WO2006112019A1

WO2006112019A1 - ガラス板の孔開け方法及びその装置

Info

Publication number: WO2006112019A1
Application number: PCT/JP2005/007267
Authority: WO
Inventors: Kazuaki Bando
Original assignee: Bando Kiko Co., Ltd.
Priority date: 2005-04-14
Filing date: 2005-04-14
Publication date: 2006-10-26
Also published as: EP1870186B1; US7955033B2; JP4760829B2; EP1870186A1; JPWO2006112019A1; US20090022558A1; US20110222977A1; EP1870186A4; US8740514B2

Abstract

　ガラス板の孔開け装置１は、後述のように、自動車窓等に用いられるガラス板２を吸着し支持する支持部材４４を具備しており、支持部材４４は、ガラス板２を吸着する吸盤４２と、吸盤４２の外側でガラス板２を支持する支持体４１とからなり、支持体４１は、吸盤４２の外側において着脱自在に取り付けられており、支持部材４４は、吸盤４２を中心にしてＲ方向に回転するようになっている。ガラス板の孔開け装置１は、ガラス板２に図７に示す孔３を形成する孔形成手段４と、前記支持部材４４を有していると共に孔形成手段４により孔３を形成すべきガラス板２を支持する支持手段５と、孔３を形成すべきガラス板２を支持手段５に搬送する搬送手段６とを更に具備している。

Description

ガラス板の孔開け方法及びその装置

技術分野

[0001] 本発明は、種々の寸法、形状のガラス板に孔開け（凹所の形成を含む)をするガラス板の孔開け方法及びその装置に関する。

背景技術

[0002] 特許文献 1 :特開平 2— 88109号公報

[0003] 例えば、特許文献 1にお、て示すように、従来のガラス板の孔開け装置は、できるだけ、各種寸法、形状のガラス板の孔開け加工ができるように、円くて小さな支持部材により、ガラス板の中央域を吸着して支持するようになって!/、る。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] ところで、ガラス板力自動車のフロント窓ガラス、リア一窓ガラスのように、薄くて、長方形の大形寸法のものとなると、小さな支持部材により中央域を吸着して支持しても、ガラス板の周囲 (周縁)、特にガラス板の長手方向の両端側が大きく橈み、ガラス板全体として曲がった状態となる。斯カる場合には、歪みが作用した状態のガラス板が孔開け加工を受けることになつてしまい、当該ガラス板に満足な孔開けができない。このため、ガラス板を吸着して支持すると共にガラス板の寸法、形状に応じた支持部材を用意しておき、ガラス板の寸法、形状が替わる都度に支持部材を取替えなければならない。

[0005] 本発明は、上記の不便な作業に鑑みてなされたものである。本発明の目的とするところは、ガラス板を支持 (保持)するところの支持部材を取替えることなぐ各種寸法、形状のガラス板に対して、橈み、特にガラス板の長手方向の両端側の橈みを生じさせることなく支持することができ、満足な孔開け加工が施せるガラス板の孔開け方法及びその装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明のガラス板の孔開け方法では、ガラス板を支持部材上に載置する前工程において、支持部材のガラス板を支持する支持体を、ガラス板が孔開けを受ける姿勢にあるときに橈みの生じるおそれのあるガラス板の部分へ移動させるベぐ支持部材を回転させ、支持部材を回転させた後、孔開けをすべきガラス板を支持部材上に載置して吸着支持し、吸着支持されたガラス板に孔開けをする。このようなガラス板の孔開け方法によれば前記目的を達成できる。

[0007] 本発明のガラス板の孔開け装置は、ガラス板を吸着し支持する支持部材が、ガラス板を吸着する吸盤と、吸盤の外側でガラス板を支持する支持体とからなり、支持体は、吸盤の外側において着脱自在に取り付けられており、支持部材は、吸盤を中心にして回転するようになって!/、る。

[0008] 本発明のガラス板の孔開け装置によれば、支持部材にガラス板を供給する前に、ガラス板が孔開けを受ける姿勢にあるときにおいて橈みの生じるおそれのあるガラス板の部分を支持すベぐ予め支持部材を回転させて、支持体を橈みの生じるおそれのあるガラス板の部分に位置させておき、然る後、ガラス板を供給し、吸着支持し、孔開け力卩ェを行うことができるのである。このため、ガラス板の各種の寸法、形状に応じて種々の寸法、形状の支持部材を用意する必要がなくなり、支持部材を取替える余分な作業が不要となる。また、ガラス板が小さいときは、吸盤の外側の支持体を取外しておけばよい。

[0009] 本発明のガラス板の孔開け装置の好ましい例では、支持体の周縁部における第一の部位力回転手段による支持体の回転軸心までの距離は、第一の部位とは異なる支持体の周縁部における第二の部位力前記回転軸心までの距離に対して異なつている。

[0010] 本発明のガラス板の孔開け装置の好ましい例では、支持部材の周縁形状は、非円形状である。

[0011] 本発明のガラス板の孔開け装置の好ましい例では、支持部材の形状は、細長い形状である。

発明の効果

[0012] 本発明によれば、ガラス板を支持 (保持)するところの支持部材を取替えることなぐ各種寸法、形状のガラス板に対して、橈み、特にガラス板の長手方向の両端側の橈みを生じさせることなく支持することができ、満足な孔開け加工が施せるガラス板の孔開け方法及びその装置を提供し得る。

発明を実施するための最良の形態

[0013] 次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。

尚、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。

[0014] 図 1から図 6において、本例のガラス板の孔開け装置 1は、後述のように、自動車窓等に用いられるガラス板 2を吸着し支持する支持部材 44を具備しており、支持部材 4 4は、ガラス板 2を吸着する吸盤 42と、吸盤 42の外側でガラス板 2を支持する支持体 41と力らなり、支持体 41は、吸盤 42の外側において着脱自在に取り付けられており、支持部材 44は、吸盤 42を中心にして R方向に回転するようになっている。ガラス板の孔開け装置 1は、ガラス板 2に図 7に示す孔 3を形成する孔形成手段 4と、前記支持部材 44を有していると共に孔形成手段 4により孔 3を形成すべきガラス板 2を支持する支持手段 5と、孔 3を形成すべきガラス板 2を支持手段 5に搬送する搬送手段 6とを更に具備している。

[0015] 孔形成手段 4は、孔形成ヘッド 7と、孔形成ヘッド 7をガラス板 2の上面 2aに沿って移動させる移動手段 8とを具備している。移動手段 8は、本例では孔形成ヘッド 7をガラス板 2に対して X方向及び X方向に直交する Y方向に移動させるようになって、る。

[0016] 孔形成ヘッド 7は、ガラス板 2の上面 2aに図 7に示す凹所 11を形成する凹所形成装置 12と、ガラス板 2の下面 2bに凹所 11に連通する図 7に示す凹所 13を形成する凹所形成装置 14と、凹所 11の開口部 15の縁部 16に面取りを施す面取り装置 17と、凹所 13の開口部 18の縁部 19に面取りを施す面取り装置 20とを具備している。

[0017] 凹所形成装置 12及び 14並びに面取り装置 17及び 20は、夫々互いに同様に形成されているので、以下、凹所形成装置 12及び面取り装置 17について詳細に説明し、凹所形成装置 14及び面取り装置 20については、必要に応じて図面に符号 aを付してこれらの詳細な説明を省略する。

[0018] 凹所形成装置 12は、ガラス板 2の上面 2aに当接して凹所 11を形成する凹所形成ドリル 21と、凹所形成ドリル 21を回転させるスピンドルモータ 22と、凹所形成ドリル 21 を支持面 121上のガラス板 2に対して X方向及び Y方向に直交する Z方向に移動させる凹所形成ドリル移動装置（凹所形成工具移動装置) 23とを具備しており、凹所形成ドリル 21は、スピンドルモータ 22の出力回転軸の一端に連結されている。尚、凹所形成ドリル 21は、凹所形成装置 14の凹所形成ドリル 21aに Z方向で対向して配されている。

[0019] 後述する面取りドリル移動装置 33と同様に構成された凹所形成ドリル移動装置 23 は、可動台 76に固定された電動モータ 25と、互いに平行に Z方向に伸びて可動台 7 6に設けられた一対の案内レール 26と、可動台 76に回転自在に支持されて電動モータ 25の一端に連結された Z方向に伸びたねじ軸（図示せず）と、このねじ軸に螺合したナット（図示せず）と、このナットが固着され且つ案内レール 26に嵌合した可動台 27とを具備しており、可動台 27には、スピンドルモータ 22が固着されている。

[0020] 凹所形成装置 12は、スピンドルモータ 22の作動による出力回転軸の回転で凹所形成ドリル 21を回転させながら、電動モータ 25の作動による出力回転軸の回転で、可動台 27、可動台 27に固着されたスピンドルモータ 22及びスピンドルモータ 22の出力回転軸の一端に連結された凹所形成ドリル 21を Z方向に移動させることにより、凹所形成ドリル 21でガラス板 2の上面 2aに、ガラス板 2の下面 2bにひび割れ、欠け等が生じない程度の深さで、凹所 11を形成するようになっている。尚、孔 3は、凹所形成装置 12によって形成された凹所 11と凹所形成装置 14によって凹所 11に連通するように形成された凹所 13とからなる。

[0021] 凹所形成装置 12に並設されている面取り装置 17は、ガラス板 2の上面 2aの凹所 1 1の開口部 15の縁部 16に面取りを施す面取りドリル 31と、面取りドリル 31を回転させるスピンドルモータ 32と、面取りドリル 31を Z方向に移動させる面取りドリル移動装置 33とを具備している。尚、面取りドリル 31は、面取り装置 20の面取りドリル 31aに Z方向で対向して配されている。

[0022] 面取りドリル移動装置 33は、可動台 76に固定された電動モータ 35と、互いに平行に Z方向に伸びて可動台 76に設けられた一対の案内レール 36と、可動台 76に回転自在に支持されて電動モータ 35の一端に連結された Z方向に伸びたねじ軸（図示せず）と、このねじ軸に螺合したナット（図示せず）と、このナットが固着され且つ案内レール 36に嵌合した可動台 37とを具備しており、可動台 37には、スピンドルモータ 32 が固着されている。

[0023] 面取り装置 17は、スピンドルモータ 32の作動による出力回転軸の回転で面取りドリル 31を回転させながら、電動モータ 35の作動による出力回転軸の回転で、可動台 3 7、可動台 37に固着されたスピンドルモータ 32及びスピンドルモータ 32の出力回転軸の一端に連結された面取りドリル 31を Z方向に移動させることにより、凹所形成ドリル 21で形成された凹所 11の開口部 15の縁部 16に、面取りドリル 31で面取りを施すようになっている。

[0024] 凹所形成ドリル 21及び面取りドリル 31は、好ましくは、ダイヤモンド砲粒を埋設してなる中空体又は中実体のコア一ドリル等力なる。

[0025] 支持手段 5は、ガラス板 2を支持する支持面 121を具備した支持台 122と、支持面 1 21の周縁 131がガラス板 2の孔 3を形成すべき部位 P 1及び P2の近傍に配されるように支持面 121を R方向に回転させる回転手段 124とを具備して、る。

[0026] 支持台 122は、図 4において X方向に伸びた上述の支持面 121が形成された板状の支持部材 44と、基台 43に回転手段 124を介して R方向に回転自在に取り付けられていると共に上端に支持部材 44の中央部が固着された円柱状の軸体 45と、支持部材 44上に載置されたガラス板 2の下面 2bを真空吸引する真空吸引装置とを具備しており、この真空吸引装置の作動により、支持部材 44上に載置されたガラス板 2の下面 2bを真空吸引して、ガラス板 2を吸着するようになって、る。

[0027] 細長い形状の支持部材 44は、図 4において X方向で互いに対向している一対の板状の支持体 41と、一対の支持体 41の夫々の端部に装着されたガラス板 2の滑り止め用のゴム部材 201と、支持部材 44の長手方向における略中央部に配されるように一対の支持体 41間に介在されてヽると共に上面でガラス板 2の下面 2bを吸着する吸盤 42と、吸盤 42が取り付けられていると共に一対の支持体 41が着脱自在に取り付けられており、軸体 45に R方向に回転自在に支持されて、る取付部 50とを具備している。吸盤 42には、上記真空吸引装置に連通した吸引口 202が設けられている。一対の支持体 41は、軸体 45及び回転手段 124を介して基台 43に軸体 45の回転軸心 Oを中心として R方向に回転自在に取り付けられている。吸盤 42は、取付部 50及び軸体 45を介して基台 43に R方向に不動に取り付けられていてもよぐまた、基台 43 に対して R方向に回転自在に取り付けられていてもよい。一対の支持体 41は、吸盤 4 2の外側において取付部 50に着脱自在に取り付けられている。支持部材 44は、回転手段 124の作動により吸盤 42を中心にして R方向に回転するようになっている。

[0028] 支持面 121の面積は、ガラス板 2の下面 2bの面積よりも小さぐガラス板 2の下面 2b の一部に接するようになつている。支持面 121の周縁 131は、本例では図 4に示すような形状を有しているが、例えば、三角形状、四角形状 (矩形状を含む)、多角形状、円形状、楕円形状等であってもよい。支持面 121は、点対称であって点対称中心に回転軸心 Oが配されている。支持体 41の周縁 (周縁部） 131における任意の第一の部位 132から回転軸心 Oまでの距離 L1は、第一の部位 132とは異なる前記支持体 4 1の周縁 (周縁部） 131における任意の第二の部位 133から回転軸心 Oまでの距離 L 2に対して異なっており、ここでは、距離 L1の方が距離 L2よりも長くなつている。支持体 41の周縁形状は、本例では非円形状である。

[0029] 回転手段 124は、ケース 51内に配された電動モータと、電動モータの出力回転軸の回転を軸体 45に伝達する歯車等からなる回転伝達機構とを具備しており、ケース 51内の電動モータにより軸体 45を R方向に回転させることによって、軸体 45に固着された支持部材 44の支持面 121をガラス板 2に対して R方向に回転させるようになつている。

[0030] 移動手段 8は、孔形成ヘッド 7を支持面 121上のガラス板 2に対して X方向に移動させる X方向移動装置 61と、孔形成ヘッド 7を支持面 121上のガラス板 2に対して Y方向に移動させる Y方向移動装置 62とを具備しており、これらが互いに連動して作動することにより凹所形成ドリル 21及び面取りドリル 31を共通に X方向及び Y方向に移動するようになっている。

[0031] X方向移動装置 61は、フレーム 64に固定された電動モータ 65と、互いに平行に X 方向に伸びてフレーム 64の下面に固着された一対の案内レール 66と、案内レール 66に X方向に移動自在に嵌合した可動台 67と、可動台 67の上面に固着されたナツト 68と、ナット 68に螺合され且つフレーム 64に回転自在に支持されて電動モータ 65 の出力回転軸にプーリ 69、ベルト 70及びプーリ 71を介して連結される X方向に伸びたねじ軸 72とを具備しており、電動モータ 65の作動によるその出力回転軸の回転が、プーリ 69、ベルト 70及びプーリ 71を介してねじ軸 72に伝達され、ねじ軸 72の回転により、ねじ軸 72に螺合したナット 68が X方向に移動すると共に、ナット 68が固着された可動台 67が案内レール 66に X方向に案内されながら、 X方向に移動するようになっている。

[0032] Y方向移動装置 62は、電動モータ 73と、電動モータ 73の出力回転軸の一端に連結する Y方向に伸びたねじ軸 74と、ねじ軸 74に螺合し且つ可動台 67の下面に固着されたナット 75と、ねじ軸 74を回転自在に支持し且つ電動モータ 73が取り付けられた可動台 76と、互いに平行に Y方向に伸びて可動台 76の上面に設けられ且つ可動台 67の下面に Y方向に移動自在に嵌合した一対の案内レール 77とを具備しており、電動モータ 73の作動によるその出力回転軸の回転がねじ軸 74を回転させて、ねじ軸 74に螺合したナット 75及びナット 75に固着された可動台 67に対して相対的にねじ軸 74が Y方向に移動すると共に、ねじ軸 74を回転自在に支持する可動台 76が案内レール 77に案内されながら Y方向に移動するようになって、る。

[0033] 搬送手段 6は、支持台 122上に搬入されるガラス板 2を支持する搬入台 100と、支持台 122上力も搬出されるガラス板 2を支持する搬出台 101と、搬入台 100に支持されたガラス板 2を持ち上げる持ち上げ装置 81と、支持台 122に支持されたガラス板 2 を持ち上げる持ち上げ装置 135と、持ち上げ装置 81及び 135の各々によって持ち上げられたガラス板 2を X方向に移動させるガラス板移動装置 82とを具備してヽる。持ち上げ装置 81及び 135の夫々は、回転手段 124により支持面 121が回転された後に孔 3を形成すべきガラス板 2を当該支持面 121上に載置するようになっている。

[0034] 搬入台 100及び搬出台 101は、基台 43に固着された円柱状の軸体 102と、軸体 1 02の上端に固着された支持板 103とを夫々具備しており、搬入台 100は、支持台 12 2よりもガラス板の孔開け装置 1の搬入端側に配されており、搬出台 101は、支持台 1 22よりもガラス板の孔開け装置 1の搬出端側に配されている。

[0035] 持ち上げ装置 81及び 135は、ガラス板 2を保持する吸盤ヘッド 83と、吸盤ヘッド 83 を上昇又は下降させるシリンダ装置 84とを夫々具備して、る。

[0036] 吸盤ヘッド 83は、ガラス板 2を真空吸引する真空吸引装置、この真空吸引装置に連通した吸引口及び吸引口が設けられた吸着パッド 85を具備しており、当該真空吸引装置の作動により吸引口でガラス板 2の上面 2aを真空吸引することによりガラス板 2を吸着するようになって、る。

[0037] シリンダ装置 84は、シリンダ 86及びピストンロッド 87から構成されており、ピストン口ッド 87の先端には、吸盤ヘッド 83が固着されており、シリンダ 86内にかかる空気圧、油圧等の流体圧によってピストンロッド 87が伸縮して吸盤ヘッド 83を Z方向において上昇又は下降させるようになって!/、る。

[0038] 持ち上げ装置 81は、ガラス板移動装置 82により孔 3が形成されるべきガラス板 2と共に X方向に移動されて支持台 122の上方に配された際には、ガラス板 2の持ち上げを解除して当該ガラス板 2を支持面 121に載置するようになっている。持ち上げ装置 135は、ガラス板移動装置 82により孔 3が形成されたガラス板 2と共に X方向に移動されて搬出台 101の上方に配された際には、ガラス板 2の持ち上げを解除して当該ガラス板 2を搬出台 101上に載置するようになっている。

[0039] ガラス板移動装置 82は、フレーム 90に固定された電動モータ 91と、互いに平行に X方向に伸びてフレーム 90に固定された一対の案内レール 92と、案内レール 92に X方向に移動自在に嵌合した可動台 93と、可動台 93に固着されたナット 94と、ナット 94に螺合され且つフレーム 90に回転自在に支持されて電動モータ 91の出力回転軸にプーリ 95、ベルト 96及びプーリ 97を介して連結する X方向に伸びたねじ軸 98と、一端で可動台 93に、他端でシリンダ 86に固着されたブラケット 99とを具備しており、電動モータ 91の作動によるその出力回転軸の回転力プーリ 95、ベルト 96及びプーリ 97を介してねじ軸 98に伝達されて、ねじ軸 98が回転することにより、ねじ軸 98に螺合したナット 94、ナット 94に固着された可動台 93、可動台 93に固着されたブラケット 99及びブラケット 99に固着された持ち上げ装置 81及び 135が X方向に移動するようになっている。

[0040] ガラス板の孔開け装置 1は、数値制御装置（図示せず)を具備しており、この数値制御装置は、電動モータ 25、 35、 65、 73及び 91、回転手段 124の電動モータ、各真空吸引装置並びに各シリンダ装置 84の夫々の上述及び後述の動作を、予め記憶したプログラムに基づく数値制御命令によって制御するようになっている。

[0041] 本例のガラス板の孔開け装置 1によりガラス板 2の部位 P1及び P2に孔開けを行う場合は、まず、搬入台 100に支持されている複数の孔 3が形成されるべきガラス板 2 を、図 1に示すように搬入台 100の上方に位置して、る持ち上げ装置 81によって持ち上げ、持ち上げたガラス板 2をガラス板移動装置 82により X方向に移動させて図 3 の（a)に示すように支持台 122の上方に配し、当該ガラス板 2を持ち上げ装置 81により下降させて吸盤 42の支持面 121上に載置し、載置したガラス板 2の下面 2bを真空吸引装置の作動により吸引口 202から吸引して吸盤 42で吸着することで、支持面 12 1において孔 3が形成されるべきガラス板 2を支持する。ここで、回転手段 124は、持ち上げ装置 81によるガラス板 2の支持面 121への載置前に、支持面 121の周縁 131 がガラス板 2の最初に孔 3を形成すべき部位 P 1の近傍に配されるように、支持面 121 を図 4に示す初期回転位置から R方向に所望角度回転させてガラス板 2に対して図 5 に示す状態となるように位置決めをする。

[0042] 次に、移動手段 8により孔形成ヘッド 7を支持面 121に支持されたガラス板 2に対して X方向及び Y方向に移動させて、スピンドルモータ 22の作動により回転される凹所形成ドリル 21をガラス板 2の上面 2aにおける部位 P1の上方に、スピンドルモータ 22a の作動により回転される凹所形成ドリル 21 aをガラス板 2の下面 2bにおける部位 P 1の下方に夫々配置し、凹所形成ドリル移動装置 23により凹所形成ドリル 21を下降させてガラス板 2の上面 2aにおける部位 P1に当接させて凹所 11を、下面 2b側にひび割れ、欠け等が生じない程度の深さで形成し、その後、凹所形成ドリル移動装置 23により凹所形成ドリル 21を上昇させてガラス板 2の上面 2aから離反させ、凹所形成ドリル移動装置 23aにより凹所形成ドリル 21aを上昇させてガラス板 2の下面 2bにおける部位 P1に当接させて凹所 11に連通する凹所 13を形成し、その後、凹所形成ドリル移動装置 23aにより凹所形成ドリル 21aを下降させてガラス板 2の下面 2bから離反させる。尚、孔形成手段 4による部位 P1に対する孔 3の形成中、ガラス板移動装置 82 の作動により持ち上げ装置 81を搬入台 100の上方に、持ち上げ装置 135を支持台 1 22の上方に夫々配する。

[0043] 次に、凹所形成ドリル 21を部位 P1における凹所 11の上方力も排除すると共に凹所形成ドリル 21aを部位 P1における凹所 13の下方力も排除するように、且つ、面取りドリル 31が部位 P1における凹所 11の上方に配置されると共に面取りドリル 31aが部位 PIにおける凹所 13の下方に配置されるように、移動手段 8により凹所形成装置 12 及び 14並びに面取り装置 17及び 20を共通に移動させ、凹所 11の上方に配置された面取りドリル 31を面取りドリル移動装置 33により下降させてガラス板 2の部位 P1における凹所 11の開口部 15の縁部 16に当接させて当該縁部 16に面取りを施し、その後、面取りドリル移動装置 33により面取りドリル 31を上昇させてガラス板 2の縁部 16 から離反させ、面取りドリル移動装置 33aにより面取りドリル 31aを上昇させてガラス板 2の部位 P1における凹所 13の開口部 18の縁部 19に当接させて当該縁部 19に面取りを施し、その後、面取りドリル移動装置 33aにより面取りドリル 31aを下降させてガラス板 2の縁部 19から離反させる。以上のようにしてガラス板 2の部位 P 1に孔 3を形成する。

[0044] 部位 P1に面取りが施された孔 3が形成された後、支持台 122によるガラス板 2の吸着を解除し、図 3の（b)に示すように持ち上げ装置 135により支持面 121上のガラス板 2を上昇させて支持面 121から一時的に離反させる。

[0045] 次に、回転手段 124により支持面 121を、部位 P1に続いて孔 3が形成されるべきガラス板 2の部位 P2の近傍に周縁 131が配されるように、図 5に示す状態から図 4に示す状態を経て R方向に所望角度回転させて図 6に示す状態となるように位置決めをする。このように支持面 121を回転させた後に、持ち上げ装置 135によるガラス板 2の支持面 121からの離反を解除し、当該ガラス板 2を下降させて支持面 121に再度支持させる。次に、移動手段 8により孔形成ヘッド 7を移動させて凹所形成ドリル 21及び 21aを当該部位 P2の上方及び下方に配置し、上述と同様の動作を行うことにより部位 P2に面取りが施された孔 3を形成する。

[0046] 次に、支持台 122の真空吸引装置の作動を停止して部位 P1及び P2に夫々孔 3が形成されたガラス板 2の支持面 121における支持を解除し、解除した支持面 121上のガラス板 2を持ち上げ装置 135により持ち上げ、持ち上げたガラス板 2をガラス板移動装置 82により X方向に移動して搬出台 101上に配し、持ち上げ装置 135によりガラス板 2を下降させて搬出台 101上に載置することで孔 3が形成されたガラス板 2を支持面 122上力も搬出する。尚、面取り装置 17及び 20による縁部 16及び 19の面取りは、同時的に開始してもよい。 [0047] 上述のように、本例のガラス板の孔開け装置 1によれば、ガラス板 2を支持部材 44 上に載置する前工程において、支持部材 44のガラス板 2を支持する支持体 41を、ガラス板 2が孔開けを受ける姿勢にあるときに橈みの生じるおそれのあるガラス板 2の部分へ移動させるベぐ支持部材 44を R方向に回転させ、支持部材 44を回転させた後、孔開けをすべきガラス板 2を支持部材 44上に載置して吸着支持し、吸着支持されたガラス板 2に孔開けをすることができ、而して、ガラス板 2を支持 (保持)するところの支持部材 44を取替えることなぐ各種寸法、形状のガラス板 2に対して、橈み、特にガラス板 2の長手方向の両端側の橈みを生じさせることなく支持することができ、満足な孔開け力卩ェが施せる。

[0048] 本例のガラス板の孔開け装置 1によれば、ガラス板 2を吸着し支持する支持部材 44 力ガラス板 2を吸着する吸盤 42と、吸盤 42の外側でガラス板 2を支持する支持体 4 1とからなり、支持体 41は、吸盤 42の外側において着脱自在に取り付けられており、支持部材 44は、吸盤 42を中心にして R方向に回転するようになっているために、支持部材 44にガラス板 2を供給する前に、ガラス板 2が孔開けを受ける姿勢にあるときにおいて橈みの生じるおそれのあるガラス板 2の部分を支持すベぐ予め支持部材 4 4を R方向に回転させて、支持体 44を橈みの生じるおそれのあるガラス板 2の部分に位置させておき、然る後、ガラス板 2を供給し、吸着支持し、孔開け加工を行うことができるのである。このため、ガラス板 2の各種の寸法、形状に応じて種々の寸法、形状の支持部材 44を用意する必要がなくなり、支持部材 44を取替える余分な作業が不要となる。また、ガラス板 2が小さいときは、吸盤 42の外側の支持体 41を取外しておけばよい。

[0049] また、ガラス板の孔開け装置 1によれば、ガラス板 2に孔 3を形成する孔形成手段 4 と、孔形成手段 4により孔 3を形成すべきガラス板 2を支持する支持手段 5と、孔 3を形成すべきガラス板 2を支持手段 4に搬送する搬送手段 6とを具備しており、支持手段 5 は、ガラス板 2を支持する支持面 121と、支持面 121の周縁 131がガラス板 2の孔 3を形成すべき部位 P1及び P2の近傍に配されるように支持面 121をガラス板 2に対して R方向に回転させる回転手段 124とを具備しており、搬送手段 6は、回転手段 124により支持面 121を回転させた後に、孔 3を形成すべきガラス板 2を支持面 121上に載置して当該ガラス板 2を支持面 121に支持させるようになって、るために、部品点数を増加させることなく簡単な構成にすることができると共に、種々の寸法、形状のガラス板 2に、特にガラス板 2の部位 P1及び P2に橈みを生じさせずに精確に孔開けをすることがでさる。

[0050] 尚、移動手段 8は、上面 2a側にある凹所形成装置 12及び面取り装置 17と、下面 2 b側にある凹所形成装置 14及び面取り装置 20とを別々に X方向及び Y方向に移動させることができるように、凹所形成装置 12及び面取り装置 17と凹所形成装置 14及び面取り装置 20とのそれぞれに、前記 X方向移動装置 61及び Y方向移動装置 62と同等な X方向移動装置及び Y方向移動装置を設けて構成されていてもよい。

[0051] 尚、支持台 122は、支持面 121に代えて、例えば図 8に示すように矩形状であって点対称の支持面 205を有していてもよぐ斯カる支持面 121の回転軸心 Oは、当該支持面 121の点対称中心に対して偏心して配されてもいてもよい。

図面の簡単な説明

[0052] [図 1]本発明の実施の形態の例の正面説明図である。

[図 2]図 1に示す例の II II線断面矢視説明図である。

[図 3] (a)及び (b)は、図 1に示す例の一部動作説明図である。

[図 4]図 1に示す例の主に支持部材の平面拡大説明図である。

[図 5]図 1に示す例の主に支持部材の動作説明図である。

[図 6]図 1に示す例の主に支持部材の動作説明図である。

[図 7]図 1に示す例によってガラス板に形成される孔の説明図である。

[図 8]図 1に示す例の主に他の支持台の説明図である。

符号の説明

[0053] 1 ガラス板の孔開け装置

2 ガラス板

3 孔

4 孔形成手段

5 支持手段

6 搬送手段支持体吸盤支持部材取付部、 205 支持面回転手段周縁

Claims

請求の範囲

[1] ガラス板を支持部材上に載置する前工程にぉ、て、支持部材のガラス板を支持する支持体を、ガラス板が孔開けを受ける姿勢にあるときに橈みの生じるおそれのあるガラス板の部分へ移動させるベぐ支持部材を回転させ、支持部材を回転させた後、孔開けをすべきガラス板を支持部材上に載置して吸着支持し、吸着支持されたガラス板に孔開けをするガラス板の孔開け方法。

[2] ガラス板を吸着し支持する支持部材が、ガラス板を吸着する吸盤と、吸盤の外側でガラス板を支持する支持体とからなり、支持体は、吸盤の外側において着脱自在に取り付けられており、支持部材は、吸盤を中心にして回転するようになっているガラス板の孔開け装置。