WO2006014017A1

WO2006014017A1 - 鋳型製造用フラン樹脂組成物

Info

Publication number: WO2006014017A1
Application number: PCT/JP2005/014702
Authority: WO
Inventors: Masuo Sawa
Original assignee: Kao Corporation
Priority date: 2004-08-06
Filing date: 2005-08-04
Publication date: 2006-02-09
Also published as: JP2006070247A; EP1839774B1; KR101183806B1; EP1839774A1; CN100473476C; US20080045692A1; EP1839774A4; JP5014601B2; US8124719B2; KR20070046841A; CN1993194A

Abstract

本発明は、尿素含有量が１～１０重量％であり、且つｐＨ（２５℃）が７～１０である鋳型製造用フラン樹脂組成物である。

Description

鐯型製造用フラン樹脂組成物技術分野本発明は、铸型を製造する際、耐火性粒状材料に添加するために使用するフラン樹脂組成物に関するものである。従来の技術自硬性銬型は、珪砂等の耐火性粒状材料に、フルフリルアルコール等の酸硬化性樹脂とリン酸ゃベンゼンスルホン酸等の硬化剤を添加混練した後、この混練砂を型に充填し、樹脂を硬化させて製造される。しかし、フルフリルアルコールを主体とする樹脂は、硬化速度の調整が難しく、铸型強度が低くなるという傾向があり、これを改善するために、尿素を共縮合した尿素 ·ホルマリン変性フラン樹脂が一般的に用いられている（「铸型造型法」、社団法人日本銬造技術協会、平成 8年 1 1月 1 8日、 1 3 4頁〜 1 3 5頁、第 4版）。更に、酸硬化性樹脂を含む粘結剤組成物の硬化特性を改善するために、種々の方策が提案されている。例えば、 JP— B 5 1— 2 6 1 2 2には、尿素、ダリオキサール、ホルムアルデヒドを特定の比率で反応させた組成物とフルフリルアルコ —ルとを併用した铸物砂用粘結剤が開示されている。また、 JP- A 5 4 - 4 6 1 2 6には、酸硬化性化合物とフエノ一ル誘導体と水とを特定比率で含有する铸物砂用粘結剤組成物が開示されている。また、 JP- A 6 - 2 9 7 0 7 2には、酸硬化性樹脂を主体とする錡型製造用粘結剤組成物に、特定の硬化促進剤を含有させることが開示されている。また、 JP-A 8— 5 7 5 7 7には、フルフリルアルコールを主成分として得られる铸型製造用粘結剤組成物に、特定の硬化促進剤を含有させることが開示されている。

発明の開示本発明は、尿素含有量が 1〜 1 0重量％であり、且つ p H ( 2 5 °C ) 力 7〜 1 0である錶型製造用フラン樹脂組成物に関する。また、本発明は、上記本発明の铸型製造用フラン樹脂組成物を含有する铸型製造用粘結剤に関する。また、本発明は、上記本発明の錶型製造用フラン樹脂組成物と、下記一般式（ 1 ) で表される化合物、及び、水酸基に対してオルト位又はパラ位の電荷密度を高める置換基を有するフエノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも 1種の硬化促進剤とを含有する鍀型製造用粘結剤、並びに、該鐯型製造用粘結剤を用いる铸型の製造方法に関する。

( 1 )

XjOHsC O CH₂OX₂ 〔式中、 X ,及び X₂は、それぞれ水素原子、 C H ₃又は C ₂H₅の何れかを表す。〕本発明はさらに、上記フラン樹脂組成物の铸型製造用粘結剤用途である。

発明の詳細な説明従来、自硬性銬型用の粘結剤として用いられるフラン樹脂は、通常、フルフリルアルコールに、尿素やホルムアルデヒドを共縮合して得られるが、鐯型製造時 (樹脂硬化時）の作業環境改善の点から、生成物中のホルムアルデヒド濃度を低減することが望ましい。この目的には、フラン樹脂製造工程中で未反応ホルムァルデヒドを除去して樹脂中の濃度を低減することが考えられるが、製造工程が複雑になり、工業的に適当とは言い難い。また、尿素やレゾルシンなどの、ホルムアルデヒド捕捉剤を配合することも考えられるが、これらの化合物は溶解性や安定性が悪いため、樹脂組成物に濁りや沈殿が生じるため、製造ラインにおける安定供給ができないという欠点がある。すなわち、鐯型製造用のフラン樹脂では、ホルムアルデヒド捕捉の観点から尿素の併用は望ましいものであるが、安定性の点で問題がある。本発明は、フルフリルアルコールを主成分として得られるフラン樹脂組成物において、作業環境（特に造型中に発生するホルムアルデヒドの低減）の改善のために尿素を含有しても、樹脂組成物の濁りや沈殿を抑制でき、更には硬化特性も良好な鐯型製造用フラン樹脂組成物を提供する。本発明によれば、尿素の溶解性にも優れた鐯型製造用フラン樹脂組成物であつて、濁りや沈殿を抑制し、かつ、作業環境（特に造型中に発生するホルムアルデヒドの低減）に優れた鐯型製造用フラン樹脂組成物が得られる。また、本発明の鐯型製造用フラン樹脂組成物に、更に特定の硬化促進剤を用いた場合は、錶型強度、硬化速度などの硬化特性を損なうことがなく、且つ尿素の溶解性にも優れた銬型製造用粘結剤が得られる。本発明は、ホルムアルデヒド濃度を低減して作業環境を改善するために尿素を用いた鐯型製造用フラン樹脂組成物の尿素の溶解性 ·安定性を向上させる。本発明に係る鍀型製造用フラン樹脂組成物は、フルフリルアルコールを主成分として重縮合して得られるものである。例えば、「第 4版踌型造型法」（平成 8 年 1 1月 1 8日、社団法人日本鎵造技術協会発行）の 1 3 5頁等に記載されている通り、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類とを主成分として、重縮合して得られるものである。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、ダリオキザ一ル、フルフラール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することができる。特に、本発明においては、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。フルフリルアルコール、尿素、及びアルデヒド類を重縮合させると、各成分の配合割合にもよるが、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルキロ一ル尿素との重縮合物、尿素とアルデヒド類の縮合物、各縮合物が更に重縮合した重縮合物、各成分の未反応物、水等の混合物として、本発明のフラン樹脂組成物が得られる。尚、本発明のフラン樹脂組成物中の尿素とは、ホルムアルデヒドゃフルフリルアルコールと縮合反応していない尿素であり、未反応分として残存したものでも、別途添加されたものでも何れでも良い。本発明では、フラン樹脂組成物中の尿素が 1〜 1 0重量％であり、好ましくは 1〜8重量％であり、また、铸物の材質によっては鐯造欠陥防止の観点から、より好ましくは 1〜6重量％であり、更に好ましくは 2〜6重量％あるいは 1〜 4重量％であり、最も好ましくは 2〜4重量％である。尚、フラン樹脂組成物中の尿素は、以下のような L C/MS分析操作により測定することができる。く L C /MS分析条件 > カラム： T S K— g e I Am i d o 80 (4. 6mm0 X 2 5 Omm) 移動相：ァセトニトリル Z水 = 9 5/5 (ァイソクラティック）

カラムオーブン： 40^

流速： 1. 0 mL/m i n (MS導入スプリット： 1 /4)

検出： MSD (S I M) ： P〇 S I検出 m/ z ： 6 0. 1 ± 1 0

分解能 0. 5 a m u、 DWELLTIME： 2 50ms e c、イオン源ヒータ： 3 0

0°C

分析時間： 1 5分

サンプル調製：アセトン Z水 = 9 5/5で希釈本発明のフラン樹脂組成物は、安定したフラン樹脂組成物を得る観点から、 p H (2 5°C) が？〜 1 0、好ましくは 7. 5〜 1 0であり、より好ましくは 8〜 1 0である。この範囲の pHとすることにより、尿素の濁りや沈殿を抑制することができる。また、得られる鐯型強度に優れる観点からは、 pH (2 5°C) が 7 〜1 0、好ましくは 7〜9である。なお、本発明のフラン樹脂組成物の pHは、フラン樹脂組成物と水とを重量比 5 0 / 5 0で混合攪拌したものを、 2 5 °Cにおいて測定した値である。 p Hの調整は水酸化力リゥムゃ水酸化ナトリウムのようなアルカリや、酢酸や蓚酸などの酸により行うことができる。通常、尿素を用いた尿素 ·ホルマリン変性フラン樹脂系の粘結剤組成物の p Hは 7未満である。本発明のフラン樹脂組成物は、尿素含有量が 1〜 1 0重量％であり、且つ p H ( 2 5 °C ) が 7〜 1 0であることに特徴があり、これにより樹脂組成物の濁りや沈殿を抑制し、且つ、作業環境に優れた铸型製造用フラン樹脂組成物を得ることができる。本発明の効果が発現する理由は定かではないが、フラン樹脂組成物の p H ( 2 5 °C ) を 7〜 1 0に調整することによって、尿素のフラン樹脂組成物への溶解性が向上する、或いは、尿素とフラン樹脂組成物との反応が抑えられることにより、尿素が安定して樹脂組成物中に存在する等に基づいて、フラン樹脂組成物の濁りや沈殿を抑制できるという、本発明の効果が発現するものと考えられる。 ' 本発明のフラン樹脂組成物はこれを含有する銬型製造用粘結剤を提供できる。更に本発明のフラン樹脂組成物と硬化剤とを併用することで、铸型製造用粘結剤を構成することができる。本発明に係るフラン樹脂組成物を用いて錡型を製造する場合、この樹脂組成物を硬化させるための硬化剤としては、従来公知の燐酸系化合物ゃスルホン酸系化合物等の硬化剤を使用することができる。また、粘結剤における硬化剤の比率は、フラン樹脂組成物 1 0 0重量部に対して 1 0〜6 0重量部が好ましく、 1 5〜4 0重量部が好ましい。燐酸系化合物としては、燐酸、縮合燐酸、メチル燐酸やェチル燐酸等の燐酸ェステル、燐酸カリウムや燐酸水素カリウム等の燐酸塩等が用いられる。また、スルホン酸系化合物としては、メタンスルホン酸やエタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フエノ一ルスルホン酸等の芳香族スルホン酸、硫酸等の無機酸等が用いられる。本発明のフラン樹脂組成物は、硬化剤と併用して粘結剤として用いることができるが、下記一般式（1 ) で表される化合物、〔以下、硬化促進剤（ 1) という〕及び、水酸基に対してオルト位又はパラ位の電荷密度を高める置換基を有するフェノール誘導体〔以下、硬化促進剤（2) という〕からなる群より選ばれる少なくとも 1種の硬化促進剤を更に使用することで、铸型強度、硬化速度などの硬化特性を損なうことのない銬型製造用粘結剤が得られる。

(1)

XiOH C O CH₂OX₂

〔式中、 X,及び X₂は、それぞれ水素原子、 CH₃又は C₂H₅の何れかを表す。〕硬化促進剤（1) としては、 2 , 5—ビスヒドロキシメチルフラン、 2， 5— ビスメトキシメチルフラン、 2, 5—ビスエトキシメチルフラン、 2—ヒドロキシメチルー 5—メトキシメチルフラン、 2—ヒドロキシメチルー 5—エトキシメチルフラン、 2—メトキシメチル— 5—ェトキシメチルフランが挙げられる。中でも、 2, 5—ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。 2, 5— 一ビスエトキシメチルフランに比べて、反応性が高く、フルフリルアルコールを主成分として重縮合されてなる粘結剤の硬化反応を促進させるからである。 2 , 5—ビスヒドロキシメチルフランの反応性が高い理由は、水酸基が硬化反応に寄与するからである。硬化促進剤（1) は、本発明のフラン樹脂組成物 1 0 0重量部に対して、 0. 5〜6 3. 0重量部、更に 1， 8〜50. 0重量部、更に 2. 5〜5 0. 0重量部、特に 3. 0〜40. 0重量部の比率で用いられることが、鎳型の初期強度の向上効果と硬化促進剤（ 1 ) のフラン樹脂組成物への溶解性の点から、好ましい。また、硬化促進剤（2) は、フエノールの水酸基に対して、オルト位又はパラ位の電荷密度を高める置換基を有する化合物であり、例えばレゾルシノール、クレゾール、ヒドロキノン、フロログルシノール、メチレンビスフエノ一ル等が挙げられる。なかでも、レゾルシノール、フロログルシノールが好ましい。硬化促進剤（2) は、本発明のフラン樹脂組成物 1 00重量部に対して、 1. 5〜2 5. 0重量部、更に 2. 0〜1 5. 0重量部、特に 3. 0〜 1 0. 0重量部含有されることが、錶型の初期強度の向上効果と硬化促進剤（2) の粘結剤への溶解性の点から、好ましい。更に、本発明のフラン樹脂組成物、上記特定の硬化促進剤、及び上記硬化剤を含んで構成される粘結剤を得ることができる。なお、本発明の粘結剤の構成成分中、フラン樹脂組成物が占める割合は 50〜 90重量％が好ましく、 6 0〜8 5 重量％がより好ましレ。上記した粘結剤の各成分を耐火性粒状材料に混練して混練砂（铸型製造用砂組成物）を得る。耐火性粒状材料としては、石英質を主成分とする珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムラィト砂等の新砂又は再生砂等の従来公知のものを用いることができる。再生砂としては、通常の機械的磨耗式、或いは焙焼式で得られるものを使用するが、磨耗式で再生されたものの方が収率も高く、経済的に優れ、一般的であり好ましい。また、混練砂（錡型製造用砂組成物）を得る際に、本発明の粘結剤の他に、得られる踌型強度をより向上させる目的で、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、例えばァー（2—ァミノ）ァミノプロピルメチルジメトキシシラン、ァ-ァミノプロビルトリメトキシシラン、ァ-アミノブ口ピルトリエトキシシラン、ァ -ダリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、シランカップリング剤は、予め粘結剤中に含有させておいて使用してもよい。このようにして得られた铸型製造用砂組成物を用いて、一般的な自硬性鐯型製造法で錡型を製造することができる。即ち、铸型製造用砂組成物を所定の型に充填し、配合混練されている錡型製造用フラン樹脂組成物を、好ましくは前記特定の硬化促進剤の併用下に、硬化剤或いは硬化剤組成物の作用によって硬化させ、铸型を得ることができる。なお、混練、錶型の製造、硬化温度等は、特に加熱や冷却の必要はなく、雰囲気温度で行って差し支えない。実施例次の実施例は本発明の実施について述べる。実施例は本発明の例示について述べるものであり、本発明を限定するためではない。

2 5°C、 50 %RHの条件下で、フリーマントル珪砂の新砂 1 0 0重量部に対し、表 1に示した硬化剤（硫酸 —キシレン— 4—スルホン酸/水 =4/ 26/ 70、重量比）を 0. 4重量部加え、次いで表 1に示したフラン樹脂組成物と硬化促進剤の混合物 0. 8重量部を添加混合して得られた混練砂をテストピース枠に充填し、直径 50mm、高さ 50 mmの円柱形のテストピースを作成した。 J I S Z 2604— 1 9 7 6に記載された方法で、 3 0分後および 24時間後のテストピースの圧縮強度（MP a) を測定したところ、表 1に示すとおりであつた。また、铸物材料 FC— 2 5 (S/M== 3. 5) によりステップコーンを造型、鐯込みをしたときの、造型中及び鎢込み時の臭気（刺激）についての評価結果、並びに、粘結剤に用いたフラン樹脂組成物を 3 5 °Cで 1力月保存（密閉系）した後の外観を目視で観察した結果も表 1に併せて示す。

粘結剤圧縮強度 (MPa) フラン樹脂組成物硬化促進剤硬化剤

30分後 24時間後フラン樹脂 pH 造型時尿素

重量部重量部

(重量％) (重量％) (25°C) 種類

1 97 3 9 - 0 50 0.17 2.88 刺激臭無ビスヒト'ロキシ

2 97 3 9 10 50 0.22 3.30

メチルフラン刺激臭無実 3 97 3 9 レソシン ■5 50 0.25 3.34 刺激臭無

4 98 2 7 - 0 50 0.20 3.12 刺激臭無ビスヒト"ロキシ

5 98 2 7 10 50 0.26 3.27

メチルフラン刺激臭無

6 97 3 7 ― 0 50 0.20 3.12 刺激臭無比 1 99.9 0.1 5 - 0 50 0.22 3.19 刺激が強例 2 97 3 5 一 0 50 0.23 3.25 刺激臭無

表中、硬化促進剤及び硬化剤の重量部は、フラン樹脂組成物 1 0 0重量部に対する比率である。また、フラン樹脂組成物の p Hは水酸化カリウム、蓚酸により調整した。

*フラン樹脂：フルフリルアルコール 7 0 . 5重量％、フルフリルアルコール/ 尿素 Zホルムアルデヒド重縮合物 2 4 . 5重量％、水 4 . 0質量％、尿素以外のその他の成分 1 . 0重量％

Claims

請求の範囲

1. 尿素含有量が 1〜 1 0重量％であり、且つ pH (2 5°C) が 7〜 1 0である錡型製造用フラン樹脂組成物。

2. 請求項 1記載の銬型製造用フラン樹脂組成物を含有する鎵型製造用粘結剤。

3. 更に下記一般式（ 1 ) で表される化合物、及び、水酸基に対してオルト位又はパラ位の電荷密度を高める置換基を有するフエノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも 1種の硬化促進剤を含有する請求項 2記載の铸型製造用粘結剤。

(1)

X!OH C 0 CHOX₂

〔式中、 X,及び X₂は、それぞれ水素原子、 CH₃又は C₂H₅の何れかを表す。〕 4. 請求項 2又は 3記載の錡型製造用粘結剤を用いる铸型の製造方法。 5. 請求項 1記載のフラン樹脂組成物の铸型製造用粘結剤用途。