JPH11344035A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

円筒ころ軸受

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JPH11344035A
JPH11344035A JP11084322A JP8432299A JPH11344035A JP H11344035 A JPH11344035 A JP H11344035A JP 11084322 A JP11084322 A JP 11084322A JP 8432299 A JP8432299 A JP 8432299A JP H11344035 A JPH11344035 A JP H11344035A
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JP
Japan
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roller
inclination
cage
bearing
pocket
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JP11084322A
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English (en)
Inventor
Takashi Murai
隆司 村井
Morio Tanmachi
守男 反町
Yoshio Shoda
義雄 正田
Takashi Yamamoto
高志 山本
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/46Cages for rollers or needles
    • F16C33/4617Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the rollers, e.g. machined window cages
    • F16C33/4623Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the rollers, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages
    • F16C33/4629Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the rollers, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages made from metal, e.g. cast or machined window cages
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/24Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for radial load mainly
    • F16C19/26Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for radial load mainly with a single row of rollers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2240/00Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
    • F16C2240/40Linear dimensions, e.g. length, radius, thickness, gap
    • F16C2240/50Crowning, e.g. crowning height or crowning radius

Abstract

(57)【要約】 【課題】非負荷圏を移動するころが幾何学的に理想的な
姿勢で運動することを積極的に促進させて、ころの公転
方向に対する傾き(スキュ−)及び半径方向に対する傾
き(チルト)を抑制することで、確実に軸受の振動・騒
音レベルを低減する円筒ころ軸受の提供を課題としてい
る。 【解決手段】ころ転動面の軸方向に沿った輪郭は、少な
くともその中央部で軸に平行な直線形状となっており、
ころ5を収容する保持器3のポケット4における柱6側
の面4aは、円周方向及び半径方向への傾きが、ころ長
さの1.5/1000以下となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中・大形電動機等
を始めとした一般機械で使用される円筒ころ軸受に係
り、特に低振動・低騒音が要求される機器に使用される
円筒ころ軸受の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒ころ軸受の振動・騒音低減技
術としては、例えば実開平3−67718号公報に記載
されているような、保持器の案内方式(軌道輪案内、転
動体案内)の違いによる転動体と保持器との間の接触位
置を変えたものや、例えば特開平7−127645号公
報に記載されているような、接触形状を変えたものがあ
る。
【0003】そして、上記実開平3−67718号公報
に記載の保持器においては、特に、非負荷圏における転
動体の動きを規制することにより、軸受の振動・騒音の
低減を図っている。すなわち、この保持器は、案内方式
が転動体案内であることから、保持器の重量が非負荷圏
の転動体に負荷され、その負荷が、回転中に転動体に作
用する遠心力に対する対抗力となることで、非負荷圏に
おける転動体と外輪との接触圧力が減少し、結果的に軸
受の振動を抑制するものである。
【0004】ここで、プレス保持器では、例えば実開平
6−87723号公報などに記載されているように、保
持器のころ案内面を環状部傍より設けころ転動面のクラ
ウニング部に形成したものが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
実開平3−67718号公報に記載の軸受では、図10
に示すように、保持器50のポケット50aのピッチ円
直径がころ51のピッチ円直径より小さく設定してある
ため、この両ピッチ円直径差を適正に製作しないと、保
持器50からころ51にもたらされる規制が強くなる。
規制が強すぎる場合には、ころ51と保持器50が必要
以上に干渉し合うために、ころ51と保持器50の衝突
音(保持器音)が発生することがあった。
【0006】また、保持器50からの規制が強い場合に
は、保持器50の個々の製作誤差の影響を受け易く、軸
受としての振動・騒音レベルもばらつくことが多かっ
た。また、案内方式が転動体案内に限定されることか
ら、軸受の仕様も必然的に制限されることがあった。な
お、従来の円筒ころ軸受のころ51の転動面における軸
方向に沿った全輪郭は、通常、エッジロード緩和の為,
直線部と曲線部とを有する複合円弧クラウン形状(パー
シャルクラウニング形状)か、或いは曲線状のフルクラ
ウン形状であるため、非負荷圏を移動するころ51は、
保持器50のポケット50aにおけるころ51と円周方
向で対向する面(柱側の面)に点接触で押付けられるこ
とになる。この結果、当該ころ51の軸が、上記ポケッ
ト50aの柱側の面における円周方向及び半径方向の傾
きの有無に関係なく変動し易く、安定した姿勢をとる作
用がなかった。
【0007】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、非負荷圏を移動するころが幾何学的に
理想的な姿勢で運動することを積極的に促進させて、こ
ろの円周方向に対する傾き(スキュ−)及び半径方向に
対する傾き(チルト)を抑制することで、確実に軸受の
振動・騒音レベルを低減可能な円筒ころ軸受を提供する
ことを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載した発明は、ころ転動
面の軸方向に沿った輪郭は、少なくともその中央部で軸
に平行な直線形状となっており、ころを収容する保持器
のポケットは、上記ころ転動面と対向する部分の傾き
が、軸受の回転中心軸と平行な直線に対し、ころ長さの
1.5/1000以下となっていることを特徴とする円
筒ころ軸受を提供するものである。
【0009】次に、請求項2に記載した発明は、ころ転
動面の軸方向に沿った輪郭は、少なくともその中央部で
軸に平行な直線形状となっており、ころを収容する保持
器のポケットは、上記ころ転動面と対向する部分の円周
方向への傾きが、ころ長さの1.5/1000以下とな
っていることを特徴とする円筒ころ軸受を提供するもの
である。
【0010】次に、請求項3に記載した発明は、本発明
の円筒ころ軸受は、ころ転動面の軸方向に沿った輪郭
は、少なくともその中央部で軸に平行な直線形状となっ
ており、ころを収容する保持器のポケットは、円周方向
で上記ころと対向する部分の円周方向及び半径方向への
傾きが、ころ長さの1.5/1000以下となっている
ことを特徴とするものである。
【0011】ここで、上記円周方向で上記ころと対向す
るポケットの部分をポケット面と呼ぶとすると、「その
ポケット面が円周方向へ傾く」とは、半径方向から見
て、上記ポケット面が、軸受の回転中心軸と平行な直線
に対し、円周方向に傾いている状態をいう(図6参
照)。また、「ポケット面が半径方向へ傾く」とは、円
周方向からみて、上記ポケット面が、軸受の回転中心軸
と平行な直線に対し、半径方向に傾いている状態をいう
(図5参照)。
【0012】そして、上記ポケット面が円周方向や半径
方向に傾いている場合には、無負荷のころが軸方向に亘
ってポケット面に線接触して当該ポケット面によって姿
勢が規制されると、図11に示すように、上記姿勢が規
制されたころの自転軸がなす線S1と、軸受として幾何
学的に理想運動(ころの公転中心軸(軸受の回転中心
軸)ところ自転軸とが平行になる状態での運動)をして
いる時のころの自転軸がなす線S2(軸受の回転中心軸
と平行な線)とが交差し、つまり、理想の姿勢状態から
ころが倒れた状態となる。上記交差した点P1から線S
1及びS2上のおのおのころ長さ(L)分だけ離れた点
P2及び点P3について、半径方向から見たオフセット
量Δθが、ころの円周方向への倒れ量、つまり、主とし
てポケット面のころ長さに対する円周方向への傾きによ
って上記ころに発生した倒れ量に相当し、また、上記2
つの点P2及びP3について、円周方向からみたオフセ
ット量Δrが、ころの半径方向への倒れ量、つまり、主
としてポケット面のころ長さに対する半径方向への傾き
によって上記ころに発生した倒れ量に相当する。
【0013】ここで、上記ポケット面の円周方向及び半
径方向への各傾きの設定は、例えば,保持器の柱の円周
方向及び半径方向の傾き(倒れ)を調整することで実現
できる。勿論これに限定されるものではなく、柱を傾け
ること無く、ポケット面自体を加工することで実現して
もよい。本発明によれば、ころの転動面の輪郭に直線部
分を設けているために、その直線部分全体がポケットに
押付けられるように、つまり、軸方向で線接触となるよ
うに押付けられることで、不要な揺動が低減し、ポケッ
ト面によって非負荷圏のころの姿勢が望ましい姿勢に自
動調整される。つまり、当該ころは、保持器ポケットの
円周方向で対向するポケット面(柱側の面)からの案内
を確実に受けることが出来きて、ころの回転姿勢が安定
する。この結果、保持器によって案内される非負荷圏で
のころは、安定した自転及び公転運動が維持される。
【0014】上記傾きを、ころ長さの1.5/1000
以下としたのは、後述の実施例で説明するように、ころ
長さの1.5/1000より小さくすることで急激に音
圧レベルが改善されることを確認したためである(図7
や図8等を参照)。ここで、転動体であるころは、通
常、ころの公転中心軸(軸受の回転中心軸)に対して自
転軸が平行になるような理想姿勢で自公転することが望
ましい。このとき、ころと保持器の関係に着目すると、
ころは、負荷圏では保持器を押し、非負荷圏では逆に保
持器に押されるという関係にある。
【0015】この様な関係の中で、負荷圏においては、
ころは、軌道輪による拘束によって保持器のポケット面
に姿勢が規制されずに、理想姿勢(ころの公転中心軸
(軸受の回転中心軸)ところ自転軸とが平行な状態)に
近い姿勢で運動を行い、ころによって押される保持器の
姿勢は、ころ転動面が接触するポケット面との幾何学的
な接触関係により決定される。一方、非負荷圏では、こ
ろは、保持器のポケット面に押されることで、当該ポケ
ット面によって姿勢が規制されてしまう。
【0016】従って、ころの転動面の輪郭に直線部分を
設けてポケット面に線接触させることで、非負荷圏のこ
ろの姿勢を安定にしても、保持器のポケット面に円周方
向や半径方向への傾きがある場合には、保持器全体が公
転中心(軸受回転中心)に対して傾きを持って公転しよ
うとするため、非負荷圈側のころは、傾いた保持器によ
って案内されることで、強制的にスキューおよびチルト
させられ、結果的に、ころが不安定運動をすることとな
り、振動・騒音の原因となる。この悪影響は円周方向へ
の傾きによる影響の方が大きい。なお、以上のことか
ら、ポケット面の円周方向及び半径方向への傾きが、そ
のまま保持器で姿勢が規制される非負荷圏のころの円周
方向及び半径方向の倒れ量に等しくなるわけではない。
【0017】このような観点から、本願発明では、ポケ
ット面の円周方向や半径方向への傾き、特に円周方向へ
の傾きを抑え、特に、その傾きを、ころ長さの1.5/
1000以下に傾きを抑えることで、急激に音圧レベル
が改善されるという新たな知見を得たことから、ポケッ
ト面の円周方向や半径方向への傾きを、ころ長さの1.
5/1000以下に傾きに規制したものである。
【0018】このとき、ポケット面の円周方向への傾き
は、そのまま、非負荷圏で保持器に案内されるころの姿
勢を円周方向に倒す直接の原因となることから、特に、
請求項2に記載のように、円周方向及び半径方向のう
ち、少なくとも円周方向への傾きを、ころ長さの1.5
/1000以下に傾きに抑えることが、ころのスキュー
等の抑制に有効である。
【0019】また、ポケット面の半径方向に沿った輪郭
が直線形状であれば、必然的に半径方向への傾きはゼロ
となるので、請求項2のように、ポケット面の円周方向
への傾きだけを、ころ長さの1.5/1000以下に傾
きに抑えるように設計すればよい。また、ポケット面の
半径方向に沿った輪郭が円弧形状をしている場合には、
ポケット面に半径方向への傾きがあると、ポケット面と
ころ転動面との接触位置の特定は難しいものの、ころ案
内タイプで考えた場合、非負荷圏のころは、確実にポケ
ット外周側と必ず接触する。つまり、この部分で半径方
向の傾きがあれば無負荷状態のころはその状態で案内さ
れると考えられる。従って、円周方向への傾きほどでは
ないにしても、半径方向の傾きも、非負荷圏のころの挙
動に対して悪影響を与えると考えられる。
【0020】従って、請求項3に記載のように、円周方
向の傾きをころ長さの1.5/1000以下とすること
に加えて、半径方向の傾きもころ長さの1.5/100
0以下に抑えることで、一層、スキュー等の抑制を有効
に行うことができることが分かる。また、請求項1に記
載の発明によれば、軸受回転軸と平行な直線を基準とし
て、上記傾きをころ長さの1.5/1000以下とする
ことで、円周方向及び半径方向の両方の傾きをころ長さ
の1.5/1000以下にした場合と同等の作用が発揮
する。
【0021】さらに、上記ポケット面の半径方向に沿っ
た輪郭が円弧形状となっている場合には、その円弧の曲
率半径の違いによる,ころの倒れへの影響も考えられる
が、請求項1に記載の発明にあっては、その円弧の影響
も含めて、ポケット面の傾きがころ長さの1.5/10
00以下となる。例えば、ポケット面4aがころ長さに
対し半径方向にのみΔrだけ傾いている場合に、半径方
向に傾きがない図14を参照して説明すると、軸受の回
転中心軸に平行な直線と円周方向で対向するポケット面
の位置は、軸方向一端部でポケット面4aのP1が対向
しているとすると、軸方向にころ長さ分だけ離れた位置
ではポケット面4aのP2の位置が対向することとな
る。つまり、ポケット面4aの半径方向の円弧の曲率半
径に応じて、ポケット面4aには実質的にΔx分の円周
方向への傾きがあることになる。請求項1の発明では、
これも考慮してポケット面の傾きがころ長さの1.5/
1000以下となる。ポケット面4a全体が円周方向に
傾いている場合も同様である。
【0022】つまり、請求項1の発明では、このような
ポケット面4aにおける半径方向の円弧の曲率半径の影
響も加味した、実質的なポケット面4aの傾きをころ長
さの1.5/1000以下とすることができる。なお、
ころ転動について、上記直線形状とする部分を中央部だ
けでなく、軸方向に沿った転動面全体の輪郭形状を直線
にした場合には、上述の作用が促進して保持器ポケット
の柱側の面からのより確実な案内を受けられることに加
え、ころ自体が軌道面の潤滑剤(油、グリ−ス等)から
受ける上記ころの姿勢を乱す力の影響を受け難くなる。
【0023】すなわち、ころが転動面全体に亘って直線
の輪郭形状を有していると、軸方向に亘り油膜が均一に
形成され易くスキュ一等に対して抑制効果が高くなっ
て、より安定した姿勢での自転、公転運動が可能とな
る。これらの作用から、本発明により回転中におけるこ
ろ姿勢の変動に起因する軸受の振動・騒音を抑制するこ
とが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。本発明の円筒ころ軸受の構成を
説明すると、円周方向から見た断面図である図1及び軸
方向からみた部分拡大図である図2に示すように、内輪
1と外輪2の間にリング状の保持器3が配置される。保
持器3には、円周方向に沿って所定間隔おきにポケット
4が設けられ、そのポケット4にそれぞれ円筒ころ5が
配置されて構成されている。
【0025】上記保持器3は、例えば黄銅製のもみ抜き
保持器であって、上記図中、符号6はその柱を、符号7
は円周方向に延在する側板を示し、符号4aが、ポケッ
ト4における円周方向でころ5と対向する面(柱6側の
面)である。上記円筒ころ5の転動面における軸方向に
沿った輪郭は、図3に示すように、その中央部分が、軸
と平行な直線形状となってストレート部5aを形成し、
その左右両側5bがクラウン形状(又はテーパ形状)と
なっている。すなわち、本実施形態の円筒ころ5の転動
面の輪郭は、図4に示すようなフルクラウン形状の略中
央部を削って平坦としたような形状となっている。
【0026】また、上記保持器3のポケット4は、円周
方向で上記ころ5と対向する部分、つまりころ5が押付
けられる面4a(柱6側の面)の円周方向及び半径方向
への傾きが、それぞれころ長さLの1.5/1000以
下となるように、上記柱6の傾きが調整されている。即
ち、円周方向からみた模式図である図5に示すように、
全部の柱6の半径方向の傾斜量Δr(保持器ポケット4
における保持器側板7上の基準c点からポケット4のこ
ろ長さLの位置における半径方向のずれ量である線分a
bの長さ)、及び半径方向からみた展開した模式図であ
る図6に示すように、円周方向の傾斜量Δθ(保持器ポ
ケット4における保持器側板7上の基準f点からポケッ
ト4のころ長さLの位置における円周方向のずれ量であ
る線分deの長さ)が、それぞれころ長さLの1.5/
1000以下となるように加工されている。
【0027】ここで、このような半径方向及び円周方向
への傾きは、例えば、軸方向で対向する左右の側板7間
における半径方向及び円周方向の各相対オフセット量を
測定することで確認できる。以上のような円筒ころ軸受
では、図3に示すように、円筒ころ5の転動面のうちス
トレート部5a全体が柱6側のポケット4の4a面に接
触するように相対的に押付けられることで、ころ5の姿
勢が当該押付けられたポケット4の4a面に沿った姿勢
に自動調整されつつ回転するようになる。そして、その
押付けられるポケット4の面の傾きが、上述のようにこ
ろ長さLの1.5/1000以下に抑えられているため
に、ころ5は常に傾きが小さくなる方向に姿勢制御され
て、非負荷圏では安定した回転姿勢で移動する。
【0028】この結果、回転中におけるころ姿勢の変動
に起因する軸受の振動や騒音を抑制することができる。
ここで、上記ストレート部分5aの長さを増やせば、そ
れだけポケット4と接触して案内される,ころ5の転動
面部分が増加して更にころ5の回転姿勢が安定する。
【0029】また、ころ5の転動面における上記ストレ
ート部分5aでは、軸方向に沿った油膜が均一化し易く
なることから、ころ5自体が軌道面の潤滑剤(油,グリ
ース等)から受ける、ころ5の姿勢を乱す力の影響が小
さくなる。これらの効果から、回転中におけるころ5の
姿勢の変動に起因する軸受の振動・騒音を抑制すること
が可能となる。
【0030】また、本発明によると、保持器3からの規
制は確実にしかも無理なくころ5に伝達されるため、軸
受のトルク増大や、保持器3の異常摩耗も当然ない。更
に、本発明では、保持器3の案内方式による制限は無
く、幅広い軸受仕様に利用できる。なお、上記実施形態
では、保持器3として黄銅製のもみ抜き保持器を例示し
たが、当然に、プラスチック保持器や、プレス保持器等
であってもよいし、保持器の材質や形状、および一体型
や別体型の形式に限定されることはなく、本発明の範囲
内では、低振動、低騒音の効果が得られることは言うま
でもない。
【0031】また、本実施形態の保持器3の柱6の断面
形状は、軸方向からみて、半径方向に沿って,ころ5を
抱く様な円弧形状をなしているが、特にこの断面形状に
限定されることはなく、他の形状でも効果は当然に得ら
れる。特に、保持器ポケット4の柱側のころ5と接する
部分が半径方向で直線形状の場合には、ころ5と接触す
るポケット面4aを構成する柱に半径方向の傾きΔrが
あっても、その傾きΔrの大きさに関係なく、ポケット
面4aの半径方向への実質的な傾きが無くなる(「0」
となる)ので、柱の円周方向の傾きΔθのみをΔθ≦
1.5/1000となるように調整すれば、本発明の効
果が確実に得られる。つまり、上記効果を持った保持器
の加工が容易となる。
【0032】また、本実施形態の保持器3の柱6の断面
形状が、軸方向からみて、半径方向に沿って,ころ5を
抱く様な円弧形状をなしている場合に、請求項1に基づ
き、保持器ポケット4の柱側のころ5と接する部分の傾
きが、軸受の中心回転軸と平行な直線を基準として、こ
ろ長さの1.5/1000となるように設定しても良
い。
【0033】この場合には、保持器ポケット4の柱側の
ころ5と接する部分(ポケット面)における、半径方向
の曲率半径を加味した実質的な傾きがころ長さの1.5
/1000以下に設定される。このとき、円周方向への
傾きの方が、ころ5の倒れに与える悪影響が確実に発生
するので、円周方向及び半径方向のいづれか一方の傾き
だけを抑制する場合には、円周方向への傾きの方を抑制
するようにした方が好ましい。
【0034】なお、保持器3の柱6の断面形状が、軸方
向からみて、半径方向に沿って上記ころ5を抱く様な円
弧形状をなしている場合に、上記保持器3のポケット4
における、円周方向で上記ころ5と対向する部分、つま
りころ5が押付けられる面4a(柱6側の面)を、積極
的に円周方向及び半径方向の両方向に傾け且つその円周
方向及び半径方向への各傾き量の関係を調整すること
で、ころ転動面が接触する部分での軸方向に沿った輪郭
の円周方向への傾きがころ長さの1.5/1000以下
となるように設計して、本発明と同様な作用を発揮させ
ることも考えられるが、軸受の回転方向が一方向に限定
されたり、保持器の加工が大変となるという問題があ
る。
【0035】なお、全実施形態において、特開平9−2
91942号公報の発明を併用して、保持器3の軸方向
端部の内外両周面のうち何れか一方の周面である保持器
周面の直径Dとし、それに相対する外輪2のつば内径面
と内輪1のつば外径面とのうちの何れか一方の周面であ
る軌道輪周面と上記保持器周面との間に存在する環状の
隙間をHとし、上記保持器周面の軸方向長さをAとし、
上記軌道輪周面の軸方向長さをBとした場合に、1.5
×10-3・D≦H≦9.0×10-3・Dであり、且つA
/Bが0.6〜1.0の関係にあるように保持器3を構
成して、さらにきしり音抑制や保持器音の音圧レベルの
低下を図るようにしてもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の作用効果を確認する為に行っ
た回転音響評価試験についての第1実施例について説明
する。第1実施例の試験は、NU218の円筒ころ軸受
について行った。ここで、軸受の主要寸法は、(内輪)
内径がφ90mm、(外輪)外径がφ160mm、軸受の幅
が30mmである。
【0037】転動体であるころ5は、直径=φ19m
m、長さL=20mmであり、転動面形状は、ころ5の
軸方向中央部をストレート部5a(ころ長さの約1/
2)とし、両端側5bにクラウニングを施したものA
(パーシャルクラウニング形状と呼ぶ)と、ころ長さ全
長に亘ってクラウニングを施したフルクラウニング形状
のものBの2種類を用意した。
【0038】保持器3は、黄銅製もみ抜きタイプ(ころ
案内方式)であり、保持器3の全ポケット4の柱6側の
半径方向の傾斜量Δrおよび円周方向の傾斜量Δθが図
5及び図6におけるab、deがとも最大概ね60ミク
ロン以下の保持器、概ね40ミクロン以下の保持器、概
ね25ミクロン以下の保持器、概ね10ミクロン以下の
保持器の計4種類を用意した。ここで、上記柱6の倒れ
量は、各々三次元測定器を用いて測定した。
【0039】試験は、どの軸受も、軸受の軌動輪である
内輪1及び外輪2として同一のものを共用し、上記2種
類のころ転動面形状と4種類の保持器3をそれぞれ組み
合わせて各2回づつ(計16回)行った。試験条件を以
下に示す。なお、音響評価は、回転時に発生する音をマ
イクロホンで集音し周波数分析器(FFT)による音圧
レベル値で評価したものである。
【0040】 図7に、その結果を示す。横軸は、ころ長さLに対する
保持器の柱6の倒れ量(Δr/L、Δθ/L)の比を、
縦軸は、試験時の音圧レベルの平均値をAころを用いた
場合とBころを用いた場合とを比較して示した。
【0041】この図7から分かるように、ころ5がA
(パーシャルクラウニング)形状の場合、保持器3の柱
6の倒れ量(Δr、Δθ)が25ミクロンから(Δr/
L、Δθ/L≒0.00125)から40ミクロン(Δ
r/L、Δθ/L≒0.002)になると音圧レベルが
急激に増加することが分かる。一方、B(フルクラウニ
ング)形状のころ5を組み込んだ時は、保持器の柱6の
倒れ量(Δr、Δθ)によって音圧レベルは、あまり変
化せず、本願と同様に柱6の倒れ量を小さく設定しても
音圧レベルが依然,高いことが分かる。
【0042】また、B形状のころ5を組み込んだ場合に
は、試験時の音圧レベルの変動も大きかった(図示せ
ず)。このように、少なくとも、ころ転動面の一部にス
トレート形状部分5aを有するころ5を組み込んだ円筒
ころ軸受では、保持器3の柱6の倒れ量(Δr、Δθ)
によって、発生する音圧レベルを低減出来ることが分か
る。
【0043】そして、本試験では、ころ長さLに対する
保持器の柱6の倒れ量(Δr、Δθ)の比(Δr/L、
Δθ/L)がともに0.0015程度(実験では、0.
00125で大きく低減される)以下にすると特にその
効果が得られることがわかる。以上のことは、ころ転動
面にストレ−卜部分5aを有するころ5を組み込んだ軸
受では、保持器3によって案内される非負荷圏でのころ
5が、ころ5の円周方向に対するスキュ−及び半径方向
に対するチルトを抑制出来る為、ころ5が安定した姿勢
で自転及び公転できて、軸受の音圧レベルが低くなると
考えられる。
【0044】これに対し、転動面にフルクラウニング形
状を有するころ5では、案内する保持器3の柱6の倒れ
量(Δr、Δθ)を小さくしても、ストレート部が全く
ない為に、非負荷圏で、ころ5が安定した姿勢で自転、
公転でき難くなる。このため、軸受の音圧レベルが低く
ならないと考えられる。また、試験時の音圧レベルの変
動も大きくなったと考えられる。
【0045】また、上記と同じ試験条件で、潤滑油だけ
を油潤滑に替えて試験を行ったところ、図12に示す結
果を得た。この図12から分かるように、潤滑油として
油潤滑を使用しても、つまり潤滑油の種類に関係なく、
本願発明に基づく保持器を組み込んだ軸受にあっては、
上記と同じ試験結果(音圧レベルの急激な低減効果等)
を得ることができることが分かる。
【0046】また、図7及び図12における右側の2組
のグラフから分かるように、本発明のように、ころ5の
転動面の少なくとも一部にストレ−卜部分5aを設ける
ことで、潤滑油の違いによる音圧レベルの大きさの違い
も小さく抑えられることが分かる。なお、ここでは詳細
について述べないが、本実施にあたっては、保持器の軸
方向端部の内外両周面のうち何れか一方の周面である保
持器周面の直径Dとし、それに相対する外輪つば内径面
と内輪つば外径面とのうちの何れか一方の周面である軌
道輪周面と上記保持器周面との間に存在する環状の隙間
をHとし、保持器周面の軸方向長さをAとし、上記軌道
輪周面の軸方向長さをBとした場合に、H=5.0×1
-3とし、A/Bが0.9とした。
【0047】また、図示しないが、HおよびA/Bの値
が本請求範囲以外のもの(従来もみ抜き保持器)との比
較も行っており、平均で約3dB程度音圧レベル低減
(保持器音も含め)効果を得ている。なお、今回確認評
価試験に用いた保持器は、保持器の柱の倒れ精度を比較
的任意に製作出来る一体型ころ案内タイプを用いた。
【0048】次に、第2実施例について説明する。第2
の実施例である試験は、比較的サイズが大きいNU32
2の円筒ころ軸受で行ったものである。軸受の主要寸法
は、(内輪)内径がφ110mm、(外輪)外径がφ24
0mm、軸受の幅が50mmである。
【0049】円筒ころ5は、上記第1実施例と同様に、
直径=φ32mm、長さL=32mmであり、転動面形
状は、ころの軸方向中央部にストレート部(ころ長さL
の約1/2)を残して、両端側にクラウニングを施した
ものA(パーシャルクラウニング形状)と、ころ長さ全
長に亘ってクラウニングを施したフルクラウニング形状
のものBの2種類を用いた。
【0050】保持器3は、黄銅製もみ抜きタイプ(外輪
2案内方式)であり、保持器3の全ポケット4の柱6側
の半径方向の傾斜量Δrおよび円周方向の傾斜量Δθ
が、図5及び図6におけるab、deがとも最大概ね9
0ミクロン以下の保持器、概ね70ミクロン以下の保持
器、概ね50ミクロン以下の保持器、概ね30ミクロン
以下の保持器3の計4種類を用意した。ここで、柱6の
倒れ量は、各々三次元測定器を用いて測定した。
【0051】試験は、軸受の軌動輪である内輪1及び外
輪2を共用として同一のものを用い、上記2種類のころ
転動面形状と4種類の保持器3をそれぞれ組み合わせて
各2回づつ(計16回)行った。試験条件を以下に示
す。なお、音響評価は、第1の試験と同様な方法で行っ
た。 条件、 回転数 :1000rpm 潤滑 :グリース潤滑 ラジアル荷重 :150kgf 測定周波数範囲 :0−10kHz 図8にその試験結果を示す。横軸は、ころ長さLに対す
る保持器3の柱6の倒れ量(Δr/L、Δθ/L)の比
を、縦軸は、試験時の音圧レベルの平均値をAころを用
いた場合とBころを用いた場合とを比較して示した。
【0052】この図8から分かるように、ころ5がA
(パーシャルクラウニング)形状の場合、保持器3の柱
6の倒れ量(Δr、Δe)が50ミクロンから(Δr/
L、Δθ/L≒0.0015)から70ミクロン(Δr
/1、Δ0/1≒0.0022)になると音圧レベルが
急激に増加することがわかる。一方、B(フルクラウニ
ング)形状のころ5を組み込んだ時は、保持器3の柱6
の倒れ量(Δr、Δθ)によって音圧レベルは、あまり
変化せず、柱6の倒れ量が小さな場合でも音圧レベルが
高い。また、B形状のころ5を組み込んだ場合には、試
験時の音圧レベルの変動も大きかった(図示せず)。
【0053】このように、比較的サイズの大きい軸受に
おいても、少なくともころ転動面にストレート部5aを
有するころ5を組み込んだ円筒ころ軸受では、保持器3
の柱6の倒れ量(Δr、Δθ)によって、発生する音圧
レベルを低減出来る事が確認できた。本試験では、ころ
長さLに対する保持器の柱6の倒れ量(Δr、ΔB)の
比(Δr/L、Δθ/L)がともに0.0015程度以
下にすると特にその効果が得られことがわかる。
【0054】なお、作用等については、第1実施例の試
験と同じと考えられるので省略する。次に、第3実施例
について説明する。第3実施例の試験は、第1および第
2実施例の試験で、それぞれ最も効果が得られた組合せ
において、それぞれ転動面形状を転動面の長さ全体に亘
って直線形状にした場合の効果を確認するものである。
【0055】つまり、第1実施例における、ころ5の転
動面が、パ−シャルクラウニング形状のもので、保持器
3の柱6の倒れ量(Δr、Δθ)が概ね10ミクロン以
下の軸受について、及び、第2実施例における、ころ5
の転動面が、パーシャルクラウニング形状のもので、保
持器3の柱6の倒れ量(Δr、Δθ)が概ね30ミクロ
ン以下の軸受について、それぞれ上記ころ5に替えて、
転動面形状を転動面長さ全体に亘って全て直線形状(フ
ルストレート形状と呼ぶ)にしたころ5を組み込んで試
験を行ったものである。ただし、内外輪はそれぞれの試
験で使用したものを組み込む。
【0056】図9に、各々の軸受毎で、パーシャルクラ
ウニング形状のものと比較した結果を示す。なお、試験
条件および音響評価については、それぞれ第1、第2実
施例のそれぞれの条件ならびに音響評価と同一とした。
図9から分かるように、ころ5転動面形状がパ−シャル
形状のものと比較すると、各軸受でころ5転動面形状が
フルストレート形状の方が3dBから4dB程度低くな
っている。
【0057】これは、第1実施例の試験および第2実施
例の試験における作用(保持器3からの確実な案内を受
けられること)に加え、ころ自体が潤滑剤(油、グリ−
ス等)から受ける影響等に対しても、例えば、ころ5の
軸方向に亘り油膜が均一に形成され易くスキュ−等に対
して抑制効果が高い為、より安定した姿勢で自転、公転
運動が可能となっていることを示すと思われる。
【0058】このような結果から、パーシャルクラウン
形状に比べて直線部分を長くしてフルストレート形状と
すると、軸受としての音圧レベルが更に低くなることが
わかる。次に、第4実施例について説明する。本実施例
は、潤滑油の粘性による音圧レベルへの影響を評価した
ものである。
【0059】以下のような試験条件で、本発明に基づ
き、柱の倒れ量を10ミクロン程度(傾き:0.5/1
000)に加工した保持器と、本発明の範囲外である、
柱の倒れ量を40ミクロン程度(傾き:20/100
0)に加工した保持器を用意し、その他の条件を共通に
して、各潤滑油における音圧レベルを測定した。図13
がその結果である。
【0060】試験条件としては、試験軸受としてNU2
18とし、転動体であるころ5として、直径=φ19m
m、長さL=20ミリであり、転動面形状は、ころ5の
軸方向中央部をストレート部5a(ころ長さの約1/
2)とし、両端側5bにクラウニングを施したパーシャ
ルクラウニング形状のものを用いた。また、軸受の回転
数を1500rpmとし、ラジアル荷重を150Kgf
に設定した。
【0061】この結果から分かるように、本願発明の騒
音低減効果は潤滑油の粘度に影響されず、また、保持器
柱の倒れ量が10ミクロン程度の本願発明に基づく方
が、40ミクロン程度の比較例よりも9〜10dB程度
低騒音化を図ることができることが分かる。なお、ここ
では図示しないが、振動レベルも音圧と全く同様な傾向
を示して保持器柱の倒れ量が10ミクロン程度の方が低
振動となっていることを確認している。
【0062】
【発明の効果】本発明によると、保持器によって案内さ
れる非負荷圏でのころは、安定した自転、公転運動を維
持できる。つまり、本発明を採用することで、軸受とし
てのころが幾何学的に理想位置で運動することを促進す
ることができ、ころの円周方向に対する傾き(スキュ
−)及び半径方向に対する傾き(チルト)を抑制出来る
という効果がある。
【0063】このため、回転中におけるころ姿勢の変動
に起因する軸受の振動・騒音を抑制することが可能とな
るという効果がある。ここで、本発明によると、保持器
からの規制は確実にしかも無理なくころに伝達される
為、軸受のトルク増大や、保持器の異常摩耗もない。更
に、本発明では、保持器の案内方式による制限が無く、
幅広い軸受仕様に利用できる。
【0064】特に、請求項1に係る発明によれば、保持
器のポケットにおける、円周方向で上記ころと対向する
部分の円周方向への傾きだけを、ころ長さの1.5/1
000以下となっているように調整することで、上記と
同等の効果を得るという効果が得られる。特に、請求項
1に係る発明は上記円周方向で上記ころと対向する部分
の半径方向に沿った輪郭が直線状の場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る軸受における円周方
向からみた断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る軸受における軸方向
からみた部分拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るころの輪郭を説明す
るための図である。
【図4】従来のころの輪郭を説明するための図である。
【図5】半径方向の傾きを説明するための円周方向から
みた図である。
【図6】円周方向の傾きを説明するための半径方向から
みた図である。
【図7】第1実施例における保持器の柱の倒れ量/ころ
の長さ比による軸受音圧レベルを示す図である。
【図8】第2実施例における保持器の柱の倒れ量/ころ
の長さ比による軸受音圧レベルを示す図である。
【図9】ころ転動面の直線部の長さの違いによる効果を
説明する図である。
【図10】従来の不具合を説明するための図である。
【図11】ポケット面に対応するころの倒れを説明する
図である。
【図12】第1実施例における別の試験結果を示す図で
ある。
【図13】第4実施例を説明する図である。
【図14】請求項1に係る発明の作用を説明するための
図である。
【符号の説明】
Δr 半径方向の傾き Δθ 円周方向の傾き L ころの長さ 1 内輪 2 外輪 3 保持器 4 ポケット 4a 柱側の面 5 円筒ころ 6 柱 7 側板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 高志 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ころ転動面の軸方向に沿った輪郭は、少
    なくともその中央部で軸に平行な直線形状となってお
    り、ころを収容する保持器のポケットは、上記ころ転動
    面と対向する部分の傾きが、軸受の回転中心軸と平行な
    直線に対し、ころ長さの1.5/1000以下となって
    いることを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 【請求項2】 ころ転動面の軸方向に沿った輪郭は、少
    なくともその中央部で軸に平行な直線形状となってお
    り、ころを収容する保持器のポケットは、上記ころ転動
    面と対向する部分の円周方向への傾きが、ころ長さの
    1.5/1000以下となっていることを特徴とする円
    筒ころ軸受。
  3. 【請求項3】 ころ転動面の軸方向に沿った輪郭は、少
    なくともその中央部で軸に平行な直線形状となってお
    り、ころを収容する保持器のポケットは、円周方向で上
    記ころと対向する部分の円周方向及び半径方向への傾き
    が、ころ長さの1.5/1000以下となっていること
    を特徴とする円筒ころ軸受。
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