JP2006038048A - 円筒ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トルクの低減を図れる構造で、振動及び騒音の低減と耐久性の向上とを図る。【解決手段】 保持器4bを構成する各柱部10aを、1対のころ案内部12a、12aと、1対の傾斜部13a、13aと、ころ落ち防止部14とにより構成する。このうちの各ころ案内部12a、12aの円周方向に関する幅を、各リム部9、9との連結部から傾斜部13a、13aとの連結部に向かうに従って徐々に小さくする。又、これら各ころ案内部12a、12aで、各リム部9、9との連結部での円周方向に関する幅をb1 とし、各傾斜部13a、13aとの連結部での円周方向に関する幅をb2 とした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす様に、各ころ案内部12a、12aの形状を規制する。
【選択図】 図2
【選択図】 図2
Description
この発明に係る円筒ころ軸受は、例えば各種回転機械装置の回転軸を、ハウジング等の固定部分に対し回転自在に支持する為に使用する。特に本発明は、各円筒ころの転動面にクラウニング加工を施した構造に於いて、これら各円筒ころを保持する為の保持器のうち、これら各円筒ころを案内する案内部の改良を図るものである。
従来から、中・大型モータや建設機械等の一般産業機械等の比較的大きな荷重が加わる回転機械装置の回転軸を、ハウジング等の固定部分に対し回転自在に支持する為に、ころ軸受が使用されている。図9〜11は、この様なころ軸受の一種である、円筒ころ軸受の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この円筒ころ軸受は、NJ型と呼ばれるもので、互いに同心に組み合わされた内輪1と外輪2との間に、複数の円筒ころ3を転動自在に配置すると共に、保持器4により、これら各円筒ころ3を保持している。
このうちの内輪1は、外周面の中間部に円筒形の内輪軌道5を、同じく一端部(図9の右端部)に外向鍔部6を、それぞれ設けている。又、上記外輪2は、内周面の中間部に円筒形の外輪軌道7を、同じく両端部に内向鍔部8、8を、それぞれ設けている。又、上記複数個の円筒ころ3は、上記保持器4により保持した状態で、上記内輪軌道5と上記外輪軌道7との間に転動自在に設けている。この保持器4は、図10〜11に詳示する様に、所謂プレス保持器であり、軸方向両端に設けられた1対のリム部9、9と、これら両リム部9、9の円周方向複数個所同士を連結する複数の柱部10、10とを備え、円周方向に隣り合う1対の柱部10、10の円周方向側面と上記各リム部9、9の内側面とにより四周を囲まれた部分により、上記各円筒ころ3(図9)を保持する為の複数のポケット11、11を構成している。又、上記各柱部10、10は、軸方向両端寄り部分に上記各リム部9、9から連続する状態で設けられた、1対のころ案内部12、12と、これら各ころ案内部12、12の各リム部9、9と反対側の端部から連続し、上記保持器4の軸方向中央に向かうに従ってこの保持器4の径方向内側に向かう方向に傾斜した1対の傾斜部13、13と、これら両傾斜部13、13同士を連結するころ落ち防止部14とを備えている。又、上記各ころ案内部12、12の、保持器4の円周方向に向いた側面(円周方向側面)を、各円筒ころ3の転動面に対応して凹んだ、所定の曲率半径を有する円弧形の断面形状を有する凹面としている。尚、上記各柱部10、10を構成する、1対の傾斜部13、13と、ころ落ち防止部14とが、請求項に記載した繋ぎ部に対応する。
上述の図9〜11に示した構造の場合、各円筒ころ3の転動面を軸方向のほぼ全長に亙り直径が同じになる様にしていると、これら各円筒ころ3の転動面と内輪、外輪各軌道5、7との接触部の両端に於いて、エッヂロードが発生し易くなる。この様な事情から、図12に示す様に、各円筒ころ3aの転動面にクラウニング加工を施す事が、従来から行なわれている。尚、クラウニング加工とは、各軌道面(外輪軌道7及び内輪軌道5)又は各円筒ころ3aの転動面に、母線の形状が凸状となる様に、少なくとも両端寄り部分に僅かな曲率を持たせる加工を言う。例えば、図12に示す様に、各円筒ころ3aの転動面にクラウニング加工を施した場合には、この転動面と内輪、外輪各軌道5、7との接触部の両端に於けるエッヂロードの発生を防止し、この接触部の応力を平均化する事ができる。尚、図12に示す構造の場合には、各ころ案内部12、12の円周方向側面と、各傾斜部13a、13aの円周方向側面との間に、段差面15、15を設けている。更に、これら各ころ案内部12、12の円周方向側面を、保持器4aの中心軸を含む仮想平面とほぼ一致する形状を有する平坦面としている。
但し、上述の図11〜12に示した各保持器4、4aに、それぞれの転動面にクラウニング加工を施した複数の円筒ころ3aを組み込んだ場合には、使用時に、内、外両輪1、2(図9)の相対回転に伴って、各保持器4、4aのうち、各ころ案内部12、12の円周方向側面と傾斜部13、13又は段差面15、15との連続部である頂部16、16aのみに、上記各円筒ころ3aの転動面が押し付けられる可能性がある。そしてこの場合には、これら円周方向側面と頂部16、16aとの接触部での接触圧が増大する。この為、この接触部に著しい摩耗が生じ易くなる。特に、比較的直径が大きい円筒ころ軸受に於いては、円筒ころ軸受の回転時にこの接触部に作用する力が大きくなる為、潤滑条件が比較的悪い場合には、当該接触部での摩耗がより著しくなり、円筒ころ軸受の振動や騒音を招く原因となる。又、この摩耗が著しくなる場合には、保持器4、4aの表面で著しい荒れを生じて、焼き付き等の損傷を早期に生じる原因ともなる。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に、特許文献2、3が存在する。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に、特許文献2、3が存在する。
本発明の円筒ころ軸受は、上述の様な事情に鑑みて、トルクの低減を図れる構造で、使用時に保持器に各円筒ころの転動面が局部接触する事を抑えて、この保持器の摩耗を抑制する事により、振動及び騒音の低減と、耐久性の向上とを図るべく発明したものである。
本発明の円筒ころ軸受は、外周面に円筒形の内輪軌道を有する内輪と、内周面に円筒形の外輪軌道を有する外輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の円筒ころと、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間に設けられて、これら各円筒ころを転動自在に保持する保持器とを備える。又、これら各円筒ころの転動面に、クラウニング加工を施している。
特に、本発明の円筒ころ軸受に於いては、上記保持器は、軸方向両端に設けられた1対のリム部と、これら両リム部の円周方向複数個所同士を連結する複数の柱部とを備える。又、円周方向に隣り合う1対の柱部の円周方向側面とこれら各リム部の内側面とにより四周を囲まれた部分により、上記各円筒ころを保持する為の複数のポケットを構成している。そして、上記各柱部のうち、少なくとも軸方向両端寄り部分の、上記保持器と同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅を、上記各リム部との連結部からこの保持器の軸方向中央に向かうに従って徐々に小さくしている。
上述の様に構成する本発明の円筒ころ軸受によれば、各円筒ころの転動面にクラウニング加工を施している為、各円筒ころと各軌道との接触部の両端に於けるエッヂロードの発生防止を図れる。しかも、使用時に、保持器を構成する各柱部の軸方向両端寄り部分の円周方向側面に各円筒ころの転動面が押し付けられた場合でも、これら円周方向側面と転動面との接触面積を大きくし易くできる。この為、当該接触部での接触圧を小さくして、上記各柱部の摩耗を抑制できる。従って、振動及び騒音の低減を図れると共に、焼き付き等の損傷が早期に生じる事を防止でき、耐久性の向上を図れる。更に、上記各柱部の摩耗量を少なくできる為、内部に封入するグリース、潤滑油等の潤滑剤にこれら各柱部の摩耗粉が混入される事を抑え、この潤滑材が劣化するのを抑えて、耐久性をより向上できる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、保持器を構成する各柱部を、各リム部から連続する状態で軸方向両端寄り部分に設けられた1対のころ案内部と、これら各ころ案内部の一端同士を連結し、使用時に少なくともころ案内部との連続部を除いて各円筒ころの転動面と接触しない繋ぎ部とを備えたものとし、これら各ころ案内部で、上記各リム部との連結部での上記保持器と同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb1 mmとし、これら各ころ案内部で、上記繋ぎ部との連結部でのこの仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb2 mmとした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす様にする。又、より好ましくは、請求項3に記載した様に、上記繋ぎ部を、上記各ころ案内部の端部から連続し、保持器の軸方向中央に向かうに従ってこの保持器の径方向内側に向かう方向に傾斜した1対の傾斜部と、これら両傾斜部の一端同士を連結するころ落ち防止部とを備えたものとし、上記各ころ案内部で、各リム部との連結部での上記保持器と同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb1 mmとし、上記各ころ案内部で、上記各傾斜部との連結部でのこの仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb2 mmとした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす様にする。
この様な請求項2〜3に記載した構成によれば、円筒ころ軸受の回転時の潤滑性が向上し、摩耗をより抑える事ができる。又、(b1 −b2 )/2が0.06以上の場合には、各円筒ころの転動面と各ころ案内部のリム部側部分の側面との当たりが強くなり、発熱が急激に増大し易くなるが、上述の請求項2〜3に記載した構成によれば、この様な不都合を防止できる。この為、保持器に焼き付き等の損傷が早期に生じる事を防止でき、耐久性をより向上できる。更に、この保持器の摩耗量をより少なくできる為、内部に封入するグリース、潤滑油等の潤滑剤の劣化をより抑える事ができ、耐久性をより向上できる。更に、円筒ころ軸受の振動及び騒音をより抑え易くできる。又、請求項3に記載した構成によれば、保持器に対し各円筒ころの脱落する事を、より有効に防止できる。
又、上述の請求項2〜3に記載した構成を実施する場合により好ましくは、0.005<(b1 −b2 )/2<0.05を、更に好ましくは、0.010<(b1 −b2 )/2<0.035を、満たす様にする。
このより好ましい構成によれば、円筒ころ軸受の振動及び騒音をより抑える事ができると共に、耐久性をより向上させる事ができ、更に好ましい構成によれば、この円筒ころ軸受の振動及び騒音を更に抑える事ができると共に、耐久性を更に向上させる事ができる。
このより好ましい構成によれば、円筒ころ軸受の振動及び騒音をより抑える事ができると共に、耐久性をより向上させる事ができ、更に好ましい構成によれば、この円筒ころ軸受の振動及び騒音を更に抑える事ができると共に、耐久性を更に向上させる事ができる。
図1〜2は、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、各円筒ころ3aの転動面にクラウニング加工を施した構造で、保持器4bを構成する柱部10aの形状を工夫した点にある。その他の構造及び作用は、前述の図9〜12に示した従来の円筒ころ軸受と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の円筒ころ軸受の場合、前述の図12に示した構造の場合と同様に、各円筒ころ3aの転動面に、母線の形状が凸状となる様にクラウニング加工を施している。又、本実施例の場合には、このクラウニング加工による上記転動面の端部の落ち量(転動面をクラウニング加工を施さない、単なる円筒面とした場合に対する、端部の半径方向の落ち込み量)を、凡そ0.010〜0.020mmとしている。又、保持器4bは、鋼板等の金属板にプレス加工を施す事により造った、所謂プレス保持器で、各柱部10aのうち、少なくとも軸方向両端寄り部分の、保持器4bの円周方向(図1の表裏方向、図2の上下方向)に関する幅を、各リム部9、9との連結部からこの保持器4bの軸方向中央に向かうに従って徐々に小さくしている。即ち、本実施例の場合、上記各柱部10aは、軸方向両端寄り部分に各リム部9、9から連続する状態で設けた、1対のころ案内部12a、12aと、これら各ころ案内部12a、12aの、各リム部9、9と反対側の端部から連続し、上記保持器4bの軸方向中央に向かうに従ってこの保持器4bの径方向内側に向かう方向に傾斜した1対の傾斜部13a、13aと、これら両傾斜部13a、13aの一端同士を連結するころ落ち防止部14とを備えている。又、このころ落ち防止部14は、図1に示す様に、上記保持器4bを内、外両輪1、2と同心に配置した状態で、複数の円筒ころ3aのピッチ円上に位置する様にしている。
又、上記各傾斜部13a、13aの、保持器4bの円周方向に関する幅を、ころ案内部12a側端縁からころ落ち防止部14側端縁に向かうに従って徐々に小さくしている。更に、本実施例の場合には、上記各ころ案内部12a、12aの、保持器4bの円周方向両側面を、リム部9側端縁から傾斜部13a側端縁に向かうに従って、柱部10aの幅方向中央に向かう方向にハ字形に傾斜した傾斜面としている。この構成により、上記各ころ案内部12a、12aの、保持器4bの円周方向に関する幅が、上記各リム部9、9との連結部から軸方向中央に向かうに従って徐々に小さくなっている。又、本実施例の場合には、上記各ころ案内部12a、12aで、上記各リム部9、9との連結部での上記円周方向に関する幅をb1 mmとし、これら各ころ案内部12a、12aで、上記各傾斜部13a、13aとの連結部での上記円周方向に関する幅をb2 mmとした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす様に、上記各ころ案内部12a、12aの寸法を規制している。又、より好ましくは、0.005<(b1 −b2 )/2<0.05、例えば(b1 −b2 )/2≒0.045を満たす様に、上記各ころ案内部12a、12aの寸法を規制する。更に好ましくは、0.010<(b1 −b2 )/2<0.035を満たす様に、これら各ころ案内部12a、12aの寸法を規制する。尚、図2に示した二点鎖線は、(b1 −b2 )/2=0である、前述の図12に示した従来構造のころ案内部12の形状を表している。又、上記各傾斜部13a、13aは、使用時に、各円筒ころ3aの転動面と接触する事がない。又、各柱部10aを構成する段差面15、15も、使用時に、少なくともころ案内部12a、12aとの連続部を除いて、各円筒ころ3aの転動面と接触する事がない。
上述の様に構成する本発明の円筒ころ軸受によれば、各円筒ころ3aの転動面にクラウニング加工を施している為、各円筒ころ3aと各軌道5、7との接触部の両端に於けるエッヂロードの発生防止を図れる。しかも、使用時に、保持器4bを構成する各柱部10aのうち、軸方向両端寄り部分の円周方向側面に各円筒ころ3aの転動面が押し付けられた場合でも、これら円周方向側面と転動面との接触部での接触面積を大きくし易くできる。この為、この接触部での接触圧を小さくして、上記各柱部10aの摩耗を抑制できる。従って、円筒ころ軸受の振動及び騒音の低減を図れると共に、焼き付き等の損傷が早期に生じる事を防止でき、耐久性の向上を図れる。更に、上記各柱部10aの摩耗量を少なくできる為、内部に封入するグリース、潤滑油等の潤滑剤にこれら各柱部10aの摩耗粉が混入される事を抑え、この潤滑剤が劣化するのを抑えて、耐久性をより向上できる。
更に、本実施例の場合には、上記各柱部10aを構成する各ころ案内部12a、12aで、上記各リム部9、9との連結部の上記円周方向に関する幅をb1 mmとし、これら各ころ案内部12a、12aで、上記各傾斜部13a、13aとの連結部のこの円周方向に関する幅をb2 mmとした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす様に、各ころ案内部12a、12aの寸法を規制している。この為、円筒ころ軸受の回転時の潤滑性が向上し、上記摩耗をより抑える事ができる。又、(b1 −b2 )/2が0.06以上の場合には、各円筒ころ3aの転動面と各ころ案内部12a、12aのリム部9側部分の側面との当たりが強くなり、発熱が急激に増大し易くなるが、本実施例の場合にはこの様な不都合を防止できる。この為、保持器4bに焼き付き等の損傷が早期に生じる事を防止でき、耐久性をより向上できる。更に、この保持器4bの摩耗量をより少なくできる為、内部に封入するグリース、潤滑油等の潤滑剤の劣化をより抑える事ができ、耐久性をより向上できる。更に、円筒ころ軸受の振動及び騒音をより抑え易くできる。
又、0.005<(b1 −b2 )/2<0.05を満たす様に上記各ころ案内部12a、12aの寸法を規制した場合には、円筒ころ軸受の振動及び騒音をより抑える事ができると共に、耐久性をより向上させる事ができる。更に、0.010<(b1 −b2 )/2<0.035を満たす様に上記各ころ案内部12a、12aの寸法を規制した場合には、円筒ころ軸受の振動及び騒音を更に抑える事ができると共に、耐久性を更に向上させる事ができる。
尚、本実施例の場合には、上記各ころ案内部12a、12aの上記円周方向両側面を、柱部10aの軸方向中央に向かうに従って、この柱部10aの幅方向中央に向かう方向にハ字形に傾斜した傾斜面としている。但し、本発明の円筒ころ軸受は、この様な構造に限定するものではない。例えば、上記各ころ案内部12a、12aの上記円周方向両側面を、リム部9寄り部分で曲率半径が小さく、傾斜部13a寄り部分で曲率半径が大きくなった円弧形の断面形状を有する任意の凹面状としたり、各円筒ころ3の転動面でクラウニング加工を施した部分の一部の形状とほぼ同じ形状を有する凹面状として、上記各ころ案内部12a、12aの、保持器4bと同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅を、上記各リム部9、9との連結部から柱部10aの軸方向中央に向かうに従って徐々に小さくする事もできる。又、本実施例の場合には、NJ型の円筒ころ軸受に本発明を適用した場合に就いて説明した。但し、本発明の円筒ころ軸受がこの様な構造に限定されるものではなく、NU型、NF型等、他の構造の円筒ころ軸受にも適用できる事は勿論である。
次に、本発明者が、本発明を発明するのに先立って行なった実験に就いて説明する。実験は、従来から使用されているプレス保持器を組み込んだNU320EW型の円筒ころ軸受(内径が100mmで、外径が215mmで、幅が47mm)を用いて、図3に示す様に回転速度を変化させる運転試験を行ない、この運転試験の前後での保持器の形状と、円筒ころの転動面の形状とを測定した。即ち、実験では、図3に示す様に、上記円筒ころ軸受の回転速度を、0.5秒間で0〜2880min-1 まで直線的に上昇させ、その後、この回転速度を2880min-1 の一定値に維持した状態で1分間運転し、連続して、この回転速度を0.5s間で0にまで直線的に低下させ、円筒ころ軸受の回転停止を2分間続けるものを1サイクルとした。そして、実験は、試験時間が1000時間に達するまで、このサイクルを連続して繰り返した。その他の実験条件は、次の通りである。
保持器の材料−−−JIS SPHC
付与するラジアル荷重−−−5×104 N
グリース潤滑−−−NSハイリューブ(基油が合成油で、増ちょう剤が金属石けんである協同油脂社製)
グリース封入量−−−軸受内部空間容積の30%(=90g)
保持器の材料−−−JIS SPHC
付与するラジアル荷重−−−5×104 N
グリース潤滑−−−NSハイリューブ(基油が合成油で、増ちょう剤が金属石けんである協同油脂社製)
グリース封入量−−−軸受内部空間容積の30%(=90g)
この様な実験条件の下で行なった実験の結果を、図4〜6に示している。これら各図のうち、図4、5は、保持器を構成する柱部のころ案内部の、この保持器の軸方向に亙る形状の測定結果を示したもので、図4は実験前の形状を、図5は実験後の形状を、それぞれ示している。図4に示した測定結果から明らかな様に、本実験の前の状態で、各ころ案内部の円周方向側面は、柱部の軸方向中央側で円筒ころ側に突出している。又、図6は、円筒ころの転動面の母線形状の測定結果を示している。尚、図4〜6に於いて、1目盛りは5mm幅を表しており、横方向の1目盛りは実際の測定値の1/5である1mmを、縦方向の1目盛りは実際の測定値の1/1000である5μmを、それぞれ表している。従って、図4〜6では、縦方向の寸法が横方向の寸法に対し、200倍大きくなっている。図6から、上記各円筒ころの、クラウニング加工による転動面の落ち量は、凡そ0.010〜0.020mmであった。
上記図4〜6に示した実験結果から明らかな様に、図5に示した実験後のころ案内部の円周方向側面の形状は、図6に示した円筒ころの転動面の母線形状を、上下ほぼ逆にした場合の形状とほぼ重なった。この様な実験の結果から、ころ案内部の円周方向側面は、円筒ころが押し付けられる事により摩耗するが、この円周方向側面の形状と円筒ころの転動面の母線形状とがほぼ重なる様になった時点で摩耗が止まる事を確認できた。又、この様に摩耗が止まる理由は、ころ案内部の円周方向側面の形状が円筒ころの転動面の母線形状に近づく事で、これら円周方向側面と転動面との接触部での面圧を小さくできる為であると考えられる。この様な実験結果から、本発明者は、上記ころ案内部の円周方向側面の形状を、円筒ころの転動面の母線形状に近付ける事ができれば、保持器の各柱部の摩耗を抑制できると考え、本発明を発明するに至った。
次に、本発明者が本実施例の効果を確認する為に行なった第一の実験の結果に就いて説明する。実験は、保持器4bを組み込んだNU320EW型の円筒ころ軸受(内径が100mmで、外径が215mmで、幅が47mm)を用いて、各柱部10aを構成する各ころ案内部12a、12aで、各リム部9、9との連結部での保持器4bの円周方向に関する幅をb1 mm(図2)とし、これら各ころ案内部12a、12aで、各傾斜部13a、13aとの連結部での上記円周方向に関する幅をb2 mm(図2)とした場合に、(b1 −b2 )/2の値を種々に変えつつ、円筒ころ軸受を構成する外輪2の温度を測定した。本実験のその他の条件は次の通りである。
保持器4bの材料−−−JIS SPHC
回転数(回転速度)−−−2880min-1
付与するラジアル荷重−−−5×104 N
潤滑−−−VG68(鉱油)による油浴潤滑
油面−−−複数の円筒ころ3aのピッチ円の最下端位置
又、保持器4bとして、(b1 −b2 )/2が、(1)従来構造に対応する0、(2)0.005、(3)0.025、(4)0.035、(5)0.065の何れかになる、5種類の構造を使用した。又、実験は、外輪2の温度がほぼ一定になるまで行なった。
保持器4bの材料−−−JIS SPHC
回転数(回転速度)−−−2880min-1
付与するラジアル荷重−−−5×104 N
潤滑−−−VG68(鉱油)による油浴潤滑
油面−−−複数の円筒ころ3aのピッチ円の最下端位置
又、保持器4bとして、(b1 −b2 )/2が、(1)従来構造に対応する0、(2)0.005、(3)0.025、(4)0.035、(5)0.065の何れかになる、5種類の構造を使用した。又、実験は、外輪2の温度がほぼ一定になるまで行なった。
図7に、この様にして行なった実験結果を、(b1 −b2 )/2と外輪2の温度との関係で示している。尚、この図7で、実線及び二点鎖線は、外輪2の実験後の温度を表している。又、この図7には、(b1 −b2 )/2が上記(1)〜(5)の何れかになる、保持器を使用した5種類の円筒ころ軸受で、前述の図3に示した様な加減速を行なうサイクルを、1000時間に達するまで繰り返し、各ころ案内部12a、12aの摩耗量を測定した実験結果を合わせて示している。図7中の点線が、この摩耗量を測定した実験結果を表している。又、この図7の右側の縦軸は、(b1 −b2 )/2=0.025の保持器を使用した円筒ころ軸受での、実験開始から1000時間経過後の各ころ案内部12a、12aの摩耗量を1とした場合の摩耗量の相対値を表している。図7に示した実験結果から明らかな様に、(b1 −b2 )/2が、0〜0.045程度の範囲では、外輪2の温度はあまり上昇しない(上昇量が3〜5℃程度に納まる)が、(b1 −b2 )/2が0.06以上になると、外輪2の温度上昇が7〜10℃を越えて大きくなる。この理由は、(b1 −b2 )/2が大きくなる事で、各円筒ころ3の転動面が各ころ案内部12a、12aの円周方向側面と傾斜部13a、13aとの連続部に局部接触する事はなくなるが、逆に、この転動面と各ころ案内部12a、12aのリム部9寄りの部分の円周方向側面との当たりが強くなり、各円筒ころ3の端面と保持器4bのリム部9周辺部との間の潤滑性が悪化して、発熱が急激に増大する為であると考えられる。
次に、本実施例の効果を確認すべく行なった第二の実験の結果に就いて説明する。本実験では、NU320EW型の円筒ころ軸受(内径が100mmで、外径が215mmで、幅が47mm)で、前述の図12に示した従来構造の保持器4aを組み込んだもの(従来品)と、図1〜2に示した本実施例の構造の保持器4bを組み込んだもの(実施品)との2種類を用いて、各保持器4a、4bの各ころ案内部12、12aの円周方向側面の摩耗量と、経過時間との関係を求めた。又、本実験では、前述の図4〜6にその測定結果を示した実験の場合と同様に、前述の図3に示した、0〜2880min-1 の範囲で加減速を行なうサイクルを、1000時間に達するまで繰り返した。その他の実験条件は次の通りである。
付与するラジアル荷重−−−5×104 N
グリース潤滑−−−NSハイリューブ(基油が合成油で、増ちょう剤が金属石けんである協同油脂社製)
グリース封入量−−−軸受内部空間容積の30%(=90g)
(b1 −b2 )/2−−−(b1 −b2 )/2≒0.02〜0.025
付与するラジアル荷重−−−5×104 N
グリース潤滑−−−NSハイリューブ(基油が合成油で、増ちょう剤が金属石けんである協同油脂社製)
グリース封入量−−−軸受内部空間容積の30%(=90g)
(b1 −b2 )/2−−−(b1 −b2 )/2≒0.02〜0.025
図8は、この様にして行なった第二の実験結果を示している。尚、図8で、実線は実施品を、点線は従来品を、それぞれ表している。又、縦軸で表した各ころ案内部12、12aの摩耗量は、実施品で1000時間経過後の摩耗量を1とした場合の相対値として表している。図8に示した第二の実験結果から明らかな様に、実施品と従来品との何れの場合でもころ案内部12、12aの摩耗量が一定時間経過後に一定になったが、実施品の場合には従来品の場合よりも、早期に、且つ、少ない絶対量の摩耗量で一定になった。この様な実験結果から、本発明の場合には、保持器4bの摩耗量の絶対量を少なく抑える事ができ、潤滑剤の寿命の長期化を図れる事により、従来構造の場合よりも耐摩耗性に優れた円筒ころ軸受を実現できる事を確認できた。
1 内輪
2 外輪
3、3a 円筒ころ
4、4a、4b 保持器
5 内輪軌道
6 外向鍔部
7 外輪軌道
8 内向鍔部
9 リム部
10、10a 柱部
11 ポケット
12、12a ころ案内部
13、13a 傾斜部
14 ころ落ち防止部
15 段差面
16、16a 頂部
2 外輪
3、3a 円筒ころ
4、4a、4b 保持器
5 内輪軌道
6 外向鍔部
7 外輪軌道
8 内向鍔部
9 リム部
10、10a 柱部
11 ポケット
12、12a ころ案内部
13、13a 傾斜部
14 ころ落ち防止部
15 段差面
16、16a 頂部
Claims (3)
- 外周面に円筒形の内輪軌道を有する内輪と、内周面に円筒形の外輪軌道を有する外輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の円筒ころと、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間に設けられて、これら各円筒ころを転動自在に保持する保持器とを備え、これら各円筒ころの転動面にクラウニング加工を施している円筒ころ軸受に於いて、上記保持器は、軸方向両端に設けられた1対のリム部と、これら両リム部の円周方向複数個所同士を連結する複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合う1対の柱部の円周方向側面とこれら各リム部の内側面とにより四周を囲まれた部分により、上記各円筒ころを保持する為の複数のポケットを構成しており、上記各柱部のうち、少なくとも軸方向両端寄り部分の、上記保持器と同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅を、上記各リム部との連結部からこの保持器の軸方向中央に向かうに従って徐々に小さくしている事を特徴とする円筒ころ軸受。
- 保持器を構成する各柱部が、各リム部から連続する状態で軸方向両端寄り部分に設けられた1対のころ案内部と、これら各ころ案内部の一端同士を連結し、使用時に少なくともころ案内部との連続部を除いて各円筒ころの転動面と接触しない繋ぎ部とを備えたものであり、これら各ころ案内部で、上記各リム部との連結部での上記保持器と同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb1 mmとし、これら各ころ案内部で、上記繋ぎ部との連結部でのこの仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb2 mmとした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす、請求項1に記載した円筒ころ軸受。
- 繋ぎ部が、各ころ案内部の端部から連続し、保持器の軸方向中央に向かうに従ってこの保持器の径方向内側に向かう方向に傾斜した1対の傾斜部と、これら両傾斜部の一端同士を連結するころ落ち防止部とを備えたものであり、上記各ころ案内部で、各リム部との連結部での上記保持器と同心の仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb1 mmとし、上記各ころ案内部で、上記各傾斜部との連結部でのこの仮想円筒面上でのこの仮想円筒面の円周方向に関する幅をb2 mmとした場合に、0<(b1 −b2 )/2<0.06を満たす、請求項2に記載した円筒ころ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004216736A JP2006038048A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 円筒ころ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004216736A JP2006038048A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 円筒ころ軸受 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006038048A true JP2006038048A (ja) | 2006-02-09 |
Family
ID=35903257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004216736A Pending JP2006038048A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 円筒ころ軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006038048A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013068302A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-18 | Ntn Corp | ころ軸受 |
JP2015048860A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | Ntn株式会社 | 転動体およびころ軸受 |
-
2004
- 2004-07-26 JP JP2004216736A patent/JP2006038048A/ja active Pending
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