WO2006103913A1 - ポリ乳酸複合体の製造方法および該方法で製造されたポリ乳酸複合体 - Google Patents

ポリ乳酸複合体の製造方法および該方法で製造されたポリ乳酸複合体 Download PDF

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Abstract

 ポリ乳酸成形物を架橋してポリ乳酸架橋物を作製する一次架橋工程と、  前記一次架橋された前記ポリ乳酸架橋物を、ポリ乳酸のガラス転移温度以上融点以下の温度で含浸材に浸漬する含浸工程と、ポリ乳酸架橋物内に含浸材が含浸されて前記ポリ乳酸架橋物が膨潤した状態でポリ乳酸のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程を備える。さらに、冷却工程の後で二次架橋してもよい。

Description

明 細 書
ポリ乳酸複合体の製造方法および該方法で製造されたポリ乳酸複合体 技術分野
[0001] 本発明は、生分解性を有するポリ乳酸複合体の製造方法および該方法で製造され たポリ乳酸複合体に関し、該ポリ乳酸複合体は、フィルム、容器または筐体などの構 造体や部品などのプラスチック製品が利用される分野において、特に使用後の廃棄 処理問題の解決を図るために有用な生分解性製品または部品として利用されるもの である。
背景技術
[0002] 現在、多くのフィルムや容器に利用されている石油合成高分子材料は、加熱廃棄 処理に伴う熱および排気ガスによる地球温暖化、さらに燃焼ガスおよび燃焼後の残 留物中の毒性物質による食物や健康への悪影響、廃棄坦設処理地の確保など、そ の廃棄処理過程についてだけでも様々な社会問題が懸念されている。
このような石油合成高分子材料の廃棄処理の問題点を解決する材料として、デン プンゃポリ乳酸に代表される生分解性高分子材料が注目されてきている。生分解性 高分子材料は、石油合成高分子材料に比べて、燃焼に伴う熱量が少なぐかつ自然 環境での分解 ·再合成のサイクルが保たれる等、生態系を含む地球環境に悪影響を 与えない。生分解性高分子材料のなかでも、脂肪族ポリエステル系樹脂は強度やカロ ェ性の点で石油合成高分子材料に匹敵する特性を有し、近年特に注目を浴びてい る素材である。脂肪族ポリエステル系樹脂のなかでも、特にポリ乳酸は植物から供給 されるデンプンから作られ、近年の大量生産によるコストダウンで他の生分解性高分 子材料に比べて非常に安価になりつつある点から、現在その応用について多くの検 討がなされている。
[0003] しかし、ポリ乳酸は、ガラス転移温度の 60°C以下では非常に硬ぐ実質的に伸びが 殆どなレ、のに対し、ガラス転移温度の 60°C以上では逆に形状が維持できなレ、くらレ、 軟らかくなるため、実用化の妨げとなっている。 60°Cという温度は自然界における気 温や水温としては容易に達しない温度である力 例えば真夏の締め切った自動車の 車内ゃ窓材などでは達し得る温度である。ゆえに、 60°C以下では硬くて脆いのに対 し、 60°C以上になると軟弱になって形成された形状を維持できないという特性の著し い変化は、致命的な欠陥である。
このような著しい特性の変化は、ポリ乳酸の結晶構造に由来している。すなわち、溶 融成形後の通常の冷却スピードでは、ポリ乳酸はほとんど結晶化せず、大部分は非 結晶となる。ポリ乳酸は融点が 160°Cと高ぐ結晶部分は容易に融けないが、大部分 を占める非結晶部分はガラス転移温度の 60°C付近で拘束が解けて動き始める。そ のため、ガラス転移温度の 60°C付近で極端な特性変化を生じる。
[0004] ガラス転移温度の 60°C以下における硬さや脆さを改善し耐衝撃性を汎用のプラス チック並みに向上させるため、ポリ乳酸に特定の可塑剤を混練することが非特許文献 1に記載されている。
一方、ガラス転移温度の 60°C以上では柔軟になりすぎて強度が低下してしまうとい う問題を解決するために、電離性放射線や化学開始剤を利用してポリ乳酸を架橋さ せることが特開 2003— 313214号公報(特許文献 1)に記載されている。
[0005] しかし、これら技術はそれぞれ単独ではガラス転移温度の 60°C以下における問題 と 60°C以上における問題の両方を同時に解決することはできなレ、。また、これらの技 術を単に組み合わせ、ポリ乳酸に可塑剤を混練した組成物を電離性放射線の照射 などにより架橋させても、架橋は完全には進まない。これは、ポリ乳酸が架橋するため にはポリ乳酸の分子同士が相互に接触し結合する必要があるのだ力 可塑剤を先に 混練すると可塑剤がポリ乳酸の分子間に浸入してポリ乳酸分子同士の結合を阻止す るからである。
[0006] また、ポリ乳酸を架橋させるための架橋性モノマーの添加量を増やしたり、架橋性 モノマーを活性化させ架橋反応を起こさせるための放射線照射量を増加したりしても 、ガラス転移温度以上の温度における強度の向上には限界がある。即ち、架橋性モ ノマーの添加量を増やし、ポリ乳酸に対して数十%以上も添加すると、混合状態を維 持できず、架橋性モノマーの析出が起る。また、放射線照射量を増加していくと、本 来放射線崩壊型のポリ乳酸は徐々に分解していき、強度が向上するどころか逆に低 下していき、問題の解決が図れない。 [0007] 特許文献 1 :特開 2003— 313214号公報
非特許文献 1 :荒川化学工業 (株)発行、「荒川 NEWS」、 2004年 7月発行、 No. 32 6号 第 2頁〜第 7頁
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は、ポリ乳酸のガラス転移温度である 60°C前後での強度変化が少ない生分 解性ポリ乳酸複合体の製造方法および該方法で製造されたポリ乳酸複合体を提供 することを課題としてレ、る。
より具体的には、 60°C以下では汎用のプラスチックと同程度の優れた柔軟性を有し 、かつ 60°C以上の高温になっても強度が低下しに《形状を維持することができる生 分解性ポリ乳酸複合体およびその製造方法を提供することを課題としている。
課題を解決するための手段
[0009] 前記課題を解決するため、第一の発明として、
ポリ乳酸成形物を架橋してポリ乳酸架橋物とする一次架橋工程と、
前記ポリ乳酸架橋物を、ポリ乳酸のガラス転移温度以上融点以下の温度で含浸材 に浸漬し、前記ポリ乳酸架橋物内に該含浸材が含浸させる含浸工程と、
前記含浸材が含浸されて前記ポリ乳酸架橋物が膨潤した状態で、ガラス転移温度 以下に冷却する冷却工程とを備え、
前記ポリ乳酸架橋物に前記含浸材を複合化させたことを特徴とするポリ乳酸複合 体の製造方法を提供してレ、る。
[0010] 前記したように、本発明では、まず、一次架橋工程で、ポリ乳酸成形物を架橋して 耐熱性を付与し、この耐熱性が付与された前記ポリ乳酸架橋物を含浸工程において 、ポリ乳酸のガラス転移温度以上融点以下で液体状の含浸材に浸漬すると、含浸材 力ポリ乳酸の分子間に含浸されていく。
ついで、ガラス転移温度(60°C)以下の室温に戻す前記冷却工程で、含浸材がポリ 乳酸の分子間の相互作用を阻止するため、得られるポリ乳酸複合体はガラス転移温 度の 60°C以下の温度でも非常に優れた柔軟性を示すようになる。
可塑剤を混合したのち架橋する場合とは異なり、本発明では含浸材を配合する前 にポリ乳酸の架橋を行うため、得られたポリ乳酸複合体はポリ乳酸分子間の架橋がほ ぼ完全な形で維持されている。その結果、従来よりもガラス転移温度以上の温度に おける強度低下がより有効に抑制され、形状がより一層保たれるようになる。即ち、ポ リ乳酸ではガラス転移温度の 60°C以上になると分子間力よりも分子の運動性が上回 り、分子間の拘束が解けて動き始め変形してしまうが、本発明のポリ乳酸複合体にお レ、てはポリ乳酸成分がほぼ完全な形の架橋により一体化しているので、ガラス転移温 度以上の温度になっても変形せず、形状を保つことができる。
[0011] 前記工程を図 1を用いてより詳細に説明する。
まず、前記一次架橋工程で、(a)に示すように所要形状に成形したポリ乳酸成形物 を架橋し、(b)に示すように、前記ポリ乳酸をゲル分率で略 100%架橋している。該ポ リ乳酸架橋物 1を微視的に見ると、図 1 (c)に示したようにポリ乳酸分子は架橋 11によ り相互に拘束されている。この状態では、ガラス転移温度以上の温度になっても分子 が架橋されているため、動きが拘束されて変形するまでには至らない。しかし、ガラス 転移温度以下の温度ではポリ乳酸分子同士の相互作用(図 1 (c)中の矢印)が働くた め、硬くて脆く耐久性に欠けるという欠点を有する。
[0012] ついで、前記含浸工程において、ポリ乳酸架橋物 1をポリ乳酸のガラス転移温度以 上融点以下の温度で液体状の含浸材 2に浸漬すると、 (d)に示すように架橋された 分子の間に含浸材 2が含浸されていく。
この含浸工程においては、ポリ乳酸架橋物 1がガラス転移温度以上の温度にさらさ れると、非結晶部分の拘束が解けてある程度柔軟になってしまうという上記性質を逆 に利用している。すなわち、ポリ乳酸架橋物 1を液体状の含浸材 2内でガラス転移温 度以上の温度にすることにより、ポリ乳酸の非結晶部分を運動させ、架橋されたポリ 乳酸の分子間に含浸材 2を浸入させ、含浸材 2によりポリ乳酸架橋物 1を膨潤させる ついで、前記冷却工程で、ポリ乳酸架橋物 1を含浸材 2で膨潤された状態のまま室 温に戻すと、図 1 (e)、(f)に示したような本発明のポリ乳酸複合体 3が得られる。
[0013] ポリ乳酸複合体 3は、図 1 (f)に示したようにポリ乳酸の架橋 11のネットワーク中に含 浸材 2が含浸されている。含浸材 2がポリ乳酸の分子間の相互作用を阻止するため、 ガラス転移温度以下の温度でもガラス転移温度以上のときの柔軟な状態が維持され る。そのうえ、本発明のポリ乳酸複合体 3においてはポリ乳酸分子間の架橋 11がほ ぼ完全な形で形成されている。その結果、ガラス転移温度以上の温度になってもポリ 乳酸分子同士の拘束が解かれることはなぐ形状を保つことができる。
[0014] 前記したように、本発明のポリ乳酸複合体の製造方法においては、まず、一次架橋 工程において、ポリ乳酸成形物を 100%近く架橋してポリ乳酸架橋物を作製すること が重要である。
架橋されていないポリ乳酸成形物 4を用いて、含浸工程で含浸材に浸漬した場合 に起こる現象を図 2および図 3に示す。
図 2 (b)に示したように、架橋されていないポリ乳酸成形物 4を含浸材 2に浸漬する と、ポリ乳酸分子同士を拘束する架橋が存在しないため、含浸材 2の浸入により図 2 ( c)に示したようにポリ乳酸が溶融して、形状の変形または崩壊が起こる。
また、図 3 (b)に示したように、架橋されていないポリ乳酸成形物 4をガラス転移温度 以上の状態に置くと非結晶部分が徐々に結晶化し (図 3 (b)中の符号 5)、含浸材が 浸入する前に図 3 (c)に示したように硬く固まる。
本発明においては、含浸材を含浸させるのは一次架橋されたポリ乳酸架橋物 1で あり、架橋 11によりポリ乳酸分子が拘束されて一体化しているので、非結晶部分が徐 々に結晶化し始めて再結晶するということが見られない。
[0015] 図 2および図 3に示した現象が起こらないようにするため、一次架橋工程で作成す るポリ乳酸架橋物はゲル分率が 95%以上、好ましくは 98%以上、特に、実質的に 1 00%で、完全に架橋させていることが好ましい。
ポリ乳酸成形物を架橋してポリ乳酸架橋物を作製する方法は、特に限定されず公 知の方法を用いて良ぐ例えば電離性放射線を照射する方法、化学開始剤を使用 する方法などが挙げられる。
[0016] 本発明では、まず、ポリ乳酸に架橋性モノマー (A)を混合した後、所望の形状に成 形し、得られたポリ乳酸成形物に電離性放射線を照射して一次架橋することによりポ リ乳酸架橋物を作製している。なかでも、本発明のポリ乳酸複合体の製造方法では、 一次架橋前のポリ乳酸成形物を構成するポリ乳酸組成物には可塑剤を配合しない 一方、架橋性モノマー (A)を混合し、成形後に、該ポリ乳酸成形物に電離性放射線 を照射して前記ポリ乳酸架橋物とすることが特に好ましい。
[0017] 本発明で用いるポリ乳酸としては、 L 乳酸からなるポリ乳酸、 D 乳酸からなるポリ 乳酸、 L_乳酸と D_乳酸の混合物を重合することにより得られるポリ乳酸、またはこ れら 2種以上の混合物が挙げられる。なお、ポリ乳酸を構成するモノマーである L_ 乳酸または D -乳酸は化学修飾されてレ、ても良レ、。
本発明で用いるポリ乳酸としては前記のようなホモポリマーが好ましいが、乳酸モノ マーまたはラクチドとそれらと共重合可能な他の成分とが共重合されたポリ乳酸コポリ マーを用いても良レ、。コポリマーを形成する前記「他の成分」としては、例えばグリコ ール酸、 3—ヒドロキシ酪酸、 5—ヒドロキシ吉草酸もしくは 6—ヒドロキシカプロン酸な どに代表されるヒドロキシカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダルタル酸 、デカンジカルボン酸、テレフタル酸もしくはイソフタル酸などに代表されるジカルボ ン酸;エチレングリコール、プロパンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、 グリセリン、ソルビタンもしくはポリエチレングリコールなどに代表される多価アルコー ノレ;グリコリド、 ε一力プロラタトンもしくは δ プチ口ラタトンに代表されるラタトン類等 が挙げられる。
[0018] 前記一次架橋されるポリ乳酸に配合する架橋性モノマー (Α)としては、電離性放射 線の照射により架橋できるモノマーであれば特に制限を受けなレ、が、例えばアクリル 系もしくはメタクリル系の架橋性モノマーまたはァリル系架橋性モノマーが挙げられる アクリル系もしくはメタクリル系の架橋性モノマーとしては、 1 , 6—へキサンジオール ジ(メタ)アタリレート、 1, 4_ブタンジオールジ(メタ)アタリレート、トリメチロールプロ パントリ(メタ)アタリレート、エチレンォキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリ レート、プロピレンォキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、エチレン ォキシド変性ビスフエノーノレ Αジ(メタ)アタリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ァク リレート、ジペンタエリスリトーノレへキサアタリレート、ジペンタエリスリトーノレモノヒドロキ シペンタアタリレート、力プロラタトン変性ジペンタエリスリトールへキサアタリレート、ぺ ンタエリスリトールトリ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アタリレート、 ポリエチレングリコールジ(メタ)アタリレート、トリス(アタリ口キシェチル)イソシァヌレー ト、トリス(メタクリロキシェチル)イソシァヌレート等が挙げられる。
[0019] ァリル系架橋性モノマーとしては、トリアリルイソシァヌレート、トリメタァリルイソシァヌ レート、トリァリルシアヌレート、トリメタァリルシアヌレート、ジァリルァミン、トリァリノレアミ ン、ジアクリルクロレンテート、ァリルアセテート、ァリルべンゾエート、ァリルジプロピル イソシァヌレート、ァリルォクチルォキサレート、ァリルプロピルフタレート、ビチルァリ ノレマレート、ジァリルアジペート、ジァリルカーボネート、ジァリルジメチルアンモニゥム クロリド、ジァリルフマレート、ジァリルイソフタレート、ジァリルマロネート、ジァリルォキ サレート、ジァリルフタレート、ジァリルプロピルイソシァヌレート、ジァリルセバセート、 ジァリルサクシネート、ジァリルテレフタレート、ジァリノレタトレート、ジメチルァリルフタ レート、ェチノレアリノレマレート、メチノレアリノレフマレート、メチノレメタァリノレマレート、ジァ リルモノグリシジルイソシァヌレート等が挙げられる。
[0020] 前記架橋性モノマー (A)としては、比較的低濃度で高レ、架橋度を得ることができる ことからァリル系架橋性モノマーが好ましい。なかでもトリアリルイソシァヌレート(以下 、 TAICという)はポリ乳酸に対する架橋効果が高いために特に好ましい。また、 TAI Cと加熱によって相互に構造変換しうるトリァリルシアヌレートを用いても、実質的に効 果は同じである。
[0021] 前記架橋性モノマー (A)はポリ乳酸 100質量部に対して 4質量部以上 15質量部以 下の割合で配合されていることが好ましい。架橋性モノマー (A)の配合量を 4質量部 以上としているのは、架橋性モノマー (A)の配合量力 質量部未満であると、架橋性 モノマー (A)によるポリ乳酸の架橋効果が十分に発揮されず、 60°C以上の高温時に おいて複合体の強度が低下し、最悪の場合形状を維持できなくなる可能性があるか らである。一方、架橋性モノマー (A)の配合量を 15質量部以下としているのは、架橋 性モノマー(A)の配合量が 15質量部を超えると、ポリ乳酸に架橋性モノマー(A)全 量を均一に混合するのが困難になり、実質的に架橋効果に顕著な差が出なくなると レ、う理由からである。
架橋性モノマー (A)の配合量は、 60°C以上の高温時における形状維持効果を確 実にするために 5質量部以上であることがより好ましぐポリ乳酸の含有量を多くして 生分解性を高めるために 10質量部以下であることがより好ましい。
[0022] 本発明で用いるポリ乳酸成形物を構成する組成物には、前記ポリ乳酸および架橋 性モノマー (A)以外に、本発明の目的に反しない限り、他の成分を配合しても良レ、。 例えば、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂を配合しても良い。ポリ乳酸以外の生分解 性樹脂としては、ラタトン樹脂、脂肪族ポリエステルもしくはポリビュルアルコール等の 合成生分解性樹脂、またはポリヒドロキシプチレート'バリレート等の天然直鎖状ポリ エステル系樹脂等の天然生分解性樹脂を挙げることができる。
また、生分解性を有する合成高分子および Zまたは天然高分子を、溶融特性を損 なわない範囲で混合してもよい。生分解性を有する合成高分子としては、酢酸セル口 ース、セノレロースブチレート、セノレロースプロピオネート、硝酸セノレロース、硫酸セノレ ロース、セルロースアセテートブチレートもしくは硝酸酢酸セルロース等のセルロース エステル、またはポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸もしくはポリロイシン等のポリぺ プチドが挙げられる。天然高分子としては、例えば澱粉として、トウモロコシ澱粉、コム ギ澱粉もしくはコメ澱粉などの生澱粉、または酢酸エステルィヒ澱粉、メチルエーテル 化澱粉もしくはアミロース等の加工澱粉が挙げられる。
[0023] さらに、前記組成物には、生分解性樹脂以外の樹脂成分、硬化性オリゴマー、各 種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、防カビ剤もしくは粘性付与剤等の添加剤、ガラス 繊維、ガラスビーズ、金属粉末、タルク、マイ力もしくはシリカ等の無機 ·有機充填材、 染料もしくは顔料等の着色剤等を加えることもできる。
[0024] 上述したポリ乳酸、架橋性モノマー (A)および所望により他の成分を含む組成物を 所望の形状にして、前記ポリ乳酸成形物を成形している。
成形方法は特に限定されず、公知の方法を用いて良い。例えば、押出成形機、圧 縮成形機、真空成形機、ブロー成形機、 Tダイ型成形機、射出成形機、インフレーシ ヨン成形機等の公知の成形機が用いられる。
[0025] 得られたポリ乳酸成形物に前記一次架橋工程で、電離性放射線を照射しポリ乳酸 を架橋させることにより、ポリ乳酸架橋物を得ることができる。
電離性放射線としては γ線、エックス線、 /3線またはひ線などが使用できる力 ェ 業的生産にはコバルト— 60による Ί線照射や、電子線加速器による電子線照射が 好ましい。
電離性放射線の照射は空気を除いた不活性雰囲気下や真空下で行うのが好まし レ、。電離性放射線の照射によって生成した活性種が空気中の酸素と結合して失活 すると架橋効率が低下するためである。
[0026] 電離性放射線の照射量は 50kGy以上 200kGy以下であることが好ましレ、。
架橋性モノマー(A)の量によっては電離性放射線の照射量が lkGy以上 lOkGy 以下であつてもポリ乳酸の架橋は認められるが、ほぼ 100 %のポリ乳酸分子を架橋 するには電離性放射線の照射量が 50kGy以上であることが好ましい。さらに、後の 工程で液体状の含浸材に浸漬したときに形状の変化を抑えて均一に膨潤させるため には、電離性放射線の照射量が 80kGy以上であることがより好ましい。
一方、電離性放射線の照射量が 200kGy以下であるのは、ポリ乳酸が樹脂単独で は放射線で崩壊する性質を有するため、電離性放射線の照射量が 200kGyを超え ると架橋とは逆に分解を進行させることになるからである。電離性放射線の照射量の 上限値は 150kGyであることが好ましぐ lOOkGyであることがより好ましい。
[0027] なお、電離性放射線を照射して架橋する代わりに、ポリ乳酸に架橋性モノマー (A) と化学開始剤を混合したのち所望の形状に成形し、化学開始剤が熱分解する温度 まで上げることによつても、ポリ乳酸架橋物を作製することができる。
架橋性モノマー (A)としては、前記態様と同じ物質を用いることができる。 化学開始剤としては、熱分解により過酸化ラジカルを生成する過酸化ジクミル、過 酸化プロピオ二トリル、過酸化べンゾィル、過酸化ジー tーブチル、過酸化ジァシル、 過酸化ペラルゴニル、過酸化ミリストイル、過安息香酸— t—ブチルもしくは 2, 2' - ァゾビスイソプチロニトリルなどの過酸化物触媒をはじめとするモノマーの重合を開始 する触媒であればレ、ずれでもよレ、。
架橋させるための温度条件は化学開始剤の種類により適宜選択することができる。 架橋は、放射線照射の場合と同様、空気を除いた不活性雰囲気下や真空下で行う のが好ましい。
[0028] 前記一次架橋したポリ乳酸架橋物を、前記したように、含浸工程において、ポリ乳 酸のガラス転移温度以上融点以下の温度で液体状の含浸材に浸漬している。 含浸材としては、常温で液体状のもの、または常温では固体であってもガラス転移 温度以上融点以下の温度で融解し液体となるものであれば、特に限定なく使用する こと力 Sできる。具体的に、含浸材としては当該技術分野で可塑剤として用レ、られてお り、前記条件を満たすものが挙げられる。
また、薬剤、農薬、薬品や食品などの有用物質を含浸材として用いてもよい。このよ うな有用物質を含浸材として用レ、、本発明のポリ乳酸複合体におけるポリ乳酸の架 橋ネットワークに有用物質を担持させることにより、ポリ乳酸が生分解されるにつれて 有用物質が徐放されるという徐放システムを構築することができる。
[0029] 本発明においては含浸材をポリ乳酸に含浸させる前に、ポリ乳酸を放射線などで 一次架橋するため、含浸材の選択の際には放射線などの架橋手段に対する耐性や 架橋阻害について考慮する必要がない。含浸材はポリ乳酸との相性のみで任意に 選択可能であり、また含浸材と無関係にポリ乳酸の架橋状態を制御することができる
[0030] 含浸材としては、ポリ乳酸内に含浸させる必要からポリ乳酸との親和性が高いもの が好ましい。ゆえに、含浸材としては、弱くとも極性を有しかつ分子量が大きくないも のが好ましぐポリ乳酸またはその誘導体が最も適している。
具体的に、含浸材としては以下の(a)〜(g)の少なくとも 1種類を含有するものが好 適に用いられる。
(a)極性を持つ 1価のアルコール類、 1価のカルボン酸類、ケトン類、ラタトン類
(b) N, N—ジメチルホルムアミドゃジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン 系極性溶媒
(c)スチレンなどの極性を持つベンゼン環類
(d)トリアジン環を含むァリル類
(e)ポリ乳酸誘導体またはロジン誘導体を含む可塑剤
(f )ジカルボン酸誘導体を含む可塑剤
(g)グリセリン誘導体を含む可塑剤
なかでも、本発明のポリ乳酸複合体の生分解性をより高く保っために含浸材は生 分解性を有することが好ましぐ具体的にはポリ乳酸をはじめとする脂肪酸ポリエステ ルの低分子量物もしくはその誘導体、ジカルボン酸およびグリセリンの誘導体、ラクト ン類もしくはアルコール類などの生分解性の認められている可塑剤が好適である。
[0031] アルコール類の中では、弱くとも極性を持つ 1価のアルコール類が含浸材として好 ましぐ 2価のジオール(例えばエチレングリコール)や 3価のグリセリンは極性がない ため膨潤させにくい。
極性を持つ 1価のアルコール類は低級アルコールであつても、高級アルコールであ つてもよい。
前記低級アルコールとしては炭素数 5以下のものであれば特に限定されなレ、が、メ チノレアノレコーノレ、ェチノレアノレコーノレ、イソプロピノレアノレコーノレ、 n—ブチノレアノレコー ノレ、 sec—ブチノレアノレコーノレ、 tert—ブチノレアノレコーノレまたは n—ペンチノレアノレコー ルなどが挙げられる。
前記高級アルコールとしては炭素数 6以上のものであれば特に限定されなレ、が、ェ 業的に入手しやすい代表的なものとして、ノニノレアルコーノレ、デシルアルコール、ラ ゥリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、 ォレイルアルコール等を挙げることができる。マッコゥアルコールやホホバアルコール 等の混合物や、牛脂アルコール、ヤシアルコール等の還元アルコールを用いることも できる。
なかでも、本発明においては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、 t—ブ チルアルコールまたは n—ペンチルアルコ一ルを用レ、ることが特に好ましレ、。
[0032] また、前記 1価のカルボン酸類として C1の酢酸等が用いることができる。これ以外に も 1価のカルボン酸類としては、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン 酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数:!〜 32、好ましくは炭素数 1〜20、より好ま しくは炭素数 1〜: 10の直鎖または側鎖を有する脂肪酸が挙げられる。具体的に脂肪 族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ェナント 酸、力プリル酸、ペラルゴン酸、力プリン酸、 2 _ェチル—へキサンカルボン酸、ゥン デシル酸、ラウリン酸、トリデシノレ酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、へ プタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ァラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セ ロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラタセル酸等の飽和脂肪酸、ゥン デシレン酸、ォレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、ァラキドン酸等の不飽 和脂肪酸等を挙げることができる。これらは更に置換基を有しても良い。
脂環族モノカルボン酸としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロへキサンカルボ ン酸、シクロオクタンカルボン酸、ビシクロノナンカルボン酸、ビシクロデカンカルボン 酸、ノルボルネンカルボン酸、ァダマンタンカルボン酸等のカルボン酸またはそれら の誘導体を挙げることができる。
芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、トルィル酸等の安息香酸のベンゼン環 にアルキル基を導入したもの、ビフヱ二ルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリ ンカルボン酸等のベンゼン環を 2個以上有する芳香族モノカルボン酸
、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
[0033] さらに、前記ケトン類としてはジェチルケトン等が好適に用いられる。これ以外にも ケトン類としては、アセトン、メチルェチルケトン
、 2 ペンタノン、 3 ペンタノン、 2 へキサノン、メチノレイソブチノレケトン、 2 ヘプ タノン、 4—ヘプタノン、ホロン等が挙げられる。なかでもメチルェチルケトンを用いる ことが好ましい。
[0034] ラタトン類の具体例としては、例えば プロピオラタトン、 β—ブチ口ラタトン、 y - プチ口ラタトン、 β—バレロラタトン、 δ—バレロラタトン、 δ—力プロラタトンもしくは ε 一力プロラタトン; 4ーメチルカプロラタトン、 3, 5, 5—トリメチルカプロラタトンもしくは 3 , 3, 5—トリメチルカプロラタトンなどの各種メチル化力プロラタトン; βーメチルー δ バレロラタトン、ェナントラクトンもしくはラウ口ラタトン等のヒドロキシカルボン酸の環 状 1量体エステル;グリコリド、 L—ラクチドもしくは D—ラクチド等のヒドロキシカルボン 酸の環状 2量体エステル;その他、 1, 3—ジォキソラン _4_オン、 1, 4_ジォキサン _ 3_オンもしくは 1, 5—ジォキセパン一 2_オン等の環状エステル一エーテル等を 挙げ'ること力 Sできる。
なかでも、本発明においては γ _プチ口ラタトンまたは ε—力プロラタトンを用いるこ とが特に好ましい。
[0035] トリアジン類は構造中に三つの窒素原子を含む六員複素環であり、この構造を有し ている化合物であれば特に制限なく用いることができる。トリアジン類としては、例え ばトリス(2, 3—エポキシプロピル)イソシァヌレート、トリス(2—ヒドロキシェチル)イソ レート、トリアリルイソシァヌレート、トリアリノレシァヌレート、イソシァヌル酸、イソシァヌ ル酸メチルエステル、イソシァヌル酸ェチルエステル、イソアンメリン、イソメラミン、イソ アンメリド等が挙げられ、中でもトリアリルイソシァヌレートが特に好ましい。
[0036] ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジン等の原料ロジン類 、該原料ロジンを不均化または水素化処理した安定化ロジンや重合ロジン、その他 にロジンエステル類、強化ロジンエステル類、ロジンフエノール類、ロジン変性フエノ ール樹脂等が挙げられる。
なかでも、本発明においては、ロジン誘導体を含む可塑剤である荒川化学工業 (株 )製「ラタトサイザ一 GP— 2001」を用いることが特に好ましレ、。
[0037] 前記脂肪族ポリエステルとしては、主成分として脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボ ン酸もしくはその誘導体との重縮合体および共重縮合体、脂肪族ジオールと脂肪族 ジカルボン酸もしくはその誘導体およびヒドロキシカルボン酸との共重縮合体等が挙 げられ、より具体的には、例えば α —ヒドロキシカルボン酸類(例えば、グリコーノレ酸、 乳酸、ヒドロキシ酪酸など)、ヒドロキシジカルボン酸類(例えば、リンゴ酸など)、ヒドロ キシトリカルボン酸類 (例えば、クェン酸など)などの一種以上から合成された重合体 、共重合体あるいはこれらの混合物などが挙げられる。なかでも、脂肪族ポリエステ ルとしてはポリ乳酸を用いることが好ましい。
脂肪族ポリエステルの分子量は、ポリ乳酸複合体を構成するポリ乳酸の分子量より も小さいことが好ましい。具体的には 1 X 105以下、より好ましくは 1 X 104以下、更に 好ましくは 1 X 102〜1 X 103である。
脂肪族ポリエステルの誘導体としては、脂肪族ポリエステルを化学修飾した公知の 化合物を用いることができる。なかでも、ポリ乳酸誘導体を含む可塑剤である荒川化 学工業 (株)製「ラ外サイザ一 GP_4001」を用いることが好ましい。
[0038] ジカルボン酸誘導体としては、ジカルボン酸のエステル体、ジカルボン酸の金属塩 またはジカルボン酸の無水物等が挙げられる。 前記ジカルボン酸としては、炭素数 2〜50、特に炭素数 2〜20の直鎖または分岐 状の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸、炭素数 8〜20の芳香族ジカルボン酸、 及び数平均分子量 2000以下、特に 1000以下のポリエーテルジカルボン酸等が挙 げられる。なかでも、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシ ン酸もしくはデカンジカルボン酸などの炭素数 2〜20の脂肪族ジカルボン酸、及びフ タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が好ましい。
[0039] ジカルボン酸誘導体としてはジカルボン酸のエステル体が好ましレ、。ジカルボン酸 のエステル体としては、例えばビス(メチルジグリコール)アジペート、ビス(ェチルジグ リコール)アジペート、ビス(ブチルジグリコール)アジペート、メチルジグリコールブチ ノレジグリコーノレアジペート、メチノレジグリコーノレエチノレジグリコーノレアジペート、ェチノレ ジグリコールブチルジグリコールアジペート、ジベンジルアジペート、ベンジルメチル ジグリコールアジペート、ベンジルェチルジグリコールアジペート、ベンジルブチルジ グリコールアジペート、ビス(メチルジグリコーノレ)サクシネート、ビス(ェチルジグリコー ノレ)サクシネート、ビス(ブチルジグリコーノレ)サクシネート、メチルジグリコールェチル ジグリコールサクシネート、メチルジグリコールブチルジグリコールサクシネート、ェチ ノレジグリコーノレブチノレジグリコーノレサクシネート、ジペンジノレサクシネート、ペンジノレメ チルジグリコールサクシネート、ベンジルェチルジグリコールサクシネート、ベンジル ブチルジグリコールサクシネート、ェチルメチルジグリコールアジペート、ェチルブチ ノレジグリコールアジペート、ブチルメチルジグリコールアジペート、ブチルブチルジグ リコールアジペート、ェチルメチルジグリコールサクシネート、ェチルェチルジグリコー ノレサクシネート、ェチルブチルジグリコールサクシネート、ブチルメチルジグリコーノレ サクシネート、ブチノレエチノレジグリコーノレサクシネート、ブチノレブチノレジグリコーノレサ クシネート、ジメチルフタレート、ジェチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2—ェ チルへキシル)フタレート、ジ一 n—ォクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチ ノレべンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、ェチルフタリルエチレングリコレート等 が挙げられる。
[0040] ジカルボン酸誘導体としては、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グノレタル酸、アジピン 酸またはフタル酸などのジカルボン酸の、ァセチル化体に代表されるエステル化体 が好ましい。なかでも本発明においてはアジピン酸エステルである大八化学工業 (株
)製「0八 ?八丁丫一 101」を用いることが特に好ましい。
[0041] グリセリン誘導体としては、グリセリンをエステル化した誘導体が挙げられる。より具 体的には、グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステルまたはダリセリ ン脂肪酸トリエステルが挙げられる。
上記エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数 2〜22の飽和または不飽和脂肪 酸が挙げられ、具体的には酢酸、プロピオン酸、酪酸 (ブタン酸)、イソ酪酸、吉草酸( ペンタン酸)、イソ吉草酸、カプロン酸(へキサン酸)、ヘプタン酸、力プリル酸、ノナン 酸、力プリン酸、イソ力プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸 、ベへニン酸、 12—ヒドロキシステアリン酸、ォレイン酸、リノ一ノレ酸、エルシン酸、 12 —ヒドロキシォレイン酸などが挙げられる。グリセリン脂肪酸ジエステルまたはグリセリ ン脂肪酸トリエステルを構成する 2種または 3種の脂肪酸は同一であっても異なって いても良い。
[0042] なかでも本発明においてはトリァセチルダリセリド(通称トリァセチン)や、ァセチル化 モノダリセライドである理研ビタミン (株)製「リケマール PL (シリーズ)」などァセチル化 されたグリセリンがグリセリン誘導体として好適である。
[0043] 前記含浸工程にぉレ、て、ポリ乳酸架橋物を浸漬する際の含浸材の温度は、ポリ乳 酸のガラス転移温度以上融点以下で、かつ含浸材が液体状態を保つことができる温 度であれば、含浸材の種類等に応じて適宜選択することができる。含浸材がポリ乳酸 架橋構造の中に拡散していくのは高温の方が早いが、一般的には 80〜: 120°Cの範 囲が好適である。
また、浸漬時間も特に限定されないが、一般に拡散現象は厚みの二乗に比例する ため、 1mm以内の厚みの物は 5〜: 120分、より好ましくは 30〜90分であり、厚みが 数 mm以上の場合は 10〜20時間である。
[0044] ポリ乳酸架橋物内に含浸材が含浸されポリ乳酸架橋物が膨潤した状態で、前記し た冷却工程で、ポリ乳酸のガラス転移温度(60°C)以下の常温で冷却することにより、 ポリ乳酸と含浸材が複合化された本発明のポリ乳酸複合体が得られる。
[0045] さらに、本発明においては、一次架橋してポリ乳酸をポリ乳酸架橋物とし、このポリ 乳酸架橋物を前記含浸工程で含浸させる含浸材として架橋性モノマー(B)を用い、 該架橋性モノマー(B)が含浸されたポリ乳酸架橋物を前記冷却工程で冷却した後、 このポリ乳酸架橋物を二次架橋する二次架橋工程を付加してもよい。
前記のように、前記含浸材として架橋性モノマー(B)を用い、架橋性モノマー(B) が含浸された前記ポリ乳酸架橋物を二次架橋することにより、架橋性モノマー(B)同 士および架橋性モノマー(B)とポリ乳酸とを架橋させることができる。
すなわち、一次架橋と二次架橋の 2回の架橋を行い、一次架橋によりポリ乳酸を架 橋し、二次架橋により架橋性モノマー同士および架橋性モノマーとポリ乳酸を架橋さ せ、架橋構造を複合化させている。
このように、 2回架橋することで、ガラス転移温度の 60°C以上の高温になっても 60 °C以下の強度を確実に維持させることができると共に、含浸された架橋性モノマーは 架橋により拘束されるので架橋性モノマーの析出を防ぐことができる。
[0046] 前記一次架橋工程、含浸工程、冷却工程、二次架橋工程について、図 4を用いて 説明する。
まず、(a)に示すように、ポリ乳酸に架橋性モノマー (A)を混合した後に所要形状に 成形し、このポリ乳酸成形物を一次架橋し、(b)に示すように、前記ポリ乳酸をゲル分 率で略 100%架橋している。該ポリ乳酸架橋物 1を微視的に見ると、(c)に示すように ポリ乳酸分子は架橋 11により相互に拘束されている。この状態では、ガラス転移温度 以上の温度になっても分子が架橋されているため、動きが拘束されて変形するまで には至らない。
[0047] ついで、含浸工程においてポリ乳酸架橋物 1をポリ乳酸のガラス転移温度以上融 点以下の温度で液体状の架橋性モノマー(B) 2に浸漬すると、(d)に示すように架橋 された分子の間に架橋性モノマー(B) 2が含浸されていく。
含浸工程においては、ポリ乳酸架橋物 1がガラス転移温度以上の温度にさらされる と、非結晶部分の拘束が解けてある程度柔軟になってしまうという上記性質を逆に利 用している。すなわち、ポリ乳酸架橋物 1を液体状の架橋性モノマー(B) 2内でガラス 転移温度以上の温度にすることにより、ポリ乳酸の非結晶部分を運動させ、架橋され たポリ乳酸の分子間に架橋性モノマー(B)を浸入させ、架橋性モノマー(B) 2により ポリ乳酸架橋物 1を膨潤させる。
[0048] ついで、冷却工程においてポリ乳酸のガラス転移温度以下の室温に戻すと、 (e) (f
)に示す状態のポリ乳酸複合体 3が得られる。この状態では、架橋性モノマー(B) 2は ポリ乳酸の分子間に含浸されているだけで、固定化されていない。
そこで、二次架橋工程において、電離性放射線を照射するなどして二次架橋する と、含浸させた架橋性モノマー(B)同士が架橋 12されて固定化されると共に、該架 橋性モノマー(B)とポリ乳酸の間もグラフト架橋され、 (g) (h)に示す複合化した架橋 構造を有するポリ乳酸複合体 10が得られる。
[0049] このように、一次架橋と二次架橋の 2回の架橋で、複合化された架橋構造を設けて いるため、ポリ乳酸複合体 10の強度がさらに高められ、ガラス転移温度 60°C以上と なっても変形しない強度を付与することができる。
二次架橋は一次架橋とは相違し、架橋によるゲル分率を必ずしも 100%とする必要 はない。よって、含浸工程で含浸させる架橋性モノマー(B)の配合量も一次架橋の ポリ乳酸の架橋密度と架橋性モノマー(B)とポリ乳酸との親和性に応じたものとして いる。
例えば、ポリ乳酸成形物に含まれる架橋性モノマー (A)の量、架橋させる電離性放 射線の量などを増減させることで架橋密度を増減させて、架橋性モノマー(B)の配合 量を制御することが可能である。
[0050] 前記二次架橋の架橋方法も特に限定されず、公知の方法が用いられるが、電離性 放射線を照射する方法が好ましレ、。
電離性放射線の照射による架橋方法は一次架橋と同様であるが、電離性放射線 の照射量は、含浸させた架橋性モノマーの量にもよるが、一次架橋における架橋に 必要とされる照射量より少なくてもよい。
即ち、二次架橋における電離性放射線の照射量は lkGy以上 200kGy以下、好ま しくは lOkGy以上 200kGy以下、より好ましくは 30kGy以上 200kGy以下である。
[0051] 前記架橋性モノマー(B)としては、常温で液体状のもの、または常温では固体であ つてもポリ乳酸のガラス転移温度以上融点以下の温度で融解し液体となるものであ れば、特に限定なく使用することができる。 該架橋性モノマー(B)としては、アクリル系もしくはメタクリル酸系モノマー、スチレン 系モノマー、ァリル系モノマー、またはラタトン系モノマーが挙げられる。
ポリ乳酸の架橋密度を向上させるには前記ァリル系架橋性モノマーが適している。 ポリ乳酸のガラス転移温度以上の高温における強度を向上させる目的にはアクリル 系もしくはメタクリル系の架橋性モノマーが適している。とくに、アクリル系はポリマーと なると硬いため、高温時における耐熱性を高めることができる。かつ、複合化後も透 明なために光学系材料として採用できる。
ポリ乳酸へのグラフト重合、官能基導入への基点としてグラフト鎖を付与する目的に はスチレン系架橋性モノマーも有効である。
ポリ乳酸架橋成形体の生分解性をより高める目的にはラタトン系架橋性モノマーが 適している。
[0052] 前記アクリル系もしくはメタクリル系の架橋性モノマーとしては、 (メタ)アクリル酸、メ チル(メタ)アタリレート、 1, 6—へキサンジオールジ(メタ)アタリレート、 1, 4—ブタン ジオールジ(メタ)アタリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、エチレン ォキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、プロピレンォキシド変性トリ メチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、エチレンォキシド変性ビスフエノール Aジ(メ タ)アタリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アタリレート、ジペンタエリスリトールへ キサアタリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアタリレート、力プロラクト ン変性ジペンタエリスリトールへキサアタリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アタリ レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アタリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ) アタリレート、トリス(アタリ口キシェチル)イソシァヌレート、トリス(メタクリロキシェチル) イソシァヌレート等が挙げられる。
[0053] 前記スチレン系の架橋性モノマーとしては、スチレン、 p_メチルトルエンなどの主と してそのパラ位に官能基を備えたもの、スチレンスルホン酸塩、クロロスチレン、 ひ - メチルスチレンなどが挙げられる。
[0054] ラタトン系架橋性モノマーとしては、 ε—力プロラタトン、 4—メチルカプロラタトン、 3 , 5, 5—トリメチノレ力プロラタトン、 3, 3, 5 _トリメチルカプロラタトンなどの各種メチル 化力プロラタトン、 β—プロピオラタトン、 γ—ブチ口ラタトン、 δ—バレロラタトン、ェナ ントラクトン等が挙げられる。
[0055] 本発明は、前記一次架橋工程、含浸工程、冷却工程より製造されるポリ乳酸複合 体を提供している。
このように製造された本発明のポリ乳酸複合体は、図 1 (e)、(f)に示すようにポリ乳 酸の架橋ネットワーク 11中に含浸材 2が含浸されてレ、る。
そして、本発明のポリ乳酸複合体においてはポリ乳酸成分が実質的に 100%架橋 されていることが好ましい。そのために、含浸材に浸漬する前のポリ乳酸架橋物は、 ゲル分率が 95%以上であり、好ましくは 98%以上であり、より好ましくは実質的に 10 0%である。
さらにゲル分率が実質的に 100%を越えた範囲でも、架橋点の量、すなわち架橋 密度が重要で、架橋密度を上げてレ、くことで含浸材の含有量を制御することが可能 である。これは、架橋ネットワーク構造が緻密になることで構造変化 ·体積変化しにくく なることを利用しており、架橋性モノマーの量、架橋させる電離性放射線の量などを 増減させることで架橋密度を増減させて、含浸材の含浸量を制御することが可能であ る。
[0056] 前記一次架橋後に、含浸材を含浸させた状態で冷却した前記ポリ乳酸複合体にお いては、含浸材の含有率が 5%以上 60%以下であることが好ましい。ポリ乳酸複合 体のガラス転移温度以下での柔軟性を確保するために、含浸材の含有率を 5%以上 としている。より柔軟性向上効果を発揮させるためには含浸材の含有率が 10%以上 が好ましぐ特に 20%以上が好ましい。
含浸材の含有率を 60%以下としているのは、含浸材の含有率が 60%を超えると含 浸材が析出するといういわゆるブリードが起こりえるためである。含浸材の含有率は 5 0%以下が好ましい。
[0057] さらに、本発明は、一次架橋工程、含浸工程、冷却工程、二次架橋工程により、 2 回架橋されて製造されるポリ乳酸複合体も提供してレヽる。
前記ポリ乳酸複合体は、一次架橋での架橋でポリ乳酸が一次架橋されて一体化さ れ、含浸工程でこのポリ乳酸架橋物に架橋性モノマー(B)を含浸させた後、二次架 橋して、含浸させた架橋性モノマー同士および該架橋性モノマーとポリ乳酸をグラフ ト架橋して複合化させた架橋構造を有するものとしてレ、る。
このように、複合化させて密な架橋構造としているため、ポリ乳酸のガラス転移温度
60°C以上の高温時にも変形を発生させない耐熱性を有する。
[0058] 前記 2回架橋されるポリ乳酸複合体では、架橋性モノマー(B)の含有割合がポリ乳 酸に対して 5質量%以上 50質量%以下とすることが好ましい。
これは、架橋性モノマーの含有割合を 5質量%以上としているのは、架橋性モノマ 一の含有割合が 5質量%未満であると、架橋性モノマーを配合することによる架橋密 度の向上が十分ではなぐ一方、 50質量%以下としているのは、架橋性モノマーの 析出よるブリードの発生を防止するためである。
[0059] 本発明の一次架橋の 1回の架橋だけのポリ乳酸複合体および、一次架橋と二次架 橋の 2回の架橋を行うポリ乳酸複合体のいずれにおいても、示差走查熱量計による 4
0°Cから 200°Cまでの熱量解析においてポリ乳酸のガラス転移温度における熱量吸 収および融点付近の結晶溶融に伴う熱吸収の両方がないものとすることができる。 このようなポリ乳酸複合体であれば、従来のポリ乳酸成形物で見られるような、ガラ ス転移温度において非結晶部分の拘束が解けて一気に動き始め、ガラス転移温度 前後で極端な強度変化を生じるという現象が起こりにくい。
発明の効果
[0060] 本発明に係わるポリ乳酸複合体は、ポリ乳酸のガラス転移温度である 60°Cを超える 高温時においてもポリ乳酸の架橋ネットワークにより確実に形状を維持することができ る。ポリ乳酸のガラス転移温度以下の温度においては、ポリ乳酸の架橋ネットワーク 中に含浸材が含浸されポリ乳酸分子間の相互作用を阻止していることにより、優れた 柔軟性と伸びを有する。ゆえに、現在プラスチックが利用されている一般的な用途、 特にゴム吸盤など軟質塩化ビュルが利用されている用途への応用が期待できる。ま た、柔軟性と形状記憶性の両方が必要となる形状記憶製品として利用することも好適 である。
[0061] 特に、一次架橋されたポリ乳酸架橋物を含浸する含浸材として、架橋性モノマー(B )を用い、架橋性モノマー(B)が含浸されたポリ乳酸架橋物を二次架橋して製造され た本発明のポリ乳酸複合体は、ポリ乳酸の分子同士の架橋と、配合した架橋性モノ マー同士の架橋と、該架橋性モノマーとポリ乳酸との架橋とが複合された架橋構造と なる。このように、架橋密度を高めると、ポリ乳酸のガラス転移温度である 60°Cを超え る高温時においてもポリ乳酸の架橋ネットワークにより確実に形状を維持することがで きる。
カロえて、高いグラフト率にもかかわらず透明性を維持している。このように、本発明 のポリ乳酸複合体はポリ乳酸の長所を維持したままその欠点を改良しうるものであり、 生分解性樹脂の本来の目的である石油由来の汎用プラスチックの代替の可能性を 大幅に向上させるものである。
[0062] 本発明のポリ乳酸複合体は生分解性を有していることから、 自然界において生態 系に及ぼす影響が極めて少なぐ従来のプラスチックが有していた廃棄処理に関わ る諸問題を解決できる。しかも、本発明のポリ乳酸複合体は今までにない柔軟性を有 する点から、これまでポリ乳酸を利用できなかった分野への応用が期待できる。また、 生体への影響がない点から、生体内外に利用される注射器やカテーテルなどの医 療用器具への適用が可能な材料である。
[0063] ポリ乳酸の生分解性および生体適合性あるいは生体内分解性を考えれば、本発明 のポリ乳酸複合体をその担持性を利用した有用物質の徐放システム等に応用するこ と力 Sできる。すなわち、薬剤や薬品などの有用物質をポリ乳酸に複合化させれば、ポ リ乳酸が分解するにつれて含浸されていた有用物質が徐々に放出されることとなる。 このように本発明のポリ乳酸複合体は広範囲の分野や技術に利用することができる。
[0064] さらに、本発明品は架橋ネットワーク構造の中にメタノールやジメチルスルホキシド( DMSO)等の極性溶媒を含有したゲル状構造を呈するため、ゲル濾過や液体クロマ トグラフィ等の分子篩としての利用が可能であり、前記のように架橋構造を制御するこ とで分離分析技術にも応用可能である。
[0065] さらに、スチレンやアクリル酸、メタクリル酸など様々な分野で使用されている汎用グ ラフトモノマーをポリ乳酸と重合することで、他の材料を複合化したり、ポリ乳酸を高機 能化したりする方法を提供するものであり、広範囲の技術分野に応用が可能である。 図面の簡単な説明
[0066] [図 1]本発明のポリ乳酸複合体の製造工程を示す模式図である。 [図 2]架橋されていないポリ乳酸成形物を含浸材に含浸させた場合に起こる現象を示 した模式図である。
[図 3]架橋されていないポリ乳酸成形物を含浸材に含浸させた場合に起こる現象を示 した模式図である。
[図 4]本発明のポリ乳酸複合体の製造工程を示す模式図である。
[図 5]耐熱変形試験に用いる試験器具の概略図である。
[図 6]ブリード性評価試験の結果を示す図である。
符号の説明
[0067] 1 ポリ乳酸架橋物
2 含浸材 (架橋性モノマー (B) )
3、 10 ポリ乳酸複合体
4 ポリ乳酸成形物
5 結晶化
11 ポリ乳酸の架橋
12 架橋性モノマーの架橋
発明を実施するための最良の形態
[0068] 以下に、本発明の第一実施形態を説明する。
本発明のポリ乳酸複合体の製造方法において、最初にポリ乳酸架橋物を下記の手 順で製造する。
[0069] まず、ポリ乳酸を加熱により軟化させる力、あるいはクロ口ホルムやタレゾール等の ポリ乳酸が溶解しうる溶媒中にポリ乳酸を溶解または分散させる。
ついで、架橋性モノマー(A)を添加する。架橋性モノマー(A)としては TAICが特 に好ましい。架橋性モノマーの添加量は、ポリ乳酸 100質量部に対して 5質量部以上 10質量部以下が好ましい。
添加後、架橋性モノマー (A)が均一になるように撹拌混合する。
ついで、さらに溶媒を乾燥除去しても良い。
このようにして、ポリ乳酸成形物を構成する組成物を調製する。
[0070] 前記組成物を再び加熱などにより軟ィ匕させて、シート、フィルム、繊維、トレイ、容器 または袋等の所望の形状に成形する。この成形は、組成物を調製したあと、例えば 溶媒に溶解した状態のまま続けて行っても良いし、一旦冷却または溶媒を乾燥除去 した後に行っても良い。
[0071] ついで、得られたポリ乳酸成形物に電離性放射線を照射し、ポリ乳酸を架橋させ、 ポリ乳酸架橋物を得る。
電離性放射線は、電子線加速器による電子線照射が好ましレヽ。
放射線照射量は 80kGy以上 lOOkGy以下の範囲力も架橋性モノマーの配合量等 に応じて適宜選択する。特に電離性放射線照射後に得られるポリ乳酸架橋物のゲル 分率が実質的に 100%となることを目安に選択する。
[0072] 得られたポリ乳酸架橋物を含浸材に浸漬する。
含浸材としては、極性アルコール類であるエチルアルコール、イソプロピルアルコー ノレ、 t_ブチルアルコーノレもしくは n—ペンチルアルコール; 1価のカルボン酸類であ る酢酸;ケトン類であるメチルェチルケトン;ラタトン類である γ —ブチロラタトンもしくは ε—力プロラタトン;トリアジン類であるトリアリルイソシァヌレート;非プロトン系極性溶 媒であるジメチルスルホキシド;乳酸系可塑剤である荒 J 11化学工業 (株)製「ラタトサイ ザ一 GP— 4001」;ロジン系可塑剤である荒川化学工業 (株)製「ラタトサイザ一 GP— ド(特にグリセリンジァセトモノラウレート);ジカルボン酸誘導体であるアジピン酸エス テルを用いる。
[0073] 含浸材に浸漬させる際の温度は 65〜: 100°Cで、含浸材が液体状態を保てる温度 が好ましい。
また、含浸材に浸漬させる時間は、ポリ乳酸架橋物力 Slmm程度以内の厚みの場合 ίま 30〜90分力 S好ましく、 60分力 Sより好ましレヽ。
[0074] ポリ乳酸架橋物内に含浸材が含浸されポリ乳酸架橋物が膨潤した状態でポリ乳酸 のガラス転移温度以下に冷却することで本発明のポリ乳酸複合体が得られる。冷却 は放冷により徐々に冷却しても良いし、水冷などにより急冷してもよい。
[0075] 次に、本発明の第二実施形態を説明する。
本発明のポリ乳酸架橋成形体の製造方法において、最初にポリ乳酸架橋物を下記 の手順で製造する。
まず、ポリ乳酸を加熱により軟化させる力、あるいはクロ口ホルムやタレゾール等の ポリ乳酸が溶解しうる溶媒中にポリ乳酸を溶解または分散させる。
ついで、架橋性モノマー (A)を添加する。架橋性モノマー (A)としては第一実施形 態と同様、 TAICが特に好ましい。架橋性モノマーの添カ卩量は、ポリ乳酸 100重量% に対して 5重量%以上 7重量%以下が好ましい。
添加後、架橋性モノマー (A)が均一になるように撹拌混合する。
ついで、さらに溶媒を乾燥除去しても良い。
このようにして、ポリ乳酸成形物を構成するポリ乳酸組成物を調製する。
[0076] 前記ポリ乳酸組成物を再び加熱などにより軟化させて、シート、フィルム、繊維、トレ ィ、容器または袋等の所望の形状に成形する。この成形は、ポリ乳酸組成物を調製し たあと、例えば溶媒に溶解した状態のまま続けて行っても良いし、一旦冷却または溶 媒を乾燥除去した後に行つても良い。
[0077] ついで、得られたポリ乳酸成形物に電離性放射線を照射し、ポリ乳酸を一次架橋さ せ、ポリ乳酸架橋物を得る。
電離性放射線は電子線加速器による電子線照射が好ましい。
放射線照射量は 80kGy以上 l OOkGy以下の範囲から架橋性モノマーの配合量等 に応じて適宜選択する。特に電離性放射線照射後に得られるポリ乳酸架橋物のゲル 分率が実質的に 100%となることを目安に選択する。
[0078] 得られたポリ乳酸架橋物を架橋性モノマー(B)に浸漬する。
架橋性モノマー(B)としては、メタクリル系架橋性モノマーであるメタクリル酸もしくは メチルメタタリレート、ァリル系架橋性モノマーである TAIC、スチレン系架橋性モノマ 一であるスチレン、ラタトン系架橋性モノマーである ε—力プロラタトンを用いる。 架橋性モノマー(Β)に浸漬させる際の温度は 65〜100°Cで、架橋性モノマー(B) が液体状態を保てる温度が必要である。また、架橋性モノマー(B)に浸漬させる時間 は、ポリ乳酸架橋物が lmm程度以内の厚みの場合は 30〜90分が好ましぐ 60分が より好ましい。
[0079] ポリ乳酸架橋物内に架橋性モノマー(B)が含浸され、ポリ乳酸架橋物が膨潤した状 態でポリ乳酸のガラス転移温度以下に冷却する。冷却は放冷により徐々に冷却して も良いし、水冷などにより急冷してもよい。
[0080] ついで、架橋性モノマー(B)が含浸されたポリ乳酸架橋物に電離性放射線を照射 して二次架橋し、ポリ乳酸と含浸させた架橋性モノマーをグラフト架橋させると共に、 架橋性モノマー(B)同士を架橋させて、本発明のポリ乳酸複合体を製造している。 二次架橋時の放射線照射量は 30kGy以上 200kGy以下の範囲力 架橋性モノマ 一の種類および配合量等に応じて適宜選択している。
[0081] 前記方法で製造する本発明のポリ乳酸複合体は、高濃度の架橋性モノマーが含ま れている。具体的には、ポリ乳酸に対し架橋性モノマーは 15重量%〜100重量%、 好ましくは 5重量%以上 50重量%以下の架橋性モノマーが含まれている。
かつ、該架橋性モノマーは、実施例に記載の方法で測定される固定率を 5〜95% 、より好ましく 8〜85%としてレヽる。
[0082] 第二実施形態のポリ乳酸複合体においては、上記のように架橋性モノマー (A) (B )が高濃度に含まれていても、当該架橋性モノマーはポリ乳酸とまたは架橋性モノマ 一同士で架橋しているので析出することがない。そして、高濃度の架橋性モノマーの おかげで架橋構造が密になり、本発明のポリ乳酸架橋成形体は、ポリ乳酸のガラス 転移温度である 60°C以上の高温においても 60°C以下の温度条件下での強度を維 持できる。
その指標として、実施例に記載の耐熱変形性試験において、下方への曲がりが 45 ° 未満であることが好ましい。
実施例
[0083] 以下、本発明について実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発 明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[0084] (実施例:!〜 8)
ポリ乳酸として、ペレット状の三井化学 (株)製ポリ乳酸レイシァ (LACEA) H— 400 を使用した。ァリル系架橋性モノマーの 1種である TAICを用意し、押出機 (池貝鉄工 (株)製 PCM30型)を用いてシリンダ温度 180°Cでポリ乳酸を溶融押出する際に押 出機のペレット供給部に TAICをペリスタポンプにて定速滴下することでポリ乳酸に T AICを添加した。その際、 TAICの配合量がポリ乳酸 100質量部に対して 7質量部に なるように、 TAICの滴下速度と押出機の押出速度の比率を調整した。押出品は水 冷ののちにペレタイザ一にてペレツトイ匕し、ポリ乳酸と架橋性モノマーのペレット状混 練物を得た。
[0085] この混練物を 160°Cでシート状に熱プレスしたのち水冷で急冷し、 500 z m厚のシ ートを作製した。
このシートに対し、空気を除いた不活性雰囲気下で電子加速器 (加速電圧 lOMeV 、電流量 12mA)により電子線を lOOkGy照射し、ポリ乳酸架橋物を得た。
[0086] 得られたポリ乳酸架橋物を含浸材にポリ乳酸のガラス転移温度以上融点以下の温 度で浸漬した。
含浸材として、下記の表 1に示すように、極性アルコール類であるェチルアルコー ノレ、イソプロピルアルコール、 t_ブチルアルコールもしくは n—ペンチルアルコール; ラタトン類である γ—プチ口ラタトン;トリアジン類であるトリアリルイソシァヌレート;乳酸 誘導体を主成分とする可塑剤である荒川化学工業 (株)製「ラ外サイザ一 GP—400 1」;ロジン誘導体を主成分とする可塑剤である荒) 11化学工業 (株)製「ラ外サイザ一 GP— 2001」を用レ、、前記ポリ乳酸架橋物を恒温漕内でエタノールには 70°Cの温度 で、その他の含浸材には 80°Cの温度で 1時間浸漬、膨潤させた。その後、室温で放 冷することにより本発明のポリ乳酸複合体を得た。
[0087] (実施例 9〜: 11)
電子線照射量を 50kGyとしたこと以外は実施例 1、 2、 7と同様にして、実施例 9〜1 1とした。
(実施例 12〜: 19)
電子線照射量を lOOkGyとし、含浸材は下記のとおりとした。製造方法を実施例 1 〜11と同様とした。
実施例 12:ジメチルスルホキシド(DMSO)
実施例 13 :酢酸
実施例 14 : ε —力プロラタトン(6—ヒドロキシへキサン酸 1, 6—ラタトン ダイセル化 学工業 (株)製「プラタセル Μ」) 実施例 15:メチルェチルケトン
実施例 16 :トリァセチルダリセリド (グリセリン誘導体、有機合成薬品工業 (株)製「トリ ァセチン」)
実施例 17:アジピン酸エステノレ (ジカルボン酸誘導体、大八化学工業 (株)製「DAI FFATY- 10U )
実施例 18:ジァセチルモノグリセリド(グリセリン誘導体、理研ビタミン (株)製「リケマ 一ノレ PL— 019」)
実施例 19 :ァセチルイ匕ポリグリセリド (グリセリン誘導体、理研ビタミン (株)製「リケマ 一ノレ PL— 710」)
[0088] (比較例:!〜 16)
TAICを配合しな力、つたこと以外は実施例 1〜8と同様にして、各々比較例 1〜8とし た。
また、電子線照射を行わなかったこと以外は実施例 1〜8と同様にして、各々比較 例 9〜: 16とした。
[0089] 実施例および比較例において、含浸材含浸前のポリ乳酸架橋物のゲル分率を下 記方法で評価し、含浸材含浸後のポリ乳酸複合体の含浸材含有率を下記方法で評 価した。
[ゲル分率の評価]
各ポリ乳酸架橋物の乾燥質量を正確に計ったのち、 200メッシュのステンレス金網 に包み、クロ口ホルム液の中で 48時間煮沸したのちに、クロ口ホルムに溶解したゾル 分を除いて残ったゲル分を得た。 50°Cで 24時間乾燥して、ゲル中のクロ口ホルムを 除去し、ゲル分の乾燥質量を測定した。得られた値をもとに下記式に基づきゲル分 率を算出した。
ゲル分率(%) = (ゲル分乾燥質量 Zポリ乳酸架橋物の乾燥質量) 100
[0090] [含浸材含有率の評価]
含浸材に浸漬する前の常温におけるポリ乳酸架橋物の質量を予め測定しておき、 含浸材に浸漬したのち常温に戻した後のポリ乳酸複合体の質量を測定した。得られ た値をもとに下記式に基づき含浸材含有率を算出した。 含浸材含有率 (%) = { (A— B) /A} X 100
A;ポリ乳酸複合体の質量
B ;含浸材への含浸前のポリ乳酸架橋物の質量
前記評価の結果を、製造条件の相違点とともに、下記表にまとめた。
[表 1]
電子線 使用したポリ乳酸 含浸材の 含浸材
照射量 架橘物のゲル分率 含有率
1 エチルアルコール 17%
2 ィソプロピルアルコール 19% 実施例 3 t一ブチルアルコール 26%
4 1 00 n—ペンチルアルコール 9%
5 k G y ァープチロラク 卜ン 58%
6 トリアリルイソシァヌレート 20%
7 G P -4001 47%
8 G P - 2001 6%
9 1 00 % エチルアルコール 16%
10 50 ィソブロピルアルコール 14%
11 k G y G P -4001 37%
12 ジメチルスル才キシド 47%
13 酢酸 50%
14 ε力プロラク 卜ン 35%
15 1 00 メチルェチルケトン 46%
16 k G y 卜リァセチン 54%
17 D A I F F A T Y— 1 01 38%
18 P L— 01 9 35%
19 P L— 7 1 0 40%
1 エチルアルコール ※
2 ィソプロピルアルコール ※
3 1 00 t一ブチルアルコール ※
4 k G y π—ペンチルアルコール ※? 比較例 5 ァープチロラクトン ※,
6 トリアリルイソシァヌレート ※
7 0 % G P -4001 ※
8 G P - 2001 ※
9 エチルアルコール 0%
10 ィソプロピルアルコール 0%
11 0 t—ブチルアルコール 0%
12 k G y n—ペンチルアルコール 0%
13 ァープチロラク トン 0%
14 卜リアリルイソシァヌレー卜 0%
15 G P— 4001 0%
16 G P— 2001 0%
※ …一部溶融して重量減少したため測定できず。
※2…結晶化して白色硬化 [0092] 実施例ではレ、ずれも含浸材が含有されたポリ乳酸複合体が得られた。これら複合 体の特徴は、ポリ乳酸およびその架橋物がもつ透明性を保っていたことである。 また、実施例 8を除いては常温でも軟質塩ィ匕ビニル樹脂並みの柔軟性を示した。特 に γ _ブチロラタトン、「ラタトサイザ一 GP_4001」、ジメチルスルホキシド、酢酸、 ε —力プロラタトン、メチルェチルケトン、トリァセチン、「DAIFFATY_ 101」、「PL_0 19」、「PL_ 710」および極性アルコールを含浸したものは柔軟性に富んでいた。
[0093] 極性アルコールの中では特に t_ブチルアルコールの膨潤性がよかった。また、通 常室温で置くと乾燥してしまいやすいエタノールを含浸したポリ乳酸複合体であって も、 24時間経過後の含浸材の含有量が浸漬直後の含浸材の含有量の 80%以上を 保持しており、本発明のポリ乳酸複合体が良好な担持性を有することが分かった。 ポリ乳酸用可塑剤では、乳酸系可塑剤である「ラタトサイザ一 GP_4001」の方が口 ジン系可塑剤である「ラタトサイザ一 GP— 2001」に比べて含浸材含有率が非常に高 ぐそれゆえに柔軟性改善効果も「ラタトサイザ一 GP— 4001」のほうが大きかった。
[0094] 含浸した状態で無臭である点では、トリァセチンおよび「DAIFFATY— 101」、「P L— 019」、「PL— 710」が優れていた。また、「DAIFFATY— 101」、「PL— 019」、 「PL— 710」は 100°C〜120°Cに加熱しても重量の減少がみられない点や含有量に 比して柔軟性が高いなど本発明の目的に非常にかなっている。
[0095] 電子線照射量が lOOkGyの実施例 1, 2, 7, 12〜: 15と、電子線照射量が 50kGy の実施例 9, 10, 11では、前者の方が異形変形が少なく均一に膨潤し、含浸材含有 率も高く良好であった。この差はクロ口ホルムによるゲル分率の評価が 100%と同じ であつても架橋密度に違レ、があるためと考えられ、電子線照射量が 1 OOkGyである 場合の方が架橋密度が高ぐ良い結果が得られた。
[0096] 実施例に対して、ポリ乳酸が架橋していない比較例 1〜: 16は、含浸材の含浸が認 められず、一部は溶解した。また、ガラス転移温度以上にさらされたために結晶化が 起こり硬くなると同時に、結晶による乱反射で光を通さなくなり、顕著に白色化した。
[0097] 実施例 18、 19について、ブリード性を評価した。
このブリード性評価は、 80°Cの恒温槽内に保持して重量変化を測定し、加熱による ブリード性を評価した。その結果は、図 6に示すように 360時間 15日間で、実施例 18 、では含浸薬斉 IjPL— 019の含有率は約 5%の低下し、実施例 19では PL— 710の 含有率は約 1%しか低下しなかった。この結果より、複合材はブリードが発生しにくい ことが確認できた。かつ、柔軟性だけでなぐ透明性も維持していた。
[0098] (実施例 20〜23)
ポリ乳酸として、ペレット状の三井化学 (株)製ポリ乳酸レイシァ(LACEA) H— 400 を使用した。ァリル系架橋性モノマーの 1種である TAICを用意し、押出機 (池貝鉄工 (株)製 PCM30型)を用いてシリンダ温度 180°Cでポリ乳酸を溶融押出する際に押 出機のペレット供給部に TAICをペリスタポンプにて定速滴下することでポリ乳酸に T AICを添カ卩した。その際、 TAICの配合量がポリ乳酸 100質量部に対して 7質量部に なるように、 TAICの滴下速度と押出機の押出速度の比率を調整した。押出品は水 冷ののちにペレタイザ一にてペレット化し、ポリ乳酸と架橋性モノマー(A)のペレット 状混練物を得た。
[0099] この混練物を 160°Cでシート状に熱プレスしたのち水冷で急冷し、 500 /i m厚のシ ート状のポリ乳酸成形物を作製した。
このシート状のポリ乳酸成形物に対し、空気を除いた不活性雰囲気下で電子加速 器 (加速電圧 10MeV、電流量 12mA)により電子線を lOOkGy照射し、ポリ乳酸架 橋物を得た。
得られたポリ乳酸架橋物を架橋性モノマー(B)にポリ乳酸のガラス転移温度以上融 点以下の温度で浸漬した。架橋性モノマー(B)としてメタクリル酸を使用した。具体的 には、前記ポリ乳酸架橋物を 80°Cの恒温漕内でメタクリル酸に 1時間浸漬、膨潤させ た。
その後、常温に戻して、余剰なモノマーをふき取ってから真空パックした状態でふ たたび電子加速器(加速電圧 10MeV、電流量 12mA)により電子線を 30kGy、 60k Gy、 100kGy、 200kGy照射した。その後、 24時間真空乾燥して固定されていない 余分なモノマーを除去して、本発明のポリ乳酸複合体を得た。
[0100] (実施例 24〜29)
ポリ乳酸架橋物を浸漬させる架橋性モノマー(B)としてメタクリル酸の代わりに TAI C、スチレン、 ε —力プロラタトン、メチルメタタリレート、トリメチロールプロパンメタタリ レート(以下、 TMPTMAと称す)、トリメチロールプロパンアタリレート(以下、 TMPT Aと称す)を用いたこと以外は、実施例 20と全く同様にして、各々実施例 24〜29とし た。
[0101] (比較例 17、 18)
架橋性モノマー(B)の含浸、その後の再架橋という第二工程、第三工程を行わな 力、つた以外は実施例 20〜23と同様にして比較例 17とした。
1回目の電子線照射を行わず、 2回目の電子線照射の照射量を 90kGyとしたこと 以外は、実施例 20〜23と同様にして比較例 18とした。
[0102] 実施例および比較例において、架橋性モノマー(B)への含浸前のポリ乳酸架橋物 のゲル分率は上記方法で測定し、最終製品であるポリ乳酸複合体の架橋性モノマー (B)の固定率、耐熱変形性および透明性を下記方法で評価した。
[0103] [架橋性モノマー固定率の評価]
架橋性モノマー(B)に浸漬する前の常温におけるポリ乳酸架橋物の質量を予め測 定しておき、最終的に得られたポリ乳酸架橋成形体の質量を測定した。得られた値を もとに下記式に基づき架橋性モノマー固定率を算出した。
架橋性モノマー固定率(%) = { (B— A) /A} X 100
A;架橋性モノマー(B)への含浸前のポリ乳酸架橋物の質量
B ;ポリ乳酸複合体の質量
[0104] [耐熱変形性の評価]
ポリ乳酸複合体を幅 lcm、長さ 7cmの短冊状にカットし、端から 2cmを図 5に示す ような試験器具 21で固定して水平に保った状態で 100°Cの恒温槽内で 1時間放置 して、重力による下方への変形性を測定した。
図 5中において、実線は試験前のポリ乳酸複合体 10を、点線は試験後に重力によ り下方へ変形したポリ乳酸複合体 10を示す。
下方への曲がりが 1° 以下で変形も見られないものを「◎」と、下方への曲がりが 5 。 未満のものを「〇」と、下方への曲がりが 5° 以下 45° 未満のものを「△」と、下方 への曲がりが 45° 以上のものを「X」と評価した。
[0105] [透明性] 最終的に得られたポリ乳酸架橋成形体が原料であるポリ乳酸の透明性を維持して いた場合を「〇」と、曇り部分が見られた場合を「△」と、白色化した場合を「X」と評価 した。
前記評価の結果を、製造条件の相違点とともに、下記表にまとめた。
[表 2]
Figure imgf000036_0002
Figure imgf000036_0001
実施例ではいずれも架橋性モノマー(B)が架橋固定されたポリ乳酸複合体が得ら れた。 24時間真空乾燥により未固定の架橋性モノマー(B)は除去していることから、 架橋性モノマー(B)はポリ乳酸の内部でグラフト重合されている力、あるいは架橋物 を形成してレ、ることが確認できた。
本発明のポリ乳酸複合体の特徴は、第一にポリ乳酸のガラス転移温度以上の高温 における変形が無いことである。第二に、実施例 25では若干曇った部分が見られた が、ポリ乳酸およびその架橋物が持つ透明性をほぼ保っていることである。
特に、メタクリル酸やメチルメタタリレートなどのメタクリル系架橋性モノマー、又は T MPTA等のアクリル系モノマーは固定率が 45〜86%と高ぐ優れた高温時の強度 維持効果と透明性を有し、本発明の目的に最もかなっていることが確認できた。 実施例に対して、架橋性モノマー(B)の含浸および二次架橋は行わず、ポリ乳酸を 架橋しただけの比較例 17では高温時の強度維持効果は見られなかった。
ポリ乳酸成形物を架橋せず、架橋性モノマー(B)を含浸した後に架橋した比較例 1 8では、架橋性モノマー(B)が含浸できず、一部は溶解した。また、ガラス転移温度 以上の温度にさらされたために、結晶化が起り硬くなると同時に、結晶による乱反射 で光を通さなくなり、顕著に白色化した。

Claims

請求の範囲
[1] ポリ乳酸成形物を架橋してポリ乳酸架橋物とする一次架橋工程と、
前記ポリ乳酸架橋物を、ポリ乳酸のガラス転移温度以上融点以下の温度で含浸材 に浸漬し、前記ポリ乳酸架橋物内に該含浸材が含浸させる含浸工程と、
前記含浸材が含浸されて前記ポリ乳酸架橋物が膨潤した状態で、ガラス転移温度 以下に冷却する冷却工程とを備え、
前記ポリ乳酸架橋物に前記含浸材を複合化させたことを特徴とするポリ乳酸複合 体の製造方法。
[2] 前記ポリ乳酸成形物とする組成物には可塑剤を配合していない請求項 1に記載の ポリ乳酸複合体の製造方法。
[3] 前記ポリ乳酸成形物とする組成物には架橋性モノマー (A)を混合してレ、る請求項 1 に記載のポリ乳酸複合体の製造方法。
[4] 前記架橋性モノマー(A)がァリル系架橋性モノマーで、該ァリル系架橋性モノマー がポリ乳酸 100質量部に対して 4質量部以上 15質量部以下の割合で混合されてい る請求項 3に記載のポリ乳酸複合体の製造方法。
[5] 前記含浸材として架橋性モノマー(B)を用い、前記冷却工程の後に、前記架橋性 モノマー(B)が含浸された前記ポリ乳酸架橋物を架橋する二次架橋工程を備えてい る請求項 3に記載のポリ乳酸複合体の製造方法。
[6] 前記架橋性モノマー(B)として、メタクリル酸系モノマー、スチレン系モノマー、ァリ ル系モノマー、またはラタトン系モノマーを用いている請求項 5に記載のポリ乳酸複合 体の製造方法。
[7] 前記一次架橋工程において、前記ポリ乳酸成形物に電離性放射線を照射して前 記ポリ乳酸架橋物としてレ、る請求項 1に記載のポリ乳酸複合体の製造方法。
[8] 前記電離性放射線の照射量が 50kGy以上 200kGy以下である請求項 7に記載の ポリ乳酸複合体の製造方法。
[9] 前記一次架橋および二次架橋の架橋は電離性放射線を照射して行レ、、
前記一次架橋でポリ乳酸を架橋させ、前記二次架橋で含浸工程で含浸させた架橋 性モノマー(B)同士を架橋させると共に該架橋性モノマー(B)とポリ乳酸とをグラフト 架橋させている請求項 5に記載のポリ乳酸架橋成形体の製造方法。
[10] 請求項 1に記載の製造方法で製造され、ポリ乳酸の架橋ネットワーク中に含浸材が 含浸されていることを特徴とするポリ乳酸複合体。
[11] ポリ乳酸成分がゲル分率で実質的に 100%架橋されている請求項 10に記載のポリ 乳酸複合体。
[12] 示差走查熱量計による 40°Cから 200°Cまでの熱量解析においてポリ乳酸のガラス 転移温度における熱量吸収および融点付近の結晶溶融に伴う熱吸収の両方がない 請求項 10に記載のポリ乳酸複合体。
[13] 前記含浸材の含有率が 5%以上 60%以下である請求項 10に記載のポリ乳酸複合 体。
[14] 前記含浸材が以下の(a)〜(g)の少なくとも 1種類を含有する請求項 10に記載のポ リ乳酸複合体。
(a)極性を持つ 1価のアルコール類、 1価のカルボン酸類、ケトン類、ラタトン類
(b) N, N—ジメチルホルムアミドゃジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン 系極性溶媒
(c)スチレンなどの極性を持つベンゼン環類
(d)トリアジン環を含むァリル類
(e)ポリ乳酸誘導体またはロジン誘導体を含む可塑剤
(f)ジカルボン酸誘導体を含む可塑剤
(g)グリセリン誘導体を含む可塑剤
[15] 請求項 5に記載の製造方法で製造されたポリ乳酸複合体。
[16] ポリ乳酸がゲル分率で実質的に 100%架橋されて一体化されていると共に、前記 第二工程で含浸させた架橋性モノマー(B)同士が架橋され、前記ポリ乳酸の架橋と 架橋性モノマー(B)同士の架橋との複合化された架橋構造を有する請求項 15に記 載のポリ乳酸複合体。
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