JP5577003B1 - フィルムの剥離装置及びフィルムの剥離方法 - Google Patents

フィルムの剥離装置及びフィルムの剥離方法 Download PDF

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Abstract

本発明のフィルムの剥離装置は、フィルムWcをベース部材Wmから剥離する際に剥離を容易にするための予備剥離を行う予備剥離機構部700を備え、予備剥離機構部700は、予備剥離ロール710をフィルムWcの表面における一方側端部に接触させた状態で、予備剥離ロール710が回転するようにフィルムWc又は予備剥離ロール710の少なくとも一方を走行させて、フィルムWcをベース部材Wmから剥離しながら巻き取り終了位置まで巻き取って行く第1工程と、第1工程の後に予備剥離ロール710をフィルムWcの表面に接触させた状態で、フィルムWc又は予備剥離ロール710の少なくとも一方を逆方向に進行させることにより、予備剥離ロール710に巻き取られたフィルムをベース部材Wmに再貼着する第2工程とを行う。
本発明のフィルムの剥離装置によれば、従来のフィルムの剥離装置よりも小さな力で確実にフィルムを台紙から剥離できる。

Description

本発明は、フィルムをベース部材から剥離するフィルムの剥離装置及びフィルムの剥離方法に関する。
一般に、フレキシブル配線基板は、薄いポリイミドフィルムやポリエステルフィルムをベースフィルムとして作られ、その表面に電子回路を構成する銅箔が貼着されている。また、電子回路には電子部品が直接実装されており、さらに電子回路はフィルム(カバーレイフィルムという。)で被覆されている。
また、このようなフレキシブル配線基板は、薄くて柔らかく自由に曲げることができるのが特徴であるが、その上に部品を搭載したり、コネクタに接続したりする場合には、ある程度の厚さと堅さが必要な場合もある。そこで、ベースフィルムの一部の領域の剛性を確保するために、所定の形状と大きさを有する補強板をベースフィルムに対して貼着することが行われている。
上記したフレキシブル配線基板を製造する工程において、ベースフィルム上の被覆すべき電子回路の上にカバーレイフィルムを貼着する前段階の工程として、まずは、プリカットされたカバーレイフィルムを台紙から手作業で剥離する必要がある。また、補強フィルムについても同様であって、補強フィルムをベース部材(以下、台紙という。)から手作業で剥離する必要がある。なお、本発明の明細書において、「台紙」というのは、「紙」を原材料としたものだけを指すものではなく、プラスチックなどの部材を原材料としたものも含むものである。
このように手作業でカバーレイフィルムや補強フィルムを台紙から剥離することはフレキシブル配線基板の製造を自動化する上で大きな障害となっていた。そこで、カバーレイフィルムや補強フィルムなどのフィルムを台紙から機械的に剥離可能とするフィルムの剥離装置が種々提案されている。
しかしながら、この種のフィルムの剥離装置においても、台紙からフィルムを剥離する際に剥離できない場合もある。そこで、予備剥離機構を設けて、当該予備剥離機構によって、台紙からフィルムを予め一部を剥離させておいた状態(予備剥離した状態)として、その後、台紙からフィルムを剥離するようにしたフィルムの剥離装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
図14は、特許文献1に開示されているフィルムの剥離装置9000の正面図である。
図15は、特許文献1に開示されているフィルムの剥離装置9000の平面図である。なお、図14及び図15においては、フィルムはカバーレイフィルムであるとして説明する。
特許文献1に開示されているフィルムの剥離装置9000(以下、従来のフィルムの剥離装置9000という。)は、図14及び図15に示すように、台紙Wmに剥離可能に貼着されているカバーレイフィルムWc(台紙付カバーレイフィルムWcともいう。)を、走行路A(図15参照。)にほぼ平行な案内面110を有する基台テーブル100と、基台テーブル100の案内面110に沿って走行路Aにおける前方側(矢印x方向であって「走行路前方側」ともいう。)及び走行路Aにおける後方側(矢印x’方向であって「走行路後方側」ともいう。)に所定範囲で往復動可能な可動剥離ユニット200と、可動剥離ユニット200よりも走行路後方側の基台テーブル100に設置され、カバーレイフィルムWcを台紙Wmから剥がし易くするための予備剥離を行う予備剥離機構部400と、予備剥離した台紙付カバーレイフィルムWcを、走行路Aに直交する方向に台紙Wmを残した状態で切断して一片の切断済みカバーレイフィルム(カバーレイフィルム片という。)を生成する切断機構部600と、切断機構部600で切断された一片のカバーレイフィルム片を着脱自在に保持可能な保持装置800とを備えている。
予備剥離機構部400は、走行路Aを挟んで設けられた第1剥がし板410と第2剥がし板420とを有している。第1剥がし板410及び第2剥がし板420は、それぞれの先端部411,421が台紙WmとカバーレイフィルムWcとの間に所定長さだけ挿入された状態で用いられる。
従来のフィルムの剥離装置9000においては、カバーレイフィルムWcが、予備剥離機構部400を通過すると、中央部に所定の幅を残して両サイド部が走行路Aに沿って台紙Wmから予備剥離するように設定されている。
また、切断機構部600には、予備剥離機構部660設けられている。予備剥離機構部660は、切断機構部600がカバーレイフィルム片を生成する際に、当該カバーレイフィルム片に後続するカバーレイフィルム片の走行路前方側端部(先端部ともいう。)を、切断刃640による切断線に沿って吸着することによって、カバーレイフィルム片の先端部を、所定量だけ予備剥離するものである。このように、予備剥離機構部660は、カバーレイフィルム片の先端部を予備剥離するものであるため、先端予備剥離機構部660という。
このように構成されているフィルムの剥離装置9000においては、まずは、予備剥離機構部400が、カバーレイフィルムの長手方向の中央部を所定幅だけ残して両サイドを予備剥離して行き、その後、切断機構部600が切断線に沿ってカバーレイフィルムを切断する際に、先端予備剥離機構部660が、後続するカバーレイフィルムの先端部を上記切断線に沿って吸着することにより当該先端部を予備剥離する。
このように、予備剥離機構部400によって両サイドの予備剥離がなされているとともに、先端予備剥離機構部660によって先端部の予備剥離がなされている一片のカバーレイフィルム片は、可動剥離ユニット200により台紙Wmから剥離する。すなわち、保持装置800を下降させて当該保持装置800によって予備剥離した一片のカバーレイフィルム片を押さえた状態として、台紙Wmに走行路前方側への引っ張り力を与えながら可動剥離ユニット200を走行路後方側に走行させることにより、カバーレイフィルム片を台紙Wmから剥離する。なお、可動剥離ユニット200により、台紙Wmからカバーレイフィルム片を剥離することを「本剥離」という場合もある。
従来のフィルムの剥離装置9000は、可動剥離ユニット200によって台紙Wmからカバーレイフィルム片を本剥離する際には、カバーレイフィルム片は台紙Wmに対して、既に予備剥離がなされている状態となっているため、小さい力で適切に剥離することができるといった優れた効果を有するものとなる。
国際公開第2011/108332号
しかしながら、従来のフィルムの剥離装置9000は、上記したような予備剥離機構部(予備剥離機構部400及び先端予備剥離機構部660)を備えていたとしても、カバーレイフィルムWcの材質及び台紙Wmの材質、さらには、カバーレイフィルムWcを台紙Wmに貼着している貼着剤の種類などによっては、カバーレイフィルムWcを台紙から本剥離する際に、カバーレイフィルムWcを台紙Wmから適切に剥離できない場合もあり得る。
そこで本発明は、従来のフィルムの剥離装置よりもさらに小さな力で確実にフィルムを台紙から剥離することができるフィルムの剥離装置およびフィルムの剥離方法を提供することを目的とする。
[1]本発明のフィルムの剥離装置は、ベース部材にフィルムが剥離可能に貼着されているベース部材付フィルムにおける前記フィルムを前記ベース部材から剥離するフィルムの剥離装置であって、前記フィルムを前記ベース部材から剥離する際に前記フィルムの剥離を容易にするための予備剥離を行う予備剥離機構部を備え、前記予備剥離機構部は、前記フィルムを付着可能な予備剥離ロールを有しており、当該予備剥離機構部は、前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面における一方側端部に接触させた状態として、当該予備剥離ロールが回転するように前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を走行させ、前記予備剥離ロールの回転によって前記フィルムの表面における一方側端部から当該フィルムの表面における他方側端部よりも手前に設定されている巻き取り終了位置までの間において当該フィルムを前記ベース部材から剥離しながら巻き取って行く第1工程と、前記第1工程の後に、前記巻き取り終了位置から前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面に接触させた状態で、前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を前記第1工程における走行方向とは逆方向に走行させることにより、前記予備剥離ロールが巻き取ったフィルムを前記巻き取り終了位置から前記フィルムの表面における一方側端部の間において前記ベース部材に再貼着して行く第2工程と、を行うことにより前記フィルムを前記ベース部材から予備剥離することを特徴とする。
本発明によれば、予備剥離動作として、予備剥離ロールによりフィルムの表面における一方側端部から当該フィルムの表面における他方側端部よりも手前に設定されている巻き取り終了位置までの間において、フィルムをベース部材から剥離したのちに、剥離したフィルムをベース部材に再貼着するという動作を行う。
このような予備剥離動作を行うことにより、フィルムは、当該フィルムの一方側端部から巻き取り終了位置までの間が、ベース部材から一旦剥がされた状態となっているため、ベースフィルムとの間の粘着力はほぼ解放されたものとなっている。このため、フィルムをベース部材から本剥離する際においては、従来のフィルムの剥離装置よりもさらに小さな力で確実にフィルムを台紙から剥離することができる。これにより、フィルムの材質及びベース部材の材質、さらには貼着剤の種類などに影響されることなく、フィルムをベース部材から適切に剥離することができる。
[2]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記巻き取り終了位置は、前記フィルムの表面における他方側端部の直前の位置であって、前記巻き取り終了位置と前記フィルムの表面における他方側端部との間には、予備剥離がなされない非予備剥離領域が存在することが好ましい。
これにより、予備剥離ロールはフィルムの大部分を予備剥離することとなるため、実際にフィルムをベース部材から本剥離する際においては、より小さな力で確実にフィルムを台紙から剥離することができる。また、フィルムには非予備剥離領域が存在するため、本剥離を行う前にフィルムがベース部材から剥がれ落ちてしまうといった不具合を防止することができる。
また、フィルムには非予備剥離領域が存在するため、上記第2工程を行ったときに、予備剥離がなされたフィルムが元の位置に正しく貼着されることとなる。すなわち、仮に、フィルムに非予備剥離領域が存在しないと、上記第2工程を行ったときに、予備剥離がなされたフィルムが元の位置に正しく貼着されないという不具合が生じ場合もあるが、フィルムに非予備剥離領域が存在することにより、このような不具合を防止することができる。
[3]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記予備剥離ロールは、表面に粘着部を有する円筒形状のロールであって、前記粘着部の粘着力により前記フィルムを当該予備剥離ロールに付着させて巻き取りを行うことが好ましい。
予備剥離ロールがこのような構造となっているため、フィルムの一方側端部から巻き取り終了位置までの間をベース部材から剥離する動作を確実に行うことができる。
[4]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記粘着部は、前記予備剥離ロールの表面全体に設けられていることが好ましい。
粘着部が予備剥離ロールの表面全体に設けられていることにより、フィルムを当該予備剥離ロールに付着させて巻き取る動作を確実に行うことができる。
[5]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記予備剥離ロールは、前記フィルムを吸引するための吸引口を表面に有する円筒形状のロールであって、当該予備剥離ロールの内部を負圧とすることによる吸引力により前記フィルムを当該予備剥離ロールに付着させて当該フィルムの巻き取りを行うことが好ましい。
このような構造の予備剥離ロールにおいては、負圧による吸引力によりフィルムを当該予備剥離ロールに吸着させることができる。このため、このような構造の予備剥離ロールによっても、フィルムの一方側端部から巻き取り終了位置までの間をベース部材から剥離する動作を確実に行うことができる。なお、負圧による吸引力によりフィルムを付着させる予備剥離ロールを「吸引式予備剥離ロール」ともいう。
[6]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記吸引口は、前記予備剥離ロールの幅方向に沿って設けられていることが好ましい。
吸引式予備剥離ロールをこのような構造とすることにより、フィルムを当該吸引式予備剥離ロールに付着させて巻き取る動作を確実に行うことができる。なお、吸引口は、予備剥離ロールの幅方向に沿って長孔を形成したものであってもよく、また、予備剥離ロールの幅方向に沿って複数個の小孔を形成したものであってもよい。
[7]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記予備剥離ロールの径は、当該予備剥離ロールの円周が前記フィルムの表面における前記一方側端部から前記巻き取り終了位置までの長さ以上となるように設定されていることが好ましい。
予備剥離ロール(吸引式予備剥離ロールも含む)の径をこのように設定することにより、当該予備剥離ロールがフィルムを巻き取る動作を行う際、予備剥離ロールが1回転し終わる前にフィルムの巻き取りを行うことができる。これにより、フィルムの巻き取りを効率よく行うことができる。
また、予備剥離ロールが1回転し終わる前にフィルムの巻き取りを行うことができることにより、例えば、予備剥離ロールが、表面全体に粘着部が設けられている予備剥離ロールである場合においては、当該予備剥離ロールがフィルムを巻き取る動作を行う際に、当該予備剥離ロールの表面がフィルムの表面と常に接触するため、フィルムの表面に付着している塵埃を当該予備剥離ロールの側に付着させることができる。これにより、このような構造の予備剥離ロールによれば、フィルムの表面をクリーニングする効果も得られる。
[8]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記ベース部材付フィルムは、長尺シート状のベース部材付きフィルムであって、前記長尺状のベース部材付フィルムが、走行路に沿って走行路後方側から走行路前方側に走行する際に、前記ベース部材の側を支持するための案内面を有する基台テーブルと、前記走行路を横切る方向に設けられた切断刃を有し、前記走行路を走行する長尺状のベース部材付きフィルムを、前記ベース部材を残した状態で切断して、前記走行路に沿った方向において所定の寸法を有するフィルム片を生成する切断機構部と、をさらに備え、前記予備剥離機構部は、前記フィルム片の表面における一方側端部を前記走行路前方側とし、前記フィルム片の表面における他方側端部を前記走行路後方側として、当該フィルム片に対して前記第1工程と前記第2工程とを行うことにより前記フィルム片を前記ベース部材から予備剥離することが好ましい。
これは、長尺シート状のベース部材付フィルムを切断機構部によってベース部材を残した状態で切断したのちに、当該切断機構部の切断によって生成されたフィルム片を剥離機構部によって本剥離するフィルムの剥離装置である。このようなフィルムの剥離装置において、切断機構部によって生成されたフィルム片に対して第1工程と第2工程とを行うことによってフィルム片を予備剥離することができる。これにより、個々のフィルム片をベース部材から本剥離する際においては、小さな力で確実にフィルムを台紙から剥離することができる。
[9]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記ベース部材付きフィルムは、長尺シート状をなし、かつ、前記ベース部材を残した状態で長手方向に沿って所定の寸法ごとに切断されていることにより前記フィルムが複数のフィルム片として当該ベース部材上に存在している切断済みベース部材付きフィルムであって、前記切断済みベース部材付フィルムが、走行路に沿って走行路後方側から走行路前方側に走行する際に、前記ベース部材の側を支持するための案内面を有する基台テーブルをさらに備え、前記予備剥離機構部は、前記複数のフィルム片のうち、現時点において予備剥離を行うべきフィルム片の表面における一方側端部を前記走行路前方側とし、前記現時点において予備剥離を行うべきフィルム片の表面における他方側端部を前記走行路後方側として、当該フィルム片に対して前記第1工程と前記第2工程とを行うことにより前記フィルム片を前記ベース部材から予備剥離することが好ましい。
これは、ベース部材付フィルムとしては、ベース部材を残した状態で走行路に沿った方向において所定の寸法ごとに切断されている切断済みベース部材付フィルム(プリカット済みベース部材付フィルム)を用いるものである。このような切断済みベース部材付フィルムにおいても、各フィルム片に対して第1工程と第2工程とを行うことによって各フィルム片を予備剥離することができる。これにより、個々のフィルム片をベース部材から本剥離する際においては、小さな力で確実にフィルムを台紙から剥離することができる。
[10]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記予備剥離がなされたフィルム片を前記ベース部材から剥離するための剥離部を有し、前記基台テーブルの前記案内面に沿って前記走行路前方側及び前記走行路後方側に所定範囲で往復動可能な可動剥離ユニットと、前記予備剥離がなされたフィルム片を前記可動剥離ユニットが剥離する際に、前記予備剥離がなされたフィルム片を着脱自在に保持可能とする保持装置と、をさらに備え、前記可動剥離ユニットは、前記可動剥離ユニットが前記走行路後方側へ走行する際において、前記可動剥離ユニットの前記走行路後方側への走行に抗するような力を前記ベース部材に与え、かつ、前記予備剥離がなされたフィルム片を前記保持装置によって保持した状態で、前記可動剥離ユニットを前記走行路後方側に走行させることによって、前記ベース部材を前記フィルム片から引き剥がすことが好ましい。
これは、上記[8]又は[9]に記載したフィルムの剥離装置において、予備剥離がなされたフィルム片をベース部材から剥離する可動剥離ユニットと、予備剥離がなされたフィルム片を着脱自在に保持する保持プレートを有する保持装置とをさらに備えるものであり、このような構成のフィルムの剥離装置においても、フィルム片に対して第1工程と第2工程とを行うことにより予備剥離を行った後に、剥離ユニットによってフィルム片をベース部材から本剥離するため、小さな力でフィルム片をベースフィルムから剥離することができる。
なお、このような本剥離動作を行う際においては、仮に、予備剥離ロールによる予備剥離がなされていないと、ベースフィルムがフィルム片から剥がれようとするときの応力がフィルム片に加わることによって、フィルム片に皺が生じてしまう場合があり、フィルム片の品質を劣化させてしまうことにもなる。
これに対して、本発明のフィルムの剥離装置によれば、予備剥離ロールによって、フィルム片の表面における一方側端部から巻き取り終了位置までの間が、ベース部材から一旦剥がされた状態となっているため、ベースフィルムとの間の粘着力はほぼ解放されたものとなっている。このため、ベースフィルムをフィルム片から本剥離する際においては、フィルム片に加わる応力は殆ど無視できる程度となる。これにより、本剥離動作を行う際に、「フィルム片に皺が生じてしまう場合がある」といった不具合を確実に防止することができ、フィルム片の品質劣化を未然に防止できる。
[11]本発明のフィルムの剥離装置においては、前記予備剥離機構部よりも前記走行路後方側に設けられ、前記フィルム片の前記走行路前方側端部から当該フィルムを前記走行路後方側に所定量だけ予備剥離するための先端予備剥離機構部をさらに備えることが好ましい。
このような構成とすることにより、予備剥離ロールによる予備剥離動作を、より確実に行うことができる。すなわち、先端予備剥離機構部は、フィルム片の走行路前方側端部(先端部)を所定量だけ予備剥離するものであり、このように、フィルム片の走行路前方側端部(先端部)を所定量だけ予備剥離しておくことにより、予備剥離ロールによる予備剥離をより確実に行うことができる。
[12]本発明のフィルムの剥離方法は、ベース部材にフィルムが剥離可能に貼着されているベース部材付フィルムにおける前記フィルムを前記ベース部材から剥離するフィルムの剥離方法であって、前記フィルムを前記ベース部材から剥離する際に、前記フィルムの剥離を容易にするための予備剥離を行う予剥離工程を有し、前記予備剥離工程は、前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面における一方側端部に接触させた状態として、当該予備剥離ロールが回転するように前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を走行させ、前記予備剥離ロールの回転によって前記フィルムの表面における一方側端部から当該フィルムの表面における他方側端部よりも手前に設定されている巻き取り終了位置までの間において当該フィルムを前記ベース部材から剥離しながら巻き取って行く第1工程と、前記第1工程の後に、前記巻き取り終了位置から前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面に接触させた状態で、前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を前記第1工程における走行方向とは逆方向に走行させることにより、前記予備剥離ロールが巻き取ったフィルムを前記巻き取り終了位置から前記フィルムの表面における一方側端部の間において前記ベース部材に再貼着して行く第2工程と、を行うことにより前記フィルムを前記ベース部材から予備剥離することを特徴とする。
本発明のフィルムの剥離方法によれば、[1]に記載の本発明のフィルムの剥離装置と同様の効果が得られる。なお、本発明のフィルムの剥離方法においても、上記[2]〜[11]に記載の本発明のフィルムの剥離装置が有する特徴と同様の特徴を有することが好ましい。
実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の正面図である。 実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の平面図である。 台紙付カバーレイフィルムWcの構成を示す図である。 剥離部230の構成を示す図である。 実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の全体的な動作を模式的に示す図である。 実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の全体的な動作を模式的に示す図である。 図5及び図6に示す実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の全体的な動作のうち、予備剥離機構部700の予備剥離ロール710による予備剥離動作を詳細に説明する図である。 予備剥離がなされたカバーレイフィルム片Wc1を示す図である。 実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000の正面図である。 実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000の平面図である。 切断機構部600による切断動作と先端予備剥離機構部660によるカバーレイフィルム片の先端部の予備剥離動作を模式的に示す図である。 予備剥離ロールの変形例を説明するために示す図である。 吸引式予備剥離ロールを説明するために示す図である。 特許文献1に開示されているフィルムの剥離装置9000の正面図である。 特許文献1に開示されているフィルムの剥離装置9000の平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の正面図である。また、図2は、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の平面図である。なお、図2においては、図1において図示されている送り出し機構部910及び巻き取り機構部920は図示が省略されている。また、以下に説明する各実施形態では、フィルムはカバーレイフィルムであるとする。
実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000は、図1及び図2に示すように、台紙Wmに剥離可能に貼着されているカバーレイフィルムWc(台紙付カバーレイフィルムWcともいう。)を、台紙Wmを下側とした状態で支持するための案内面110を有する基台テーブル100と、基台テーブル100の案内面110に沿って走行路Aにおける走行路前方側(矢印x方向)及び走行路Aにおける走行路後方側(矢印x’方向)に所定範囲で往復動可能な可動剥離ユニット200と、可動剥離ユニット200を往復動させるための駆動装置300と、基台テーブル100に固定された第1クランプ装置500と、可動剥離ユニット200よりも走行路後方側の基台テーブル100に設置され、台紙付カバーレイフィルムWcを、台紙Wmを残した状態で走行路Aを横切る方向(直交方向とする。)に切断して、走行路Aに沿った方向において所定の寸法を有するカバーレイフィルム片を生成する切断機構部600と、可動剥離ユニット200と切断機構部600との間に配置され、カバーレイフィルムWc(この場合、切断機構部600によって生成されたカバーレイフィルム片)を台紙Wmから予備剥離する予備剥離機構部700と、基台テーブル100に設置され、予備剥離機構部700によって予備剥離がなされたフィルム片を可動剥離ユニット200が本剥離する際に、予備剥離がなされたフィルム片を着脱自在に保持可能とする保持装置800と、台紙付カバーレイフィルムWcを送り出す送り出し機構部910と、カバーレイフィルムWcの剥離がなされた台紙Wmを巻き取る巻き取り機構部920とを備えている。
なお、走行路Aは構成要素として存在するものではなく、台紙付カバーレイフィルムWcが走行する領域を仮想的に示すものであり、図2においては走行路Aを薄い灰色で示している。
基台テーブル100の案内面110には、架台120が案内面110に沿って設置されている。そして、架台120の上には平行な二本の直線状のガイドレール131,132(図2参照)が所定の間隔を置いて架設されている。
可動剥離ユニット200は、ガイドレール131,132に沿って走行路前方側及び走行路後方側に往復動可能な可動プレート210と、この可動プレート210の上面側に固定された切断用支持台座部220と、切断用支持台座部220の走行路前方側の端部に設けられた剥離部230(詳細は後述する。)とを有している。なお、切断用支持台座部220は、台紙付カバーレイフィルムWcを切断する際に台紙付カバーレイフィルムWcを下側から支持するものであり、可動プレート210とともに走行路前方側及び走行路後方側に往復動可能となっている。
また、可動剥離ユニット200は、切断機構部600よりも走行路後方側でかつ可動プレート210に固定された第2クランプ装置240と、剥離部230よりも走行路前方側でかつ可動プレート210に固定された第3クランプ装置250と、第3クランプ装置250と剥離部230との間の可動プレート210に固定された転向ロール260と、可動プレート210の走行路前方側の先端部に固定された支持台座部270とを有している。なお、支持台座部270は、保持装置800が下降した状態でカバーレイフィルム片を保持する際にカバーレイフィルム片を下方向から支持するものである。
ところで、前述した第1クランプ装置500は、送り出し機構部910から送りされてくる台紙付カバーレイフィルムWcをクランプ状態又は非クランプ状態のいずれかに設定可能なクランプである。例えば、可動剥離ユニット200が台紙付カバーレイフィルムWcを走行路前方側に送るために走行路前方側に走行する際は、非クランプ状態(「開」)となるように動作し、可動剥離ユニット200がカバーレイフィルムWcを台紙Wmから本剥離するために走行路後方側に走行する際は、クランプ状態(「閉」)となるように動作する。
一方、第2クランプ装置240は、可動剥離ユニット200とともに往復動し、台紙付カバーレイフィルムWcをクランプ状態又は非クランプ状態のいずれかに設定可能なクランプである。また、第3クランプ装置250は、可動剥離ユニット200とともに往復動し、カバーレイフィルムWcを剥離した台紙Wmをクランプ状態又は非クランプ状態のいずれかに設定可能なクランプである。
例えば、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250は、可動剥離ユニット200が台紙付カバーレイフィルムWcを走行路前方側に送るために走行路前方側に走行する際は、クランプ状態(「閉」)となるように動作し、可動剥離ユニット200がカバーレイフィルムWcを台紙Wmから本剥離する動作を行うために走行路後方側に走行する際は、非クランプ状態(「開」)となるように動作する。また、予備剥離機構部700による予備剥離を行う際は、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250は、ともにクランプ状態(「閉」)となるように動作する。
なお、第1クランプ装置500、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250の具体的な動作、可動剥離ユニット200による本剥離動作、予備剥離機構部700による予備剥離動作については後述する。
駆動装置300は、可動剥離ユニット200の可動プレート210の下端側に固定されたナット(図示せず。)と、当該ナットに螺合しているボールスクリュー310と、ボールスクリュー310を時計方向または反時計方向に回転させるためのサーボモーター320とを有している。このように構成された駆動装置300は、サーボモーター320を運転制御することにより、可動剥離ユニット200を基台テーブル100の案内面110上において走行路前方側及び走行路後方側に所定範囲で往復動させることができる。
切断機構部600は、可動剥離ユニット200を幅方向(矢印y−y’方向)において挟むように基台テーブル100上に固定された支柱610,620と、支柱610,620に上下方向(矢印z−z’方向)の往復動が可能となるように支持された切断刃取り付けプレート630と、切断刃取り付けプレート630の下端面に走行路Aと直交する方向に取り付けられた直線状の切断刃640と、切断刃取り付けプレート630を上下方向(矢印z−z’方向)に往復動させる切断駆動部650とを有している。
切断刃640は、台紙付カバーレイフィルムWcを走行路Aに直交する方向に台紙Wmを残した状態で切断するものであるが、カバーレイフィルムWcを切断する際は、カバーレイフィルムWcを確実に切断可能とするために、台紙Wmを切断することなく、かつ、台紙Wmにわずかに食い込む程度にまで下降可能となるように設定されている。
このように構成されている切断機構部600は、台紙付カバーレイフィルムWcを、台紙Wmを残した状態で走行路Aに直交する方向に切断して、走行路Aに沿った方向において所定の寸法を有するカバーレイフィルム片を生成する。
予備剥離機構部700は、予備剥離ロール710と予備剥離ロール710を回転自在に支持する支持プレート720と、予備剥離ロール710を矢印z−z‘方向に昇降させる昇降駆動部(図示せず。)とを有している。
予備剥離ロール710は、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000においては、表面全体に粘着力を有するものであり、例えば、粘着力を有するゴムなどをロール状に形成したものである。当該予備剥離ロール710は、図示しない駆動機構部により上下方向(矢印z−z’方向)の往復動が可能となっている。
予備剥離ロール710は、通常時においては、カバーレイフィルムWc(この場合、切断機構部600によって生成されたカバーレイフィルム片)に非接触状態となるように位置しており、予備剥離動作を行う際には、下降して、カバーレイフィルム片に接触する。そして、台紙付きカバーレイフィルムWcを走行路前方側及び走行路後方側に所定範囲内で走行させることにより、予備剥離ロール710がカバーレイフィルム片上で回転し、カバーレイフィルム片を台紙Wmから剥離しながら巻き取って行く動作を行う。この動作については後述する。
なお、予備剥離ロール710は、モーターなどの動力によって回転するものではなく、台紙付きカバーレイフィルムWcに接触した状態で当該台紙付きカバーレイフィルムWcが走行路に沿って走行することにより回転するものである。
また、予備剥離ロール710は粘着力を有するものであるが、その粘着力は、予備剥離ロール710がカバーレイフィルム片に接触した状態でカバーレイフィルム片上を回転することにより、当該カバーレイフィルム片を台紙から剥がしながら巻き取って行くことができる程度の粘着力であるとする。
保持装置800は、予備剥離がなされたカバーレイフィルム片を吸着して保持(吸着保持という。)する吸着保持装置である。このため、当該保持装置800を、以下、吸着保持装置800という。
吸着保持装置800は、図1に示すように、矢印z−z’方向に沿って往復動可能で、かつ、図示を省略するトラバースライン(図2における矢印y−y’方向のライン)に沿って往復動可能に設けられている。この吸着保持装置800の先端面(走行路Aに対向する面)には吸着プレート810が設けられている。また、吸着プレート810の上端側には、吸着機構部820が設けられている。この吸着機構部820は、負圧生成装置(図示せず。)に接続される負圧吸引パイプ821が設けられている。
また、吸着プレート810の下端面(走行路Aに対向する面)には、メッシュ状の多数の負圧吸着口(図示せず。)が設けられており、これらの負圧吸着口は、負圧吸引パイプ821に通じている。したがって、負圧生成装置が作動することにより、負圧吸着口は、負圧吸引状態となり、当該吸着保持装置800の位置にまで走行してきたカバーレイフィルム片を吸着することできる。
また、送り出し機構部910は、送り出すべき台紙付カバーレイフィルムWcを装着する送り出しリール911と、転向ロール912と、送り出しリール911と転向ロール912との間に介在されているテンションロール913とを有している。一方、巻き取り機構部920は、カバーレイフィルムWcを剥離した台紙Wmを巻き取る巻き取りリール921と、ニップロール922と、転向ロール923と、巻き取りリール921とニップロール922との間に介在されているテンションロール924とを有している。
送り出しリール911に装着されている台紙付カバーレイフィルムWcの一方側端部(走行路前方側端部)には所定の長さの先導フィルムWaが接続されており、この先導フィルムWaは、送り出し機構部910の送り出しリール911からテンションロール913を介して転向ロール912で水平方向に転換されて、基台テーブル100の案内面110を通ったのち、巻き取り機構部920の転向ロール923で下方向に転向され、ニップロール922、テンションロール924を介して巻き取りリール921に巻き付けられている。この先導フィルムの後には台紙(カバーレイフィルムWcを本剥離した状態の台紙)Wmが続いている。
図3は、台紙付カバーレイフィルムWcの構成を示す図である。台紙付カバーレイフィルムWcは、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂又はマイラーフィルムなどから作られた長尺状の台紙Wmに、ポリイミド樹脂又はポリエステル樹脂で作られたカバーレイフィルムWcが剥離可能に貼着された構成となっている。
図4は、剥離部230の構成を示す図である。剥離部230は、図4に示すように、台紙Wmの下面(走行路A側の面)を台紙Wmの幅方向(図2における矢印y−y’方向)全体を摺接可能に支持する水平面231と、当該水平面231に対して鋭角θ(θ=45度前後が好ましい。)をなす傾斜面232とを有している。そして、剥離部230の先端部(水平面231と傾斜面232との接続部)には、台紙折り返し部233が形成されている。
剥離部230がこのような構成を有することによって、台紙Wmは、剥離部230の水平面231に接した状態で矢印x方向に走行したのち、台紙折り返し部233で90度以上折り返された後、転向ロール260で方向を替えて水平方向に走行する。なお、剥離部230は、台紙Wmが円滑に摺接状態で走行可能とするため、摩擦係数が小さい材料(例えばテフロン(登録商標)などの材料)で構成することが望ましい。
なお、カバーレイフィルムWc(この場合、予備剥離がなされたカバーレイフィルム片)を台紙Wmから本剥離する際に、可動剥離ユニット200が矢印x’方向(走行路後方側)に走行する動作を行う際においては、吸着保持装置800(図4では図示せず。)は、下降状態となっていて、予備剥離がなされたカバーレイフィルム片を吸着保持した状態となっている。
次に、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の動作について説明する。
図5及び図6は、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の全体的な動作を模式的に示す図である。なお、図5及び図6においては、説明に不要な構成要素の図示は省略されている。このため、図1及び図2よりも簡略化されたものとなっている。また、図1及び図2と同じ構成要素には同一符号が付されている。
図7は、図5及び図6に示す実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の全体的な動作のうち、予備剥離機構部700の予備剥離ロール710による予備剥離動作を詳細に説明する図である。なお、図7は予備剥離ロール710と台紙付カバーレイフィルムWcの部分を拡大して示しており、説明に不要な構成要素の図示は省略されている。
以下、図5〜図7を参照しながら実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000の動作について説明する。
まず、台紙付カバーレイフィルムWcに接続されている先導フィルムWaは、その先端部が巻き取りリール921に巻き取られるようにセットされている。そして、当該先導フィルムWaの後に続く台紙付カバーレイフィルムWcは、初期設定として、当該台紙付カバーレイフィルムWcの一方側端部(走行路前方側端部ともいう。)E1が可動剥離ユニット200における剥離部230の先端部すなわち台紙折り返し部233(図4参照。)の位置となるようにセットされる(図5(a)参照。)。このとき、なお、図5(a)の状態においては、吸着保持装置800は、図5(a)に示すように、上昇した位置(支持台座部270に非接触の位置)となっている。
図5(a)に示す状態において、切断機構部600により切断動作を行うと、カバーレイフィルムWcが切断され、カバーレイフィルム片が生成される。このカバーレイフィルム片(切断刃640よりも走行路前方側のカバーレイフィルム片)を第1カバーレイフィルム片Wc1とする。当該第1カバーレイフィルム片Wc1は、現時点において予備剥離対象となるカバーレイフィルム片となる。
また、この場合、切断機構部600による切断動作によって生成される個々のカバーレイフィルム片の走行路に沿ったサイズL1(カバーレイフィルムサイズL1という。)は、剥離部230の台紙折り返し部233の位置から切断刃640までの距離にほぼ相当するものとする。なお、カバーレイフィルムサイズL1は、可動剥離ユニット200の走行量を設定することにより、所定範囲で任意に設定可能である。
そして、予備剥離機構部700により、第1カバーレイフィルム片Wc1に対する予備剥離動作が行われる。これを図5及び図7により説明する。
予備剥離動作を開始するに先立って、可動剥離ユニット200は、図5(a)の状態から走行路後方側(矢印x’方向)に所定量だけ走行する。このとき、予備剥離ロール710は、第1カバーレイフィルム片Wc1に非接触となっている。また、切断機構部600は上昇した位置にある。また、このときの各クランプ装置の状態は、第1クランプ装置500は「開」となっており、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250はともに「閉」となっている。
予備剥離ロール710、切断機構部600及び各クランプ装置(第1クランプ装置500、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250)がこのような状態で、可動剥離ユニット200が図5(a)の状態から走行路後方側(矢印x’方向)に走行すると、第1カバーレイフィルム片Wc1も可動剥離ユニット200とともに走行路後方側に走行する。
そして、可動剥離ユニット200における剥離部230の台紙折り返し部233、すなわち、第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における一方側端部としての走行路前方側端部E1が予備剥離ロール710の直下となった位置で、可動剥離ユニット200が一旦停止する。この状態を図7(a)に示す。図7(a)の状態において、予備剥離ロール710が下降して、予備剥離ロール710が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1に接触した状態となる(図7(b)参照。)。
なお、図7における符号E2は、図5(a)において切断機構部600により切断動作を行った際のカバーレイフィルムWcの切断部を示すものであり、この切断部E2が現時点において予備剥離対象となっている第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における他方側端部すなわち走行路後方側端部E2となる。そして、第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における走行路後方側端部E2は、次に予備剥離対象となるカバーレイフィルム片(第2カバーレイフィルム片Wc2とする。)の一方側端部すなわち走行路前方側端部となる。以下では、走行路前方側端部を「前方側端部」と略記し、走行路後方側端部を「後方側端部」と略記する場合もある。
このように、予備剥離ロール710が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1の表面に接触した状態(図7(b)の状態)となると、可動剥離ユニット200は走行路前方側に走行して行く。これにより、図7(c)に示すように、予備剥離ロール710は第1カバーレイフィルム片Wc1の表面上で回転し、第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙Wmから剥がしながら巻き取って行く動作を行う。
そして、予備剥離ロール710が第1カバーレイフィルム片Wc1を所定量だけ巻き取った位置P1(図7(d)参照。)で、可動剥離ユニット200の走行が停止する。なお、「位置P1」を「巻き取り終了位置P1」という。
このように、予備剥離ロール710がカバーレイフィルム片Wc1を巻き取る際は、カバーレイフィルムサイズL1のうち、巻き取り終了位置P1から後方側端部E2までの所定の長さΔLを残して、前方側端部E1から巻き取り終了位置P1までの長さL2を巻き取るように設定されている。なお、所定の長さΔLを「非巻き取り長さΔL」と表記し、カバーレイフィルム片Wc1の前方側端部E1から巻き取り終了位置P1までの長さを「巻き取り長さL2」と表記する場合もある。また、非巻き取り長さΔLに対応する第1カバーレイフィルム片Wc1の領域を「非予備剥離領域」とし、また、巻き取り長さLに対応する第1カバーレイフィルム片Wc1の領域を「予備剥離領域」とする。
そして、図7(d)の状態から、今度は、可動剥離ユニット200が再び走行路後方側に走行して行く。これにより、予備剥離ロール710は、一旦、巻き取ったカバーレイフィルム片を台紙上に戻して行く動作を行うこととなる。そして、可動剥離ユニット200が第2カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1に達すると(図7(e)参照。)、予備剥離ロール710は上昇して、図7(a)に示す状態に戻る。
予備剥離機構部700における予備剥離ロール710が、図7(a)〜図7(d)に示す工程(第1工程)を行った後に、図7(e)に示す工程(第2工程)を行うことにより、第1カバーレイフィルム片Wc1は、前方側端部E1から巻き取り終了位置P1までの間が予備剥離されたものとなり、当該第1カバーレイフィルム片Wc1には予備剥離領域と非予備剥離領域とが存在する。
図8は、予備剥離がなされた第1カバーレイフィルム片Wc1を示す図である。図8において、灰色で示す領域が予備剥離領域である。すなわち、図7(a)〜図7(e)に示すような第1工程と第2工程とがなされることにより、第1カバーレイフィルム片Wc1は、図8に示すように、前方側端部E1から巻き取り終了位置P1までの巻き取り長さLに対応する予備剥離領域と、巻き取り終了位置P1から後方側端部E2までの非巻き取り長さΔLに対応する非予備剥離領域が存在する。
このように、予備剥離がなされた後の第1カバーレイフィルム片Wc1には、非予備剥離領域が存在することで、台紙Wmから第1カバーレイフィルム片Wc1が剥がれ落ちてしまうといった不具合を未然に防止することができる。このため、後に行われる可動剥離ユニット200によって第1カバーレイフィルム片Wc1を本剥離する工程などに支障をきたすことがなくなる。なお、巻き取り終了位置P1は、第1カバーレイフィルム片Wc1の後方側端部E2の直前の位置に設定することが好ましい。
巻き取り終了位置P1をこのように設定することにより、予備剥離ロール710は第1カバーレイフィルム片Wc1の大部分を予備剥離することとなり、非予備剥離領域をより少なくすることができる。これにより、実際に第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙Wmから本剥離する工程においては、より小さな力で確実に第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙Wmから本剥離することができる。
なお、図8においては、第1カバーレイフィルム片Wc1について説明しているが、その後に続く、第2カバーレイフィルム片Wc2、第3カバーレイフィルム片Wc3、・・・の各カバーレイフィルム片(図8においては図示せず。)についても同様である。
ところで、予備剥離ロール710の径は、特に限定されるものではないが、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000においては、予備剥離ロール710の円周が、巻き取り長さL2と同等か巻き取り長さL2よりも多少大きくなるように設定することが好ましい。
予備剥離ロール710の径をこのように設定することにより、当該予備剥離ロール710が予備剥離対象となるカバーレイフィルム片(この場合、第1カバーレイフィルム片Wc1)を巻き取る動作を行う際、当該予備剥離ロール710が1回転し終わる前に第1カバーレイフィルム片Wc1の巻き取りを行うことができる。これにより、フィルムの巻き取りを効率よく行うことができる。
また、予備剥離ロール710が1回転し終わる前にフィルムの巻き取りを行うことができることにより、当該予備剥離ロール710がフィルムを巻き取る動作を行う際に、当該予備剥離ロール710の表面が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面と常に接触するため、第1カバーレイフィルム片Wc1の表面に付着している塵埃を当該予備剥離ロール710の側に付着させることができる。これにより、このような構造の予備剥離ロール710によれば、フィルムの表面をクリーニングする効果も得られる。
図7に示すような予備剥離動作が行われると、今度は、可動剥離ユニット200によって第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙から本剥離する動作を行う。この本剥離動作は、図5(b)以降の動作である。すなわち、第1カバーレイフィルム片Wc1に対する予備剥離動作が終了した状態(図7(e)に示す状態)から、図7(a)に示すように、予備剥離ロール710が上昇したのちに、可動剥離ユニット200による本剥離動作がなされる。
本剥離動作を行う際においては、可動剥離ユニット200は、走行路前方側に走行し、予備剥離済みの第1カバーレイフィルム片Wc1が吸着保持装置800の直下となる(図5(b)参照。)。
この状態で、吸着保持装置800が下降し、予備剥離済みの第1カバーレイフィルム片Wc1を吸着する(図5(c)参照。)。このとき、吸着保持装置800は下降したまま吸着状態を保持する。ここで、各クランプ装置の状態を切り替える。すなわち、第1クランプ装置500を「開」から「閉」とし、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250をともに「閉」から「開」とする。
そして、図6(a)に示すように、可動剥離ユニット200を走行路後方側(矢印x’方向)に走行させる。なお、可動剥離ユニット200を走行路後方側(矢印x’方向)に走行させる際は、可動剥離ユニット200の走行路後方側への走行に抗するような力を台紙Wmに与え、かつ、第1カバーレイフィルム片Wc1が吸着保持装置800によって保持された状態で、可動剥離ユニット200を走行路後方側(矢印x’方向)に走行させるようにしている。これにより、吸着保持装置800に吸着されている第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙Wmから引き剥がすことができる。
なお、可動剥離ユニット200の走行路後方側への走行に抗するような力を台紙Wmに与える手段としては、可動剥離ユニット200を走行路後方側に走行させながら台紙Wmを巻き取りリール921で巻き取るようにすることを例示することができる。
このような本剥離動作は、可動剥離ユニット200の先端部に設けられた剥離部230の存在によって確実に行うことができる。すなわち、剥離部230は、図4示したような構成となっているため、吸着保持装置800によって第1カバーレイフィルム片Wc1を吸着保持した状態で、可動剥離ユニット200を走行路後方側に走行させながら台紙Wmを巻き取りリール921で巻き取ると、台紙Wmは、剥離部230の台紙折り返し部233で折り返された状態で引っ張られることとなる。これにより、台紙Wmは、第1カバーレイフィルム片Wc1から引き剥がされるように動作する。これによって、第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙Wmから確実に剥離することができる。
ところで、上記したような本剥離動作を行う際においては、仮に、予備剥離ロール710による予備剥離がなされていないと、台紙Wmが第1カバーレイフィルム片Wc1から剥がれようとするときの応力が第1カバーレイフィルムに加わり、第1カバーレイフィルム片Wc1に皺が生じてしまう場合があり、第1カバーレイフィルム片Wc1の品質を劣化させてしまうことにもなる。
これに対して、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000によれば、予備剥離ロール710によって第1カバーレイフィルム片Wc1の殆どの領域(図8参照。)が、台紙Wmから一旦剥がされた状態となっているため、台紙Wmとの間の粘着力はほぼ解放されたものとなっている。このため、台紙Wmを第1カバーレイフィルム片Wc1から本剥離する際においては、第1カバーレイフィルム片Wc1に加わる応力は殆ど無視できる程度となる。これにより、本剥離する際に、「第1カバーレイフィルム片Wc1に皺が生じてしまう場合がある」といったことを確実に防止することができ、第1カバーレイフィルム片の品質劣化を未然に防止できる。
なお、第1カバーレイフィルム片Wc1を台紙Wmから本剥離した状態においては、可動剥離ユニット200の支持台座部270が吸着保持装置800の直下にまで走行した状態となっている。このため、支持台座部270は、吸着保持装置800に吸着保持されている第1カバーレイフィルム片Wc1を下側から支持するような状態となる(図6(a)参照。)。
そして、図6(a)の状態から吸着保持装置800が上昇する(図6(b)参照。)。このように、吸着保持装置800は、台紙Wmから本剥離した第1カバーレイフィルム片Wc1を吸着して上昇した状態(図6(b)参照。)となったあとは、走行路Aに直交するトラバースライン(図示せず。)に沿ってベースフィルム(図示せず。)の直上へ移送され、第1カバーレイフィルム片Wc1がベースフィルムの所定位置に仮圧着される。
このとき、第1カバーレイフィルム片Wc1は、下面側が貼着面となった状態で吸着保持装置800に吸着保持されている。このため、ベースフィルムに仮圧着される際に、吸着保持装置800は、吸着保持している第1カバーレイフィルム片Wc1をそのまま重力方向に沿って下降させればよい。これにより、第1カバーレイフィルム片Wc1を安定した状態で適切にベースフィルムに仮圧着することができる。そして、第1カバーレイフィルム片Wc1をベースフィルムに仮圧着したあと、吸着保持装置800は、トラバースラインに沿って元の位置(図6(b)の位置)に戻る。
ところで、吸着保持装置800が上昇した状態(図6(b)参照。)においては、各クランプ装置の状態が切り替わって、第1クランプ装置500は「閉」から「開」となり、第2クランプ装置240及び第3クランプ装置250はともに「開」から「閉」となって、再び、切断機構部600が下降して次の切断動作が行われる(図6(c)参照。)。
図6(c)の状態は、図5(a)の状態と同じであるが、図6(c)においては、切断機構部600により、次のカバーレイフィルム片Wc2(第2カバーレイフィルム片Wc2とする。)を生成するための切断動作が行われる。当該第2カバーレイフィルム片Wc2は、現時点における予備剥離対象のカバーレイフィルム片となる。このとき、第2カバーレイフィルム片Wc2の前方側端部は、第1カバーレイフィルム片Wc1を生成したときの切断部E2(図7及び図8参照。)であり、当該第2カバーレイフィルム片Wc2の前方側端部は、可動剥離ユニット200における剥離部230の先端部に位置している。そして、当該第2カバーレイフィルム片Wc2に対しても、図7(a)〜図7(e)に示すような予備剥離動作が行われる。その後、図5(b)、図5(c)及び図6(a)〜図6(c)に示す本剥離動作を行う。
このような動作が繰り返し行われることにより、切断機構部600の切断動作により生成された各カバーレイフィルム片は、予備剥離ロール710による予備剥離動作がなされて、図8に示したように、各カバーレイフィルム片は、個々のカバーレイフィルム片において、非予備剥離領域をわずかに残した大部分が予備剥離領域となっている。このため、図5(b)〜図6(b)に示す本剥離動作を確実かつ容易に行うことができる。これにより、カバーレイフィルムを台紙から本剥離する際に、カバーレイフィルムの材質及び台紙の材質、さらには貼着剤の種類などによっては、カバーレイフィルムを台紙Wmから適切に剥離できないといった不具合が発生することを未然に防止できる。
[実施形態2]
図9は、実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000の正面図である。
図10は、実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000の平面図である。なお、図10においては、図9において図示されている送り出し機構部910及び巻き取り機構部920は図示が省略されている。
実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000が実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000と異なるのは、各カバーレイフィルム片の前方側端部(先端部ともいう。)を、当該カバーレイフィルム片の前方側端部から後方側端部に向かって所定量だけ予備剥離するための予備剥離機構部660を設けた点である。なお、予備剥離機構部660は、各カバーレイフィルム片の前方側端部すなわち先端部を予備剥離するものであるため、先端予備剥離機構部660という。また、実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000においても、フィルムはカバーレイフィルムであるとする。
実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000においては、先端予備剥離機構部660は、切断機構部600に設けられている。なお、図10に示す実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000において、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000と同一構成要素には同一符号が付されている。
先端予備剥離機構部660は、切断刃640よりも走行路後方側で切断刃640に沿って設けられている。当該先端予備剥離機構部660は、切断刃640に沿って設けられた複数個(4個とする。)の負圧吸引口661〜664と、当該負圧吸引口661〜664に接続された空気吸入用パイプ(図示せず。)と、負圧生成装置(図示せず。)とを有している。
先端予備剥離機構部660は、切断刃640よりも走行路前方側に存在する台紙付カバーレイフィルムWcが切断刃640によって切断される際、切断刃640よりも走行路後方側に存在するカバーレイフィルムWcの先端部を、切断刃640の切断線に沿って吸引することによって、当該カバーレイフィルムWcの先端部を台紙Wmから予備剥離するものである。
図11は、切断機構部600による切断動作と先端予備剥離機構部660によるカバーレイフィルム片の先端部の予備剥離動作を模式的に示す図である。なお、図11は図9における切断機構部600の主要部を拡大して示すものである。図11(a)は切断機構部600による切断動作を行う前の状態を示し、図11(b)は切断機構部600による切断動作を行っている状態を示し、図11(c)は切断動作が終了して切断機構部600が上昇して元の位置に復帰しようとしている状態を示し、図11(d)は先端予備剥離機構部660により先端部の予備剥離が行われたカバーレイフィルムWcを示している。なお、図11(a)、図11(b)及び図11(c)においては、破線で囲まれた円Rの拡大図がそれぞれ示されている。
なお、図11おいて、既に切断されて切断機構部600よりも走行路前方側に位置する一片のカバーレイフィルム片を第1カバーレイフィルム片Wc1とし、当該第1カバーレイフィルム片Wc1に後続するカバーレイフィルムを後続カバーレイフィルムWcという。
まず、図11(a)から図11(b)に示すように、切断機構部600が矢印z’方向に下降して、切断刃640によってカバーレイフィルムWcが切断されることによって、第1カバーレイフィルム片Wc1が生成される。また、このとき、先端予備剥離機構部660の負圧吸引口661〜664は、後続カバーレイフィルムWcの先端部を吸引した状態となる。
そして、切断動作が終了して切断機構部600が元の位置に上昇(矢印z方向に上昇)しようとするとき、先端予備剥離機構部660は吸引動作を保持するため、後続カバーレイフィルムWcの先端部は台紙Wmから剥離される(図11(c)参照。)。そして、切断機構部600が元の位置にまで上昇した状態となると、先端予備剥離機構部660による吸引動作も解除される。吸引動作が解除されると、後続カバーレイフィルムWcの先端部は、台紙Wmに再貼着した状態となる。
図11(d)は先端予備剥離機構部660により先端部の予備剥離がなされた後続カバーレイフィルムWcを示すもので、予備剥離された領域を灰色で示している。図11(d)に示すように、後続カバーレイフィルムWcは、先端部が予備剥離された状態となっている。
このように、後続カバーレイフィルムWcは先端部が予備剥離されたのち、台紙付カバーレイフィルムWcが所定量だけ走行路前方側に走行して、切断機構部600が台紙付カバーレイフィルムを切断すると、先端部が予備剥離されている後続カバーレイフィルムWcは、第2カバーレイフィルム片Wc2となる。第2カバーレイフィルム片Wc2は、先端部が図11(d)に示すように予備剥離されているため、この後に行われる予備剥離ロール710による予備剥離動作は容易なものとなる。
すなわち、図7(a)〜図7(c)において説明したように、予備剥離ロール710が現時点において予備剥離対象となるカバーレイフィルム片(この場合、第2カバーレイフィルム片Wc2とする。)の表面における前方側端部E2に接触した状態から、当該第2カバーレイフィルム片Wc2を巻き取る動作を開始する際に、第2カバーレイフィルム片Wc2の前方側端部E2が予備剥離されているため、予備剥離ロール710が第2カバーレイフィルム片Wc2を巻き取りし易くなる。これにより、予備剥離ロール710による予備剥離がより確実なものとなる。
このように、実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000によれば、予備剥離ロール710による予備剥離動作を、より確実に行うことができる。それによって、可動剥離ユニット200による本剥離動作もより確実に行うことができる。実施形態2に係るフィルムの剥離装置2000においては、第1カバーレイフィルム片Wc1に対しては、先端部の予備剥離がなされないこととなるが、例えば、実際に使用するカバーレイフィルムの前方側にダミーのフィルムを設けておくことにより、第1カバーレイフィルム片Wc1に対しても先端部の予備剥離を行うことが可能となる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
(1)上記各実施形態においては、台紙付カバーレイフィルムWcを切断機構部600によって台紙Wmを残した状態で切断する場合を例示したが、予め、台紙Wmを残した状態で切断されている台紙付カバーレイフィルム(プリカット済み台紙付カバーレイフィルムという。)を使用することもできる。
このように、プリカット済み台紙付カバーレイフィルムを実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000又は実施形態2に示すフィルムの剥離装置2000において使用する場合には、切断機構部600が切断動作を行わないように設定しておけばよい。
また、プリカット済み台紙付カバーレイフィルム専用のフィルムの剥離装置を用いてもよい。プリカット済み台紙付カバーレイフィルム専用のフィルムの剥離装置としては、例えば、実施形態1に係るフィルムの剥離装置1000又は実施形態2に示すフィルムの剥離装置2000において、切断機構部を有しないフィルムの剥離装置を例示することができる。なお、切断機構部600を有しないフィルムの剥離装置であっても、個々のカバーレイフィルム片の前方側端部(先端部)を予備剥離する先端予備剥離機構部を設けるようにしてもよい。この先端予備剥離機構部としては、実施形態2に係るフィルムの剥離装置において説明した先端予備剥離機構部660とほぼ同様のものを用いることができる。
(2)上記各実施形態においては、予備剥離ロール710は、表面全体が粘着力を有するものを例示したが、必ずしも表面全体が粘着力を有するものでなくてもよい。
図12は、予備剥離ロール710の変形例を説明するために示す図である。図12(a)は予備剥離ロール710の第1変形例を示す図であり、図12(b)は予備剥離ロール710の第2変形例を示す図であり、図12(c)は予備剥離ロール710の第3変形例を示す図であり、図12(d)は予備剥離ロール710の第4変形例を示す図である。
予備剥離ロール710の第1変形例(以下、予備剥離ロール710Aという。)は、図12(a)に示すように、予備剥離ロール710Aの表面711の幅方向(矢印y−y’方向)の一方側部から他法側までの間に帯状の一本の粘着部712を形成した場合である。このような予備剥離ロール710Aを用いる場合は、当該予備剥離ロール710Aが図7(a)に示した位置にあるときは、当該予備剥離ロール710Aの粘着部712がカバーレイフィルム片の表面における前方側端部(図7においては第1カバーレイフィルム片Wc1の前方側端部E1)の表面における前方側端部に対向するように設定しておく。これにより、当該予備剥離ロール710Aが下降したときには、帯状の粘着部712が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1に接触することとなり、その後は上記実施形態1において説明したと同様の動作を行うことができる。
予備剥離ロール710の第2変形例(以下、予備剥離ロール710Bという。)は、図12(b)に示すように、予備剥離ロール710Bの表面の幅方向に帯状の粘着部712を複数本形成した場合である。
このような予備剥離ロール710Bを用いる場合は、当該予備剥離ロール710Bが図7(a)に示す位置にあるときは、当該予備剥離ロール710Bの複数本の粘着部712のいずれの粘着部712が、カバーレイフィルム片(図7においては第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1)に対向するように設定しておく。これにより、当該予備剥離ロール710Bが下降したときには、第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1に対向した位置にある粘着部712が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1に接触することとなり、その後は上記実施形態1において説明したと同様の動作を行うことができる。
なお、第1変形例及び第2変形例においては、幅方向において一方側から他方側までの粘着部712は、幅方向において連続するように形成されている場合を例示したが、断続的に形成されていてもよい。
予備剥離ロール710の第3変形例(以下、予備剥離ロール710Cという。)は、図12(c)に示すように、予備剥離ロール710Cの表面における幅方向両端部において周方向に一周するような帯状の粘着部713を形成した場合である。なお、周方向に一周するような帯状の粘着部713の幅は、当該予備剥離ロール710Cが下降したときに、カバーレイフィルム片の表面における幅方向両端部に必ず接触するように設定しておく。
このような予備剥離ロール710Cにおいては、当該予備剥離ロール710Cが下降したときには、幅方向両端部の粘着部713が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における幅方向両端部に接触し、その後は上記実施形態1において説明したと同様の動作を行うことができる。
予備剥離ロール710の第4変形例(以下、予備剥離ロール710Dという。)は、図12(d)に示すように、予備剥離ロール710Dの表面における幅方両端側において周方向に一周するような帯状の粘着部713に加えて、幅方向中央部にも周方向に一周するような帯状の粘着部713を形成した場合である。
このような予備剥離ロール710Dにおいては、当該予備剥離ロール710Cが下降したときには、3箇所に設けられている各粘着部713が第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における幅方向両端部及び中央部にそれぞれ接触し、その後は上記実施形態1において説明したと同様の動作を行うことができる。なお、図12(d)においては、予備剥離ロール710Dの表面における幅方向両端部及び中央部の3箇所に、それぞれ周方向の粘着部713を形成した場合を例示したが、3箇所に限られるものではなく4箇所以上としてもよい。
なお、第3変形例及び第4変形例においては、各粘着部713が周方向において連続するように形成されている場合を例示したが、周方向において断続した状態で形成されていてもよい。
また、これらの各変形例に限られるものではなく、例えば、図12(a)〜図12(d)を組み合わせたものであってもよく、また、予備剥離ロール710の表面にモザイク状に粘着部を形成するようにしてもよい。
(3)上記各実施形態においては、予備剥離ロール710は表面に粘着部を有し、当該粘着部による粘着力によって予備剥離を行う場合を説明したが、予備剥離ロール710は、負圧による吸引力によって予備剥離を行う予備剥離ロールであってもよい。なお、負圧による吸引力によって予備剥離を行う予備剥離ロールを「吸引式予備剥離ロール」という。
図13は、吸引式予備剥離ロールを説明するために示す図である。図13(a)は、吸引式予備剥離ロールの第1の例(以下、第1吸引式予備剥離ロール710Eという。)を示す図であり、図13(b)は、吸引式予備剥離ロールの第2の例(以下、第2吸引式予備剥離ロール710Fという。)を示す図を示す図である。
第1吸引式予備剥離ロール710E及び第2吸引式予備剥離ロール710Fは、内部に空間を有する円筒形状をなし、図13(a)及び図13(b)に示すように、第1吸引式予備剥離ロール710Eの幅方向(矢印y−y’方向)に沿って吸引口715,716が設けられている。なお、第1吸引式予備剥離ロール710Eは、図13(a)に示すように、吸引口715は複数の小孔であり、第2吸引式予備剥離ロール710Fは、図13(b)に示すように、吸引口716は帯状の長孔である。
このような第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fを用いる場合は、第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fが図7(a)に示す位置にあるときは、当該第1吸引式予備剥離ロール710Eの吸引口715又は第2吸引式予備剥離ロール710Fの吸引口716が、カバーレイフィルム片(図7においては第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1)に対向するように設定しておく。
これにより、当該第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fが下降したときには、第1吸引式予備剥離ロール710Eの吸引口715又は第2吸引式予備剥離ロール710Fの吸引口716が、第1カバーレイフィルム片Wc1の表面における前方側端部E1に接触することとなり、その後は上記実施形態1において説明したと同様の動作を行うことができる。
なお、図13(b)においては、帯状の吸引口716は幅方向において連続するように形成されている場合を例示したが、断続した状態で形成されていてもよい。
また、第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fにおいても、当該第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fのそれぞれの径は、当該第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fの円周が、巻き取り長さL2(図8参照。)と同等か巻き取り長さL2よりも多少大きくなるように設定することが好ましい。
第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fのそれぞれの径をこのように設定することにより、当該第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fが、予備剥離対象となるカバーレイフィルム(例えば、第1カバーレイフィルム片Wc1)を巻き取る動作を行う際、当該第1吸引式予備剥離ロール710E又は第2吸引式予備剥離ロール710Fが1回転し終わる前にカバーレイフィルムの巻き取りを行うことができる。これにより、フィルムの巻き取りを効率よく行うことができる。
また、予備剥離ロールとしては、粘着力によって予備剥離する予備剥離ロール及び負圧による吸引力により予備する予備剥離する予備剥離ロールの他に、静電気の吸着力によりによって予備剥離する予備剥離ロールを用いることも可能である。
(4)上記各実施形態においては、予備剥離ロール710により予備剥離を行う際には、台紙付カバーレイフィルムWcの側を走行路上に沿って往復動させることにより、予備剥離ロール710をカバーレイフィルム(例えば、第1カバーレイフィルム片Wc1)上で回転させることにより、予備剥離を行う場合を例示したが、予備剥離ロール710の側を走行路に沿って往復動させるようにして予備剥離を行わせることもできる。
また、台紙付カバーレイフィルムWc及び予備剥離ロール710の両方を往復動させるようにしてもよい。この場合、台紙付カバーレイフィルムWcの走行方向と、予備剥離ロール710の走行方向とは、互いに逆方向となるようにする。これにより、予備剥離動作をより高速化することができる。
(5)予備剥離ロール710による予備剥離が終了したのち、カバーレイフィルム(例えば、第1カバーレイフィルム片Wc1)を台紙Wmから本剥離する機構としては、上記各実施形態において示した可動剥離ユニット200を用いた場合を例示したが、これに限られるものではなく、種々の剥離機構を用いることができる。
(6)上記各実施形態においては、予備剥離ロール710による予備剥離動作は、ロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)方式のフィルムの剥離装置において、長尺状の台紙付カバーレイフィルムを切断機構によって台紙を残した状態で切断されることによって生成されたカバーレイフィルム片を台紙から本剥離する場合を例示したが、これに限られるものではなく、1枚ごとに個別となっている短尺の台紙付カバーレイフィルムのカバーレイフィルムを台紙から本剥離する場合にも適用できる。
このように、1枚ごとに個別となっている短尺の台紙付カバーレイフィルムにおいても、実施形態1又は2において説明したように、予備剥離機構部700により、図7に示す第1工程と第2工程とを行うことにより、当該短尺の台紙付カバーレイフィルムにおけるカバーレイフィルムを台紙から予備剥離することができる。
(7)上記各実施形態においては、フィルムは、カバーレイフィルムであるとして説明したが、カバーレイフィルムに限られるものではなく、例えば、補強フィルムであってもよい。また、電子機器の表示部(例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネルなど。)に貼り付けて、当該電気機器へ情報を入力するために用いるタッチパネル用フィルムであってもよい。さらにまた、電子機器の表示部(例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネルなど。)のパネル面を保護するための保護フィルムその他のフィルムであってもよい。
(8)上記実施形態2においては、予備剥離ロール710による予備剥離動作の前段階に、先端予備剥離機構部660によりカバーレイフィルムの先端部を予備剥離する場合を例示したが、これに加えて、他の予備剥離機構を併用してもよい。例えば、特許文献1に開示されているフィルムの剥離装置9000(図14参照。)に設けられている予備剥離機構部(図14においては予備剥離機構部400)を設け、当該予備剥離機構部400の第1剥がし板410及び第2剥がし板420により、カバーレイフィルムWcの両サイドを予備剥離したのちに、先端予備剥離機構部660により先端部の予備剥離を行い、その後で、予備剥離ロール710による予備剥離動作を行うようにしてもよい。このようにすることにより、可動剥離ユニット200による本剥離動作をより一層、確実なものとすることができる。
(9)上記各実施形態においては、予備剥離ロール710は、カバーレイフィルムWcの表面をクリーニングすることも可能であるとしたが、この場合、予備剥離ロール710に付着した塵埃を除去する補助ロール(図示せず。)を予備剥離ロール710に接触可能とするように設けることも可能である。当該補助ロールは、予備剥離ロール710に付着した塵埃を除去するためのものであるため、予備剥離ロール710よりも粘着力の大きい部材で形成されていることが好ましい。
このような補助ロールとしては、例えば、粘着テープをロール状に巻いたものを好ましく用いることができる。このような補助ロールを予備剥離ロール710に接触可能とするように設けることにより、予備剥離ロール710に付着した塵埃をある程度は補助ロール側に付着させることができる。これにより、予備剥離ロール710を長時間使用することができ、予備剥離ロール710のメンテナンスを容易なものとすることができる。
また、補助ロールは粘着テープを巻いたものでなく、補助ロールそのものが粘着力を有する部材でなるものであってもよい。
(10)上記各実施形態においては、予備剥離ロール710は、全体が粘着力を有する部材でなるものとして説明したが、これに限られるものではなく、予備剥離ロール710の表面のみが粘着力を有するようなものであってもよい。例えば、合成樹脂などから円筒体の表面に粘着力を有する部材を巻き付けたものであってもよく、また、円筒体の表面に粘着層が形成されているものであってもよい。
100・・・基台テーブル、110・・・案内面、131,132・・・ガイドレール、200・・・可動剥離ユニット、210・・・可動プレート、220・・・切断用支持台座部、230・・・剥離部、231・・・平面、232・・・傾斜面、233・・台紙折り返し部、240・・・第2クランプ装置250・・・第3クランプ、300・・・駆動装置、500・・・第1クランプ、600・・・切断機構部、640・・・切断刃、660・・・先端予備剥離機構部、700・・・予備剥離機構部、710・・・予備剥離ロール、710A,710B,710C,710D・・・予備剥離ロールの変形例、710E・・・第1吸引式予備剥離ロール、710F・・・第2吸引式予備剥離ロール、720・・・支持プレート、800・・・吸着保持装置、810・・・吸着プレート、910・・・送り出し機構部、920・・・巻き取り機構部、A・・・走行路、E1・・・走行路前方側端部(一方側端部)、L1・・・カバーレイフィルムサイズ、L2・・・巻き取り長さ、ΔL・・・非巻き取り長さ、P1・・・巻き取り終了位置、Wa・・・先導フィルム、Wc・・・カバーレイフィルム、Wc1・・・第1カバーレイフィルム片、Wc2・・・第2カバーレイフィルム片、Wm・・・台紙(ベース部材)

Claims (12)

  1. ベース部材にフィルムが剥離可能に貼着されているベース部材付フィルムにおける前記フィルムを前記ベース部材から剥離するフィルムの剥離装置であって、
    前記フィルムを前記ベース部材から剥離する際に前記フィルムの剥離を容易にするための予備剥離を行う予備剥離機構部を備え、
    前記予備剥離機構部は、前記フィルムを付着可能な予備剥離ロールを有しており、
    当該予備剥離機構部は、
    前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面における一方側端部に接触させた状態として、当該予備剥離ロールが回転するように前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を走行させ、前記予備剥離ロールの回転によって前記フィルムの表面における一方側端部から当該フィルムの表面における他方側端部よりも手前に設定されている巻き取り終了位置までの間において当該フィルムを前記ベース部材から剥離しながら巻き取って行く第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記巻き取り終了位置から前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面に接触させた状態で、前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を前記第1工程における走行方向とは逆方向に走行させることにより、前記予備剥離ロールが巻き取ったフィルムを前記巻き取り終了位置から前記フィルムの表面における一方側端部の間において前記ベース部材に再貼着して行く第2工程と、
    を行うことにより前記フィルムを前記ベース部材から予備剥離することを特徴とするフィルムの剥離装置。
  2. 請求項1に記載のフィルムの剥離装置において、
    前記巻き取り終了位置は、前記フィルムの表面における他方側端部の直前の位置であって、前記巻き取り終了位置と前記フィルムの表面における他方側端部との間には、予備剥離がなされない非予備剥離領域が存在することを特徴とするフィルムの剥離装置。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載のフィルムの剥離装置において、
    前記予備剥離ロールは、表面に粘着部を有する円筒形状のロールであって、前記粘着部の粘着力により前記フィルムを当該予備剥離ロールに付着させて巻き取りを行うことを特徴とするフィルムの剥離装置。
  4. 請求項3に記載のフィルムの剥離装置において、
    前記粘着部は、前記予備剥離ロールの表面全体に設けられていることを特徴とするフィルムの剥離装置。
  5. 請求項1又は2に記載のフィルムの剥離装置において、
    前記予備剥離ロールは、前記フィルムを吸引するための吸引口を表面に有する円筒形状のロールであって、当該予備剥離ロールの内部を負圧とすることによる吸引力により前記フィルムを当該予備剥離ロールに付着させて当該フィルムの巻き取りを行うことを特徴とするフィルムの剥離装置。
  6. 請求項5に記載のフィルムの剥離装置において、
    前記吸引口は、前記予備剥離ロールの幅方向に沿って設けられていることを特徴とするフィルムの剥離装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムの剥離装置において、
    前記予備剥離ロールの径は、当該予備剥離ロールの円周が前記フィルムの表面における前記一方側端部から前記巻き取り終了位置までの長さ以上となるように設定されていることを特徴とするフィルムの剥離装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの剥離装置において、
    前記ベース部材付フィルムは、長尺シート状のベース部材付きフィルムであって、
    前記長尺状のベース部材付フィルムが、走行路に沿って走行路後方側から走行路前方側に走行する際に、前記ベース部材の側を支持するための案内面を有する基台テーブルと、
    前記走行路を横切る方向に設けられた切断刃を有し、前記走行路を走行する長尺状のベース部材付きフィルムを、前記ベース部材を残した状態で切断して、前記走行路に沿った方向において所定の寸法を有するフィルム片を生成する切断機構部と、
    をさらに備え、
    前記予備剥離機構部は、前記フィルム片の表面における一方側端部を前記走行路前方側とし、前記フィルム片の表面における他方側端部を前記走行路後方側として、当該フィルム片に対して前記第1工程と前記第2工程とを行うことにより前記フィルム片を前記ベース部材から予備剥離することを特徴とするフィルムの剥離装置。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの剥離装置において、
    前記ベース部材付きフィルムは、長尺シート状をなし、かつ、前記ベース部材を残した状態で長手方向に沿って所定の寸法ごとに切断されていることにより前記フィルムが複数のフィルム片として当該ベース部材上に存在しているフィルム切断済みベース部材付きフィルムであって、
    前記フィルム切断済みベース部材付フィルムが、走行路に沿って走行路後方側から走行路前方側に走行する際に、前記ベース部材の側を支持するための案内面を有する基台テーブルをさらに備え、
    前記予備剥離機構部は、前記複数のフィルム片のうち、現時点において予備剥離を行うべきフィルム片の表面における一方側端部を前記走行路前方側とし、前記現時点において予備剥離を行うべきフィルム片の表面における他方側端部を前記走行路後方側として、当該フィルム片に対して前記第1工程と前記第2工程とを行うことにより前記フィルム片を前記ベース部材から予備剥離することを特徴とするフィルムの剥離装置。
  10. 請求項8又は9に記載のフィルムの剥離装置において、
    前記予備剥離がなされたフィルム片を前記ベース部材から剥離するための剥離部を有し、前記基台テーブルの前記案内面に沿って前記走行路前方側及び前記走行路後方側に所定範囲で往復動可能な可動剥離ユニットと、
    前記予備剥離がなされたフィルム片を前記可動剥離ユニットが剥離する際に、前記予備剥離がなされたフィルム片を着脱自在に保持可能とする保持装置と、
    をさらに備え、
    前記可動剥離ユニットは、
    前記可動剥離ユニットが前記走行路後方側へ走行する際において、前記可動剥離ユニットの前記走行路後方側への走行に抗するような力を前記ベース部材に与え、かつ、前記予備剥離がなされたフィルム片を前記保持装置によって保持した状態で、前記可動剥離ユニットを前記走行路後方側に走行させることによって、前記ベース部材を前記フィルム片から引き剥がすことを特徴とするフィルムの剥離装置。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載のフィルムの剥離装置において、
    前記予備剥離機構部よりも前記走行路後方側に設けられ、前記フィルム片の前記走行路前方側端部から当該フィルムを前記走行路後方側に所定量だけ予備剥離するための先端予備剥離機構部をさらに備えることを特徴とするフィルムの剥離装置。
  12. ベース部材にフィルムが剥離可能に貼着されているベース部材付フィルムにおける前記フィルムを前記ベース部材から剥離するフィルムの剥離方法であって、
    前記フィルムを前記ベース部材から剥離する際に、前記フィルムの剥離を容易にするための予備剥離を行う予剥離工程を有し、
    前記予備剥離工程は、
    前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面における一方側端部に接触させた状態として、当該予備剥離ロールが回転するように前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を走行させ、前記予備剥離ロールの回転によって前記フィルムの表面における一方側端部から当該フィルムの表面における他方側端部よりも手前に設定されている巻き取り終了位置までの間において当該フィルムを前記ベース部材から剥離しながら巻き取って行く第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記巻き取り終了位置から前記予備剥離ロールを前記フィルムの表面に接触させた状態で、前記ベース部材付フィルム又は前記予備剥離ロールの少なくとも一方を前記第1工程における走行方向とは逆方向に走行させることにより、前記予備剥離ロールが巻き取ったフィルムを前記巻き取り終了位置から前記フィルムの表面における一方側端部の間において前記ベース部材に再貼着して行く第2工程と、
    を行うことにより前記フィルムを前記ベース部材から予備剥離することを特徴とするフィルムの剥離方法。
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