WO2006013756A1

WO2006013756A1 - 回転支持装置

Info

Publication number: WO2006013756A1
Application number: PCT/JP2005/013694
Authority: WO
Inventors: Seigou Urakami; Yoichi Matsumoto
Original assignee: Nsk Ltd.
Priority date: 2004-08-02
Filing date: 2005-07-27
Publication date: 2006-02-09
Also published as: JP4581542B2; DE112005001874T5; JP2006046391A; DE112005001874B4; US8322931B2; US20090215583A1

Abstract

　各ニードル６が各柱部１２ａの円周方向側面を円周方向に押した場合でも、これら各柱部１２ａの端部とリム部との連続部に大きな力が加わらない構造を実現して、保持器７ａの耐久性向上を図る。　上記各柱部１２ａの軸方向中間部を構成する内径側直線部１５ａの円周方向両側面のうち、保持器７ａの径方向外寄り部分を同じく内寄り部分よりも凹ませる。そして、この内寄り部分を、上記各ニードル６のピッチ円Ｐよりも内径側に位置させる。従って、これら各ニードル６の転動面と上記内径側直線部１５ａとが当接する事がなくなる。この結果、これら各ニードル６から上記各柱部１２ａに加わるモーメント荷重が低減して、上記課題を解決できる。

Description

回転支持装置

技術分野

[0001] この発明に係る回転支持装置は、例えば自動車用の自動変速機を構成する遊星歯車機構に組み込む遊星歯車を、キャリアに設けた遊星軸の周囲に回転自在に支持する為に利用する。特に本発明は、高速回転ィ匕を図るべく保持器を設けた構造で、この保持器の耐久性を十分に確保できる構造を実現するものである。

背景技術

[0002] 自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部のうち、大きなラジアル荷重が加わる部分にラジアルニードル軸受が組み込まれて、る。例えば自動車の自動変速装置を構成する遊星歯車式変速機は、特許文献 1 (実開平 5— 62729号公報)等に記載されて周知の様に、遊星歯車をキャリアに対し、ラジアル-一ドル軸受により回転自在に支持している。図 9は、この様なキャリアに対し遊星歯車を回転自在に支持する、遊星歯車の回転支持装置の 1例を示している。この図 9に示した構造の場合、キヤリア 1を構成する互いに平行な 1対の支持板 2a、 2bの円周方向複数個所に、遊星軸 3の両端部を支持固定している。そして、この遊星軸 3の中間部周囲に遊星歯車 4を、ラジアル-一ドル軸受 5により、回転自在に支持している。

[0003] このラジアル-一ドル軸受 5は、複数本の-一ドル 6を保持器 7により転動自在に保持すると共に、上記遊星軸 3の中間部外周面を円筒状の内輪軌道 8とし、上記遊星歯車 4の内周面を円筒状の外輪軌道 9として、上記各ニードル 6の転動面を、これら内輪軌道 8及び外輪軌道 9に転がり接触させている。又、上記遊星歯車 4の軸方向両端面と上記両支持板 2a、 2bの内側面との間に、それぞれフローティングヮッシャ 1 Oa、 10bを配置して、上記遊星歯車 4の軸方向両端面と上記両支持板 2a、 2bの内側面との間に作用する摩擦力の低減を図っている。尚、自動車用自動変速機を構成する遊星歯車機構に組み込む遊星歯車を支持するラジアルニードル軸受として従来は、例えば、上記特許文献 1に記載されている様に、保持器を持たない総-一ドル型のものが一般的であった。これに対して、近年、遊星歯車の高速回転ィ匕を図るべく、円周方向に隣り合う-一ドル同士の接触 (擦れ合い）を避ける為に、例えば、特許文献 2 (特開平 8— 270658号公報）に記載されている様に、保持器 7を持ったラジアルニードル軸受を使用する場合が多くなつている。

[0004] 上記ラジアル-一ドル軸受 5を構成する上記保持器 7は、例えば、図 10〜： L 1に詳示する様に、軸方向（図 9〜11の左右方向）に互いに間隔をあけて配置した、それぞれが円輪状である 1対のリム部 11と、複数本の柱部 12とを備える。これら各柱部 12 は、円周方向に亙って間欠的に配置され、それぞれの両端部を上記両リム部 11の互いに対向する内側面の外径寄り部分に連続させている。又、上記各柱部 12は、軸方向中間部が径方向内方に向け台形状に折れ曲がった形状を有する。

[0005] 即ち、これら各柱部 12のそれぞれは、 1対の外径側直線部 13と、 1対の傾斜部 14 と、 1個所の内径側直線部 15とを備える。このうちの両外径側直線部 13は、上記両リム部 11の内側面外径寄り部分にそれぞれの基端部を連続させ、上記保持器 7の中心軸と平行に配置されている。又、上記両傾斜部 14は、上記両外径側直線部 13〖こそれぞれの基端部を連続させ、上記保持器 7の軸方向中央部に向力ゝぅ程この保持器 7の径方向内方に向力方向に傾斜している。更に、上記内径側直線部 15は、上記両傾斜部 14の先端部にその両端部を連続させて、上記保持器 7の中心軸と平行に配置されている。

[0006] そして、円周方向に隣り合う上記各柱部 12の円周方向両側面と上記両リム部 11の互いに対向する内側面とにより囲まれる空間部分を、それぞれポケット 16とし、これら各ポケット 16に上記各-一ドル 6を、転動自在に保持している。又、上記保持器 7は、上記各柱部 12の両端部両側面のうちの円周方向に関して互いに整合する位置に係止突部 17を、これら各側面力も円周方向に突出する状態で設けている。これら各係止突部 17は、上記各ポケット 16内に転動自在に保持する上記各-一ドル 6が、当該ポケット 16から径方向外方に抜け出る事を防止する為のものである。即ち、上記各ニードル 6を上記保持器 7と共に、前記内輪軌道 8及び外輪軌道 9 (図 9)の間に組み付ける際に、これら各ニードル 6を上記各ポケット 16内に、径方向に抜け出るのを阻止した状態で保持する必要がある。

[0007] この為に、上記各ポケット 16の開口部で上記各-一ドル 6のピッチ円よりも外径側部分に上記各係止突部 17を、互いに対向する状態で設けると共に、これら各係止突部 17の先端縁同士の間隔 D (図 10)を、上記各-

17 一ドル 6の外径 D (図 9)よりも小

6

さくしている（D >D )。又、上記各柱部 12の中間部を構成する内径側直線部 15

6 17

の円周方向両側面のうちで、上記保持器 7の径方向に関する内端縁を、上記各-一ドル 6のピッチ円よりも内径側に位置させると共に、この内端縁同士の間隔 D (図 10

15

)も、上記各-一ドル 6の外径 D よりも小さくしている（D >D ；)。

6 6 15

[0008] 上記各-一ドル 6を上記各ポケット 16に保持するには、これら各-一ドル 6をこれら各ポケット 16に、上記保持器 7の内径側から押し込む。この際、上記各-一ドル 6〖こより上記内径側直線部 15の内端縁同士の間隔 D を弾性的に広げて、これら各-

15 一ドル 6をこれら内端縁同士の間を通過させる。この様にしてこれら各-一ドル 6を上記各ポケット 16に保持した状態で、これら各-一ドル 6は、上記各係止突部 17により前記保持器 7の径方向外方に、上記各柱部 12の内径側係止部 16の側面により同じく径方向内方に、それぞれ抜け出る事を防止される。

[0009] 上述した従来のラジアル-一ドル軸受 5の場合、上記保持器 7に設けた上記各ボケット 16内で上記各-一ドル 6が、この保持器 7の円周方向に変位すると、これら各- 一ドル 6の転動面と、前記各柱部 12のうちの、上記内径側直線部 15の円周方向側面とが当接する。遊星歯車機構を構成する遊星軸 3の周囲に同じく遊星歯車 4を支持する為のラジアル-一ドル軸受 5に組み込んだ保持器 7の場合、上記各-一ドル 6 の転動面は、上記各内径側直線部 15の円周方向両側面のうちの一方にのみ当接するのではなぐ上記各-一ドル 6の公転運動に伴って、これら円周方向両側面に交互に当接する。この結果、上記各柱部 12に、交互に異なる方向のモーメント荷重が加わり、これら各柱部 12の両端部と前記両リム部 11との連続部の耐久性確保が難しくなる。

[0010] この理由について、図 12を参照しつつ説明する。遊星歯車機構に組み込まれた遊星歯車 4は、キャリア 1の回転に伴って図示しない太陽歯車の周囲を公転しつつ、この太陽歯車及び図示しないリング歯車との嚙合に基づいて、上記遊星軸 3の周囲で自転する。又、この遊星軸 3の周囲に上記遊星歯車 4を回転自在に支持する、上記ラジアル-一ドル軸受 5を構成する上記各-一ドル 6は、上記遊星歯車 4の自転に伴つて上記遊星軸 3の周囲を、自転しつつ公転する。この場合に、上記各-一ドル 6には、上記太陽歯車を中心とする公転運動の遠心力を受け、上記キャリア 1の径方向外方に変位し、上記各柱部 12の円周方向側面に押し付けられる。

[0011] 例えば、上記キャリア 1と共に上記遊星軸 3が、上記太陽歯車を中心に図 12の矢印 a方向に公転し、上記遊星歯車 4が同図の矢印 j8方向に自転する場合つ!/、て考える。この場合には、上記矢印 α方向の公転運動に基づく遠心力により上記各ニードル 6に、同図に矢印 γで示す様に、上記キャリア 1の径方向外方に向いた力が加わる。そして、この矢印 γ方向の力に基づいて上記各-一ドル 6が、上記各柱部 12の円周方向側面に押し付けられる。この様にしてこれら各-一ドル 6がこれら各柱部 12 の円周方向側面に押し付けられる力の大きさは、上記遊星軸 3に対する上記各ニードル 6の位置で異なり、この遊星軸 3の中心に関して、上記キャリア 1の径方向に対し直角方向（図 12の左右両端部）に存在するニードル 6が、最も強ぐ上記各柱部 12 の側面に押し付けられる。そして、これら各柱部 12から見た場合に上記各-一ドル 6 は、前記保持器 7が 1回転する毎に、交互に逆方向から強く押し付けられる事になる。この結果、上記各柱部 12には、円周方向の力が交互に加わり、これら各柱部 12の両端部と前記両リム部 11との連続部が疲労し易ぐ上記保持器 7の耐久性確保が損なわれる。

[0012] 前記ラジアルニードル軸受 5に組み込む上記保持器 7の径方向位置を規制する構造は、所謂ニードル案内と、所謂外輪案内と、所謂内輪案内とがある。このうちの二一ドル案内は、上記保持器 7のポケット 16と上記各-一ドル 6の転動面とを係合させる事で、この保持器 7の径方向位置を規制するものである。又、上記外輪案内は、この保持器 7の外周面と前記外輪軌道 9とを近接対向させる事で、この保持器 7の径方向位置を規制するものである。更に、上記内輪案内は、この保持器 7の内周面と前記内輪軌道 8とを近接対向させる事で、この保持器 7の径方向位置を規制するものである。この保持器 7の径方向位置の規制を何れの構造で行なった場合でも上記各-一ドル 6は、上記キャリア 1の回転に伴う遠心力に基づいて上記各柱部 12の円周方向両側面に交互に押し付けられるので、これら各柱部 12の両端部と前記両リム部 11との連続部が疲労し易くなる。 [0013] 但し、上記外輪案内或は上記内輪案内を採用し、上記各柱部 12全体を、上記各ニードル 6のピッチ円の外径側或は内径側にずらせれば、これら各-一ドル 6が上記各柱部 12を押圧する力に径方向の分力が生じる事になる。この結果、これら各柱部 12の両端部と前記両リム部 11との連続部に生じる、疲労に結び付く様な応力を多少緩和できると考えられる。但し、上記各ポケット 16内に保持した-一ドル 6が、上記外輪軌道 9と上記内輪軌道 8との間への組み付け前に上記各ポケット 16から抜け出るのを防止する為の構造を別途 (前述の図 9〜11に示した構造とは別に)設ける必要がある。尚、上記外輪案内と上記内輪案内とのうちでは外輪案内力案内面同士の対向面積を広くでき、当該部分の面圧を低くできる面から、内輪案内に比べて優れている。

特許文献 1：実開平 5— 62729号公報

特許文献 2：特開平 8 - 270658号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0014] 本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各ニードルが各柱部の円周方向側面を円周方向に押した場合でも、これら各柱部の端部とリム部との連続部に大きな力が加わらな、様な構造を実現すべく発明したものである。

課題を解決するための手段

[0015] 本発明の回転支持装置は、外周面に円筒形の内輪軌道を設けた支持軸と、内周面に円筒形の外輪軌道を有し、この支持軸の周囲にこの支持軸と同心に配置された回転部材と、この外輪軌道と上記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本のニードルと、これら各-一ドルを保持する保持器とを備える。

[0016] このうちの保持器は、上記各-一ドルを軸方向両側から挟む位置に配置された 1対のリム部と、これら両リム部同士を連結する複数本の柱部とを備えたものである。

[0017] 又、上記各ニードルは、これら両リム部と円周方向に隣り合う柱部同士の間に存在するポケット内に保持されている。

[0018] 特に、本発明の回転支持装置に於いては、上記各柱部の円周方向両側面のうちで軸方向中央部と上記各ニードルの転動面とが当接しない。発明の効果

[0019] 上述の様に本発明の回転支持装置の場合には、各柱部の円周方向両側面のうちで軸方向中央部と各-一ドルの転動面とが当接しない。言い換えれば、これら各- 一ドルの転動面と上記各柱部の円周方向両側面との当接部は、これら各柱部の軸方向両端寄り部分のみとなる。従って、上記各ニードルがこれら各柱部を押圧する力の力点から、これら各柱部の軸方向両端部と両リム部との連続部迄の距離が短くなる。これら各連続部に生じる応力は、上記力点に加わる力の大きさとこの距離との積に比例する為、この距離が小さくなる分、上記応力が低くなつて、上記各連続部が疲労しにくくなり、保持器の耐久性向上を図れる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]図 1は本発明の実施例 1の全体構成を示す断面図である。

[図 2]図 2は図 1の X部拡大図である。

[図 3]図 3は保持器の柱部を取り出して図 2の側方から見た図である。

圆 4]図 4は保持器の部分拡大斜視図である。

[図 5]図 5は柱部中間の内径側直線部の断面形状の 2例を示す図である。

[図 6]図 6は本発明の実施例 2を示す、図 3と同様の図である。

[図 7]図 7は同実施例 3を示す、図 3と同様の図である。

[図 8]図 8は同実施例 4を示す図で、（A)は図 3と同様の図、（B)は (A)の上方力も見た図である。

[図 9]図 9は従来から知られている遊星歯車の回転支持装置の 1例を示す部分断面図である。

[図 10]図 10は本発明の対象となるラジアル-一ドル軸受用保持器の 1例を示す斜視図である。

[図 11]図 11は図 10の A— A断面図である。

[図 12]図 12は保持器の柱部に円周方向に関して異なる方向の力が交互に加わる理由を説明する為の模式図である。

符号の説明

[0021] 1 キャリア 2a, 2b 支持板

3 遊星軸

4 遊星歯車

5 ラジアル-一ドル軸受

6 ニードル

7、 7a 保持器

8 内輪軌道

9 外輪軌道

10aゝ 10b フローティングヮッ、:

11 リム部

12aゝ 12b、 12c、 12d 柱部

13 外径側直線部

14 傾斜部

15aゝ 15b 内径側直線部

16 ポケット

17 係止突部

18 曲がり部

19 連続部

発明を実施するための最良の形態

[0022] 本発明を実施する場合に、例えば、保持器の径方向に関する位置決めを、両リム部の外周面を回転部材の内周面に近接対向させる、外輪案内により図る。

[0023] この様な構造を採用すれば、前述した様に、各ニードルが上記各柱部を押圧する力に径方向の分力が生じる。この結果、これら各柱部の両端部と両リム部との連続部に生じる、疲労に結び付く様な応力を、より一層緩和できる。

[0024] 或は、保持器の径方向に関する位置決めを、各柱部の円周方向両側面と各ニードルの転動面とを係合させる-一ドル案内により図る。

[0025] この様な構造を採用すれば、各ポケット内に保持した-一ドル力支持軸の外周面と回転部材の内周面との間への組み付け前に各ポケットから抜け出るのを防止する為の構造を別途設ける必要がなヽ。

[0026] 又、本発明を実施する場合に、好ましくは、各柱部の円周方向両側面のうちで各二一ドルの転動面と当接しない軸方向中央部の軸方向寸法を、上記各柱部の軸方向寸法の 1Z4以上（更に好ましくは 1Z3以上）とする。

[0027] 上記軸方向中央部の軸方向寸法をこの程度確保すれば、上記各ニードルが上記各柱部を押圧する力の力点から、これら各柱部の軸方向両端部と両リム部との連続部迄の距離を十分に短くして、これら各連続部に生じる応力を十分に緩和できる。尚

、上記軸方向寸法の上限は、本発明の趣旨上、特に規制しない。保持器としての機能が損なわれない限り、大きい程好ましい。

[0028] 又、本発明を実施する場合に、好ましくは、上記各柱部はそれぞれ、 1対の外径側直線部と、 1対の傾斜部と、 1個所の内径側直線部とを備えたものとする。

[0029] このうちの両外径側直線部は、両リム部の内側面外径寄り部分にそれぞれの基端部を連続させ、保持器の中心軸と平行に配置されたものとする。

[0030] 又、上記両傾斜部は、上記両外径側直線部にそれぞれの基端部を連続させ、上記保持器の軸方向中央部に向力う程、この保持器の径方向内方に向力う方向に傾斜したものとする。

[0031] 又、上記内径側直線部は、上記両傾斜部の先端部にその両端部を連続させて、上記保持器の中心軸と平行に配置されたものとする。

[0032] そして、各ポケット内で各-一ドルが変位した場合にこれら各-一ドルの転動面は、上記両外径側直線部又は上記両傾斜部に当接しても上記内径側直線部に当接する事はない構造とする。

[0033] この様な構造は、上記各ポケット内での上記各-一ドルの姿勢を安定させられる (スキューを抑えられる）ので、この様な構造で本発明を実施すれば、回転部材の回転抵抗を安定し且つ低く抑えられる等、この回転部材を備えた各種装置の性能向上に寄与できる。

[0034] 上述の様な構成の発明を実施する場合に、例えば、上記各-一ドルのピッチ円に対応する部分で、上記内径側直線部の円周方向両側面を、両外径側直線部と両傾斜部とのうちの少なくとも一方の両側面よりも、各柱部の幅方向に関して凹ませる。 [0035] 更に、例えば、内径側直線部の円周方向両側面のうち、保持器の径方向外寄り部分を同じく内寄り部分よりも凹ませる。

[0036] この様な構成を採用すれば、上記内径側直線部の断面積、延、ては強度及び剛性を確保しつつ、この内径側直線部の円周方向両側面と上記各-一ドルの転動面と力 S当接し合う事を防止できる。

[0037] 又、上記の発明を実施する場合に、内径側直線部の厚さ寸法を、両外径側直線部の厚さ寸法及び両傾斜部の厚さ寸法よりも小さくする事もできる。

[0038] この様な構造は、内径側直線部の断面積が小さくなり、この内径側直線部の強度及び剛性が確保しにくくなると言った問題点はあるが、前記力点から前記各連続部迄の距離を十分に短くして、これら各連続部に生じる応力を十分に緩和できると言つた効果は、十分に得られる。

[0039] 或は、内径側直線部の内周側面を支持軸の外周面に近接させる事により、この内径側直線部全体を各-一ドルのピッチ円よりも径方向内側に配置する事もできる。

[0040] この様な構造は、内径側直線部の内周側面と支持軸の外周面とが擦れ合い易くなると言った問題点はあるが、上記力点から上記各連続部迄の距離を十分に短くして

、これら各連続部に生じる応力を十分に緩和できると言った効果は、十分に得られる

[0041] 本発明を実施する場合に、例えば、支持軸を、遊星歯車機構を構成するキャリアに支持された遊星軸とし、回転部材を、この遊星軸の周囲に配置された遊星歯車とする。

[0042] 前述した様に、遊星歯車機構を構成するキャリアに支持した遊星軸の周囲に遊星歯車を回転自在に支持する為のラジアルニードル軸受を構成する各ニードルには、上記キャリアの回転に伴って、このキャリアの径方向外方に向いた遠心力が加わる。従って、この様な遊星歯車機構で本発明を実施する事は、上記ラジアル-一ドル軸受、延、てはこの遊星歯車機構の耐久性を向上させる面力有効である。

[0043] 又、上記の発明を実施する場合に、好ましくは、上記遊星軸を、表層部のみ焼き入れ硬化された鋼製とする。

[0044] この遊星軸をこの様な性状にする事で、この遊星軸の外周面に設けた内輪軌道の転がり疲れ寿命を確保しつつ、この遊星軸の変形を抑えて、この遊星軸の外周面と前記保持器の内周面とが擦れ合う事を防止できる。この様に、遊星軸として表層部のみを焼き入れ硬化してこの遊星軸の変形防止を図るべき理由は、次の通りである。

[0045] 上記遊星軸の周囲に設置した遊星歯車には、公転運動に伴う遠心力や太陽歯車及びリング歯車との嚙合部で発生する力がラジアル荷重として加わる。このラジアル荷重は、ラジアル-一ドル軸受を構成する各-一ドルを介して上記遊星軸に、この遊星軸に曲げる方向の力として加わり、その結果、この遊星軸が僅かとは言え弾性変形する。この遊星軸は、一般的に焼き入れ鋼により造るが、この焼き入れ鋼中には、残留オーステナイトが不可避的に存在する。この様な残留オーステナイトは、 80°C以上の高温下での使用に伴って分解し、体積膨張を生じる。自動車用の自動変速機を構成する遊星歯車機構の場合、潤滑油 (ATF)の温度が 80°C以上使用する場合が多ぐ上記遊星軸中の残留オーステナイトが分解する条件は整っている。

[0046] この様に上記遊星軸中の残留オーステナイトが分解する条件が整った状態で、上記ラジアル荷重に基づいてこの遊星軸が弾性変形すると、この遊星軸の曲げ方向の塑性変形が進行する。即ち、上記残留オーステナイトの分解速度は、圧縮応力が作用する部分よりも引っ張り応力が作用する部分が速くなる為に、上記ラジアル荷重の作用方向に対応して、円弧状に塑性変形する。この様にして上記遊星軸が塑性変形する速度は、この遊星軸の温度が高い程、公転速度が速い程、断面の直径が小さい程、軸方向の寸法が長い程、周囲に支持した遊星歯車により伝達されるトルクが大きい程、大きくなる。近年、自動変速機の小型化の為に、遊星軸の断面の直径を小さくする傾向があり、この遊星軸が上述の様に円弧状に変形する程度 (塑性変形と弾性変形とが合わさった変形量)が大きくなり易い。そして、上記遊星軸が上述の様に円弧状に変形すると、この遊星軸の外周面と前記保持器の中間部外周面との距離が近づく。

[0047] 本発明を実施する場合でも、前記各-一ドルの姿勢を安定させる為には、これら各ニードルの転動面と前記各柱部とを、これら各ニードルの軸方向両端部で係合させる事が好ましい。この場合には、これら各柱部のうちの両傾斜部の円周方向両側縁と上記各ニードルの転動面とを摺接させる事になるので、上記各柱部の軸方向中央部に存在する内径側直線部の内周側面と上記遊星軸の外周面との距離が短くなる。この様にこれら内径側直線部の内周側面と遊星軸の外周面との距離が短い状態でこの遊星軸の変形量が多くなると、これら両面同士が擦れ合って保持器又は遊星軸が損傷する可能性がある。

[0048] これに対して、遊星軸として表層部のみを焼き入れ硬化したものを使用すれば、この遊星軸中の残留オーステナイトの量を少なく抑えて、この遊星軸の変形を抑え、上記両面同士の擦れ合いを防止できる。

[0049] 即ち、上記遊星軸の変形量を抑える為には、上記残留オーステナイトの分解に伴つて経時的に増大する、この遊星軸の塑性変形に基づく曲がり量を抑制する事が重要である。この為には、この遊星軸の全長に亙って、少なくとも径方向中心部には残留オーステナイトの組織が存在しない事が有効である。上記曲がり量を抑制する面からだけ見れば、上記遊星軸の表面層にも残留オーステナイトが存在しな、事が好ましいが、この表面層に残留オーステナイト層が存在しないと、内輪軌道として機能する上記遊星軸の外周面の転がり疲れ強さを著しく低下させる。この転がり疲れ強さの確保を考慮した場合には、上記表面層に、 15〜40容量％の残留オーステナイトを存在させる必要がある。そこで、遊星軸として、表層部のみ焼き入れ硬化された鋼製のものを使用する事で、表面層の残留オーステナイト量を確保する。

[0050] 又、上記の発明を実施する場合に、好ましくは、遊星軸表面の窒素濃度を 0. 05〜 0. 5重量％(更に好ましくは 0. 09-0. 5重量％)とし、炭素濃度を 0. 9〜1. 8重量 %とする。

[0051] 或は、上記遊星軸を構成する鋼として、 0. 9〜1. 8重量％の Crを含んだものを使用する。

[0052] 或は、上記遊星軸を構成する鋼として、 0. 4〜0. 8の Siを含んだものを使用する。

[0053] 或は、上記遊星軸の最低硬さを Hv300以上とする。

[0054] これらの条件は、何れも残留オーステナイトの組織を安定ィ匕させ、その分解速度を遅れさせる面力効果があるので、上記の発明を、単独で或は組み合わせて実施する事により、上記遊星軸の変形を抑え、この遊星軸の外周面と上記内径側直線部の内周側面との擦れ合、を防止できる。 [0055] 尚、上記遊星軸表面の窒素濃度、炭素濃度は、高過ぎるとこの遊星軸の表面を高周波焼き入れする際にこの表面の品質を劣化させる原因となるので、それぞれ 0. 5 重量％以下、 1. 8重量％以下に抑える。又、素材中の Cr濃度、 Si濃度についても、高過ぎるとこの遊星軸の表面を高周波焼き入れする際にこの表面の品質を劣化させる原因となるので、それぞれ 1. 8重量％以下、 0. 8重量％以下に抑える。

[0056] 又、上記遊星軸の最低硬さ（一般的にはこの遊星軸の径方向中心部の硬さ）を大きくする事も、この遊星軸の曲がりを抑制する為に有効である。この為には、上記最低硬さを Hv300以上、好ましくは Hv350以上、より好ましくは Hv400以上とする。実施例 1

[0057] 図 1〜5は、本発明の実施例 1を示している。尚、本発明の特徴は、各柱部 12aの両端部と両リム部 11との連続部に生じる応力を緩和し、これら両連続部に亀裂等の損傷が発生する事を防止する構造にある。この為に本実施例の場合には、上記各柱部 12aの円周方向両側面の形状を工夫すると共に、これら各柱部 12aの軸方向中間部に設けた内径側直線部 15の、保持器 7aの径方向に関する位置を規制している。そして、これら形状の工夫及び径方向位置の規制により、各-一ドル 6が保持器 7a のポケット 16内で円周方向に変位した場合でも、これら各-一ドル 6の転動面と上記各柱部 12aの軸方向中央部とが当接しない様にしている。

[0058] 即ち、本実施例の場合には、上記各柱部 12aのうちで両傾斜部 14と内径側直線部 15との円周方向両側面を、上記保持器 7aを構成する金属板の厚さ方向中間部に曲力 Sり部 18を有する段付形状とし、図 3の斜格子で示した部分を他の部分に対し凹ませている。そして、これら各柱部 12aの円周方向に関する幅寸法 W

1、 W を、内径 2 側 (W )で大きぐ外径側 (W )で小さく（W >W )している。又、保持器 7aの径方

1 2 1 2

向に関する上記内径側直線部 15を、比較的内径側に位置させている。具体的には、上記各柱部 12aの円周方向両側面の径方向中間部に存在する上記各曲がり部 18 の径方向位置を、上記各-一ドル 6のピッチ円 Pよりも少し内径側に位置させている。この構成により、上記各-一ドル 6が保持器 7aのポケット 16内で円周方向に変位した場合でも、これら各ニードル 6の転動面と上記各柱部 12aの軸方向中央部とが当接しない様にしている。尚、厳密に言えば、上記各-一ドル 6の転動面と上記各柱部 12a の円周方向両側面とが当接する径方向位置は、これら各-一ドル 6のピッチ円 Pから多少ずれるが、そのずれは僅かである為、上記各曲がり部 18の径方向位置を上述の様に構成しても、特に問題はない。

[0059] 上述した様な、上記円周方向両側面の形状の工夫及び上記各曲がり部 18の径方向位置の規制により、上記各ニードル 6の転動面と上記各柱部 12aの円周方向両側面とは、図 3に太い実線 (i)で示した、上記両傾斜部 14の一部で当接する事になる。上記各柱部 12aのうちで軸方向中央部に存在する、上記内径側直線部 15の円周方向両側面と、上記各ニードル 6の転動面とが当接する事はない。従って、これら各二一ドル 6が上記各柱部 12aを押圧する力の力点（上記実線 (i)の中心)から、これら各柱部 12aの軸方向両端部と前記両リム部 11との連続部 19 (図 4)迄の距離が短くなる。これら各連続部 19に生じる応力は、上記力点に加わる力の大きさとこの距離との積に比例する為、この距離力、さくなる分、上記応力が低くなつて、上記各連続部 19が疲労しにくくなり、前記保持器 7aの耐久性向上を図れる。

[0060] 又、本実施例の場合には、上記各-一ドル 6の転動面と上記内径側直線部 15の円周方向両側面とを当接させない様にする為に、上記各曲がり部 18により、この円周方向両側面のうちの外径側半部のみを凹ませているので、上記各柱部 12aの断面積を確保できる。即ち、上記各柱部 12aの厚さ寸法は、上記内径側直線部 15を含み十分に確保でき、又、円周方向に関する幅寸法も、内径側半部は外径側直線部 13 と同程度確保できる。従って、上記内径側直線部 15及び上記各傾斜部 14の断面積を十分に広くして、これら内径側直線部 15及び各傾斜部 14の強度及び剛性を十分に確保できる。更に、上記各外径側直線部 13の円周方向に関する幅寸法は、内径側から外径側迄十分に確保でき、これら各外径側直線部 13の断面積を十分に広くできるので、これら各外径側直線部 13に生じる応力緩和の面力も有利である。

[0061] 尚、上記各柱部 12aの円周方向両側面の径方向中間部に上記各曲がり部 18を形成する作業は、前記保持器 7aの素材となる金属板の打ち抜き方向を規制する (保持器 7aの内径側力も外径側に打ち抜く）事で、容易に行なえる。即ち、打ち抜き時に発生する破断面を、上記各曲がり部 18として利用する事で、上記各柱部 12の形状を所望にできる。又、これら各曲がり部 18の断面形状は、図 5の (A)に示す様な凹曲面状であっても、同じく（B)に示す様な平面状であっても良い。要は、上記内径側直線部 15のうちの外径側半部を円周方向に凹ませて、当該部分が前記各-一ドル 6の転動面と当接しな、様にできる形状であれば良、。

[0062] 尚、遊星軸 3の性状に関する特徴については、先に説明した通りであり、図面に表れない為、重複する説明は省略する。

実施例 2

[0063] 図 6は、本発明の実施例 2を示している。本実施例の場合には、柱部 12bの軸方向中間部を構成する内径側直線部 15の内周側面を支持軸 3の外周面に近接させる事により、この内径側直線部 15全体を、各-一ドル 6 (図 1、 2参照）のピッチ円よりも径方向内側に配置している。

[0064] 本実施例の場合には、この様に上記内径側直線部 15全体を上記各-一ドル 6のピツチ円よりも内径側に位置させている為、これら各-一ドル 6の転動面と上記各柱部 1 2bの円周方向両側面とは、図 6に太い実線 (i)で示した、上記内径側直線部 15の両側に存在する両傾斜部 14の一部で当接する事になる。従って、これら各-一ドル 6 が上記各柱部 12bを押圧する力の力点から、これら各柱部 12bの軸方向両端部と両リム部 11との連続部 19 (図 4参照)迄の距離が短くなつて、保持器 7aの耐久性向上を図れる。

実施例 3

[0065] 図 7は、本発明の実施例 3を示している。本実施例の場合には、柱部 12cの軸方向中間部を構成する内径側直線部 15aの厚さ寸法 tを、両外径側直線部 13の厚さ寸法 T及び両傾斜部 14の厚さ寸法 Tよりも小さく（tく T)している。そして、上記内径側直線部 15a全体を、各-一ドル 6 (図 1、 2参照）のピッチ円よりも内径側に位置させている。

[0066] 本実施例の場合には、この様に上記内径側直線部 15aの外周面を上記各ニードル 6のピッチ円よりも内径側に位置させている為、これら各-一ドル 6の転動面と上記各柱部 12cの円周方向両側面とは、図 7に太い実線 (i)で示した、上記両傾斜部 14 の一部で当接する事になる。従って、これら各-一ドル 6が上記各柱部 12cを押圧する力の力点から、これら各柱部 12cの軸方向両端部と両リム部 11との連続部 19 (図 4 参照)迄の距離が短くなつて、保持器 7aの耐久性向上を図れる。又、本実施例の場合には、上記内径側直線部 15aの厚さ寸法 tを小さくしているので、上述の様に、上記内径側直線部 15aの外周面を上記ピッチ円よりも内径側に位置させた場合でも、この内径側直線部 15aの内周面と遊星軸 3の外周面とが近づき過ぎる事を防止できる。

実施例 4

[0067] 図 8は、本発明の実施例 4を示している。本実施例の場合には、柱部 12dの軸方向中間部を構成する内径側直線部 15bの円周方向に関する幅さ寸法 wを、両外径側直線部 13の幅寸法 W及び両傾斜部 14の厚さ寸法 Wよりも小さく（wく W)している。従って本実施例の場合には、図 8の (A)に斜格子で示した、上記内径側直線部 15b の円周方向両側面が、上記両傾斜部 14の円周方向両側面よりも、各柱部 12dの幅方向に関して凹んでいる。そして、上記内径側直線部 15bを、各-一ドル 6 (図 1、 2 参照）のピッチ円上に位置させて、る。

産業上の利用の可能性

[0068] 本実施例の場合には、この様に上記内径側直線部 15bの円周方向両側面を上記両傾斜部 14の円周方向両側面よりも凹ませている為、これら各-一ドル 6の転動面と上記各柱部 12dの円周方向両側面とは、図 8に太い実線 (i)で示した、上記両傾斜部 14の一部で当接する事になる。従って、これら各-一ドル 6が上記各柱部 12dを押圧する力の力点から、これら各柱部 12dの軸方向両端部と両リム部 11との連続部 19 (図 4参照)迄の距離が短くなつて、保持器 7aの耐久性向上を図れる。又、本実施例の場合には、上記内径側直線部 15bが各-一ドル 6のピッチ円上に位置しているので、この内径側直線部 15bの内周面と遊星軸 3の外周面とが近づき過ぎる事を防止できる。

Claims

請求の範囲

[1] 外周面に円筒形の内輪軌道を設けた支持軸と、内周面に円筒形の外輪軌道を有し、この支持軸の周囲にこの支持軸と同心に配置された回転部材と、この外輪軌道と上記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本の-一ドルと、これら各ニードルを保持する保持器とを備え、この保持器は、これら各-一ドルを軸方向両側から挟む位置に配置された 1対のリム部と、これら両リム部同士を連結する複数本の柱部とを備えたものであり、上記各ニードルは、これら両リム部と円周方向に隣り合う柱部同士の間に存在するポケット内に保持されている回転支持装置に於いて、これら各柱部の円周方向両側面のうちで軸方向中央部と上記各ニードルの転動面とが当接しな

Vヽ事を特徴とする回転支持装置。

[2] 保持器の径方向に関する位置決めが、両リム部の外周面を回転部材の内周面に近接対向させる外輪案内により図られている、請求項 1に記載した回転支持装置。

[3] 保持器の径方向に関する位置決め力各柱部の円周方向両側面と各ニードルの転動面とを係合させる-一ドル案内により図られている、請求項 1に記載した回転支持装置。

[4] 各柱部の円周方向両側面のうちで各ニードルの転動面と当接しない軸方向中央部の軸方向寸法が、上記各柱部の軸方向寸法の 1Z4以上である、請求項 1〜3の何れかに記載した回転支持装置。

[5] 各柱部はそれぞれ、 1対の外径側直線部と、 1対の傾斜部と、 1個所の内径側直線部とを備えており、

このうちの両外径側直線部は、両リム部の内側面外径寄り部分にそれぞれの基端部を連続させ、保持器の中心軸と平行に配置されており、

上記両傾斜部は、上記両外径側直線部にそれぞれの基端部を連続させ、上記保持器の軸方向中央部に向力う程、この保持器の径方向内方に向力う方向に傾斜しており、

上記内径側直線部は、上記両傾斜部の先端部にその両端部を連続させて、上記保持器の中心軸と平行に配置されており、

各ポケット内で各-一ドルが変位した場合にこれら各-一ドルの転動面は、上記両外径側直線部又は上記両傾斜部に当接しても上記内径側直線部に当接する事はない、

請求項 1〜4の何れかに記載した回転支持装置。

[6] 各-一ドルのピッチ円に対応する部分で、内径側直線部の円周方向両側面が、両傾斜部の円周方向両側面よりも、各柱部の幅方向に関して凹んでいる、請求項 5に記載した回転支持装置。

[7] 内径側直線部の円周方向両側面のうち、保持器の径方向外寄り部分が同じく内寄り部分よりも凹んでいる、請求項 6に記載した回転支持装置。

[8] 内径側直線部の厚さ寸法が、両外径側直線部の厚さ寸法及び両傾斜部の厚さ寸法よりも小さい、請求項 5に記載した回転支持装置。

[9] 内径側直線部の内周側面を支持軸の外周面に近接させる事により、この内径側直線部全体を各-一ドルのピッチ円よりも径方向内側に配置した、請求項 5に記載した回転支持装置。

[10] 支持軸が、遊星歯車機構を構成するキャリアに支持された遊星軸であり、回転部材 1S この遊星軸の周囲に配置された遊星歯車である、請求項 1〜9の何れかに記載した回転支持装置。

[11] 遊星軸が、表層部のみ焼き入れ硬化された鋼製である、請求項 10に記載した回転支持装置。

[12] 遊星軸表面の窒素濃度が 0. 05〜0. 5重量％であり、炭素濃度が 0. 9〜1. 8重量

%である、請求項 11に記載した回転支持装置。

[13] 鋼力 0. 9〜1. 8重量％の Crを含んだものである、請求項 11〜12の何れかに記載した回転支持装置。

[14] 鋼力 0. 4〜0. 8の Siを含んだものである、請求項 11〜13の何れかに記載した回転支持装置。

[15] 遊星軸の最低硬さが Hv300以上である、請求項 11〜14の何れかに記載した回転支持装置。