JP4757839B2 - ガラス質静電チャック及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、主にMEMSプロセスやFPDプロセスに係り、シリコン基板とガラス基板の接合やガラス基板同士の接合、接着する工程において使用される静電チャックに関するものである。特に、ガラス基板のような絶縁性基板を静電吸着することに好適なガラス質静電チャックとその製造方法に関するものである。
石英の高絶縁性を利用して石英を静電チャックの絶縁層として用いて、半導体プロセス装置内で使用する試みは過去に行われてきた。(例えば、特許文献1参照。)
これらは処理物であるシリコンウェハ半導体と電極の間にクーロン力を発生させる目的で使用されてきた。
ここで、絶縁性ガラス基板を静電吸着するにはグレーディエント力を用いる必要がある(例えば、特許文献2参照)。
しかし静電チャックをセラミック焼結体で構成すると、電極間距離、絶縁層の厚みの設定に一定の制約があるため、十分大きな吸着力を得るには電極間隔等を非常に狭くし、電極間に働く電界強度を高める必要があった。
また、緻密質なセラミック膜のコーティングにより電極間隔を10〜300μmにして絶縁性ガラス基板を吸着する静電チャックが提案されている(例えば、特許文献3参照)。 しかし、この場合、膜自身にピンホールが形成される可能性が高く、大面積化に不利であり、また、膜と基材の物性の差による内部応力の発生、歪が課題となっていた。
特許3173691号公報 特許3805134号公報 特開2005-223185号公報
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討してなされたものであって、本発明の目的は、ガラス質の絶縁層と基盤とを一体化することによって、電極間の絶縁性をガラス質のバルク並みに充分大きな値を確保し、かつ、ガラス質の絶縁層または基盤に対して微細な溝加工を行い電極形成をすることにより、電極間隔を狭くして充分に大きいグレーディエント力を発揮させようとしたものである。
前記した本発明の目的は、ガラス質絶縁層とガラス質基盤との間に、相互に指定間隔を置いて配置され、かつ、指定幅を有する線状の少なくとも一対の電極を具備するとともに、前記少なくとも一対の電極に電圧が印加されることにより生じるグレーディエント力によって絶縁性基板を吸着するガラス質静電チャックであって、前記ガラス質絶縁層と前記ガラス質基盤とが同一素材からなり、かつ、実質的に一体化してなり、前記指定間隔は50μm以上500μm未満であり、前記指定幅は50μm以上2000μm未満であることを特徴とするガラス質静電チャックによって達成される。
また、前記した本発明の目的は、ガラス質絶縁層となるガラス質素材板に相互に前記指定間隔を置いて配置され、かつ、前記指定幅を有する線状の少なくとも一対の溝を加工する工程と、前記少なくとも一対の溝に前記少なくとも一対の電極を配置する工程と、前記ガラス質素材板とガラス質基盤とを間に前記少なくとも一対の電極が具備されるように接合する工程を含むこと、を特徴とする前記ガラス質静電チャックの製造方法によって達成される。
また、前記した本発明の目的は、ガラス質基盤に相互に前記指定間隔を置いて配置され、かつ、前記指定幅を有する線状の少なくとも一対の溝を加工する工程と、前記少なくとも一対の溝に前記少なくとも一対の電極を配置する工程と、ガラス質素材が流動可能な程度にまで溶融されて得られる溶融ガラスによって前記ガラス質基盤と前記少なくとも一対の電極を覆い、当該溶融ガラスを固化させることによってガラス質絶縁層を形成する工程と、前記ガラス質絶縁層が所望の厚さになるまで当該ガラス質絶縁層の表面を研磨する工程とを含むことを特徴とする前記ガラス質静電チャックの製造方法によって達成される。
本発明によれば、電極間の絶縁性が非常に高い静電チャックを製作することができ、吸着時に高電界が必要な絶縁性のガラス基板を室温でも静電吸着させることが容易になる。
またガラス質一体型の構成なので大型化しても絶縁層と基盤の物性の差による応力、歪がなく均質で安定な静電チャックを提供できる。
本発明では、ガラス質絶縁層とガラス質基盤との間に少なくとも一対以上の電極を具備するガラス質静電チャックであって、前記ガラス質絶縁層と前記ガラス質基盤とが同一素材からなり、かつ、実質的に一体化してなることを特徴とするガラス質静電チャックを提案している。
本発明のガラス質静電チャックが、ガラス質絶縁層とガラス質基盤とが同一素材からなり、かつ、実質的に一体化してなる理由は、これにより電極の周囲すべてが同一素材のガラス質のバルク体に囲まれることにより、絶縁性がガラス質の物性のもつ値と同等にまで高くできるからである。したがって、電極間の絶縁性が非常に高い静電チャックを製作することができ、電極間の電界強度を十分高めることができる。
ここで、実質的に一体化しているとは、ガラス質絶縁層とガラス質基盤とが互いに融着していて、両者の間には隙間や接合界面が目視では確認できない状態を言う。
ここで、本発明のガラス質絶縁層とガラス質基盤として用いられるガラス質素材としては、石英ガラス、パイレックスガラス(登録商標である)、硬質2級ガラス、高珪酸ガラス(商品名:バイコール)、鉛ガラス、ソーダライムガラスが好適に用いられる。
また、本発明の電極として用いる電極材料としては以下のものから適宜選択するのが望ましい。
金属系としては、Pt、Re、Cr、Au、Ni 、Tiが、金属間化合物としては、Ni-Crが、炭化物、窒化物、硼化物としては、TiN、TiC、CrN、ZrN、SiC、ZrB2が、珪化物としては、MoSi2、TaSi2、VSi2が、酸化物または複合酸化物としては、LaCrO3、IrO、RuOが用いられる。
また、耐酸化性に難のある耐熱金属(Mo、W)であっても、その表面に酸化防止膜としてSiO2、AL2O3、Y2O3をオーバーコートしたものを用いても良い。
次に、本発明では、ガラス質絶縁層となるガラス質素材板に溝を加工する工程と、前記溝に電極を配置する工程と、前記ガラス質素材板とガラス質基盤とを間に電極が具備されるように接合する工程と、前記ガラス質素材板の表面を研磨して所望の厚みのガラス質絶縁層となす工程と、を含むことを特徴とする前記のガラス質静電チャックの製造方法を提案している。
図1に、本発明の製造方法を説明するためのガラス質絶縁層となるガラス質素材板の裏面図を模式的に示した。ガラス質素材板1の裏面には、電極3と電極パット2を配置するための溝加工を行う。ここで、溝を加工する工程では、加工手段はブラストショット、エッチングが適当である。
また、溝形状は、溝がそのまま電極幅に相当するので0.5mm未満とし、溝深さは後の電極形成後の平面加工時の削りしろを考慮して浅くとも5μm以上あれば良く、5〜1000μmが望ましい。これより深いとその後に形成する電極が形成困難になる恐れがある。
次に、加工した溝に電極を配置する。電極を配置する方法としては、図2のガラス質素材板の模式的な断面図に示したように、溝の内面に電極を製膜法により形成する。電極素材は接合時の温度環境下に耐えうるものを前記したものから選択する。ここで、電極の比抵抗は200μΩcm以下であることが好ましい。これより比抵抗が高いと導電性または半導性の基板を絶縁層の体積抵抗率が1013Ωcm以下になるような高温下で静電吸着する際に電極の内部で電圧降下が生じ、電極の位置により基板との間の電位差が異なり吸着力がばらつく原因になるから好ましくない。
ここで、電極の製膜方法はドライプロセスが適当であり、特にイオンプレーティング、スパッタリング、CVD、真空蒸着が好適である。パラジウムを核として直接メッキ法により電極を形成する方法もある。製膜厚みは0.01〜100μmが適当である。
0.1μmより薄いと電極が電極として機能しない場合も生じうる。また100μmより厚いとガラス質との線膨張係数の差による剥離、歪が顕著になり接合後に反り、クラックやはがれの原因になりうる。最も好ましいのは0.1〜5μmである。この範囲であれば、絶縁層に形成する溝の深さも浅くすみ絶縁層自体の加工残留応力による歪を小さくすることができる。また5μm以上製膜するにはドライプロセスと湿式めっきを組み合わせるなど複雑になってくる。
加工した溝に電極を配置するもう1つの方法としては、線状の電極素材をガラス質素材上に設けられた溝にはめ込むことによって形成することもできる。ここで、金属系の電極素材としては線径がφ0.025mmからφ0.5mm未満のものが利用できる。ガラス質素材が石英ガラスの場合、接合温度は1300℃程度となることから、線状の電極素材としては白金線が望ましい。
次に、ガラス質素材板と接合するガラス質基盤の平面図を図3に模式的に示した。ガラス質基盤4は、接合後に電極とコンタクトを取るための貫通穴5が複数箇所設けられた平板であり、機械加工によって製作される。また、接合面はガラス質素材板と同様に平滑に研磨加工されている。
次に、前記ガラス質素材板の接合面とガラス質基盤の接合面とを合わせて、間に電極が具備されるように接合する。
接合は、ガラス質素材板とガラス質基盤を重ね合わせ、圧縮応力を負荷しつつガラス質の軟化点温度以上に加熱することにより行う。ガラス質素材が石英ガラスの場合は、ガラス質素材板とガラス質基盤を重ねあわせて0.1kg/cm2以上の圧力で荷重し1300℃以上で加熱して行われる。こうすることによって、石英ガラス製絶縁層と石英ガラス製基盤が隙間なく融着し一体化する。このとき接合界面は目視では確認できず、電極が完全に石英ガラスの中に埋設される。
ここで、接合方法は加熱下で行われるものに限られず、真空中室温近傍で接合界面を予め活性化しておき、その表面エネルギにより接合する方式であってもよい。この場合、電極素材の選択の幅は広くなり、Alなど低融点金属が使用できるようになる。
次に、接合後、ガラス質素材板の表面を研磨して所望の厚み(表面から内部電極までの距離)のガラス質絶縁層となす。ここで、表面には吸着物を載せるための凹凸加工や溝加工が施される場合ある。
このようにして得られたガラス質静電チャックの模式的な断面図を図4に示した。
ここで、ガラス質絶縁層7とガラス質基盤4とが互いに融着していて、両者の間には接合界面が目視では確認できない状態で実質的に一体化している。
また、ガラス質基盤4に設けられた貫通穴(図3の5)には内部の電極3と電気的なコンタクトを取るために端子6が接着剤による接着や溶接、または機械的な押し付け機構により電極パッド2に接続される。これにより外部に準備された高電圧電源(図示せず。)により内部の電極に高電圧を負荷することができるようになる。
ここで、端子の位置は、なるべく静電チャックの外側にしなければならない。内側に配置すると1つの端子とそのもう片方の端子と反対側の位置から静電チャック外縁までの間で電極が交互に配線できないからである。そのため、電極端子は静電チャックの内部電極の最外径の位置より内側で距離にして端子直径の3倍または50mm以内までにすることが望ましい。これ以上端子を内側に配置するとその端子から外縁までの吸着力が発現しない領域が無視できなくなる。
また端子の直径は0.3mm以上、配線間隔の40倍以下が望ましい。それより小さいと端子の加工が難しく、また大きすぎると上述の理由で述べた吸着力が働かない領域が無視できなくなるからである。
外部電源は直流または交流またはその両方が重畳したもののどれであってもかまわない。内部電極間の電界強度が106V/m以上5×107V/m未満になるように出力電圧を設定すれば吸着物が絶縁性のガラス基板であっても室温で静電吸着することができる。特に、硼珪酸ガラスのように室温近傍での体積抵抗率が1015Ωcm以上と非常に高いものであっても4×106V/m以上の電界強度を与えれば静電吸着することが可能である。
グレーディエント力を大きくするために、電極間隔と絶縁層厚みの関係はおおむね10:1〜1:2程度にすることが適当である。これより絶縁層厚みの比率が小さくなると接合後の絶縁層の加工により絶縁層の破損の可能性が著しく高くなる。また絶縁層厚みの比率が大きくなると、不平等電界の傾きが小さくなりグレーディエント力が小さくなり絶縁性ガラス基板の室温での吸着力が低下する。好適なのは電極間隔と絶縁層の関係が3:1〜1:1である。
本発明は絶縁性ガラス基板の静電吸着だけでなく、直流電圧印加の場合は導電性または半導電性基板の静電吸着にも適用できる。このとき、絶縁層の体積抵抗率が1014Ωcm以上のときは主にクーロン力により、1014Ωcm未満ではジョンセンラーベック力による吸着力がグレーディエント力に付加される。
またガラス質素材が石英ガラスの場合、熱膨張係数が著しく小さいため、ヒーター基盤を兼用させることも可能である。したがって静電チャックとしての電極以外に加熱抵抗体を同様の手法により内蔵させればヒーター機能内蔵静電チャックを製作することができる。
この場合も加熱抵抗体は接合温度および体積抵抗率により電極素材のなかから適宜選択することになる。
次に、本発明では、ガラス質基盤に相互に前記指定間隔を置いて配置され、かつ、前記指定幅を有する線状の少なくとも一対の溝を加工する工程と、前記少なくとも一対の溝に前記少なくとも一対の電極を配置する工程と、ガラス質素材が流動可能な程度にまで溶融されて得られる溶融ガラスによって前記ガラス質基盤と前記少なくとも一対の電極を覆い、当該溶融ガラスを固化させることによってガラス質絶縁層を形成する工程と、前記ガラス質絶縁層が所望の厚さになるまで当該ガラス質絶縁層の表面を研磨する工程とを含むことを特徴とする前記のガラス質静電チャックの製造方法を提案している。
図5に、本発明の製造方法を説明するためガラス質静電チャックの模式的な断面図を示した。
まず、図5に示すような電極3が形成されたガラス質基盤を用意する。ここで、ガラス質基盤に溝を加工する工程と、前記溝に電極を配置する工程は、前記した接合によるガラス質静電チャックの製造方法で説明した工程と同様である。
次に、ガラス質基盤と電極を被覆するようにガラス質素材を流動可能な程度にまで溶融して得られた溶融ガラスによってガラス質基盤と電極の表面とを覆い、当該溶融ガラスを固化させることでガラス質絶縁層を形成した。ここで、ガラス質素材が石英ガラスである場合は、石英ガラスを火加工(フレーム加工)で溶かして電極を配置した溝を形成した面の全面溶融したガラス質素材8で覆い、当該ガラス質素材を固化させることでガラス質絶縁層を形成する。このときガラス質絶縁層の厚みが、少なくとも1mm以上の肉厚になるようにする。こうすることによって、ガラス質素材とガラス質基盤が隙間なく融着し一体化する。このときガラス質基盤とガラス質絶縁層との接合界面は目視では確認できず、電極が完全にガラス質素材の中に埋設される。
次に、ガラス質絶縁層が所望の厚さになるまで当該ガラス質絶縁層の表面を研磨する。すなわち、単に固化されたままのガラス質絶縁層の表面は凹凸があるため、電極溝までの距離に注意しながら研削加工および研磨加工をして表面を平滑な面とする。こうすることで、電極がガラス質に内包され電極間の絶縁は接合法と同様に107V/m以上と非常に高くすることができる。
上記は主に石英ガラスによる静電チャックを製作方法を念頭に置いて記載したが、ガラス質素材板とガラス質基盤とを接合するまたは溶融・固化によってガラス質絶縁層を形成する同一のガラス質素材は石英ガラスに限らない。パイレックスガラス(登録商標である。)であっても上記と同様にガラス質素材板とガラス質基盤とを接合するまたは溶融・固化によってガラス質絶縁層を形成することができる。この場合、接合温度または溶融温度を低くできるので、電極素材の選択範囲が広がる。同様にソーダライムガラスや鉛ガラス、高珪酸ガラス(バイコール:商品名)やその他ガラス一般に適用できる。
以上、電極を配置する工程として、ガラス質素材を接合する前に配置する方法を適用する場合について説明したが、電極の線材をガラス質絶縁層とガラス質基盤を接合した後にできる空間に挿入することによって電極を形成する方法も適用できる。
この方法は、特に、接合や溶接温度が高く適切な電極素材が見当たらないときに有効な手段となる。この場合、絶縁層に溝を形成後、基盤と接合し、接合体の側面より複数の線材を挿入することになる。線材は片方の端部を各々溶接等により結合することによりくしの歯状の電極を形成することができる。
ここで、本発明のガラス質静電チャックは、電極の間隔は50μm以上500μm未満であり、電極の幅は50μm以上2000μm未満であり、ガラス質絶縁層の厚みは50μm以上500μm未満であることが好ましい。
その理由は、このような構成にすることにより、体積抵抗率の非常に高い絶縁性ガラス基板を室温で吸着するときに充分なグレーディエント力を発揮させられることができるからである。即ち、電極の間隔が50μm未満、あるいは、電極の幅が50μm未満、あるいは、ガラス質絶縁層の厚みが50μm未満の場合は、グレーディエント力を発生させるために必要な不平等電界の領域が電極近傍のわずかな領域にしか作用しないため吸着した絶縁性ガラス基板に充分なグレーディエント力を発揮することができない。また、電極の間隔が500μm以上、あるいは、電極の幅が2000μm以上、あるいは、ガラス質絶縁層の厚みが500μm以上である場合も、不平等電界の傾きが小さくなり充分なグレーディエント力を発揮することができないため好ましくない。
また、本発明のガラス質静電チャックは、電極間に負荷する電界が、1×106V/m以上5×107V/m未満であることが好ましい。
その理由は、電極間に負荷する電界が、1×106V/m未満と小さいと高電界が必要な絶縁性のガラス基板を室温で静電吸着することができなくなるからである。また、電極間に負荷する電界が、5×107V/m以上と大きくすると、電極間のリーク電流が無視できなくなるとともに絶縁破壊が起こり得て、ガラス基板を室温で静電吸着することができなくなり好ましくないからである。
(実施例1)
表1に記載したガラス質素材と電極素材を用い、前記した接合による一体化でガラス質静電チャックを製造する方法について説明する。
まず、ガラス質素材板(寸法:φ200×2mmt)にマスクをしたのちにエッチング、サンドブラストを適用して溝を加工した。前記溝に電極を配置する工程では、電極は、製膜法により厚みは0.5〜2μmの電極を形成した。電極幅および電極間隔は0.45mmと統一した。電極構造は図1のような一対の電極構造に統一し、電極パッドの寸法はφ8mmとし外部電極との接続用のため片側端面にM3のネジ穴を設けた。
次に、ガラス質基盤(寸法:φ200×5mmt)とガラス質素材板の接合面は、面粗さ(JIS規定の中心線平均粗さRa)が0.1μm以下となるように研磨仕上げした。
次に、ガラス質素材板とガラス質基盤とを間に電極が具備されるように接合面同士を合わせて表1に示した温度で接合した。ガラス質素材板とガラス質基盤とは、互いに融着していて、両者の間には隙間や接合界面が目視では確認できなかった。
次に、ガラス質素材板の表面を研磨して、ガラス質絶縁層の厚みが0.25mmとなるようにした。
ここで、電極端子の接着はφ8mmSUS端子を導電性接着剤で接着、120℃30分硬化とした。また、電極端子の位置はPCD160mmの位置に2等配とした。
以上のようにして、ガラス質絶縁層と前記ガラス質基盤とが同一素材からなり、かつ、接合により実質的に一体化したガラス質静電チャックを製造した。
(吸着力の評価)
測定環境は大気中(クリーンルームクラス1000)とし、電極端子間電位差は直流電圧および交流電圧(50Hz)の10KVを印加した。
吸着物は絶縁性ガラス基板である旭ガラス製ソーダライムガラス(商品番号:PD200、厚み0.7mm)を用いた。
吸着力の評価判定は、吸着物を静電吸着させた後、プッシュプルゲージを用い、吸着物である絶縁性ガラス基板の側面を横方向から押し、吸着物がずれるときのプッシュプルゲージの値を読み、吸着面積あたりに換算した静止摩擦力に相当する値を求める方法により行った。
目安として静止摩擦力として0.2gf/cm2(垂直方向の吸着力に換算すると摩擦係数を約0.2として約1gf/cm2に相当)以上の値が得られれば、吸着物を良好に静電吸着できている(表中で○と評価した。)と判定した。
Figure 0004757839
表1より、本発明によるガラス質静電チャックを用いれば、体積抵抗率の非常に高い絶縁性ガラス基板であっても室温においても静電吸着することができることが確認できた。また、電極素材としては、耐酸化性の大きい電極素材を用いればよいことが確認された。
(実施例2)
表2に記載したガラス質素材からなるガラス質基盤(寸法:200×5mmt)に溝を加工して、溝に電極を配置した。ここで、ガラス質基盤に溝を加工する工程と、前記溝に電極を配置する工程は、前記した接合によるガラス質静電チャックの製造方法で説明した工程と同様である。また、用いた電極素材及び、その電極厚み、電極幅、電極間隔は表2に記した通りである。
次にガラス質素材を溶融した溶融ガラスをガラス質基盤と電極の表面とを覆い、当該溶融ガラスを固化させることでガラス質絶縁層を形成し、ガラス質絶縁層と前記ガラス質基盤とが同一素材からなり、かつ、実質的に一体化したガラス質静電チャックを作製した。なお、溶融温度は、表1の同一素材(ガラス質素材と電極素材)における接合温度と同一の温度で行った。次に、溶融ガラスの固化により形成されたガラス質絶縁層の表面を研磨して表2に記載した厚みのガラス質絶縁層とした。
このようにして得られたガラス質静電チャックのガラス質絶縁層とガラス質基盤とは、互いに融着していて、両者の間には隙間や接合界面が目視では確認できなかった。
Figure 0004757839
得られたガラス質静電チャックの吸着力の評価を接合法により得られたガラス質静電チャックと同様に評価した。表2より、溶融ガラスの固化によりガラス質絶縁層を形成する方法によっても絶縁性ガラス基板を良好に静電吸着することができるガラス質静電チャックが得られることが確認できた。また、電極間隔、電極幅および絶縁層厚みに関して一定の制約が確認された。
すなわち、前記したように、本発明のガラス質静電チャックは、電極の間隔は50μm以上500μm未満であり、電極の幅は50μm以上2000μm未満であり、ガラス質絶縁層の厚みは50μm以上500μm未満であることが好ましいことが分かった。
ガラス質素材板の裏面図である。 ガラス質素材板の断面図である。 ガラス質基盤の平面図である。 ガラス質静電チャックの模式的な断面図である。 溶融ガラスの固化により得られたガラス質静電チャックの模式的な断面図である。
符号の説明
1…ガラス質素材板、2…電極パッド、3…電極、4…ガラス質基盤、5…貫通穴、6…端子、7…ガラス質絶縁層、8…溶融したガラス質素材。

Claims (3)

  1. ガラス質絶縁層とガラス質基盤との間に、相互に指定間隔を置いて配置され、かつ、指定幅を有する線状の少なくとも一対の電極を具備するとともに、前記少なくとも一対の電極に電圧が印加されることにより生じるグレーディエント力によって絶縁性基板を吸着するガラス質静電チャックであって、前記ガラス質絶縁層と前記ガラス質基盤とが同一素材からなり、かつ、実質的に一体化してなり、前記指定間隔は50μm以上500μm未満であり、前記指定幅は50μm以上2000μm未満であることを特徴とするガラス質静電チャック。
  2. 請求項1記載のガラス質静電チャックの製造方法であって、
    ガラス質絶縁層となるガラス質素材板に相互に前記指定間隔を置いて配置され、かつ、前記指定幅を有する線状の少なくとも一対の溝を加工する工程と、前記少なくとも一対の溝に前記少なくとも一対の電極を配置する工程と、前記ガラス質素材板とガラス質基盤とを間に前記少なくとも一対の電極が具備されるように接合する工程と、前記ガラス質素材板の表面を研磨して所望の厚みのガラス質絶縁層となす工程と、を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載のガラス質静電チャックの製造方法であって、
    ガラス質基盤に相互に前記指定間隔を置いて配置され、かつ、前記指定幅を有する線状の少なくとも一対の溝を加工する工程と、前記少なくとも一対の溝に前記少なくとも一対の電極を配置する工程と、ガラス質素材が流動可能な程度にまで溶融されて得られる溶融ガラスによって前記ガラス質基盤と前記少なくとも一対の電極を覆い、当該溶融ガラスを固化させることによってガラス質絶縁層を形成する工程と、前記ガラス質絶縁層が所望の厚さになるまで当該ガラス質絶縁層の表面を研磨する工程とを含むことを特徴とする方法。
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