JP2017214970A - 円すいころ軸受 - Google Patents

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貴行 鈴木
Takayuki Suzuki
貴行 鈴木
清茂 山内
Kiyoshige Yamauchi
清茂 山内
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Abstract

【課題】円すいころ軸受の運転中、公転運動による遠心力が軌道輪案内方式の保持器に作用する場合でも、保持器の案内面の偏摩耗を防止する。
【解決手段】保持器4の重心Gを保持器4の幅Wcの中央に設定する。このため、保持器4の大径側にある第一のリング部9に薄肉領域15を形成し、保持器4の重心Gを幅Wcの中央側に寄せる。また、保持器4の小径側にある第二のリング部10に周方向等配で穴14を形成し、穴14に重り13を取り付けて保持器4の重量バランスの最終調整を行えるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、遊星減速機に備わる遊星回転体のような公転部位に好適な円すいころ軸受に関し、特に、保持器を案内することに関する。
ダンプトラック等では、大きな減速比が得られる遊星減速機がホイールリムの内側に配置されている。遊星減速機に備わる遊星回転体は、リングギア及びサンギア間で自転しながら公転する遊星歯車又は遊星ローラからなり、円すいころ軸受を介してキャリヤのピンに支持されている。
遊星回転体の支持用途のような公転部位に使用される円すいころ軸受の場合、保持器や軸受内部の潤滑油には、保持器の軸受中心軸周りの回転による遠心力のほかに、円すいころ軸受が遊星回転体と一体に公転運動することによる遠心力も作用する。その公転運動による遠心力は、円すいころ軸受に負荷域を生じさせると共に、保持器の変形や偏心、軸受内部の潤滑油の偏りを生じさせる原因となる。保持器案内方式として転動体案内方式を採用すると、その潤滑条件の悪い負荷域において、保持器の偏心によって一部の柱部が転動体に強く当接され、柱部が異常摩耗する恐れがある。これを避けるため、軌道輪案内方式の保持器を採用することが好ましい(例えば、特許文献1)。
特開2008−196582号公報
しかしながら、遊星減速機に備わる遊星回転体の支持用途のように、軸受運転中、公転運動による遠心力によって円すいころ軸受の保持器が変形や偏心を繰り返す場合、保持器が振れ回りし、これに伴い、保持器が傾いて保持器の案内面が軌道輪に偏って接触し、その強く接触するところで偏摩耗する可能性がある。また、円すい台形状の保持器は、一度、傾くと、傾いたまま回転する傾向があり、このことも案内面の偏摩耗を促進する原因となる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、円すいころ軸受の運転中、公転運動による遠心力が軌道輪案内方式の保持器に作用する場合でも、保持器の案内面の偏摩耗を防止することにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、軌道輪案内方式の保持器と、前記保持器に保持された円すいころとを備え、前記保持器が、第一のリング部と、当該第一のリング部よりも小径な外周を有する第二のリング部と、これら二つのリング部間をポケットに区切る複数の柱部とを有する円すいころ軸受において、前記保持器の重心が、当該保持器の幅の中央に設定されている、という構成を採用したものである。
上記構成によれば、円すいころ軸受が公転運動する遠心力が保持器に作用し、保持器が軸受外径側へ移動する際、保持器の重心が保持器の幅の中央にあるため、保持器が傾きにくくなる。このため、保持器の案内面が偏って軌道輪に接触しにくくなり、これにより、案内面の偏摩耗が防止される。
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、円すいころ軸受の運転中、公転運動による遠心力が軌道輪案内方式の保持器に作用する場合でも、保持器の案内面の偏摩耗を防止することができる。
この発明の第一実施例に係るころ軸受を示す断面図 第一実施例に係る保持器を展開して外径側から示す部分展開図 第一実施例に係る保持器の第二のリング部の左側面図 図1のIV−IV線の部分拡大断面図 第一実施例に係るころ軸受を備える遊星減速機を示す断面図 図5のVI−VI線の断面図 この発明の第二実施例に係る保持器を図2と同様に示す部分展開図 この発明の第三実施例に係る保持器を図2と同様に示す部分展開図 この発明の第四実施例に係る保持器を図2と同様に示す部分展開図 この発明の第五実施例に係る保持器を示す部分右側面図
この発明の一例としての実施形態を説明する。
第一実施形態に係る円すいころ軸受では、前記円すいころに線接触する前記柱部の接触領域の中央が、前記保持器の幅の中央に設定されている。
第一実施形態によれば、軸方向に関して、保持器の重心の位置と、円すいころに線接触する前記柱部の接触領域の中央とが一致するように設定されているため、軸受運転中に保持器が傾いた場合でも、保持器が元の姿勢に戻るようになり、案内面の偏摩耗をより防止することができる。
第二実施形態に係る円すいころ軸受では、前記第一のリング部が、前記保持器の幅一端から一定幅で前記柱部よりも薄い径方向肉厚に設定された薄肉領域を有する。
第二実施形態によれば、保持器の大径側にある第一のリング部の断面積を小さくして保持器の大径側の重量を減らし、軸方向に関して、保持器の重心の位置を保持器の幅の中央側へ寄せることができる。また、柱部では肉厚の減少を避けて、保持器の強度を確保することも可能となる。
第三実施形態に係る円すいころ軸受では、前記第一のリング部が、前記保持器の幅一端を規定する幅縁と、当該幅縁から軸方向に凹んだ切欠き状の凹縁とを有し、前記幅縁が、前記ポケットを周方向に二等分する仮想平面上に位置している。
第三実施形態によれば、保持器の大径側にある第一のリング部の断面積を小さくして保持器の大径側の重量を減らし、軸方向に関して、保持器の重心の位置を保持器の幅の中央側へ寄せることができる。また、柱部では肉厚の減少を避けて、保持器の強度を確保することも可能となる。さらに、ポケットの周方向中央の側方(仮想平面上)では、ポケットの四隅の次に高い応力が発生するが、その部分での第一のリング部の断面積減少を避けることもできる。
第四実施形態に係る円すいころ軸受では、前記第一のリング部が、第一の径方向肉厚に設定された第一の肉厚領域と、当該第一の肉厚領域よりも薄い径方向肉厚に設定された第二の肉厚領域とを有し、前記第一の肉厚領域が、前記ポケットを周方向に二等分する仮想平面上に位置している。
第四実施形態によれば、保持器の大径側にある第一のリング部の断面積を小さくして保持器の大径側の重量を減らし、軸方向に関して、保持器の重心の位置を保持器の幅の中央側へ寄せることができる。また、ポケットの周方向中央の側方(仮想平面上)では、ポケットの四隅の次に高い応力が発生するが、その部分での第一のリング部の断面積減少を避けることもできる。
第五実施形態に係る円すいころ軸受では、前記保持器が、鋼板によって形成されている。
第五実施形態は、鋼板製の保持器なので、その第一、第二のリング部及び複数の柱部をプレス加工で一体に形成することができる。その際、上述の第二〜第四実施形態のいずれかのように、保持器の大径側である第一のリング部に、保持器の幅一端から上述の薄肉領域や、凹縁や、第二の肉厚領域をプレス抜きによって加工し、第一のリング部の断面積を小さくすることができる。
第六実施形態に係る円すいころ軸受では、前記第二のリング部の周方向等配の複数個所に、重りの取付けに用いる穴が形成されている。
第六実施形態によれば、保持器の小径側にある第二のリング部の穴に重りを取り付けて、保持器の小径側の重量を変更することが可能なため、保持器の重量バランスの最終調整を行って保持器の重心の位置を調整することができる。
第七実施形態に係る円すいころ軸受では、前記保持器が、当該保持器の幅一端側と、これと反対の幅他端側の両側で前記軌道輪によって案内されるようになっている。
第七実施形態によれば、保持器の幅一端側と幅他端側の両側が軌道輪に案内されるので、保持器の片側のみで案内される場合に比して、案内接触している保持器が傾きにくくなる。
第八実施形態に係る円すいころ軸受では、前記保持器が、外輪案内方式のものとなっている。
外輪で保持器を案内する場合、内輪案内の場合に比して、案内接触の周長が長くなってその案内接触部における周速差及び接触面圧が小さくなる。また、潤滑油が遠心力によって外輪側へ移動するため、その案内接触部で潤滑油が不足しにくく、案内接触部の摩耗や焼付きを防止することが可能である。
第九実施形態に係る円すいころ軸受は、遊星減速機に備わる遊星回転体とキャリヤとの間に配置される。
以下、この発明の第一実施例に係るころ軸受を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように、実施例に係るころ軸受は、内輪1と、外輪2と、これら内輪1及び外輪2間に介在する複数の円すいころ3と、これら円すいころ3を保持する保持器4とを備える。内輪1,外輪2及び保持器4は、同じ中心軸(図1中に一点鎖線で示す軸受中心軸)に設定されている。以下、その中心軸に沿った方向のことを単に「軸方向」といい、その中心軸に直角な方向のことを単に「径方向」といい、その中心軸周りの円周方向のことを単に「周方向」という。
内輪1は、外周に円すい面状の軌道面5と、小つば部6と、大つば部7とを有する軌道輪になっている。
外輪2は、内周に円すい面状の軌道面8をもった軌道輪になっている。
保持器4は、円すいころ3の周方向間隔を所定に保ちながら軸受運転中に一体に回転するものである。図1、図2に示す保持器4は、第一のリング部9と、第一のリング部9よりも小径な外周を有する第二のリング部10と、これら二つのリング部9、10間をポケット11に区切る複数の柱部12と、第二のリング部10に取り付けられた重り13とで構成されている。保持器4の外径は、第一のリング部9で規定され、保持器4の内径は、第二のリング部10で規定されている。
第一のリング部9は、ポケット11の軸方向幅を規定する二端p1、p2の一端p1から軸方向一方側に位置する部分からなり、周方向全周に亘って連続する部分をもっている。一方、第二のリング部10は、ポケット11の軸方向幅を規定する他端p2から軸方向他方側に位置する部分からなり、周方向全周に亘って連続する部分をもっている。
第一のリング部9は、保持器4の幅一端側(図中右側)に位置する。第二のリング部10は、保持器4の幅一端側と反対側の幅他端側(図中左側)に位置する。ここで、保持器4の幅Wcは、保持器4の軸方向に測った全長のことをいう。保持器4の幅一端側と幅他端側の境界は、保持器4の幅Wcを軸方向に二等分する仮想平面(図1中においてIV−IV線を含む軸受中心軸に直角な平面に相当)である。保持器4の幅Wcを規定する二端のうち、一端は、第一のリング部9の側面に位置し、これと反対の他端は、重り13の端面に位置している。
柱部12は、保持器4のうち、二つのリング部9、10間に亘る部分からなり、周方向に隣接するポケット11、11間を分離している。図示の柱部12は、円すいころ3の転動面に沿うように傾いている。
ポケット11は、保持器4に形成された、円すいころ3を収容するための空間のことをいう。ポケット11は、概ね台形状になっている。内輪1、各ポケット11に収容された円すいころ3及び保持器4により、内輪アセンブリが構成されている。なお、図2では、ポケット11の概略形状を示しており、ポケット11の四隅の盗み部の図示を省略している。
保持器4は、プレス加工で基本的な全体形状を形成可能な板厚の鋼板を材料とし、かご形の打ち抜き保持器の一般的な製造方法によって形成されている。すなわち、第一のリング部9、第二のリング部10及び複数の柱部12は、プレス加工によって一体に形成されている。なお、保持器の製造方法は、保持器の形状や材料に応じて、プレス加工、もみ抜き加工、成型等、適宜の加工手段を採用すればよい。保持器を形成する材料として、鋼以外の他の材料、例えば、樹脂、高力黄銅等を採用してもよい。
保持器4は、外輪2の内周によって径方向に案内される軌道輪案内方式のものとなっている。外輪2の軌道面8は、保持器案内面になっている。柱部12と外輪2の軌道面8との接触によって、保持器4が径方向に案内される。その案内接触の範囲は、概ね外輪2の軌道面8の軸方向幅の全域に亘る。すなわち、保持器4は、保持器4の幅一端側及び幅他端側の両側で外輪2によって案内される。なお、図示例では、保持器4の柱部12と外輪2の軌道面8間で案内すきまを規定したが、保持器の第一のリング部、第二のリング部と、外輪の軌道面又は外輪の軌道面よりも軸方向外側の内周端部との間で案内すきまを規定するように変更してもよい。また、保持器の第一のリング部、第二のリング部を内輪の外周で案内するように変更してもよい。
図3に第二のリング部10の左側面視を示す。同図に示すように、第二のリング部10の周方向等配の複数個所に、重り13の取付けに用いる穴14が形成されている。穴14を規定する内面は、雌ねじになっている。図1に示す重り13は、穴14の内面にねじ込まれるビス等のおねじ部品になっている。重り13は、穴14の内面に螺合することによって穴14の内側に取り付けられる。
第一のリング部9は、保持器の幅一端から一定幅で柱部12よりも薄い径方向肉厚t1に設定された薄肉領域15を有する。薄肉領域15は、図示断面形状で周方向全周に亘って連続している。柱部12の肉厚t2(柱部12の外周面と内周面間の距離)は、プレス加工された鋼板の板厚と殆ど差のない厚さになっている。薄肉領域15は、プレス抜きにより、肉厚t2よりも薄い径方向肉厚t1になるように第一のリング部9の断面積を減少させた領域となっている。その径方向肉厚t1は、柱部12の肉厚t2の半分近くになっている。この第一のリング部9の薄肉領域15の形成により、保持器4の重心Gの位置は、軸方向に関して、保持器4の幅Wcの中央側へ寄せられて、概ね保持器4の幅Wcの中央側に位置するように設定されている。
そして、保持器4の小径側にある第二のリング部10の穴14に重り13が取り付けられることにより、保持器4の小径側の重量が調整されている。このように保持器4の重量バランスの最終調整を行い、保持器4の重心Gの位置が、保持器4の中心軸上において、保持器4の幅Wcの中央に位置するように設定されている。ここで、保持器4の幅Wcの中央は、図1中のIV−IV線に相当する。
なお、重り13の比重は、第二のリング部10を形成する材料よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。また、比重の相異なる複数種類の重り13を用いてもよい。同じ比重の重り13が周方向等配に第二のリング部10に取り付けられることにより、基本的には、保持器4の中心軸に沿って保持器4の重心Gの位置が軸方向に移動させられる。また、保持器4の製造誤差で周方向にアンバランスが生じているとき、アンバランスの方向に応じて比重の異なる重り13が配置されることにより、アンバランスを解消することも可能である。
軌道輪案内方式の保持器4の場合、軸受運転中、円すいころ3の転動面は、通常、ポケット11を規定する周方向両側の柱部12、12のいずれかと接触する。この接触は、図2、図4に示すように、長さlをもった線接触となる。その線接触する柱部12の接触領域の中央(l/2となる位置)p3が、軸方向に関して、保持器4の幅Wcの中央に位置するように設定されている。このように、保持器4の重心Gの位置と、円すいころ3に長さlで線接触する柱部12の接触領域の中央p3とが一致するように設定されている。このため、軸受運転中に保持器4が傾いた場合でも、円すいころ3が柱部12を押す力により、保持器4が元の姿勢に戻される。
第一実施例に係るころ軸受を備える遊星減速機の一例を図5、図6に示す。図示のように、この遊星減速機は、入力軸101に取り付けた太陽歯車102と、ハウジング103に固定された内歯車104との間に両歯車102、104に噛み合う遊星歯車としての遊星回転体105が複数個配置され、出力軸106に連結されたキャリヤ107に対して各遊星回転体105が回転自在に支持され、太陽歯車102と内歯車104との間で自転しながら公転する遊星回転体105の公転運動が、キャリヤ107を介して出力軸106に出力されるものである。実施例に係る円すいころ軸受100は、この遊星減速機に備わる遊星回転体105とキャリヤ107との間に一対で配置されている。各円すいころ軸受100の外輪2は、遊星回転体105に取り付けられ、遊星回転体105と一体に回転する。各円すいころ軸受100の内輪1は、キャリヤ107に設けられた支持軸108に取り付けられ、外輪2に対して静止する。
図示の遊星減速機は、超大型ダンプトラックのホイールリムの内側に設けられた終減速装置の第一段目の減速を行うものとなっている。その超大型ダンプトラックは、鉱山用であって積載量300t以上のものを想定している。本願発明者らが現行の超大型ダンプトラックの終減速装置における使用環境を調べたところ、太陽歯車102周りに公転する円すいころ軸受100の公転直径は500mm程度、その公転速度は500rpm程度、このときの軸受回転速度は1300rpm程度、最大の遠心加速度は75G程度になっていた。このような強い遠心加速度が作用すると、軸受内部の潤滑油が円すいころ軸受100の負荷域で希薄になり、負荷域と周方向反対側へ偏る傾向が顕著であった。
第一実施例に係る円すいころ軸受100は、上述のようなものであり、遊星回転体105の公転運動による遠心力が円すいころ軸受100の保持器4に作用し(図1、図6参照)、保持器4が軸受外径側へ移動する際、保持器4の重心Gが保持器4の幅Wcの中央にあるため、保持器4が傾きにくくなる。このため、保持器4の案内面(柱部12の外周面)が偏って外輪2の軌道面8に接触しにくくなり、これにより、保持器4の案内面の偏摩耗が防止される。このように、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、軸受運転中、公転運動による遠心力が軌道輪案内方式の保持器4に作用する場合でも、保持器4の案内面の偏摩耗を防止することができる。
また、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、軸方向に関して、保持器4の重心Gの位置と、円すいころ3に線接触する柱部12の接触領域の中央p3とが一致するように設定されているため、軸受運転中に保持器4が傾いた場合でも、保持器4が元の姿勢に戻る。このため、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、保持器4の案内面の偏摩耗をより防止することができる。
また、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、第一のリング部9が保持器4の幅一端から一定幅で柱部12よりも薄い径方向肉厚に設定された薄肉領域15を有するので、保持器4の大径側にある第一のリング部9の断面積を薄肉領域15によって小さくして保持器4の大径側の重量を減らし、軸方向に関して、保持器4の重心Gの位置を保持器4の幅Wcの中央側へ寄せることができる。また、柱部12では肉厚の減少を避けて、保持器4の強度を確保することも可能となる。
また、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、鋼板製の保持器4なので、その第一、第二のリング部9、10及び複数の柱部12をプレス加工で一体に形成することができる。その際、保持器4の大径側である第一のリング部9に、保持器4の幅一端から上述の薄肉領域15をプレス抜きによって加工し、第一のリング部9の断面積を小さくすることができる。
また、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、第二のリング部10の周方向等配の複数個所に、重り13の取付けに用いる穴14が形成されているので、その穴14に重り13を取り付けて保持器4の小径側の重量を変更することが可能なため、保持器4の重量バランスの最終調整を行って保持器4の重心Gの位置を調整することができる。
また、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、保持器4が柱部12において保持器4の幅一端側及び幅他端側の両側で外輪2(軌道輪)によって案内されるので、保持器4の片側のみで案内される場合に比して、外輪2の内周に案内接触している保持器4が傾きにくくなる。
また、第一実施例に係る円すいころ軸受100は、保持器4が外輪案内方式のものとなっているので、内輪案内の場合に比して、案内接触の周長が長くなってその案内接触部における周速差及び接触面圧が小さくなる。また、潤滑油が遠心力によって外輪2側へ移動するため、その案内接触部で潤滑油が不足しにくく、案内接触部の摩耗や焼付きを防止することが可能である。
第一実施例では、第一のリング部9に保持器4の幅一端から薄肉領域15を一定幅で形成することにより、保持器4の大径側の重量を調整したが、第一のリング部に他の形状で重量調整部を形成することも可能である。その一例としての第二実施例を図7に基づいて説明する。なお、以下では、第一実施例との相違点を述べるに留める。
図7に示すように、第二実施例に係る保持器20では、第一のリング部21が保持器20の幅一端を規定する幅縁22と、当該幅縁22から軸方向に凹んだ切欠き状の凹縁23とを有する。幅縁22は、ポケット11を周方向に二等分する仮想平面Sa上に位置している。ポケット11の周方向中央の側方(仮想平面Sa)では、ポケット11の四隅の次に高い応力が発生する。
凹縁23は、保持器4の幅一端からの切欠き状なので、鋼板の板厚方向(保持器20の径方向)のプレス抜きによって形成することが可能である。そのプレス抜き形状は、円弧状となっている。また、凹縁23の周方向位置は、柱部12から軸方向に延長した領域上に設定されている。このため、凹縁23は、周方向等配で第一のリング部21に形成されており、保持器20の中心軸に沿って保持器20の重心を保持器20の幅の中央側へ寄せる役目を果たす。
このように、第二実施例に係る円すいころ軸受は、保持器20の大径側にある第一のリング部21の断面積を凹縁23によって小さくして保持器20の大径側の重量を減らし、軸方向に関して、保持器20の重心の位置を保持器20の幅の中央側へ寄せることができる。
また、第二実施例に係る円すいころ軸受は、第一のリング部21に凹縁23を形成するだけなので、柱部12では肉厚の減少を避けて、保持器20の強度を確保することも可能となる。
さらに、第二実施例に係る円すいころ軸受は、比較的応力が発生するポケット11の周方向中央の側方(仮想平面Sa)の部分において第一のリング部21の断面積減少を避けることもできる。
この発明の第三実施例に係る円すいころ軸受を図8に基づいて説明する。
第三実施例は、第二実施例から凹縁の形状のみを変更したものである。すなわち、図8に示すように、第三実施例に係る保持器30は、第一のリング部31の幅縁32から軸方向に凹んだ凹縁33は、プレス抜きによって矩形状に形成されている。
この発明の第四実施例に係る円すいころ軸受を図9に基づいて説明する。
第四実施例は、第三実施例から凹縁の周方向幅のみを変更したものである。すなわち、図9に示すように、第四実施例に係る保持器40は、第一のリング部41の幅縁42に対して凹縁43の周方向幅が大きくなっている。
上述の第二から第四実施例に例示したように、凹縁の形状や周方向幅は特に限定されるものでなく、ポケット11の周方向中央の側方(仮想平面Sa)付近において第一のリング部の断面積減少を避けることが肝要である。
この発明の第五実施例に係る円すいころ軸受を図10に基づいて説明する。
第五実施例に係る保持器50では、第一のリング部51が、第一の径方向肉厚t3に設定された第一の肉厚領域51と、第一の肉厚領域51よりも薄い径方向肉厚t4に設定された第二の肉厚領域52とを有する。第一の肉厚領域51は、上述の第二実施例と同様、ポケットを周方向に二等分する仮想平面Sa上に位置している。第一の径方向肉厚t3は、保持器50の形成に用いられた鋼板の板厚程度になっている。径方向肉厚t4は、鋼板の板厚の半分程度になっている。第二の肉厚領域52は、軸方向のプレス抜きによって形成されている
第五実施例に係る円すいころ軸受は、保持器50の大径側にある第一のリング部51の断面積を第二の肉厚領域52によって小さくして保持器50の大径側の重量を減らし、軸方向に関して、保持器50の重心の位置を保持器50の幅の中央側へ寄せることができる。また、第五実施例に係る円すいころ軸受によっても、比較的応力が発生するポケットの周方向中央の側方(仮想平面Sa)の部分において第一のリング部51の断面積減少を避けることもできる。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 内輪
2 外輪
3 円すいころ
4、20、30、40、50 保持器
8 軌道面
9、21、31、41、51 第一のリング部
10 第二のリング部
11 ポケット
12 柱部
13 重り
14 穴
15 薄肉領域
22、32、42 幅縁
23、33、43 凹縁
51 第一の肉厚領域
52 第二の肉厚領域
100 円すいころ軸受
105 遊星回転体
107 キャリヤ
Wc 保持器の幅
G 重心
Sa 仮想平面
p3 接触領域の中央

Claims (10)

  1. 軌道輪案内方式の保持器と、前記保持器に保持された円すいころとを備え、
    前記保持器が、第一のリング部と、当該第一のリング部よりも小径な外周を有する第二のリング部と、これら二つのリング部間をポケットに区切る複数の柱部とを有する円すいころ軸受において、
    前記保持器の重心が、当該保持器の幅の中央に設定されていることを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記円すいころに線接触する前記柱部の接触領域の中央が、前記保持器の幅の中央に設定されている請求項1に記載の円すいころ軸受。
  3. 前記第一のリング部が、前記保持器の幅一端から一定幅で前記柱部よりも薄い径方向肉厚に設定された薄肉領域を有する請求項1又は2に記載の円すいころ軸受。
  4. 前記第一のリング部が、前記保持器の幅一端を規定する幅縁と、当該幅縁から軸方向に凹んだ切欠き状の凹縁とを有し、前記幅縁が、前記ポケットを周方向に二等分する仮想平面上に位置している請求項1又は2に記載の円すいころ軸受。
  5. 前記第一のリング部が、第一の径方向肉厚に設定された第一の肉厚領域と、当該第一の肉厚領域よりも薄い径方向肉厚に設定された第二の肉厚領域とを有し、前記第一の肉厚領域が、前記ポケットを周方向に二等分する仮想平面上に位置している請求項1又は2に記載の円すいころ軸受。
  6. 前記保持器が、鋼板によって形成されている請求項3から5のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  7. 前記第二のリング部の周方向等配の複数個所に、重りの取付けに用いる穴が形成されている請求項1から6のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  8. 前記保持器が、当該保持器の幅一端側と、これと反対の幅他端側の両側で前記軌道輪によって案内されるようになっている請求項1から7のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  9. 前記保持器が、外輪案内方式のものとなっている請求項1から8のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  10. 遊星減速機に備わる遊星回転体とキャリヤとの間に配置される請求項1から9のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
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