JP5250300B2 - 鋳型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、再生鋳物砂を用いた鋳型の製造方法に関する。
鋳型の成型に用いられる鋳物砂(耐火性粒状材料)に多く用いられてきた珪砂の欠点を補う目的で、特に鋳鋼鋳物分野においては鋳物砂として熱膨張率が低く耐火性が高いクロマイト砂が用いられる。クロマイト砂においても、酸硬化性フラン樹脂を使用する鋳型成型プロセスであるフラン自硬性プロセスが広く用いられているが、いくつか課題があることも知られている。
特許文献1においては、クロマイト砂は、酸を硬化剤として用いるフラン樹脂の場合、鋳型強度が低いという課題に対して、クロマイト砂に、酸硬化性フラン樹脂を含有する結合剤を添加し、次いで硬化剤を添加して酸硬化性フラン樹脂を硬化させることからなる鋳型製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、再生鋳物砂を用いてフラン鋳型を得るにあたり、窒素を含有するフラン樹脂の硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸又はキシレンスルホン酸を用いることが記載されている。
また、特許文献3には、フラン系樹脂と、酸硬化剤としてメタンスルホン酸とを用いた鋳型用結合剤被覆砂粒が記載されている。
特開平2000−102840号公報 特開昭57−58948号公報 特開平9−234540号公報
一般に鋳物砂は繰返し再生利用されるが、鋳物砂のなかでもクロマイト砂のように比較的鉄元素やアルミニウム元素含有量が高い鋳物砂は、酸硬化性樹脂と硬化剤を用いて鋳型を製造する場合、鋳型の硬化速度が低下する課題があった。特に再生鋳物砂の残存樹脂分を少なく管理するために強い再生処理を行う場合や、鋳型と鋳物の重量比〔鋳型/熔湯(重量比)〕であるサンドメタル比が低い場合などには、この課題が顕著に現れる。この課題は、再生鋳物砂を得る鋳型に用いた硬化剤と同じものを、再生鋳物砂から鋳型を得る際に用いても解消しない。また、特許文献1、3は、このようなクロマイト砂についての問題に言及していない。一方、特許文献2は再生砂としてクロマイトサンドを対象とし得ることが記載されているが、特許文献2の方法でもクロマイトの再生鋳物砂の強度は十分ではない。
本発明は、クロマイト砂のように比較的鉄元素やアルミニウム元素含有量が高い鋳物砂の再生鋳物砂を用いて鋳型を製造するにあたり、硬化速度の低下を抑制できる製造方法を提供することである。
本発明は、再生鋳物砂を用いて鋳型を製造する工程を含む鋳型の製造方法であって、再生鋳物砂が、(1)クロマイト砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)メタンスルホン酸を含有し硫酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造された鋳型から得られるものである、鋳型の製造方法に関する。
また、本発明は、クロマイト砂を、鋳型の製造及び該鋳型からの再生鋳物砂の製造に繰り返して用いる方法であって、前記鋳型を(1)クロマイト砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)メタンスルホン酸を含有し硫酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造する、鋳型用クロマイト砂の繰り返し使用方法に関する。
本発明によれば、クロマイト砂を用いた鋳型から得た再生鋳物砂を使用して鋳型を製造する際の硬化速度の低下を抑制でき、良好な鋳型強度、なかでも初期の鋳型強度を得ることができる。
本発明は、再生鋳物砂、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)、及び硬化剤(I)を用いた鋳型の製造方法であって、
前記再生鋳物砂が、クロマイト砂(A)と酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と硬化剤(II)とを用いて製造した鋳型から得られた再生鋳物砂であり、
前記硬化剤(II)が、メタンスルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下である、
鋳型の製造方法として実施できる。従って、以下、この態様に基づいて説明する。
本発明に用いられる前記再生鋳物砂は、クロマイト砂(A)と酸硬化性樹脂からなる結合剤(II)と硬化剤(II)とを用いて製造した鋳型から得られた再生鋳物砂である。ここで、硬化剤(II)は、メタンスルホン酸を含有し、且つ該硬化剤中の硫酸含有量が5重量%以下のものである。硬化剤(II)はリン酸含有量が5重量%以下のものが好ましい。硬化剤(II)ついて、硫酸とはH2SO4なる化学式で表される物質をいい、リン酸とは五酸化二燐が水和してできる酸の総称であり、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、リン酸、二リン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられる。
硬化剤(II)は、メタンスルホン酸を含有する。硬化剤(II)中、メタンスルホン酸の含有量は5〜100重量%、更に10〜90重量%、より更に20〜70重量%が好ましい。
また、硬化剤(II)は、メタンスルホン酸のほかに、他の有機スルホン酸を含有することができる。他の有機スルホン酸としては、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等のアルカン若しくはアリールスルホン酸、フェノールスルホン酸などが挙げられるが、鋳型強度、コストなどの観点から、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びエチルベンゼンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、キシレンスルホン酸及びトルエンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
他の有機スルホン酸は、製造時に生成する異性体を含んでいても差し支えない。例えば、キシレンスルホン酸を例に挙げると、m−キシレン−4−スルホン酸、m−キシレン−2−スルホン酸、o−キシレン−4−スルホン酸、o−キシレン−2−スルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸や、不純物としてm−キシレン−2,4−ジスルホン酸やm−キシレン−2,6−ジスルホン酸などのジスルホン酸などが含まれていても良い。
硬化剤(II)中の他の有機スルホン酸の含有量は0〜95重量%、更に0〜80重量%、より更に0〜75重量%が好ましい。
硬化剤(I)及び硬化剤(II)中の硫酸、スルホン酸及びリン酸の含有量は、電位差滴定、元素分析及び/又はNMRにより同定することができる。
また、硬化剤(II)は、メタンスルホン酸、更に他の有機スルホン酸以外の硫酸やリン酸などの硬化剤を併用することができるが、再生鋳物砂使用における鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、硬化剤(II)中の硫酸の含有量が5重量%以下であり、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。また、同様な観点から、硬化剤(II)中のリン酸の含有量は、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量は含有してもよいことを意味する。
硬化剤(II)には、メタンスルホン酸、更に他の有機スルホン酸及び硫酸以外に由来する硫黄(S)元素を含有する場合があるが、再生鋳物砂使用における鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、硬化剤(II)中に含まれる全S元素量に占める有機スルホン酸由来のS元素量の割合は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、実質的に100重量%がより好ましい。且つ、同様な観点から、硬化剤(II)中の全S元素量に占める硫酸由来のS元素量の割合は10重量%以下が好ましく、6重量%以下がより好ましく、実質的に0重量%が更に好ましい。また、硬化剤(II)中に含まれるリン(P)元素量は、1重量%以下が好ましく、実質的に0重量%がより好ましい。「実質的に」とは、不純物程度の量は含有してもよいことを意味する。
硬化剤(II)には、メタンスルホン酸及び他の有機スルホン酸以外の、公知の酸性物質を加えて使用してもよい。酸性物質としては、例えば、カルボン酸等の有機酸、硝酸等の無機酸などの1種又は2種以上の混合物を含有しても良いが、硫酸、更に好ましくはリン酸の量は制限される。
硬化剤(II)は、その他に水若しくはアルコール等の希釈溶媒を含有していてもよい。希釈溶媒に使用される溶媒としては、コスト等の観点から、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
本発明では、メタンスルホン酸を含有し、且つ硫酸量を低減した特定の硬化剤(II)を用いて製造した鋳型からの再生鋳物砂を用いることで、クロマイト砂(A)の再生鋳物砂において、再生時の硬化速度の低下を抑制できる。その理由については、詳細は不明であるが、硫酸の場合、鋳造時の熱によりクロマイト砂中の鉄及びAl23成分等と反応し、何らかの硬化阻害物質が生成し、これが次回の再生鋳物砂による造型に影響を及ぼしているものと推察している。一方、メタンスルホン酸の場合、このような硬化阻害物質はほとんど生成されないため、再生時の硬化速度の低下が防止されるものと推察している。
また、硬化剤(II)は、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と共に用いられる。酸硬化性樹脂としては、酸硬化性フラン樹脂、酸硬化性フェノール樹脂が挙げられる。酸硬化性フラン樹脂としては、従来公知の樹脂が用いられ、これを単独で又は混合して結合剤として使用する。酸硬化性フラン樹脂の具体例としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールポリマーやフルフリルアルコール・アルデヒド類重縮合物が使用される。更に、フェノール類・アルデヒド類重縮合物、メラミン・アルデヒド類重縮合物、尿素・アルデヒド類重縮合物等のフルフリルアルコールとの混合物又は共縮合物が使用される。また、これらの重縮合物のうち、2種以上を更に共縮合させたものも、酸硬化性フラン樹脂として使用することができる。フルフリルアルコール等と重縮合されるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することができる。また、フェノール類・アルデヒド類重縮合物を使用する場合、フェノール類としては、フェノール、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の従来公知のフェノール化合物を単独で又は混合して用いることができる。また、公知の変性剤とともに使用してもよい。
結合剤(II)が、酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有する場合、鋳型強度を更に向上させる点から、下記の一般式(1)で示される化合物の1種又は2種以上を含有することが好ましい。
Figure 0005250300
一般式(1)の化合物としては、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ビスメトキシメチルフラン、2,5−ビスエトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられ、これらは単独で又は混合して使用される。特に、2,5−ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。
一般式(1)で示される化合物の結合剤(II)中の含有量は、例えば0.5〜63.0重量%、好ましくは1.8〜50.0重量%、より好ましくは2.5〜50.0重量%、更に好ましくは5.0〜40.0重量%、より更に好ましくは7.0〜40.0重量%である。一般式(1)で示される化合物の量が0.5重量%以上であると、一般式(1)で示された化合物を含有させたことによる鋳型強度の向上効果が得られやすく、また、63.0重量%以下であると、一般式(1)で示される化合物が酸硬化性樹脂中に速やかに溶解し、結合剤中に沈澱が発生することを防止しやすい。
また、結合剤(II)が、酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有する場合、硬化速度向上の点から、ポリフェノール化合物を含有することが好ましい。ポリフェノール化合物としては、合成又は天然のポリフェノール化合物を使用することができる。例えば、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール及びフロログルシノール等の合成品並びにこれらから誘導される骨格を有する合成ポリフェノール化合物や、タンニン、リグニン及びカテキン等の天然ポリフェノール化合物並びにこれらから誘導される骨格を有する合成ポリフェノール化合物等が挙げられる。また、ポリフェノール化合物の結合剤(II)中の含有量は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。ポリフェノール化合物の含有量がこの範囲であると、酸硬化性樹脂中にポリフェノール化合物が沈殿を生じることなく良好に溶解するため好ましい。
更に、結合剤(II)を用いて鋳型を製造する際には、鋳型強度をより向上させる目的でシランカップリング剤を加えてもよい。シランカップリング剤としては、例えばγ−(2−アミノ)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどを使用することができる。なお、シランカップリング剤を、混練砂中に添加するには、結合剤(II)中や、硬化剤(II)中にシランカップリング剤を添加して、結合剤(II)や硬化剤(II)をクロマイト砂(A)に添加混練してもよく、クロマイト砂(A)にシランカップリング剤を直接添加混練してもよい。
本発明に用いられるクロマイト砂(A)は、粒度分布が30〜1500μmのものが用いられる。粒度分布は、JISの鋳物砂の粒度分布試験方法(Z 2601)に従って測定される。
クロマイト砂(A)の化学組成は、一般に、Cr23が45〜50重量%、SiO2が0.3〜1.5重量%、FeOが25〜30重量%、MgOが5〜15重量%、Al23が、10〜20%である。他の構成成分として、CaOやTiO2等が挙げられる。
クロマイト砂(A)としては、例えば商品名「クロマイト #A201」「クロマイト #A301」「クロマイト #A401」〔山川産業(株)製〕、商品名「トウチュウ クロマイトサンド」〔(株)トウチュウ製〕などが挙げられる。
以上のようなクロマイト砂(A)と、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(II)と、硬化剤(II)とを用いて、鋳型を成型するには、常法に従って、例えば、まずクロマイト砂(A)100部(重量基準、以下に同じ)に対し、硬化剤(II)を0.2〜3部混合し、次いで酸硬化性フラン樹脂0.5〜5部相当量を含有する結合剤(II)を混合して成型する。
鋳型から再生鋳物砂を得る方法は公知の方法に準じることができ、通常の機械的磨耗式あるいは焙焼式の再生方法が使用されるが、磨耗式で再生されたものは収率も高く、経済的に優れ好ましい。
再生鋳物砂は、鋳型の硬化速度維持及び強度向上の観点から、砂1gあたりの下記測定法による鉄元素及びアルミニウム元素の溶出量が、鉄元素は150μg以下、更に120μg以下、より更に60μg以下、且つ、アルミニウム元素は20μg以下、更に10μg以下であることが好ましい。
(鉄元素及びアルミニウム元素の溶出量の測定方法)
再生鋳物砂25.0gをビーカーに秤取し、0.1N−HCl水溶液50.0mlを添加した後、マグネチックスターラーにて15分間撹拌する。5分間静置後、上澄み液をろ紙を用いてろ過し、ろ液中の鉄元素量及びアルミニウム元素量をICP分析法(誘導結合プラズマ発光分光分析法)により定量し、再生鋳物砂1g当りの溶出量を算出する。
また、このアルミニウム溶出量は、クロマイト砂(A)の再生において、機械再生の強さ(処理段数、処理時間、再生機の回転数等)を調整することや、造型条件(サンドメタル比等)を変えることで調整できる。
また、再生鋳物砂は、強熱減量分が3重量%以下、より2重量%以下、更に1重量%以下、より更に0.5重量%以下であることが好ましい。強熱減量分は、鋳物砂に残存する、吸着水分、層間水分のほかに熱分解する物質の質量変化割合を重量百分率で表したものであり、本発明では、日本鋳造技術協会規格:「JACT試験法 S−2」に規定される「鋳物砂の強熱減量試験法」に従って測定したものをいう。
本発明では、上記のような特定の履歴をもつ再生鋳物砂と、酸硬化性樹脂を含有する結合剤(I)と、硬化剤(I)とを用いて鋳型を製造する。
結合剤(I)は前記結合剤(II)と同じものでも異なるものでも使用でき、好ましい態様も結合剤(II)と同様である。結合剤(I)が酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有するものが好ましく、その場合、前記一般式(1)で示される化合物の1種又は2種以上、及び/又はポリフェノール化合物を含有することが好ましい。また、硬化剤(I)は前記硬化剤(II)と同じものでも異なるものでも使用できるが、メタンスルホン酸を含有する硬化剤(II)を用いた再生鋳物砂を繰り返し使用する観点から、前記硬化剤(II)の好ましい態様を満たす硬化剤を使用するのが好ましい。
再生鋳物砂と結合剤(I)と硬化剤(I)とを用いて、鋳型を製造するには、例えば、まず再生鋳物砂100部(重量基準、以下に同じ)に対し、硬化剤(I)を0.2〜3部混合し、次いで酸硬化性フラン樹脂0.5〜5部相当量を含有する結合剤(I)を混合して成型できる。また、以上により得られた混合砂を鋳型すべてに用いても良いし、必要とする部分だけに用いるのも良い。例えば、肌砂として使用し、裏砂には一般に使用されている珪砂からなるものを用いても良い。また、混合砂(鋳型成型用組成物)を鋳型の造型に際しては、例えば硬化を促進するための添加剤等の公知の添加剤を使用してもよい。
以上のようにして混練砂を得た後、これを型枠に充填し、常温で所定時間放置しておけば、酸硬化性フラン樹脂が硬化して鋳型本体を得ることができる。
本発明は、クロマイト砂を、造型、再生を繰り返して使用する際に、再生条件が同等である場合には、その由来となる鋳型が特定条件で製造されているものが、次回の新たな鋳型の製造における硬化速度の低下抑制に良い影響を及ぼすことを見いだしたものである。本発明は、クロマイト砂を、鋳型の製造及び該鋳型からの再生鋳物砂の製造に繰り返して用いる方法であって、前記鋳型を(1)クロマイト砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)メタンスルホン酸を含有し硫酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造する、鋳物砂の繰り返し使用方法として実施できる。
以上の説明は、本発明の好適な鋳型の製造方法に関するものであるが、その他の方法も適宜採用し得るものである。例えば、以上の説明においては、混練砂の作成、混練砂の充填及び結合剤の硬化は、常温(雰囲気温度)で行なうとしたが、加熱しながら行っても良い。本発明の鋳型の製造方法は、各種鋳型の製造において、汎用的に使用することのできるものである。
実施例1
クロマイト砂(クロマイト #A301、山川産業(株)製)100重量部に対し、硬化剤としてメタンスルホン酸33.9重量%の水溶液〔硬化剤(II)〕を0.4重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)〔結合剤(II)〕を1.0重量部添加、混練して試験鋳型を作製し、サンドメタル比が2の鋳物を鋳造した。回収した砂をクラッシャーにて解砕して、回収砂とした。この回収砂を日本鋳造(株)製ハイブリッドサンドマスターHSM1115を用いて、回転数2600rpm、処理時間30分、処理量80kgにて、砂の機械再生を行い、再生鋳物砂を得た。得られた再生鋳物砂を用い、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量を測定し、また、25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、硬化剤としてp−トルエンスルホン酸61重量%の水溶液〔硬化剤(I)〕0.4重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)〔結合剤(I)〕を1.0重量部添加、混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1の回収砂を500℃にて1時間焙焼して、再生鋳物砂を得、実施例1記載と同じ方法にて、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
硬化剤(II)として、硫酸32.7重量%の水溶液を用いた以外は、実施例1記載と同じ方法にて再生鋳物砂を得、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1の回収砂を500℃にて1時間焙焼して、再生鋳物砂を得、実施例1記載と同じ方法にて、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例3
硬化剤(II)として、メタンスルホン酸9.5重量%及びキシレンスルホン酸47.8重量%の水溶液を用いた以外は、実施例1記載と同じ方法にて再生鋳物砂を得、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
硬化剤(II)として、硫酸9.4重量%及びキシレンスルホン酸47.8重量%の水溶液を用いた以外は、実施例1記載と同じ方法にて再生鋳物砂を得、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
クロマイト砂(クロマイト #A301、山川産業(株)製)100重量部に対し、硬化剤(II)としてメタンスルホン酸を33.9重量%の水溶液を0.40重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)〔結合剤(II)〕を1.0重量部添加混練して試験鋳型を作製し、サンドメタル比が2の鋳物を鋳造した。回収した砂をクラッシャーにて解砕して、回収砂とした。この回収砂を実施例1と同様に日本鋳造(株)製ハイブリッドサンドマスターを用いて砂の機械再生を行い再生鋳物砂とした。更にその再生鋳物砂を用い、上記操作を5回繰り返し、5回目の再生鋳物砂を用い、実施例1記載と同じ方法にて、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
比較例4
硬化剤(II)として、硫酸32.7重量%の水溶液を用いた以外は、実施例4記載と同じ方法にて再生鋳物砂を得、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例5
結合剤(II)として、ポリフェノール化合物((株)コシイウッドソリューションズ製、アカシアマンギウムGKA−100のメタノール抽出物)10重量部及びフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)90重量部からなる溶液を用いた以外は、実施例1記載の方法と同じ方法にて鋳物砂の機械再生を行い再生鋳物砂を得、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量及び硬化挙動を測定した。結果を表1に示した。
比較例5
硬化剤(II)として、硫酸32.7重量%の水溶液を用いた以外は、実施例5記載と同じ方法にて再生鋳物砂を得、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例6
実施例5にて得られた再生鋳物砂を用い25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸61重量%の水溶液からなる硬化剤〔硬化剤(I)〕0.6重量部加え、次いでポリフェノール化合物((株)コシイウッドソリューションズ製、アカシアマンギウムGKA−100のメタノール抽出物)10重量部及びフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)90重量部からなる溶液〔結合剤(I)〕を1.5重量部添加混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、実施例1と同様に、0.5時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示した。
比較例6
比較例5にて得られた再生鋳物砂を用いた以外は、実施例6記載と同じ方法で鉄元素及びアルミニウム元素溶出量と圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
参考例1
25℃、55%RHの条件にて、新砂クロマイト砂(クロマイト #A301、山川産業(株)製)100重量部に対し、硬化剤としてp−トルエンスルホン酸61重量%の水溶液0.4重量部を加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)を1.0重量部添加、混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。なお、本例で用いた新砂クロマイト砂の鉄元素及びアルミニウム元素溶出量も実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
参考例2
25℃、55%RHの条件にて、新砂フリーマントルシリカサンド(フリーマントル、山川産業(株)製)100重量部に対し、硬化剤としてp−トルエンスルホン酸61重量%水溶液0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(花王クエーカー(株)製、カオーライトナーEF−5401)を0.7重量部添加、混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。なお、本例で用いた新砂フリーマントルシリカサンドの鉄元素及びアルミニウム元素溶出量も実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
参考例3
新砂フリーマントルシリカサンド(フリーマントル、山川産業(株)製)100重量部に対し、硬化剤として硫酸9.4重量%及びキシレンスルホン酸47.8重量%の水溶液〔硬化剤(II)〕を0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(カオーライトナーEF−5401、花王クエーカー(株)製)〔結合剤(II)〕を0.7重量部添加、混練して試験鋳型を作製し、サンドメタル比が2の鋳物を鋳造した。回収した砂をクラッシャーにて解砕して、回収砂とした。この回収砂を実施例1と同様に日本鋳造(株)製ハイブリッドサンドマスターを用いて砂の機械再生を行い、再生鋳物砂を得た。得られた再生鋳物砂を用い、鉄元素及びアルミニウム元素溶出量を測定し、また、25℃、55%RHの条件にて砂100重量部に対し、硬化剤としてp−トルエンスルホン酸61重量%の水溶液〔硬化剤(I)〕0.28重量部加え、次いでフラン樹脂(カオーライトナーEF−5401、花王クエーカー(株)製)〔結合剤(I)〕を0.7重量部添加、混練して直ちに直径50mm、高さ50mmの円筒形のテストピースを作製し、0.5時間後及び24時間後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005250300
参考例2〜3より、フリーマントルシリカサンドを用いた場合、再生鋳物砂の硬化速度は低下しない。従って、再生鋳物砂における硬化速度の低下は、クロマイト砂に特有の課題であることがわかる。
新砂を用いた参考例1と比較して、実施例1〜6では、初期強度(0.5時間後)の低下が抑制されているが、比較例1〜6では大幅に低下している。すなわち、実施例1〜6のように、メタンスルホン酸を含有し、且つ硫酸含有量の少ない硬化剤(II)を用いた、クロマイト砂(A)の再生鋳物砂を用いることにより、硬化速度の低下が抑えられた鋳型の製造方法が提供される。

Claims (6)

  1. 再生鋳物砂を用いて鋳型を製造する工程を含む鋳型の製造方法であって、再生鋳物砂が、(1)クロマイト砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)メタンスルホン酸を含有し硫酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造された鋳型から得られるものである、鋳型の製造方法。
  2. 前記硬化剤が、更に他の有機スルホン酸を含有する請求項1記載の鋳型の製造方法。
  3. 他の有機スルホン酸が、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びエチルベンゼンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の鋳型の製造方法。
  4. 前記硬化剤が、メタンスルホン酸を5〜100重量%含有する請求項1〜3の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
  5. 前記結合剤が、酸硬化性樹脂として酸硬化性フラン樹脂を含有し、更に、ポリフェノール化合物を含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
  6. クロマイト砂を、鋳型の製造及び該鋳型からの再生鋳物砂の製造に繰り返して用いる方法であって、前記鋳型を(1)クロマイト砂と、(2)酸硬化性樹脂を含有する結合剤と、(3)メタンスルホン酸を含有し硫酸含有量が5重量%以下である硬化剤とを用いて製造する、鋳型用クロマイト砂の繰り返し使用方法。
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