JP3689381B2 - 油性化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形状ジアルキルケトンとIOB値が0〜0.5の液体油(但し、シリコーン油を除く)を含有する油性化粧料に関し、更に詳細には、形状保持性に優れ、肌、唇への使用性及び使用感、付着性及び経時安定性に優れた油性化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油性化粧料は、形状保持のためのワックス類や官能調整のための液体油やペースト油、色調を演出する有機、無機顔料、光輝性を演出するパール剤やラメ剤等によって構成されてきた。特にワックス類は、形状を保つために必要不可欠な原料であり、主なものとして炭化水素類、ロウ類、硬化油脂類、高級脂肪酸等が広く使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ワックス類は、極性の高いエステル類の液体油を固め、形状を保持するという点では優れているものの、炭化水素等の低極性油に対しては、固化したり形状保持したりすることが困難な場合があり、特に製品中に低極性油を多量に配合した場合、例えば、スティック状化粧料においては、折れ荷重値が著しく低下するという欠点や、ペースト状、液状の製品においては、経時により低極性油が分離する等の現象がおきる場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、固形状ジアルキルケトンと特定のIOB値をもつ低極性油とを含有することにより形状保持性に優れ、滑らかで軽い伸び広がり等の使用性、べたつきの無い使用感が向上し、付着性、経時安定性も良好なものが得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は固形状ジアルキルケトンとIOB値が0〜0.5の液体油とを含有することを特徴とする油性化粧料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される成分(a)の固形状ジアルキルケトンとは、下記一般式(1)で表されるものである。
R1COR2 …(1)
(式中、R1及びR2は同一又は異なってもよく、C10〜20のアルキル基を示す。)
上記固形状ジアルキルケトンは、例えば、高級脂肪酸のカルシウム塩を乾留して得ることができる。形状保持性、使用性及び経時安定性の点において、R1及びR2は同一の方が好ましく、中でもヘプタデシル基及びウンデシル基が好ましい。また、融点は60〜90℃程度のものが好ましい。市販品としては、ワックスKM、ワックスKS(共に日本化成社製)、花王ワックスT−1(花王社製)などが挙げられる。また、これらは必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
成分(a)の固形状ジアルキルケトンの配合量は、全成分中0.1〜30質量%(以下、単に「%」で示す)が好ましく、更に、0.5〜25%がより好ましい。この範囲であれば、形状保持性、使用性、付着性及び経時安定性の点において優れたものが得られる。
【0006】
本発明に使用される成分(b)のIOB値が0〜0.5の液体油としては、IOB値が0〜0.5で常温で液体であれば特に限定されず、いずれのものも使用することができる(但し、シリコーン油を除く)。ここでいうIOB値(Inorganic Organic Balance)とは、藤田穆の有機概念図(「化学の領域」、11-10、719〜729頁参照)によるもので、無機性及び有機性の値の比である。これは有機化合物の極性の指標であり、この数値が高くなるほど極性が高くなる。
本発明に使用される成分(b)のIOB値が0〜0.5の液体油としては、具体的には、例えば、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、ポリイソブテン、ポリブテン、α−オレフォンオリゴマー等の炭化水素類や、ホホバ油、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。このなかでも、炭化水素類が効果の発現において特に好ましい。
成分(b)のIOB値が0〜0.5の液体油の配合量は、全成分中5〜90%が好ましく、更に、10〜70%がより好ましい。この範囲であれば、形状保持性、使用性、付着性及び経時安定性の点において優れたものが得られる。
【0007】
本発明の油性化粧料は、前記必須成分以外に形状保持を向上させるために油性成分を配合することがより好ましい。油性成分としては、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性メチルポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
【0008】
本発明の油性化粧料には、本発明の効果を損なわない程度に、前記成分の他に、粉体、界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤等を配合することができる。経時安定性を確保する目的として粉体成分は、化粧品一般に使用される粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、金属粉体等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、アルミニウムパウダー等の金属粉体類、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、合成金雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄・酸化チタン被覆合成金雲母、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、オキシ塩化ビスマス、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、魚燐箔等の光輝性粉体類が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いることができる。また、これら粉体は複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素、アミノ酸系化合物、水溶性高分子等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0009】
粉体の分散性向上の界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、環式アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0010】
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
【0011】
水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
【0012】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸としては、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
【0013】
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。防腐剤としては、例えばp−オキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0014】
本発明の油性化粧料は、例えば無機顔料、有機顔料及び体質顔料等の粉体を、高温で溶解したワックスを含む油性成分に分散させ、他の成分と混合した後、冷却し成形することにより得る方法等を挙げることができる。
【0015】
本発明の油性化粧料は、メイクアップ、スキンケア、頭髪製品等種々の化粧料とすることができるが、性状としては固形状ないし液状が挙げられ、その形態としては、ゲル状、スティック状、皿状等が挙げられる。また、本発明の効果が発揮されやすい化粧品としては、口紅、リップクリーム、リップライナー、アイブロウ、アイライナー、アイシャドウ、ファンデーション、コンシーラー、頬紅等が挙げられ、性状としては、固形状、ペースト状が最適である。
【0016】
【実施例】
以下に実施例及び参考例をあげて本発明を更に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0017】
実施例1〜6、比較例1〜3:スティック状口紅
表1に示す処方及び下記の製造方法により実施例1〜6及び比較例1〜3のスティック状口紅を製造し、形状保持性、滑らかで軽い使用性、塗布部への密着性や化粧持ち等の付着性及び経時安定性について下記の方法により評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
*1:EP−700(Baker Petrolite社製)
*2:ジヘプタデシルケトン
【0020】
(製造方法)
A.成分(1)〜(12)を80〜100℃で加熱し均一に溶解する。
B.「A」に成分(13)〜(16)を添加して混合攪拌する。
C.「B」を型で溶融充填成型して、スティック状口紅を得た。
【0021】
下記評価項目について各々評価を行った。
(評価項目)
イ.形状保持性
ロ.使用性
ハ.使用感
ニ.付着性
ホ.経時安定性
【0022】
イの項目の形状保持性、ロの項目の滑らかで軽い伸び広がり(使用性)ハの項目のべたつきの無さ(使用感)、ニの項目の付着性については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、イの項目の形状保持性については、使用後の各試料の状態を観察して、形状のくずれや、分離等の外観の変化を観察した。ニの項目の付着性については、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の化粧効果について評価した。ホの項目の経時安定性の評価については、各試料の40℃で一ヶ月保存の状態を観察し25℃保存品と比較して、下記4段階判定基準により判定した。
(形状保持性)、(使用性)、(使用感)、(付着性)
絶対評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
4段階判定基準
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下:良好 :○
1点を超えて3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
(経時安定性)の判定
変化なし :◎
ほとんど変化なし :○
やや油分の分離がある :△
油分の分離や形状の変化がある:×
【0023】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜6のスティック状口紅は、形状保持性、使用性、使用感、付着性に優れ、経時安定性に優れたものが得られた。一方、比較例1〜3では、形状保持性、使用性、付着性、経時安定性の項目において満足のいく評価が得られなかった。
【0024】
実施例7:液状アイライナー
(処方) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 2
2.ポリエチレンワックス 1
3.固形状ジアルキルケトン *3 0.5
4.セレシンワックス 3
5.軽質イソパラフィン 残量
6.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 10
7.流動パラフィン 10
8.酢酸ラノリン 10
9.天然ビタミンE 0.1
10.フッ素化合物処理セリサイト *4 10
11.シリコーン処理黒酸化鉄 *5 15
12.シリル化処理無水ケイ酸 *6 2
13.香料 0.1
*3:ジウンデシルケトン
*4:パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩5%処理
*5:メチルハイドロジェンポリシロキサン1.5%処理
*6:AEROSIL R972(日本アエロジール社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(8)を加熱し均一に溶解する。
B.Aに成分(9)〜(13)を添加して混合攪拌する。
C.Bを容器に流し込み、アイライナーを得た。
本発明の液状アイライナーは、形状保持性(分離がない)、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0025】
実施例8:固形状口紅
(処方) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 10
2.12−ヒドロキシステアリン酸 0.2
3.固形状ジアルキルケトン *2 5
4.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.ポリブテン 10
6.流動パラフィン 20
7.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 15
8.メチルポリシロキサン *7 10
9.赤色202号 0.1
10.黄色4号 1.5
11.酸化チタン 2
12.シリコーン処理雲母チタン *5 10
13.黒酸化鉄 0.2
14.赤色104号アルミニウムレーキ 1.5
15.ビタミンE 0.5
16.香料 適量
*7:KF96A(6CS)(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:1〜8を加熱し均一に溶解する。
B:Aに9〜16を加え均一に分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して固形状口紅を得た。
本発明の固形状口紅は、形状保持性、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0026】
実施例9:ゲル状リップグロス
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 2
2.12−ヒドロキシステアリン酸 0.1
3.固形状ジアルキルケトン *3 0.5
4.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.ポリブテン 30
6.リンゴ酸ジイソステアリル 10
7.流動パラフィン 15
8.α−オレフィンオリゴマー 30
9.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 *8 0.5
10.シリル化処理無水ケイ酸 *6 0.5
11.赤色202号 0.05
12.ベンガラ 0.15
13.黄酸化鉄 0.2
14.黒酸化鉄 0.05
15.酸化チタン 0.2
16.大豆リン脂質 0.01
17.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5
18.香料 適量
*8:ペミュレンTR−2(B.F.グッドリッチケミカル社製)
(製造方法)
A:1〜9を加熱し均一に溶解する。
B:Aに10〜18を加え、均一に混合分散する。
C:Bをチューブに流し込み、ゲル状リップグロスを得た。
本発明のゲル状リップグロスは、形状保持性(分離がない)、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0027】
実施例10:固形状油性ファンデーション
(処方) (%)
1.キャンデリラワックス 5
2.固形状ジアルキルケトン *2 20
3.固形状ジアルキルケトン *3 5
4.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 5
5.揮発性シリコーン *9 15
6.メチルポリシロキサン *10 5
7.メチルフェニルポリシロキサン *11 3
8.(アクリル酸アルキル/アクリル酸ステアリル
/アクリル酸ジメチコン)コポリマー *12 3
9.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 2
10.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセライド 残量
11.シリコーン処理微粒子酸化チタン *5 5
12.微粒子酸化亜鉛 1
13.シリコーン処理酸化チタン *13 8
14.硫酸バリウム 2
15.セリサイト 12
16.シリコーン処理ベンガラ *14 1
17.シリコーン処理黄酸化鉄 *14 2
18.シリコーン処理黒酸化鉄 *14 0.5
19.ポリアクリル酸アルキル *15 3
20.アロエエキス 適量
21.香料 適量
*9:シリコンKF−995(信越化学工業社製)
*10:シリコンKF−96(20CS)(信越化学工業社製)
*11:シリコンKF−56(信越化学工業社製)
*12:シリコンKP−561(信越化学工業社製)
*13:メチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン3%処理*14:メチルポリシロキサン5%処理
*15:マツモトマイクロスフェアM101(松本油脂製薬社製)
(製造方法)
A:1〜10を加熱し均一に溶解する。
B:Aに11〜21を加え均一に分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化してファンデーションを得た。
本発明の固形状油性ファンデーションは、形状保持性、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0028】
実施例11:油性アイシャドウ
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 5
2.固形状ジアルキルケトン *3 5
3.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 4
4.ワセリン 5
5.(アクリル酸アルキル/ジメチコン)
コポリマー溶液 *16 7.5
6.メチルポリシロキサン *10 10
7.流動パラフィン 5
8.スクワラン 残量
9.ジカプリン酸プロピレングリコール 15
10.(アクリル酸アルキル/アクリル酸ベヘニル
/アクリル酸ジメチコン)コポリマー *17 15
11.球状ナイロン粉末 5
12.レシチン処理タルク *18 10
13.赤色202号 0.5
14.青色404号 1
15.シリコーン処理酸化チタン *14 2
16.酸化チタン処理合成金雲母 *19 5
17.コラーゲン1%水溶液 適量
18.香料 適量
*16:KP−545(信越化学工業社製)
*17:KP−562(信越化学工業社製)
*18:レシチン1%処理
*19:酸化チタン30%処理
(製造方法)
A:1〜10を加熱し均一に溶解する。
B:Aに11〜18を加え、均一に混合分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して油性アイシャドウを得た。
本発明の油性アイシャドウは、形状保持性、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0029】
実施例12:固形状油性クレンジング
(成分) (%)
1.流動パラフィン 80
2.固形状ジアルキルケトン *3 0.5
3.ポリエチレンワックス 5
4.トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 8
5.ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム 0.1
6.フェノキシエタノール 0.5
7.ジカプリン酸プロピレングリコール 残量
8.香料 適量
(製造方法)
A:1〜8を加熱し均一に溶解する。
B:Aを金皿に流し込み、冷却固化して固形状油性クレンジングを得た。
本発明の固形状油性クレンジングは、形状保持性、使用性、使用感に優れ、化粧料とのなじみ、経時安定性が良好なものであった。
【0030】
実施例13:固形状アイブロウ
(成分) (%)
1.シリコーン処理酸化チタン *14 5
2.金属セッケン処理タルク *20 残量
3.黒酸化鉄 2
4.黄酸化鉄 6
5.ベンガラ 7
6.コンジョウ 2
7.雲母チタン 15
8.p−オキシ安息香酸メチル 0.3
9.固形状ジアルキルケトン *2 0.5
10.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 1.5
11.ポリブテン 5
12.2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 2
13.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 2
14.マイクロクリスタリンワックス 3
15.香料 適量
*20:ラウリン酸亜鉛6%処理
(製造方法)
A:1〜8を均一に混合する。
B:9〜15を加熱し均一に溶解する。
C:AにBを添加し、均一に混合する。
D:Cをプレス成型し、固形状アイブロウを得た。
本発明の固形状アイブロウは、形状保持性、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0031】
実施例14:油性マスカラ
(成分) (%)
1.軽質イソパラフィン 残量
2.固形状ジアルキルケトン *2 10
3.カルナウバワックス 4
4.1,3−ブチレングリコール 5
5.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 6
6.無水ケイ酸 5
7.コンジョウ 1
8.フッ素化合物処理雲母チタン *4 15
9.ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム
・エポキシ積層末 5
10.香料 適量
(製造方法)
A:1〜5を加熱し均一に溶解する。
B:6〜10を均一に混合する。
C:AにBを添加し、均一に混合する。
D:Cを容器に流し込み、油性マスカラを得た。
本発明の油性マスカラは、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
【0032】
【発明の効果】
本発明の油性化粧料は、形状保持性、使用性、使用感に優れ、付着性、経時安定性が良好なものであった。
Claims (5)
- 次の成分(a)及び(b):
成分(a) 次式で表される固形状ジアルキルケトン
R1COR2 …(1)
(式中、R1及びR2は、同一でも異なっても良く、C10〜C20のアルキル基を示す。)
成分(b) IOB値が0〜0.5の液体油(但し、シリコーン油を除く)
を含有することを特徴とする油性化粧料。 - 成分(a)の固形状ジアルキルケトンの含有量が0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
- 成分(b)のIOB値が0〜0.5の液体油の含有量が5〜90質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油性化粧料。
- 成分(b)のIOB値が0〜0.5の液体油が炭化水素油であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の油性化粧料。
- 前記油性化粧料が固形ないしペースト状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の油性化粧料。
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