JP2000031558A - 積層型圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

積層型圧電アクチュエータの製造方法

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JP2000031558A
JP2000031558A JP19837498A JP19837498A JP2000031558A JP 2000031558 A JP2000031558 A JP 2000031558A JP 19837498 A JP19837498 A JP 19837498A JP 19837498 A JP19837498 A JP 19837498A JP 2000031558 A JP2000031558 A JP 2000031558A
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adhesive
piezoelectric
glass
insulating material
laminated
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JP19837498A
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English (en)
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Seiji Watabiki
誠次 綿引
Hideo Suzuki
秀夫 鈴木
Motoyuki Miyata
素之 宮田
Osamu Shiono
修 塩野
Mitsuo Hayashibara
光男 林原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】例えば、圧電特性を有する圧電板の両面に内部
電極を形成した圧電板を接着剤を介して多数枚積み重
ね、焼き付けして積層体を形成する工程,該積層体に絶
縁層及び外部電極を形成する工程において、耐熱性及び
応答性に優れた圧電アクチュエータの製造方法を提供す
る。 【解決手段】耐熱温度が150℃以上のZnO−Al2
3−B23−SiO2 系ガラス絶縁材を形成し、更
に、外部電極材付与部に、耐熱温度が150℃以上で、組
成が導体のAgと接合成分のBi23−B23−PbO
系ガラスからなる外部電極材を形成した圧電アクチュエ
ータを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層型圧電アクチュ
エータの製造方法に関し、特に応答速度を速くでき且
つ、耐熱温度を高めることができる圧電アクチュエータ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電アクチュエータの製造方法は
例えば、特開昭63−296285号公報に示される如く、圧電
特性を示す焼結体をスライス加工して得た圧電板の片面
または両面にNiメッキにより厚み1〜2μmの内部電
極層を付与し、該圧電板を接着剤を介して積層体を形成
し、該積層体の側面に位置する前記内部電極層を絶縁材
を用いて一層おきに覆い、前記絶縁材を覆って他の導電
層に一層おきに導通するように外部電極を設けた構成が
知られている。なお、内部電極に形成する方法は圧電セ
ラミックス焼結体をスライス加工して得た圧電板にメッ
キにより得てもよいし、グリーンシートにペースト状の
内部電極をスクリーン印刷し、該シートを積層し、脱
脂,焼き付け,焼結して得てもよい。
【0003】また、グリーンシート積層法で用いた圧電
材料の焼結温度は1200℃〜1350℃であるので、内部
電極材は融点が圧電材料の焼結温度(1200℃〜13
50℃)以上であれば、貴金属を使用しても、卑金属を
使用してもよい。貴金属は例えば、Au,Ag,白金族
(Ru,Os,Rh,Pd,Tr,Pt)などである
が、通常はAu,Ag,Pd、またはAgとPdの組成
比の異なるAg/Pdの混合粉または合金粉が用いられ
る。さらに、内部電極として用いられるよい点は酸化雰
囲気で焼結しても酸化されない点である。
【0004】卑金属はNi系金属が用いられる。Ni系
以外の卑金属は用いられない。これはNiの融点が14
60℃程度で、圧電材料の焼結温度より高いためであ
る。卑金属の利点は貴金属に比べ安価な点である。これ
の難点は何らかの細工をしない状態では内部電極材が酸
化されてしまうので、圧電材料を酸化雰囲気下で焼結で
きない点である。また、内部電極層の厚みはスクリーン
印刷により形成する場合は10〜50μm程度である。
【0005】10μm未満ではグリーンシートの印刷面
の凹凸が10μm近くあるため、グリーンシート凸部上
の内部電極層は極めて薄いか、または破壊されて、内部
電極の電気抵抗が大きくなり、低電圧で圧電素子を駆動
させることができない。また、50μm以上では内部電
極材は高価であるので、圧電素子のコストが増大する。
また、メッキにより圧電板の片面または両面に内部電極
層を形成する場合の厚みは0.5μm〜2μmであるこ
とが望ましい。0.5μm未満では内部電極の電気抵抗
が大きくなり、低電圧で圧電素子を駆動させることがで
きないためである。また、2μm以上ではメッキ処理時
間が長くなるので、メッキ処理費用が嵩み、圧電素子の
価格が高くなるためである。
【0006】かかる構成の積層型圧電アクチュエータの
製造方法として、前記公報に、圧電板の両面にNiメッ
キした圧電板を60枚、エポキシ系絶縁性接着剤を用い
て積層し、積層圧力が1〜2Kg/cm2 ,加熱温度が80
〜150℃,保持時間が1〜2時間の条件で硬化させて
積層体を形成し、該積層型圧電体側面に位置する前記内
部電極層を紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)からなる
絶縁材を用いて、一層おきに絶縁層を被覆し、室温で紫
外線を10〜50秒間照射して、硬化させることによ
り、絶縁層を形成し、その後、前記絶縁層を覆って他の
導電層に一層おきに導通するように導電性エポキシ樹脂
を用い、スクリーン印刷にて、所要箇所に被着させ、加
熱温度が80〜120℃,保持時間が40〜80分間の
焼き付けにて硬化させる方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報に開示さ
れた積層法により製造された圧電アクチュエータにおい
て、積層体形成に用いたエポキシ系絶縁性接着材は弾性
率が1×103MPa 未満と小さいために、圧電素子の
積層方向に発生した変位を吸収してしまうので、応答速
度が遅い。また、積層体形成に用いたエポキシ系絶縁性
接着材,絶縁層形成に用いた紫外線硬化型樹脂(アクリ
ル樹脂)絶縁材並びに外部電極形成に用いた導電性エポ
キシ樹脂はいずれも有機樹脂を使用しているために、耐
熱温度は150℃未満で、耐熱性が劣る。上記のことか
ら、従来技術では耐熱性及び応答性に優れた積層型圧電
アクチュエータを製造することができない。
【0008】本発明の目的は、耐熱性及び応答性に優れ
た積層型圧電アクチュエータの製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】我々は焼結体をスライス
加工して得た圧電板にNiメッキを施した試料を用い、
積層体形成に用いたガラスペースト状接着剤,絶縁層形
成に用いたガラスペースト状絶縁材及び外部電極形成に
用いた導電材と接合成分のガラスを含むペースト状外部
電極材を用いて耐熱性,応答性に優れた積層型圧電アク
チュエータを得る方法について種々検討していたとこ
ろ、耐熱性,応答性に優れた製造方法を見い出すことが
できた。
【0010】上記課題を解決するため、本発明では、焼
結体をスライス加工して得た圧電板の少なくとも一方の
面に内部電極層を形成し、接着剤にて複数の前記圧電板
を積層焼き付け固着して積層体を形成するか、または圧
電特性を有するセラミックからなるグリーンシートに内
部電極を印刷し、これを複数枚積層し加熱圧着後脱脂,
焼結して積層枚数の少ない積層体を形成し、該積層体の
複数個を接着剤にて接合し、所定長さの積層体を形成す
る工程,前記積層体より所要寸法に加工する工程,該積
層体の側面に位置する前記内部電極層に絶縁材を用いて
一層おきに覆って焼き付け固定する工程,前記絶縁材を
覆って他の内部電極層に一層おきに導通するように外部
電極を付与,焼き付けて形成する工程を経て、圧電アク
チュエータを製造する方法において、前記接着剤は耐熱
性が高く、且つ弾性率が大きい、また、前記絶縁材と前
記外部電極材は耐熱性が高いことを特徴とする積層型圧
電アクチュエータの製造方法とした。
【0011】上記本発明においては、接着剤はガラスを
有機バインダに分散させペースト状にしたものであり、
加熱されると有機バインダが除去され、40MPa以上
の接着強度が発現するものである。有機バインダが加熱
除去できない場合は接着強度が発現しないので、内部電
極を付与した圧電板あるいは積層枚数の少ない積層体を
接合することができない。また、圧電アクチュエータを
駆動させるときは圧電素子に電圧を印加したり、解除し
たりする。この場合、圧電板または圧電特性を有するセ
ラミックスは積層方向に伸びたり、縮んだりする。例え
ば、圧電板が縮んだ場合は、圧電板に付与した内部電極
材と接着剤との接合面で、引張り応力が発生する。接着
強度が40MPa未満ではこの引張り応力で、圧電板上
の内部電極層と接着剤との接合界面が破壊し、圧電素子
の寿命を短くする。
【0012】また、請求項2記載の接着強度を発現する
ガラスの線膨張係数が38×10-7/℃〜53×10-7
/℃ で、組成はSiO2−ZnO−CaO−Al23
TiO2系の結晶質、またはPbO−SiO2−Al23
の非晶質である。上記以外のガラス系ではガラスの線膨
張係数が38×10-7/℃〜53×10-7/℃以上にな
り、接着剤を高温度で焼付けた後、室温まで冷却したと
きに、圧電板(線膨張係数:2×10-7/℃程度)と一
体になっている内部電極材と接着剤との間に大きな引っ
張り応力が発生し、接合部が破壊し、圧電素子の寿命を
短くするためである。
【0013】また、最大の接着強度が得られる加熱処理
条件は結晶質ガラスにおいても、非晶質ガラスにおいて
も、加熱温度は750℃〜850℃で、保持時間は5分
〜30分である。加熱温度が750℃未満,保持時間が
5分未満では接着強度が発現しないので、圧電素子の圧
電板が縮んだ時に発生する引っ張り応力に耐えられず、
接合部が破壊し、圧電素子の寿命を短くする。また、加
熱温度が850℃以上,保持時間が30分以上では結晶
質ガラスではガラスの結晶化が進み、線膨張係数が急激
に大きくなり、焼付け後、室温まで冷却されたとき、大
きな張っ張り応力が発生し、接合部が破壊し、圧電素子
の寿命を短くする。また、非晶質ガラスでは850℃以
上に加熱されると、多数の気孔が発生し、接着強度が低
下し、圧電素子の寿命が短くなるためである。
【0014】また、最適加熱条件で処理した後の接着層
厚みは0.5μm 〜10μmである。0.5μm 未満で
は接着剤が圧電板または圧電特性を有するセラミックス
の接着表面を完全に濡らすことができないので、接着強
度が小さくなり、小さい衝撃で接合部が破壊し、圧電素
子の寿命が短くなるためである。10μm以上では圧電
素子に電圧が印加されたときに積層体の積層方向に発生
する変位を吸収してしまうので、圧電素子に電圧が印加
されて変位が開始してから終了するまでの応答速度が遅
くなるためである。
【0015】また、結晶性ガラス及び非晶質ガラスの弾
性率は1×104MPa 以上である。1×104MPa
未満では圧電素子に電圧が印加されたときに積層体の積
層方向に発生する変位を吸収してしまうので、圧電素子
に電圧が印加されて変位が開始してから終了するまでの
応答速度が遅くなるためである。
【0016】また、絶縁材料はZnO−Al23−B2
3−SiO2 系ガラスを有機バインダに分散させて、
ペースト状としたものであり、加熱されると有機バイン
ダが除去され、焼き付けられたZnO−Al23−B2
3−SiO2 系ガラスの絶縁抵抗は1×1012Ωcm以
上である。絶縁抵抗が1×1012Ωcm未満では圧電素子
を駆動させるために通常の電圧を印加したときに、絶縁
破壊を起こし、圧電素子の寿命を短くするためである。
なお、上記以外のガラス系では1×1012Ωcm以上の絶
縁抵抗を得ることができないので、圧電素子の寿命を短
くする。
【0017】また、絶縁材の最適加熱条件は加熱温度が
600℃〜700℃で、保持時間は5分〜30分であ
る。加熱温度が600℃未満で、保持時間が5分未満で
は接着強度が発現しないので、積層体端面から絶縁層が
剥離し易くなり、圧電素子の寿命を短くするためであ
る。焼き付け温度が700℃以上,保持時間が30分以
上では絶縁層部に多数の気孔が発生し、接着強度が弱く
なり、積層体端面から絶縁層が剥離し易くなり、圧電素
子の寿命を短くするためである。
【0018】また、外部電極材は有機バインダに導体の
Agと接着強度を発現させるBi2O3−B23−PbO系
ガラスを分散させ、ペースト状にしたもので、加熱され
ると有機バインダが除去され、焼付けられた外部電極材
の導体抵抗は30mΩ/□/10μm未満である。導体
抵抗が30mΩ/□/10μm以上では圧電素子に、通
常の電圧を印加したとき、外部電極が発熱,軟化し、積
層体端面から外部電極層が剥離し、圧電素子の寿命を短
くするためである。またBi23−B23−PbO系以
外のガラス系では導体のAgとの濡れ性が悪く、導体抵
抗が30mΩ/□/10μm未満の外部電極を形成する
ことができない。
【0019】また、外部電極材の最適加熱条件は加熱温
度が500℃〜600℃で、保持時間は5分〜30分で
ある。加熱温度が500℃未満で、保持時間が5分未満
では接着強度が発現しないので、積層体端面から外部電
極層が剥離し易くなり、圧電素子の寿命を短くするため
である。焼き付け温度が600℃以上,保持時間が30
分以上では絶縁層部に多数の気孔が発生し、接着強度が
弱くなり、積層体端面から外部電極層が剥離し易くな
り、圧電素子の寿命を短くするためである。
【0020】また、前記ガラスペースト状接着剤の最適
加熱温度は前記内部電極を付与したグリーンシート積層
体の焼結温度以下であり、前記ガラスペースト状絶縁材
の最適加熱温度は前記接着剤の最適加熱温度以下であ
り、導体と接合ガラスからなる前記ペースト状外部電極
材の最適加熱温度は前記絶縁材の最適加熱温度以下であ
る。接着剤の最適加熱温度が前記積層体の焼結温度以上
であれば、接着剤を加熱処理している時、積層体を形成
する圧電材料が熱分解を起こし、圧電素子の寿命を短く
するためである。
【0021】また、前記絶縁材の最適加熱温度が前記接
着剤の最適加熱温度以上であれば、接着剤に多数の気孔
が生じ、接着剤の強度が弱くなり、圧電素子の寿命を短
くするためである。同様に、前記外部電極材の最適加熱
温度が前記絶縁材の最適加熱温度以上であれば、前記絶
縁材に多数の気孔が生じ、絶縁材の強度が弱くなり、圧
電素子の寿命を短くするためである。また、最適温度で
加熱処理した後の前記接着剤、前記絶縁材及び前記外部
電極材の耐熱性は150℃以上である。耐熱温度が15
0℃未満では150℃以上の温度で稼働している圧電素
子は熱劣化を起こし、圧電素子の寿命を短くするためで
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の圧電アクチ
ュエータの製造方法の実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施例による積層型圧電アクチュ
エータの製造方法を示す主要部である。保護層1,2及
びグリーンシート3は圧電特性を有するセラミックグリ
ーンシートであり、下面に使用する保護層2には内部電
極層4が形成されているが、上面に使用する保護層1に
は内部電極層は形成されていない。中間に使用するすべ
てグリーンシートの一方の面には内部電極層が形成され
ている。該内部電極は導電性に優れた金属が主成分でガ
ラス成分が一部含まれるAg/Pd合金である。内部電
極層の付与はスクリーン印刷法により形成する。
【0023】内部電極層を付与したグリーンシートを乾
燥した後、図1(a)に示すように前記グリーンシート
を60枚と上下面に保護層を積み重ねて図1(b)積層
体を作製する。但し、図は積み重ね方向の枚数は省略し
ている。さらに、図1(b)積層体を130℃に加熱
し、10MPaで圧着し一体化した。次に、管状炉に空
気を流しながら該積層体を200℃/hの速度で850
℃まで昇温し、850℃に5時間保持して、グリーンシ
ートに含まれるバインダを熱分解により除去した後、更
に、200℃/hの速度で1200℃まで昇温し、12
00℃に2時間保持して焼結させ、図1(b)に示す積
層型焼結体を得た。積層型焼結体の高さ方向の寸法は2
5mmである。なお、内部電極の厚さは保護層及びグリー
ンシートのいずれにおいても2μmである。
【0024】次に、接着剤5を前記積層型焼結体の一面
にスクリーン印刷法により付与し、二つの積層型焼結体
を重ね併せ、加圧,加熱し、図1(c)に示す接合体を
作製した。接着剤はPbO−SiO2−Al23 系非晶
質ガラスで、組成はPbO:49%,SiO2:17.6
%,Al23:13.0%,La23:2.93%,Zr
2:1.32%,MgO:1.02%からなり、ガラス
の他にPbTiO3:6.1%を含むものである。加熱時
の加圧は100g/cm2である。加熱は120℃×3時
間,850℃×20分、酸化雰囲気下で行った。接着層
厚みは2μmである。加熱処理後の接着剤の耐熱温度は
150℃以上であり、弾性率は5×104MPa以上と高
いところが、本接着剤の特徴である。
【0025】次に、接合した積層型焼結体の側面に位置
する前記内部電極層をガラスペースト状絶縁材を用いて
一層おきに覆って、絶縁層6を印刷法により形成した。
絶縁層を付与した積層型焼結体を乾燥,加熱により焼き
付けて図1(d)に示す形状にした。前記絶縁材はZn
O−Al23−B23−SiO2 系結晶質ガラスで、組
成はZnO:36.1%,Al23:28.9%,B
23:14.0%,SiO2:6.97%,BaO:1.1
9%である。絶縁材付与後の乾燥焼付けは120℃×3
時間,700℃×20分、酸化雰囲気下で行った。絶縁
層の厚さはおおよそ10μmである。加熱処理後の絶縁
材の絶縁抵抗は1×1013Ωcmで、耐熱温度は150℃
以上と高いところが本絶縁材の特徴である。
【0026】前記絶縁層を覆って他の内部電極層に一層
おきに通電するように導体のAgと接合材のガラスから
なるペースト状外部電極材により外部電極7を形成し
た。外部電極層7を付与した積層型焼結体を乾燥した
後、焼き付けて、図1(d)に示す形状を作製した。外
部電極付与後の乾燥,焼付け条件は120℃×3時間,
600℃×20分、酸化雰囲気下で行った。加熱処理後
の外部電極の導体抵抗は20mΩ/□/10μmで、耐
熱温度は150℃以上と高いところが本外部電極材の特
徴である。得られた積層型焼結体を所要寸法に切断加工
し、この発明方法による圧電アクチュエータを得た。
【0027】(実施例2)本発明の圧電アクチュエータ
の製造方法の実施例2を図面を用いて説明する。圧電特
性を有する焼結体をスライス加工して、図2(a)に示す
幅5mm×長さ40mm×厚さ0.3mm の圧電板8を得た。
この圧電板の両面に無電解メッキ法により、図2(b)
に示すNiPの内部電極層4を設けた圧電板を得た。内
部電極層の厚さは1.5 〜2μmである。更に、NiP
層を設けた圧電板を60枚、実施例1と同じPbO−S
iO2−Al23系非晶質ガラスペースト接着材を用い
て積層し、加圧しながら、乾燥,加熱処理して焼き付け
て一体化し、図2(c)に示す圧電板8と内部電極層4
とが交互に積層された積層体を得た。
【0028】なお、内部電極層を設けた圧電板を積層し
たとき、圧電板の両端部に生じるすき間には上記した図
2(c)の接着剤9を充填した。また、接着剤の加圧,
乾燥及び加熱処理条件は実施例1と同様である。次に、
該積層体を5mm×5mm×18mmの寸法に加工し、図2
(d)を得た。その後、実施例1と同様にして、図2
(e)に示す絶縁層6と外部電極層7を形成した。形成
後の乾燥,加熱処理条件は実施例1と同じである。従っ
て、加熱処理後の絶縁層及び外部電極層の耐熱温度は1
50℃以上と高い。得られた積層型焼結体を所要寸法に
切断加工し、この発明方法による圧電アクチュエータを
得た。
【0029】比較のため、前述の特開昭63−296285号公
報に記載の従来方法、すなわち、圧電ブロック体をスラ
イス加工して得た圧電板の両面にNiメッキにより厚み
1〜2μmの内部電極層を設け、この圧電板を60枚、
エポキシ系絶縁性接着剤を用いて積層し、積層加圧が1
〜2Kg/cm2 ,加熱温度が80〜150℃,保持時間が
1〜2時間の条件で硬化させて一体化し、圧電板と内部
電極とが交互に積層した積層体を得た後、絶縁層とし
て、紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂)を被着し、室温
で紫外線を30秒間照射して硬化させることにより絶縁
層を形成し、外部電極層には、導電性エポキシ樹脂を用
い、所要箇所に被着させ、加熱温度が80℃〜120
℃,保持時間が40〜80分間の熱処理にて硬化させ、
圧電板材質及び形状寸法が本発明と同一の圧電アクチュ
エータ(比較例)を得た。得られた3種類の圧電アクチ
ュエータを用いて、パルス状電界を印加した際のパルス
応答性を室温と150℃で測定した。その結果を、表1
に示す。
【0030】パルス応答性の測定は、図3(a),(b)
に示す如く、印加したパルス状電界に対応する圧電アク
チュエータの変位の追従性にて評価するため、変位測定
器として、非接触光学式検出器を用い、また、パルス発
生器としては、該圧電アクチュエータの応答時間に対し
て、充分に無視できる間隔にて所要電圧を印加できる電
源を用いた。測定結果は、各圧電アクチュエータに、1
00V,200Vを印加した際の応答時間を5回測定
し、その平均値にて評価した。その結果を表1に示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】比較例の圧電アクチュエータでは本発明の
(1),(2)に比較し、室温測定においても、150℃
の高温測定においても応答時間が長い。本発明の
(1),(2)では、室温測定においても150℃の高
温測定においても応答時間は同じである。従って、本発
明の圧電アクチュエータは耐熱性を高めることができ、
且つ応答時間を短くすることができる。なお、接合界面
の少ない本発明(2)は接合界面の多い本発明(1)よ
り、応答時間が短い。
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法では、メッキ法で内部
電極を付した圧電板及び内部電極を付与したグリーンシ
ート積層法で作製した積層枚数の少ない積層体の接着剤
に、焼付け後の耐熱温度が150℃以上,弾性率が5×
104MPa 以上のガラスを用いている。これは従来技
術で用いているエポキシ樹脂より耐熱温度,弾性率共に
優れている。弾性率が大きい場合は圧電アクチュエータ
に電圧を印加したときに、印加と同時に圧電板の積層方
向に発生する変位が接着剤に発生初期の変位を吸収され
ることが少ない。
【0034】従って、圧電素子に電圧が印加されて、変
位が開始してから終了するまでの時間が短いので、応答
速度を速めることができる。また、接着剤に使用したガ
ラスの弾性率は150℃においても、室温においても変
わらないので、圧電アクチュエータの作動温度が150
℃以上でも、室温の応答時間と差はない。また、本発明
の製造方法では、耐熱温度が150℃以上の絶縁材及び
外部電極材を採用している。従来の絶縁材,外部電極材
の耐熱温度は150℃未満である。従って、本発明の圧
電アクチュエータは従来品より耐熱性と応答速度を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ないし(d)は本発明の実施例である積
層型圧電アクチュエータを製造する工程順を示す側断面
図。
【図2】(a)ないし(e)は本発明の他の実施例であ
る積層型圧電アクチュエータを製造する工程順を示す側
断面図。
【図3】(a)及び(b)は圧電アクチュエータにパル
ス電圧を印加した時のパルス状電界特性図及び電圧アク
チュエータの変位特性図。
【符号の説明】
1,2…圧電特性を有するセラミックスからなるグリー
ンシートの保護層、3…圧電特性を有するセラミックス
からなるグリーンシート、3′…圧電特性を有するセラ
ミックス、4…内部電極層、5…ガラス組成からなる接
合層、6…内部電極層と外部電極層との導通を防ぐ絶縁
層、7…内部電極と導通する外部電極層、8…圧電特性
を有する圧電板、9…内部電極の酸化を防止する酸化防
止層。
フロントページの続き (72)発明者 宮田 素之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 塩野 修 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 林原 光男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結体をスライス加工して得た圧電板の少
    なくとも一方の面に内部電極層を形成し、接着剤にて複
    数の前記圧電板を積層,焼き着け固着して積層体を形成
    するか、または圧電特性を有するセラミックスからなる
    グリーンシートに内部電極を印刷し、これを複数枚積層
    し加熱圧着後脱脂,焼結して積層枚数の少ない積層体を
    形成し、該積層体の複数個を接着剤にて焼き付け接合
    し、所定長さの積層体を形する工程,前記積層体より所
    要寸法に加工する工程,該積層体の側面に位置する前記
    内部電極層に絶縁材を用いて一層おきに覆って焼き付け
    固定する工程,前記絶縁材を覆って他の内部電極層に一
    層おきに導通するように外部電極材を付与、焼き付け固
    定する工程を経て、圧電アクチュエータを製造する方法
    において、前記接着剤は耐熱性が高く、且つ弾性率が大
    きい、また、前記絶縁材と前記外部電極材は耐熱性が高
    いことを特徴とする積層型圧電アクチュエータの製造方
    法。
  2. 【請求項2】接着剤はガラスを有機バインダに分散させ
    ペースト状にしたものであり、加熱されると有機バイン
    ダが除去され、40MPa以上の接着強度が発現するこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエー
    タの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の接着剤の線膨張係数は38
    ×10-7/℃〜53×10-7/℃で、組成はSiO2
    ZnO−CaO−Al23−TiO2系の結晶系ガラス
    またはPbO−SiO2−Al23 系の非晶質ガラスで
    あることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチ
    ュエータの製造方法。
  4. 【請求項4】最大の接着強度が得られる加熱処理条件は
    結晶質ガラス,非晶質ガラスのいずれも、加熱温度は7
    50℃〜850℃で、保持時間は5分〜30分であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエー
    タの製造方法。
  5. 【請求項5】最適条件で加熱処理した後の接着剤の接着
    層厚さは0.5μm 〜10μmであることを特徴とする
    請求項1記載の積層型圧電アクチュエータの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の結晶性ガラス及び非晶質ガ
    ラスの弾性率は1.0×104MPa以上であることを特
    徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエータの製
    造方法。
  7. 【請求項7】絶縁材はZnO−Al23−B23−Si
    2 系ガラスを有機バインダに分散させて、ペースト状
    にしたものであり、加熱されると有機バインダが除去さ
    れ、焼付けられたZnO−Al23−B23−SiO2
    系ガラスの絶縁抵抗は1×1012Ωcm以上であることを
    特徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエータの
    製造方法。
  8. 【請求項8】絶縁材の焼付け条件は加熱温度が600℃
    〜700℃で、保持時間は5分〜30分であることを特
    徴とする請求項1記載の積層型圧電アクチュエータの製
    造方法。
  9. 【請求項9】外部電極材は有機バインダに導体のAgと
    接着強度を発現させるBi23−B23−PbO系ガラ
    スを分散させて、ペースト状にしたものであり、加熱さ
    れると有機バインダが除去され、外部電極材の導体抵抗
    は30mΩ/□/10μm未満であることを特徴とする
    請求項1記載の積層型圧電アクチュエータの製造方法。
  10. 【請求項10】前記接着剤の最適加熱温度は前記内部電
    極を付与したグリーンシート積層体の焼結温度以下であ
    り、前記絶縁材の最適加熱処理温度は前記接着剤の最適
    加熱処理温度以下であり、外部電極材の最適加熱温度は
    絶縁材の最適加熱温度以下であることを特徴とする請求
    項1記載の積層型圧電アクチュエータの製造方法。
  11. 【請求項11】最適加熱条件で処理した後の前記接着
    剤、前記絶縁材及び前記外部電極材の耐熱温度は150
    ℃以上であることを特徴とする請求項1記載の積層型圧
    電アクチュエータの製造方法。
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