JP2008273891A - 透明粘性油及びこれを含有する化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高い光沢度と優れた皮膚付着性を有する新規な透明粘性油に関するものであり、また、これを含有する光沢度と皮膚付着性の優れた化粧料を提供する。
【解決手段】
ポリグリセリンと分枝脂肪酸とをエステル化して得られるエステル化物であって、前記ポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜12のポリグリセリンであり、前記分枝脂肪酸は、炭素数8〜22の分枝脂肪酸から選択される一種以上の分枝脂肪酸であり、前記エステル化物のエステル化率が45〜60%、酸価が1.5以下であり、且つ外観が透明である透明粘性油、及びこれを含有する化粧料を用いる。
【選択図】なし
高い光沢度と優れた皮膚付着性を有する新規な透明粘性油に関するものであり、また、これを含有する光沢度と皮膚付着性の優れた化粧料を提供する。
【解決手段】
ポリグリセリンと分枝脂肪酸とをエステル化して得られるエステル化物であって、前記ポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜12のポリグリセリンであり、前記分枝脂肪酸は、炭素数8〜22の分枝脂肪酸から選択される一種以上の分枝脂肪酸であり、前記エステル化物のエステル化率が45〜60%、酸価が1.5以下であり、且つ外観が透明である透明粘性油、及びこれを含有する化粧料を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリグリセリンと分枝脂肪酸とをエステル化して得られるポリグリセリン分枝脂肪酸エステルに関し、更に詳しくは、高い光沢度と優れた皮膚付着性を有する新規な透明粘性油に関するものであり、またこれを含有する化粧料に関する。
化粧品原料において、高い光沢度と優れた皮膚付着性を有する粘性油としては、ラノリンが知られている。以前よりラノリンは、化粧品や軟膏類等、幅広い分野で使用されてきた。しかし、動物由来の油脂に特徴的な色及び臭いの問題や、その他最近の世界的な動物愛護や自然保護の風潮から、ラノリンの使用が敬遠されている。この事から、ラノリンに類似或いは代用する物質の研究が種々行われてきた。これら研究報告の中で、特許文献1に、直鎖脂肪酸と分枝脂肪酸及び二塩基酸とを含む混合脂肪酸とグリセリンとのエステル化により得られる油剤が、ラノリン代替油として記載されている。しかし、二塩基酸を使用するエステルについては、皮膚刺激性が懸念されるため、化粧品原料としては好ましくない。また、この油剤は直鎖脂肪酸が必須成分である為、室温以下では、その外観は透明なものではないため、外観の透明性が要求されるリップグロス等の化粧料には不向きであった。
外観が透明な粘性油としては、水添ポリイソブテン等の炭化水素油類や、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油類、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類が挙げられる。これら透明粘性油は、リップグロスや口紅等の口唇化粧料、マスカラ等のアイメーク化粧料、ファンデーション等のベースメーク化粧料等、主にメークアップ化粧料に使用されている。しかし、光沢性を必要とするリップグロスや口紅等の口唇化粧料では、これら油剤の光沢度では不十分であり、更なる光沢度を有する透明粘性油の開発が求められていた。その他、エステル油剤であるペンタイソステアリン酸デカグリセリルが知られているが、このものは室温での外観に濁りが有る為、透明性が要求される化粧料には不向きであった。
特許第3442101号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い光沢度と優れた皮膚付着性を有する透明粘性油の開発、及びこれを含有させ高い光沢度や皮膚付着性に優れる化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリンと特定の分枝脂肪酸とをエステル化してなるポリグリセリン分枝脂肪酸エステルが、上記課題を解決し得ることを見出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、ポリグリセリンと分枝脂肪酸とをエステル化して得られるエステル化物であって、前記ポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜12のポリグリセリンであり、前記分枝脂肪酸は、炭素数8〜22の分枝脂肪酸から選択される一種以上の分枝脂肪酸であり、前記エステル化物のエステル化率が45〜60%、酸価が1.5以下であり、且つ外観が透明である透明粘性油及びこれを含有する化粧料に関するものである。
本発明の透明粘性油は、水添ポリイソブテン等の炭化水素油類や、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油類、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類よりも、高い光沢度と優れた皮膚付着性を有している。また、これをリップグロス等の口唇化粧料に使用すれば、高い光沢度や皮膚付着性に優れた新規な化粧料を得る事が出来る。
以下に本発明を詳細にする。
本発明は、ポリグリセリンと分枝脂肪酸とをエステル化して得られるエステル化物であって、前記ポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜12のポリグリセリンであり、前記分枝脂肪酸は、炭素数8〜22の分枝脂肪酸から選択される一種以上の分枝脂肪酸であり、前記エステル化物のエステル化率が45〜60%、酸価が1.5以下であり、且つ外観が透明である透明粘性油である。この発明において、エステル化物とは、遊離の分枝脂肪酸が含有されているエステル化物、及び遊離分枝脂肪酸が含有されていないエステル化物の双方が含まれる。
前記水酸基価から算出される平均重合度(n)とは、末端分析法によって算出される値であり、次式(式1)及び(式2)から算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
水酸基価とは、エステル化物中に含まれる水酸基数の大小の指数となる数値であり、1gのエステル化物に含まれる遊離のヒドロキシル基をアセチル化する為に必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を指し、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)1996年度版」に準じて算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
水酸基価とは、エステル化物中に含まれる水酸基数の大小の指数となる数値であり、1gのエステル化物に含まれる遊離のヒドロキシル基をアセチル化する為に必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を指し、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)1996年度版」に準じて算出される。
前記エステル化率とは、水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、付加する分枝脂肪酸のモル数(M)とした時、{M/(n+2)}×100=エステル化率(%)で算出される値である。
また、前記エステル化物は、酸価が1.5以下であるエステル化物である。酸価とはエステル化物中に含まれる遊離分枝脂肪酸の大小の指数となる数値であり、1gのエステル化物に含まれる遊離分枝脂肪酸を中和する為に必要な水酸化カリウムのミリグラム数を指し、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)1996年度版」に準じて算出される。
本発明で使用する平均重合度4〜12のポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度で4〜12、好ましくは8〜10のポリグリセリンが選択される。
また、使用する分枝脂肪酸としては、炭素数8〜22、好ましくは14〜20のものが一種以上選択される。例えば、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、4−エチルペンタン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、3−メチルウンデカン酸、6−プロピルノナン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、2−メチルテトラデカン酸、4−メチルテトラデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、2−メチルオクタデカン酸、3−メチルオクタデカン酸、4−メチルオクタデカン酸、5−メチルオクタデカン酸、6−メチルオクタデカン酸、7−メチルオクタデカン酸、8−メチルオクタデカン酸、9−メチルオクタデカン酸、10−メチルオクタデカン酸、11−メチルオクタデカン酸、14−メチルオクタデカン酸、15−メチルオクタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、15−エチルペンタデカン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、2−メチルエイコサン酸、2−プロピルオクタデカン酸、2−ブチルオクタデカン酸が例示される。分枝脂肪酸中、炭素数18の16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)が好ましい。
本発明のエステル化物である透明粘性油のエステル化率が45〜60%である事が、水添ポリイソブテン等の炭化水素油類、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油類、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類等、これらの透明粘性油と同じ外観(透明)、及び粘性(25℃での粘度が3000〜7000mPa・s)を有するのに必要である。エステル化物のエステル化率が45%未満では、エステル化物の外観に濁りが生じ、本発明の目的である外観の透明性が損なわれ、好ましくない。また、エステル化物のエステル化率が60%を超える場合は、得られるエステル化物の粘性が低くなり(25℃での粘度が3000mPa・s未満)、目的の粘性を有する透明粘性油を得ることが出来ない。
本発明のエステル化物である透明粘性油の酸価は、1.5以下である事がエステル化物である透明粘性油、及びこの透明粘性油を使用し調製した化粧料が発する臭気を抑制するのに必要である。酸価が1.5を超えると未反応の分枝脂肪酸含量が増えるので、臭気面が悪くなり、また、未反応分枝脂肪酸による皮膚刺激が懸念され、化粧料用の油性原料として相応しくない。
本発明に係るエステル化物である透明粘性油は、上述の所定範囲の平均重合度のポリグリセリンと、所定範囲の炭素数の分枝脂肪酸とをエステル化させる以下の方法にて合成する。最初にポリグリセリンに分枝脂肪酸を仕込む。この場合、二種以上の分枝脂肪酸を仕込むのであれば、各分枝脂肪酸を混合してからポリグリセリンに仕込むか、各分枝脂肪酸を一種ずつポリグリセリンに仕込むかを問わず、最終的に各分枝脂肪酸が所定量仕込まれていれば良い。次に、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を加えた後、常圧もしくは減圧下において常法に従ってエステル化反応を行わせる。このエステル化反応を、エステル化率45〜60%、酸価が1.5以下となるまで反応を行う。
本実施形態におけるエステル化物である透明粘性油を使用し、公知の化粧料の調製方法によって、本発明に係る透明粘性油を含有する化粧料を調製する事が出来る。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。実施例1〜6のエステル化物を以下の通り合成した。実施例のエステル化物の比較の為に、比較例1〜4のエステル化物も合成した。
〈実施例1〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)225gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、4時間の条件下でエステル化反応を行い、実施例1のエステル化物295gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)225gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、4時間の条件下でエステル化反応を行い、実施例1のエステル化物295gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
〈実施例2〉
水酸基価から算出される平均重合度が4のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)225gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例2のエステル化物312gを得た。このもののエステル化率は、45.0%であり、酸価は、0.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が4のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)225gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例2のエステル化物312gを得た。このもののエステル化率は、45.0%であり、酸価は、0.5であった。
〈実施例3〉
水酸基価から算出される平均重合度が12のポリグリセリン100gと2−エチルヘキサン酸(オクチル酸)134gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例3のエステル化物206gを得た。このもののエステル化率は、60.0%であり、酸価は、0.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が12のポリグリセリン100gと2−エチルヘキサン酸(オクチル酸)134gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例3のエステル化物206gを得た。このもののエステル化率は、60.0%であり、酸価は、0.5であった。
〈実施例4〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)202gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例4のエステル化物275gを得た。このもののエステル化率は、45.0%であり、酸価は、1.0であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)202gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例4のエステル化物275gを得た。このもののエステル化率は、45.0%であり、酸価は、1.0であった。
〈実施例5〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと14−メチルペンタデカン酸(イソパルミチン酸)223gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例5のエステル化物292gを得た。このもののエステル化率は、55.0%であり、酸価は、1.0であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと14−メチルペンタデカン酸(イソパルミチン酸)223gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例5のエステル化物292gを得た。このもののエステル化率は、55.0%であり、酸価は、1.0であった。
〈実施例6〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと12−メチルトリデカン酸(イソミリスチン酸)217gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例5のエステル化物284gを得た。このもののエステル化率は、60.0%であり、酸価は、1.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと12−メチルトリデカン酸(イソミリスチン酸)217gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、実施例5のエステル化物284gを得た。このもののエステル化率は、60.0%であり、酸価は、1.5であった。
〈比較例1〉
水酸基価から算出される平均重合度が2のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)342gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、比較例1のエステル化物399gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が2のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)342gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、比較例1のエステル化物399gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
〈比較例2〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと9−オクタデセン酸(オレイン酸)223gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、比較例2のエステル化物294gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと9−オクタデセン酸(オレイン酸)223gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、比較例2のエステル化物294gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
〈比較例3〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gとオクタデカン酸(ステアリン酸)225gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、比較例3のエステル化物295gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gとオクタデカン酸(ステアリン酸)225gを反応容器に入れ、実施例1と同様の条件で反応を行ない、比較例3のエステル化物295gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、0.5であった。
〈比較例4〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)225gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、3時間の条件下でエステル化反応を行い、比較例4のエステル化物295gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、4.0であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)225gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、3時間の条件下でエステル化反応を行い、比較例4のエステル化物295gを得た。このもののエステル化率は、50.0%であり、酸価は、4.0であった。
〈比較例5〉
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)337gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、4時間の条件下でエステル化反応を行い、比較例5のエステル化物395gを得た。このもののエステル化率は、75.0%であり、酸価は、1.0であった。
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)337gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、4時間の条件下でエステル化反応を行い、比較例5のエステル化物395gを得た。このもののエステル化率は、75.0%であり、酸価は、1.0であった。
(外観の透明性試験)
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテンを50mlのガラス管に30g入れ、0℃で24時間曝露した時の外観を目視観察し、透明性を以下の基準に従い評価した。
基準 ○:透明である。
△:わずかにくすみ、濁りがある。
×:透明性がない。
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテンを50mlのガラス管に30g入れ、0℃で24時間曝露した時の外観を目視観察し、透明性を以下の基準に従い評価した。
基準 ○:透明である。
△:わずかにくすみ、濁りがある。
×:透明性がない。
(臭気強度の試験)
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテン1gを手の甲に塗り広げ、臭気の強度を以下の基準に従って官能評価した。尚、官能評価を行ったモニター数は、20名の男女とした。
基準 ○:臭気を殆ど感じない。
△:やや臭気を感じる。
×:強い臭気を感じる。
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテン1gを手の甲に塗り広げ、臭気の強度を以下の基準に従って官能評価した。尚、官能評価を行ったモニター数は、20名の男女とした。
基準 ○:臭気を殆ど感じない。
△:やや臭気を感じる。
×:強い臭気を感じる。
(垂れ落ち試験=皮膚付着性試験)
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテン1gを人工皮革(サプラーレ、出光テクノファイン(株))に1cm四方に塗り広げ、その塗布した人工皮革を垂直に3分間立て、エステル化物の垂れ落ちの度合いを以下の基準に従って官能評価した。
基準 ○:殆ど垂れ落ちがない。
△:やや垂れ落ちる。
×:垂れ落ちる。
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテン1gを人工皮革(サプラーレ、出光テクノファイン(株))に1cm四方に塗り広げ、その塗布した人工皮革を垂直に3分間立て、エステル化物の垂れ落ちの度合いを以下の基準に従って官能評価した。
基準 ○:殆ど垂れ落ちがない。
△:やや垂れ落ちる。
×:垂れ落ちる。
(粘度測定試験)
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテンをB型粘度計(東京計器製、ローターNo.3、回転数12rpm)にて25℃の粘度を測定した。
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテンをB型粘度計(東京計器製、ローターNo.3、回転数12rpm)にて25℃の粘度を測定した。
(光沢度測定試験)
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテンを光沢度計(日本電色工業、PG−1)にて、光沢度を測定した。
実施例及び比較例で得られたエステル化物、及び汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテンを光沢度計(日本電色工業、PG−1)にて、光沢度を測定した。
外観の透明性試験の結果、臭気強度の試験、垂れ落ち試験(皮膚付着性試験)粘度測定試験、及び光沢度測定試験の結果をエステル化に使用したポリグリセリンの平均重合度、及び脂肪酸並びにエステル化率、酸価と併せて表1に示す。
表1から、平均重合度が4〜12のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸をエステル化し得られる、エステル化率が45〜60%の実施例のエステル化物は、比較例のものとは異なり、外観の透明性が良好であり、且つ25℃での粘度が汎用の水添ポリイソブテン等の炭化水素油類、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油類、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類等、これらの透明粘性油と差のない粘性(25℃での粘度が3000〜7000mPa・s)である事を確認できる。
また、酸価が4.0の比較例4のエステル化物は、臭気を感じさせ、酸価が1.5以下の各実施例のエステル化物は、臭気を殆ど感じさせる事がないので優れている事が、表1において確認する事が出来る。
(化粧料の調製)
前記実施例及び比較例のエステル化物を使用して、リップグロス及び口紅を調製した。配合比率及び調製方法は、以下の配合実施例1〜3、配合比較例1〜3に記載した。
前記実施例及び比較例のエステル化物を使用して、リップグロス及び口紅を調製した。配合比率及び調製方法は、以下の配合実施例1〜3、配合比較例1〜3に記載した。
(1)配合実施例1 リップグロス1
(重量%)
実施例1のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(重量%)
実施例1のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(2)配合実施例2 リップグロス2
(重量%)
実施例3のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(重量%)
実施例3のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(3)配合実施例3 口紅
A相 (重量%)
実施例6のエステル化物 20.00
セレシン 23.50
ヒマシ油 27.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
キャンデリラロウ 5.00
B相
酸化チタン 2.00
赤色系色素 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
A相 (重量%)
実施例6のエステル化物 20.00
セレシン 23.50
ヒマシ油 27.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
キャンデリラロウ 5.00
B相
酸化チタン 2.00
赤色系色素 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
(1)配合比較例1 リップグロス1
(重量%)
比較例1のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(重量%)
比較例1のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(2)配合比較例2 リップグロス2
(重量%)
比較例2のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(重量%)
比較例2のエステル化物 95.00
流動パラフィン 4.50
赤色系色素 0.50
全成分を80℃にて加温して均一溶解し、35℃まで冷却してリップグロスを得た。
(3)配合比較例3 口紅
A相 (重量%)
比較例3のエステル化物 20.00
セレシン 23.50
ヒマシ油 27.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
キャンデリラロウ 5.00
B相
酸化チタン 2.00
赤色系色素 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
A相 (重量%)
比較例3のエステル化物 20.00
セレシン 23.50
ヒマシ油 27.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
キャンデリラロウ 5.00
B相
酸化チタン 2.00
赤色系色素 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
上述の配合実施例1〜3、及び配合比較例1〜3のリップグロス及び口紅を、健常女性20名で、以下の基準に従って官能評価した。その結果を表2に示す。
基準(塗布のし易さ)
○:垂れ落ちがない、滑らかに塗布出来る。
△:やや垂れ落ちがある、やや硬く塗布し難い。
×:垂れ落ちがある、硬過ぎて塗布しにくい。
基準(光沢性)
○:優れた光沢がある。
△:やや光沢が悪い。
×:光沢性が悪い。
基準(臭気)
○:殆ど無臭である。
△:やや特異な臭気がある。
×:特異な臭気が強い。
基準(塗布のし易さ)
○:垂れ落ちがない、滑らかに塗布出来る。
△:やや垂れ落ちがある、やや硬く塗布し難い。
×:垂れ落ちがある、硬過ぎて塗布しにくい。
基準(光沢性)
○:優れた光沢がある。
△:やや光沢が悪い。
×:光沢性が悪い。
基準(臭気)
○:殆ど無臭である。
△:やや特異な臭気がある。
×:特異な臭気が強い。
表2から、配合実施例1〜3のリップグロス及び口紅は、塗布のし易さ、光沢性、及び臭気の面において、配合比較例1〜3に比べ優れている事が確認できる。配合比較例1のリップグロスは、グロス自体に粘性が無く、垂れ落ちがあり塗布しにくいものであった。配合比較例2のリップグロスは、オレイン酸臭が強く、化粧料としては好ましいものではなかった。また、配合比較例3の口紅は、硬過ぎて塗布しにくく、更には光沢性の悪いものであった。
本発明のエステル化物である透明粘性油は、透明性が良好で、汎用の透明粘性油である水添ポリイソブテン等の炭化水素油類や、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油類、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類よりも、高い光沢度と優れた皮膚付着性を有しており、これをリップグロス等の口唇化粧料に使用すれば、高い光沢度や皮膚付着性に優れた新規な化粧料を得る事が出来る。また、口唇化粧料以外のメーク化粧料や皮膚化粧料及びヘア化粧料等幅広い用途に利用が可能である。
Claims (2)
- ポリグリセリンと分枝脂肪酸とをエステル化して得られるエステル化物であって、前記ポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜12のポリグリセリンであり、前記分枝脂肪酸は、炭素数8〜22の分枝脂肪酸から選択される一種以上の分枝脂肪酸であり、前記エステル化物のエステル化率が45〜60%、酸価が1.5以下である透明粘性油。
- 請求項1記載の透明粘性油を含有させた化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007120808A JP2008273891A (ja) | 2007-05-01 | 2007-05-01 | 透明粘性油及びこれを含有する化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007120808A JP2008273891A (ja) | 2007-05-01 | 2007-05-01 | 透明粘性油及びこれを含有する化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008273891A true JP2008273891A (ja) | 2008-11-13 |
Family
ID=40052348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007120808A Pending JP2008273891A (ja) | 2007-05-01 | 2007-05-01 | 透明粘性油及びこれを含有する化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008273891A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014012653A (ja) * | 2012-06-04 | 2014-01-23 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 化粧料用油剤及びそれを配合する化粧料 |
CN112494363A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-03-16 | 科玛化妆品(北京)有限公司 | 一种可变色透明唇油及其制备方法 |
-
2007
- 2007-05-01 JP JP2007120808A patent/JP2008273891A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014012653A (ja) * | 2012-06-04 | 2014-01-23 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 化粧料用油剤及びそれを配合する化粧料 |
CN112494363A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-03-16 | 科玛化妆品(北京)有限公司 | 一种可变色透明唇油及其制备方法 |
CN112494363B (zh) * | 2020-12-23 | 2023-05-02 | 科玛化妆品(北京)有限公司 | 一种可变色透明唇油及其制备方法 |
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