保持プレート43とのがたつきを解消するためのスプリング部材432を配置してある。該スプリング部材432は、対面壁板44に向けて保持プレート43を付勢する状態で配置してある。
本例の回動軸は、同図に示すごとく、基台面450に沿って複数配置した上記支点穴441と上記支点ロッド431との組み合わせにより形成してある。この回動軸によれば、該回動軸の回りに保持プレート43及び、該保持プレート43に固定したトムソン型41を回動させることができる。
また、保持プレート43と対面壁板44との間には、保持プレート43を載置台42に向けて付勢するスプリング部材442を配置してある。このスプリング部材442の付勢力のため、通常では、保持プレート43及び該保持プレート43に固定したトムソン型41は、対面壁板44に対して傾いた状態を呈することになる。
載置台42は、図22に示すごとく、グリーンシート100を載置する載置面の外周に、保持プレート43に向けて突出する押圧ブロック422を配設してなる。本例では、図23に示すごとく、載置台42の前進により、該載置台42に載置したグリーンシート100のシート表面と、トムソン刃411における回動軸から離れた箇所とが接触する状態になったとき、押圧ブロック422が保持プレート43と当接するように構成してある。
したがって、図24に示すごとく、上記の状態から載置台42をさらに前進させると、押圧ブロック422に押圧されて保持プレート43が回動動作を開始することになる。保持プレート43は、対面壁板44に押し付けられ、該対面壁板44と略平行な状態になるまで回動する。ここで、本例では、保持プレート43が対面壁板44に完全に押し付けられた時、トムソン刃311の刃先面とキャリアフィルム109の保持面とが略一致するように構成してある。
そして、その後、図25に示すごとく、載置台42を後退させることで、保持プレート43を逆回りに回動させて、グリーンシート100からシート片210を剥がして分離し、トムソン型41に完全に取り込んでシート積層体20を形成できるように構成してある。
なお、その他の構成及び作用効果は、実施例1と同様である。本例は、実施例1において回動させていた載置台32(図1)に代えて、トムソン型41が回動するように構成した打抜き積層装置による実施例であって、シート片210の打ち抜き、シート片210の積層及びシート片210を剥がす間に起こる現象等については実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、実施例1を基にして、使用する打抜き積層装置を変更したものである。この内容について、図26〜図34を用いて説明する。
本例の打抜き積層装置5は、図26に示すごとく、基台551と、該基台551に対して所定の間隙を空けて対面する天板552とを組み合わせてなる筐体55を有してなる装置である。上記天板552の略中央部分に穿孔した取り付け穴550にはトムソン型51を貫通させてあり、トムソン刃511を上記基台551に向けて突出した状態で剛性高く固定してある。また、上記基台551には、油圧駆動されるメインシリンダ561を介して、グリーンシート100を載置する載置台52を配置してある
本例の載置台52は、同図に示すごとく、トムソン型51による打ち抜き領域の中央部分に配置した昇降台523を動作させるためのサブシリンダ525を有してなる。油圧駆動されるサブシリンダ525に油圧を作用しないときの昇降台523は、その端面である昇降面524が載置面と略一致するように構成してある。一方、サブシリンダ525に油圧を作用したときの昇降台523は、昇降面524を載置面から突出するように構成してある。
この打抜き積層装置5を使用した打抜積層工程の内容について説明する。なお、ここでは、説明の重複を回避するため、トムソン型51内で既に積層したシート積層体20に新たなシート片210を積層する手順について説明する。
まず,図27に示すごとく、グリーンシート100を保持したキャリアフィルム109を所定量送って,トムソン型51の打ち抜き箇所を、グリーンシート100のうち電極パターン層等を形成した箇所に合わせる。
その後、図28に示すごとく、、サブシリンダ525に油圧を作用して昇降面524を突出させる。そして、この状態で,メインシリンダ561をストロークさせて、グリーンシート100を保持したキャリアフィルム109を載置した載置台52をトムソン型51に向けて前進させる。
そうすると、図29に示すごとく、トムソン型51内に既に収容したシート片210の積層面21の中央部分が、まず、昇降面524によって突出させたシート表面101と接触することになる。その後、載置台52を前進させると共に、該載置台52の前進に連動して昇降台523を後退させると、シート片210の積層面21とグリーンシート100との接触領域は、打ち抜き領域の中央部分から周辺に向けて次第に拡大していくことになる。そして、図30に示すごとく、トムソン刃511の刃先面310とキャリアフィルム109の保持面とが略一致するまで載置台52を前進させると、上記接触領域が上記積層面の全面に拡大すると共に、グリーンシート100からシート片210が打ち抜かれることになる。
その後、載置台52を後退させるのに連動して昇降台523を前進させると、図31に示すごとく、昇降面524によって突出させたキャリアフィルム109の保持面108と、新たに打ち抜いたシート片210との接触状態を維持することができる。その一方、保持面108のうち昇降面によって突出させていない箇所、すなわちシート片210の外周部に当たる箇所では保持面108から剥がし始めることができる。そして、このようにして載置台52をさらに後退させていくと、図32に示すごとく、シート片210の外周部から徐々に剥がし始めて、最終的には保持面108からシート片210を完全に分離することができる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
また、図33に示すごとく、昇降面524は、トムソン型51の打ち抜き領域の外周部に配置することもでき、この場合にも、上記のごとく説明したのと同様の作用効果を得ることができる。
さらに、図34に示すごとく、トムソン型61に対して載置台62を進退するためのスライダー機構625と、載置面621から昇降面624を突出させるよう昇降台623を付勢するスプリング部材626を備えた機構とを含む打抜き積層装置6により、本例と同様の作用効果を得ることもできる。
実施例1における、打抜き積層装置の構造を示す断面図。 実施例1における、トムソン刃の刃先面とキャリアフィルムの保持面とが略一致した状態を示す説明図。 実施例1における、グリーンシートのシート表面にトムソン刃の一部が接触した状態を示す説明図。 実施例1における、セラミック積層体の断面構造を示す断面図。 実施例1における、積層型圧電素子の断面構造を示す断面図。 実施例1における、キャリアフィルムに保持したグリーンシートを示す説明図。 実施例1における、シート片の積層状態を示す説明図。 実施例1における、シート積層体の断面構造を示す断面図。 実施例1における、打ち抜き過程その1を示す説明図。 実施例1における、1枚目のシート片についての打ち抜き過程その2を示す説明図。 実施例1における、1枚目のシート片についての打ち抜き過程その3を示す説明図。 実施例1における、1枚目のシート片についてのシート片剥がし過程その1を示す説明図。 実施例1における、1枚目のシート片についてのシート片剥がし過程その2を示す説明図。 実施例1における、2枚目以降のシート片についての打ち抜き過程その1を示す説明図。 実施例1における、2枚目以降のシート片についての打ち抜き過程その2を示す説明図。 実施例1における、2枚目以降のシート片についての打ち抜き過程その3を示す説明図。 実施例1における、2枚目以降のシート片についてのシート片剥がし過程その1を示す説明図。 実施例1における、2枚目以降のシート片についてのシート片剥がし過程その2を示す説明図。 実施例1における、外部電極を接合する接合面を形成したセラミック積層体を示す斜視図。 実施例1における、内部電極層に沿って溝を形成したセラミック積層体を示す斜視図。 実施例1における、一層おきの溝に絶縁部材を配置したセラミック積層体を示す断面図。 実施例2における、打抜き積層装置の構造を示す断面図。 実施例2における、打ち抜き過程その1を示す説明図。 実施例2における、打ち抜き過程その2を示す説明図。 実施例2における、シート片剥がし過程を示す説明図。 実施例3における、打抜き積層装置の構造を示す断面図。 実施例3における、打ち抜き過程その1を示す説明図。 実施例3における、打ち抜き過程その2を示す説明図。 実施例3における、打ち抜き過程その3を示す説明図。 実施例3における、打ち抜き過程その4を示す説明図。 実施例3における、シート片剥がし過程その1を示す説明図。 実施例3における、シート片剥がし過程その2を示す説明図。 実施例3における、その他の打抜き積層装置の構造を示す断面図。 実施例3における、その他の打抜き積層装置の構造を示す断面図。
符号の説明
1 積層型圧電素子
10 セラミック積層体
100 グリーンシート
101 シート表面
108 保持面
109 キャリアフィルム
20 シート積層体
21 積層面
210 シート片
31 トムソン型
310 刃先面
311 トムソン刃
32 載置台
33 回動機構
331 ピボット
332 受け部
333 シリンダユニット
334 アクチュエータ部
335 アーム部

Claims (8)

  1. キャリアフィルム上にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからトムソン型を用いてシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
    上記打抜積層工程において上記シート片を打ち抜いて積層するに当たっては、グリーンシートの表面であるシート表面に対して上記トムソン型を傾けた状態で、該トムソン型内に既に収容した上記シート片の上記積層面の外周部の一部のみを最初に上記シート表面に接触させ、
    その後、上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、上記積層面と上記シート表面とが次第に略平行に近づくように上記トムソン型を相対的に回動させて、上記接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面を上記シート表面に接触させると共に、上記シート片を打ち抜くことを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  2. キャリアフィルム上にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからトムソン型を用いてシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
    上記打抜積層工程において上記シート片を打ち抜いて積層するに当たっては、上記トムソン型をグリーンシートの表面であるシート表面に向けて進退させるためのメインシリンダと、上記キャリアフィルムを載置した載置面から凸状に突出させるためのサブシリンダとを備えた装置を用い、
    上記サブシリンダにより上記キャリアフィルムを上記トムソン型に向けて凸状に突出させて突出部を形成すると共に、上記メインシリンダにより該突出部に対して上記トムソン型を相対的に前進させて、まず、上記積層面の一部のみを上記突出部に保持されて突出形状をなす上記シート表面の凸部に最初に接触させ、その後さらに、上記トムソン型のみを相対的に前進させるのに連動して上記突出部を後退させて上記シート表面を次第に平坦に近づけて上記接触領域を次第に拡大していきながら上記積層面の全面を上記シート表面に接触させると共に、上記シート片を打ち抜くことを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  3. キャリアフィルムの保持面にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記グリーンシート上に導電ペーストを印刷する電極印刷工程と、トムソン型を用いて、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
    上記打抜積層工程において新たに積層した上記シート片を上記キャリアフィルムから剥がすに当たっては、上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、上記保持面に対して上記トムソン型を相対的に回動させて傾けながら遠ざけることにより上記シート片を上記キャリアフィルムから分離することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  4. キャリアフィルムの保持面にセラミックス原料を配置してグリーンシートを形成するシート形成工程と、上記グリーンシート上に導電ペーストを印刷する電極印刷工程と、トムソン型を用いて、上記キャリアフィルムに保持した上記グリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を上記トムソン型内で積層してシート積層体を形成する打抜積層工程と、上記シート積層体を焼成してセラミック積層体を形成する焼成工程とを含み、
    上記打抜積層工程において新たに積層した上記シート片を上記キャリアフィルムから剥がすに当たっては、上記トムソン型をグリーンシートの表面であるシート表面に向けて進退させるためのメインシリンダと、上記キャリアフィルムを載置した載置面から凸状に突出させるためのサブシリンダとを備えた装置を用い、
    上記メインシリンダにより上記保持面に対して上記トムソン型を相対的に後退させるのに連動して、上記サブシリンダにより上記シート片を保持する上記保持面の一部である突出部を上記トムソン型に向けて突出させていくことにより、少なくとも上記突出部において上記シート片との接触状態を維持しておき、その後さらに、上記トムソン型のみを相対的に後退させて上記シート片を上記キャリアフィルムから分離することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  5. キャリアフィルム上に配置したグリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を積層してシート積層体を作製する打抜き積層装置において、
    上記グリーンシートから上記シート片を打ち抜くトムソン刃を備えてなり、上記シート片を積層したシート積層体を内部に収容するように構成したトムソン型と、
    上記グリーンシートを保持する上記キャリアフィルムを載置する載置台と、
    該載置台に対して上記トムソン型の外縁より外にある回転軸を中心にして、該トムソン型を相対的に回動させる機構であって、上記打ち抜きの際には、その回動過程の最初において上記トムソン刃の刃先面と上記キャリアフィルムの表面である保持面とが斜めに対峙し、回動過程の最後に上記トムソン刃の刃先面と上記保持面とが略一致するように構成した回動機構とを有してなることを特徴とする打抜き積層装置。
  6. 請求項5において、上記回動機構による上記回動過程の最初の状態よりも上記載置台と上記トムソン型とが離隔した状態と、上記回動過程の最初の状態との間において、上記載置台に対して上記トムソン型を相対的に進退させるよう構成した進退機構を有してなることを特徴とする打抜き積層装置。
  7. キャリアフィルム上に配置したグリーンシートからシート片を打ち抜き、該打ち抜いたシート片を積層してシート積層体を作製する打抜き積層装置において、
    上記グリーンシートから上記シート片を打ち抜くトムソン刃を備えてなり、上記シート片を積層したシート積層体を内部に収容するように構成したトムソン型と、
    上記グリーンシートを保持する上記キャリアフィルムを載置する載置面から上記トムソン型に向けて突出するように構成した昇降面を有してなり、該昇降面が上記トムソン型による打抜き領域の一部のみをなすように構成した載置台と、
    該載置台に対して上記トムソン型を相対的に進退させるメインシリンダと、
    上記昇降面を上記載置面から突出させるサブシリンダとを有してなることを特徴とする打抜き積層装置。
  8. 請求項7において、上記昇降面は、上記打抜領域の内周部に配置してあることを特徴とする打抜き積層装置。
JP2003356827A 2003-10-16 2003-10-16 セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置 Expired - Fee Related JP4474893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356827A JP4474893B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356827A JP4474893B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005119146A JP2005119146A (ja) 2005-05-12
JP4474893B2 true JP4474893B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=34613946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003356827A Expired - Fee Related JP4474893B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4474893B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101253638B (zh) 2005-08-29 2010-09-22 京瓷株式会社 层叠型压电元件以及使用该压电元件的喷射装置
JP5303823B2 (ja) * 2006-02-28 2013-10-02 Tdk株式会社 圧電素子
JP4816348B2 (ja) * 2006-09-08 2011-11-16 株式会社デンソー セラミック積層体の製造方法
CN113878694B (zh) * 2021-09-29 2022-10-25 沭阳县中泰建材有限公司 一种具有缓冲功能的保温板压制设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005119146A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02162710A (ja) 積層コンデンサの製造方法
JP4474893B2 (ja) セラミック積層体の製造方法及び、この製造方法に用いる打抜き積層装置
US20040255443A1 (en) Production method of stacked piezoelectric element
JPH05159966A (ja) セラミックグリーンシートの積層方法
JP4600490B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP5558936B2 (ja) 積層素子の製造方法及び積層素子
JP4569153B2 (ja) 積層型圧電素子及び、その製造方法
JP2005223014A (ja) 積層型圧電素子及びその製造方法
JPS6347327B2 (ja)
US20220059289A1 (en) Method of producing multilayer ceramic electronic component, and multilayer ceramic electronic component
JP4853659B2 (ja) セラミックグリーンシートの積層方法及び積層電子部品の製造方法
JP2005324536A (ja) セラミック板及びその製造方法
JP4863028B2 (ja) グリーンシートの製造方法、グリーンシート積層体の製造方法およびグリーンシートの製造装置
JP2004017623A (ja) キャリアフィルム剥離方法およびキャリアフィルム剥離装置
JP2003145522A (ja) セラミック積層体製造装置およびセラミック積層体製造方法
JP4780132B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造装置および製造方法
JP3870812B2 (ja) 積層型圧電体素子の製造方法
JP4361542B2 (ja) ダイシングシートの貼付方法
JP4352670B2 (ja) 積層型圧電体素子の製造方法
JPH071428A (ja) 積層セラミック部品の製造方法とその装置
JP3625401B2 (ja) 積層インダクタ素子の製造方法
JP2017132079A (ja) 印刷装置、および、電子部品の製造方法
JP3278413B2 (ja) セラミック積層体の製造方法
JP2005019752A (ja) セラミックグリーンシート積層装置及び積層セラミック電子部品の製造方法
JP2001102248A (ja) セラミックグリーンシート積層体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100301

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees