JP4741109B2 - 油性化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬部外品、化粧品等に適用される油性化粧料に関し、更に詳しくは、保湿効果及びその持続、使用性に優れた油性化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リップクリームなどの油性化粧料は、ワセリンやラノリン等を配合し、油膜により口唇を閉塞することにより、口唇からの水分蒸散を抑え保湿効果を付与させていた。これらの油性化粧料については、口唇に塗布した直後、保湿感が得られるものの、経時により保湿感が低下し、むしろ口唇が乾いたと感じてしまうという保湿効果の持続が問題となっていた。
この欠点を解消するために、水溶性保湿剤の配合検討がなされてきた。例えば、グリセリンを配合し、口唇に塗布後、グリセリンの保水効果によりうるおい感を持続させる技術等が試みられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにグリセリンを用いて保湿感を改善しようとした油性化粧料には、グリセリンの多量配合を行わないと保湿効果を得ることができず、水溶性であるため口唇に塗布した膜に苦みを感じ、使用性、使用感が悪くなるという欠点があった。
一方、尿素は保湿剤として従来から医薬部外品や化粧品に幅広く用いられている。しかしながら、尿素は経時の安定性に問題があり、尿素は油性成分への分散が悪いため、尿素及び安定化剤を溶解した水溶液を界面活性剤により油中に乳化することにより配合されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み、本発明者らは、鋭意研究の結果、尿素と特定の比表面積をもつ無水ケイ酸を含有することにより、尿素の分散性が良好で、経時安定性、使用性に優れ、保湿効果の持続が良好な油性化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の成分(a)及び成分(b);
(a)尿素
(b)比表面積が100m/g以上である無水ケイ酸
を含有することを特徴とする油性化粧料に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
成分(a)の尿素の配合量は、好ましくは0.001〜5質量%(以下単に「%」と示す)、更に好ましくは0.1〜3%である。配合量がこの範囲であれば、保湿感、使用性に良好なものが得られる。
【0006】
本発明で用いられる成分(b)の無水ケイ酸は比表面積が100m/g以上であれば特に制限されず、化粧品一般に使用されるものであり、無定形構造のもの、疎水化処理したもの、あるいは結晶構造を有するもの等を使用することができるが、親水性のものが好ましい。なお本発明において比表面積は、BET法により測定して求めた値である。また、これらの無水ケイ酸は必要に応じて1種または2種以上を用いることができる。市販品としては、例えば、アエロジル(日本アエロジル社製のアエロジル200、300、380S、R972、R974、R976等)やサイリシア(富士シリシア社製のサイリシア250、310等)等が挙げられる。
成分(b)の配合量は、好ましくは0.01〜10%、更に好ましくは0.1〜3%である。配合量がこの範囲であれば使用性に良好なものが得られる。
【0007】
本発明の油性化粧料は更に成分(c)として下記一般式(1)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸モノまたはジエステルを含有することにより、保湿効果をより高めることができる。
XOOC−(CH−CH(NHCOR)−COOY …(1)
(但し、式中X及びYは双方が同じでも異なっていてもよいがステロール類のエステル生成残基であるか或いはX及びYのどちらか一方がステロール類のエステル生成残基で他方がH、炭素数8〜30の高級アルキル若しくはアルケニル又は炭素数12〜38の高級アルキル一価アルコールのエステル残基であり、CORは、Rが炭素数7〜21の長鎖アシル基であり、nは1又は2である。)
成分(c)のN−長鎖アシル酸性アミノ酸モノまたはジエステルとして、具体的には、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また市販品としては、エルデュウCL−202、エルデュウCL−301、エルデュウPS−203、エルデュウPS−304(以上、味の素社製)等が挙げられる。
成分(c)の配合量は、好ましくは0.1〜30%、更に好ましくは1〜20%の範囲である。
【0008】
本発明の油性化粧料には、上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分例えば、油性成分、界面活性剤、香料、無機顔料や有機顔料および体質顔料等の粉体およびそれらのシリコーン処理物やフッ素化合物処理物、水溶性高分子、アルコール類、防腐剤、紫外線吸収剤、保湿剤、水等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0009】
様々な感触を演出したり、経時安定性を確保する目的で油性成分としては、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合メチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性メチルポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0010】
化粧効果の付与や経時安定性を確保する目的として粉体成分としては、化粧品一般に使用される粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、成分(b)以外の無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、合成金雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄・酸化チタン被覆合成金雲母、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、魚燐箔、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、これら粉体は1種または2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0011】
粉体の分散性向上の界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等を挙げられる。但し、使用性の点において実質的に界面活性剤を含有しない方が望ましい。
【0012】
モイスチャー効果を付与する目的で用いる水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
【0013】
経時安定性を確保する目的で水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
【0014】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸としては、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。防腐剤としては、例えばp−オキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0015】
本発明の油性化粧料の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、無機顔料、有機顔料および体質顔料等の粉体を、高温で溶解したワックスを含む油性成分に分散させ、他の成分と混合した後、冷却し成形することにより得ることができる。
【0016】
本発明の油性化粧料としては、スキンケア、メイクアップ、頭髪用等の化粧料があげられ、剤型は、スティック状、皿状、ペースト状、クリーム状等が挙げられる。化粧料のなかでも、特に好ましくは口唇用であり、この中でもリップトリートメント、リップクリームであることが好ましい。
【0017】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明品1〜8及び比較例1〜4:スティック状リップクリーム
表1に示す処方のスティック状リップクリームを調製し、分散性、経時安定性、使用性(なめらかさ、付着性)、保湿効果の持続について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0004741109
【0019】
*1:エルデュウ CL−301
*2:エルデュウ PS−203
*3:AEROSIL 300
*4:無孔質の無水ケイ酸
*5:AEROSIL R972
【0020】
(製造方法)
A、成分1〜9を110℃にて均一に溶解する。
B、A成分に成分10〜16を加えて均一混合し、その後、成分17を添加し均一混合する。
C、口紅容器に充填してスティック状リップクリームを得る。
【0021】
(評価方法)
下記評価項目につて各々評価を行った。
(評価項目)
イ.分散性
ロ.経時安定性
ハ.使用性(なめらかさ、付着性)
ニ.保湿効果の持続
イの項目の分散性については充填成型を行った後、各試料の5箇所よりサンプリングを行い、さらに有機溶媒にて抽出した後、プロピルアミノシリル化シリカゲルを充填したカラムにて液体クロマトグラフィーを用いて尿素の定量を行い、下記4段階評価基準により評価を行った。
ロの項目の経時安定性については、充填成型を行ったものについて、室温、40℃にて6ケ月後放置し、各サンプルの表面状態の目視観察を行い比較して、下記4段階評価基準により評価を行った。
ハの使用性、ニの保湿効果の持続については、各試料について専門パネル50名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定規準により判定した。尚、ニの項目の保湿効果の持続ついては、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の保湿効果について評価した。
【0022】
(分散性評価)
◎:各測定値の差が0.5%以内
○:各測定値の差が1%以内
△:各測定値の差が3%以内
×:各測定値の差が3%を超える
(経時安定性評価)
◎:室温放置と40℃放置の差がない
○:40℃放置の表面に僅かに結晶性のものが見られる
△:40℃放置の表面に結晶性のものが見られる
×:40℃放置の表面に結晶性のものが見られ、表面につやがない
(使用性、保湿効果の持続評価)
絶対評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
4段階判定基準
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下:良好 :○
1点を超えて3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
【0023】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜8のスティック状リップクリームは、比較例1〜4のスティック状リップクリームに比べ分散性、経時安定性、使用性、保湿効果の持続に優れたものであった。これに対して(b)成分の含有されていない比較例1では分散性、使用性の点で、成分(c)の含有されていない比較例2では保湿効果の持続の点で、成分(b)の代りに無孔質の無水ケイ酸を含有した比較例3では分散性、経時安定性の点で、成分(a)の代りにグリセリンを含有した比較例4では経時安定性、使用性、保湿効果の持続の点で満足いくものが得られなかった。
【0024】
(実施例9) 固形状リップクリーム
(処方) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 12
2.12−ヒドロキシステアリン酸 0.2
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残部
4.ポリブテン 55
5.流動パラフィン 15
6.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 10
7.無水ケイ酸 *6 0.5
8.尿素 0.05
9.ビタミンE 0.5
10.香料 適量
*6:比表面積が380m/gの無水ケイ酸
(製造方法)
A:1〜6を100℃にて均一溶解する。
B:Aに7〜10を加え均一に分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して固形状リップクリームを得た。
実施例9は、分散性、経時安定性、使用性、保湿効果の持続といった項目で良好な固形状リップクリームであった。
【0025】
(実施例10)ゲル状リップクリーム
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 2
2.12−ヒドロキシステアリン酸 0.1
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残部
4.ポリブテン 65
5.リンゴ酸ジイソステアリル 15
6.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル) 10
7.無水ケイ酸 *7 0.5
8.シリル化処理無水ケイ酸 0.5
9.尿素 0.05
10.ベンガラ 0.15
11.黄酸化鉄 0.2
12.黒酸化鉄 0.05
13.酸化チタン 0.2
14.大豆リン脂質 0.01
15.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 3
16.香料 適量
*7:比表面積が200m/gの無水ケイ酸
(製造方法)
A:1〜6を100℃にて均一溶解する。
B:Aに7〜16を加え、均一に混合分散する。
C:Bをチューブに流し込み、冷却してゲル状リップクリームを得た。
実施例10は分散性、経時安定性、使用性、保湿効果の持続といった項目で良好なゲル状リップクリームであった。
【0026】
(実施例11)ハンドクリーム
(成分) (%)
1.キャンデリラワックス 5
2.ワセリン 残部
3.流動パラフィン 30
4.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル) 25
5.無水ケイ酸 *6 7
6.尿素 5
7.酸化チタン被覆合成金雲母 0.5
8.シャクヤクエキス 0.1
9.精製水 1
10.ソルビット 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 1
12.香料 適量
(製造方法)
A:1〜4を100℃にて均一溶解する。
B:Aに5〜12を加え、均一に混合分散する。
C:Bをジャー容器に流し込み、冷却してハンドクリームを得た。
実施例11は分散性、経時安定性、使用性、保湿効果の持続といった項目で良好なハンドクリームであった。
【0027】
(実施例12)アイスティッククリーム
(成分) (%)
1.キャンデリラワックス 3
2.ポリエチレンワックス 6
3.マイクロクリスタリンワックス 2.5
4.セレシンワックス 6
5.パラフィン 10
6.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル) 10
7.流動パラフィン 残量
8.無水ケイ酸 *7 1
9.尿素 0.05
10.ナイロン末 5
11.シリコ−ン処理タルク 5
12.赤色202号 0.05
13.黄色4号アルミニウムレーキ 0.03
14.青色1号アルミニウムレーキ 0.01
15.雲母チタン 1
16.香料 適量
(製造方法)
A:1〜7を100℃にて均一溶解する。
B:Aに8〜16を加え、均一に混合分散する。
C:Bをスティック容器に流し込み、冷却固化してアイスティッククリームを得た。
実施例12は分散性、経時安定性、使用性、保湿効果の持続といった項目で良好なアイスティッククリームであった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の油性化粧料は尿素の分散性が良好で、油性化粧料としては経時安定性、使用性に優れ、保湿効果の持続が良好な化粧料であった。

Claims (4)

  1. 次の成分(a)及び成分(b);
    (a)尿素 0.001〜5質量%
    (b)比表面積が100m2/g以上である無水ケイ酸 0.1〜10質量%
    を含有し、水の含有量が1質量%以下であることを特徴とする油性化粧料。
  2. 更に成分(c)として下記一般式(1)で表されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸モノまたはジエステルを含有することを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
    XOOC−(CH2n−CH(NHCOR)−COOY …(1)
    (但し、式中X及びYは双方が同じでも異なっていてもよいがステロールのエステル生成残基であるか或いはX及びYのどちらか一方がステロールのエステル生成残基で他方がH、炭素数8〜30の高級アルキル若しくはアルケニル又は炭素数12〜38の高級アルキル一価アルコールのエステル残基であり、CORは、Rが炭素数7〜21の長鎖アシル基であり、nは1又は2である。)
  3. 成分(a)を0.001〜5質量%、成分(b)を0.1〜10質量%、成分(c)を0〜30質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の油性化粧料。
  4. 油性化粧料が口唇用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性化粧料。
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