JP2001069771A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JP2001069771A
JP2001069771A JP24664099A JP24664099A JP2001069771A JP 2001069771 A JP2001069771 A JP 2001069771A JP 24664099 A JP24664099 A JP 24664099A JP 24664099 A JP24664099 A JP 24664099A JP 2001069771 A JP2001069771 A JP 2001069771A
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Shigenobu Nakamura
成信 中村
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温の使用環境下、高い印加電界で高速で連続
駆動させる場合においても、外部電極と内部電極が断線
することなく高耐久性を備えた積層型圧電アクチュエー
タを提供する。 【解決手段】導電性セラミックス、金属酸化物、又は周
期律表第6族〜第9族金属及びその合金の少なくとも1
種以上からなる導電剤を15〜80体積%と、残部がマ
トリックスとして5%重量減少温度250℃以上の樹脂
からなる導電性耐熱接着剤4aにて外部電極4を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用燃料噴射
弁、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動
素子等に用いられる積層型圧電アクチュエータに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電歪効果を利用して大きな変
位量を得るために、圧電体と内部電極層を交互に積層し
た積層型圧電アクチュエータが提案されている。積層型
圧電アクチュエータには、同時焼成タイプと圧電磁器と
内部電極板を交互に積層したスタックタイプの2種類に
分類されており、低電圧化、製造コスト低減の面から考
慮すると、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータ
が薄層化に対して有利であるために、その優位性を示し
つつある。
【0003】図5に、従来の積層型圧電アクチュエータ
の構造を示した。図のように圧電体1と内部電極2が交
互に積層され、その積層方向最外層は不活性層5として
いる。内部電極2はその一方の端部が左右交互に絶縁体
9で被覆され、その上から外部電極導体10が内部電極
2と左右各々1層置きに導通するように形成されてい
る。外部電極導体10上には、さらにリード線6が半田
7により固定されている。
【0004】同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエー
タとして、例えば、特開平4−237172号公報に
は、アクチュエータ本体の側面に露出した内部電極の端
部に一層おきにガラスからなる絶縁層を被覆し、Ni、
Ag等の耐酸化性良好な金属からなる外部電極には、絶
縁層と同じピッチで、かつ絶縁層の断面よりやや大きい
凹部を形成し、この凹部内に絶縁層を収容するようにし
て、かつ、凹部間の凸部に、絶縁層が形成されていない
内部電極の端部を導電剤+ガラスフリット等からなる導
電性接着剤で接着することにより、外部電極と一方の内
部電極との電気的接続を確保し、他方の内部電極との絶
縁性を確保した積層型圧電アクチュエータが開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、小型の圧電アクチュエータで大きな圧力下におい
て大きな変位量を確保するため、より高い電界を印加
し、長期間連続駆動させることが行われているが、高電
界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合、圧電体間に
形成された内部電極と正極、負極用の外部電極との間で
剥離が発生し、一部の圧電体に電圧が供給されなくな
り、駆動中に変位特性が変化するという問題があった。
【0006】また、特開平4−237172号公報に開
示された積層型圧電アクチュエータでは、アクチュエー
タ本体の側面に露出した内部電極の端部には一層おきに
ガラスからなる絶縁層が被覆され、内部電極とその両側
の圧電体が強固に接合されており、この絶縁層が外部電
極の凹部内に収容されて、外部電極と内部電極との絶縁
性が確保されていたので、高電界、高圧力下で長期間連
続駆動させた場合、ガラス等からなる絶縁層に割れが生
じ、この割れを介して内部電極と外部電極との間でショ
ートし、一部の圧電体に電圧が供給されなくなり、駆動
中に変位特性が変化するという問題があった。
【0007】即ち、アクチュエータ本体は、圧電体と内
部電極との積層方向に伸縮するため、内部電極の端部お
よびその近傍の圧電体に設けられた高ヤング率のガラス
からなる絶縁層が、長期間連続駆動による伸縮動作に耐
えきれずに破壊され、この破壊部分を介して内部電極と
外部電極間でショートが発生し易いという問題があっ
た。
【0008】そこで、特開昭63−153870号公報
に開示された積層型圧電アクチュエータにおいては、ア
クチュエータ本体の側面に露出した内部電極端部と外部
電極とを、フレキシブルな合成樹脂と導電性フィラーか
らなる導電性接着剤により接続している。この場合、導
電性接着剤にフレキシブルな樹脂を用いることにより、
アクチュエータ本体が伸縮動作する際に、該導電性接着
剤が割れるといった不具合が生じることを防いでいる
が、自動車用燃料噴射弁等、高温で使用される場合にお
いては、該導電性接着剤に用いられている樹脂の耐熱性
が低いために該樹脂が硬化し、アクチュエータ駆動中に
内部電極と外部電極が断線し、変位特性が変化するとい
った問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、複数
の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなり、各
内部電極を一層おきに相対する極をもつ同一の外部電極
に接続させてなる積層型圧電アクチュエータにおいて、
前記外部電極を導電性耐熱接着剤で形成し、該導電性耐
熱接着剤が、導電性セラミックス、金属酸化物、又は周
期律表第6族〜第9族金属及びその合金の少なくとも1
種以上からなる導電剤を15〜80体積%と、残部がマ
トリックスとして5%重量減少温度250℃以上の樹脂
からなることを特徴としている。
【0010】即ち、マトリックスとして5%重量減少温
度が250℃以上の耐熱性樹脂を用いた導電性耐熱接着
剤で外部電極を形成することにより、高温での使用に際
して強い接着力を維持することが可能となり、高温の使
用環境下、高い印加電界で高速で連続駆動させる場合に
おいても、外部電極と内部電極が断線することなく高耐
久性を備えた積層型圧電アクチュエータを提供すること
ができる。
【0011】また、該導電性耐熱接着剤に混合する導電
剤の種類及びその混合量を変えることによって、望みと
する比抵抗をもった導電性接着剤で外部電極を形成する
ことができる。
【0012】なお、該導電性耐熱接着剤中の導電剤の含
有量を15〜80体積%としたのは、導電剤の含有量が
15体積%未満の場合には、導電剤粒子間の接触が困難
になるため、該導電性耐熱接着剤の比抵抗が大きくな
り、電流を流した際に該外部電極部分で局所発熱をして
しまうからである。一方、導電剤の含有量を80体積%
よりも多くすると、接着を担うマトリックス成分の含有
量が相対的に少なくなるため、高い接着強度を維持でき
なくなり、内部電極と外部電極とが断線してしまう恐れ
があるからである。
【0013】また本発明は、上記導電性耐熱接着剤のマ
トリックスとして用いる樹脂の弾性率が2000kgf
/mm2 以下で且つ、伸度が10%以上であることを特
徴としている。即ち、外部電極を形成する導電性耐熱接
着剤のマトリックス成分である樹脂の弾性率を2000
kgf/mm2 以下、伸度を10%以上とすることによ
り、該導電性耐熱接着剤と熱膨張の異なる圧電体及び内
部電極と接合する際において発生する応力、及び、該ア
クチュエータの駆動時に生じる応力を吸収することがで
き、駆動時に内部電極と外部電極が断線するといった問
題が生じるのを防ぐことができる。
【0014】さらに本発明では、上記導電性耐熱接着剤
のマトリックスとして用いる樹脂が、ポリイミドやポリ
アミドイミドなどのイミド結合を有する樹脂であること
を特徴としている。即ち、樹脂の中でも特に耐熱性に優
れたポリイミドやポリアミドイミドなどのイミド結合を
有する樹脂をマトリックスとした導電性耐熱接着剤を外
部電極に用いることにより、高温での耐久性に優れたア
クチュエータを得ることができる。
【0015】また本発明では、上記導電性耐熱接着剤の
マトリックスとして用いる樹脂が熱可塑性を有し、ガラ
ス転移温度が180℃以上であることを特徴としてい
る。即ち、マトリックスとして用いる樹脂を熱可塑性樹
脂とすることにより、高温での連続使用はもちろん、低
温と高温の間でのヒートサイクルの条件下でも、圧電体
及び内部電極との熱膨張差から生じる応力を吸収し、高
強度を維持することができる。
【0016】さらに本発明では、上記導電性耐熱接着剤
で薄板状の導電部材を接合し、これら導電性部材を接合
し、これら導電性耐熱接着剤と導電部材で上記外部電極
を構成したことを特徴としている。即ち、耐熱性、及
び、応力吸収性に優れ導電性耐熱接着剤を用いて内部電
極と前記導電部材を接合することにより、高温の使用環
境下、高い印加電界で高速で連続駆動させる場合におい
ても、外部電極と内部電極が断線することなく高耐久性
を備えた積層型圧電アクチュエータを提供することがき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図によ
って説明する。図1は本発明において、導電性耐熱接着
剤4aを外部電極4として用いた積層型圧電アクチュエ
ータの実施例の斜視図であり、図2は図1のA−A’線
断面図である。
【0018】図1、2に示すように、本発明の積層型圧
電アクチュエータは、複数の圧電体1と複数の内部電極
2とを交互に積層してなるアクチュエータ本体の少なく
とも2つの側面において、内部電極2の端部に1層おき
に絶縁体3を形成し、絶縁体3を形成していない内部電
極2の端部を同一の外部電極4に接続してなる。
【0019】前記圧電体1は、例えば、チタン酸ジルコ
ン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3 (以下PZTと略す)或
いは、チタン酸バリウムBaTiO3 を主成分とする圧
電セラミック材料などが使用されるが、これらに限定さ
れるものではなく、圧電性を有するセラミックスであれ
ば何れでも良い。なお、この圧電体材料としては、圧電
歪み定数d33が高いものが望ましい。また、圧電体1の
厚み、つまり内部電極2間の距離は、小型化および高い
電界を印加するという点から0.05〜0.25mmで
あることが望ましい。
【0020】内部電極2は、アクチュエータ本体の全て
の側面に露出しているが、そのうち2つの側面におい
て、内部電極2端部を含む圧電体1の端部1層おきに溝
が形成され、該溝部にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等の絶
縁体3が充填されている。なお、該絶縁体3は低ヤング
率の材質、例えばシリコーンゴム等が好ましい。このよ
うに、内部電極2は互い違いに1層おきに絶縁され、絶
縁されていない内部電極2の他方の端面は、本発明の導
電性耐熱接着剤4aにて正極及び負極の外部電極4が形
成され、該外部電極4端部には半田取り付け部材8が固
定されており、さらにその上にリード線6が半田7によ
り固定されている。
【0021】前記外部電極4は、導電性セラミックス、
金属酸化物、又は周期律表第6族〜第9族金属及びその
合金の少なくとも1種以上からなる導電剤を15〜80
体積%と、残部がマトリックスとして5%重量減少温度
250℃以上の樹脂からなる導電性耐熱接着剤4aから
なる。
【0022】まず、該導電性耐熱接着剤4aのマトリッ
クスについては、5%重量減少温度が250℃以上の有
機樹脂を用いることを特徴としている。これは、一般に
樹脂の耐熱性は5%(若しくは3%ないし10%)重量
減少温度で評価され、使用温度的に最も厳しい環境の1
つである自動車用燃料噴射弁に用いられる場合等を考慮
すると、少なくとも250℃以上の5%重量減少温度を
もつ樹脂を用いた場合に十分な高温耐久性が得られるか
らである。
【0023】ここで簡単に、樹脂の5%重量減少温度の
測定方法について説明する。まず、使用前の形態がワニ
ス状の樹脂である場合は、予め溶剤分の蒸発と樹脂の硬
化を完了させておく。そして、5%重量減少温度の測定
には一般的には熱重量分析法(TG)が用いられる。即
ち、大気中で一定の昇温速度(1〜10℃/分)で試料
となる樹脂を昇温させ、そのときの重量を逐次測定して
おく。そして、初期の重量に対して5%の重量が減少し
た時点の温度がその樹脂の5%重量減少温度である。こ
のように測定した5%重量減少温度が250℃以上の樹
脂を導電性耐熱接着剤4aのマトリックスとして用いる
ことにより、高温での耐久性に優れた外部電極4を形成
することができる。
【0024】また、導電剤の含有比率は、マトリックス
樹脂の固形分に対して15〜80体積%にすることが望
ましい。その理由は、導電性耐熱接着剤4a中に含まれ
る導電剤の含有量が15体積%より少ない場合は、導電
剤粒子間の接触が困難になり、該導電性耐熱接着剤4a
の比抵抗が大きくなり、電圧を印加した際に該導電性接
着剤4a部分で局所発熱をしてしまう恐れがあるからで
ある。一方、導電剤の含有量を80体積%より多くする
と、接着を担っているマトリックス成分の含有量が相対
的に少なくなるため、高強度を維持できなくなるからで
ある。また、導電剤の含有量が80体積%より多い場合
には接着剤のペースト性が悪くなるといった問題も生じ
てくる。こういった理由から、導電剤の含有量を接着剤
固形分に対して15〜80体積%とすることが良い。
【0025】導電剤としては、Ag、Pd、Ni等の耐
酸化性良好な金属や、WC、TiN等の金属炭化物や窒
化物、RuO2 等の金属酸化物、もしくはこれらの合金
や混合物を用いても構わない。また、マトリックス樹脂
に充填する導電剤粉末の粒子形状は針状やフレーク状な
どの非球形の粉末であることが望ましい。これは、導電
剤粒子の形状を針状やフレーク状などの非球形にするこ
とにより、略球形の場合よりも導電剤粒子同士の絡み合
いが大きくなり、結果として、該接着剤の剪断強度を大
きく向上させることができるからである。但し、非球形
粉末に対し、略球形粉末を併用しても構わない。
【0026】さらに、本発明の導電性耐熱接着剤4aは
従来の導電材+ガラスフリット等からなる導電性ペース
トの場合とは異なり、比較的低温にて焼き付けが可能な
ため、内部電極2端部を含む圧電体1の端部1層おきに
形成した溝部に充填したシリコーンゴム等の絶縁体3が
熱劣化するのを防ぐことができる。
【0027】また、本発明は、導電性耐熱接着剤4aの
マトリックスとして用いる樹脂の弾性率が2000kg
f/mm2 以下で、伸度が10%以上であることを特徴
としている。これは、弾性率を2000kgf/mm2
以下、伸度を10%以上とすることにより、該導電性耐
熱接着剤4aと熱膨張の異なる圧電体1及び内部電極2
と接合する際において発生する応力、及び、該アクチュ
エータの駆動時に圧電体1の伸縮によって生じる応力を
吸収することができ、駆動時に内部電極2と外部電極4
が断線するといった問題が生じるのを防ぐことができ、
連続駆動における信頼性を大幅に向上させることができ
る。
【0028】さらに本発明では、上記導電性耐熱接着剤
4aのマトリックスとして用いる樹脂がポリイミドやポ
リアミドイミドなどのイミド結合を有する有機樹脂であ
ることを特徴としている。これは、有機樹脂の中でポリ
イミドやポリアミドイミドなどのようにイミド結合を有
する分子構造の樹脂が特に耐熱性に優れているからで、
このような耐熱性に優れた有機樹脂をマトリックスとす
ることにより、耐熱性に優れた導電性耐熱接着剤4aを
形成することができるからである。
【0029】また本発明では、上記導電性耐熱接着剤4
aのマトリックスとして用いる樹脂が熱可塑性を有し、
ガラス転移温度が180℃以上であることを特徴として
いる。まず、マトリックスとして用いる樹脂を熱可塑性
の樹脂とすることにより、アクチュエータの使用環境が
ヒートサイクル的な条件下であった場合において、熱膨
張の違いによって生じる応力の吸収性を大幅に向上する
ことができる。
【0030】また、一般には、ガラス転移点以上の温度
での使用は、樹脂の強度は著しく低下するため、本発明
における導電性耐熱接着剤4aのマトリックスとして用
いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、温度環境的に厳
しい自動車用燃料噴射弁等に用いられる場合の環境を考
慮して、180℃以上とすることが望ましい。
【0031】また、アクチュエータ本体の積層方向の両
端面には、アクチュエータ本体を機械的に保持し、発生
する力を外部へ伝達するための不活性部5が積層され、
接合されている。さらに、図示されてはいないが、外部
電極4の外側全体をシリコーンゴム等の絶縁被覆材によ
って被覆することにより、外部からの水分の進入を防ぐ
ことができ、内部及び外部電極部材間のエレクトロマイ
グレーションの発生を抑制し、電極接続の信頼性を確保
することができる。
【0032】そして、一対の前記リード線6に0〜20
0Vの交流電圧を印加すると、積層数に応じて数十μm
単位で積層方向に伸縮するような動作をさせることが可
能となる。この特性を利用して、本発明のアクチュエー
タを例えば自動車用燃料噴射弁、光学装置の精密位置決
め装置や振動防止用の駆動素子等に使用することができ
る。
【0033】以上のように構成された積層型圧電アクチ
ュエータは、以下のプロセスにより製造される。先ず、
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3 などの圧
電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバ
インダーと、可塑剤とを混合したスラリーを調製し、ス
リップキャステイング法により、厚み50〜250μm
のセラミックグリーンシートを作製する。
【0034】このグリーンシートの片面に内部電極2と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により1〜10μmの厚みに印刷する。
この導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが
塗布された複数のグリーンシートを所定の枚数だけ積層
し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペースト
が塗布されていないグリーンシートを積層する。
【0035】次に、この積層体を50〜200℃で加熱
を行いながら加圧を行い、積層体を一体化する。一体化
された積層体は所定の大きさに切断された後、400〜
800℃で5〜40時間の脱バインダが行われ、900
〜1200℃で2〜5時間の本焼成が行われ、アクチュ
エータ本体となる積層焼結体を得る。このアクチュエー
タ本体の側面には、内部電極2の端部が露出している。
【0036】その後、該アクチュエータ本体の2つの側
面において、内部電極2端部を含む圧電体1の端部に該
2側面において互い違いになるように、1層おきに深さ
50〜500μm、積層方向の幅50〜300μmの溝
を形成し、該溝部にシリコーンゴム等の絶縁体3を充填
する。以上のように、内部電極2は互い違いに1層おき
に絶縁され、交互に同一の外部電極4に接続される。
【0037】外部電極4の形成方法を、本発明の導電性
耐熱接着剤4aのマトリックスとしてポリイミドを用い
た場合について説明する。まず、該接着剤のマトリック
スとして用いるポリイミド樹脂は、濃硫酸以外には溶解
しない難溶解性の樹脂である。そのため、ポリイミドの
前駆体であるポリアッミク酸を適当な溶媒、例えば、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)やテトラヒドロフ
ラン(THF)などに溶解させ、ワニス状にする。この
ワニスに望みとする体積分率で導電剤をを混合、混練
し、ペースト状にする。なお、混練の際には、3本ロー
ラーミル等の混練機を用いるのが望ましい。また、該導
電性耐熱接着剤4a中に含有する導電剤としては、上述
のように様々なものを用いることができるが、特にニッ
ケル、銀、白金、金などの周期律表第6〜9族の比較的
体積固有抵抗の低い金属粉末を用いることが望ましい。
【0038】上記のようにして作製した接着剤ペースト
を、外部電極4を形成する所定の位置に塗布し、室温〜
400℃の空気中または窒素雰囲気中で溶媒を蒸発させ
るとともに、硬化反応を起こさせることにより、耐熱
性、ヒートサイクル性、接着性に優れた外部電極4を形
成することができる。また、外部電極4として薄板状の
導電部材4bを用いる場合には、予め塗布しておいた導
電性耐熱接着剤4aに導電部材4bを密着させた状態
で、上記と同様ポリイミドを加熱硬化させることによ
り、外部電極4を形成することができる。
【0039】前記導電性耐熱接着剤4aの厚みは、10
〜500μm程度であることが好ましい。
【0040】この後、正極用と負極用各々の導電部材4
bにリード線6を接続し、図示しないが、アクチュエー
タの周囲にディッピング等の方法により、シリコーンゴ
ム等の被覆材を被覆する。さらに、正極、負極に0.1
〜3kVの分極電圧を印加し、アクチュエータ全体を分
極処理することで、最終的な積層型圧電アクチュエータ
を得る。
【0041】なお、本発明の積層型圧電アクチュエータ
は、四角柱、六角柱、円柱等、どのような柱体であって
も構わないが、切断加工の容易性から四角柱状が望まし
い。
【0042】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図3は本発明において、導電性耐熱接着剤4aを
用いて外部電極4となる薄板状の導電部材4bと内部電
極2とを接続した場合の積層型圧電アクチュエータの実
施例の斜視図であり、図4は図3のB−B’線断面図で
ある。図3、4では、導電性耐熱接着剤4aに薄板状の
導電部材4bを接合し、両者を併せて外部電極4として
いる。
【0043】即ち、耐熱性、及び、応力吸収性に優れた
導電性耐熱接着剤4aを用いて内部電極2と導電部材4
bを接合することにより、高温の使用環境下、高い印加
電界で高速で連続駆動させる場合においても、外部電極
4と内部電極2が断線することなく高耐久性を備えた積
層型圧電アクチュエータを提供することがきる。また、
万一、導電性耐熱接着剤4aにアクチュエータ本体の伸
縮によってクラックが発生した場合においても、導電部
材4b内部で断線することがないため、さらに高い信頼
性を備えたアクチュエータを提供することができる。
【0044】なお、該薄板状の導電部材4bは、メッシ
ュ状であっても構わない。
【0045】導電部材4bの材質としては、Ag、N
i、Cu、Al、W、Mo、ステンレス、Fe−Ni−
Co合金等のような金属材料を使用することが可能であ
る。また、前記導電部材の厚みは、20〜200μm程
度のものを用いることが好ましい。
【0046】
【実施例】実施例1 以下、本発明で用いる導電性耐熱接着剤の実施例を説明
する。マトリックスとして5%重量減少温度が300℃
のポリイミド樹脂を、導電剤として銀粉末を用い、この
銀粉末の含有率を変化させて作製した導電性耐熱接着剤
について、比抵抗と接着強度を測定した。なお、接着強
度については、該導電性耐熱接着剤をPZTからなる圧
電板に接着し、接着方向と垂直方向に引っ張り試験を行
い、オートグラフにより測定を行った。結果を表1に示
した。
【0047】
【表1】
【0048】結果は表1に示す通りで、導電剤の含有量
が15体積%未満の場合には、該導電性接着剤の比抵抗
が高くなりすぎ、外部電極としては使用できない。一
方、導電剤の含有量が80体積%より多い場合には、相
対的にマトリックス成分である樹脂分が少なくなるた
め、PZT圧電板との接着強度が弱くなってしまう。こ
れに対し、本発明の請求範囲にあるように導電剤の含有
量を15〜80体積%の範囲にしておけば、比抵抗、接
着強度の両面で問題がないことが分かる。
【0049】また、導電剤として銀粉末以外に表2に示
す材料を用いて、含有量40体積%としたときの比抵抗
を測定した。これらの導電剤についても、上記と同様に
含有量を15〜80体積%の範囲としておけば、導電
性、接着性に優れた導電性耐熱接着剤を得られることが
確認された。
【0050】
【表2】
【0051】次に、マトリックスとして5%重量減少温
度の異なる数種の樹脂を用いて、導電性耐熱接着剤を作
製し、PZT圧電体との接着強度を200℃に所定の時
間放置した後、測定した。なお、導電剤としては銀粉末
を40体積%の割合で含有させた。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】表3に示したように、5%重量減少温度が
250℃より低い場合には、高温の環境下での使用にお
いては、十分な強度が維持できないことが分かる。これ
に対し、本発明の請求範囲に示したように、5%重量減
少温度が250℃以上の樹脂を用いてマトリックスを形
成した場合には、高温環境下においても十分な接着強度
を維持することができることが分かる。
【0054】実施例2 さらに、マトリックスとして5%重量減少温度が300
℃のポリイミド樹脂を、導電剤として40体積%の銀粉
末を用いた導電性耐熱接着剤4aにて外部電極4を形成
した図1に示す積層型圧電アクチュエータを作製した。
なお、圧電体1には厚み100μmのPZTを、内部電
極2には厚み3μmの銀・パラジウムを用い、積層数は
300とした。また、内部電極2端部を含む圧電体1の
端部の1層おきに形成した溝部には、絶縁体3としてシ
リコーンゴムを充填した。
【0055】得られた積層型圧電アクチュエータに20
0Vの直流電圧を印加した結果、50μmの変位が得ら
れた。さらに、このアクチュエータに0〜+200Vの
交流電界を50Hzの周波数にて印加し、駆動試験を行
った結果、5×108 サイクルまで50μm変位を維持
した。さらに、本発明の積層型圧電アクチュエータを2
00℃の環境雰囲気中で200Vの交流電圧を50Hz
の周波数にて5×108 サイクル印加した場合でも、放
電、破損等は全く生じず、初期と同等の変位を維持して
いた。
【0056】実施例3 上記実施例2とは別に、5%重量減少温度の異なる数種
の樹脂をマトリックスに用い、導電剤としては銀粉末を
用い、その含有量を数種変化させて作製した導電性耐熱
接着剤4aにて外部電極4を形成した上記実施例2と同
じ構成の積層型圧電アクチュエータを作製した。得られ
た積層型圧電アクチュエータについて、200℃の環境
雰囲気中で200Vの交流電圧を50Hzの周波数にて
印加し、駆動試験を行った。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】サンプルNo.1のアクチュエータの場
合、1×105 サイクル後にその変位量を確認したとこ
ろ、初期の約半分の変位量しか得られていなかった。こ
れは、外部電極4を形成する導電性耐熱接着剤4aのマ
トリックス樹脂の5%重量減少温度が250℃より低い
ために、高温での雰囲気中で接着強度を維持することが
できずに、一部の内部電極2との間に剥離が生じ、一部
の圧電体1に電圧が供給されなかったためである。
【0059】また、サンプルNo.2のアクチュエータ
の場合、2×102 サイクルの時点で、外部電極4で局
所発熱が起きていることが確認された。これは、外部電
極4を形成している導電性耐熱接着剤中4aの導電剤の
含有量が15体積%より少ないために、該導電性耐熱接
着剤4a中の導電剤粒子間の接触が困難となり、その結
果、該導電性耐熱接着剤4aの比抵抗が増大したため
に、局所発熱が生じたものである。
【0060】さらに、サンプルNo.3のアクチュエー
タの場合、5×104 サイクルで、外部電極4が脱落し
ていることが確認された。これは、外部電極4を形成す
る導電性耐熱接着剤4a中に含まれる導電剤の量が80
体積%よりも多いために、接着を担っているマトリック
ス成分の量が十分ではなく、その結果、駆動サイクル中
に外部電極4がアクチュエータ本体から脱落してしまっ
たものである。
【0061】一方、サンプルNo.4、5及び6は、本
発明の請求範囲で示したように、外部電極4を形成する
導電性耐熱接着剤4aのマトリックス樹脂の5%重量減
少温度が250℃以上で、且つ、該導電性耐熱接着剤4
a中の導電剤の含有率が15〜80体積%であるため
に、高温の使用環境下、高い印加電界で高速で連続駆動
させる場合においても、外部電極4と内部電極2が断線
したり、外部電極4が局所発熱したりすることなく、高
耐久性を備えていることが分かる。
【0062】実施例4 次に、マトリックスとして用いる5%重量減少温度が2
50℃以上の樹脂の弾性率と伸度を数種変化させたもの
を用いてて作製した導電性耐熱接着剤4aにて外部電極
4を形成した上記実施例2と同じ構成の積層型圧電アク
チュエータを作製した。なお、導電剤には40体積%の
銀粉末を用いた。得られた積層型圧電アクチュエータに
ついて、印加する交流電界の強さを200V、250
V、300Vと変化させて、各々の電圧における周波数
は50Hzにて駆動試験を行った。結果を表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】サンプルNo.7、8、9のアクチュエー
タの場合、外部電極4を形成する導電性耐熱接着剤4a
のマトリックス成分である樹脂の弾性率が2000kg
f/mm2 より大きいか、若しくは、該樹脂の伸度が1
0%未満であるため、200Vでの駆動時には問題はな
いが、駆動電界を大きくしていった場合、即ち、アクチ
ュエータ本体の変位量が大きくなった場合に、アクチュ
エータ本体の伸縮に該導電性耐熱接着剤4aが追従でき
ず、駆動中に該導電性耐熱接着剤4aに割れを生じ、該
外部電極4が断線するといった不具合が生じている。
【0065】一方、サンプルNo.10、11は、本発
明の請求範囲で示したように、外部電極4を形成する導
電性耐熱接着剤4aのマトリックス樹脂の弾性率が20
00kgf/mm2 で、且つ、伸度が10%以上である
ため、駆動電界を大きくしていった場合、即ち、アクチ
ュエータ本体の変位量が大きくなった場合においても、
アクチュエータ本体の伸縮に該導電性耐熱接着剤4aが
十分に追従し、駆動中に外部電極4が脱落したり、断線
したりするといった問題が生じていないことが分かる。
【0066】実施例5 次に、外部電極4を形成する導電性耐熱接着剤4aのマ
トリックスとして5重量%減少温度が250℃以上の樹
脂の種類を変えて、上記実施例2と同じ構成の積層型圧
電アクチュエータを作製した。なお、このときの導電剤
には40体積%の銀粉末を用いた。得られた積層型圧電
アクチュエータについて、200℃、250℃、300
℃の温度雰囲気において、200Vの交流電圧を50H
zの周波数にて印加し、駆動試験を行った。
【0067】結果は表6に示した。
【0068】
【表6】
【0069】表6に示したように、外部電極4を形成す
る導電性耐熱接着剤4aのマトリックスとして、No.
14、15に示したシリコーン、エポキシを用いた系で
は、250℃以上における熱サイクルテストで外部電極
の断線が発生した。これに対し、有機樹脂の中でも特に
耐熱性に優れたポリイミドやポリアミドイミド、ビスマ
レイミドなどのイミド結合を有した樹脂を用いたNo.
12、13、16では、さらに耐熱性に優れた積層型圧
電アクチュエータを作製することができることが分か
る。
【0070】実施例6 次に、マトリックスとして用いる樹脂の種類を数種変化
させて作製した導電性耐熱接着剤4aにて外部電極4を
形成した上記実施例2と同じ構成の積層型圧電アクチュ
エータを作製した。なお、このときの導電性耐熱接着剤
4aのマトリックスには5%重量減少温度が250℃以
上の樹脂を、導電剤には40体積%の銀粉末を用いた。
得られた積層型圧電アクチュエータについて、以下のヒ
ートサイクル及び駆動試験を行った。
【0071】手順1:25℃にて200Vの交流電圧を
50Hzの周波数にて印加し、1×103 サイクル駆動
を行う。
【0072】手順2:160℃の雰囲気に5秒で到達さ
せる。
【0073】手順3:160℃にて200Vの交流電圧
を50Hzの周波数にて印加し、1×103 サイクル駆
動を行う。
【0074】手順4:25℃の雰囲気に5秒で到達させ
る。
【0075】以下、手順1→手順2→手順3→手順4→
手順1→…繰り返し 結果を表7に示す。
【0076】
【表7】
【0077】サンプルNo.17の場合、外部電極4を
形成している導電性耐熱接着剤4aのマトリックスとし
て熱硬化性樹脂を用いているために、室温と160℃の
ヒートサイクルにおいて、圧電体1及び内部電極2との
熱膨張差により発生する応力によって該導電性耐熱接着
剤4aに割れが生じている。
【0078】また、サンプルNo.18の場合、外部電
極4を形成している導電性耐熱接着剤4aのマトリック
スにガラス転移温度が150℃の熱可塑性樹脂を用いて
いるために、25℃から160℃の雰囲気に急速で到達
させた場合に、該導電性耐熱接着剤4aのマトリックス
のガラス転移温度を超えてしまうために、該導電性耐熱
接着剤4aの接着強度が減少し、且つ、熱膨張差によっ
て生じる応力によって、一部の内部電極2との界面に剥
離が生じ、一部の圧電体1に電圧が供給されず、変位量
が減少してしまっている。
【0079】一方、サンプルNo.19及び20は、本
発明で規定したように、外部電極4を形成している導電
性耐熱接着剤4aのマトリックスとしてガラス転移温度
が180℃以上の熱可塑性樹脂を用いているので、ヒー
トサイクルによって生じる熱応力を該導電性耐熱接着剤
4aが十分に吸収し、また、ガラス転移点が十分に高い
ために高温での接着強度も維持している。即ち、該導電
性耐熱接着剤4aのマトリックスとして、ガラス転移温
度が180℃以上の熱可塑性樹脂を用いることにより、
高温での耐久性もちろん、ヒートサイクルの条件下にお
いても高耐久性を兼ね備えた積層型圧電アクチュエータ
を提供することができる。
【0080】実施例7 次に、マトリックスとして5%重量減少温度が300℃
のポリイミド樹脂を、導電剤として40体積%の銀粉末
を用いた導電性耐熱接着剤4aにて外部電極4を形成し
た図1に示す積層型圧電アクチュエータ及び、前記導電
性耐熱接着剤4aにて、厚み0.1mmのコバールから
なる薄板状の導電部材4bを内部電極2に一層おきに接
続した図3に示す積層型圧電アクチュエータを作製し
た。なお、圧電体1には厚み100μmのPZTを、内
部電極2には厚み3μmの銀・パラジウムを用い、積層
数は300とした。また、内部電極2端部を含む圧電体
1の端部の1層おきに形成した溝部には、絶縁体3とし
てシリコーンゴムを充填した。得られた積層型圧電アク
チュエータについて、200℃の環境下で250Vの交
流電圧を60Hzの周波数にて印加し、駆動試験を行っ
た。
【0081】結果を表8に示す。
【0082】
【表8】
【0083】図3に示す構成のサンプルNo.22の積
層型圧電アクチュエータにおいては、高温の環境雰囲気
中、高速で連続駆動させた場合において、図1に示す構
造のサンプルNo.21の積層型圧電アクチュエータよ
りもさらに高い耐久性を備えていることが分かる。これ
は、該アクチュエータを過酷な環境下で高速で連続駆動
させ場合に、導電性耐熱接着剤4aにアクチュエータ本
体の伸縮によってクラックが発生した場合においても、
外部電極4を形成する導電部材4bにまでクラックが進
展しないので、導電性耐熱接着剤4aで外部電極4を形
成した図1に示すアクチュエータよりも、さらに高い信
頼性を備えたアクチュエータを提供することができる。
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層型圧電アク
チュエータでは、複数の圧電体と複数の内部電極とを交
互に積層してなり、各内部電極を一層おきに同一の外部
電極に接続させてなる積層型圧電アクチュエータにおい
て、上記外部電極が導電性耐熱接着剤から形成され、該
導電性耐熱接着剤が、導電性セラミックス、金属酸化
物、又は周期律表第6族〜第9族金属及びその合金の少
なくとも1種以上からなる導電剤を15〜80体積%
と、残部がマトリックスとして5%重量減少温度が25
0℃以上である樹脂からなることによって、高温下での
使用に際して強い接着力を維持できるので、高温且つ高
い印加電界で高速で連続駆動させる場合においても、外
部電極と内部電極が断線することなく高耐久性を備えた
積層型圧電アクチュエータを提供することができる。
【0085】また、導電性耐熱接着剤のマトリックスと
して用いる樹脂の弾性率を2000kgf/mm2
下、伸度を10%以上としているため、該導電性耐熱接
着剤と熱膨張の異なる圧電体及び内部電極と接合する際
において発生する応力、及び、該アクチュエータの駆動
時に生じる応力を吸収することができ、駆動時に内部電
極と外部電極が剥離し、一部の圧電体に電圧が供給され
なくなるといった問題が生じるのを防ぐことができる。
【0086】さらに、導電性耐熱接着剤のマトリックス
として、最も耐熱性に優れた樹脂の一つであるポリイミ
ドやポリアミドイミドなどのイミド結合を有する樹脂を
用いることにより、高温での連続使用においても強い接
着力を維持する外部電極を備えた積層型圧電アクチュエ
ータを提供することができる。
【0087】また、導電性耐熱接着剤のマトリックスと
して、ガラス転移温度が180℃以上の熱可塑性樹脂を
用いることにより、耐熱性はもちろん耐ヒートサイクル
性に優れた外部電極を形成することができる。
【0088】さらに、導電性耐熱接着剤で薄板状の導電
部材を接合し、これら導電性部材を接合し、これら導電
性耐熱接着剤と導電部材で上記外部電極を構成すること
により、高温且つ高い印加電界で高速で連続駆動させる
場合においても、外部電極と内部電極が断線することな
く高耐久性を備えた積層型圧電アクチュエータを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータを示す斜視
図である。
【図2】図1中のA−A’線断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示した斜視図である。
【図4】図3中のB−B’線断面図である。
【図5】従来の積層型圧電アクチュエータを示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 :圧電体 2 :内部電極 3 :絶縁体 4 :外部電極 4a:導電性耐熱接着剤 4b:導電部材 5 :不活性部 6 :リード線 7 :半田 8 :半田取り付け部材 9 :絶縁体 10:外部電極導体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に
    積層し、各内部電極を一層おきに相対する極をもつ同一
    の外部電極に接続させてなる積層型圧電アクチュエータ
    において、前記外部電極は、導電性セラミックス、金属
    酸化物、又は周期律表第6族〜第9族金属及びその合金
    の少なくとも1種以上からなる導電剤を15〜80体積
    %、残部がマトリックスとして5%重量減少温度250
    ℃以上の樹脂から成る導電性耐熱接着剤で形成されてい
    ることを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】上記導電性耐熱接着剤のマトリックスとし
    て用いる樹脂の弾性率が2000kgf/cm2 以下
    で、かつ伸度が10%以上であることを特徴とする請求
    項1記載の積層型圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】上記導電性耐熱接着剤のマトリックスとし
    て用いる樹脂が、ポリイミドやポリアミドイミドなどの
    イミド結合を有する樹脂であることを特徴とする請求項
    1記載の積層型圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】上記導電性耐熱接着剤のマトリックスとし
    て用いる樹脂が熱可塑性を有し、ガラス転移温度が18
    0℃以上であることを特徴とする請求項1記載の積層型
    圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】上記導電性耐熱接着剤で薄板状の導電部材
    を接合し、これら導電性耐熱接着剤と導電部材で上記外
    部電極を構成したことを特徴とする請求項1〜4記載の
    積層型圧電アクチュエータ。
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