JP4305187B2 - スラストころ軸受 - Google Patents

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Description

この発明に係るスラストころ軸受(スラストニードル軸受を含む)は、自動車のトランスミッションの回転部分に加わるスラスト荷重を支承する為、この回転部分に組み付けた状態で利用する。
トランスミッション等の回転部分にはスラストころ軸受を装着して、回転軸等に加わるスラスト荷重を支承する様にしている。図7は、この様な回転部分に使用されるスラストころ軸受の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。このスラストころ軸受1は、放射方向に配列された複数のころ2(ニードルを含む)と、このころ2を保持する保持器3と、上記複数のころ2を両側から挟持する1対のレース4a、4bとから成る。上記保持器3は、それぞれが断面コ字形で全体を円輪状に造られた第一、第二両保持器素子5、6を最中状に組み合わせて成り、図8に示す様に、上記ころ2と同数のポケット7、7を、放射状に配列して成る。
上記第一保持器素子5は、鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第一円輪部8の内外両周縁に、第一内径側円筒部9と第一外径側円筒部10とを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第一円輪部8の円周方向複数個所に、上記各ポケット7、7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔11を設けている。又、上記第二保持器素子6は、やはり鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第二円輪部12の内外両周縁に、第二内径側円筒部13と第二外径側円筒部14とを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第二円輪部12の円周方向複数個所に、上記各ポケット7、7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔15を設けている。それぞれがこの様な構成を有する、上記第一、第二両保持器素子5、6は、上記各第一透孔11と上記各第二透孔15とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部10の内径側に上記第二外径側円筒部14を内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部9の外径側に上記第二内径側円筒部13を外嵌した状態で組み合わせる。そして、この第一内径側円筒部9の先端縁を径方向外方に折り曲げる等により、互いの分離を防止する。
又、前記各レース4a、4bは、それぞれが十分な硬度を有する金属板により円輪状に造られている。一般的に内輪と呼ばれる一方(図7の左方)のレース4aの内周縁、並びに一般的に外輪と呼ばれる他方(図7の右方)のレース4bの外周縁には、それぞれ短円筒状の折り立て壁16a、16bを形成している。そして、このうちの折り立て壁16aの先端部複数個所は径方向外方に、折り立て壁16bの先端部複数個所は径方向内方に、それぞれ折り曲げる事で、係止部17a、17bとしている。そして、これら各係止部17a、17bと上記保持器3の内周縁或は外周縁とを互いに係合させて、上記スラストころ軸受1の構成部品同士を互いに不離に結合している。
上述の様に構成されるスラストころ軸受1は、例えば図7に示す様に、上記外輪と呼ばれるレース4bの外周縁に形成した折り立て壁16bを、ケーシング18に形成した円形凹部である保持部19に内嵌した状態で、スラスト荷重が発生する回転部分に装着する。この状態で上記レース4bの右面は上記保持部19の奥面19aに当接し、他方のレース4aの左面は相手部材20の端面20aに当接する。この結果、この相手部材20がケーシング18に対し回転自在に支持されると共に、これら両部材20、18同士の間に作用するスラスト荷重が支承される。尚、上記奥面19a又は上記端面20aを軌道面とし、上記各レース4a、4bのうちの一方又は双方を省略する場合もある。
上述の様なスラストころ軸受1の使用時に各ころ2には、遠心力に基づいて保持器3の径方向外方に向いた力が加わる。そして、この力により上記各ころ2の軸方向両端面のうち、上記保持器3の径方向外側となる外径側端面21が、前記各ポケット7、7を構成する前記第一、第二両透孔11、15の周縁部のうち、上記保持器3の径方向外側となる外径側周縁部22a、22bに押し付けられる。但し、上記外径側端面21はこれら両外径側周縁部22a、22bに均等に押し付けられる訳ではない。実際の場合に上記外径側端面21は、製造誤差や保持器3の軸方向(図7の左右方向)の変位に基づき、上記両外径側周縁部22a、22bのうちの何れか一方の外径側周縁部22a(又は22b)に押し付けられた状態で、互いに摺接する。
この摺接部の面圧Pは、上記スラストころ軸受1の使用回転速度が速くなり、上記遠心力が大きくなる程高くなる。又、上記摺接部は、上記各ころ2の中心軸線上から離れた位置に存在するので、上記外径側周縁部22a(又は22b)と上記外径側端面21との滑り速度Vは、或る程度速くなる。この様に、上記摺接部に於いて、面圧Pと滑り速度Vとの積であり、摩耗に対する影響を示すパラメータとして広く知られているPV値が大きくなる。この結果、図9に示す様に、上記外径側周縁部22a(又は22b)に、摩耗に基づく凹み23、23が形成される場合がある。この様な凹み23、23が大きくなると、各ポケット7、7内に保持されたころ2、2が、当該凹み23、23が形成された第一円輪部8(又は第二円輪部12)の裏側に潜り込み、上記各ころ2、2の転動が円滑に行なわれなくなる。同時に、上記保持器3の片側面(図7に示した、前記第一保持器素子5の右側面又は、前記第二保持器素子6の左側面)が、相手面であるレース4a又は4bの側面に押し付けられ、これら保持器3がレース4a又は4bに対して相対回転する事に対する抵抗が大きくなる。この結果、上記スラストころ軸受1を組み込んだトランスミッション等の機械装置の効率が悪化するだけでなく、著しい場合には焼き付き等の損傷により、この機械装置が正常に作動しなくなる可能性がある。
この様な不都合を生じる摩耗は、近年に於ける自動車の性能向上により、トランスミッションの回転部分の回転速度が速くなる事に伴い、従来に比べて発生し易くなっている。又、上記摩耗は、上記各ポケット7、7内での上記各ころ2、2の動き量が多い程、発生し易い事が、本発明者の研究により分かった。この点に就いて、図10〜11を参照しつつ説明する。図10に示す様に第一、第二両保持器素子5、6を組み合わせて成る保持器3のポケット7内に保持したころ2は、図11に示す様に、このポケット7内でこの保持器3の軸方向(図10〜11の左右方向)にL分だけ変位する。そして、この変位量Lは、上記ころ2の転動面と上記ポケット7の内周縁との間の隙間が大きい程多くなる。尚、上記変位量Lは、上記保持器3を、何れもその中心軸を鉛直方向に位置させた状態に、180度反転させる事により測定する。例えば、図11の右面を基準面として考えた場合、この基準面を下にした状態では、上記ころ2が、この基準面から△L1 分出っ張り(出っ張り量=△L1 )、この基準面を上にした状態では、このころ2が、この基準面から△L2 分引っ込む(落ち量=△L2 )。上記変位量Lは、この様な出っ張り量△L1 と落ち量△L2 との和になる(L=△L1 +△L2 )。
そして、上記変位量Lが上記摩耗の発生に大きく影響する事が、本発明者が行なった実験の結果分かった。この実験に使用したスラストころ軸受は、各ころ2の直径が2mm、同じく軸方向長さが4.2mm、同じくピッチ円直径が59.465mmである。この様なスラストころ軸受を、1455Nのスラスト荷重を付与し、潤滑油の温度を125℃とした状態で、10200min-1 で6時間回転させた。この様な条件で行なった実験の結果を、図12に示す。この図12中、符号「◆」を付した上側の線は上記出っ張り量△L1 を、同じく符号「■」を付した下側の線は上記落ち量△L2 を、それぞれ表している。そして、位置を示す番号1〜21を付した21個のポケットのうち、位置4のポケットと位置20のポケットとに、ころ2の潜り込みに結び付く程の摩耗が発生し、それ以外のポケットには、それ程の摩耗は発生しなかった。尚、各ころ2の直径が3mm、長さが5.8mm、ピッチ円直径が49.87mmのものに就いても、同様の実験結果を得られた。
上記位置4、20のポケットは、他のポケットに比べて、ころ2の変位量L(=△L1 +△L2 )が多く、それが上記摩耗に結び付いたものと考えられる。即ち、この変位量Lが大きくなる事は、当該ポケット7内で上記ころ2が変位し易く、このころ2の回転中心と前記保持器3の径方向とが不一致になる、所謂スキューが発生し易い事に結び付く。尚、この様なスキューが発生せず、上記ころ2の回転中心と前記保持器3の径方向とが一致している場合には、ころ2の自転に伴ってこのころ2が移動する方向は上記保持器3の回転方向に一致し、この保持器3の径方向の成分は存在しない。これに対して、スキューが発生すると、上記ころ2の自転に伴ってこのころ2が移動する方向に応じ、上記保持器3の径方向の成分が生じる。そして、この径方向成分がこの保持器3の径方向外方に向くと、前記遠心力に基づく力と足し合わされて、前記外径側端面21と前記外径側周縁部22a(又は22b)との摺接部の面圧が高くなり、上記摩耗が発生するものと考えられる。
尚、特許文献2には、保持器の外径側端部で、1対の保持器素子を構成する金属板同士を、保持器の軸方向中央部で重ね合わせた構造が記載されている。この様な特許文献2に記載された構造によれば、上述の様な摩耗によるころの潜り込みを防止できるものと考えられる。但し、上記特許文献2に記載された構造の場合には、保持器の外周面の面積が狭く、この外周面と対向する相手面がこの外周面との摩擦で摩耗する可能性がある等、使用部位が限られる。又、上記金属板同士の重ね合わせ部をスポット溶接する必要がある等、製造コストが嵩むものと考えられる。
又、特許文献3には、1枚の金属板を断面波形に形成して成る保持器を備えたスラストころ軸受が記載されている。この様な特許文献3に記載された構造によれば、ポケットの形成位置を適切に工夫する事で、やはり、上述の様な摩耗によるころの潜り込みを防止できるものと考えられる。但し、上記特許文献3に記載された構造は、本願発明の対象となる構造と大きく相違する。従って、図7、10に示す様な構造を有する保持器3を造る為に従来から備えられた設備を利用しつつ、上記摩耗防止を図れる構造を得られるものではない。この点は、上記特許文献2に記載された構造の場合も同様である。
特開平8−109925号公報 特開2003−172346号公報 特開2002−206525号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、図7、10に示す様な構造を有する保持器を造る為に従来から備えられている設備を利用しつつ、この保持器に設けたポケットの内周縁の摩耗防止を図れる構造を得るべく発明したものである。
本発明のスラストころ軸受は、それぞれが放射方向に長い矩形のポケットを円周方向複数個所に設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に設けられた複数本のころとを備える。そして、この保持器は、第一、第二両保持器素子を軸方向に重ね合わせて成るものである。
このうちの第一保持器素子は、上記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔を円周方向複数個所に設けた第一円輪部と、この第一円輪部の内周縁に形成された第一内径側円筒部と、この第一円輪部の外周縁に形成された第一外径側円筒部とを備えたものである。
又、上記第二保持器素子は、上記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔を円周方向に関して上記第一透孔と同ピッチで設けた第二円輪部と、この第二円輪部の内周縁に形成された第二内径側円筒部と、この第二円輪部の外周縁に形成された第二外径側円筒部とを備えたものである。
そして、上記第一、第二両保持器素子は、上記各第一透孔と上記各第二透孔とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部の内径側に上記第二外径側円筒部を内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部の外径側に上記第二内径側円筒部を外嵌した状態で組み合わせている。
特に、本発明のスラストころ軸受に於いては、上記各ころの軸方向両端面を、これら各ころの中心軸上にその曲率中心を有する球状凸面としている。これと共に、上記第二外径側円筒部と上記第二内径側円筒部とのうちの一方の円筒部の円周方向に関して一部で、上記各ポケットの径方向端部に位置する部分を除去する事により、これら各ポケット内に保持した上記各ころの軸方向両端面のうちで、上記保持器の径方向に関して、上記一部を除去した円筒部側となる端面を、この一部を除去した円筒部と嵌合する、上記第一外径側円筒部の内周面又は上記第一内径側円筒部の外周面に、当該周面と上記各ころの軸方向端面とが当接可能な状態で対向させている。
上述の様に構成する本発明のスラストころ軸受の場合には、第二外径側円筒部と第二内径側円筒部とのうちの一方の円筒部の円周方向に関して一部で、上記各ポケットの径方向端部に位置する部分を除去する分、保持器の径方向に関する各ポケットの長さ寸法、延いてはこれら各ポケット内に保持する各ころの軸方向寸法を長くして、スラストころ軸受の負荷容量の増大を図れる。
又、上記各ころの外径側端面の中心部と第一外径側円筒部の内周面とが当接する事で、これら各ころの外径側端面の中心から外れた部分と第一、第二両透孔の外径側周縁部とが擦れ合う事を防止できる。上記中心部の滑り速度は低い為、PV値は低く抑えられ、上記外径側端面の中心部と上記第一外径側円筒部の内周面との当接部の摩耗は軽微に抑えられる。
更に、請求項2に記載した発明の場合には、各ポケット内での各ころの、保持器の軸方向に関する変位量を低く抑える事で、これら各ころが大きくスキューする事を防止できる。この結果、これら各ころがスキューする事に基づき、これら各ころの外径側端面と第一、第二両透孔の周縁部との擦れ合い部の面圧が高くなる事を抑えられる。この結果、この擦れ合い部のPV値の上昇を抑えて、上記両透孔の周縁部に、ころの潜り込みに結び付く程の摩耗が発生する事を防止できる。
又、本発明は、前述の図7、10に示す様な構造に適用できる為、この様な構造を有する保持器を造る為に従来から備えられている設備を利用しつつ、保持器のポケットの内周縁の摩耗防止を図れる。
図1〜2は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例のスラストころ軸受1aを構成する保持器3aは、それぞれが断面コ字形で全体を円輪状に造られた第一、第二両保持器素子5a、6aを最中状に組み合わせて成り、前述の図8に示す様に、ころ2aと同数のポケット7を、上記保持器3aの中心に関して放射状に配列して成る。又、上記保持器3aの径方向に関して、上記各ころ2aの外径側、内径側両端面21a、24は、それぞれ、これら各ころ2aの中心軸α上にその曲率中心を有する球状凸面としている。従って、上記外径側、内径側両端面21a、24は、それぞれの中央部が、最も軸方向に突出している。
上記第一保持器素子5aは、鋼板、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第一円輪部8aの内外両周縁に、第一内径側円筒部9aと第一外径側円筒部10aとを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第一円輪部8aの円周方向複数個所に、上記各ポケット7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔11aを設けている。又、上記第二保持器素子6aは、やはり鋼板、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施す事により造られたもので、第二円輪部12aの内外両周縁に、第二内径側円筒部13aと第二外径側円筒部14aとを、互いに同心に形成して成る。そして、このうちの第二円輪部12aの円周方向複数個所に、上記各ポケット7を構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔15aを設けている。それぞれがこの様な構成を有する、上記第一、第二両保持器素子5a、6aは、上記各第一透孔11aと上記各第二透孔15aとを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部10aの内径側に上記第二外径側円筒部14aを内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部9aの外径側に上記第二内径側円筒部13aを外嵌した状態で組み合わせる。そして、各円筒部10a、14a、9a、13a同士の嵌合状態を締り嵌めにする事により、或はこのうちの第一外径側円筒部10aの先端縁を径方向内方に折り曲げる等により、互いの分離を防止する。
本参考例の場合、上記第一、第二両透孔11a、15aを、前述の図7、8、10に記載した従来構造に比べて、それぞれ第一、第二両円輪部8a、12aの径方向外寄り部分に形成している。この為に本参考例の場合、上記第二透孔15aは、上記第二円輪部12aの外周縁まで開口している。そして、上記各ポケット7内に保持した上記各ころ2aが上記保持器3aの径方向に関して最も外側に変位した状態で、上記外径側端面21aの中心部と上記第二外径側円筒部14aの内周面とが当接する様にしている。又、上記第一、第二両円輪部8a、12a同士の間隔D、上記保持器3aの円周方向に関する上記各第一透孔11aの幅W11、同じく上記各第二透孔15aの幅W15を適切に規制する事により、上記各ポケット7内での上記各ころ2aの転動(自転)を自在としつつ、これら各ポケット7内でのこれら各ころ2aの、上記保持器3aの軸方向に関する変位量L(=△L1 +△L2 、前述の図11参照)を、総てのポケット7内での総てのころ2aに関して0.7mm以下に抑えている。
上述の様に構成する本参考例のスラストころ軸受1aの場合には、上記各ころ2aの外径側端面21aと、上記各ポケット7を構成する第一、第二両透孔11a、15aの周縁部のうち、上記保持器3aの径方向外側となる外径側周縁部25a、25bとが擦れ合う事を防止するか、擦れ合った場合でも擦れ合い部分(摺接部)のPV値を低く抑えられる。即ち、上記各ころ2aの外径側端面21aの中心部と上記第二外径側円筒部14aの内周面とが、図2に小さな破線丸印で示した当接部26部分で当接する事により、上記各ころ2aの外径側端面21aの中心から外れた部分と上記第一、第二両透孔11a、15aの周縁部とが擦れ合う事を防止する。上記当接部26に対応する中心部の滑り速度Vは低い為、上記PV値は低く抑えられ、上記外径側端面21aの中心部と上記第二外径側円筒部14aの内周面との当接部の摩耗は軽微に抑えられる。
しかも本参考例の場合には、上記変位量Lを0.7mm以下に抑えている為、上記各ポケット7内での上記各ころ2aの変位を抑えられる。そして、これら各ころ2aが大きくスキューする事を防止できる。この結果、仮に上記外径側端面21aと上記各外径側周縁部25a、25bとが近接していて、上記各ころ2aがスキューする事に基づき、これら各ころ2aの外径側端面21aと上記各外径側周縁部25a、25bとが擦れ合ったとしても、この擦れ合い部の面圧が高くなる事を抑えられる。この結果、この擦れ合い部のPV値の上昇を抑えて、上記両透孔11a、15aの周縁部に、上記各ころ2aの潜り込みに結び付く程の摩耗が発生する事を防止できる。この場合に、好ましくは、上記保持器3aの軸方向の位置を上記各ポケット7の縁部と上記各ころ2aの転動面とで規制する、所謂ころ持たせの構造とする事が好ましい。ころ持たせの構造を採用すれば、上記各ころ2aのスキューをより有効に防止できる。尚、ころ持たせの構造を採用した場合には、これら各ころ2aの一部が、常に上記保持器3aの軸方向両端面から突出した状態となる。従って、前記変位量Lを表す式中の△L2 は、負の値になる(図11中の△L2 が、基準面に対し△L1 と同じ側に存在する)。
更に本参考例の場合、前述の図7、10に示す様な構造を有する保持器を造る為に従来から備えられた設備を利用する事ができる。従って、実施に伴う製造コストの増大を抑えられる。
尚、上記各ころ2aの外径側端面21aの中心部と上記第二外径側円筒部14aの内周面とを上記当接部26部分で当接させる様に構成すれば、必ずしも上記変位量Lを0.7mm以下に抑える必要はない。
図3は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、保持器3bを構成する第一保持器素子5bと第二保持器素子6bとを非分離に結合する為に、第一内径側円筒部9bの先端縁を径方向外方に折り曲げている。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第1例と同様である。
図4〜5は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、第二保持器素子6cの外周縁部に形成した第二外径側円筒部14bのうちの円周方向の一部で、各ポケット7a、7aの外径側端部に位置する部分を除去している。従って、上記第二外径側円筒部14bは、除肉部と肉部とが交互に繰り返される、欠円筒状に形成されている。このうちの除肉部が、上記各ポケット7a、7aの外径側端部に位置する。
この様な構成により、上記各ポケット7a、7a内に保持したころ2bの軸方向端面(保持器3cの径方向に関して外径側端部)を、第一外径側円筒部10aの内周面に対向させている。上記各ころ2bが上記各ポケット7a、7a内で、保持器3cの径方向に関して外径側端部に迄変位すると、上記各ころ2bの端面と上記第一外径側円筒部10aの内周面とが当接する。
本例の場合、上述の様な構成を採用する事により、上記保持器3cの径方向に関する、上記各ポケット7a、7aの長さ寸法、延いてはこれら各ポケット7a、7a内に保持する上記各ころ2bの軸方向寸法を(第二外径側円筒部14bの板厚に相当する、図4の鎖線αと実線βとの差△L分)長くして、スラストころ軸受の負荷容量の増大を図れる。尚、第一保持器素子5cの形状に就いても、上記各ころ2bとの干渉を防止すべく、一部を除去する等、適宜の改良を加える。その他の部分の構成及び作用は、前述した参考例の第1例と同様である。
図6は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、第二保持器素子6dの内周縁部に形成した第二内径側円筒部13bのうちの円周方向の一部で、各ポケット7bの内径側端部に位置する部分を除去している。従って、上記第二内径側円筒部13bは、除肉部と肉部とが交互に繰り返される、欠円筒状に形成されている。このうちの除肉部が、上記各ポケット7bの内径側端部に位置する。
この様な構成により、上記各ポケット7b内に保持したころ2cの軸方向端面(保持器3dの径方向に関して内径側端部)を、第一内径側円筒部9aの外周面に対向させている。上記各ころ2cが上記各ポケット7b内で、保持器3dの径方向に関して内径側端部に迄変位すると、上記各ころ2cの端面と上記第一内径側円筒部9aの外周面とが当接する。
本例の場合、上述の様な構成を採用する事により、上記保持器3dの径方向に関する、上記各ポケット7bの長さ寸法、延いてはこれら各ポケット7b内に保持する上記各ころ2cの軸方向寸法を(上記第二内径側円筒部13bの板厚に相当する、図6の鎖線α´と実線β´との差△L´分)長くして、スラストころ軸受の負荷容量の増大を図れる。尚、第一保持器素子5dの形状に就いても、上記各ころ2cとの干渉を防止すべく、一部を除去する等、適宜の改良を加える。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様である。
本発明のスラストころ軸受は、自動車用トランスミッションの回転支持部に限らず、例えばカーエアコン用のコンプレッサの回転支持部等、スラスト荷重を支承しつつ高速回転する各種回転支持部に適用できる。
本発明に関する参考例の第1例を示す部分断面図。 図1のA−A断面図。 本発明に関する参考例の第2例を示す部分断面図。 本発明の実施の形態の第1例を示す部分断面図。 同じく保持器を取り出して示す部分斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面図。 従来構造の1例を回転支持部への組み付け状態で示す部分断面図。 保持器を取り出して図7の側方から見た図。 ころによる保持器の摩耗状態の1例を示す、図8のB部拡大図。 保持器の摩耗の原因を知る為に行なった実験に就いて説明する為の、スラストころ軸受を構成する保持器ところとの部分断面図。 図10のC−C断面図。 実験結果を示すグラフ。
1、1a スラストころ軸受
2、2a、2b、2c ころ
3、3a、3b、3c、3d 保持器
4a、4b レース
5、5a、5b、5c、5d 第一保持器素子
6、6a、6b、6c、6d 第二保持器素子
7、7a、7b ポケット
8、8a 第一円輪部
9、9a、9b 第一内径側円筒部
10、10a 第一外径側円筒部
11、11a 第一透孔
12、12a 第二円輪部
13、13a、13b 第二内径側円筒部
14、14a、14b 第二外径側円筒部
15、15a 第二透孔
16a、16b 折り立て壁
17a、17b 係止部
18 ケーシング
19 保持部
19a 奥面
20 相手部材
20a 端面
21、21a 外径側端面
22a、22b 外径側周縁部
23 凹み
24 内径側端面
25a、25b 外径側周縁部
26 当接部

Claims (2)

  1. それぞれが放射方向に長い矩形のポケットを円周方向複数個所に設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に設けられた複数本のころとを備え、この保持器は第一、第二両保持器素子を軸方向に重ね合わせて成るものであり、このうちの第一保持器素子は、上記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第一透孔を円周方向複数個所に設けた第一円輪部と、この第一円輪部の内周縁に形成された第一内径側円筒部と、この第一円輪部の外周縁に形成された第一外径側円筒部とを備えたものであり、上記第二保持器素子は、上記各ポケットを構成する為の、それぞれが放射方向に長い矩形の第二透孔を円周方向に関して上記第一透孔と同ピッチで設けた第二円輪部と、この第二円輪部の内周縁に形成された第二内径側円筒部と、この第二円輪部の外周縁に形成された第二外径側円筒部とを備えたものであり、上記第一、第二両保持器素子は、上記各第一透孔と上記各第二透孔とを軸方向に関して互いに整合させた状態で、上記第一外径側円筒部の内径側に上記第二外径側円筒部を内嵌すると共に、上記第一内径側円筒部の外径側に上記第二内径側円筒部を外嵌しているスラストころ軸受に於いて、上記各ころの軸方向両端面を、これら各ころの中心軸上にその曲率中心を有する球状凸面とすると共に、上記第二外径側円筒部と上記第二内径側円筒部とのうちの一方の円筒部の円周方向に関して一部で、上記各ポケットの径方向端部に位置する部分を除去する事により、これら各ポケット内に保持した上記各ころの軸方向両端面のうちで、上記保持器の径方向に関して、上記一部を除去した円筒部側となる端面を、この一部を除去した円筒部と嵌合する、上記第一外径側円筒部の内周面又は上記第一内径側円筒部の外周面に、当該周面と上記各ころの軸方向端面とが当接可能な状態で対向させている事を特徴とするスラストころ軸受。
  2. 各ポケット内での各ころの、保持器の軸方向に関する変位量を、総てのポケット内での総てのころに関して0.7mm以下に抑えた、請求項1に記載したスラストころ軸受。
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