JP2004339128A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽いのび、ベタつきのなさ、化粧膜のつや及び均一性、安定性、形状保持性に優れた化粧料を提供する。
【解決手段】エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物の誘導体と、特定の炭素数を有する炭化水素で構成されるキャンデリラワックスとを含有する化粧料である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧料に関し、さらに詳しくは、軽いのび、ベタつきのなさ、化粧膜のつや及び均一性、安定性、形状保持性に優れた化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料においては、油性ゲル化剤や固化剤を組み合わせることにより、各成分の特性を活かし、使用目的に合わせた様々な使用性や形状の演出や、経時や高温での安定性の確保がなされてきた。
デキストリン脂肪酸エステルを固化剤として重質流動イソパラフィンと組合せ配合した、透明性や塗布時のつや、使用時ののびに優れた固形化粧料(例えば、特許文献1)や、ワックスとワックスの固化力を低下させる親油性ゲル化剤とを組み合わせた、筆で塗りやすく、化粧持ちの良いペースト状の口紅組成物(例えば、特許文献2)、さらに、特定の炭素数を有する炭化水素で構成されるキャンデリラワックスを配合することで、従来のワックスでは困難であった低IOB値の液状油をゲル化及び固化させた、安定性や形状保持性に優れた化粧料(例えば、特許文献3)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−235210号公報
【特許文献2】
特公平6−11684号公報
【特許文献3】
特開平10−182500号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デキストリン脂肪酸エステルと、化粧膜につやを付与する液状油である重質流動イソパラフィンとを配合したものは、つやには優れるものの、現在の市場における消費者の嗜好においては、使用時ののびが重く感じられ、軽い使用性に欠けるという欠点があり、また、その化粧膜がベタつくという欠点があった。また、ワックスと親油性ゲル化剤を組み合わせた化粧料は、なめらかな使用性は得られるものの、形状はゲル状に限られており、化粧膜の均一性に欠けるという欠点があった。また、特定の炭素数を有する炭化水素で構成されるキャンデリラワックスを低IOB値の液状油に配合した化粧料は、軽くなめらかな使用性、安定性や形状保持性に優れるものの、化粧膜のつやにおいて充分に満足できるものとは言えなかった。そこで、軽いのびでベタつかず、化粧膜のつや及び均一性、安定性、形状保持性に優れた化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実状において、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物の誘導体と、特定の炭素数を有する炭化水素で構成されるキャンデリラワックスとを含有する化粧料が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(a)及び(b);
(a)エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と脂肪酸との下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるエステル化合物、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と該エステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びエリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上、
【0006】
【化3】
Figure 2004339128
【化4】
Figure 2004339128
【0007】
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、脂肪酸残基又は多価カルボン酸残基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、脂肪酸残基又は多価カルボン酸残基を表す。)(なお、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物とは、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と多価カルボン酸との重縮合物と、脂肪酸とのエステル化反応で得られた重縮合物のことを示す。)
(b)炭素数28〜33の炭化水素を65質量%(以下単に「%」と示す)以上含有し、且つ該炭化水素中に占める炭素数31の炭化水素の割合が60%以上であるキャンデリラワックス
を含有することを特徴とする化粧料に関するものである。
以下、詳述する。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
本発明に用いられる成分(a)は、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と脂肪酸との下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるエステル化合物、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と該エステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びエリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0010】
【化5】
Figure 2004339128
【化6】
Figure 2004339128
【0011】
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、脂肪酸残基又は多価カルボン酸残基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、脂肪酸残基又は多価カルボン酸残基を表す。)
成分(a)を形成するための脂肪酸としては、炭素数5〜28の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、特に分岐鎖の脂肪酸が好ましい。このような分岐鎖の脂肪酸としては、例えば、ピバリン酸、イソヘプタン酸、4−エチルペンタン酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、イソノナン酸、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸、イソドデカン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、イソラウリン酸、3−メチルヘンデカン酸、6−プロピルノナン酸、イソトリデカン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、イソミリスチン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、イソステアリン酸、メチル分岐型イソステアリン酸、2−へプチルウンデカン酸、2−イソへプチルイソウンデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、イソアラキン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、イソヘキサコ酸、24−メチルヘプタコサン酸、2−エチルテトラコサン酸、2−ブチルドコサン酸、2−ヘキシルイコサン酸、2−オクチルオクタデカン酸、2−デシルヘキサデカン酸などが挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち炭素数8〜18の脂肪酸、特にイソオクチル酸(さらに好ましくは、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸)、イソノナン酸(さらに好ましくは、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソステアリン酸(さらに好ましくは、メチル分岐型イソステアリン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸)などの炭素数8〜18の分岐飽和脂肪酸が好ましい。
直鎖脂肪酸としては、炭素数6から炭素数28の直鎖脂肪酸で、例えば、カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの直鎖飽和脂肪酸、また、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸などの直鎖不飽和脂肪酸が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0012】
本発明の成分(a)の一般式(1)で示されるエステル化合物は、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、又はテトラエステル体であり、一般式(2)で示されるエステル化合物は、モノエステル体又はジエステルエステル体である。これらの1種又は2種以上を本発明の成分(a)に用いることができる。
さらに、本発明の成分(a)の一般式(1)中のR〜Rの少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。また、一般式(2)中のR及びRの少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。
本発明では、さらに、上記一般式(1)を基本骨格とするジエステル、及びトリエステルの合計含有率がエステル化合物中の40〜99%、さらには60〜99%を占めるものが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の成分(a)は、エリスルトール及び/又はエリスルトール縮合物と、イソオクチル酸との下記一般式(1−1)及び/又は(2−1)で表されるエステル化合物の混合物であることが好ましく、一般式(1−1)を基本骨格とするモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルの含量がそれぞれ0〜10%、0〜30%、18〜70%及び6〜75%であることが好ましく、さらにそれぞれ0〜3%、0〜20%、13〜70%及び8〜60%であることがより好ましく、それぞれ0〜3%、3〜20%、30〜70%、8〜40%であることが最も好ましい。そして、一般式(2−1)を基本骨格とするモノエステル、ジエステルの含有量はそれぞれ、0〜10%、0〜50%が好ましく、さらにそれぞれ0〜3%、0〜35%であることがより好ましく、それぞれ0〜3%、5〜35%であることが最も好ましい。
【0014】
【化7】
Figure 2004339128
【化8】
Figure 2004339128
【0015】
(式中、R’〜R’はそれぞれ独立して水素原子又はイソオクチル酸残基を表し、R’及びR’はそれぞれ独立して水素原子又はイソオクチル酸残基を表す。)尚、式中のイソオクチル酸残基としては、−C(=O)−(CHCH)CH−(CH−CH[2−エチルヘキサン酸]や−C(=O)−(CH−(CH)CH−(CH)CH−CH[4,5−ジメチルヘキサン酸]があげられる。
【0016】
モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルの含量について、一般式(1−1)の場合を、又、モノエステル、ジエステルの含量について、一般式(2−1)の場合を説明したが、それらが一般式(1)の場合、一般式(2)の場合についても同様である。
【0017】
また、本発明の成分(a)の重縮合物の調製に用いる多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸やセバシン酸などの炭素数2から炭素数10の2塩基性カルボン酸が好ましく、特に炭素数4〜10の2塩基性飽和カルボン酸が好ましい。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の成分(a)の重縮合物の調製においては、原料として炭素数8〜18の分岐脂肪酸(好ましくは飽和分岐脂肪酸)と炭素数2から炭素数10の2塩基性カルボン酸(好ましくは炭素数4〜10の2塩基性カルボン酸)との混合物や、炭素数8〜18の分岐脂肪酸(好ましくは分岐飽和脂肪酸)及び炭素数8〜18の直鎖脂肪酸(直鎖飽和脂肪酸)と炭素数2から炭素数10の2塩基性カルボン酸(好ましくは炭素数4〜10の2塩基性カルボン酸)との混合物を用いるのが好ましい。この場合、分岐脂肪酸と2塩基性カルボン酸とのモル比(分岐脂肪酸/2塩基性カルボン酸)を、70/30〜95/5で用いるのがよく、分岐脂肪酸及び直鎖脂肪酸と2塩基性カルボン酸とのモル比(分岐脂肪酸及び直鎖脂肪酸/2塩基性カルボン酸)を、70/30〜95/5で用いるのがよい。
【0018】
本発明の成分(a)は、その分子内に少なくとも1つの水酸基を有しているものが好ましい。また、水酸基価(OHV)(以下、単に「OHV」と表す)としては10〜150のものが好ましく、OHVが20〜120のものがより好ましく、30〜110のものが最も好ましい。OHVがこのような範囲にあると、他の油性成分に対する相溶性をより良好にし、化粧料の安定性確保に寄与するとともに、肌への付着性も更に向上させることかできる。ここでOHVとは、粧原基一般試験法水酸基価測定法により得られた値とする。本発明の成分(a)は、室温で液状であることが好ましく、粘度(25℃)が100〜30000mPa・sであることが好ましい。
本発明で対象とする成分(a)は、例えば、エリスリトール1当量に対し脂肪酸及び/又は多価カルボン酸を1.5〜3.5当量仕込み、無触媒又は触媒(たとえば塩化スズ)存在下、180〜240℃にてエステル化及び/又は脱水縮合反応を行う。反応終了後は、反応混合物を吸着処理等に付して触媒除去処理を行い、蒸留等により未反応原料など低分子分を除去して、最終製品を得る方法により調製することができる。
【0019】
本発明の成分(a)の配合量は、特に限定されないが、全組成分中0.01〜80%が好ましく、0.1〜50%がより好ましい。この範囲の配合量であれば、軽いのび、ベタつきのなさ、化粧膜のつや及び均一性、安定性、形状保持性において、より高い効果を得ることができる。
【0020】
本発明に用いられる成分(b)である、炭素数28〜33の炭化水素を65%以上含有し、且つ該炭化水素中に占める炭素数31の炭化水素の割合が60%以上であるキャンデリラワックス(以下、単に「特定のキャンデリラワックス」と略す。)は、成分(a)と組み合わせることにより、軽いのび、ベタつきのなさ、化粧膜のつや及び均一性、安定性、形状保持性に優れた化粧料を得ることができる。
成分(b)の特定のキャンデリラワックスとしては、炭素数28〜33の炭化水素の割合が65%以上、好ましくは80%以上であり、且つ該炭化水素中に占める炭素数31の炭化水素の割合が60%以上、より好ましくは70%以上である。該炭化水素は、直鎖状の飽和炭化水素を主成分とするが、分岐状又は不飽和結合を有する炭化水素が少量含まれてもよい。
具体的には、特開平9−208439号公報に挙げられているものが使用でき、市販品としては、「MD−21」(横関油脂社製)、「キャンデリラ炭化水素FC31」(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられる。これらは必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
【0021】
本発明の成分(b)の配合量は、特に限定されないが、全組成分中0.01〜30%が好ましく、0.1〜15%がより好ましい。この範囲の配合量であれば、この範囲の配合量であれば、軽いのび、ベタつきのなさ、化粧膜のつや及び均一性、安定性、形状保持性において、より高い効果を得ることができる。
【0022】
さらに、本発明の化粧料においては、成分(c)として、分子量が500以下の炭化水素油、分子量が500以下のエステル油、粘度が100mPa・s以下のシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上の液体油を配合することができる。該液体油は、通常のワックスではゲル化(固化)が困難であり、配合量等の制約があったが、成分(a)及び(b)と組み合わせることにより、軽いのび、ベタつきのなさ、安定性及び形状保持性がより良好な化粧料となる。
【0023】
分子量が500以下の炭化水素油及び/又はエステル油としては、化粧料に配合できるものであれば特に限定されないが、例えば、軽質流動イソパラフィンを含む、該分子量以下の流動パラフィン等の炭化水素油、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、2−エチルヘキサン酸トリグリセリル等のエステル油等が挙げられる。
粘度が100mPa・s以下のシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の直鎖シリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油等が挙げられる。
これらは必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
【0024】
本発明における成分(c)の液状油の配合量は、特に限定されないが、全組成分中0.01〜50%が好ましく、0.1〜40%がより好ましい。この範囲の配合量であれば、軽いのび、ベタつきのなさ、安定性及び形状保持性において、より高い効果を得ることができる。
【0025】
本発明の化粧料においては、上記成分(a)及び(b)、さらに必要に応じて成分(c)に加え、成分(d)としてワックスを配合することにより、化粧膜の均一性が向上し、ゲル化力(固化力)が増すため安定性及び形状保持性が更に向上し、その配合量により、得られる化粧料の形状をゲル状にも固形状にもすることができる。
成分(d)のワックスは、化粧料に配合されるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、セレシンワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、ミツロウ、ゲイロウ、モクロウ、カルナウバワックス等のロウ類、硬化ヒマシ油等の硬化油類等が挙げられる。これらは必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
【0026】
本発明の成分(d)の配合量は、特に限定されないが、全組成分中0.01〜20%が好ましく、0.1〜10%がより好ましい。この範囲の配合量であれば、化粧膜の均一性を損なうことなく、安定性及び形状保持性を更に向上させることができる。
【0027】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない程度で、必要に応じて、前記成分(a)、(b)、(c)、(d)以外の各種成分、例えば、油性成分、水性成分、界面活性剤、粉体成分、繊維、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0028】
油性成分としては、例えば、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられ、基材やエモリエント成分等として用いられる。
具体的には、重質流動イソパラフィン、ポリブテン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
【0029】
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
【0030】
界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0031】
粉体成分としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられ感触調整や着色等の目的で用いられる。
具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理したものも使用することができる。
【0032】
繊維としては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ、これらの繊維を一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理したものも使用することができる。
【0033】
皮膜形成剤としては、樹脂や、水不溶性高分子化合物を水性溶媒に分散したポリマーエマルション等が挙げられ、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン系ポリマーエマルション等が挙げられる。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等を挙げることができる。
モイスチャー効果や感触を良好にする目的としては、例えば水溶性高分子、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチンや水性成分等が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー等の合成系のものを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、α−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0035】
本発明の化粧料は、油系、水系、乳化系、粉体系等の剤型を問わず、メイクアップ、スキンケア、頭髪製品等種々の化粧料とすることができるが、油性化粧料であることが好ましい。また、形状として液状、ゲル状、固形状のものが挙げられ、また、口紅、下地用のリップベース、リップクリームや、マスカラ、アイライナー、アイカラー、フェイスカラー、ファンデーション、アイクリーム、チック等で粉体を含有する場合は、本発明によりその分散性が向上するため、効果が顕著に発現し好ましい。この中でも口唇化粧料であることが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。
(合成例1)エリスリトールと2−エチルヘキサン酸のエステル化合物の調製2−エチルヘキサン酸〔協和発酵(株)製、オクチル酸〕178g(1.24モル)とエリスリトール〔日研化学(株)、エリスリトール〕72g(0.59モル)を撹拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた300mlの四つ口フラスコに仕込み、還流溶剤としてキシレンを全仕込み量の5%の量で加え、混合物を180〜240℃で20時間撹拌反応させた。反応終了後、還流溶剤であるキシレンを減圧留去し、活性白土を用いて脱色処理を行い、常法にて脱臭・蒸留処理を行い、目的とする水酸基価101のエリスリトールと2−エチルヘキサン酸のエステル化合物142g得た。
このエステルの化合物は、一般式(1−1)を基本骨格とするジエステル、トリエステル、テトラエステル、及び一般式(2−1)を基本骨格とするジエステルの含有量がそれぞれ7.7%、41.5%、20.4%、及び28.9%であった。
【0037】
(合成例2)エリスリトールとイソステアリン酸のエステル化合物の調製
イソステアリン酸〔ユニケマ社製、PRISORIN ISAC3505〕222g(0.78モル)とエリスリトール〔日研化学(株)、エリスリトール〕37g(0.30モル)を撹拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた300mlの四つ口フラスコに仕込み、還流溶剤としてキシレンを全仕込み量の5%の量で加え、混合物を180〜240℃で13時間撹拌反応させた。反応終了後、還流溶剤であるキシレンを減圧留去し、活性白土を用いて脱色処理を行い、常法にて脱臭・蒸留処理を行い、目的とする水酸基価50のエリスリトールとイソステアリン酸のエステル化合物204g得た。
【0038】
(合成例3)エリスリトールとイソステアリン酸及びコハク酸の重縮合物の調製
イソステアリン酸〔ユニケマ製、PRISORIN ISAC3505〕185g(0.65モル)とエリスリトール〔日研化学(株)、エリスリトール〕37g(0.30モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を供えた300mlの四つ口フラスコに仕込み、還流溶剤としてキシレンを全仕込量の5%の量加え、混合物を180〜210℃で10時間攪拌反応させ冷却、次いで、無水コハク酸〔新日本理化(株)、リカシッドSA〕16g(0.16モル)を追加し、再び120〜230℃で16時間攪拌反応させた。反応終了後、還流溶剤であるキシレンを減圧留去し、活性白土を用いて脱色処理を行ない、常法にて脱臭・蒸留処理を行い、目的とする水酸基価39のエリスリトールとイソステアリン酸及びコハク酸の重縮合物を143g得た。
【0039】
実施例1〜6及び比較例1〜3 ゲル状口紅
表1に示す組成のゲル状口紅を下記の製造方法にて調製し、各評価項目について下記の方法に従い評価を行った。得られた結果を表1に併せて示す。尚、粉体を配合している製品においては、本発明によりその分散性が向上するため、粉体分散性に関しても評価を行った。
【0040】
【表1】
Figure 2004339128
【0041】
注1:MD−21(横関油脂社製)
注2:キャンデリラ炭化水素FC31(日本ナチュラルプロダクツ社製)
(製造方法)
A:成分1〜12を加熱溶解する。
B:Aに成分13〜16を添加して混合攪拌する。
C:Bを容器に充填して、ゲル状口紅を得た。
【0042】
下記評価項目について各々評価を行った。
軽いのび
ベタつきのなさ
化粧膜のつや
化粧膜の均一性
粉体分散性
安定性
形状保持性
【0043】
(評価方法)
「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
[絶対評価基準]
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
[4段階判定基準]
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下:良好 :○
1点を超えて3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
【0044】
「粉体分散性」については、各試料をドクターブレードで均一な薄膜にした後、目視にて下記4段階判定規準により評価した。
Figure 2004339128
【0045】
経時及び高温条件下の「安定性」の評価については、各試料の45℃で一ヶ月保存の状態を観察し室温保存品と比較して、その変化を下記4段階判定基準により評価した。
Figure 2004339128
【0046】
「形状保持性」の評価については、各試料の45℃で一ヶ月保存の状態を観察し室温保存品と比較して、その変化を下記4段階判定基準により評価した。
Figure 2004339128
【0047】
表1の結果から明らかなように、本発明のゲル状口紅は、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「粉体分散性」、「安定性」及び「形状保持性」の全ての項目において、極めて優れた効果を示すものであることが実証された。
これに対し、成分(b)の特定のキャンデリラワックスを配合しない比較例1では、特に「安定性」、「形状保持性」の点で、成分(a)のエリスリトール誘導体を配合していない比較例2では、特に「ベタつきのなさ」、「粉体分散性」の点で、また、成分(a)及び(b)を配合しない比較例3では、特に「化粧膜の均一性」、「安定性」の点において満足するものは得られなかった。
【0048】
実施例7〜9及び比較例4、5 スティック状口紅
表2に示す組成のスティック状口紅を下記の製造方法にて調製し、下記各評価項目について下記の方法に従い評価を行った。得られた結果を表2に併せて示す。
(評価項目)
「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「粉体分散性」、「安定性」については、前述の方法に従い評価を行った。
「形状保持性」については、口紅を容器から繰り出して、50℃の恒温槽に、横置きで1週間設置し、1週間後の状態を観察して、下記4段階判定基準により評価した。
Figure 2004339128
【0049】
【表2】
Figure 2004339128
【0050】
(製造方法)
A:成分1〜13を加熱溶解する。
B:Aに成分14〜16を添加して混合攪拌する。
C:Bを容器に充填後、冷却して、スティック状口紅を得た。
【0051】
表2の結果から明らかなように、本発明のスティック状口紅は、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「粉体分散性」、「安定性」及び「形状保持性」の全ての項目において、極めて優れた効果を示すものであることが実証された。
これに対し、成分(b)の特定のキャンデリラワックスを配合しない比較例4では、特に「ベタつきのなさ」、「化粧膜の均一性」の点で、成分(a)を配合しない比較例5では、特に「ベタつきのなさ」の点で満足するものは得られなかった。
【0052】
Figure 2004339128
【0053】
(製造方法)
A:成分1〜5を加熱溶解する。
B:Aに成分6〜11を添加して混合攪拌する。
C:Bを容器に充填して、粉末固形アイカラーを得た。
【0054】
本発明のアイカラーは、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「安定性」の全ての項目において、極めて優れた効果を示し、顔料の分散にも優れているため、発色が鮮やかであった。
【0055】
実施例11 マスカラ(O/W型)
(成分) (%)
1.ステアリン酸 10
2.セタノール 5
3.特定のキャンデリラワックス 注1 5
4.ミツロウ 5
5.ロジン酸ペンタエリスリット 10
6.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
7.エリスリトール誘導体(合成例2) 0.1
8.黒酸化鉄 1
9.シリカ10%処理群青 5
10.ポリ酢酸ビニルエマルション(固形分45%) 3
11.アクリル酸アルキルエマルションポリマー
(固形分50%) 20
12.ポリビニルピロリドン 2
13.精製水 残量
14.フッ素化合物処理ナイロン繊維
(太さ6デニール−長さ2mm) 注4 2
15.防腐剤(p−オキシ安息香酸メチル) 適量
16.香料 適量
注4:パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩5%処理
【0056】
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱溶解し、均一に混合する。
B:成分10〜15を均一に混合する。
C:80℃でAにBを加えながら乳化後、冷却し、成分16を添加して混合し、マスカラを得た。
【0057】
本発明のマスカラは、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「粉体分散性」、「安定性」の全ての項目において、優れた効果を示すものであった。
【0058】
実施例12 ファンデーション(W/O型)
(成分) (%)
1.特定のキャンデリラワックス 注1 10
2.パラフィンワックス 5
3.マイクロクリスタリンワックス 5
4.エリスリトール誘導体(合成例1) 5
5.ジカプリン酸プロピレングリコール(分子量385) 5
6.流動パラフィン(分子量340) 5
7.ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン 3
8.デカメチルシクロペンタシロキサン 15
9.シリコーン処理酸化チタン 注5 10
10.シリコーン処理赤色酸化鉄 注5 1
11.シリコーン処理黄色酸化鉄 注5 2
12.シリコーン処理黒色酸化鉄 注5 0.5
13.ナイロンパウダー 5
14.フッ素化合物処理マイカ 注6 10
15.フッ素化合物処理タルク 注6 5
16.無水ケイ酸 5
17.精製水 残量
18.美容剤(トウキ抽出液) 適量
19.紫外線吸収剤(メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル) 適量
20.香料 適量
注5:メチルハイドロジェンポリシロキサン5%処理
注6:パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩5%処理
【0059】
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱溶解し、成分8、19を添加して均一に混合する。
B:成分9〜17を混合する。
C:80℃でAにBを加えながら乳化後、冷却し、成分18、20を添加して混合し、ファンデーションを得た。
【0060】
本発明のファンデーションは、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「粉体分散性」、「安定性」の全ての項目において、優れた効果を示すものであった。
【0061】
実施例13 乳液(O/W型)
(成分) (%)
1.セタノール 1
2.特定のキャンデリラワックス 注3 1
3.オクタメチルシクロテトラシロキサン 7
4.エリスリトール誘導体(合成例3) 3
5.ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1
6.モノステアリン酸グリセリル 1
7.精製水 残量
8.グリセリン 5
9.プロピレングリコール 1
10.エタノール 5
11.メチルセルロース水溶液(1%) 15
12.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
13.美容剤(緑茶エキス) 適量
【0062】
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱溶解する。
B:成分7〜9を均一に混合する。
C:80℃でAにBを加えながら乳化後、冷却し、成分10〜13を添加して混合し、乳液を得た。
【0063】
本発明の乳液は、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「安定性」の全ての項目において、優れた効果を示すものであった。
【0064】
実施例14 ヘアクリーム(O/W型)
(成分) (%)
1.特定のキャンデリラワックス 注3 15
2.セタノール 5
3.エリスリトール誘導体(合成例2) 20
4.ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1
5.アミノ変性シリコーンエマルション 注7 1
6.精製水 残量
7.グリセリン 5
8.プロピレングリコール 1
9.エタノール 5
10.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
11.美容剤(緑茶エキス) 適量
注7:SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
【0065】
(製造方法)
A:成分1〜3を加熱溶解する。
B:成分4〜8を均一に混合する。
C:80℃でAにBを加えながら乳化後、冷却し、成分9〜11を添加して混合し、ヘアクリームを得た。
【0066】
本発明のヘアクリームは、「軽いのび」、「ベタつきのなさ」、「化粧膜のつや」、「化粧膜の均一性」、「安定性」の全ての項目において、優れた効果を示し、毛髪に好適なつやを与えるものであった。
【0067】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、軽くのびる使用性、ベタつきがなく、肌に塗布した時の化粧膜のつやや均一性、顔料分散性や経時及び高温での安定性に優れ、さらに形状保持性に優れた化粧料である。

Claims (7)

  1. 次の成分(a)及び(b);
    (a)エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と脂肪酸との下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるエステル化合物、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と該エステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、エリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物、及びエリスリトール及び/又はエリスリトール縮合物と脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上、
    Figure 2004339128
    Figure 2004339128
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、脂肪酸残基又は多価カルボン酸残基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、脂肪酸残基又は多価カルボン酸残基を表す。)
    (b)炭素数28〜33の炭化水素を65質量%以上含有し、且つ該炭化水素中に占める炭素数31の炭化水素の割合が60質量%以上であるキャンデリラワックス、
    を含有することを特徴とする化粧料。
  2. さらに、成分(c)として、分子量が500以下の炭化水素油、分子量が500以下のエステル油、粘度が100mPa・s以下のシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上の液体油を含有することを特徴とする請求項1記載の化粧料。
  3. さらに、成分(d)として、成分(b)以外のワックスを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
  4. 前記成分(a)の一般式(1)中のR〜Rの少なくとも1つが水素原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料。
  5. 前記成分(a)の一般式(2)中のR及びRの少なくとも1つが水素原子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性化粧料。
  6. 前記成分(a)の水酸基価(OHV)が、10〜150であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料。
  7. 油性化粧料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧料。
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