明 細 書
化粧料
技術分野
[0001] 本発明は、ジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸を反応して得られるヒドロキ シ化合物を含有する化粧料に関する。
背景技術
[0002] 従来、化粧料等に使用する油性基材として種々のエステルイ匕合物が知られて 、る。
[0003] 特定のトリアジン系紫外線吸収剤とトリグリセリンダイマレートイソステアレートとを含有 するサンスクリーン組成物が開示されて 、る (ドイツ国特許公報 DE19724626参照)。 このようなエステルイ匕合物は W/0型乳化物の乳化剤として使用されている。
[0004] しかし、該エステル化合物は、他の油性基剤との相溶性に乏しい。また、トリグリセリン (6価のアルコール)、イソステアリン酸及びダイマー酸の縮合反応中に高粘度物質が 生成し、均一なエステルイ匕合物を再現性良く得ることが困難であった。
[0005] 炭素数 4〜22の 2価アルコール及び炭素数 3〜22の 3価以上のアルコールから選ばれ る 1種以上と、ダイマー酸及び水素添加ダイマー酸カゝら選ばれる 1種又は 2種とのエス テルを含有する油剤が開示されている (特開 2002— 275020号公報参照)。ここで、炭 素数 4〜22の 2価アルコールとダイマー酸とのエステルとして、例えば、デカンジォー ルとダイマー酸とのエステル化合物が挙げられ、また、炭素数 3〜22の 3価以上のァ ルコールとダイマー酸とのエステルとして、例えば、グリセリンとダイマー酸とのエステ ルイ匕合物が挙げられて 、る。
[0006] しかし、該エステルイ匕合物を製造する段階で高分子量ポリマー及び環状ポリマーが 生成する。従って、反応器内物質の粘度が上昇し、均一なエステル化合物を再現性 良く得ることは困難であった。
[0007] 1種又は 2種のアルコールとダイマー酸とのエステル化合物又は 3種以上のアルコー ルとダイマー酸とのエステルイ匕合物を油性基剤として使用することが開示されている( 特開 2003— 226609号公報参照)。該発明ではアルコールとして、高級アルコール、例 えば、ベへ-ルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、フイト
ステロール等を使用している。これらのエステルイ匕合物はワックスタイプと言われ、そ の粘着性は小さい。
[0008] ダイマー酸と硬化ヒマシ油を反応して得られる、数平均分子量が 2,000〜8,000である オリゴマーを含有する化粧料が開示されている (特開 2003— 238332号公報参照)。し かし、該オリゴマーは、他の油性基剤との相溶性に乏しい。
[0009] 上記の各文献に記載されて!ヽるエステルイ匕合物は、 V、ずれも、他の各種化粧料、油 性基剤との相溶性又は混和性に乏しぐ化粧料中の含有量に制限が生じる。従って 、粘着性、ェモリエント性、油性感と言う実用特性に優れたィ匕粧料を得ることが困難 であった。
[0010] ダイマー酸と 2価以上のアルコールとのオリゴマーエステルを、 1価のアルコール又は Z及び 1価のカルボン酸でエステル化したエステル (a)、若しくはダイマージオールと 2 価以上のカルボン酸とのオリゴマーエステルを、 1価のアルコール又は Z及び 1価の カルボン酸でエステルイ匕したエステル (b)を含有する油性基材が開示されて ヽる (特開 2004— 256515号公報参照)。
[0011] エステル (a)の製造方法として、ダイマー酸と 2価以上のアルコールとのオリゴマーエス テルを得、このオリゴマーエステルのカルボキシル基又は Z及び水酸基と、 1価のァ ルコール又は Z及び 1価のカルボン酸をエステル化させる方法、並びにダイマー酸、 2価以上のアルコール、及び 1価のアルコール又は Z及び 1価のカルボン酸を一度に エステルイ匕させる方法が開示されている。(b)の製造方法として、ダイマージオールと 2 価以上のカルボン酸とのオリゴマーエステルを得、このオリゴマーエステルのカルボ キシル基又は Z及び水酸基と、 1価のアルコール又は Z及び 1価のカルボン酸をェ ステル化させる方法、並びにダイマージオール、 2価以上のカルボン酸、及び 1価の アルコール又は Z及び 1価のカルボン酸を一度にエステル化させる方法が開示され ている。
[0012] 実施例において、エステル (a)は、ダイマー酸と 1,10-デカンジオール若しくはジェチ レンダリコールとのオリゴマーエステルを製造した後、このオリゴマーエステルを、混 合アルコール (ベへ-ルアルコール及びフィトステロール)でエステル化することにより 製造されている (実施例 7及び 8)。エステル (b)は、ダイマー酸とダイマージオールとの
オリゴマーエステルを製造した後、このオリゴマーエステルを、イソステアリルアルコー ル、ベへ-ルアルコール、イソステアリン酸又は混合アルコール (ベへ-ルアルコール
、イソステアリルアルコール及びフィトステロール)でエステル化することにより (実施例 1 〜5及び 9)、かつダイマー酸とダイマージオールと混合アルコールを同時に反応させ てエステルイ匕することにより製造されている (実施例 6)。エステル (b)は原料として、 2価 以上のアルコールに代えてダイマージオールを使用する。
[0013] これらのエステルの粘度 (60°C)は 250〜4,200mPa' sであり、重量平均分子量は 3, 300 〜14,800であり、かつ水酸基価は 3.4〜18.1である (実施例 1〜9)。とりわけ水酸基価 は著しく低ぐ保湿性又はェモリエント性に乏しいと言う欠点があった。
[0014] ポリグリセリン、ダイマー酸、並びに飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸をエステル 化反応して得た混合脂肪酸エステルを配合する化粧料が開示されている (特開 2005 132729号公報参照)。実施例においては、ジグリセリン、ダイマー酸並びにカルボ ン酸を同時に反応器に仕込みエステルイ匕している (実施例 1及び 2)。この際、ジグリセ リン、カルボン酸及びダイマー酸のモル当量比は、夫々 1.0 : 2.74 : 0.51及び 1.0 : 2.22 : 1.02である。得られた混合脂肪酸エステルの水酸基価、粘度 (60°C)及び数平均分子 量は、実施例 1では夫々、 5、 l,200mPa' s及び 1,800であり、実施例 2では夫々、 2.5、 7 ,20(^?& ' 3及び5,500でぁる。
[0015] このようにして得られたエステルは、上記と同じく水酸基価が著しく低い。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0016] 本発明は、適度な水酸基価を有するヒドロキシ化合物を含有する化粧料を提供する ものである。該ヒドロキシィ匕合物は、化粧料に配合すると優れたェモリエント性及び保 湿性を付与し得るばカゝりではなぐ優れた油性感、粘着性、保存安定性及び皮膚安 全性をも付与し得る。
課題を解決するための手段
[0017] 本発明者らは、ジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸を所定の順序及び所定 量で反応させれば、ヒドロキシ化合物の水酸基価を適度な範囲に調整でき、かつ該ヒ ドロキシ化合物を含む化粧料が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
[0018] 即ち、本発明は、
(1) 2価以上のアルコール、 1価のカルボン酸及びダイマー酸を反応して得られるヒドロ キシィ匕合物を含有する化粧料において、ヒドロキシィ匕合物力 ジグリセリンとイソステ アリン酸とを反応し、次いで、得られたエステルイ匕合物とダイマー酸とを反応して得ら れ、かつ該反応におけるジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比 力 S 1.0: 1.4〜 1.6: 0.5〜0.8であることを特徴とする化粧料である。
[0019] 上記のように、特開 2004— 256515号公報にはエステル (a)及びエステル (b)を含有す る油性基剤が開示されて ヽる。エステル (b)を製造するための原料としてダイマージォ ールを使用する。ジグリセリンを使用しない。エステル (a)を製造するための原料として 、ダイマー酸、 2価以上のアルコール及び 1価のカルボン酸を使用する。 2価以上のァ ルコールとして多数のアルコールが挙げられており、その一例としてジグリセリンが挙 げられている。また、 1価のカルボン酸として多数のカルボン酸が挙げられており、そ の一例としてイソステアリン酸が挙げられている。しかし、ジグリセリン、イソステアリン 酸及びダイマー酸の組み合わせは記載されていない。実施例においては、 2価以上 のアルコールとして、 1, 10-デカンジオール又はジエチレングリコールが使用されてお り、ジグリセリンは使用されていない。実施例で得られたエステル (a)及びエステル (b) は、いずれもその水酸基価が 3.4〜18.1であり極めて小さい。また、特開 2004— 25651 5号公報には、 2価以上のアルコールに対する 1価のアルコール又は/及び 1価のカル ボン酸の使用量は開示されて 、な 、。
[0020] 本発明は、従来から知られている種々のエステル原料の中から、ジグリセリン及びィ ソステアリン酸を選び出し、かつこれらとダイマー酸とを所定の順序及び量で反応す ると、特開 2004— 256515号公報では得られな力つた、適度な水酸基価を有するヒドロ キシィ匕合物を得ることに成功したのである。該ヒドロキシィ匕合物は、適度な水酸基価 を有すると共に、高い粘性と一般に化粧料に利用される他の油性基剤との相溶性又 は混和性とに優れて 、るのである。
[0021] 本発明の好ましい態様として、
(2)ジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比が 1.0 : 1.45〜1.55 : 0.5
5〜0.75であるところの上記 (1)記載の化粧料、
(3)ジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比が 1.0 : 1.47〜1.53 : 0.6 〜0.7であるところの上記 (1)記載の化粧料、
(4)ヒドロキシ化合物の水酸基価が 30〜80であるところの上記 (1)〜(3)のいずれか一つ に記載の化粧料、
(5)ヒドロキシ化合物の水酸基価が 40〜70であるところの上記 (1)〜(3)のいずれか一つ に記載の化粧料、
(6)ヒドロキシ化合物の粘度 (60°C)が 2,000〜15,00(^?& ' 3でぁるところの上記(1)〜(5) の!、ずれか一つに記載の化粧料、
(7)ヒドロキシ化合物の粘度 (60°C)が 2,500〜10,000mPa'sであるところの上記 (1)〜(5) の!、ずれか一つに記載の化粧料、
(8)ヒドロキシ化合物の粘度 (60°C)が 3,000〜8,000mPa'sであるところの上記 (1)〜(5)の
V、ずれか一つに記載の化粧料、
(9)ヒドロキシ化合物の数平均分子量が 2,000〜7,000であるところの上記 (1)〜(8)のい ずれか一つに記載の化粧料、
(10)ヒドロキシ化合物の数平均分子量が 3,000〜6,000であるところの上記 (1)〜(8)の
V、ずれか一つに記載の化粧料
を挙げることができる。
発明の効果
本発明の化粧料に含めるヒドロキシ化合物は適度な水酸基価を有する。従って、本 発明の化粧料は、ェモリエント性及び保湿性に優れる。カロえて、該ヒドロキシ化合物 は、適切な粘度及び数平均分子量を有する。従って、粘着性及び油性感等の実用 特性、保存安定性及び皮膚安全性にも優れる化粧料を得ることができる。該ヒドロキ シ化合物の水酸基価、粘度及び数平均分子量を適宜変更することにより、種々のィ匕 粧料に使用し得る。高粘性又は固形ィ匕粧料では、本願発明のヒドロキシィ匕合物を添 カロすることにより、固形化剤、例えば、固形パラフィン、キャンデリラワックス、カルナバ ワックス、硬化ヒマシ油等の植物性ワックスの配合量を低減することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0023] 本発明におけるヒドロキシィ匕合物の製造に使用するジグリセリン、イソステアリン酸及 びダイマー酸は ヽずれも公知の成分である。これらの成分として市販品を使用するこ とができる。ジグリセリンとして、例えば、旭電ィ匕工業株式会社製「K-COL2」 (商標)、 阪本薬品工業株式会社製「ジグリセリン 801」 (商標)、 SOLVAY社製「DIGLYCEROL」( 商標)を使用することができる。イソステアリン酸として、例えば、高級アルコール工業( 株)製「イソステリン酸 EX」(商標)、ュニケマ社製「PRISORINE3505」 (商標)、コグニス社 製「Emersol 874」(商標)、アリゾナケミカル社製「Century 1115」、「Century 1107」(い ずれも商標)を使用することができる。ダイマー酸としては、例えば、上記の全ての特 許文献に記載されたものを使用することができる。市販品として、例えば、ュ-ケマ社 製「PRIPOL1009」(商標)、コグニス社製「Empol 1062」、「Empol 1008」 (いずれも商標) 、アリゾナケミカル社製「Unidyme 14」、「Unidyme 14R」 (いずれも商標)を挙げることが できる。ここで、ダイマー酸とは、ォレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸を Diels A1 der反応で 2分子重合した環状の 2塩基酸である。上記市販のダイマー酸は、水添し た後蒸留精製したもので、水添ダイマー酸とも呼ばれる。
[0024] 本発明におけるヒドロキシィ匕合物を製造する方法は、まず、ジグリセリンとイソステアリ ン酸とを反応させ (第 1工程)、次いで、得られたエステルイ匕合物とダイマー酸とを反応 させる (第 2工程)二段階法である。第 1工程において、ジグリセリンのヒドロキシル基の 反応性の相違により、ジグリセリンの 1位 (外側)のヒドロキシル基に優先的にイソステア リン酸が結合する。従って、得られたモノエステル及びジエステルは、ジグリセリンの 1 位のヒドロキシル基がエステルイ匕された構造が多くなる。これをダイマー酸で更にエス テルィ匕すると残った 2位 (内側)のヒドロキシル基にダイマー酸が結合して、カップリング した構造のヒドロキシィ匕合物の割合が多くなる。これにより、ジグリセリン、イソステアリ ン酸及びダイマー酸を同時に反応させる一段階法に比べて、ヒドロキシィ匕合物の特 性値、例えば、粘度、数平均分子量、水酸基価を的確に制御することができ、原料口 ット間、反応器の種類及び寸法等で生ずる特性値のバラツキを解消することができる
[0025] 二段階法の一例を挙げれば下記の通りである。第 1工程において、ジグリセリン及び イソステアリン酸を反応器に充填し、次いで、徐々に昇温して生成水を留出させなが
ら、好ましくは 100〜250°C、より好ましくは 180〜240°Cに加熱する。該温度において、 好ましくは生成水の留出がなくなるまで保持する。保持時間は、好ましくは 2〜50時間 、より好ましくは 3〜40時間、更に好ましくは 4〜30時間である。第 2工程においては、 第 1工程にぉ 、て得られたエステルイ匕合物及びダイマー酸を反応器に充填し、次 ヽ で、第 1工程と同様の条件で反応する。第 1工程においては、ジグリセリンとイソステア リン酸とのエステルイ匕合物の水酸基価が好ましくは 150〜330になるようにする。実際 の操作においては、該エステルイ匕合物の酸価を測定し、酸価が好ましくは 5.0以下、 より好ましくは 3.0以下になるようにする。酸価は水酸基価より短時間で正確に測定し 得る故、反応の制御がより容易となる。該酸価は化粧品原料規格に準拠して測定さ れる。このようにして水酸基価 (酸価)を制御することにより、第 2工程において、第 1ェ 程において得られたエステルイ匕合物と所定量のダイマー酸とを反応して、 目的とする ヒドロキシ化合物の粘度、水酸基価を容易に調整し得る。
[0026] 上記の反応は、好ましくは溶媒及び触媒を使用せずに実施される。これにより、再現 性よぐ均一な品質のヒドロキシ化合物を得ることができる。得られたヒドロキシ化合物 中に溶媒及び触媒が残存することがな!、ので、化粧料に含めた際の皮膚安全性に も優れる。一方、触媒及び溶媒を使用することもできる。これにより、反応時間の短縮 を図ることができる。触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、パラトルエンスルホン 酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化硼素、フッ化水素等が挙げられる。溶媒 としては、例えば、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
[0027] ヒドロキシ化合物の製造において、ジグリセリンとイソステアリン酸とは、 1.0 : 1.4〜1.6 、好ましくは 1.0 : 1.45〜1.55、より好ましくは 1.0 : 1.47〜1.53の比率 (モル当量)で使用 される。イソステアリン酸の比率が上記下限未満では、ヒドロキシ化合物の水酸基価 が本発明の範囲を超え、上記上限を超えては、該水酸基価が本発明の範囲未満と なる。両者の比を上記の範囲にすることにより、未反応のジグリセリンの発生による反 応後のジグリセリン分離の問題、及びジエステル、トリエステル等の好ましくない副生 成物の発生の問題を回避することができる。また、ジグリセリンとダイマー酸とは、 1.0 : 0.5〜0.8、好ましくは 1.0 : 0.55〜0.75、より好ましくは 1.0 : 0.6〜0.7の比率 (モル当量) で使用される。ダイマー酸の比率が上記下限未満では、ヒドロキシィヒ合物の重合度
が上がらず粘性の低いオリゴマーとなり、上記上限を超えては、ヒドロキシィ匕合物の 重合度の上昇が著しぐ反応容器中でゲルィ匕し、反応を完結できない。
[0028] 得られたヒドロキシィ匕合物の水酸基価の上限は、 80、好ましくは 75、より好ましくは 70 であり、下限は、 30、好ましくは 35、より好ましくは 40である。上記上限を超えては、油 性基剤との相溶性が悪くなり、上記下限未満では、保湿性又はェモリエント性が乏し くなる。
[0029] ヒドロキシ化合物の粘度 (60°C)の上限は、好ましくは 15,000mPa' s、より好ましくは 10,0 00mPa' s、更に好ましくは 8,000mPa' sであり、下限は、好ましくは 2,000mPa' s、より好 ましくは 2,500mPa' s、更に好ましくは 3,000mPa' sである。上記上限を超えては、取り 扱いが困難になり、上記下限未満では、粘性に乏しくなり、化粧料用として好ましくな い。
[0030] ヒドロキシ化合物の数平均分子量の上限は、好ましくは 7,000、より好ましくは 6,000、 更に好ましくは 5,000であり、下限は、好ましくは 2,000、より好ましくは 2,500、更に好ま しくは 3,000である。上記上限を超えては、取り扱いが困難になり、上記下限未満では 、粘性に乏しくなり、化粧料用として好ましくない。
[0031] 本発明のヒドロキシ化合物の含有量は、化粧料の種類に依存するが、化粧料に対し て、好ましくは 0.5〜70質量%、より好ましくは 1.0〜60質量%、更に好ましくは 1.5〜50質 量%で含まれる。
[0032] 以下の実施例においては、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施 例により限定されるものではない。
実施例
[0033] 合成例
各合成例及び比較合成例にぉ 、て使用した物質は特に記載のない限り下記の通り である。
ジグリセリン: 旭電化工業 (株)製「K- COL2」 (商標)
イソステアリン酸: 高級アルコール工業 (株)製「イソステリン酸 EX」 (商標) ダイマー酸: ュ-ケマ社製「PRIPOL1009」(商標)
ヒドロキシィ匕合物の粘度、数平均分子量及び水酸基価は以下のようにして測定した。 粘度:
ブルックフィールド粘度計 DV-II+ (スピンドル No. 3、 12rpm、 60°C)により測定したも のである。 数平均分子量:
下記条件において、 GPC (ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー)によりポリスチレン 換算の相対分子量分布を測定して得たものである。
測定機種 東ソー株式会社製 SC-8010
カラム Shodex KF-800D及び KF-805L (各 2本)
溶離液 THF
温度 カラム恒温槽 40°C
流速 l.OmLZ mm
注入量 100 μ L (約 0.2重量% /体積 %)
溶解性 完全溶解
検出器 示差屈折計 (R1) 水酸基価:
化粧品原料基準 24.水酸基価測定法に準拠して測定したものである。 酸価:
化粧品原料基準 18.酸価測定法に準拠して測定したものである。
合成例 1
攪拌装置、温度計、窒素ガス導入管、ディーンスターク水分計及びコンデンサーを取 り付けた lOOOmLの 4つ口フラスコに、ジグリセリン 133g(0.8mol)、イソステアリン酸 341g( 1.2mol)、溶媒としてのトルエン 160 mL、及び触媒としての水酸化ナトリウム 0.28gを仕 込んだ。次いで、窒素を lOmLZmin流しながら 200°Cに加熱した。該温度で、生成水 を溶媒と共沸させながら留去しつつ反応させた。生成水の留出が少なくなつたところ
で温度を 215°Cに上げて更に反応を続け、生成水の留出が無くなったところで反応を 停止した。ここまで、反応開始力も約 5時間であった。ジグリセリンイソステアリン酸エス テル (淡黄色粘性油状物) 452g (水酸基価: 229、酸価: 0.8)が得られた。
上記の装置に、得られたジグリセリンイソステアリン酸エステル 450gとダイマー酸 224g( 0.40mol)を仕込んだ。次いで、窒素を 50mLZminで流しながら、上記と同じく 200°C及 び 215°Cの温度で生成水を留去しつつ反応させ、生成水の留出が無くなったところで 反応を停止した。ここまで、反応開始力も約 5時間であった。
得られた生成物に溶媒 (トルエン) 350mLを添加して粘性を低下させた後、これに活 性白土 (水澤ィ匕学株式会社製ガレオンアース) 17gを添加した。次いで、約 80°Cで 30 分間攪拌後濾過して、触媒を活性白土に吸着して除去した。ロータリーエバポレータ 一を使用して、得られたろ液カゝら溶媒を除去し、ヒドロキシ化合物 (淡黄色高粘性油 状物) 61 lgを得た。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 5 : 0.5であった。
合成例 2
この合成例は触媒を使用しな力つたものである。合成例 1と同様の装置に、ジグリセリ ン 133g(0.8mol)とイソステアリン酸 341g(1.2mol)を仕込んだ。次いで、窒素を 50mLZ min流しながら 200°Cに加熱した。該温度で、生成水を溶媒と共沸させながら留去しつ つ反応させた。生成水の留出が少なくなつたところで温度を 220°Cに上げて更に反応 を続け、生成水の留出が無くなったところで反応を停止した。ここまで、反応開始から 約 8時間であった。ジグリセリンイソステアリン酸エステル (淡黄色粘性油状物) 452g (水 酸基価: 232、酸価: 0.6)が得られた。
上記の装置に、得られたジグリセリンイソステアリン酸エステル 450gとダイマー酸 224g (0.40mol)を仕込んだ。次いで、窒素を 50mLZminで流しながら、上記と同じく 200°C 及び 220°Cの温度で生成水を留去しつつ反応させ、生成水の留出がなくなったところ で反応を停止した。ここまで、反応開始力も約 8時間であった。ヒドロキシィ匕合物 (淡黄 色高粘性油状物) 662gが得られた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1.
5 : 0.5であった。
[0036] 合成例 3
第 2工程におけるダイマー酸の仕込み量を 291g(0.52mol)に変えた以外は合成例 2と 同一にして実施した。ヒドロキシ化合物 (淡黄色高粘性油状物) 724gが得られた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 5 : 0.65であった。
[0037] 合成例 4
合成例 1と同様の装置に、高級アルコール工業 (株)製のジグリセリンイソステアリン酸 エステル (リソレックス PGIS2 商標)、酸価: 0.5、水酸基価: 152.7)300g、ダイマー酸 19 4.0g(0.34mol)、水酸化ナトリウム 0.15g及びトルエン 130mLを仕込んだ。次いで、窒素 を lOmLZminで流しながら、 215°Cの温度で生成水を留去しながら反応し、生成水の 留出が無くなったところで反応を停止した。反応時間は約 6時間であった。合成例 1と 同様の操作で、反応液から触媒を除去し、ヒドロキシ化合物 (淡黄色粘性油状物) 454 gが得られた。
反応に使用したジグリセリンイソステァリン酸エステル及びダイマー酸のモル当量比 は 1.0 : 0.65であった。これは、ジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当 量比に換算すると、 1.0 : 1.5 : 0.65であった。
[0038] 合成例 5
第 1工程におけるイソステアリン酸の仕込み量を 365g(1.28mol)、第 2工程におけるダイ マー酸の仕込み量を 314g(0.56mol)に変えた以外は合成例 1と同一にして実施した。 ヒドロキシィ匕合物 (淡黄色高粘性油状物) 731gが得られた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 6 : 0.7であった。
[0039] 合成例 6
第 2工程におけるダイマー酸の仕込み量を 358g(0.64mol)に変えた以外は合成例 1と 同一にして実施した。ヒドロキシィ匕合物 (淡黄色高粘性油状物) 729gが得られた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 5 : 0.8であった。
[0040] 合成例 7
第 1工程におけるイソステアリン酸の仕込み量を 319g(1.12mol)、第 2工程におけるダイ マー酸の仕込み量を 224g(0.40mol)に変えた以外は合成例 1と同一にして実施した。 ヒドロキシィ匕合物 (淡黄色高粘性油状物) 621gが得られた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 4 : 0.5であった。
[0041] 比 ' II
この比較合成例は、ドイツ国特許公報 DE19724626の方法に従って、ヒドロキシィ匕合 物を製造したものである。合成例 1と同様の装置に、トリグリセリン 120g(0.5mol)とイソス テアリン酸 285g(1.0mol)を仕込み、合成例 2と同一にして第 1工程の反応を実施した。 トリグリセリンイソステアリン酸エステル 387gが得られた。
次いで、得られたトリグリセリンイソステアリン酸エステル 387gとダイマー酸 56g(0.10mol )を仕込み、合成例 2と同一にして第 2工程の反応を実施した。ヒドロキシィ匕合物 (淡黄 色高粘性油状物) 483gが得られた。
[0042] 比 Hfei列 2
この比較合成例は、特開 2002— 275020号公報記載の方法に従って、ヒドロキシ化合 物を製造したものである。攪拌機、温度計及びガス導入管を備えた 500mLの反応器 に、ダイマー酸 175.0g(0.304mol)及びグリセリン 55.98g(0.608mol)を仕込んだ。次いで 、窒素気流中で 220°Cに加熱した。該温度で、生成水を溶媒と共沸させながら留去し つつ反応させた。生成水の留出が少なくなつたところで温度を 240°Cに上げて更に反 応を続け、生成水の留出が無くなったところで反応を停止した。ここまで、反応開始 力も約 3時間であった。次いで、未反応のグリセリンを減圧下に留去して、グリセリンダ イマ一酸エステル (無色高粘度油状物) 187. lgを得た。
[0043] 比 ' 13
この比較合成例は、特開 2003— 238332号公報の方法に従って、ヒドロキシィ匕合物を 製造したものである。攪拌機、温度計、還流装置、窒素ガス供給ノズルを備えた 5Lの ガラス製 4つ口フラスコに、硬化ヒマシ油 (川研ファインケミカル株式会社製、ヒマ硬 P)2 000g(1.92mol)、ダイマー酸 549.6g(0.96mol)、トルエン 200mL及びパラトルエンスルホ
ン酸 8.2gをカ卩えた。次いで、窒素気流下 220°Cに加熱し、酸価が 2以下になるまで反 応した。次いで、 80°Cに冷却して、トルエン lOOOmLを追カ卩した後、温水洗浄して触媒 を除去した。次いで、減圧下でトルエンを留去して、硬化ヒマシ油とダイマー酸とのォ リゴマー 2515gを得た。
[0044] 比較合成例 4
この比較合成例は、特開 2004— 256515号公報の方法 (エステル (b)を製造する方法) に従って、ヒドロキシィ匕合物を製造したものである。攪拌機、温度計及びガス導入管 を備えた 1Lの反応器に、ダイマー酸 200g(0.348mol)、ダイマージオール (ュ-ケマ社 製 PRIPOL2033、商標) 137g(0.253mol)、ヘプタン 137g及びパラトルエンスルホン酸 1.3 gを仕込んだ。次いで、窒素気流中で 100〜110°Cに加熱し、生成する水を留去しな がら 3時間反応を実施して、ダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステルを得た。 得られたダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステルにイソステアリルアルコー ル (コグニス社製、 Speziol C18 ISOC、商標) 47.9g(0.181mol)を仕込んだ。次いで、窒 素気流中 105〜110°Cに加熱し、生成する水を留去しながら 5時間反応を実施した。 冷却後、残存する触媒を水洗して除去し、次いで、溶媒としてのヘプタンを回収した 。 目的とするエステル (淡黄色高粘性油状物) 355gが得られた。
[0045] 比 合成例 5
この比較合成例は、ダイマー酸の仕込み量が本発明の範囲を超えたものである。ダ イマ一酸を 449g(0.80mol)仕込んだ以外は、合成例 1と同一に実施した。生成水を留 去しつつ反応させたが、第 2工程において生成水の留出が無くなる前 (反応開始から 約 2時間)に、粘度が急上昇して攪拌が困難になったため反応を停止した。ヒドロキシ 化合物 (黄色ゴム状物) 885gが得られた。該ヒドロキシィ匕合物の特性値の測定は困難 であり、精度の高い値は得られな力つた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 5 : 1.0であった。
[0046] 比較合成例 6
この比較合成例は、ダイマー酸の仕込み量が本発明の範囲未満である。ダイマー酸 の仕込み量を 224g(0.40mol)とした以外は、合成例 1と同一に実施した。反応は生成
水の留出がなくなった時点で停止した。ヒドロキシィ匕合物 (淡黄色高粘性油状物) 656g が得られた。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 5 : 0.4であった。
[0047] 比 ' 17
この比較例は、イソステアリン酸の仕込み量が本発明の範囲未満である。イソステアリ ン酸を 272.8g(0.96mol)使用した以外は、合成例 1と同一に実施した。生成物を 100°C 程度に冷却したところ、ゲル状物となった。該生成物の水酸基価は 126であり、酸価 は 0.1であった。反応に使用したジグリセリンとイソステアリン酸とのモル当量比は 1.0 : 1.2であった。
該生成物を 25°Cまで冷却したところ、 2層に分離した。下層部分を分液し、高粘性液 体 8.5gを回収した。これを分析したところ、未反応のジグリセリンであった。上層に溶 解した量を含めた未反応のジグリセリンの総量は、 23.7gであり、反応仕込み量の 14% に相当した。イソステアリン酸の添加量が少ない場合、反応は完結せず、未反応のジ グリセリンを多く含有した生成物し力得ることができな力つた。該生成物とダイマー酸 とを反応すると、ジグリセリンとダイマー酸との縮合物を不純物として多く含有する生 成物となり、 目的とするヒドロキシィ匕合物を殆ど得ることはできな力つた。
[0048] 比 合成例 8
この比較例は、イソステアリン酸の仕込み量が本発明の範囲を超えるものである。イソ ステアリン酸を 409.2g(1.44mol)使用した以外は、合成例 1と同一に実施した。ジグリセ リンイソステアリン酸エステル (淡黄色粘性油状物) 585g (水酸基価: 166、酸価: 1.1)が 得られた。該生成物に、未反応のジグリセリンの分離や析出はな力つた。
該生成物 500gを 2Lのフラスコに移し、ダイマー酸 219g(0.39mol)を添加して同様の操 作にて、生成水を留去しつつ反応させ、生成水の留出が無くなったところで反応を停 止した。
得られた生成物に溶媒 (トルエン) 400mLを添加して粘性を低下させた後、これに活性 白土 (水澤ィ匕学株式会社製ガレオンアース) 22gを添加した。次いで、約 80°Cで 30分 間攪拌後濾過して、触媒を活性白土に吸着して除去した。ロータリーエバポレーター
を使用して、得られたろ液力 溶媒を除去し、ヒドロキシ化合物 (淡黄色高粘性油状 物) 705gを得た。
反応に使用したジグリセリン、イソステアリン酸及びダイマー酸のモル当量比は 1.0 : 1. 8 : 0.5であった。
比較合成例 9
この比較合成例は、特開 2004— 256515号公報の方法に従って、ジグリセリンとダイマ 一酸とを先に反応したものである。合成例 1と同一の装置に、ジグリセリン 133g(0.8mol ),ダイマー酸 224g(0.4mol)、溶媒としてのトルエンを 160 mL、及び触媒としての水酸 化ナトリウム 0.28gを仕込んだ。次いで、合成例 1と同一にして反応させた。得られた生 成物を 100°C程度に冷却したところ、ゲル状物となった。該生成物の酸価は 3.8であつ た。
該生成物にイソステアリン酸 341g(1.2mol)を添加した。次いで、上記と同様にして反 応を実施した。得られた生成物にはゲル状物が残存しており、不均一であった。得ら れた生成物の酸価は 38と高ぐ反応は完結していな力つた。
表 1に合成例及び比較合成例により得られた各物質の性状を示す。
[表 1]
皿 s$f$ 2:^ *n0
合成例 1〜7において本発明のヒドロキシィ匕合物を製造した。得られたヒドロキシィ匕合 物は!ヽずれも適切な水酸基価を有して!/ヽた。合成例 1は触媒を使用したものである。 触媒を使用しな力つた合成例 2に比べて反応時間を短縮することができた。合成例 3 は、ダイマー酸の添加量を増やした以外は、合成例 2と同様に実施したものである。 水酸基価は低下し、粘度及び数平均分子量は増加した。合成例 4は、市販のジグリ セリンイソステアリン酸エステルを使用し、更に、触媒を使用した以外は、合成例 3と同 様に実施したものである。合成例 3とほぼ同様の特性値が得られた。合成例 5は、イソ ステアリン酸及びダイマー酸の仕込み量を増加した以外は、合成例 1と同様に実施し たものである。水酸基価が大きく低下し、粘度及び数平均分子量が大きく増加した。 得られたヒドロキシィ匕合物は本発明の効果を奏するものであった。合成例 6は、ダイマ 一酸の仕込み量を増加した以外は、合成例 1と同様に実施したものである。粘度及び 数平均分子量が大きく増加した。合成例 7は、イソステアリン酸の仕込み量を低下し たものである。合成例 1とほぼ同様の特性値が得られた。
比較合成例 1は、ドイツ国特許公報 DE19724626記載の方法に従って、ヒドロキシィ匕 合物を製造したものである。得られたヒドロキシィ匕合物の水酸基価は著しく高かった。 比較合成例 2は、特開 2002— 275020号公報記載の方法に従って、ヒドロキシ化合物 を製造したものである。得られたヒドロキシィ匕合物の水酸基価は著しく大きぐかつ粘 度も著しく大きいものとなった。比較合成例 3は、特開 2003— 238332号公報記載の方 法に従って、ヒドロキシィ匕合物を製造したものである。水酸基価は大き力つた。比較合 成例 4は、特開 2004— 256515号公報記載の方法に従って、ヒドロキシ化合物を製造 したものである。得られたヒドロキシィ匕合物の水酸基価は著しく小さ力つた。比較合成 例 5は、ダイマー酸の仕込み量が本発明の範囲を超えた以外、合成例 1と同様に実 施したものである。著しく粘度の高いヒドロキシィ匕合物が得られ、水酸基価及び数平 均分子量の測定はできなかった。比較合成例 6は、ダイマー酸の仕込み量が本発明 の範囲を未満であった以外、合成例 1と同様に実施したものである。得られたヒドロキ シ化合物の粘度及び数平均分子量は著しく低力つた。一方、水酸基価は高力つた。 比較合成例 7は、イソステアリン酸の仕込み量が本発明の範囲未満であった以外は、
合成例 1と同様に実施したものである。 目的とするヒドロキシィ匕合物が得られな力つた 。比較合成例 8は、イソステアリン酸の仕込み量が本発明の範囲を超えた以外は、合 成例 1と同様に実施したものである。得られたヒドロキシィ匕合物の水酸基価、粘度及 び数平均分子量はいずれも著しく低かった。比較合成例 9は、特開 2004— 256515号 公報記載の方法に従って、ジグリセリンとダイマー酸とを先に反応したものである。反 応が完結せず、所望のヒドロキシィ匕合物は得られなかった。
合成例及び比較合成例により得られた各物質の相溶性、抱水性及びポリアミド榭脂 との溶解性を示す。
相溶性試験
合成例及び比較合成例で得られたヒドロキシ化合物を試料として使用した。化粧料と して通常使用される各油性基剤 (90質量 %)に該ヒドロキシィ匕合物 (10質量 %)を 80〜90 °Cの湯浴中で約 30分間攪拌しながら溶解した後、 50°Cまで攪拌冷却し、 25°Cの恒温 室に保存した。 1週間後の状態を目視により評価した。評価結果は、相溶ありは「G」、 濁り、あるいはやや分離ありは「M」、完全分離は「B」により示した。結果を表 2に示し た。
[表 2-1]
1 1 1 1 1 1
油剤性基較較較較合成成例合成例合成例例合比比比比 8976
(3 O o ο 。 ϋ
酸''ホトリイリクリセリリス亍アル 2ソン一
'酸 'イリシリス亍ンソァルコ
酸イナイシノソンソル 1 1 1 1 1 1
キサ酉セチルチルンェへ
g"酉キサキシシチルテンルルへへ
o Έ m "酸'キサネオシクリ mチルンンチルルェへへコー m m m
キトサリイノチルンェへ
プ°キ酉トサリトリメチチルルンロェロンへハー
キトサ酉タリリ亍ラチルスチルンンエエぺへ
酸"タトイリリテテリラアノスンンスチル'エへ
拘. 附保湿件)試験
合成例及び比較合成例で得られたヒドロキシ化合物を試料として使用した。 35°Cに 保温した容器に該ヒドロキシィ匕合物 (35°C)を 10g秤量し、 35°Cの精製水を滴下して練 りこみ、水が均一に混合出来なくなった時点で終了した。 25°Cで 24時間保存した後、 該ヒドロキシィ匕合物から分離した水の量を測定した。抱水量 (%)は、最終的にヒドロキ シ化合物に含まれる精製水量と開始時のエステルイ匕物重量 (10g)との比率で示した。 抱水量が 300%以上のものは「G」、 200%以上 300%未満のものは「M」、 200%未満 のものは「B Iにより示した。結果を表 3に示した。
[表 3]
溶解性試験
合成例及び比較合成例で得られたヒドロキシィヒ合物と増粘剤であるポリアミド樹脂と の溶解性試験を実施した。ポリアミド榭脂として、アミド末端ポリアミド (米国 Arizona C HEMICAL製、 Sylvaclear A200V)及びエステル末端ポリアミド (米国 Arizona CHEMIC
AL製、 UniclearlOOVG)を使用した。ヒドロキシィ匕合物 (95質量 %)及びポリアミド榭脂 (5 質量 %)を 90 100°Cで約 60分間攪拌しながら湯浴中で溶解した後、 50°Cまで攪拌冷 却し、 25°Cの恒温室に保存した。 1週間後の状態を目視により評価した。評価結果は 、透明性が高いものは「G」、濁り、あるいはやや分離があるものは「M」、完全分離は 「B」により示した。結果を表 4に示した。
[表 4-1]
表 2〜4から明らかなように、本発明の化粧料に使用するヒドロキシィ匕合物は、各種油 性基剤と良好な相溶性を示し、抱水性に優れ、かつポリアミド榭脂との相溶性に優れ ていることが分かった。
一方、比較合成例 1のヒドロキシィ匕合物は各種油性基材と比較的良好な相溶性を示
すものの、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルとは相溶性を示さなカゝつた。また、 抱水性及びポリアミド榭脂との相溶性に劣るものであった。比較合成例 2のヒドロキシ 化合物は抱水性及びポリアミド榭脂との相溶性に優れて ヽたが、油性基材との相溶 性に劣って!/ヽた。比較合成例 4及び 8のヒドロキシィ匕合物は油性基材と比較的良好な 相溶性を示すものの、抱水性及びポリアミド榭脂との相溶性に劣るものであった。比 較合成例 3、 5及び 6のヒドロキシィ匕合物は、油性基材との相溶性、抱水性及びポリア ミド榭脂との相溶性の全てに劣って!/ヽた。
実施例
各実施例及び比較例において使用した成分は表 5の通りである。
[表 5]
表 5.
商標 成分名 製造会社名
DPG-RF DPG クラレ
オリーブスクヮラン スクヮラン 高級アルコール工業
ICEH ェチルへキサン酸へキシルデシル 高級アルコール工業 ベへニルアルコ一ノレ 65 ベへニルアルコール 高級アルコール工業
NIKKOL DGMS ス亍アリン酸ポリゲリセリル- 2 日光ケミカルズ
NIKKOL Decaglyn 1-SV ス亍アリン酸ポリゲリセリル- 10 日光ケミカルズ リソレックス PGL101 ラウリン酸ポリグリセリル- 10 高級アルコール工業
NIKKOL SS-10 ステアリン酸ソルビタン 日光ケミカルズ
TSF451-100A ジメチコン 東芝シリコーン ジオール PD ベンチレンク"リコ一ル 高級アルコール工業 トリオール VE グリセリン 高級アルコール工業 アミソフト HS- 11(P) ステアロイルグルタミン酸 Na 味の素
KELTROL T キサンタンガム 日
カーボポール ETD2050 カルボマ一 日光ケミカルズ リソレックス PGIS21 イソステアリン酸ポリゲリセリル- 2 高級アルコール工業 リソレックス PGIS32 ジイソス亍ァリン酸ボリグリセリル- 3 高級アルコール工業 リソレックス PGIS101 イソス亍アリン酸ポリゲリセリル- 10 高級アルコール工業
KAK NDO ジェチルへキサン酸ネオベンチルグリコール 高級アルコール工業 レオパール TT (パルミチン酸 Zェチルへキサン酸)デキストリン 千葉製粉
精製マイクロクリスタリンワックス マイクロクリスタリンワックス 曰興リカ
MT-100TV 酸化チタン、水酸化アルミニウム、ス亍アリン酸 ティカ
カチナール HC- 100 ポリグオタ二ゥム- 10 東邦化学工業 オノくゾリン LB-SF ラウリルべタイン、水 東邦化学工業 アミゾ一ル CDE コカミド DEA 川研ファインケミカル ェゾレフアコス GT 282S セチアレス- SOミリスチルゲリコール ライオン
ネオスコープ CN- 30SF ココイルメチルタウリン Na、水 東邦化学工業 アルスコープ TH-330 ラウレス硫酸 Na、水 東邦化学工業
GENAPOL PMS ジステアリン酸グリコール クラリアントジャパン 力チナ一ル MPAS ス亍ァラミドプロピルジメチルァミン 東邦化学工業
BY22-029 高重合メチルポリシロキサン(1 ) 東レ-ダウコ一ニング-シリコーン リソレックス PGIS23 トリイソス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 高級アルコール工業 ポエム V-100 ステアリン酸グリセリル 理研ビタミン
アムレプス PC パルミチン酸セチル 高級アルコール工業 セトス亍ァリルアルコール セトステアリルアルコール 高級アルコール工業 ァ一カード 22-80 ベヘントリモニゥムクロリド ライオン
カチオン DS クオタニゥム -18 三洋化成工業 エマレックス 603 ス亍アレス- 3 日本ェマルジヨン エマレックス S06 ス亍アレス- 6 日本ェマルジヨン メ卜ローズ 60SH-棚 0 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 信越化学工業
NIPAGIN M メチルパラベン クラリアントジ ン ハイソルブ EPH フエノキシエタノール 東邦化学工業 リボフ口一 N ボリクオタニゥム -7 ライオン
プロモイスシルク- 1000Q 加水分解シルク 成和化成
ェコオイル RS ホホパ油 高級アルコール工業 リソカスタ MIS イソス亍アリン酸水添ヒマシ油 高級アルコール工業 セレシン B セレシン 曰興リカ
CA DELILLA WAX SP-75 キャンデリラワックス STRAHL & PITSCH INC.
SH245 シクロメチコン 東レ 'ダウコ ング 'シリコーン ネオライト 200P ネオペンタン酸ォクチルドデシル 高級アルコール工業
KA TTI トリイソス亍アリン酸トリメチ口一ルプロパン 高級アルコール工業 セレシン SP1020 セレシン 伊那貿易商会 ポリワックス 500 ポリエチレン BAKER PETROLITE
/\イマレート DIS リンゴ酸ジイソステアリル 高級アルコール工業 ィ一 ンクス- D 卜コフェローメレ ェ一ザィ
NPDC ジカブリン酸ネオペンチルグリコール 高級アルコール工業
KAK PTI 亍トライソス亍アリン酸ペンタエリスリチル 高級アルコール工業 タイぺ一ク CR-30 酸化チタン 石原産業
ベンガラ 酸化鉄 癸巳化成
赤色 226号 赤 226 癸巳化成
Tim iron MP- 115 酸化チタン、マイ力 メルクジャパン
Sylvaclear A200V アミ 末端ポリアミド 米国 ArizonaCHEIVHCAL
KAK 39 イソノナン酸イソトリデシル 高級アルコール工業 プロミネンス RYH 合成金雲母、酸化チタン、酸化鈇 トビー工業
赤色 201号 赤 201 癸巳化成
黄色 5号 黄 5 癸巳化成
Uniclear 100 G エステル末端ポリアミド 米国 ArizonaCHEMに AL
KAK PTO 亍トラエチルへキサン酸ペンタエリスリチル 高級アルコール工業
KAK ΤΤΟ トリェチルへキサン酸トリメチロールプロパン 高級アルコール工業
DCグ1 Jツタ一ゴー (PET/AIノエポキシ樹脂)ラミネ 酸化鉄 ダイヤケムコ
CEH ェチルへキサン酸セチル 高級アルコール工業 赤色 202号 赤 202 癸巳化成
青色 1号 青 1 癸已化成
J-68-NHS タルク 米国 US Cosmetics
NHS-TRI- 77891 酸化チタン 米国 US Cosmetics
NHS- Y- 77492 酸化鉄(黄酸化鉄) 米国 US Cosmetics
NHS-R-77491 酸化鉄(赤酸化鉄) 米国 US Cosmetics
NHS-B-77499 酸化鉄(黒酸化鉄) 来国 US Cosmetics
ESCALOL 557 メトキシケィヒ酸ォクチル ISP Technologies 化粧料の実用特性、保存安定性及び皮膚安全性は以下のようにして評価した。
<実用特性 >
被試験者は男子 10名及び女子 10名の合計 20名である。各実施例及び比較例にお いて得られたィ匕粧料を 10日間で 5回使用して、塗布時の油性感、粘着性及びェモリ ェント性を評価した。各評価項目に対して、良好力も悪いまでを 6段階に分け、順次、 最大点 5から最小点 0を与え、被試験者全体の平均値で評価した。平均値が、 3.5-5 .0のとき「G」、 2.5〜3.4のとき「M」、 0〜2.4のとき「B」で示した。
<保存安定性 >
実施例及び比較例にぉ 、て得られた各化粧料を 45°Cの恒温室に 3ヶ月間保存した。 その後、恒温室において、該組成物を—5°Cで 1日、その後 45°Cで 2日保存し、この 操作を 5回繰返した。固形化粧料では発汗、変色を評価した。乳化化粧料では乳化 状態 (分離の有無)を評価した。液状化粧料では分離、着色の外観を評価した。評価 結果は、異常が認められない場合を良好とし「G」で示し、やや異常が認められる程 度で実用上問題がな 、場合を「M」で示し、異常が認められる場合を不良とし「B」で 示した。
<皮膚安全性 >
被試験者は男子 10名及び女子 10名の合計 20名である。前腕屈側部皮膚に、実施例 及び比較例において得られた各化粧の 0.05gを、直径 1.0cmのリント布の付いた円型 パッチテスト用絆創膏を用いて 24時間閉塞貼布する。絆創膏を除去した後の 1時間 及び 24時間における被試験者 20名の皮膚状態を、下記の評価基準に従!、評価した 。評価には、絆創膏除去後 1時間後及び 24時間後のうち、反応の強いほうを採用した 。(―)が 20名のときを「G」、(士)が 1〜2名であり他の被験者が(-)のときを「M」、 (
±)力 ^名以上であり他の被験者が(-)のとき、又は(+)〜(+ + +)が 1名以上のと きを「B」で示した。評価に際し、シャンプー、リンス、ヘアトリートメントは 0.5%の水溶 液を使用した。
(評価基準)
(皮膚状態) (評価)
紅斑、浮腫、水疱: (+ + +)
紅斑、浮腫 : (+ +)
紅斑 : (+ )
軽微な紅斑 : (士)
無紅斑、無浮腫 : (一)
実飾 II スキンクリーム (0/W型クリーム)の製造
表 6に示した組成物 A及び組成物 Bを、夫々別個に 75〜80°Cにおいて均一に溶解し た。次いで、組成物 Bを組成物 Aに攪拌しながら添加し、ホモミキサーにより乳化した 。次いで、該混合物を攪拌しながら 30°Cまで冷却してスキンクリームを調製した。
[表 6]
成分 質量%
(A) 1 DPG 10.00
2 スクヮラン 8.00
3 合成例 5のヒドロキシ化合物 2.00
4 ェチルへキサン酸へキシルデシル 7.00
5 ベへニルアルコール 1.50
6 ス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 1.50
7 ス亍アリン酸ポリグリセリル- 10 1.50
8 ラウリン酸ポリグリセリル- 10 0.50
9 ステアリン酸ソルビタン 1.00
10 ジメチコン 0.30
11 ペンチレングリコール 2.50
(B) 12 グリセリン 5.00
13 ステアロイルグルタミン酸 Na 0.40
14 キサンタンガム 0.20
15 カルポマー 0.20
16 精製水 残量
17 水酸化 K 0.05
[0055] 比齩例 1 スキンクリーム (0/W型クリーム)の製造
合成例 5のヒドロキシィヒ合物に替えて、比較合成例 2のヒドロキシィヒ合物を用いた以外 は、実施例 1と同じにスキンクリームを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 1 G G G
比較例 1 M M G 実施例 1のスキンクリームは、適度な油性感が得られ、良好な評価を示した。比較例 1 のスキンクリームはべタツキ感があり、保存安定性に劣るものであった。
[0056] 実施例 2 ェモリエントクリーム (W/0型クリーム)の製造
表 7に示した組成物 A、組成物 B及び組成物 Cを、夫々別個に 75〜80°Cにおいて均 一に溶解した。次いで、組成物 Bを組成物 Aに攪拌しながら添加し、得られた混合物 ( ゲル相)〖こ組成物 Cを攪拌しながら徐々に添加した後、ホモミキサーにより乳化した。 次いで、該混合物を攪拌しながら 30°Cまで冷却して、ェモリエントクリームを調製した
[表 7] 成分 質量%
(A) 1 イソステアリン酸ポリグリセリル- 2 1.20
2 ジイソス亍ァリン酸ポリグリセリル- 3 2.40
3 イソス亍アリン酸ポリグリセリル- 10 1.60
4 スクヮラン 8.00
5 ジェチルへキサン酸ネオペンチルグリコ一ル 7.00
6 合成例 6のヒドロキシ化合物 2.00
7 (パルミチン酸ノエチルへキサン酸)デキストリン 0.50
8 マイクロクリスタリンワックス 4.00
(B) 9 グリセリン 8.00
10 精製水 3.00
(C) 11 ペンチレングリコ一ル 3.00
12 精製水 残量
比較例 2 ェモリエントクリーム (W/0型クリーム)の製造
合成例 6のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 1のヒドロキシィ匕合物を用いた以 外は、実施例 2と同じにェモリエントクリームを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 2 G G G
比較例 2 M B G 実施例 2のェモリエントクリームは、適度な油性感が得られ、良好な評価を示した。比 較例 2のェモリエントクリームはべタツキ感があり、保存安定性に著しく劣るものであつ
た。
[0058] 実施例 3 サンクリーム (W/O型)の製造
予め、ホモミキサーを用いて、表 8に示した成分 9を成分 5及び 6に分散した。組成物 A 、組成物 B及び組成物 Cを、夫々別個に 75〜80°Cにおいて均一に溶解した。次いで 、組成物 Bを組成物 Aに攪拌しながら添加し、得られた混合物 (ゲル相)〖こ組成物 Cを 攪拌しながら徐々に加入した後、ホモミキサーにより乳化した。次いで、該混合物を 攪拌しながら 30°Cまで冷却して、サンクリームを調製した。
[表 8]
成分
(A) 1 イソステアリン酸ポリグリセリ レ -2 1.20
2 ジイソステアリン酸ポリグリセリル- 3 2.50
3 イソステアリン酸ポリグリセリル- 10 1.20
4 ラウリン酸ポリグリセリル- 10 0.30
5 スクヮラン 8.00
6 ェチルへキサン酸へキシルデシル 8.00
7 合成例 4のヒドロキシ化合物 1.00
8 (パルミチン酸/ェチルへキサン酸)デキストリン 0.50
ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン
9 9.00
[製品名: MT-100TV]
10 マイクロクリスタリンワックス 1.00
(B) 11 グリセリン 10.00
12 精製水 4.00
(C) 13 ペンチレングリコール 3.00
14 精製水 残量
[0059] 比較例 3 サンクリーム (W/0型)の製造
合成例 4のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 1のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施例 3と同じにサンクリームを調製した。
実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 3 G G G
比較例 3 M M G 実施例 3のサンクリーム (W/0型)は、伸びが良ぐ塗布時にはさっぱりした感触が得 られた。比較例 3のサンクリーム (W/0型)は、伸びが悪ぐベタツキ感があるなどの欠 点が見られた。
実飾 14 コンディショニングシャンプーの製造
表 9記載の合成例 1のヒドロキシィ匕合物、成分 3及び 4を予め加熱溶解した以外は、定 法に従って、全成分を 75°C〜80°Cにおいて均一溶解した後 30°Cまで冷却して、コン ディショユングシャンプーを調製した。
[表 9]
成分 質量%
1 ポリクオタニゥム -10 1.00
2 精製水 残量
3 イソス亍アリン酸ポリグリセリル- 10 1.5
4 ラウリン酸ポリグリセリル- 10 1.0
5 合成例 1のヒドロキシ化合物 0.5
6 ラウリルべタイン(30%水溶液) 10.0
7 コカミド DEA 4.0
8 ラウリルジメチルアミンォキシド(30%水溶液) 1.0
9 セチアレス- 60ミリスチルグリコ一ル 2.0
10 ココイルメチルタウリン Na (30%水溶液) 27.0
11 ラウレス硫酸 Na (30%水溶液) 23.0
12 ジステアリン酸グリコール 2.0
13 ペンチレングリコール 3.0
14 ステアラミドプロピルジメチルァミン 0.3
15 クェン酸(10%水溶液) 3.5
16 高重合メチルポリシロキサン(1 ) 0.3
比較例 4 コンディショニングシャンプーの製造
合成例 1のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 5のヒドロキシィ匕合物を用いた以 外は、実施例 4と同じにコンディショニングシャンプーを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 4 G G G
比較例 4 M B G 実施例 4のコンディショニングシャンプーは、洗髪後の毛髪に適度な油性感を与え、 ゴヮツキも見られなかった。一方、比較例 4のコンディショニングシャンプーは、残存す る油剤が高い粘着性を示し、毛髪に違和感が認められた。
実施例 5 リンスの製造
表 10に示した組成物 A、組成物 B及び組成物 Cを、夫々別個に 75〜80°Cにおいて均 一に溶解した。次いで、組成物 Bを組成物 Aに攪拌しながら添加し、ホモミキサーによ り乳化した (組成物 A+B)。更に、攪拌しながら (組成物 A+B)に組成物 Cを添加し、該 混合物を攪拌しながら 30°Cまで冷却して、リンスを調製した。
[表 10] 成分 質量%
(A) 1 ジェチルへキサン酸ネオペンチルグリコール 1.00
2 ラウリン酸ポリグリセリル- 10 0.50
3 トリイソステアリン酸ポリグリセリル- 2 1.00
4 合成例 2のヒドロキシ化合物 1.00
5 ス亍アリン酸グリセリル 1.00
6 パルミチン酸セチル 0.50
7 セトステアリルアルコール 1.60
8 ベへニルアルコール 0.40
9 ベヘントリモニゥムクロリド 2.70
10 ク才タニゥム -18 0.30
11 DPG 2.00
12 ステアレス- 3 1.30
13 ステアレス- 6 1.80
(B) 14 ヒドロキシプロピルメチルセル口一ス 0.40
15 DPG 1.25
16 メチルパラベン 0.1 1
17 フエノキシエタノール 0.50
18 ポリクオタニゥム -7 1.00
19 精製水 残量
20 加水分解シルク 0.01
(C) 21 高重合メチルポリシロキサン(1 ) 0.30
22 クェン酸(10%水溶液) 0.10
23 クェン酸 Na ( 10%水溶液) 0.40
比較例 5 リンスの製造
合成例 2のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 6のヒドロキシィ匕合物を用いる以外 は、実施例 5と同じにリンスを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 5 G G G
比較例 5 B M G 実施例 5のリンスは、洗髪後の毛髪に適度な油性感を与え、ゴヮツキも見られなかつ た。一方、比較例 5のリンスは、洗髪後の櫛通りが悪ぐ毛髪が櫛に引つ力かるなどの 欠点が見られた。
実飾 16 ヘアトリートメントの製造
表 11に示した組成物 A、組成物 B及び組成物 Cを、夫々別個に 75〜80°Cにおいて均 一に溶解した。次いで、組成物 Bを組成物 Aに攪拌しながら添加し、ホモミキサーによ り乳化した (組成物 A+B)。更に、攪拌しながら (組成物 A+B)に組成物 Cを添加し、該 混合物を攪拌しながら 30°Cまで冷却して、ヘアトリートメントを調製した。
[表 11]
成分 質量%
(A) 1 ホホバ油 1.00
2 ジェチルへキサン酸ネオペンチルグリコ一ル 3.00
3 ラウリン酸ポリグリセリル- 10 0.50
4 トリイソス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 2.00
5 イソス亍アリン酸水添ヒマシ油 1.00
6 合成例 3のヒドロキシ化合物 2.00
7 ステアリン酸グリセリル 1.00
8 ノ ルミチン酸セチル 0.50
9 セトステアリルアルコ一ル 4.40
10 ベへニルアルコール 1.10
11 ベヘントリモニゥムクロリド 2.70
12 クオタニゥム -18 0.40
13 DPG 2.00
14 ス亍アレス- 3 1.50
15 ステアレス- 6 1.50
16 ジメチコン 1.00
(B) 17 ヒドロキジプロピルメチルセルロース 0.30
18 ペンチレングリコール 3.00
19 ポリクオタニゥム -7 1.00
20 精製水 残量
21 加水分解シルク 0.01
(C) 22 高重合メチルポリシロキサン(1 ) 1.00
比較例 6 ヘアトリートメントの製造
合成例 3のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 8のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施 ί列 6と同じにリンスを調製した。
実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 6 G G G
比較例 6 M M G 実施例 6のへアトリートメントは、洗髪後の毛髪に適度な油性感を与え、ゴヮツキも見 られな力 た。一方、比較例 6のへアトリートメントは、洗髪後の油性感に乏しぐ保存 安定性にも劣るものであった。
実飾 17 ヘアワックスの製造
表 12に示した組成物 A及び組成物 Bを、夫々別個に 75〜80°Cにおいて均一に溶解し た。次いで、組成物 Aを組成物 Bに攪拌しながら添加し、ホモミキサーにより乳化した 。次いで、該混合物を攪拌しながら 30°Cまで冷却して、ヘアワックスを調製した。
[表 12]
成分 質量%
(A) 1 合成例 4のヒドロキシ化合物 3.0
2 ジェチルへキサン酸ネオペンチルグリコ一ル 5.1
3 セレシン [製品名:セレシン B] 3.9
4 キャンデリラワックス 5.2
5 イソス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 2.2
6 イソス亍アリン酸ポリグリセリル- 10 3.8
7 ジメチコン 2.0
8 シクロメチコン 1.0
9 ベへニルアルコール 2.7
10 ステアリン酸グリセリル 2.7
11 ペンチレングリコ一ル 3.0
12 ステアレス- 6 1.0
13 ステアロイルグルタミン酸 Na 0.6
14 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.6
15 精製水 残量
[0067] 比較例 7 ヘアワックスの製造
合成例 4のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 4のヒドロキシィ匕合物を用いる以外 は、実施例 7と同じにヘアワックスを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 7 G G G
比較例 7 M G 実施例 7のヘアワックスは、洗髪後の毛髪に適度な油性感を与え、毛髪のセット効果 が高力つた。一方、比較例 7のヘアワックスは、塗布時にベタツキ感が強ぐ櫛通りが 悪!、などの欠点が見られた。
[0068] 実施例 8 リップクリームの製造
表 13に示した全成分を 95〜100°Cにおいて均一に溶解し、脱泡した。次いで、適当 な金型に流し込んだ後、冷却して、リップクリームを調製した。
[表 13] 成分 質量%
1 合成例 5のヒドロキシ化合物 17.00
2 ネオペンタン酸ォクチルドデシル 24.00
3 トリイソステアリン酸トリメチ口一ルプロパン 22.99
4 マイクロクリスタリンワックス(融点: 78°C) 4.00
5 セレシン(融点: 73~76°C) 6.00
6 ポリエチレン(融点: 88°C) 5.00
7 リンゴ酸ジイソス亍ァリル 15.00
8 トリイソステアリン酸ポリグリセリル- 2 6.00
9 d- <5—トコフエロール 0.01
比較例 8 リップクリームの製造
合成例 5のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 1のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施例 8と同じにリップクリームを調製した。
実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 8 G G G
比較例 8 M B G 実施例 8のリップクリームは、塗布時の伸びが良く滑らかな感触であり、 5°C、 25°C、 35 °Cの各々の温度で保存したときの硬度変化が少なく(5°Cでの硬度: 0.55N、 25°Cでの 硬度: 0.30N、 35°Cでの硬度: 0.17N、)、形状保持特性に優れるものであった。一方、 比較例 8のリップクリームは、発汗を生じ、保存安定性に劣るものであった。また、温 度変化による硬度変化が大きく(5°Cでの硬度: 0.65N、 25°Cでの硬度: 0.22N、 35°Cで の硬度: 0.08N、)、塗布時には伸びが悪ぐベタツキ感が生じるなどの欠点が見られ た。硬度は、 EZ-Test-20N (島津製作所製)を用いて測定した。針径 1.0mm φ、試験速 度 lOmm/minの条件下で針入深度 10mmの応力値 (Ν)を測定し、最大値を硬度とした 実飾 19 リップスティックの製造
表 14に示した成分 7及び成分 9〜13は、予め、三本ローラーにて均一分散した。残り の全成分と前記分散物を 95〜100°Cにおいて均一に溶解し、脱泡した。次いで、適 当な金型に流し込んだ後、冷却してリップスティックを調製した。
[表 14]
成分
1 合成例 1のヒドロキシ化合物 18.00
2 ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 22.79
3 亍トライソス亍アリン酸ペンタエリスリチル 19.00
4 マイクロクリスタリンワックス(融点: 78°C) 5.50
5 キャンデリラワックス(融点: 68~74°C) 5.80
6 ポリエチレン(融点: 88°C) 5.70
7 リンゴ酸ジイソス亍ァリル 10.00
8 トリイソス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 6.00
9 酸化チタン [製品名:タイぺ一ク CR-30] 1.00
10 酸化鉄 [ベンガラ] 1.20
11 赤色 226号 0.20
12 酸化チタン、マイ力 [酸化チタン被覆雲母] 4.80
13 d- S—トコフエロール 0.01
比較例 9 リップスティックの製造
合成例 1のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 2のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施例 9と同じにリップスティックを調製した。 実用持性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 9 G G G
比較例 9 B M G 実施例 9のリップスティックは、塗布時の伸びが良ぐ 5°C、 25°C、 35°Cの各々の温度 で保存したときの硬度変化が少なく(5°Cでの硬度: 0.57N、 25°Cでの硬度: 0.31N、 35 °Cでの硬度: 0.15N、)、形状保持特性に優れるものであった。一方、比較例 9のリップ スティックは、ベタツキ感が強ぐ実用特性に劣るものであった。また、温度変化による 硬度変化が大きかった(5°Cでの硬度: 0.63N、 25°Cでの硬度: 0.21N、 35°Cでの硬度: 0.06N)。
実施例 10 ペースト状リップダロスの製造
表 15に示した成分 1〜3及び 5を 90〜100°Cにおいて均一に溶解する。一方、成分 4に 成分 6〜10を同一温度で均一分散する。次いで、これらを均一に混合した後、 30°Cま で冷却して、ペースト状リップダロスを調製した。
[表 15]
成分 質量。 /0
1 合成例 7のヒドロキシ化合物 40.00
2 亍トライソス亍アリン酸ペンタエリスリチル 35.00
3 ェチルへキサン酸セチル 3.00
4 リンゴ酸ジイソス亍ァリル 13.77
5 トリイソス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 5.00
6 酸化チタン 1.50
7 酸化鉄 [ベンガラ] 1.50
8 赤色 201号 0.10
9 赤色 202号 0.08
10 青色 1号 0.05
比較例 10 ペースト状リップダロスの製造
合成例 7のヒドロキシィヒ合物に替えて、比較合成例 3のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施例 10と同じにペースト状リップダロスを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 10 G G G
比較例 10 G 実施例 10のペースト状リップダロスは、唇に適度な被膜感を与え、伸びが良く、ベタツ キも少な力つた。一方、比較例 10のペースト状リップダロスは、ベタツキ感が強く、実 用特性に劣るものであった。
実施例 11 リップダロス (パレットタイプ)の製造
表 16に示した成分 1〜4及び 6を 90〜100°Cにおいて均一に溶解した。一方、成分 5に
成分 8〜9を同一温度で均一分散する。次いで、これらを均一に混合した後、成分 7を 添加して均一混合する。次いで、皿状の容器に流し込み 30°Cまで冷却して、リップグ ロスを調製した。
[表 16] 成分 質量%
1 合成例 2のヒドロキシ化合物 25.00
2 アミド末端ポリアミド 6.00
3 ェチルへキサン酸へキシルデシル 36.50
4 イソノナン酸イソド Jデシル 8.00
5 リンゴ酸ジイソス亍ァリル 15.00
6 トリイソス亍アリン酸ポリグリセリル- 2 6.00
7 合成金雲母、酸化チタン、酸化鉄 3.00
8 赤色 201号 0.20
9 黄色 5号 0.30
比較例 11 リップダロス(パレットタイプ)の製造
合成例 2のヒドロキシィヒ合物に替えて、比較合成例 8のヒドロキシィヒ合物を用いる以外 は、実施例 11と同じにリップダロスを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 11 G G G
比較例 11 M B G 実施例 11のリップダロスは、唇に適度な被膜感を与え、伸びが良ぐベタツキも少な 力 た。一方、比較例 11のリップダロスは、塗布時の被膜感に乏しく、実用特性に劣 るものであった
施例 12 リップダロス(パレットタイプ)の製造
表 17に示した成分 1〜4及び 6を 90〜100°Cにおいて均一に溶解した。一方、成分 5に 成分 8〜9を同一温度で均一分散する。次いで、これらを均一に混合した後、成分 7を 添加して均一混合する。次いで、皿状の容器に流し込み 30°Cまで冷却して、リップグ
ロスを調製した。
[表 17] 成分 質量%
1 合成例 6のヒドロキシ化合物 38.50
2 エステル末端ポリアミド 4.00
3 亍トラエチルへキサン酸ペンタエリスリチル 25.00
4 トリェチルへキサン酸ドリメチロールプロパン 10.00
5 リンゴ酸ジイソス亍ァリル 12.00
6 トリイソステアリン酸ポリグリセリル- 2 5.00
7 (PETZAI/エポキシ樹脂)ラミネート、酸化鉄 5.00
8 赤色 201号 0.20
9 黄色 5号 0.30
比較例 12 リップダロス (パレットタイプ)の製造
合成例 6のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 6のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施例 12と同じにリップダロスを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 12 G G G
比較例 12 M M G 実施例 12のリップダロスは、唇に適度な被膜感を与え、伸びが良ぐベタツキも少な かった。一方、比較例 12のリップダロスは、塗布時の被膜感に乏しぐ実用特性に劣 るものであった
実飾 II 3 ファンデーションの製造
表 18に示した成分 1〜5、 11〜12を 90°Cにおいて均一に溶解し、ホモディスパ一によ る攪拌を行いながら、成分 6〜10を加えて均一分散させる。次いで、該組成物を脱泡 し、金皿に流し込み成型して、ファンデーションを調製した。
[表 18]
成分
1 合成例 4のヒドロキシ化合物 3.00
2 ポリエチレンワックス(融点: 88°C) 5.00
セレシン (融点: 73〜76°C)
3 8.00
[セレシン SP1020]
4 ェチルへキサン酸へキシルデシル 残量
5 シクロメチコン 10.00
6 タルク 6.00
7 酸化チタン 10.00
8 酸化鉄 [赤酸化鉄] 1.50
9 酸化鉄 [黄酸化鉄] 3.00
10 酸化鉄 [黒酸化鉄] 1.50
11 メトキシケィヒ酸ォクチル 2.00
瞓
12 d- δトコフエロール 0.05
比較例 13 ファンデーションの製造
合成例 4のヒドロキシィ匕合物に替えて、比較合成例 3のヒドロキシィ匕合物を用いた以外 は、実施例 13と同じにファンデーションを調製した。 実用特性 保存安定性 皮膚安全性
実施例 13 G G G
比較例 13 M M G 実施例 13のファンデーションは、皮膚に塗布した際にべタツキ感が少なぐ実用特性 に優れていた。一方、比較例 13のファンデーションは、塗布時のベタツキ感が強ぐ 実用特性に劣るものであった。
産業上の利用可能性
本発明のヒロキシィ匕合物を含む化粧料は、例えば、 0/W型クリーム、 W/0型クリーム 、サンケアクリーム、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアワックス、リップクリーム 、リップスティック、ペースト状リップグロス、固形状リップグロス、ファンデーション等に
使用し得る。