JP5736798B2 - スラストころ軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車のトランスミッションの回転部分に加わるスラスト荷重を支承する為、この回転部分に組み付けた状態で利用するスラストころ軸受(スラストニードル軸受を含む)の改良に関する。具体的には、複数のころ(ニードルを含む)を転動自在に保持する保持器の軸方向両側面と、これら各ころの転動面が転がり接触するスラスト軌道面との間に油膜が形成されるのを抑える事により、油膜の存在に基づく動トルクの増大を抑えるものである。
トランスミッション等の回転部分には、例えば特許文献1に記載されている様なスラストころ軸受を装着して、回転軸等に加わるスラスト荷重を支承する様にしている。図7に示す様に、スラストころ軸受1は、放射方向に配列された複数のころ2と、これら各ころ2を保持する保持器3と、これら各ころ2を両側から挟持する1対のレース4a、4bとから成る。この保持器3は、それぞれが断面コ字形で全体を円輪状に造られた第一、第二両保持器素子5、6を中空円環状に組み合わせて成り、図8に示す様に、前記各ころ2と同数のポケット7、7を、放射状に配列して成る。
前記第一保持器素子5は、鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第一円輪部8の内外両周縁に、第一内径側円筒部9と第一外径側円筒部10とを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第一円輪部8の円周方向複数個所に、前記各ポケット7、7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔11を設けている。又、前記第二保持器素子6は、やはり鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第二円輪部12の内外両周縁に、第二内径側円筒部13と第二外径側円筒部14とを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第二円輪部12の円周方向複数個所に、前記各ポケット7、7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔15を設けている。それぞれがこの様な構成を有する、前記第一、第二両保持器素子5、6は、前記各第一透孔11と前記各第二透孔15とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、前記第一外径側円筒部10の内径側に前記第二外径側円筒部14を内嵌すると共に、前記第一内径側円筒部9の外径側に前記第二内径側円筒部13を外嵌した状態で組み合わせる。そして、この第一内径側円筒部9の先端縁を径方向外方に折り曲げる等により、互いの分離を防止する。
又、前記各レース4a、4bは、それぞれが軸受鋼或いは肌焼鋼等の、十分な硬度を有する金属板により円輪状に造られている。一般的に内輪と呼ばれる一方(図7の左方)のレース4aの内周縁、並びに一般的に外輪と呼ばれる他方(図7の右方)のレース4bの外周縁には、それぞれ短円筒状のフランジ16a、16bを形成している。そして、このうちの径方向内側に配置したフランジ16aの先端部複数個所は径方向外方に、径方向外側に配置したフランジ16bの先端部複数個所は径方向内方に、それぞれ折り曲げる事で、係止部17a、17bとしている。そして、これら各係止部17a、17bと前記保持器3の内周縁或いは外周縁とを互いに係合させて、前記スラストころ軸受1の構成部品同士を互いに不離に結合している。
上述の様に構成されるスラストころ軸受1は、例えば図7に示す様に、前記外輪と呼ばれるレース4bの外周縁に形成したフランジ16bを、ケーシング18に形成した円形凹部である保持部19に内嵌した状態で、スラスト荷重が発生する回転部分に装着する。この状態で前記レース4bの右面は前記保持部19の奥面19aに当接し、他方のレース4aの左面は相手部材20の端面20aに当接する。この結果、この相手部材20が前記ケーシング18に対し回転自在に支持されると共に、これら両部材20、18同士の間に作用するスラスト荷重が支承される。尚、前記奥面19a又は前記端面20aを軌道面とし、前記各レース4a、4bのうちの一方又は双方を省略する場合もある。
又、前記特許文献1には、動トルクの低減と保持器の異常磨耗防止とを目的として、図9に示す様な構造のスラストころ軸受1aが記載されている。この改良型のスラストころ軸受1aを構成する保持器3aも、第一、第二両保持器素子5a、6aを中空円環状に組み合わせて成り、ころ2aと同数のポケット7aを、前記保持器3aの中心に関して放射状に配列して成る。又、この保持器3aの径方向に関して、前記各ころ2aの軸方向両端面21、21は、それぞれ、これら各ころ2aの中心軸上にその曲率中心を有する部分球状凸面としてこれら両端面21、21を、それぞれの中央部で最も軸方向に突出させている。
前記改良型のスラストころ軸受1aを構成する保持器3aの場合には、前記各ポケット7aを構成する為に前記第一、第二両保持器素子5a、6aに形成した第一、第二両透孔11a、15aを、それぞれ第一、第二両円輪部8a、12aの径方向外寄り部分に形成している。特に、このうちの第二透孔15aは、前記第二円輪部12aの外周縁まで開口している。そして、前記各ポケット7a内に保持した前記各ころ2aが前記保持器3aの径方向に関して最も外側に変位した状態で、前記各端面21、21のうち外径側の端面21の中心部と前記第二保持器素子6aの第二外径側円筒部14aの内周面とが、図9の(B)に小さな破線丸印で示した当接部22部分で当接する。この当接部22に対応する中心部の滑り速度Vは低い為、この当接部22部分でのPV値は低く抑えられ、前記外径側の端面21の中心部と前記第二外径側円筒部14aの内周面との当接部の摩耗は軽微に抑えられる。
第一、第二の保持器素子5、5a、6、6aを組み合わせて成る保持器3、3aを組み込んだ従来のスラストころ軸受1、1aは、図7に示した構造にしても、図9に示した構造にしても、第一、第二両円輪部8、8a、12、12aの外側面と1対のスラスト軌道面23a、23bとが、広い面積で対向する。前記保持器3、3aの軸方向に関する位置決めを、前記各ポケット7、7aの内周縁と前記各ころ2、2aの転動面との係合により図る所謂ころ案内により図り、且つ、前記両円輪部8、8a、12、12aの外側面と前記両スラスト軌道面23a、23bとが、常に十分に離隔していれば、特に問題を生じる事はない。
但し、上記各面同士を常に十分に離隔させておく事は、前記各ころ2、2aの直径等の条件によっては難しい場合がある。この理由は、次の通りである。保持器3、3aの軸方向位置をころ案内により図る為には、前記各ポケット7、7aの内周縁と前記各ころ2、2aの転動面とを、これら各ころ2、2aの最大径部分から、互いに反対側に或る程度離れた位置で係合させる必要がある。従って、前記第一、第二両円輪部8、8a、12、12a同士の間隔は、或る程度離れさせる必要がある。一方、前記各ポケット7、7aの内周縁が前記各ころ2、2aの自転運動を妨げない様にすると共に、これら各ポケット7、7aの内周縁が前記各ころ2、2aの転動面に付着した潤滑油を過度に掻き取るのを防止する為に、これら内周縁と転動面との間には、或る程度の隙間を介在させる必要がある。そして、この隙間の存在に基づいて、前記保持器3、3aが前記各ころ2、2aに対し、軸方向に変位する事が避けられない。
この為、前記各ころ2、2aの直径が小さい等により、前記保持器3、3aの軸方向変位量の、これら各ころ2、2aの直径に対する比率が大きくなると、この保持器3、3aの軸方向位置をころ案内により図る事が難しくなる。具体的には、この保持器3、3aの軸方向両側面のうちの何れかの面が何れかのスラスト軌道面に当接若しくは近接して、前記保持器3、3aの軸方向位置をこのスラスト軌道面により規制する、軌道面案内の状態となる。そして、前記両面同士が当接した場合は勿論、近接した場合にも、対向する面同士の間に油膜が形成されると、この油膜の剪断抵抗に基づいて、前記保持器3、3aが回転する事に対する抵抗(動トルク)が大きくなる。この結果、前記各ころ2、2aの公転運動に対する抵抗が大きくなり、前記スラストころ軸受1、1aの回転抵抗(動トルク)が大きくなる。特に、前記両面同士が広い面積で当接若しくは近接すると、これら両面同士の間に存在する油膜の剪断抵抗が大きくなり、前記スラストころ軸受1、1aの回転抵抗が大きくなる程度が著しくなる。
特開2005−164023号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、保持器の軸方向側面とスラスト軌道面とが、広い面積で当接若しくは近接する事を防止できて、前記保持器を組み込んだスラストころ軸受の回転抵抗を低く抑えられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のスラストころ軸受は何れも、従来から知られているスラストころ軸受と同様に、保持器と複数本のころとを備える。
特に、本発明のスラストころ軸受に於いては、前記第一、第二両円輪部のうちの径方向の一部を同じく残部に対して軸方向に突出させている。そして、このうちの残部と前記各ころの転動面が転がり接触する1対のスラスト軌道面とを、互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔させている。
追加的に、本発明のスラストころ軸受は何れも、前記第一、第二両円輪部を前記各ころの中心軸に対して互いに反対方向に傾斜させて、前記保持器の軸方向に関する厚さ寸法を、径方向一端部で径方向他端部よりも大きくする。そして、この保持器の軸方向両側面と前記両スラスト軌道面とを、この径方向一端部を除き、前記各ころに対しこの保持器が軸方向変位した状態でも、前記互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔させる。
特に請求項1に記載した発明の場合、より追加的に、前記各ころを円筒ころとし、前記保持器の軸方向に関する厚さ寸法を、内径側端部から外径側端部に向かうに従って漸次小さくする。そして、前記保持器の軸方向両側面と前記両スラスト軌道面とを、内径側端部を除き、前記各ころに対しこの保持器が軸方向変位した状態でも、前記互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔させる。これと共に、前記各ポケットの円周方向に関する幅寸法を外径側端部から内径側端部に向かうに従って漸次小さくして、前記各ころの転動面と前記各ポケットの円周方向側縁との距離を径方向に関して実質的に(潤滑油を流通させる為に径方向中間部に形成する切り欠き部等を除き)均一にする。
これに対し、請求項2に記載した発明の場合、より追加的に、前記各ころを円筒ころとし、前記保持器の軸方向に関する厚さ寸法を、外径側端部から内径側端部に向かうに従って漸次小さくする。そして、前記保持器の軸方向両側面と前記両スラスト軌道面とを、外径側端部を除き、前記各ころに対しこの保持器が軸方向変位した状態でも、前記互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔させる。これと共に、前記各ポケットの円周方向に関する幅寸法を内径側端部から外径側端部に向かうに従って漸次小さくして、前記各ころの転動面と前記各ポケットの円周方向側縁との距離を径方向に関して実質的に均一にする。
又、本発明の技術的範囲からは外れるが、以下の様な構成を採用する事もできる。例えば、前記第一、第二両円輪部の径方向中間部を前記保持器の軸方向に関する厚さ方向の内側に向けて凹ませ、この保持器の軸方向に関する厚さ寸法を、径方向中間部で径方向両端部よりも小さくする。そして、この保持器の軸方向両側面と前記両スラスト軌道面とを、この径方向両端部除き、前記各ころに対しこの保持器が軸方向に変位した状態でも、前記互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔させる。
上述の様に構成する本発明のスラストころ軸受の場合には、保持器の軸方向側面とスラスト軌道面とが、広い面積で当接若しくは近接する事を防止できる。この為、これら両面同士の間に油膜が形成された場合でも、この油膜の面積を抑えて、この油膜に基づく剪断抵抗を低く抑える事ができ、前記保持器を組み込んだスラストころ軸受の回転抵抗を低く抑えられる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、部分断面図(A)及びころを除いた状態で示す(A)のa−a断面図(B)。 レースと組み合わせた状態を示す部分断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、部分断面図(A)及びころを除いた状態で示す(A)のb−b断面図(B)。 レースと組み合わせた状態を示す部分断面図。 本発明に関する参考例を示す、部分断面図(A)及びころを除いた状態で示す(A)のc−c断面図(B)。 レースと組み合わせた状態を示す部分断面図。 従来構造の第1例を示す部分断面図。 保持器を取り出して軸方向から見た部分側面図。 従来構造の第2例を示す、部分断面図(A)及び(A)のd−d断面図(B)。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて、本発明の特徴は、スラストころ軸受を構成する保持器の形状を工夫する事により、この保持器の軸方向側面とレース面とが当接若しくは近接対向した場合にも、この保持器の回転抵抗の増大を抑える点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図9に示した従来構造の第2例と同様であるから、同等部分に関する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の保持器3bも、全体を円輪状に造られた第一、第二両保持器素子5b、6bを中空円環状に組み合わせて成る。特に、本例の場合には、これら両保持器素子5b、6bの内周縁部に形成した、第一、第二両内径側円筒部9a、13aの高さ(軸方向寸法)を、同じく外周縁部に形成した第一、第二両外径側円筒部10a、14bの高さよりも大きくしている。又、これら各円筒部9a、13a、10a、14bは、何れも軸方向に関して直径が一定である円筒状として、このうちの第一外径側円筒部10aの内径側に第二外径側円筒部14bを内嵌すると共に、第一内径側円筒部9aの外径側に第二内径側円筒部13aを外嵌した状態で組み合わせている。そして、前記第一内径側円筒部9aの先端縁を径方向外方に折り曲げて、前記両保持器素子5b、6b同士の分離防止を図っている。
これら両保持器素子5b、6b同士を組み合わせて前記保持器3bとした状態で、これら両保持器素子5b、6bを構成する第一、第二両円輪部8b、12b同士の間隔が、内径側から外径側に向かうに従って漸減する。即ち、前記保持器3bの軸方向に関する厚さ寸法が、内径側端部で外径側端部よりも大きい。この様な保持器3bに、転動面の直径が変化しないころ2a(円筒ころ)を、大きながたつきなく(スキューを抑えた状態で)転動自在に保持する為に、前記両円輪部8b、12bに形成する、ポケット7bを構成する為の第一、第二各透孔11b、15bの形状を、円周方向に関する幅が径方向外方に向かうに従って大きくなる方向に傾斜したテーパ形状(縦長の等脚台形状)としている。前記各第一、第二各透孔11b、15bの形状をこの様にする事で、前記両円輪部8b、12bの傾斜に拘らず、前記各ポケット7bの円周方向側縁と前記各ころ2aの転動面との距離を、径方向に関してほぼ{これら各ころ2aの姿勢を安定させる(スキューを防止できる)程度に}均一にしている。尚、前記各透孔11b、15bの径方向中間部に、潤滑油を流通させる為の切り欠きを形成し、これら各透孔11b、15bの円周方向に関する幅寸法を、径方向中間部で、両端部に比べて大きくする事もできる。
本例のスラストころ軸受1bの場合には、上述の様な保持器3bのポケット7b内に前記各ころ2aを組み込んだ状態で、これら各ころ2aの転動面を、図2に示す様に、スラストレース24の軸方向側面である、スラスト軌道面25に転がり接触させる。尚、スラスト軌道面25は、前記各ころ2aを挟む状態で1対設けるが、これら両スラスト軌道面25同士の間隔は、前記保持器3bの内径側端部の軸方向寸法(厚さ)よりも大きい。従って、この保持器3bは、前記両スラスト軌道面25同士の間に、回転自在に配置された状態となる。
前記保持器3bの軸方向位置は、前記各ポケット7bの円周方向両側縁と前記各ころ2aの転動面との間のポケット隙間の存在に基づいて若干変位する。そして、この変位の結果、前記保持器3bの軸方向側面のうちの内径側端部が、何れかのスラスト軌道面25に当接若しくは近接対向し、当該部分に油膜が、これら両面同士の間に掛け渡される状態で形成される可能性がある。この様に油膜が形成された場合でも、前記内径側端部を除いた部分では、上記両面同士は、これら両面同士の間に掛け渡される様な油膜が形成されない程度に、十分に離隔する。従って、前記保持器3bの軸方向側面と前記スラスト軌道面25との間に油膜が形成された場合でも、この油膜の面積を抑えられて、この油膜に基づく剪断抵抗を低く抑えられて、前記スラストころ軸受1bの回転抵抗を低く抑えられる。
特に本例の場合には、仮に前記油膜が形成されたとしても、この油膜の直径が小さくて済む。従って、次の(1)(2)に示した2通りの理由により、この油膜に基づく、前記スラストころ軸受1bの回転抵抗の増大を、十分に低く抑えられる。
(1) 油膜を挟んで互いに対向する1対の面同士の相対変位速度を低く抑えられる。前記回転抵抗の一因となる油膜の剪断抵抗は、この相対変位速度の増大に伴って著しく大きくなる。従って、この油膜を前記保持器3bの径方向内端部以外に形成されない様にしてこの油膜の直径を小さくし、前記相対変位速度を低く抑える事は、前記剪断抵抗、延いては前記回転抵抗の低減に大きく寄与できる。
(2) この剪断抵抗を発生する部分の直径を小さく抑えられる事で、この剪断抵抗に基づくモーメントのアーム長さを短くできて、このモーメントに基づく前記回転抵抗の増大を抑えられる。
[実施の形態の第2例]
図3〜4は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第1例の場合とは逆に、第一、第二両保持器素子5c、6cの内周縁部に形成した、第一、第二両内径側円筒部9b、13bの高さを、同じく外周縁部に形成した第一、第二両外径側円筒部10b、14cの高さよりも小さくしている。従って、前記両保持器素子5c、6c同士を組み合わせて保持器3cとした状態で、これら両保持器素子5c、6cを構成する第一、第二両円輪部8c、12c同士の間隔が、内径側から外径側に向かうに従って漸増する。即ち、前記保持器3cの軸方向に関する厚さ寸法が、内径側端部で外径側端部よりも小さい。又、前記両円輪部8c、12cに形成するポケット7cを構成する、第一、第二各透孔11c、15cの形状を、円周方向に関する幅が径方向外方に向かうに従って小さくなる方向に傾斜したテーパ形状としている。
上述の様な本例の構造の場合、ポケット隙間の存在に基づいて前記保持器3cが軸方向に変位した場合には、この保持器3cの軸方向側面の外径側端部と、レース24のスラスト軌道面25とが当接若しくは近接する。この様な本例の構造の場合には、前記保持器3cの軸方向側面とスラスト軌道面25との間に油膜が形成された場合、この油膜の直径が、上述した実施の形態の第1例の場合に比べて大きくなる。従って、本例の構造は、この第1例の構造に比べれば、スラストころ軸受1cの回転抵抗低減効果は劣るが、前述の図9に示した従来構造に比べれば、十分に回転抵抗を低減できる。
参考例
図5〜6は、本発明に関する参考例を示している。本参考例の構造の場合には、第一、第二両保持器素子5d、6dを構成する、第一、第二両円輪部8d、12dの径方向中間部を、保持器3dの軸方向に関する厚さ方向の内側に向けて凹ませている。そして、この保持器3dの軸方向に関する厚さ寸法を、径方向中間部で径方向両端部よりも小さくしている。従って、スラストころ軸受1dを組み立てた状態で、前記保持器3dの軸方向両側面と、レース24のスラスト軌道面25とが、前記径方向両端部除き、各ころ2aに対しこの保持器3dが軸方向に変位した状態でも、互いの間に油膜が形成されない程度以上に離隔する。
この様な本参考例の構造の場合には、前記保持器3dの軸方向側面と前記スラスト軌道面25とが、径方向内端部と外端部との2箇所位置で当接若しくは近接する可能性がある為、前記スラストころ軸受1dの回転抵抗低減の面からは、前述した実施の形態の第1例は勿論、上述した実施の形態の第2例の場合に比べても不利になる。但し、前記両円輪部8d、12d同士が、径方向中間部を除いて互いに平行である為、各ポケット7dを構成する為の第一、第二各透孔11d、15dの形状を単純にしても、これら各ポケット7d内に保持した各ころ2aの姿勢を安定させる事ができる。
本発明は、スラストころ軸受の回転抵抗(動トルク)の低減を目的とするものであるから、実施に使用するころとして、少なくとも保持器の径方向に関して外径側の端面を部分球状凸面としたものを使用する事が好ましい。但し、本発明を、前述の図7に示した様な、軸方向端面が平坦なころを組み込んだスラストころ軸受で実施する事もできる。
1、1a、1b、1c、1d スラストころ軸受
2、2a ころ
3、3a、3b、3c、3d 保持器
4a、4b レース
5、5a、5b、5c、5d 第一保持器素子
6、6a、6b、6c、6d 第二保持器素子
7、7a、7b、7c、7d ポケット
8、8a、8b、8c、8d 第一円輪部
9、9a、9b 第一内径側円筒部
10、10a、10b 第一外径側円筒部
11、11a、11b、11c、11d 第一透孔
12、12a、12b、12c、12d 第二円輪部
13、13a、13b 第二内径側円筒部
14、14a、14b、14c 第二外径側円筒部
15、15a、15b、15c、15d 第二透孔
16a、16b フランジ
17a、17b 係止部
18 ケーシング
19 保持部
19a 奥面
20 相手部材
20a 端面
21 端面
22 当接部
23a、23b スラスト軌道面
24 スラストレース
25 スラスト軌道面

Claims (2)

  1. それぞれが放射方向に長いポケットを円周方向複数個所に設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に設けられた複数本のころとを備え、この保持器は第一、第二両保持器素子を軸方向に重ね合わせて成るものであり、このうちの第一保持器素子は、前記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い第一透孔を円周方向複数個所に設けた第一円輪部と、この第一円輪部の内周縁に形成された第一内径側円筒部と、この第一円輪部の外周縁に形成された第一外径側円筒部とを備えたものであり、前記第二保持器素子は、前記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い第二透孔を円周方向に関して前記第一透孔と同ピッチで設けた第二円輪部と、この第二円輪部の内周縁に形成された第二内径側円筒部と、この第二円輪部の外周縁に形成された第二外径側円筒部とを備えたものであり、前記第一、第二両保持器素子は、前記各第一透孔と前記各第二透孔とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、前記第一外径側円筒部の内径側に前記第二外径側円筒部を内嵌すると共に、前記第一内径側円筒部の外径側に前記第二内径側円筒部を外嵌しているスラストころ軸受に於いて、
    前記各ころが円筒ころであり、
    前記第一、第二両円輪部を前記各ころの中心軸に対して互いに反対方向に傾斜させる事により、前記保持器の軸方向に関する厚さ寸法が、内径側端部から外径側端部に向かうに従って漸次小さくなっていて、前記保持器の軸方向両側面と前記各ころの転動面が転がり接触する1対のスラスト軌道面とが、内径側端部を除き、前記各ころに対しこの保持器が軸方向に変位した状態でも、これら互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔していると共に、前記各ポケットの円周方向に関する幅寸法が外径側端部から内径側端部に向かうに従って漸次小さくなっていて、前記各ころの転動面と前記各ポケットの円周方向側縁との距離が径方向に関して実質的に均一である、
    事を特徴とするスラストころ軸受。
  2. それぞれが放射方向に長いポケットを円周方向複数個所に設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に設けられた複数本のころとを備え、この保持器は第一、第二両保持器素子を軸方向に重ね合わせて成るものであり、このうちの第一保持器素子は、前記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い第一透孔を円周方向複数個所に設けた第一円輪部と、この第一円輪部の内周縁に形成された第一内径側円筒部と、この第一円輪部の外周縁に形成された第一外径側円筒部とを備えたものであり、前記第二保持器素子は、前記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い第二透孔を円周方向に関して前記第一透孔と同ピッチで設けた第二円輪部と、この第二円輪部の内周縁に形成された第二内径側円筒部と、この第二円輪部の外周縁に形成された第二外径側円筒部とを備えたものであり、前記第一、第二両保持器素子は、前記各第一透孔と前記各第二透孔とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、前記第一外径側円筒部の内径側に前記第二外径側円筒部を内嵌すると共に、前記第一内径側円筒部の外径側に前記第二内径側円筒部を外嵌しているスラストころ軸受に於いて、
    前記各ころが円筒ころであり、
    前記第一、第二両円輪部を前記各ころの中心軸に対して互いに反対方向に傾斜させる事により、前記保持器の軸方向に関する厚さ寸法が、外径側端部から内径側端部に向かうに従って漸次小さくなっていて、前記保持器の軸方向両側面と前記各ころの転動面が転がり接触する1対のスラスト軌道面とが、外径側端部を除き、前記各ころに対しこの保持器が軸方向に変位した状態でも、これら互いに軸方向に対向する面同士の間に油膜が形成されない程度以上に離隔していると共に、前記各ポケットの円周方向に関する幅寸法が内径側端部から外径側端部に向かうに従って漸次小さくなっていて、前記各ころの転動面と前記各ポケットの円周方向側縁との距離が径方向に関して実質的に均一である、
    事を特徴とするスラストころ軸受。
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