JP2006242199A - スラストころ軸受 - Google Patents

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    • F16C33/541Details of individual pockets, e.g. shape or roller retaining means

Abstract

【課題】 高速回転で使用した場合でも、各ポケット7b、7bの周縁部のうち、保持器3cの径方向に関して外側部分が、ころ2の外径側端面21により削られる事を防止する。そして、このころ2が上記各ポケット7b、7bの内部に潜り込む事を防止して、回転支持部の性能を安定させる。
【解決手段】 第二外径側円筒部14aの一部で、上記各ポケット7b、7bの外径側部分に位置する部分に凸部27、27を形成する。遠心力により上記各ころ2が上記保持器3cの径方向外方に変位した状態でも、上記外径側端面21と上記各ポケット7b、7bの外径側周縁部とが擦れ合う事を防止する。そして、擦れ合い部の摩耗を抑え、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るスラストころ軸受(スラストニードル軸受を含む)は、自動車のトランスミッションの回転部分に加わるスラスト荷重を支承する為、この回転部分に組み付けた状態で利用する。
トランスミッション等の回転部分にはスラストころ軸受を装着して、回転軸等に加わるスラスト荷重を支承する様にしている。図5は、この様な回転部分に使用されるスラストころ軸受の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。このスラストころ軸受1は、放射方向に配列された複数のころ2(ニードルを含む)と、このころ2を保持する保持器3と、上記複数のころ2を両側から挟持する1対のレース4a、4bとから成る。上記保持器3は、それぞれが断面コ字形で全体を円輪状に造られた第一、第二両保持器素子5、6を最中状に組み合わせて成り、図6に示す様に、上記ころ2と同数のポケット7、7を、放射状に配列して成る。
上記第一保持器素子5は、鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第一円輪部8の内外両周縁に、第一内径側円筒部9と第一外径側円筒部10とを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第一円輪部8の円周方向複数個所に、上記各ポケット7、7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔11を設けている。又、上記第二保持器素子6は、やはり鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第二円輪部12の内外両周縁に、第二内径側円筒部13と第二外径側円筒部14とを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第二円輪部12の円周方向複数個所に、上記各ポケット7、7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔15を設けている。それぞれがこの様な構成を有する、上記第一、第二両保持器素子5、6は、上記各第一透孔11と上記各第二透孔15とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部10の内径側に上記第二外径側円筒部14を内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部9の外径側に上記第二内径側円筒部13を外嵌した状態で組み合わせる。そして、この第一内径側円筒部9の先端縁を径方向外方に折り曲げる等により、互いの分離を防止する。
又、前記各レース4a、4bは、それぞれが十分な硬度を有する金属板により円輪状に造られている。一般的に内輪と呼ばれる一方(図5の左方)のレース4aの内周縁、並びに一般的に外輪と呼ばれる他方(図5の右方)のレース4bの外周縁には、それぞれ短円筒状の折り立て壁16a、16bを形成している。そして、このうちの折り立て壁16aの先端部複数個所を径方向外方に、折り立て壁16bの先端部複数個所を径方向内方に、それぞれ折り曲げる事で、係止部17a、17bとしている。そして、これら各係止部17a、17bと上記保持器3の内周縁或は外周縁とを互いに係合させて、上記スラストころ軸受1の構成部品同士を互いに不離に組み合わせている。
上述の様に構成されるスラストころ軸受1は、例えば図5に示す様に、上記外輪と呼ばれるレース4bの外周縁に形成した折り立て壁16bを、ケーシング18に形成した円形凹部である保持部19に内嵌した状態で、スラスト荷重が発生する回転部分に装着する。この状態で上記レース4bの右面は上記保持部19の奥面19aに当接し、他方のレース4aの左面は相手部材20の端面20aに当接する。この結果、この相手部材20がケーシング18に対し回転自在に支持されると共に、これら両部材20、18同士の間に作用するスラスト荷重が支承される。尚、上記奥面19a又は上記端面20aを軌道面とし、上記各レース4a、4bのうちの一方又は双方を省略する場合もある。
上述の様なスラストころ軸受1の使用時に各ころ2には、遠心力に基づいて保持器3の径方向外方に向いた力が加わる。そして、この力により、上記各ころ2の軸方向両端面のうち、上記保持器3の径方向外側となる外径側端面21が、前記各ポケット7、7を構成する前記第一、第二両透孔11、15の周縁部のうち、上記保持器3の径方向外側となる外径側周縁部22a、22bに押し付けられる。但し、上記外径側端面21はこれら両外径側周縁部22a、22bに均等に押し付けられる訳ではない。実際の場合に上記外径側端面21は、製造誤差や保持器3の軸方向(図5の左右方向)の変位に基づき、上記両外径側周縁部22a、22bのうちの何れか一方の外径側周縁部22a(又は22b)に押し付けられた状態で、互いに摺接する。
この摺接部の面圧Pは、上記スラストころ軸受1の使用回転速度が速くなり、上記遠心力が大きくなる程高くなる。又、上記摺接部は、上記各ころ2の中心軸線上から離れた位置に存在するので、上記外径側周縁部22a(又は22b)と上記外径側端面21との滑り速度Vは、或る程度速くなる。この様に、上記摺接部に於いて、面圧Pと滑り速度Vとの積であり、摩耗に対する影響を示すパラメータとして広く知られているPV値が大きくなる。この結果、図7に示す様に、上記外径側周縁部22a(又は22b)に、摩耗に基づく凹み23、23が形成される場合がある。この様な凹み23、23が大きくなると、各ポケット7、7内に保持されたころ2、2が、当該凹み23、23が形成された第一円輪部8(又は第二円輪部12)の裏側に潜り込み、上記各ころ2、2の転動が円滑に行なわれなくなる。同時に、上記保持器3の片側面(図5に示した、前記第一保持器素子5の右側面又は、前記第二保持器素子6の左側面)が、相手面であるレース4a又は4bの側面に押し付けられ、これら保持器3がレース4a又は4bに対して相対回転する事に対する抵抗が大きくなる。この結果、上記スラストころ軸受1を組み込んだトランスミッション等の機械装置の効率が悪化するだけでなく、著しい場合には焼き付き等の損傷により、この機械装置が正常に作動しなくなる可能性がある。
尚、特許文献2には、保持器の外径側端部で、1対の保持器素子を構成する金属板同士を、保持器の軸方向中央部で重ね合わせた構造が記載されている。この様な特許文献2に記載された構造によれば、上述の様な摩耗によるころの潜り込みを防止できるものと考えられる。但し、上記特許文献2に記載された構造の場合には、保持器の外周面の面積が狭く、この外周面と対向する相手面がこの外周面との摩擦で摩耗する可能性がある等、使用部位が限られる。
この様な不都合を生じない構造として従来から、特許文献3に記載された構造が知られている。図8は、この特許文献3に記載された発明に準じた従来構造を示している。この従来構造のスラストころ軸受1aの場合には、保持器3aのポケット7aを、この保持器3aの外周縁部に形成した外径側円筒部24の基部に達する部分にまで形成している。そして、上記ポケット7a内に、軸方向両端面を部分球状の凸面としたころ2aを保持し、このころ2aの外径側端面21aを、上記外径側円筒部24の内周面に対向させている。この様な従来構造の場合、これら両面同士が擦れ合った場合でも、擦れ合い部の直径を僅少にして擦れ合い速度Vを極く小さく抑えられるので、PV値が小さくなり、上記擦れ合い部の摩耗を抑えられる。
尚、上記図8は、保持器3aとして、1枚の金属板を曲げ形成して、断面略M字形で全体を円環状にしたものを使用した構造に就いて示している。これに対して、特願2004−2748号には、図9に示した様に、第一、第二両保持器素子5a、6aを組み合わせた保持器3bと、軸方向両端面を部分球状の凸面としたころ2aとを組み合わせたスラストころ軸受1bが開示されている。この先発明に係るスラストころ軸受1bの場合は、上記ころ2aの外径側端面21aと、上記第二保持器素子6aの第二外径側円筒部14の内周面とが擦れ合った場合でも、擦れ合い部の直径を僅少にして擦れ合い速度Vを極く小さく抑えられるので、PV値が小さくなり、上記擦れ合い部の摩耗を抑えられる。
但し、上述の図8〜9に示した様な従来構造或いは先発明に係る構造の場合、軸方向両端面を部分球状の凸面としたころ2aを使用する為、端面形状を平坦面とした場合に比べて、有効長さL1 が相当に短くなる。この為、上記各ころ2aが支承可能なスラスト荷重が小さくなり、負荷容量の確保の面から不利になる。又、軸方向両端面を部分球状の凸面としたころ2aは、軸方向両端面を平坦面とした、図5、7に示す様なころ2に比べ、加工が面倒で、コストが嵩む原因ともなる。
更に、上記各ころ2aの外径側端面21aを、外径側円筒部24の内周面(図8の従来構造の場合)或いは第二外径側円筒部14の内周面(図9の先発明に係る構造の場合)に突き当てる構造である為、上記各ころ2aを、保持器3a、3bの外径寄り部分に配置する必要がある。例えば、図9に示した先発明に係る構造の場合、上記各ころ2aの外径側端面21aの頂部の位置は、保持器3bの外周面から、第一、第二両保持器素子5a、6aの板厚の合計分だけ、径方向内方に寄った位置に限定される。言い換えれば、上記保持器3a、3bの径方向に関して、上記各ころ2aの設置位置の自由度が殆どない。この自由度がない為、上記保持器3a、3bの径方向に関する位置決めを、この保持器3a、3bの外周面と、外輪と呼ばれるレース4bの外周縁部に形成した折り立て壁16b等の相手部材の内周面との係合に基づく、外径側案内により図る場合に問題を生じる可能性がある。
即ち、上記相手部材の内径と、上記各ころ2aの転動面が転がり接触するレース面の直径とには、それぞれ最適な値がある。前述の図5から明らかな様に、上記相手部材(図5の場合、レース4bの折り立て壁16b)の内径は上記レース面の直径に比べて大きいが、これら両径同士の差の程度によっては、上記外径側案内の構造を採用し、しかもこれら両径の値として最適な値を採用できない。言い換えれば、上記図8、9に示す様な構造で、しかも、外径側案内の構造を採用しようとした場合、上記相手部材の内径と上記レース面の直径とのうちの少なくとも一方を、最適値からずらせる必要が生じる場合が考えられる。
特開平8−109925号公報 特開2003−172346号公報 特開2003−83333号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、低コストで、しかも負荷容量を確保する為の設計が容易で、組み付け部の設計の自由度を確保でき、しかも保持器に設けたポケットの外径側周縁部の摩耗を抑えられるスラストころ軸受を実現すべく発明したものである。
本発明のスラストころ軸受は、全体を円輪状に造られて、外周縁部に外径側円筒部を、この外径側円筒部よりも内径側部分の円周方向複数個所に、それぞれが放射方向に長い矩形のポケットを、それぞれ設けた保持器と、これら各ポケット内に転動自在に設けられた複数のころとを備える。
特に、本発明のスラストころ軸受に於いては、上記外径側円筒部の一部で上記各ポケットの円周方向中央に位置する部分をこれら各ポケット内に向け突出する方向に湾曲させる事により、上記各ころの外径側端面に突き当たる凸部を形成している。
上述の様に構成する本発明のスラストころ軸受の場合には、各ころの軸方向両端面のうち、保持器の径方向外側となる外径側端面と、外径側円筒部の一部に形成した凸部の頂部とが当接する。この凸部は外径側円筒部の内周面から径方向内方に突出する状態で形成されている為、これら外径側端面と凸部との擦れ合いに伴ってこの凸部の頂部が摩耗しても、上記各ころが、保持器を構成する円輪部の裏側に潜り込む事はない。
又、上記外径側端面と上記凸部との擦れ合い部は、互いに対向する(突き当たる)、これら外径側端面と凸部との少なくとも一方の形状を工夫する事により、この外径側端面の中央部に位置させる事ができる。そして、上記擦れ合い部をこの外径側端面の中央部に位置させれば、この外径側端面と上記凸部の頂部とが擦れ合った場合でも擦れ合い部分(摺接部)のPV値を低く抑えられる。
更に、上記保持器の外周面から上記各ころの外径側端面までの距離は、上記凸部の高さを変える事により、相当の範囲で調節できる。この為、上記保持器の径方向位置を、この保持器の外周面と相手部材の内周面との係合により規制する、外径側案内により図った場合でも、この相手部材の内径と、上記各ころの転動面が転がり接触するレース面の直径とを、それぞれ最適な値に規制できる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、各凸部の各ポケットに対向する面を、保持器の円周方向及び軸方向に湾曲した部分球面状の凸面とする。そして、この凸面の頂部を、上記各ポケット内に保持された各ころの外径側端面の中央部に対向させる。
この様に構成すれば、上記各ころの外径側端面と上記凸部との擦れ合い部をこの外径側端面の中央部に位置させると共に、擦れ合い面積を狭くできる。そして、擦れ合い部分のPV値を十分に低く抑えて、摩耗防止を図ると共に、上記各ころの転動に対する抵抗を低く抑え、スラストころ軸受の抵抗(動トルク)を低く抑えられる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、各ころの外径側端面を、外周縁部の面取り部を除いて、これら各ころの中心軸に直交する方向に存在する平坦面とする。
上記各ころの外径側端面と各凸部との擦れ合い部をこの外径側端面の中央部に位置させると共に、擦れ合い面積を狭くする事は、上記外径側端面の中央部を突出させる事によっても実現できる。但し、この場合には、上記各ころの全長に比べて、これら各ころが荷重を支承する円筒部の軸方向長さである有効長さが短くなる。これに対して、上記各ころの外径側端面を平坦面とすれば、この有効長さを確保できる。又、これら各ころの(加工の容易化による)コスト低減も図れる。
尚、本発明は、1対の保持器素子を組み合わせた2ピース構造でも、或いは、1枚の金属板を曲げ形成した1ピース構造でも、何れでも実施できる。
先ず、2ピース構造の場合には、請求項4に記載した様に、保持器を、第一、第二両保持器素子を軸方向に重ね合わせて構成する。このうちの第一保持器素子は、各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔を円周方向複数個所に設けた第一円輪部と、この第一円輪部の内周縁に形成された第一内径側円筒部と、この第一円輪部の外周縁に形成された第一外径側円筒部とを備えたものとする。又、上記第二保持器素子は、上記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔を円周方向に関して上記第一透孔と同ピッチで設けた第二円輪部と、この第二円輪部の内周縁に形成された第二内径側円筒部と、この第二円輪部の外周縁に形成された第二外径側円筒部とを備えたものとする。そして、上記第一、第二両保持器素子は、上記各第一透孔と上記各第二透孔とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部の内径側に上記第二外径側円筒部を内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部の外径側に上記第二内径側円筒部を外嵌して、上記保持器としている。
又、1ピース構造の場合には、請求項5に記載した様に、保持器を、1枚の金属板を曲げ形成して成るものとする。
図1〜3は、請求項1、3、4に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例のスラストころ軸受1cを構成する保持器3cは、それぞれが断面コ字形で全体を円輪状に造られた第一、第二両保持器素子5b、6bを最中状に組み合わせて成り、前述の図6に示す様に、ころ2と同数のポケット7b、7bを、上記保持器3cの中心に関して放射状に配列して成る。又、この保持器3cの径方向に関して、上記各ころ2の外径側、内径側両端面21、25は、それぞれの外周縁部の面取り部26を除いて、上記各ころ2の中心軸に直交する方向に存在する平坦面である。
上記第一保持器素子5bは、鋼板、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第一円輪部8aの内外両周縁に、第一内径側円筒部9aと第一外径側円筒部10aとを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第一円輪部8aの円周方向複数個所に、上記各ポケット7b、7bを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔11aを設けている。又、上記第二保持器素子6bは、やはり鋼板、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第二円輪部12aの内外両周縁に、第二内径側円筒部13aと、特許請求の範囲に記載した外径側円筒部である第二外径側円筒部14aとを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第二円輪部12aの円周方向複数個所に、上記各ポケット7b、7bを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔15aを設けている。それぞれがこの様な構成を有する、上記第一、第二両保持器素子5b、6bは、上記各第一透孔11aと上記各第二透孔15aとを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部10aの内径側に上記第二外径側円筒部14aを内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部9aの外径側に上記第二内径側円筒部13aを外嵌した状態で組み合わせる。そして、各円筒部10a、14a、9a、13a同士の嵌合状態を締り嵌めにする事により、或はこのうちの第一内径側円筒部9aの先端縁を径方向外方に折り曲げる等により、互いの分離を防止する。
本実施例の場合、上記第二外径側円筒部14aの円周方向複数個所で、前記保持器3cの径方向に関して、上記各ポケット7b、7bの外側に位置する部分を、これら各ポケット7b、7b内に向け突出する方向(上記保持器3cの径方向に関して内方)に湾曲させて、凸部27、27を形成している。本実施例の場合には、これら各凸部27、27を加工し易くする為に、上記各第二透孔15aのうちで上記保持器3cの外径寄り端縁を、上記第二円輪部12aの外周縁よりも、上記第二外径側円筒部14aの基端部(これら第二円輪部12aと第二外径側円筒部14aとの連続部)にまで達しさせている。従って、上記第二外径側円筒部14aの円周方向複数個所の径方向内方への曲げ形成は、上記第二円輪部12aに影響されずに(第二円輪部12aと第二外径側円筒部14aとの連続部ごと径方向内方に曲げ形成する必要なく)、無理なく行なえる。
上記各凸部27、27の、上記保持器3cの軸方向から見た場合の形状は、この保持器3cの円周方向に関して対称な、部分円弧形である。そして、上記各ポケット7b、7bの中央部、即ち、これら各ポケット7b、7b内に保持される前記各ころ2の中心軸の延長線上に位置する部分が、これら各ポケット7b、7b内に最も突出している。従って、これら各ポケット7b、7b内に保持した上記各ころ2が、運転時に発生する遠心力により、上記保持器3cの径方向外方に変位した場合には、上記各凸部27、27の頂部と、上記各ころ2の外径側端面21とが、互いに当接する。要するに、これら各凸部27、27の頂部がこれら各ころ2の外径側端面21に、この外径側端面21の(上記保持器3cの軸方向に平行な)直径方向に当接する。
上述の様に構成する本実施例のスラストころ軸受の場合には、運転時に作用する遠心力により上記各ころ2が上記保持器3cの径方向外方に変位した場合に、これら各ころ2の外径側端面21と、上記各凸部27、27の頂部とが当接する。図1、図2の(B)、図3から明らかな通り、これら各凸部27、27は、上記第二外径側円筒部14aの円周方向複数個所に、この第二外径側円筒部14aの内周面から径方向内方に突出する状態で形成されている。この為、仮に、上記各凸部27、27の頂部が、上記各ころ2の外径側端面21との擦れ合いに伴って摩耗しても、上記各ころ2が、上記保持器3cを構成する第一、第二の円輪部8a、12aの裏側に潜り込む事はない。
しかも、上記各凸部27、27のうちで上記各ころ2の外径側端面21に当接する面は、凸円弧面である為、これら両面同士の当接部を挟む部分には、当接部に向かう程厚さが狭くなる、くさび状の微小隙間が形成される。この為、上記各ころ2の外径側端面21に付着した潤滑油は、これら各ころ2の自転運動に伴って上記両面同士の当接部に取り込まれる際に、くさび作用により、強固な油膜を形成する。この結果、これら両面同士の当接部で金属接触が発生する事を有効に防止できて、これら両面同士の当接部の摩耗防止を図れる。尚、上記くさび作用は、滑り速度Vが大きい、上記外径側端面21の径方向外側程大きくなり、より強固な油膜が形成されるので、上記両面同士の当接部の摩耗防止の面から有利である。
更に、上記保持器3cの外周面である、前記第一外径側円筒部10aの外周面から、上記各ころ2の外径側端面21までの距離Ha {図2の(B)参照}は、上記各凸部27、27の高さHを変える事により、相当の範囲で調節できる。例えば、図3の(A)に示す様に、凸部27の高さH0 を小さくすれば、上記各ころ2の外径側端面21までの距離H0aを小さくできる。これに対して、図3の(B)に示す様に、凸部27の高さH1 を大きくすれば、上記各ころ2の外径側端面21までの距離H1aを大きくできる。この為、上記保持器3cの径方向位置を、上記第一外径側円筒部10aの外周面と、レース4bの折り立て壁16b(図5参照)等の相手部材の内周面との係合により規制する、外径側案内により図った場合でも、この相手部材の内径と、上記各ころ2の転動面が転がり接触するレース面の直径とを、それぞれ最適な値に規制できる。
図4は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、各凸部27aの各ポケット7bに対向する面を、保持器3dの円周方向(図4の表裏方向)に湾曲させるだけでなく、軸方向(図4の左右方向)にも湾曲させて、部分球面状の凸面としている。そして、この凸面の頂部を、上記各ポケット7b内に保持された各ころ2の外径側端面21の中央部に対向させている。又、上記各凸部27aの上記各ポケット7b側の面である、上記凸面の頂部を、これら各ころ2の中心軸の延長線上の位置させている。
本実施例の場合、上記各凸部27aの形状を上述の様に、上記保持器3dの円周方向及び軸方向に湾曲させる事により、上記各ころ2の外径側端面21と上記凸部27aとの擦れ合い部を、この外径側端面21の中央部に位置させると共に、擦れ合い面積を狭くしている。そして、擦れ合い部分のPV値を、十分に低く抑えて、摩耗防止と、上記各ころ2の転動に対する抵抗を低く抑え、スラストころ軸受の抵抗(動トルク)を低く抑えられる様にしている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例1と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
図示の各実施例は、本発明を、1対の保持器素子を組み合わせた2ピース構造の保持器を有するスラストころ軸受に就いて適用した場合に就いて示した。但し、本発明は、この様な2ピース構造に限らず、前述の図8に示した様な、1ピース構造の保持器を備えたスラストころ軸受に就いて適用する事もできる。この場合には、上記図8に示した様な、1枚の金属板を曲げ形成して成る保持器の外径側円筒部の一部で各ポケットの外径側に位置する部分(図8のα部分)に、図1〜4に示す様な凸部を形成する。
又、本発明のスラストころ軸受は、自動車用トランスミッションの回転支持部に限らず、例えばカーエアコン用のコンプレッサの回転支持部等、スラスト荷重を支承しつつ高速回転する各種回転支持部に適用できる。
更に、使用条件(負荷容量の確保等)が厳しくない場合には、多少コストが嵩むが、各ころの端面形状を、前述の図8〜9に示した様な部分球状の凸面とする事により、更なるトルク低減を図れる。
本発明の実施例1を、保持器の円周方向の一部を軸方向から見た状態で示す部分側面図。 (A)は図1のa−a断面図、(B)は同じくb−b断面図。 凸部の突出量を変えた状態の2例を示す、図2の(B)のc部拡大図。 本発明の実施例2を示す、図2の(B)のc部に相当する断面図。 従来構造の第1例を、回転支持部への組み付け状態で示す部分断面図。 保持器を取り出して図5の右方から見た図。 ころによる保持器の摩耗状態の1例を示す、図6のd部拡大図。 従来構造の第2例を示す部分断面図。 先発明に係る構造の1例を示す部分断面図。
符号の説明
1、1a、1b、1c スラストころ軸受
2、2a ころ
3、3a、3b、3c、3d 保持器
4a、4b レース
5、5a、5b 第一保持器素子
6、6a、6b 第二保持器素子
7、7a、7b ポケット
8、8a 第一円輪部
9、9a 第一内径側円筒部
10、10a 第一外径側円筒部
11、11a 第一透孔
12、12a 第二円輪部
13、13a 第二内径側円筒部
14、14a 第二外径側円筒部
15、15a 第二透孔
16a、16b 折り立て壁
17a、17b 係止部
18 ケーシング
19 保持部
19a 奥面
20 相手部材
20a 端面
21、21a 外径側端面
22a、22b 外径側周縁部
23 凹み
24 外径側円筒部
25 内径側端面
26 面取り部
27、27a 凸部

Claims (5)

  1. 全体を円輪状に造られて、外周縁部に外径側円筒部を、この外径側円筒部よりも内径側部分の円周方向複数個所に、それぞれが放射方向に長い矩形のポケットを、それぞれ設けた保持器と、これら各ポケット内に転動自在に設けられた複数のころとを備えたスラストころ軸受に於いて、上記外径側円筒部の一部で上記各ポケットの円周方向中央に位置する部分をこれら各ポケット内に向け突出する方向に湾曲させる事により、上記各ころの外径側端面に突き当たる凸部を形成した事を特徴とするスラストころ軸受。
  2. 各凸部の各ポケットに対向する面が、保持器の円周方向及び軸方向に湾曲した部分球面状の凸面であり、この凸面の頂部が、上記各ポケット内に保持された各ころの外径側端面の中央部に対向している、請求項1に記載したスラストころ軸受。
  3. 各ころの外径側端面が、外周縁部の面取り部を除いて、これら各ころの中心軸に直交する方向に存在する平坦面である、請求項1〜2の何れか1項に記載したスラストころ軸受。
  4. 保持器が、第一、第二両保持器素子を軸方向に重ね合わせて成るものであり、このうちの第一保持器素子は、各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔を円周方向複数個所に設けた第一円輪部と、この第一円輪部の内周縁に形成された第一内径側円筒部と、この第一円輪部の外周縁に形成された第一外径側円筒部とを備えたものであり、上記第二保持器素子は、上記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔を円周方向に関して上記第一透孔と同ピッチで設けた第二円輪部と、この第二円輪部の内周縁に形成された第二内径側円筒部と、この第二円輪部の外周縁に形成された第二外径側円筒部とを備えたものであり、上記第一、第二両保持器素子は、上記各第一透孔と上記各第二透孔とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部の内径側に上記第二外径側円筒部を内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部の外径側に上記第二内径側円筒部を外嵌している、請求項1〜3の何れか1項に記載したスラストころ軸受。
  5. 保持器が、1枚の金属板を曲げ形成して成るものである、請求項1〜3の何れか1項に記載したスラストころ軸受。
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