JP2004017623A - キャリアフィルム剥離方法およびキャリアフィルム剥離装置 - Google Patents
キャリアフィルム剥離方法およびキャリアフィルム剥離装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複雑な方法や装置を必要とせず、グリーンシートがキャリアフィルムの表面に形成された複合シートからキャリアフィルムのみを確実に剥離して回収する。
【解決手段】キャリアフィルム剥離方法は、外周面に粘着性を有する粘着ロール4を用いて、複合シート3の端部から途中までの区間においてグリーンシート2から分離したキャリアフィルム1の剥がし代を形成する剥がし代形成工程と、剥がし代の領域のうち端部を避けた位置に、粘着ロール4を押し当ててキャリアフィルム1を保持した後に、粘着ロール4を回転させてキャリアフィルム1をグリーンシート2から引き剥がすキャリアフィルム除去工程とを含む。
【選択図】 図9
【解決手段】キャリアフィルム剥離方法は、外周面に粘着性を有する粘着ロール4を用いて、複合シート3の端部から途中までの区間においてグリーンシート2から分離したキャリアフィルム1の剥がし代を形成する剥がし代形成工程と、剥がし代の領域のうち端部を避けた位置に、粘着ロール4を押し当ててキャリアフィルム1を保持した後に、粘着ロール4を回転させてキャリアフィルム1をグリーンシート2から引き剥がすキャリアフィルム除去工程とを含む。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は剥離装置に関し、特に、積層型電子部品の製造過程において、シート状のキャリアフィルムの表面にセラミックグリーンシートを形成したものからキャリアフィルムのみを剥離するキャリアフィルム剥離方法およびキャリアフィルム剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層型電子部品は、内部電極や配線を形成したセラミックグリーンシートの積層を行ない、この積層体をチップ状に切断して焼成した後に、外部電極を取り付けるなどの工程を経て製造される。以下に積層型電子部品の製造方法を詳細に説明する。まず、セラミック誘電体粉末やバインダーを含むスラリーを、PET(ポリエチレンテレフタレート)などで形成した長尺状のキャリアフィルムの表面にたとえばドクターブレード法によって薄く広げて配置する。これを乾燥すると固体化されたシート状のセラミックグリーンシートを得る。キャリアフィルムの上に形成されているセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷による内部電極または配線の印刷や、予め穿設したビアホールに対する導体ペーストの充填などを行なって、積層体の内層となるセラミックグリーンシートの1層を得る。以下、このようにセラミックグリーンシートに電極が形成されたシートを「内層シート」というものとする。また、ここでの「電極」とは、内部電極、配線パターン、およびビアなども含むものとする。この状態では、セラミックグリーンシートはキャリアフィルムの表面に配置されており、ここから、セラミックグリーンシートを積層した積層体を形成する。
【0003】
積層体を形成するには、セラミックグリーンシートが形成された長尺状のキャリアフィルムを所定の大きさに切断した後(以下、キャリアフィルムの上にセラミックグリーンシートが形成されたシートを「複合シート」という。)、1枚ずつキャリアフィルムをセラミックグリーンシートから剥離して、得られたセラミックグリーンシートの単層を積み重ねる方法や、セラミックグリーンシートが積層されたもの(以下、積層途中の積層体を「積層対象物」という。)に複合シートのセラミックグリーンシート側の面を圧着して、その後にキャリアフィルムを剥離する方法の他、特開平7−078725号公報に示されるように、予めキャリアフィルムは長尺状に残るようにセラミックグリーンシートのみに切り込みを入れた後に、圧着設備の内部に積層対象物を保持する構造を有する設備を用いて、積層対象物にセラミックグリーンシートを圧着させ、長尺状のままキャリアフィルムを剥離する方法などがある。
【0004】
いずれの方法においても、セラミックグリーンシートを積み重ねる際には、加熱と加圧とを含む。加圧には機械的に圧力をかける方法の他に流体によって圧力をかける方法もある。たとえば、特開平7−078725号公報には機械的に加圧する方法が示されているのに対し、特開平6−283376号公報では最終的な加圧の方法として静水圧による加圧方法が示されている。
【0005】
加熱した状態で圧力をかけて接合する際に、セラミックグリーンシートの元の材料であるスラリーに含まれるバインダーがそれぞれの積層シートを互いに結合する役割を果たし、加熱と加圧とによる積層の後に、冷却されてセラミックグリーンシート同士が接着して固定化し、内部に電極などが形成されたセラミックグリーンシートの積層体が得られる。
【0006】
形成された積層体をチップ状に切断し、このチップ状の積層体を焼成した後に、外部電極を取り付けるなどの工程を経て積層型電子部品が製造される。
【0007】
前述の説明の通り、セラミックグリーンシートはまずキャリアフィルムの上に形成され、積層の際にキャリアフィルムが剥離される。キャリアフィルムの剥離方法のうち、予め適切な大きさに切断した複合シートを用いて剥離を行なう従来の方法の一例として特開平7−030252号公報に記載された装置を図34に示す。
【0008】
図34(a)に示すように、複合シート3は載架台30の上面に配置され、載架台30は筐体35に固定されている。載架台30は多孔質材料で形成されており、さらに、筐体35の内部は空洞で真空状態になるように真空引きがなされている。この真空引きの作用によって複合シート3は載架台30に吸着して保持される。筐体35は、ガイドレール34によって支えられ、ガイドレール34に沿って水平方向に移動する構造を有している。複合シート3の上方には、揺動軸37を支点としたアーム体36が備えられ、アーム体36の先端には外周面に接着剤が塗布され粘着性を有する粘着ロール4が配置されている。粘着ロール4はアーム体の動きと共に上下する機構を有し、回転自在に保持されている。
【0009】
キャリアフィルム1の剥離に際しては、複合シート3に含まれるセラミックグリーンシート2が載架台30に吸着される向きに配置され、上面に剥離の対象となるキャリアフィルム1が現れる。すなわち粘着ロール4とキャリアフィルム1とが対向するように複合シートが保持される。アーム体36の揺動と筐体35の移動とによって、キャリアフィルム1の端部に粘着ロール4が圧接され、キャリアフィルム1は粘着ロール4の外周面に保持される。粘着ロール4が接触されている状態を維持して、粘着ロール4が複合シート1の内側に向かうように矢印23の向きに筐体35を移動させると、粘着ロール4はキャリアフィルム1の上を転動して同時にキャリアフィルム1を外周面に保持して、キャリアフィルム1の剥離を開始する。
【0010】
キャリアフィルム1の剥離を行なっている状態を示す断面図を図34(b)に示す。粘着ロール4は矢印25の向きに転動して、セラミックグリーンシート2とキャリアフィルム1とを分離させる。この時、セラミックグリーンシート2は十分な吸着力によって載架台30に固定され、キャリアフィルム1に付随して粘着ロール4の外周面に巻取られることはなく、キャリアフィルム1のみが巻取られる。この公報のセラミックグリーンシート2には、ビアホール33が穿設されている。ビアホール33には導体ペースト31が充填されており、粘着ロール4の曲率を利用することによって、キャリアフィルム1の貫通孔32に引きずられてセラミックグリーンシート2から導体ペースト31が外れることを回避できることが示されている。
【0011】
この装置において、図34(b)に示す巻取りを継続すると、いずれ粘着ロール4とキャリアフィルムとの間に巻取られたキャリアフィルムの端部が挟まれてしまう。このため、キャリアフィルム1の剥離を継続するためには粘着ロール4よりキャリアフィルム1を何らかの方法で連続的に引き剥がして回収する必要がある。
【0012】
キャリアフィルムを確実に剥ぎ取る方法として、特開平5−283276号公報にセラミックグリーンシートに予めスリット部を形成する方法が開示されている。図35にその方法の説明図を示す。図35(a)はスリット部41を形成した複合シート3の平面図である。スリット部41は内部電極パターン40が形成されたセラミックグリーンシート2の辺縁に形成されている。
【0013】
図35(b)に図35(a)のXXXVB−XXXVB線に関する矢視断面図を示す。スリット部41の深さはセラミックグリーンシート2を貫通し、キャリアフィルム1まで達するように形成される。図35(c)に示されるように、スリット部41を備える複合シート3が積層対象物20の上面に圧着される。その後、複合シート3の掴み代42を掴んで矢印27の向きに引っ張るとキャリアフィルム1を剥離することができる。
【0014】
本方法に従うと、キャリアフィルムを剥離するための機構と別の機構を用意してキャリアフィルムを回収することなく剥離が可能である。しかし、前もって押しつけ刃などによって複合シート3にスリット部41を形成しておく必要があり、また、セラミックグリーンシート2の一部を切り欠く作業を行なうので、切り屑が積層対象物に混入して積層体の品質を悪化させることがあった。
【0015】
予め複合シートにスリット部を形成する必要がなく、また、確実にキャリアフィルムを剥離して回収する装置が、実開平5−016220号公報に開示されている(図示省略)。
【0016】
この装置においては、キャリアフィルムを剥離する粘着ロールを下端に備えたアームと、開閉爪によって剥離したキャリアフィルムの一部を挟持した状態で、開閉爪を斜め上方に引き上げる引き上げ機構とを備える。複合シートはキャリアフィルムが上面になるように保持される。その状態において、アームを下降させてアームの先端に配置された粘着ロールをキャリアフィルムの端部に押し当てた後に、アームを移動して粘着ロールを転動させることによってキャリアフィルムの一部を剥ぎ取る。剥ぎ取った一部を開閉爪で挟持して引き上げ機構によって斜め上方に引き上げるとキャリアフィルムが引っ張られる。開閉爪の引き上げ動作とアームの移動とを同期化させるとキャリアフィルムが完全に剥離される構造を備えている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおり、特開平7−030252号公報に開示されている方法においては、キャリアフィルムを粘着ロールから引き剥がす必要があり、また、特開平5−283276号公報の方法においては、予め、スリット部を形成する際の切り屑が積層対象物に混入するなどの問題点を有していた。これらの問題を解決する装置として、実開平5−016220号公報が開示されているが、この方法には以下の問題点があった。
【0018】
この方法によると、セラミックグリーンシートにスリット部などを設ける必要はなく、また、切り屑が発生する心配もなく確実にキャリアフィルムを剥離できる。しかし、キャリアフィルムを挟む開閉爪や、粘着ロールの移動と開閉爪の上昇とを同期化させる機構が必要であり、装置の機構が非常に複雑なものとなる。
【0019】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、複雑な方法や装置を必要とせず、複合シートからキャリアフィルムのみを確実に剥離して回収する方法と装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づくキャリアフィルム剥離方法は、セラミックグリーンシートがキャリアフィルムの表面に形成された複合シートにおいて、上記セラミックグリーンシートから上記キャリアフィルムを剥離するためのキャリアフィルム剥離方法であって、上記複合シートの端部から途中までの区間において上記セラミックグリーンシートから分離した上記キャリアフィルムの一部分である剥がし代を形成する剥がし代形成工程と、上記剥がし代の領域のうち上記端部を避けた位置に、外周面に粘着性を有する粘着ロールを押し当てて上記キャリアフィルムを保持した後に、上記粘着ロールを回転させて上記キャリアフィルムを上記セラミックグリーンシートから引き剥がすキャリアフィルム除去工程とを含む。この方法を採用することにより、上記剥がし代を形成し、上記剥がし代の領域から上記粘着ロールを用いて剥離するために、セラミックグリーンシートを傷つけることなくキャリアフィルムを確実に剥離することができる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成工程は、上記粘着ロールを上記キャリアフィルムに押し当てて転動させることで、上記キャリアフィルムの一部を巻取り、上記セラミックグリーンシートから剥離する部分剥離工程と、上記粘着ロールを上記転動の逆向きに回転させることにより、上記キャリアフィルムと上記粘着ロールとを離す工程とを含む。この方法を採用することにより、上記剥がし代を上記粘着ロールで形成することができ、上記剥がし代を形成するための複雑な機構を備えることなく、上記剥がし代を形成することができる。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記部分剥離工程は、上記キャリアフィルムの上記セラミックグリーンシートが形成された面と反対側の主表面に対して略垂直な方向から、上記キャリアフィルムの端部に上記粘着ロールを押し当てて巻取りを開始する。この方法を採用することにより、上記セラミックグリーンシートを上記キャリアフィルムとともに巻き取ったり、上記セラミックグリーンシートを傷つけたりすることなく上記剥がし代の形成を開始することができる。
【0023】
あるいは、上記部分剥離工程は、上記キャリアフィルムの端より外側から内側に向かって巻取りを行なう。この方法を採用することにより、上記キャリアフィルムの剥離開始位置に対して上記粘着ロールの位置が多少ずれたとしても必ず上記キャリアフィルムの端部に上記粘着ロールが接して、確実に剥がし代の形成を開始することができる。
【0024】
上記発明において好ましくは、上記部分剥離工程は、キャリアフィルムの剥離を開始してから、巻取りを完了するまでの上記粘着ロールの上記転動が1回転以内である。この方法を採用することにより、上記キャリアフィルムの上記粘着ロールへの巻取りが2重以上とならず、上記セラミックグリーンシートを傷つけることを回避できる。
【0025】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成工程は、他の粘着ロールを上記キャリアフィルムに押し当てて転動させることで、上記キャリアフィルムの一部を巻取り、上記セラミックグリーンシートから剥離する工程と、上記他の粘着ロールを上記転動の逆向きに回転させることにより、上記キャリアフィルムと上記他の粘着ロールとを離す工程とを含む。この方法を採用することにより、上記剥がし代形成工程から上記キャリアフィルム除去工程に移行する時間を短縮することができて、作業効率が向上する。
【0026】
上記発明において好ましくは、上記キャリアフィルム除去工程は、セパレータにより、上記粘着ロールの上記外周面から上記キャリアフィルムを剥ぎ取る工程を含む。この方法を採用することにより、上記キャリアフィルムの弾性に依って上記粘着ロールから自然に剥がれることを考慮する必要性がなくなり、上記粘着ロールから上記キャリアフィルムを確実に剥がし取り、回収することが可能となる。
【0027】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成工程と上記キャリアフィルム除去工程とは、上記セラミックグリーンシートを保持部材で保持した状態で行なう。この方法を採用することにより、上記複合シートから上記キャリアフィルムを1枚ずつ分離することとなり、積層対象物を傷つける可能性を回避して、上記キャリアフィルムを剥離することができる。
【0028】
あるいは、上記剥がし代形成工程と上記キャリアフィルム除去工程とは、上記積層対象物の上面に上記セラミックグリーンシートが接するように上記複合シートを積み重ねて圧着することにより固定した状態で行なう。この方法を採用することにより、上記セラミックグリーンシートを圧着する工程と上記キャリアフィルムを剥離する工程を1つの装置で連続して行なうことができる。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明に係るキャリアフィルム剥離装置は、セラミックグリーンシートがキャリアフィルムの上に形成された複合シートから、上記キャリアフィルムを剥離するためのキャリアフィルム剥離装置であって、ロール部と、上記複合シートを固定するための保持部材と、上記ロール部の上記複合シートに対する相対的な位置を調整するための位置調整機構とを備え、上記ロール部は、粘着性の外周面を有し、上記キャリアフィルムの一部を上記セラミックグリーンシートから剥離するための剥がし代形成用粘着ロールと、粘着性の外周面を有し、上記キャリアフィルムを上記セラミックグリーンシートから除去するための除去用粘着ロールとを含む。この構成を採用することにより、キャリアフィルムを剥離するための時間が短縮され、作業効率を向上することができる。
【0030】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成用粘着ロールの回転軸と上記除去用粘着ロールの回転軸との上記複合シートの面に平行な方向の距離は、上記剥がし代形成用粘着ロールが転動して上記キャリアフィルムを巻取る長さと上記剥がし代形成用粘着ロールを逆向きに転動させて上記キャリアフィルムから離した後も上記逆向きの転動を継続する距離との和の2倍以内である。この構成を採用することにより、上記剥がし代を形成する工程から上記キャリアフィルムを除去する工程に移行する時間を短縮することができて、作業効率が向上する。
【0031】
上記発明において好ましくは、上記位置調整機構は、保持部材を上記複合シートの面に平行な一方向に移動させる保持部材移動機構と、上記複合シートの面に対して略垂直な方向に、上記剥がし代形成用粘着ロールと上記除去用粘着ロールとを移動させるロール駆動部とを備える。この構成を採用することにより、上記位置調整機構の構造を簡単にすることができ、また、装置の制御も容易にすることができる。
【0032】
上記発明において好ましくは、上記複合シートから剥離された上記キャリアフィルムを上記除去用粘着ロールから引き剥がすためのセパレータを備える。この構成を採用することにより、上記キャリアフィルムの弾性に依って自然に剥がれることを考慮する必要性がなくなり、上記除去用粘着ロールから上記キャリアフィルムを確実に剥がし取り、回収することが可能となる。
【0033】
上記発明において好ましくは、上記セパレータは、上記除去用粘着ロールとともに移動する。この構成を採用することにより、上記セパレータを上記除去用粘着ロールの付近に常に配置することになり、上記キャリアフィルムを除去するために最適な上記セパレータの位置を確保することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(剥離装置の構成と機能)
本発明に基づく実施の形態1におけるキャリアフィルム剥離方法について説明を行なうのに先立ち、図11を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるキャリアフィルム剥離装置について説明する。
【0035】
図11(a)はキャリアフィルム剥離装置の全体の概要を示す図であり、図11(b)は図11(a)に示すA部を拡大した断面図である。
【0036】
キャリアフィルム1とセラミックグリーンシート2とを備える複合シート3は所定の大きさに予め切断されている。図11(b)に示すように複合シート3は、剥離されるキャリアフィルム1が粘着ロール4と接することが可能な向きに保持部材7に固定される。すなわちセラミックグリーンシート2が保持部材7に固定される。複合シート3の固定は、たとえば、保持部材7において、複合シート3との接触面を多孔質の基板で形成して、空洞化した内部を真空引きすることで複合シート3を吸着させることにより行なう。
【0037】
粘着ロール4は複合シート3に対向するように配置される。粘着ロール4は外周面に粘着性を有する円柱形のロールであり、材質はたとえばポリオレフィン系ゴムであり、キャリアフィルム1をセラミックグリーンシート2から剥離するに十分な粘着性を有する。直径はたとえば20mmから40mmである。粘着ロール4の径が小さいと、もしくは、キャリアフィルム1の弾性が強いと、セラミックグリーンシート2からキャリアフィルム1を剥離した後にキャリアフィルム1の弾性によって自然に粘着ロール4から剥がれるが、確実に粘着ロール4からキャリアフィルム1を回収するためにセパレータ8が粘着ロール4の外周面に近接する位置に設けられている。セパレータ8で剥ぎ取られたキャリアフィルム1はフィルムガイド9に導かれてフィルム回収筒18に送られ回収される。
【0038】
本実施の形態では、セパレータ8が粘着ロール4とキャリアフィルム1とが接触する側の反対側(接触する点から時計回りに180°の方向)に配置されているが、この方向に限られず、たとえば、接触する点から時計回りに270°の方向に取り付けられていてもよい。フィルムガイド9についてもセパレータ8で剥ぎ取られたキャリアフィルム1をフィルム回収筒18に導く形状や配置であればよく、たとえば円弧を描く板状などであってもよい。
【0039】
粘着ロール4はエアシリンダ11に連結されており、粘着ロール4の駆動はエアシリンダ11によって行なわれる、本実施の形態では粘着ロール4は図11において上下方向に移動する。エアシリンダ11は空気圧で動作させて、粘着ロール4をキャリアフィルム1に圧接させたり、逆に複合シート3から粘着ロール4を離したりする役割を果たす。本実施の形態では、キャリアフィルム1に圧接させる際に、粘着ロール4は図11の上の向きに移動する。逆にキャリアフィルム1を保持部材7に配置するために保持部材7を移動する際などには、粘着ロール4は下に移動して粘着ロール4と複合シート3との間隙を確保する。また、エアシリンダ11は空気圧で動作することによって、適切な圧力を加えて粘着ロール4をキャリアフィルム1に接触させることが可能である。
【0040】
本剥離装置は保持部材移動機構16を備えており、保持部材7はリニアガイド14に沿ってリニアガイド14の長手方向と平行に移動する。図11(a)においては水平方向に移動する。移動の駆動力は保持部材駆動用モータ13によって発生し、保持部材駆動用モータ13の主軸にカップリングしたねじ軸15を回転させる。ねじ軸15とナット19とはボールネジの構造になっており、ねじ軸15の回転に伴ってナット19と接続された保持部材7が移動する。
【0041】
(剥離方法)
図1から図10までを参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるキャリアフィルム剥離方法について説明する。それぞれの図は、複合シート3と粘着ロール4とが接触する部分を抜粋して拡大した図である。
【0042】
はじめに、粘着ロール4が複合シート3の端部に接触する位置まで保持部材7を移動する。図1に示す状態で粘着ロール4を矢印21の向きに移動させて図2に示すようにキャリアフィルム1の端部に圧接させる。粘着ロール4を圧接させたまま、図2の矢印23の向きに保持部材7を移動すると、矢印25の向きに粘着ロール4が転動し始める。粘着ロール4の外周面に有する粘着性によってキャリアフィルム1がセラミックグリーンシート2から剥離され始める。
【0043】
図3に示すように転動を継続して剥離を進行させる。この際に粘着ロール4を多く転動させると、セパレータ8と粘着ロール4との隙間にキャリアフィルム1が巻込まれたり、キャリアフィルム1が2重に巻取られたりする可能性があるので粘着ロール4の径やセパレータ8の位置に応じて適切な位置で転動を停止する。たとえば、本実施の形態においては、粘着ロール4が1/4回転したところで保持部材7を停止する。
【0044】
次に図4に示すように保持部材7を元の位置に戻すように移動を開始する。この移動に伴って粘着ロール4は矢印26の向きに転動を開始し、剥離されたキャリアフィルム1を粘着ロール4から離す動作を開始する。図5に示すように粘着ロール4から完全にキャリアフィルム1がはずれるまで、保持部材7の移動を継続する。図5の二点鎖線に示すように剥離されたキャリアフィルム1の一部分が自由端となっており、この部分が剥がし代17となる。図4の工程において、剥離したキャリアフィルム1の一部とセラミックグリーンシート2とが圧接されるが、キャリアフィルム1には離型層が塗工されているので、再度密着して接合することはない。
【0045】
剥がし代17の形成が完了したら、図5の矢印22に示すように粘着ロール4を保持部材7から離す。この状態で図6の矢印23に示す向きに保持部材7を移動する。図5および図6の図中、二点鎖線で示すようにキャリアフィルム1の弾性が弱く垂れ下がる時は、図6において保持部材7を移動する際に垂れ下がった剥がし代17に粘着ロール4が接触しないように粘着ロール4を保持部材7から十分に離す必要がある。
【0046】
粘着ロール4をキャリアフィルム1の端部を避けた剥がし代17の領域内に接触させることができる位置まで保持部材7を移動したら、図7に示すように粘着ロール4をキャリアフィルム1に圧接させる。「剥がし代17の領域」とは、図1から図5の工程において剥離されたキャリアフィルム1の一部分を指しており、セラミックグリーンシート2にいまだ密着している部分と剥離された部分との境界も含むものとする。本実施の形態においては、セラミックグリーンシート2にいまだ密着している部分と剥離された部分との境界に粘着ロール4が圧接されている。しかし、保持部材7の作動誤差によって上記の境界からずれ、キャリアフィルム1とセラミックグリーンシート2とがいまだ密着している領域から剥離を開始することがある。この場合は、セラミックグリーンシート2を破るおそれがあり、セラミックグリーンシート2を傷つけないために、作動誤差を考慮した剥がし代17の領域に圧接させることが好ましい。
【0047】
粘着ロール4がキャリアフィルム1に圧接されたら、図8の矢印23の向きに保持部材7の移動を開始して、キャリアフィルム1を完全に剥離する。この際、剥がし代17の一部分は図9に示すように、その剛性によって粘着ロール4に密着せず自由端となる。図10に示すようにこの自由端の部分と粘着ロール4との間に入り込むようにセパレータ8が配置されており、粘着ロール4からキャリアフィルム1が剥ぎ取られる。
【0048】
保持部材7の移動は、図10に示すようにキャリアフィルム1がセラミックグリーンシート2から剥離された後も、粘着ロール4からキャリアフィルム1を剥ぎ取るために継続される。剥ぎ取られたキャリアフィルム1は、フィルムガイド9に導かれて回収される。
【0049】
このようにして得られたセラミックグリーンシート2の単層は、積層機に運搬され、加熱と加圧とによって接合を繰り返して積層体が形成される。
【0050】
(効果)
本実施の形態に示す装置ないし方法を採用することにより、粘着ロールを1つ備える装置を用いて、キャリアフィルムに剥がし代を形成することができ、剥がし代を形成するための別の装置は不要となる。あるいは、剥がし代を形成するための機構と剥離するための機構とを備える複雑な装置も不要であり、切り屑も発生しない。また、形成した剥がし代の領域から剥離を開始することによって、セラミックグリーンシートを傷つけることなく、キャリアフィルムを剥離することが可能になり、セパレータなどの機能によって、剥離されたキャリアフィルムを確実に回収することができる。
【0051】
(実施の形態2)
(剥離装置の構成と機能)
装置の構成および機能については、装置に積層対象物を加熱、加圧する機能が加わる以外は、実施の形態1と同様でありここでは説明を省略する。
【0052】
(剥離方法)
図12から図21までを参照して本発明に基づく実施の形態2におけるキャリアフィルム剥離方法について以下に説明する。
【0053】
実施の形態1は、予め切断された複合シート3を保持部材7に固定し、キャリアフィルム1を剥離してセラミックグリーンシート2の単体を得た後、この単体を積層していくことによって積層体を形成する方法を採用していた。本実施の形態においては、先に複合シート3を積層対象物に接合して、その後にキャリアフィルム1を剥離する方法を採用している。
【0054】
図12に示すように複合シート3は積層対象物20の主表面にセラミックグリーンシート2が接触する向きに接合される。接合は加熱と加圧とを伴い、完全な圧着まで行なわれてもよいし、積層体を形作るための比較的密着力が弱い仮止めであってもよい。仮止めの場合は、積層を繰り返して所定枚数積み上げた後に、圧着機などによってもう一度加熱と加圧とが施されて強く密着される。
【0055】
実施の形態1と同様にキャリアフィルム1に対向するように粘着ロール4とセパレータ8とが配置される。キャリアフィルム1が剥離される手順は実施の形態1と同様である。まず、図12から図14に示すように、粘着ロール4をキャリアフィルム1の端に圧接させて、保持部材7を矢印23の向きに移動することにより、キャリアフィルム1を部分的に剥離する。次に、図15から図17に示すように粘着ロール4を圧接させたまま保持部材7を矢印24の向きに移動させて、粘着ロール4からキャリアフィルム1を剥がす。このように剥がし代17(図16参照)を形成する。実施の形態1と同様に、図15から図16の工程において、剥離したキャリアフィルム1の一部とセラミックグリーンシート2とが圧接されるが、キャリアフィルム1には離型層が塗工されているので、再度密着して接合することはない。
【0056】
図18から図21に示すように、形成された剥がし代17(図19参照)の領域に粘着ロール4を圧接させた状態で転動させることによって、キャリアフィルム1を完全に剥離する。図18において、粘着ロール4を、剥がし代17の領域といまだセラミックグリーンシート2に密着している領域との境界より若干剥がし代17の領域の方にずらした位置に圧接する方が好ましいことは実施の形態1と同様である。
【0057】
図21において、セラミックグリーンシート2からキャリアフィルム1が完全に剥離された後も、粘着ロール4からキャリアフィルム1を剥がすために粘着ロール4を回転させる必要がある。粘着ロール4を慣性で自転させたり、保持部材7に接触させて回転させたり、他の面に接触させて回転させたりすることによってキャリアフィルム1を粘着ロール4から完全に引き剥がして回収する。たとえば、図21において保持部材7の左方に垂直な壁を設けて粘着ロール4を接触させ、エアシリンダで粘着ロール4を上昇させることによってキャリアフィルムを引き剥がす。
【0058】
上記の工程はセラミックグリーンシート1枚を積層する方法を示しており、これらの操作を繰り返して、所定枚数のセラミックグリーンシートを積層することによって積層体を形成する。
【0059】
(効果)
本実施の形態に示す装置または方法を採用することにより、実施の形態1の効果に加えて、セラミックグリーンシートの積層とキャリアフィルムの剥離とを、同一の設備で連続して行なうことができる。
【0060】
(剥がし代を形成する他の方法)
実施の形態1と実施の形態2とにおいては、ともに粘着ロール4をキャリアフィルム1の端部に圧接させて剥がし代17の形成を開始していた。この方法においては、正確にキャリアフィルム1の端部に粘着ロール4を圧接させる必要があり、粘着ロール4がキャリアフィルム1の端部より少し内側に圧接すると、セラミックグリーンシート2もともに巻取ったり、セラミックグリーンシート2を破ったりするなどの不具合が生じる可能性がある。このため、粘着ロール4と保持部材7との相対的な位置関係を微調整できる機構が必要である。
【0061】
図22から図24にキャリアフィルム1を部分的に剥離して剥がし代17を形成する方法について異なる方法を説明する。この方法は、たとえば、実施の形態1における図1から図3までの工程に対応する。この方法では、図22に示すように粘着ロール4をキャリアフィルム1の端より外側の保持部材7に接触させた後に、図23に示すように保持部材7を矢印23の向きに移動させて粘着ロール4をキャリアフィルム1に接合する。キャリアフィルム1の巻取りを開始した後は、図24に示すように前述の方法と同じである。たとえば、図24の工程は実施の形態1における図3の工程に対応する。
【0062】
図23においては、保持部材7に粘着ロール4を接触させて保持部材7の移動を開始しているが、必ずしも接触させなくてもキャリアフィルム1を巻取ることが可能な位置まで粘着ロール4を保持部材7に接近させて保持部材7の移動を行なってもよい。この方法を採用することによって、保持部材7の移動方向に対する微調整を行なう必要がなく確実にキャリアフィルム1の剥離を開始することができる。
【0063】
(実施の形態3)
(剥離装置の構成と機能)
本発明に基づく実施の形態3におけるキャリアフィルム剥離装置について図33を参照して以下に説明する。
【0064】
図33(a)に本実施の形態におけるキャリアフィルム剥離装置の概略図を示し、図33(b)に図33(a)のおけるBの部分の拡大断面図を示す。
【0065】
保持部材7、保持部材移動機構16の説明や複合シート3の保持方法などは実施の形態1と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0066】
本発明の装置の特徴は粘着ロールを2個備えるところにある。図33(b)に示すように複合ロール部10は、剥がし代形成用粘着ロール5と除去用粘着ロール6とを含む。複合ロール部10は保持部材7に固定された複合シート3に含まれるキャリアフィルム1と対向するように配置される。
【0067】
2つの粘着ロールにはそれぞれエアシリンダ11が接続されており、それぞれの粘着ロールが独立に移動する機能を提供するロール駆動部12が備わる。実施の形態1と同様に、粘着ロールの移動方向は図33において上下方向である。剥がし代形成用粘着ロール5は、剥がし代17を形成するために用いられ、除去用粘着ロール6はキャリアフィルム1を完全に剥離するために用いられる。セパレータ8とフィルムガイド9とは、除去用粘着ロール6に近接して配置される。
【0068】
(剥離方法)
図25から図32までを参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるキャリアフィルム剥離方法について以下に説明する。粘着ロールを用いて剥がし代を形成することや、その後粘着ロールを用いてキャリアフィルムを剥離する点においては実施の形態1や実施の形態2と共通するが、粘着ロールを2つ用いてそれぞれ個別に役割を持たせることに違いを有する。
【0069】
図25に示すように剥がし代形成用粘着ロール5がキャリアフィルム1の端部に圧接できるように保持部材7を移動した後に、矢印21の向きに剥がし代形成用粘着ロール5を移動してキャリアフィルム1に圧接させる。図26と図27とに示すように保持部材7を矢印23の向きに移動して剥がし代形成用粘着ロール5を転動させてキャリアフィルム1の一部をセラミックグリーンシート2から巻取る。次に図28に示すように保持部材7を矢印24の向きに移動することによって、剥がし代形成用粘着ロール5が矢印26の向きに転動する。剥がし代形成用粘着ロール5がキャリアフィルム1から離れる位置まで保持部材7を移動させて剥がし代17を剥がし代形成用粘着ロール5から剥ぎ取る。
【0070】
図29に示すように、除去用粘着ロール6を剥がし代17の領域に圧接できる位置まで保持部材7を移動した後に、矢印22に示すように剥がし代形成用粘着ロール5を保持部材から離して、矢印21に示すように除去用粘着ロール6をキャリアフィルム1に圧接させる。剥がし代17の領域とキャリアフィルム1がセラミックグリーンシート2にいまだ密着している領域との境界より、若干剥がし代17の領域の方にずらした位置に除去用粘着ロール6を圧接する方が好ましいことや、図28から図29の工程において剥がし代領域のキャリアフィルム1とセラミックグリーンシート2とが圧接されるが、再度密着して接合することはないことは、実施の形態1および実施の形態2と同様である。
【0071】
図30に示すように保持部材7を矢印23の向きに移動させて除去用粘着ロール6を転動させてキャリアフィルム1を剥離する。図31に示すように剥がし代17は自由端となる。図32に示すようにセパレータ8でキャリアフィルム1が除去用粘着ロール6から引き剥がされ、フィルムガイド9によってキャリアフィルム1が回収されるべき適切な方向に導かれるのは実施の形態1および実施の形態2と同様である。
【0072】
このようにして得られたセラミックグリーンシート2の単層は、積層機に運搬され加熱と加圧とによって接合を繰り返して積層体が形成される。
【0073】
(効果)
本実施の形態の装置または方法を採用することによって、キャリアフィルムを剥離する時間が短縮され生産能力が向上する。たとえば、実施の形態1における図6の状態から図7の状態に移行するための移動距離が短くなり、キャリアフィルム1の剥離に要する時間が短縮される。
【0074】
ただし、剥がし代形成用粘着ロール5と除去用粘着ロール6とが離れすぎていると、かえって時間がかかる。そこで、剥がし代形成用粘着ロール5の回転軸と除去用粘着ロール6の回転軸との複合シート3の面に平行な方向の距離は、ある長さ以下であることが好ましい。この距離は、図29を参照して説明すると、剥がし代形成用粘着ロール5が転動してキャリアフィルムを巻取る長さである剥がし代長さ28と剥がし代形成用粘着ロール5を逆向きに転動させてキャリアフィルム1から離した後も逆向きの転動を継続する距離である余裕長さ29との和の2倍以内である。
【0075】
また、時間的な利点がなくとも、粘着ロールが2つに増えることによって、粘着ロールの交換頻度を下げることができ、連続運転時間を長くすることが可能になるという利点を有する。
【0076】
本実施の形態においても、実施の形態2と同様に積層対象物20の上に複合シート3を接合してからキャリアフィルム1を剥離して積層体を形成する方法や、複合シート3を保持部材7の上に保持して粘着ロールを上から圧接させる方法であってもよい。また、図22から図24に示すように、剥がし代形成用粘着ロール5をキャリアフィルム1の端より外側から内側に向かってキャリアフィルム1と剥がし代形成用粘着ロール5とを接合させて巻取りを開始してもよい。
【0077】
実施の形態1から実施の形態3のキャリアフィルム剥離装置については、全て保持部材が水平方向に移動して粘着ロールが水平方向に動いているが、粘着ロールと保持部材との相対的な位置を調整する機構を備えていればよい。積層対象物や複合シートについても保持部材の上下どちら側の面に保持されてもよい。また、キャリアフィルムの剥離は、通常は主表面が四角形の形状であるキャリアフィルムの1つの辺と粘着ロールの長手方向とが平行になるように粘着ロールを圧接させて剥離を行なっているが、この方法に限られるわけではなく、四角形の対角方向に剥離を行なってもよい。
【0078】
このほか、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、剥がし代を予め形成しなくても、粘着ロールを用いて剥がし代を形成することができるため、剥がし代を形成するための別設備が不要である。また、キャリアフィルムを挟み回収するなどの複雑な機構も不要であり、比較的容易に装置を製作することができる。加えて、予めスリット部を形成する必要もなく、積層対象物への切り屑の混入も回避することができる。剥離されたキャリアフィルムは、剥がし代とセパレータとの作用によって確実に粘着ロールから剥がされて回収される。換言すると、複雑な方法や装置を必要とせず、複合シートからキャリアフィルムを確実に剥離して回収する方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールの転動の開始を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールによってキャリアフィルムの一部を剥離する工程の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールに接合したキャリアフィルムを粘着ロールから剥ぎ取る工程の開始を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールを保持部材から離す工程の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る保持部材の移動の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールを剥がし代領域に接合させる工程の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る剥がし代を残して粘着ロールの転動を開始させることを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る剥がし代を残して粘着ロールでキャリアフィルムを剥離する工程の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係るキャリアフィルムの回収方法の説明図である。
【図11】(a)は本発明の実施の形態1に係る剥離装置の部分断面図であり、(b)は(a)におけるAの部分を拡大した断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールの転動の開始を説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールによってキャリアフィルムの一部を剥離する工程の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールに接合したキャリアフィルムを粘着ロールから剥ぎ取る工程の開始を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールを積層対象物から離す工程の説明図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る保持部材の移動の説明図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールを剥がし代領域に接合させる工程の説明図である。
【図19】本発明の実施の形態2に係る剥がし代を残して粘着ロールの転動を開始させることを説明する図である。
【図20】本発明の実施の形態2に係る剥がし代を残して粘着ロールでキャリアフィルムを剥離する工程の説明図である。
【図21】本発明の実施の形態2に係るキャリアフィルムの回収方法の説明図である。
【図22】本発明の実施の形態1から実施の形態3のいずれかに係る粘着ロールの転動をキャリアフィルムの端の外側から開始することを説明する図である。
【図23】本発明の実施の形態1から実施の形態3のいずれかに係る保持部材の移動の開始を説明する図である。
【図24】本発明の実施の形態1から実施の形態3のいずれかに係るキャリアフィルムの一部を剥離する工程を説明する図である。
【図25】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程の説明図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールの転動の開始を説明する図である。
【図27】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールによってキャリアフィルムの一部を剥離する工程の説明図である。
【図28】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールに接合したキャリアフィルムを剥がし代形成用粘着ロールから剥ぎ取る工程の開始を説明する図である。
【図29】本発明の実施の形態3に係る保持部材から剥がし代形成用粘着ロールを離して除去用粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程を説明する図である。
【図30】本発明の実施の形態3に係る剥がし代を残して除去用粘着ロールの転動を開始させることを説明する図である。
【図31】本発明の実施の形態3に係る剥がし代を残して除去用粘着ロールでキャリアフィルムを剥離する工程の説明図である。
【図32】本発明の実施の形態3に係るキャリアフィルムの回収方法の説明図である。
【図33】(a)は本発明の実施の形態3に係るキャリアフィルム剥離装置の部分断面図であり、(b)は(a)におけるBの部分を拡大した断面図である。
【図34】(a)は従来技術に基づく第1のキャリアフィルム剥離装置の側面図であり、(b)は従来技術に基づく第1のキャリアフィルム剥離方法を説明する図である。
【図35】(a)は従来技術に基づき複合シートにスリットを形成した正面図であり、(b)は(a)のXXXVB−XXXVB線に関する矢視断面図であり、(c)は従来技術に基づく第2のキャリアフィルム剥離方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 キャリアフィルム、2 セラミックグリーンシート、3 複合シート、4粘着ロール、5 剥がし代形成用粘着ロール、6 除去用粘着ロール、7 保持部材、8 セパレータ、9 フィルムガイド、10 複合ロール部、11 エアシリンダ、12 ロール駆動部、13 保持部材駆動用モータ、14 リニアガイド、15 ねじ軸、16 保持部材移動機構、17 剥がし代、18 フィルム回収筒、19 ナット、20 積層対象物、21〜27 矢印、28 剥がし代長さ、29 余裕長さ、30 載架台、31 導体ペースト、32 貫通孔、33 ビアホール、34 ガイドレール、35 筐体、36 アーム体、37揺動軸、40 内部電極パターン、41 スリット部、42 掴み代。
【発明の属する技術分野】
本発明は剥離装置に関し、特に、積層型電子部品の製造過程において、シート状のキャリアフィルムの表面にセラミックグリーンシートを形成したものからキャリアフィルムのみを剥離するキャリアフィルム剥離方法およびキャリアフィルム剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層型電子部品は、内部電極や配線を形成したセラミックグリーンシートの積層を行ない、この積層体をチップ状に切断して焼成した後に、外部電極を取り付けるなどの工程を経て製造される。以下に積層型電子部品の製造方法を詳細に説明する。まず、セラミック誘電体粉末やバインダーを含むスラリーを、PET(ポリエチレンテレフタレート)などで形成した長尺状のキャリアフィルムの表面にたとえばドクターブレード法によって薄く広げて配置する。これを乾燥すると固体化されたシート状のセラミックグリーンシートを得る。キャリアフィルムの上に形成されているセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷による内部電極または配線の印刷や、予め穿設したビアホールに対する導体ペーストの充填などを行なって、積層体の内層となるセラミックグリーンシートの1層を得る。以下、このようにセラミックグリーンシートに電極が形成されたシートを「内層シート」というものとする。また、ここでの「電極」とは、内部電極、配線パターン、およびビアなども含むものとする。この状態では、セラミックグリーンシートはキャリアフィルムの表面に配置されており、ここから、セラミックグリーンシートを積層した積層体を形成する。
【0003】
積層体を形成するには、セラミックグリーンシートが形成された長尺状のキャリアフィルムを所定の大きさに切断した後(以下、キャリアフィルムの上にセラミックグリーンシートが形成されたシートを「複合シート」という。)、1枚ずつキャリアフィルムをセラミックグリーンシートから剥離して、得られたセラミックグリーンシートの単層を積み重ねる方法や、セラミックグリーンシートが積層されたもの(以下、積層途中の積層体を「積層対象物」という。)に複合シートのセラミックグリーンシート側の面を圧着して、その後にキャリアフィルムを剥離する方法の他、特開平7−078725号公報に示されるように、予めキャリアフィルムは長尺状に残るようにセラミックグリーンシートのみに切り込みを入れた後に、圧着設備の内部に積層対象物を保持する構造を有する設備を用いて、積層対象物にセラミックグリーンシートを圧着させ、長尺状のままキャリアフィルムを剥離する方法などがある。
【0004】
いずれの方法においても、セラミックグリーンシートを積み重ねる際には、加熱と加圧とを含む。加圧には機械的に圧力をかける方法の他に流体によって圧力をかける方法もある。たとえば、特開平7−078725号公報には機械的に加圧する方法が示されているのに対し、特開平6−283376号公報では最終的な加圧の方法として静水圧による加圧方法が示されている。
【0005】
加熱した状態で圧力をかけて接合する際に、セラミックグリーンシートの元の材料であるスラリーに含まれるバインダーがそれぞれの積層シートを互いに結合する役割を果たし、加熱と加圧とによる積層の後に、冷却されてセラミックグリーンシート同士が接着して固定化し、内部に電極などが形成されたセラミックグリーンシートの積層体が得られる。
【0006】
形成された積層体をチップ状に切断し、このチップ状の積層体を焼成した後に、外部電極を取り付けるなどの工程を経て積層型電子部品が製造される。
【0007】
前述の説明の通り、セラミックグリーンシートはまずキャリアフィルムの上に形成され、積層の際にキャリアフィルムが剥離される。キャリアフィルムの剥離方法のうち、予め適切な大きさに切断した複合シートを用いて剥離を行なう従来の方法の一例として特開平7−030252号公報に記載された装置を図34に示す。
【0008】
図34(a)に示すように、複合シート3は載架台30の上面に配置され、載架台30は筐体35に固定されている。載架台30は多孔質材料で形成されており、さらに、筐体35の内部は空洞で真空状態になるように真空引きがなされている。この真空引きの作用によって複合シート3は載架台30に吸着して保持される。筐体35は、ガイドレール34によって支えられ、ガイドレール34に沿って水平方向に移動する構造を有している。複合シート3の上方には、揺動軸37を支点としたアーム体36が備えられ、アーム体36の先端には外周面に接着剤が塗布され粘着性を有する粘着ロール4が配置されている。粘着ロール4はアーム体の動きと共に上下する機構を有し、回転自在に保持されている。
【0009】
キャリアフィルム1の剥離に際しては、複合シート3に含まれるセラミックグリーンシート2が載架台30に吸着される向きに配置され、上面に剥離の対象となるキャリアフィルム1が現れる。すなわち粘着ロール4とキャリアフィルム1とが対向するように複合シートが保持される。アーム体36の揺動と筐体35の移動とによって、キャリアフィルム1の端部に粘着ロール4が圧接され、キャリアフィルム1は粘着ロール4の外周面に保持される。粘着ロール4が接触されている状態を維持して、粘着ロール4が複合シート1の内側に向かうように矢印23の向きに筐体35を移動させると、粘着ロール4はキャリアフィルム1の上を転動して同時にキャリアフィルム1を外周面に保持して、キャリアフィルム1の剥離を開始する。
【0010】
キャリアフィルム1の剥離を行なっている状態を示す断面図を図34(b)に示す。粘着ロール4は矢印25の向きに転動して、セラミックグリーンシート2とキャリアフィルム1とを分離させる。この時、セラミックグリーンシート2は十分な吸着力によって載架台30に固定され、キャリアフィルム1に付随して粘着ロール4の外周面に巻取られることはなく、キャリアフィルム1のみが巻取られる。この公報のセラミックグリーンシート2には、ビアホール33が穿設されている。ビアホール33には導体ペースト31が充填されており、粘着ロール4の曲率を利用することによって、キャリアフィルム1の貫通孔32に引きずられてセラミックグリーンシート2から導体ペースト31が外れることを回避できることが示されている。
【0011】
この装置において、図34(b)に示す巻取りを継続すると、いずれ粘着ロール4とキャリアフィルムとの間に巻取られたキャリアフィルムの端部が挟まれてしまう。このため、キャリアフィルム1の剥離を継続するためには粘着ロール4よりキャリアフィルム1を何らかの方法で連続的に引き剥がして回収する必要がある。
【0012】
キャリアフィルムを確実に剥ぎ取る方法として、特開平5−283276号公報にセラミックグリーンシートに予めスリット部を形成する方法が開示されている。図35にその方法の説明図を示す。図35(a)はスリット部41を形成した複合シート3の平面図である。スリット部41は内部電極パターン40が形成されたセラミックグリーンシート2の辺縁に形成されている。
【0013】
図35(b)に図35(a)のXXXVB−XXXVB線に関する矢視断面図を示す。スリット部41の深さはセラミックグリーンシート2を貫通し、キャリアフィルム1まで達するように形成される。図35(c)に示されるように、スリット部41を備える複合シート3が積層対象物20の上面に圧着される。その後、複合シート3の掴み代42を掴んで矢印27の向きに引っ張るとキャリアフィルム1を剥離することができる。
【0014】
本方法に従うと、キャリアフィルムを剥離するための機構と別の機構を用意してキャリアフィルムを回収することなく剥離が可能である。しかし、前もって押しつけ刃などによって複合シート3にスリット部41を形成しておく必要があり、また、セラミックグリーンシート2の一部を切り欠く作業を行なうので、切り屑が積層対象物に混入して積層体の品質を悪化させることがあった。
【0015】
予め複合シートにスリット部を形成する必要がなく、また、確実にキャリアフィルムを剥離して回収する装置が、実開平5−016220号公報に開示されている(図示省略)。
【0016】
この装置においては、キャリアフィルムを剥離する粘着ロールを下端に備えたアームと、開閉爪によって剥離したキャリアフィルムの一部を挟持した状態で、開閉爪を斜め上方に引き上げる引き上げ機構とを備える。複合シートはキャリアフィルムが上面になるように保持される。その状態において、アームを下降させてアームの先端に配置された粘着ロールをキャリアフィルムの端部に押し当てた後に、アームを移動して粘着ロールを転動させることによってキャリアフィルムの一部を剥ぎ取る。剥ぎ取った一部を開閉爪で挟持して引き上げ機構によって斜め上方に引き上げるとキャリアフィルムが引っ張られる。開閉爪の引き上げ動作とアームの移動とを同期化させるとキャリアフィルムが完全に剥離される構造を備えている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおり、特開平7−030252号公報に開示されている方法においては、キャリアフィルムを粘着ロールから引き剥がす必要があり、また、特開平5−283276号公報の方法においては、予め、スリット部を形成する際の切り屑が積層対象物に混入するなどの問題点を有していた。これらの問題を解決する装置として、実開平5−016220号公報が開示されているが、この方法には以下の問題点があった。
【0018】
この方法によると、セラミックグリーンシートにスリット部などを設ける必要はなく、また、切り屑が発生する心配もなく確実にキャリアフィルムを剥離できる。しかし、キャリアフィルムを挟む開閉爪や、粘着ロールの移動と開閉爪の上昇とを同期化させる機構が必要であり、装置の機構が非常に複雑なものとなる。
【0019】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、複雑な方法や装置を必要とせず、複合シートからキャリアフィルムのみを確実に剥離して回収する方法と装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づくキャリアフィルム剥離方法は、セラミックグリーンシートがキャリアフィルムの表面に形成された複合シートにおいて、上記セラミックグリーンシートから上記キャリアフィルムを剥離するためのキャリアフィルム剥離方法であって、上記複合シートの端部から途中までの区間において上記セラミックグリーンシートから分離した上記キャリアフィルムの一部分である剥がし代を形成する剥がし代形成工程と、上記剥がし代の領域のうち上記端部を避けた位置に、外周面に粘着性を有する粘着ロールを押し当てて上記キャリアフィルムを保持した後に、上記粘着ロールを回転させて上記キャリアフィルムを上記セラミックグリーンシートから引き剥がすキャリアフィルム除去工程とを含む。この方法を採用することにより、上記剥がし代を形成し、上記剥がし代の領域から上記粘着ロールを用いて剥離するために、セラミックグリーンシートを傷つけることなくキャリアフィルムを確実に剥離することができる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成工程は、上記粘着ロールを上記キャリアフィルムに押し当てて転動させることで、上記キャリアフィルムの一部を巻取り、上記セラミックグリーンシートから剥離する部分剥離工程と、上記粘着ロールを上記転動の逆向きに回転させることにより、上記キャリアフィルムと上記粘着ロールとを離す工程とを含む。この方法を採用することにより、上記剥がし代を上記粘着ロールで形成することができ、上記剥がし代を形成するための複雑な機構を備えることなく、上記剥がし代を形成することができる。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記部分剥離工程は、上記キャリアフィルムの上記セラミックグリーンシートが形成された面と反対側の主表面に対して略垂直な方向から、上記キャリアフィルムの端部に上記粘着ロールを押し当てて巻取りを開始する。この方法を採用することにより、上記セラミックグリーンシートを上記キャリアフィルムとともに巻き取ったり、上記セラミックグリーンシートを傷つけたりすることなく上記剥がし代の形成を開始することができる。
【0023】
あるいは、上記部分剥離工程は、上記キャリアフィルムの端より外側から内側に向かって巻取りを行なう。この方法を採用することにより、上記キャリアフィルムの剥離開始位置に対して上記粘着ロールの位置が多少ずれたとしても必ず上記キャリアフィルムの端部に上記粘着ロールが接して、確実に剥がし代の形成を開始することができる。
【0024】
上記発明において好ましくは、上記部分剥離工程は、キャリアフィルムの剥離を開始してから、巻取りを完了するまでの上記粘着ロールの上記転動が1回転以内である。この方法を採用することにより、上記キャリアフィルムの上記粘着ロールへの巻取りが2重以上とならず、上記セラミックグリーンシートを傷つけることを回避できる。
【0025】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成工程は、他の粘着ロールを上記キャリアフィルムに押し当てて転動させることで、上記キャリアフィルムの一部を巻取り、上記セラミックグリーンシートから剥離する工程と、上記他の粘着ロールを上記転動の逆向きに回転させることにより、上記キャリアフィルムと上記他の粘着ロールとを離す工程とを含む。この方法を採用することにより、上記剥がし代形成工程から上記キャリアフィルム除去工程に移行する時間を短縮することができて、作業効率が向上する。
【0026】
上記発明において好ましくは、上記キャリアフィルム除去工程は、セパレータにより、上記粘着ロールの上記外周面から上記キャリアフィルムを剥ぎ取る工程を含む。この方法を採用することにより、上記キャリアフィルムの弾性に依って上記粘着ロールから自然に剥がれることを考慮する必要性がなくなり、上記粘着ロールから上記キャリアフィルムを確実に剥がし取り、回収することが可能となる。
【0027】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成工程と上記キャリアフィルム除去工程とは、上記セラミックグリーンシートを保持部材で保持した状態で行なう。この方法を採用することにより、上記複合シートから上記キャリアフィルムを1枚ずつ分離することとなり、積層対象物を傷つける可能性を回避して、上記キャリアフィルムを剥離することができる。
【0028】
あるいは、上記剥がし代形成工程と上記キャリアフィルム除去工程とは、上記積層対象物の上面に上記セラミックグリーンシートが接するように上記複合シートを積み重ねて圧着することにより固定した状態で行なう。この方法を採用することにより、上記セラミックグリーンシートを圧着する工程と上記キャリアフィルムを剥離する工程を1つの装置で連続して行なうことができる。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明に係るキャリアフィルム剥離装置は、セラミックグリーンシートがキャリアフィルムの上に形成された複合シートから、上記キャリアフィルムを剥離するためのキャリアフィルム剥離装置であって、ロール部と、上記複合シートを固定するための保持部材と、上記ロール部の上記複合シートに対する相対的な位置を調整するための位置調整機構とを備え、上記ロール部は、粘着性の外周面を有し、上記キャリアフィルムの一部を上記セラミックグリーンシートから剥離するための剥がし代形成用粘着ロールと、粘着性の外周面を有し、上記キャリアフィルムを上記セラミックグリーンシートから除去するための除去用粘着ロールとを含む。この構成を採用することにより、キャリアフィルムを剥離するための時間が短縮され、作業効率を向上することができる。
【0030】
上記発明において好ましくは、上記剥がし代形成用粘着ロールの回転軸と上記除去用粘着ロールの回転軸との上記複合シートの面に平行な方向の距離は、上記剥がし代形成用粘着ロールが転動して上記キャリアフィルムを巻取る長さと上記剥がし代形成用粘着ロールを逆向きに転動させて上記キャリアフィルムから離した後も上記逆向きの転動を継続する距離との和の2倍以内である。この構成を採用することにより、上記剥がし代を形成する工程から上記キャリアフィルムを除去する工程に移行する時間を短縮することができて、作業効率が向上する。
【0031】
上記発明において好ましくは、上記位置調整機構は、保持部材を上記複合シートの面に平行な一方向に移動させる保持部材移動機構と、上記複合シートの面に対して略垂直な方向に、上記剥がし代形成用粘着ロールと上記除去用粘着ロールとを移動させるロール駆動部とを備える。この構成を採用することにより、上記位置調整機構の構造を簡単にすることができ、また、装置の制御も容易にすることができる。
【0032】
上記発明において好ましくは、上記複合シートから剥離された上記キャリアフィルムを上記除去用粘着ロールから引き剥がすためのセパレータを備える。この構成を採用することにより、上記キャリアフィルムの弾性に依って自然に剥がれることを考慮する必要性がなくなり、上記除去用粘着ロールから上記キャリアフィルムを確実に剥がし取り、回収することが可能となる。
【0033】
上記発明において好ましくは、上記セパレータは、上記除去用粘着ロールとともに移動する。この構成を採用することにより、上記セパレータを上記除去用粘着ロールの付近に常に配置することになり、上記キャリアフィルムを除去するために最適な上記セパレータの位置を確保することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(剥離装置の構成と機能)
本発明に基づく実施の形態1におけるキャリアフィルム剥離方法について説明を行なうのに先立ち、図11を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるキャリアフィルム剥離装置について説明する。
【0035】
図11(a)はキャリアフィルム剥離装置の全体の概要を示す図であり、図11(b)は図11(a)に示すA部を拡大した断面図である。
【0036】
キャリアフィルム1とセラミックグリーンシート2とを備える複合シート3は所定の大きさに予め切断されている。図11(b)に示すように複合シート3は、剥離されるキャリアフィルム1が粘着ロール4と接することが可能な向きに保持部材7に固定される。すなわちセラミックグリーンシート2が保持部材7に固定される。複合シート3の固定は、たとえば、保持部材7において、複合シート3との接触面を多孔質の基板で形成して、空洞化した内部を真空引きすることで複合シート3を吸着させることにより行なう。
【0037】
粘着ロール4は複合シート3に対向するように配置される。粘着ロール4は外周面に粘着性を有する円柱形のロールであり、材質はたとえばポリオレフィン系ゴムであり、キャリアフィルム1をセラミックグリーンシート2から剥離するに十分な粘着性を有する。直径はたとえば20mmから40mmである。粘着ロール4の径が小さいと、もしくは、キャリアフィルム1の弾性が強いと、セラミックグリーンシート2からキャリアフィルム1を剥離した後にキャリアフィルム1の弾性によって自然に粘着ロール4から剥がれるが、確実に粘着ロール4からキャリアフィルム1を回収するためにセパレータ8が粘着ロール4の外周面に近接する位置に設けられている。セパレータ8で剥ぎ取られたキャリアフィルム1はフィルムガイド9に導かれてフィルム回収筒18に送られ回収される。
【0038】
本実施の形態では、セパレータ8が粘着ロール4とキャリアフィルム1とが接触する側の反対側(接触する点から時計回りに180°の方向)に配置されているが、この方向に限られず、たとえば、接触する点から時計回りに270°の方向に取り付けられていてもよい。フィルムガイド9についてもセパレータ8で剥ぎ取られたキャリアフィルム1をフィルム回収筒18に導く形状や配置であればよく、たとえば円弧を描く板状などであってもよい。
【0039】
粘着ロール4はエアシリンダ11に連結されており、粘着ロール4の駆動はエアシリンダ11によって行なわれる、本実施の形態では粘着ロール4は図11において上下方向に移動する。エアシリンダ11は空気圧で動作させて、粘着ロール4をキャリアフィルム1に圧接させたり、逆に複合シート3から粘着ロール4を離したりする役割を果たす。本実施の形態では、キャリアフィルム1に圧接させる際に、粘着ロール4は図11の上の向きに移動する。逆にキャリアフィルム1を保持部材7に配置するために保持部材7を移動する際などには、粘着ロール4は下に移動して粘着ロール4と複合シート3との間隙を確保する。また、エアシリンダ11は空気圧で動作することによって、適切な圧力を加えて粘着ロール4をキャリアフィルム1に接触させることが可能である。
【0040】
本剥離装置は保持部材移動機構16を備えており、保持部材7はリニアガイド14に沿ってリニアガイド14の長手方向と平行に移動する。図11(a)においては水平方向に移動する。移動の駆動力は保持部材駆動用モータ13によって発生し、保持部材駆動用モータ13の主軸にカップリングしたねじ軸15を回転させる。ねじ軸15とナット19とはボールネジの構造になっており、ねじ軸15の回転に伴ってナット19と接続された保持部材7が移動する。
【0041】
(剥離方法)
図1から図10までを参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるキャリアフィルム剥離方法について説明する。それぞれの図は、複合シート3と粘着ロール4とが接触する部分を抜粋して拡大した図である。
【0042】
はじめに、粘着ロール4が複合シート3の端部に接触する位置まで保持部材7を移動する。図1に示す状態で粘着ロール4を矢印21の向きに移動させて図2に示すようにキャリアフィルム1の端部に圧接させる。粘着ロール4を圧接させたまま、図2の矢印23の向きに保持部材7を移動すると、矢印25の向きに粘着ロール4が転動し始める。粘着ロール4の外周面に有する粘着性によってキャリアフィルム1がセラミックグリーンシート2から剥離され始める。
【0043】
図3に示すように転動を継続して剥離を進行させる。この際に粘着ロール4を多く転動させると、セパレータ8と粘着ロール4との隙間にキャリアフィルム1が巻込まれたり、キャリアフィルム1が2重に巻取られたりする可能性があるので粘着ロール4の径やセパレータ8の位置に応じて適切な位置で転動を停止する。たとえば、本実施の形態においては、粘着ロール4が1/4回転したところで保持部材7を停止する。
【0044】
次に図4に示すように保持部材7を元の位置に戻すように移動を開始する。この移動に伴って粘着ロール4は矢印26の向きに転動を開始し、剥離されたキャリアフィルム1を粘着ロール4から離す動作を開始する。図5に示すように粘着ロール4から完全にキャリアフィルム1がはずれるまで、保持部材7の移動を継続する。図5の二点鎖線に示すように剥離されたキャリアフィルム1の一部分が自由端となっており、この部分が剥がし代17となる。図4の工程において、剥離したキャリアフィルム1の一部とセラミックグリーンシート2とが圧接されるが、キャリアフィルム1には離型層が塗工されているので、再度密着して接合することはない。
【0045】
剥がし代17の形成が完了したら、図5の矢印22に示すように粘着ロール4を保持部材7から離す。この状態で図6の矢印23に示す向きに保持部材7を移動する。図5および図6の図中、二点鎖線で示すようにキャリアフィルム1の弾性が弱く垂れ下がる時は、図6において保持部材7を移動する際に垂れ下がった剥がし代17に粘着ロール4が接触しないように粘着ロール4を保持部材7から十分に離す必要がある。
【0046】
粘着ロール4をキャリアフィルム1の端部を避けた剥がし代17の領域内に接触させることができる位置まで保持部材7を移動したら、図7に示すように粘着ロール4をキャリアフィルム1に圧接させる。「剥がし代17の領域」とは、図1から図5の工程において剥離されたキャリアフィルム1の一部分を指しており、セラミックグリーンシート2にいまだ密着している部分と剥離された部分との境界も含むものとする。本実施の形態においては、セラミックグリーンシート2にいまだ密着している部分と剥離された部分との境界に粘着ロール4が圧接されている。しかし、保持部材7の作動誤差によって上記の境界からずれ、キャリアフィルム1とセラミックグリーンシート2とがいまだ密着している領域から剥離を開始することがある。この場合は、セラミックグリーンシート2を破るおそれがあり、セラミックグリーンシート2を傷つけないために、作動誤差を考慮した剥がし代17の領域に圧接させることが好ましい。
【0047】
粘着ロール4がキャリアフィルム1に圧接されたら、図8の矢印23の向きに保持部材7の移動を開始して、キャリアフィルム1を完全に剥離する。この際、剥がし代17の一部分は図9に示すように、その剛性によって粘着ロール4に密着せず自由端となる。図10に示すようにこの自由端の部分と粘着ロール4との間に入り込むようにセパレータ8が配置されており、粘着ロール4からキャリアフィルム1が剥ぎ取られる。
【0048】
保持部材7の移動は、図10に示すようにキャリアフィルム1がセラミックグリーンシート2から剥離された後も、粘着ロール4からキャリアフィルム1を剥ぎ取るために継続される。剥ぎ取られたキャリアフィルム1は、フィルムガイド9に導かれて回収される。
【0049】
このようにして得られたセラミックグリーンシート2の単層は、積層機に運搬され、加熱と加圧とによって接合を繰り返して積層体が形成される。
【0050】
(効果)
本実施の形態に示す装置ないし方法を採用することにより、粘着ロールを1つ備える装置を用いて、キャリアフィルムに剥がし代を形成することができ、剥がし代を形成するための別の装置は不要となる。あるいは、剥がし代を形成するための機構と剥離するための機構とを備える複雑な装置も不要であり、切り屑も発生しない。また、形成した剥がし代の領域から剥離を開始することによって、セラミックグリーンシートを傷つけることなく、キャリアフィルムを剥離することが可能になり、セパレータなどの機能によって、剥離されたキャリアフィルムを確実に回収することができる。
【0051】
(実施の形態2)
(剥離装置の構成と機能)
装置の構成および機能については、装置に積層対象物を加熱、加圧する機能が加わる以外は、実施の形態1と同様でありここでは説明を省略する。
【0052】
(剥離方法)
図12から図21までを参照して本発明に基づく実施の形態2におけるキャリアフィルム剥離方法について以下に説明する。
【0053】
実施の形態1は、予め切断された複合シート3を保持部材7に固定し、キャリアフィルム1を剥離してセラミックグリーンシート2の単体を得た後、この単体を積層していくことによって積層体を形成する方法を採用していた。本実施の形態においては、先に複合シート3を積層対象物に接合して、その後にキャリアフィルム1を剥離する方法を採用している。
【0054】
図12に示すように複合シート3は積層対象物20の主表面にセラミックグリーンシート2が接触する向きに接合される。接合は加熱と加圧とを伴い、完全な圧着まで行なわれてもよいし、積層体を形作るための比較的密着力が弱い仮止めであってもよい。仮止めの場合は、積層を繰り返して所定枚数積み上げた後に、圧着機などによってもう一度加熱と加圧とが施されて強く密着される。
【0055】
実施の形態1と同様にキャリアフィルム1に対向するように粘着ロール4とセパレータ8とが配置される。キャリアフィルム1が剥離される手順は実施の形態1と同様である。まず、図12から図14に示すように、粘着ロール4をキャリアフィルム1の端に圧接させて、保持部材7を矢印23の向きに移動することにより、キャリアフィルム1を部分的に剥離する。次に、図15から図17に示すように粘着ロール4を圧接させたまま保持部材7を矢印24の向きに移動させて、粘着ロール4からキャリアフィルム1を剥がす。このように剥がし代17(図16参照)を形成する。実施の形態1と同様に、図15から図16の工程において、剥離したキャリアフィルム1の一部とセラミックグリーンシート2とが圧接されるが、キャリアフィルム1には離型層が塗工されているので、再度密着して接合することはない。
【0056】
図18から図21に示すように、形成された剥がし代17(図19参照)の領域に粘着ロール4を圧接させた状態で転動させることによって、キャリアフィルム1を完全に剥離する。図18において、粘着ロール4を、剥がし代17の領域といまだセラミックグリーンシート2に密着している領域との境界より若干剥がし代17の領域の方にずらした位置に圧接する方が好ましいことは実施の形態1と同様である。
【0057】
図21において、セラミックグリーンシート2からキャリアフィルム1が完全に剥離された後も、粘着ロール4からキャリアフィルム1を剥がすために粘着ロール4を回転させる必要がある。粘着ロール4を慣性で自転させたり、保持部材7に接触させて回転させたり、他の面に接触させて回転させたりすることによってキャリアフィルム1を粘着ロール4から完全に引き剥がして回収する。たとえば、図21において保持部材7の左方に垂直な壁を設けて粘着ロール4を接触させ、エアシリンダで粘着ロール4を上昇させることによってキャリアフィルムを引き剥がす。
【0058】
上記の工程はセラミックグリーンシート1枚を積層する方法を示しており、これらの操作を繰り返して、所定枚数のセラミックグリーンシートを積層することによって積層体を形成する。
【0059】
(効果)
本実施の形態に示す装置または方法を採用することにより、実施の形態1の効果に加えて、セラミックグリーンシートの積層とキャリアフィルムの剥離とを、同一の設備で連続して行なうことができる。
【0060】
(剥がし代を形成する他の方法)
実施の形態1と実施の形態2とにおいては、ともに粘着ロール4をキャリアフィルム1の端部に圧接させて剥がし代17の形成を開始していた。この方法においては、正確にキャリアフィルム1の端部に粘着ロール4を圧接させる必要があり、粘着ロール4がキャリアフィルム1の端部より少し内側に圧接すると、セラミックグリーンシート2もともに巻取ったり、セラミックグリーンシート2を破ったりするなどの不具合が生じる可能性がある。このため、粘着ロール4と保持部材7との相対的な位置関係を微調整できる機構が必要である。
【0061】
図22から図24にキャリアフィルム1を部分的に剥離して剥がし代17を形成する方法について異なる方法を説明する。この方法は、たとえば、実施の形態1における図1から図3までの工程に対応する。この方法では、図22に示すように粘着ロール4をキャリアフィルム1の端より外側の保持部材7に接触させた後に、図23に示すように保持部材7を矢印23の向きに移動させて粘着ロール4をキャリアフィルム1に接合する。キャリアフィルム1の巻取りを開始した後は、図24に示すように前述の方法と同じである。たとえば、図24の工程は実施の形態1における図3の工程に対応する。
【0062】
図23においては、保持部材7に粘着ロール4を接触させて保持部材7の移動を開始しているが、必ずしも接触させなくてもキャリアフィルム1を巻取ることが可能な位置まで粘着ロール4を保持部材7に接近させて保持部材7の移動を行なってもよい。この方法を採用することによって、保持部材7の移動方向に対する微調整を行なう必要がなく確実にキャリアフィルム1の剥離を開始することができる。
【0063】
(実施の形態3)
(剥離装置の構成と機能)
本発明に基づく実施の形態3におけるキャリアフィルム剥離装置について図33を参照して以下に説明する。
【0064】
図33(a)に本実施の形態におけるキャリアフィルム剥離装置の概略図を示し、図33(b)に図33(a)のおけるBの部分の拡大断面図を示す。
【0065】
保持部材7、保持部材移動機構16の説明や複合シート3の保持方法などは実施の形態1と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0066】
本発明の装置の特徴は粘着ロールを2個備えるところにある。図33(b)に示すように複合ロール部10は、剥がし代形成用粘着ロール5と除去用粘着ロール6とを含む。複合ロール部10は保持部材7に固定された複合シート3に含まれるキャリアフィルム1と対向するように配置される。
【0067】
2つの粘着ロールにはそれぞれエアシリンダ11が接続されており、それぞれの粘着ロールが独立に移動する機能を提供するロール駆動部12が備わる。実施の形態1と同様に、粘着ロールの移動方向は図33において上下方向である。剥がし代形成用粘着ロール5は、剥がし代17を形成するために用いられ、除去用粘着ロール6はキャリアフィルム1を完全に剥離するために用いられる。セパレータ8とフィルムガイド9とは、除去用粘着ロール6に近接して配置される。
【0068】
(剥離方法)
図25から図32までを参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるキャリアフィルム剥離方法について以下に説明する。粘着ロールを用いて剥がし代を形成することや、その後粘着ロールを用いてキャリアフィルムを剥離する点においては実施の形態1や実施の形態2と共通するが、粘着ロールを2つ用いてそれぞれ個別に役割を持たせることに違いを有する。
【0069】
図25に示すように剥がし代形成用粘着ロール5がキャリアフィルム1の端部に圧接できるように保持部材7を移動した後に、矢印21の向きに剥がし代形成用粘着ロール5を移動してキャリアフィルム1に圧接させる。図26と図27とに示すように保持部材7を矢印23の向きに移動して剥がし代形成用粘着ロール5を転動させてキャリアフィルム1の一部をセラミックグリーンシート2から巻取る。次に図28に示すように保持部材7を矢印24の向きに移動することによって、剥がし代形成用粘着ロール5が矢印26の向きに転動する。剥がし代形成用粘着ロール5がキャリアフィルム1から離れる位置まで保持部材7を移動させて剥がし代17を剥がし代形成用粘着ロール5から剥ぎ取る。
【0070】
図29に示すように、除去用粘着ロール6を剥がし代17の領域に圧接できる位置まで保持部材7を移動した後に、矢印22に示すように剥がし代形成用粘着ロール5を保持部材から離して、矢印21に示すように除去用粘着ロール6をキャリアフィルム1に圧接させる。剥がし代17の領域とキャリアフィルム1がセラミックグリーンシート2にいまだ密着している領域との境界より、若干剥がし代17の領域の方にずらした位置に除去用粘着ロール6を圧接する方が好ましいことや、図28から図29の工程において剥がし代領域のキャリアフィルム1とセラミックグリーンシート2とが圧接されるが、再度密着して接合することはないことは、実施の形態1および実施の形態2と同様である。
【0071】
図30に示すように保持部材7を矢印23の向きに移動させて除去用粘着ロール6を転動させてキャリアフィルム1を剥離する。図31に示すように剥がし代17は自由端となる。図32に示すようにセパレータ8でキャリアフィルム1が除去用粘着ロール6から引き剥がされ、フィルムガイド9によってキャリアフィルム1が回収されるべき適切な方向に導かれるのは実施の形態1および実施の形態2と同様である。
【0072】
このようにして得られたセラミックグリーンシート2の単層は、積層機に運搬され加熱と加圧とによって接合を繰り返して積層体が形成される。
【0073】
(効果)
本実施の形態の装置または方法を採用することによって、キャリアフィルムを剥離する時間が短縮され生産能力が向上する。たとえば、実施の形態1における図6の状態から図7の状態に移行するための移動距離が短くなり、キャリアフィルム1の剥離に要する時間が短縮される。
【0074】
ただし、剥がし代形成用粘着ロール5と除去用粘着ロール6とが離れすぎていると、かえって時間がかかる。そこで、剥がし代形成用粘着ロール5の回転軸と除去用粘着ロール6の回転軸との複合シート3の面に平行な方向の距離は、ある長さ以下であることが好ましい。この距離は、図29を参照して説明すると、剥がし代形成用粘着ロール5が転動してキャリアフィルムを巻取る長さである剥がし代長さ28と剥がし代形成用粘着ロール5を逆向きに転動させてキャリアフィルム1から離した後も逆向きの転動を継続する距離である余裕長さ29との和の2倍以内である。
【0075】
また、時間的な利点がなくとも、粘着ロールが2つに増えることによって、粘着ロールの交換頻度を下げることができ、連続運転時間を長くすることが可能になるという利点を有する。
【0076】
本実施の形態においても、実施の形態2と同様に積層対象物20の上に複合シート3を接合してからキャリアフィルム1を剥離して積層体を形成する方法や、複合シート3を保持部材7の上に保持して粘着ロールを上から圧接させる方法であってもよい。また、図22から図24に示すように、剥がし代形成用粘着ロール5をキャリアフィルム1の端より外側から内側に向かってキャリアフィルム1と剥がし代形成用粘着ロール5とを接合させて巻取りを開始してもよい。
【0077】
実施の形態1から実施の形態3のキャリアフィルム剥離装置については、全て保持部材が水平方向に移動して粘着ロールが水平方向に動いているが、粘着ロールと保持部材との相対的な位置を調整する機構を備えていればよい。積層対象物や複合シートについても保持部材の上下どちら側の面に保持されてもよい。また、キャリアフィルムの剥離は、通常は主表面が四角形の形状であるキャリアフィルムの1つの辺と粘着ロールの長手方向とが平行になるように粘着ロールを圧接させて剥離を行なっているが、この方法に限られるわけではなく、四角形の対角方向に剥離を行なってもよい。
【0078】
このほか、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、剥がし代を予め形成しなくても、粘着ロールを用いて剥がし代を形成することができるため、剥がし代を形成するための別設備が不要である。また、キャリアフィルムを挟み回収するなどの複雑な機構も不要であり、比較的容易に装置を製作することができる。加えて、予めスリット部を形成する必要もなく、積層対象物への切り屑の混入も回避することができる。剥離されたキャリアフィルムは、剥がし代とセパレータとの作用によって確実に粘着ロールから剥がされて回収される。換言すると、複雑な方法や装置を必要とせず、複合シートからキャリアフィルムを確実に剥離して回収する方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールの転動の開始を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールによってキャリアフィルムの一部を剥離する工程の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールに接合したキャリアフィルムを粘着ロールから剥ぎ取る工程の開始を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールを保持部材から離す工程の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る保持部材の移動の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る粘着ロールを剥がし代領域に接合させる工程の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る剥がし代を残して粘着ロールの転動を開始させることを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る剥がし代を残して粘着ロールでキャリアフィルムを剥離する工程の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係るキャリアフィルムの回収方法の説明図である。
【図11】(a)は本発明の実施の形態1に係る剥離装置の部分断面図であり、(b)は(a)におけるAの部分を拡大した断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールの転動の開始を説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールによってキャリアフィルムの一部を剥離する工程の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールに接合したキャリアフィルムを粘着ロールから剥ぎ取る工程の開始を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールを積層対象物から離す工程の説明図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る保持部材の移動の説明図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る粘着ロールを剥がし代領域に接合させる工程の説明図である。
【図19】本発明の実施の形態2に係る剥がし代を残して粘着ロールの転動を開始させることを説明する図である。
【図20】本発明の実施の形態2に係る剥がし代を残して粘着ロールでキャリアフィルムを剥離する工程の説明図である。
【図21】本発明の実施の形態2に係るキャリアフィルムの回収方法の説明図である。
【図22】本発明の実施の形態1から実施の形態3のいずれかに係る粘着ロールの転動をキャリアフィルムの端の外側から開始することを説明する図である。
【図23】本発明の実施の形態1から実施の形態3のいずれかに係る保持部材の移動の開始を説明する図である。
【図24】本発明の実施の形態1から実施の形態3のいずれかに係るキャリアフィルムの一部を剥離する工程を説明する図である。
【図25】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程の説明図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールの転動の開始を説明する図である。
【図27】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールによってキャリアフィルムの一部を剥離する工程の説明図である。
【図28】本発明の実施の形態3に係る剥がし代形成用粘着ロールに接合したキャリアフィルムを剥がし代形成用粘着ロールから剥ぎ取る工程の開始を説明する図である。
【図29】本発明の実施の形態3に係る保持部材から剥がし代形成用粘着ロールを離して除去用粘着ロールをキャリアフィルムに接合させる工程を説明する図である。
【図30】本発明の実施の形態3に係る剥がし代を残して除去用粘着ロールの転動を開始させることを説明する図である。
【図31】本発明の実施の形態3に係る剥がし代を残して除去用粘着ロールでキャリアフィルムを剥離する工程の説明図である。
【図32】本発明の実施の形態3に係るキャリアフィルムの回収方法の説明図である。
【図33】(a)は本発明の実施の形態3に係るキャリアフィルム剥離装置の部分断面図であり、(b)は(a)におけるBの部分を拡大した断面図である。
【図34】(a)は従来技術に基づく第1のキャリアフィルム剥離装置の側面図であり、(b)は従来技術に基づく第1のキャリアフィルム剥離方法を説明する図である。
【図35】(a)は従来技術に基づき複合シートにスリットを形成した正面図であり、(b)は(a)のXXXVB−XXXVB線に関する矢視断面図であり、(c)は従来技術に基づく第2のキャリアフィルム剥離方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 キャリアフィルム、2 セラミックグリーンシート、3 複合シート、4粘着ロール、5 剥がし代形成用粘着ロール、6 除去用粘着ロール、7 保持部材、8 セパレータ、9 フィルムガイド、10 複合ロール部、11 エアシリンダ、12 ロール駆動部、13 保持部材駆動用モータ、14 リニアガイド、15 ねじ軸、16 保持部材移動機構、17 剥がし代、18 フィルム回収筒、19 ナット、20 積層対象物、21〜27 矢印、28 剥がし代長さ、29 余裕長さ、30 載架台、31 導体ペースト、32 貫通孔、33 ビアホール、34 ガイドレール、35 筐体、36 アーム体、37揺動軸、40 内部電極パターン、41 スリット部、42 掴み代。
Claims (14)
- セラミックグリーンシートがキャリアフィルムの表面に形成された複合シートにおいて、前記セラミックグリーンシートから前記キャリアフィルムを剥離するためのキャリアフィルム剥離方法であって、
前記複合シートの端部から途中までの区間において前記セラミックグリーンシートから分離した前記キャリアフィルムの一部分である剥がし代を形成する剥がし代形成工程と、
前記剥がし代の領域のうち前記端部を避けた位置に、外周面に粘着性を有する粘着ロールを押し当てて前記キャリアフィルムを保持した後に、前記粘着ロールを回転させて前記キャリアフィルムを前記セラミックグリーンシートから引き剥がすキャリアフィルム除去工程と
を含む、キャリアフィルム剥離方法。 - 前記剥がし代形成工程は、
前記粘着ロールを前記キャリアフィルムに押し当てて転動させることで、前記キャリアフィルムの一部を巻取り、前記セラミックグリーンシートから剥離する部分剥離工程と、
前記粘着ロールを前記転動の逆向きに回転させることにより、前記キャリアフィルムと前記粘着ロールとを離す工程と
を含む、請求項1に記載のキャリアフィルム剥離方法。 - 前記部分剥離工程は、
前記キャリアフィルムの前記セラミックグリーンシートが形成された面と反対側の主表面に対して略垂直な方向から、前記キャリアフィルムの端部に前記粘着ロールを押し当てて巻取りを開始する、請求項2に記載のキャリアフィルム剥離方法。 - 前記部分剥離工程は、
前記キャリアフィルムの端より外側から内側に向かって巻取りを行なう、請求項2に記載のキャリアフィルム剥離方法。 - 前記部分剥離工程は、
キャリアフィルムの剥離を開始してから、巻取りを完了するまでの前記粘着ロールの前記転動が1回転以内である、請求項2から4のいずれかに記載のキャリアフィルム剥離方法。 - 前記剥がし代形成工程は、
他の粘着ロールを前記キャリアフィルムに押し当てて転動させることで、前記キャリアフィルムの一部を巻取り、前記セラミックグリーンシートから剥離する工程と、
前記他の粘着ロールを前記転動の逆向きに回転させることにより、前記キャリアフィルムと前記他の粘着ロールとを離す工程と
を含む、請求項1に記載のキャリアフィルム剥離方法。 - 前記キャリアフィルム除去工程は、セパレータにより、前記粘着ロールの前記外周面から前記キャリアフィルムを剥ぎ取る工程を含む、請求項1から6のいずれかに記載のキャリアフィルム剥離方法。
- 前記剥がし代形成工程と前記キャリアフィルム除去工程とは、前記セラミックグリーンシートを保持部材で保持した状態で行なう、請求項1から7のいずれかに記載のキャリアフィルム剥離方法。
- 前記剥がし代形成工程と前記キャリアフィルム除去工程とは、積層対象物の上面に前記セラミックグリーンシートが接するように前記複合シートを積み重ねて圧着することにより固定した状態で行なう、請求項1から7のいずれかに記載のキャリアフィルム剥離方法。
- セラミックグリーンシートがキャリアフィルムの上に形成された複合シートから、前記キャリアフィルムを剥離するためのキャリアフィルム剥離装置であって、
ロール部と、
前記複合シートを固定するための保持部材と、
前記ロール部の前記複合シートに対する相対的な位置を調整するための位置調整機構と
を備え、前記ロール部は、
粘着性の外周面を有し、前記キャリアフィルムの一部を前記セラミックグリーンシートから剥離するための剥がし代形成用粘着ロールと、
粘着性の外周面を有し、前記キャリアフィルムを前記セラミックグリーンシートから除去するための除去用粘着ロールと
を含む、キャリアフィルム剥離装置。 - 前記剥がし代形成用粘着ロールの回転軸と前記除去用粘着ロールの回転軸との前記複合シートの面に平行な方向の距離は、前記剥がし代形成用粘着ロールが転動して前記キャリアフィルムを巻取る長さと前記剥がし代形成用粘着ロールを逆向きに転動させて前記キャリアフィルムから離した後も前記逆向きの転動を継続する距離との和の2倍以内である、請求項10に記載のキャリアフィルム剥離装置。
- 前記位置調整機構は、
保持部材を前記複合シートの面に平行な一方向に移動させる保持部材移動機構と、
前記複合シートの面に対して略垂直な方向に、前記剥がし代形成用粘着ロールと前記除去用粘着ロールとを移動させるロール駆動部と
を備える、請求項10または11に記載のキャリアフィルム剥離装置。 - 前記複合シートから剥離された前記キャリアフィルムを前記除去用粘着ロールから引き剥がすためのセパレータを備える、請求項10から12のいずれかに記載のキャリアフィルム剥離装置。
- 前記セパレータは、前記除去用粘着ロールとともに移動する、請求項13に記載のキャリアフィルム剥離装置。
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