JPH11118008A - トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造 - Google Patents
トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造Info
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- JPH11118008A JPH11118008A JP27869997A JP27869997A JPH11118008A JP H11118008 A JPH11118008 A JP H11118008A JP 27869997 A JP27869997 A JP 27869997A JP 27869997 A JP27869997 A JP 27869997A JP H11118008 A JPH11118008 A JP H11118008A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 傾転用コロ軸受のコロが、同じトラニオン円
周方向に傾斜するよう規制して、当該傾斜によスラスト
分力の総和をトラニオン内で相殺させる。 【解決手段】 球面リング8の内周とトラニオンの外周
との間に配したコロ12を保持する保持器13の各コロ
保持開口13aを、長手方向中心線O6 がトラニオン傾
転軸線に平行な軸線O5 に対し同じ方向へ同じ角度だけ
傾斜させ、コロ12を、同じトラニオン円周方向へ同じ
角度だけ傾斜させる。しかし、トラニオンの両端間では
コロ12の傾斜方向が相互に逆向きに、そして、傾斜角
が同じになるよう、コロ軸受9の仕様を異ならせ、各ト
ラニオン5の両端で、コロ12の傾斜によるスラスト分
力の総和が逆向きの同じ値となり、相互に相殺されるよ
うにする。よって、トラニオン上外力が作用せず、変速
制御を安定させ得る。
周方向に傾斜するよう規制して、当該傾斜によスラスト
分力の総和をトラニオン内で相殺させる。 【解決手段】 球面リング8の内周とトラニオンの外周
との間に配したコロ12を保持する保持器13の各コロ
保持開口13aを、長手方向中心線O6 がトラニオン傾
転軸線に平行な軸線O5 に対し同じ方向へ同じ角度だけ
傾斜させ、コロ12を、同じトラニオン円周方向へ同じ
角度だけ傾斜させる。しかし、トラニオンの両端間では
コロ12の傾斜方向が相互に逆向きに、そして、傾斜角
が同じになるよう、コロ軸受9の仕様を異ならせ、各ト
ラニオン5の両端で、コロ12の傾斜によるスラスト分
力の総和が逆向きの同じ値となり、相互に相殺されるよ
うにする。よって、トラニオン上外力が作用せず、変速
制御を安定させ得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル型無段
変速機のパワーローラを回転自在に支持し、ストローク
により変速制御を司るトラニオンの支持構造に関するも
のである。
変速機のパワーローラを回転自在に支持し、ストローク
により変速制御を司るトラニオンの支持構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は通常、例えば
特開昭57−47060号公報に記載されているよう
な、そして図1に例示するようなトラニオン支持構造を
持つ構成にするのが普通である。
特開昭57−47060号公報に記載されているよう
な、そして図1に例示するようなトラニオン支持構造を
持つ構成にするのが普通である。
【0003】図1により説明すると、トロイダル型無段
変速機は変速機ケース1内に入出力ディスク2を軸線O
1 上で回転し得るよう収納して備える。但し図1では、
エンジン側から見た断面のため手前側の入力ディスクが
見えておらず、これに同軸対向する出力ディスクのみが
見えている。これら入出力ディスク2間に複数(図では
2個)のパワーローラ3を挟圧して介在させ、各パワー
ローラ3をピボットシャフト4により個々のトラニオン
5上に回転自在に支持する。
変速機は変速機ケース1内に入出力ディスク2を軸線O
1 上で回転し得るよう収納して備える。但し図1では、
エンジン側から見た断面のため手前側の入力ディスクが
見えておらず、これに同軸対向する出力ディスクのみが
見えている。これら入出力ディスク2間に複数(図では
2個)のパワーローラ3を挟圧して介在させ、各パワー
ローラ3をピボットシャフト4により個々のトラニオン
5上に回転自在に支持する。
【0004】ここでパワーローラ3は、軸線O2 の周り
に回転しながら入出力ディスク2間で摩擦により動力の
伝達を行い、この動力伝達中において個々のトラニオン
5をサーボピストン6により、パワーローラ回転軸線O
2 が入出力ディスク2の回転軸線O1 と交差した図示の
中立位置からオフセットするようストロークさせると、
該ストローク方向に延在する軸線O3 周りにおけるトラ
ニオン5およびパワーローラ3の傾転が生起され、入出
力ディスク2に対するパワーローラ3の接触軌跡円径が
連続的に変化することで所定の変速を行うことができ
る。
に回転しながら入出力ディスク2間で摩擦により動力の
伝達を行い、この動力伝達中において個々のトラニオン
5をサーボピストン6により、パワーローラ回転軸線O
2 が入出力ディスク2の回転軸線O1 と交差した図示の
中立位置からオフセットするようストロークさせると、
該ストローク方向に延在する軸線O3 周りにおけるトラ
ニオン5およびパワーローラ3の傾転が生起され、入出
力ディスク2に対するパワーローラ3の接触軌跡円径が
連続的に変化することで所定の変速を行うことができ
る。
【0005】次にトラニオン5の支持構造を説明する
に、トラニオン5の隣り合う上端同士および下端同士
を、それぞれのリンク7により相互に連結し、トラニオ
ン5の上記ストロークを同位相で同期させるようにす
る。この際、トラニオン5およびリンク7間の連結は図
2にも示すように、上記ストローク時の関節運動が軽快
になるようリンク7に球面嵌合した球面リング8、およ
びこの球面リング8内に前記傾転が軽快になるよう配置
されたコロ軸受9を介してこれを行う。
に、トラニオン5の隣り合う上端同士および下端同士
を、それぞれのリンク7により相互に連結し、トラニオ
ン5の上記ストロークを同位相で同期させるようにす
る。この際、トラニオン5およびリンク7間の連結は図
2にも示すように、上記ストローク時の関節運動が軽快
になるようリンク7に球面嵌合した球面リング8、およ
びこの球面リング8内に前記傾転が軽快になるよう配置
されたコロ軸受9を介してこれを行う。
【0006】なお、パワーローラ3およびトラニオン5
の傾転を同期させるために、各トラニオン5にワイヤプ
ーリ10を取付け、これらプーリ10間に傾転同期ワイ
ヤ11を掛け渡す。
の傾転を同期させるために、各トラニオン5にワイヤプ
ーリ10を取付け、これらプーリ10間に傾転同期ワイ
ヤ11を掛け渡す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コロ軸受9
を構成するコロ12は図3に明示するように、クラウニ
ングを施した樽型に成形することとも相俟って、中心線
O4 がトラニオン傾転軸線O3 に平行な軸線O5 に対し
任意の方向に傾斜し得るものであり、当然、トラニオン
5の円周方向においても任意の方向に傾斜する。そし
て、かように傾斜したコロ12はトラニオン5の傾転時
に旋回状に転動することとなり、コロ12の傾斜方向に
応じた図3にαで例示するようなスラスト分力を発生さ
せる。しかも、コロ12の傾斜方向が特定の方向でない
ために、各コロ12によるスラスト分力の総和も不特定
なものとなって、トラニオン5に何れかの方向のスラス
トを付与する。これにより従来は、トラニオン5を介し
パワーローラ3に外力が作用して、トロイダル型無段変
速機の変速制御を不安定にすることが懸念される。
を構成するコロ12は図3に明示するように、クラウニ
ングを施した樽型に成形することとも相俟って、中心線
O4 がトラニオン傾転軸線O3 に平行な軸線O5 に対し
任意の方向に傾斜し得るものであり、当然、トラニオン
5の円周方向においても任意の方向に傾斜する。そし
て、かように傾斜したコロ12はトラニオン5の傾転時
に旋回状に転動することとなり、コロ12の傾斜方向に
応じた図3にαで例示するようなスラスト分力を発生さ
せる。しかも、コロ12の傾斜方向が特定の方向でない
ために、各コロ12によるスラスト分力の総和も不特定
なものとなって、トラニオン5に何れかの方向のスラス
トを付与する。これにより従来は、トラニオン5を介し
パワーローラ3に外力が作用して、トロイダル型無段変
速機の変速制御を不安定にすることが懸念される。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、コロの傾斜
方向を規定して各コロによる上記のスラスト分力がトラ
ニオン上で相殺されて、小さなものとなるようにするこ
とで、上記の懸念を払拭したトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造を提案することを目的とする。
方向を規定して各コロによる上記のスラスト分力がトラ
ニオン上で相殺されて、小さなものとなるようにするこ
とで、上記の懸念を払拭したトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造を提案することを目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、各コロによ
る上記のスラスト分力がトラニオン上で完全に相殺され
て0になるようにすることで、上記の懸念を完全に払拭
したトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造を提
案することを目的とする。
る上記のスラスト分力がトラニオン上で完全に相殺され
て0になるようにすることで、上記の懸念を完全に払拭
したトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造を提
案することを目的とする。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、最も簡易な
方式により第1発明または第2発明の目的を達成するよ
うにしたトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造
を提供することを目的とする。
方式により第1発明または第2発明の目的を達成するよ
うにしたトロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造
を提供することを目的とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、コロ軸受自
身には何らの変更を加えることなしに第1発明または第
2発明の目的を達成するようにしたトロイダル型無段変
速機のトラニオン支持構造を提供することを目的とす
る。
身には何らの変更を加えることなしに第1発明または第
2発明の目的を達成するようにしたトロイダル型無段変
速機のトラニオン支持構造を提供することを目的とす
る。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、第4発明の
作用効果を更に安価に達成し得るようにしたトロイダル
型無段変速機のトラニオン支持構造を提供することを目
的とする。
作用効果を更に安価に達成し得るようにしたトロイダル
型無段変速機のトラニオン支持構造を提供することを目
的とする。
【0013】請求項6に記載の第6発明は、トラニオン
の傾転時における摩擦抵抗を軽減しつつ第1発明または
第2発明の目的を達成し得るようにしたトロイダル型無
段変速機のトラニオン支持構造を提案することを目的と
する。
の傾転時における摩擦抵抗を軽減しつつ第1発明または
第2発明の目的を達成し得るようにしたトロイダル型無
段変速機のトラニオン支持構造を提案することを目的と
する。
【0014】請求項7に記載の第7発明は、第6発明の
目的を他の構成で達成し得るようにしたトロイダル型無
段変速機のトラニオン支持構造を提案することを目的と
する。
目的を他の構成で達成し得るようにしたトロイダル型無
段変速機のトラニオン支持構造を提案することを目的と
する。
【0015】請求項8に記載の第8発明は、第6発明ま
たは第7発明において耐久性を向上させ得るようにした
トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造を提案す
ることを目的とする。
たは第7発明において耐久性を向上させ得るようにした
トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造を提案す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明によるトロイダル型無段変速機のトラニオン
支持構造は、入出力ディスク間で摩擦により動力伝達を
行う複数のパワーローラを個々のトラニオンに回転自在
に支持し、これらトラニオンを、パワーローラ回転軸線
が入出力ディスクの回転軸線と交差した中立位置からオ
フセットするようストロークさせることで、該ストロー
ク方向に延在する軸線周りにおけるトラニオンおよびパ
ワーローラの傾転を生起させて変速を行うようにし、ト
ラニオンの隣り合う一端同士および他端同士を、それぞ
れのリンクにより相互に連結して前記各トラニオンのス
トロークを同位相で同期させると共に、トラニオンおよ
びリンク間の連結を、前記ストローク時の関節運動が軽
快になるよう前記リンクに球面嵌合した球面リングを介
し、また前記傾転が軽快になるよう該球面リング内に配
置したコロ軸受を介し行ったトロイダル型無段変速機に
おいて、前記各トラニオンの端部ごとに前記コロ軸受の
コロが同じトラニオン円周方向に傾斜するよう、しか
し、トラニオンの両端間で該コロの傾斜方向が逆向きに
なるよう構成したことを特徴とするものである。
ず第1発明によるトロイダル型無段変速機のトラニオン
支持構造は、入出力ディスク間で摩擦により動力伝達を
行う複数のパワーローラを個々のトラニオンに回転自在
に支持し、これらトラニオンを、パワーローラ回転軸線
が入出力ディスクの回転軸線と交差した中立位置からオ
フセットするようストロークさせることで、該ストロー
ク方向に延在する軸線周りにおけるトラニオンおよびパ
ワーローラの傾転を生起させて変速を行うようにし、ト
ラニオンの隣り合う一端同士および他端同士を、それぞ
れのリンクにより相互に連結して前記各トラニオンのス
トロークを同位相で同期させると共に、トラニオンおよ
びリンク間の連結を、前記ストローク時の関節運動が軽
快になるよう前記リンクに球面嵌合した球面リングを介
し、また前記傾転が軽快になるよう該球面リング内に配
置したコロ軸受を介し行ったトロイダル型無段変速機に
おいて、前記各トラニオンの端部ごとに前記コロ軸受の
コロが同じトラニオン円周方向に傾斜するよう、しか
し、トラニオンの両端間で該コロの傾斜方向が逆向きに
なるよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】第2発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明において、前記トラニ
オンの両端におけるコロの傾斜角を同じにしたことを特
徴とするものである。
トラニオン支持構造は、第1発明において、前記トラニ
オンの両端におけるコロの傾斜角を同じにしたことを特
徴とするものである。
【0018】第3発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記コロ軸受の保持器により前記コロの傾斜を実現
するよう構成したことを特徴とするものである。
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記コロ軸受の保持器により前記コロの傾斜を実現
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0019】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングの内周面、および該球面リング内周
面に対向するトラニオン外周面にそれぞれ、相互に対向
する螺旋溝を形成し、これら対向螺旋溝により画成され
た螺旋通路内にボールを収納したことを特徴とするもの
である。
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングの内周面、および該球面リング内周
面に対向するトラニオン外周面にそれぞれ、相互に対向
する螺旋溝を形成し、これら対向螺旋溝により画成され
た螺旋通路内にボールを収納したことを特徴とするもの
である。
【0020】第5発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングおよびトラニオンに、相互に螺合す
る螺合部を設定したことを特徴とするものである。
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングおよびトラニオンに、相互に螺合す
る螺合部を設定したことを特徴とするものである。
【0021】第6発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングおよびトラニオンに軸線方向に相互
に対向する面を設定すると共に、これら面の一方を円周
方向の波形面に成形し、該波形面の窪み内に転がり部材
を介在させたことを特徴とするものである。
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングおよびトラニオンに軸線方向に相互
に対向する面を設定すると共に、これら面の一方を円周
方向の波形面に成形し、該波形面の窪み内に転がり部材
を介在させたことを特徴とするものである。
【0022】第7発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングおよびトラニオンに軸線方向に相互
に対向する面を設定すると共に、これら面の双方を円周
方向の波形面に成形し、これら波形面の対向する窪み内
に転がり部材を介在させたことを特徴とするものであ
る。
トラニオン支持構造は、第1発明または第2発明におい
て、前記球面リングおよびトラニオンに軸線方向に相互
に対向する面を設定すると共に、これら面の双方を円周
方向の波形面に成形し、これら波形面の対向する窪み内
に転がり部材を介在させたことを特徴とするものであ
る。
【0023】第8発明によるトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造は、第6発明または第7発明におい
て、前記転がり部材をローラで構成したことを特徴とす
るものである。
トラニオン支持構造は、第6発明または第7発明におい
て、前記転がり部材をローラで構成したことを特徴とす
るものである。
【0024】
【発明の効果】複数のパワーローラが個々に入出力ディ
スク間で摩擦伝動を行っている間、これらパワーローラ
を回転自在に支持したトラニオンを、パワーローラ回転
軸線が入出力ディスクの回転軸線と交差する中立位置か
らオフセットさせることで、トラニオンおよびパワーロ
ーラの傾転を生起させ、変速を行うことができる。
スク間で摩擦伝動を行っている間、これらパワーローラ
を回転自在に支持したトラニオンを、パワーローラ回転
軸線が入出力ディスクの回転軸線と交差する中立位置か
らオフセットさせることで、トラニオンおよびパワーロ
ーラの傾転を生起させ、変速を行うことができる。
【0025】また、各トラニオンのオフセットを同位相
で同期させるためにトラニオンの隣り合う一端同士およ
び他端同士をそれぞれ相互に連結するリンクと、トラニ
オンとの間の連結を、球面リングおよびコロ軸受を介し
て行うことから、上記オフセット時の関節運動が球面リ
ングにより軽快になり、上記傾転がコロ軸受により軽快
になる。
で同期させるためにトラニオンの隣り合う一端同士およ
び他端同士をそれぞれ相互に連結するリンクと、トラニ
オンとの間の連結を、球面リングおよびコロ軸受を介し
て行うことから、上記オフセット時の関節運動が球面リ
ングにより軽快になり、上記傾転がコロ軸受により軽快
になる。
【0026】ところで第1発明においては、特に上記各
トラニオンの端部ごとにコロ軸受のコロが同じトラニオ
ン円周方向に傾斜するよう、しかし、トラニオンの両端
間で該コロの傾斜方向が逆向きになるよう構成したこと
から、各トラニオンの両端で、コロの傾斜によるスラス
ト分力の総和が逆向きとなって相殺し合うこととなり、
各トラニオンに発生するスラストが小さくなる。これが
ため、トラニオン5からパワーローラに作用する外力が
減少して、トロイダル型無段変速機の変速制御が不安定
になるのを防止することができる。
トラニオンの端部ごとにコロ軸受のコロが同じトラニオ
ン円周方向に傾斜するよう、しかし、トラニオンの両端
間で該コロの傾斜方向が逆向きになるよう構成したこと
から、各トラニオンの両端で、コロの傾斜によるスラス
ト分力の総和が逆向きとなって相殺し合うこととなり、
各トラニオンに発生するスラストが小さくなる。これが
ため、トラニオン5からパワーローラに作用する外力が
減少して、トロイダル型無段変速機の変速制御が不安定
になるのを防止することができる。
【0027】第2発明においては、トラニオンの両端に
おけるコロの傾斜角を同じにしたことから、各トラニオ
ンの両端で、コロの傾斜によるスラスト分力の総和が逆
向きの同じ値となり、各トラニオンの両端に発生したス
ラストが完全に相殺される。これがため、トラニオン5
からパワーローラに外力が作用することがなく、トロイ
ダル型無段変速機の変速制御が不安定になるのを完全に
防止することができる。
おけるコロの傾斜角を同じにしたことから、各トラニオ
ンの両端で、コロの傾斜によるスラスト分力の総和が逆
向きの同じ値となり、各トラニオンの両端に発生したス
ラストが完全に相殺される。これがため、トラニオン5
からパワーローラに外力が作用することがなく、トロイ
ダル型無段変速機の変速制御が不安定になるのを完全に
防止することができる。
【0028】第3発明においては、コロ軸受の保持器に
より前記コロの傾斜を実現するよう構成したから、上記
第1発明または第2発明の作用効果を最も簡易な方式に
より達成することができる。
より前記コロの傾斜を実現するよう構成したから、上記
第1発明または第2発明の作用効果を最も簡易な方式に
より達成することができる。
【0029】第4発明においては、前記球面リングの内
周面、および該球面リング内周面に対向するトラニオン
外周面にそれぞれ、相互に対向する螺旋溝を形成し、こ
れら対向螺旋溝により画成された螺旋通路内にボールを
収納したことから、以下の作用効果が得られる。つま
り、トラニオンの傾転時、球面リングおよびトラニオン
の相対回転により上記螺旋通路とボールとで構成される
ボールネジが球面リングとトラニオンとの間に軸線方向
の力を発生させ、これらの間に存在するコロが対応方向
の力を受けて傾動される。これがため、トラニオンの傾
転にともなう力がコロを同じトラニオン円周方向へ傾斜
させることとなり、第1発明または第2発明と同様な作
用効果を達成することができる。そして第4発明におい
ては、コロ軸受自身には何らの変更を加えることなしに
第1発明または第2発明の目的を達成することができて
コロ軸受のコスト上昇を抑制することができ、有利であ
る。
周面、および該球面リング内周面に対向するトラニオン
外周面にそれぞれ、相互に対向する螺旋溝を形成し、こ
れら対向螺旋溝により画成された螺旋通路内にボールを
収納したことから、以下の作用効果が得られる。つま
り、トラニオンの傾転時、球面リングおよびトラニオン
の相対回転により上記螺旋通路とボールとで構成される
ボールネジが球面リングとトラニオンとの間に軸線方向
の力を発生させ、これらの間に存在するコロが対応方向
の力を受けて傾動される。これがため、トラニオンの傾
転にともなう力がコロを同じトラニオン円周方向へ傾斜
させることとなり、第1発明または第2発明と同様な作
用効果を達成することができる。そして第4発明におい
ては、コロ軸受自身には何らの変更を加えることなしに
第1発明または第2発明の目的を達成することができて
コロ軸受のコスト上昇を抑制することができ、有利であ
る。
【0030】第5発明においては、球面リングおよびト
ラニオンに、相互に螺合する螺合部を設定したことか
ら、以下の作用効果が得られる。つまり、トラニオンの
傾転時、球面リングおよびトラニオンの相対回転により
上記螺合部が球面リングとトラニオンとの間に軸線方向
の力を発生させ、これらの間に存在するコロが対応方向
の力を受けて傾動される。これがため、トラニオンの傾
転にともなう力がコロを同じトラニオン円周方向へ傾斜
させることとなり、第1発明または第2発明と同様な作
用効果を達成することができる。しかも第5発明によれ
ば、第3発明よりも安価に第1発明または第2発明の作
用効果を達成することができる。
ラニオンに、相互に螺合する螺合部を設定したことか
ら、以下の作用効果が得られる。つまり、トラニオンの
傾転時、球面リングおよびトラニオンの相対回転により
上記螺合部が球面リングとトラニオンとの間に軸線方向
の力を発生させ、これらの間に存在するコロが対応方向
の力を受けて傾動される。これがため、トラニオンの傾
転にともなう力がコロを同じトラニオン円周方向へ傾斜
させることとなり、第1発明または第2発明と同様な作
用効果を達成することができる。しかも第5発明によれ
ば、第3発明よりも安価に第1発明または第2発明の作
用効果を達成することができる。
【0031】第6発明においては、球面リングおよびト
ラニオンに軸線方向に相互に対向する面を設定すると共
に、これら面の一方を円周方向の波形面に成形し、該波
形面の窪み内に転がり部材を介在させたことから、以下
の作用効果が得られる。つまり、トラニオンの傾転時、
球面リングおよびトラニオンの相対回転により上記転が
り部材が球面リングおよびトラニオンの対向面間で転動
され、球面リングとトラニオンとの間に軸線方向の力を
発生させ、これらの間に存在するコロが対応方向の力を
受けて傾動される。これがため、トラニオンの傾転にと
もなう力がコロを同じトラニオン円周方向へ傾斜させる
こととなり、第1発明または第2発明と同様な作用効果
を達成することができる。しかも第6発明によれば、上
記転がり部材が球面リングおよびトラニオン間の摩擦抵
抗を低減して、トラニオンの傾転を滑らかに行わせるこ
とができる。
ラニオンに軸線方向に相互に対向する面を設定すると共
に、これら面の一方を円周方向の波形面に成形し、該波
形面の窪み内に転がり部材を介在させたことから、以下
の作用効果が得られる。つまり、トラニオンの傾転時、
球面リングおよびトラニオンの相対回転により上記転が
り部材が球面リングおよびトラニオンの対向面間で転動
され、球面リングとトラニオンとの間に軸線方向の力を
発生させ、これらの間に存在するコロが対応方向の力を
受けて傾動される。これがため、トラニオンの傾転にと
もなう力がコロを同じトラニオン円周方向へ傾斜させる
こととなり、第1発明または第2発明と同様な作用効果
を達成することができる。しかも第6発明によれば、上
記転がり部材が球面リングおよびトラニオン間の摩擦抵
抗を低減して、トラニオンの傾転を滑らかに行わせるこ
とができる。
【0032】第7発明においては、球面リングおよびト
ラニオンに軸線方向に相互に対向する面を設定すると共
に、これら面の双方を円周方向の波形面に成形し、これ
ら波形面の対向する窪み内に転がり部材を介在させたこ
とから、以下の作用効果が得られる。つまり、トラニオ
ンの傾転時、球面リングおよびトラニオンの相対回転に
より上記転がり部材が球面リングおよびトラニオンの対
向波形面間で転動され、球面リングとトラニオンとの間
に軸線方向の力を発生させ、これらの間に存在するコロ
が対応方向の力を受けて傾動される。これがため、トラ
ニオンの傾転にともなう力がコロを同じトラニオン円周
方向へ傾斜させることとなり、第1発明または第2発明
と同様な作用効果を達成することができる。この第7発
明においても、転がり部材が球面リングおよびトラニオ
ン間の摩擦抵抗を低減して、トラニオンの傾転を滑らか
に行わせることができる。
ラニオンに軸線方向に相互に対向する面を設定すると共
に、これら面の双方を円周方向の波形面に成形し、これ
ら波形面の対向する窪み内に転がり部材を介在させたこ
とから、以下の作用効果が得られる。つまり、トラニオ
ンの傾転時、球面リングおよびトラニオンの相対回転に
より上記転がり部材が球面リングおよびトラニオンの対
向波形面間で転動され、球面リングとトラニオンとの間
に軸線方向の力を発生させ、これらの間に存在するコロ
が対応方向の力を受けて傾動される。これがため、トラ
ニオンの傾転にともなう力がコロを同じトラニオン円周
方向へ傾斜させることとなり、第1発明または第2発明
と同様な作用効果を達成することができる。この第7発
明においても、転がり部材が球面リングおよびトラニオ
ン間の摩擦抵抗を低減して、トラニオンの傾転を滑らか
に行わせることができる。
【0033】第8発明においては、上記の転がり部材を
ローラで構成したことから、ボールに較べて、球面リン
グおよびトラニオンの対向面と転がり部材との間におけ
る接触面積が増大し、耐摩耗性を向上させることがで
き、耐久性の点で大いに有利となる。
ローラで構成したことから、ボールに較べて、球面リン
グおよびトラニオンの対向面と転がり部材との間におけ
る接触面積が増大し、耐摩耗性を向上させることがで
き、耐久性の点で大いに有利となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図4は、本発明の一実施の形
態になるトラニオン支持構造を、その要部に関して詳細
に示すもので、図中、図1乃至図3におけると同様の部
分を同一符号にて示す。本実施の形態においては、コロ
軸受9を成すコロ12を、図1および図2におけると同
様にトラニオン5の外周面と球面リング8の内周面との
間に円周方向へ配列するが、これらコロ12の当該円周
方向への配列ピッチを等しく保持しておくため保持器1
3に形成すべき各コロ保持開口13aを、その長手方向
中心線O 6 がトラニオン傾転軸線に平行な軸線O5 に対
し、コロ軸受9ごとに同じ方向へ同じ角度だけ傾斜させ
る。
に基づき詳細に説明する。図4は、本発明の一実施の形
態になるトラニオン支持構造を、その要部に関して詳細
に示すもので、図中、図1乃至図3におけると同様の部
分を同一符号にて示す。本実施の形態においては、コロ
軸受9を成すコロ12を、図1および図2におけると同
様にトラニオン5の外周面と球面リング8の内周面との
間に円周方向へ配列するが、これらコロ12の当該円周
方向への配列ピッチを等しく保持しておくため保持器1
3に形成すべき各コロ保持開口13aを、その長手方向
中心線O 6 がトラニオン傾転軸線に平行な軸線O5 に対
し、コロ軸受9ごとに同じ方向へ同じ角度だけ傾斜させ
る。
【0035】これにより、保持器13の開口13a内に
保持されてコロ軸受9を構成するコロ12は、コロ軸受
9ごとに同じトラニオン円周方向へ同じ角度だけ傾斜さ
れることとなる。ところで、各トラニオン5(図1およ
び図2参照)の両端間ではコロ12の傾斜方向が相互に
逆向きになるよう、しかして、コロ12の傾斜角が同じ
になるよう、コロ軸受9の仕様を異ならせるものとす
る。
保持されてコロ軸受9を構成するコロ12は、コロ軸受
9ごとに同じトラニオン円周方向へ同じ角度だけ傾斜さ
れることとなる。ところで、各トラニオン5(図1およ
び図2参照)の両端間ではコロ12の傾斜方向が相互に
逆向きになるよう、しかして、コロ12の傾斜角が同じ
になるよう、コロ軸受9の仕様を異ならせるものとす
る。
【0036】本実施の形態においては、各トラニオン5
の両端で、コロ12の傾斜によるスラスト分力の総和が
逆向きの同じ値となり、各トラニオンの両端に発生した
スラストが相互に相殺される。これがため、トラニオン
5からパワーローラ3に外力が作用することがなく、ト
ロイダル型無段変速機の変速制御が不安定になるのを完
全に防止することができる。
の両端で、コロ12の傾斜によるスラスト分力の総和が
逆向きの同じ値となり、各トラニオンの両端に発生した
スラストが相互に相殺される。これがため、トラニオン
5からパワーローラ3に外力が作用することがなく、ト
ロイダル型無段変速機の変速制御が不安定になるのを完
全に防止することができる。
【0037】なお、上記実施の形態では各トラニオン5
の両端間でコロ12の傾斜方向を相互に逆向きにするだ
けでなく、コロ12の傾斜角が同じになるようにした
が、後者の傾斜角に関しては必ずしも必須要件ではな
く、各トラニオン5の両端間でコロ12の傾斜角が少し
くらい違っていても、上記の作用効果を或る程度は達成
することができる。
の両端間でコロ12の傾斜方向を相互に逆向きにするだ
けでなく、コロ12の傾斜角が同じになるようにした
が、後者の傾斜角に関しては必ずしも必須要件ではな
く、各トラニオン5の両端間でコロ12の傾斜角が少し
くらい違っていても、上記の作用効果を或る程度は達成
することができる。
【0038】なお、コロ12を傾斜させるに当たって
は、上記の通りコロ軸受9の保持器13を仕様変更し
て、コロ12を常時同じ方向へ同じ角度だけ傾斜させて
おくのが簡便であるが、この代わりに、コロ軸受9自身
を変更しないで同じ目的を達成する必要がある場合は、
以下の構成を採用することもできる。
は、上記の通りコロ軸受9の保持器13を仕様変更し
て、コロ12を常時同じ方向へ同じ角度だけ傾斜させて
おくのが簡便であるが、この代わりに、コロ軸受9自身
を変更しないで同じ目的を達成する必要がある場合は、
以下の構成を採用することもできる。
【0039】図5に示す実施の形態においては、球面リ
ング8の内周面、およびこの球面リング内周面と対向す
るトラニオン5の外周面にそれぞれ、相互に対向する螺
旋溝8a,5aを形成して、これら対向螺旋溝により螺
旋通路を画成する。そして、螺旋溝8a,5a間に画成
された螺旋通路内にボール14を収納してボールネジを
構成し、当該ボールネジを介して球面リング8およびト
ラニオン5を相関させる。
ング8の内周面、およびこの球面リング内周面と対向す
るトラニオン5の外周面にそれぞれ、相互に対向する螺
旋溝8a,5aを形成して、これら対向螺旋溝により螺
旋通路を画成する。そして、螺旋溝8a,5a間に画成
された螺旋通路内にボール14を収納してボールネジを
構成し、当該ボールネジを介して球面リング8およびト
ラニオン5を相関させる。
【0040】かかる構成によれば、トラニオン5の傾転
に伴ってトラニオン5が球面リング8に対し相対回転す
る時、螺旋溝8a,5aおよびボール14で構成される
ボールネジが球面リング8とトラニオン5との間に軸線
方向の力を発生させる。この力は、球面リング8とトラ
ニオン5との間に存在するコロ12をして一端がトラニ
オン径方向内側へ変位し、他端がトラニオン径方向外側
へ変位するよう傾動させ、コロ12を点接触から線接触
させる。この状態でトラニオン5の傾転にともなう回転
力がコロ12に加わると、各コロ12は全て同じトラニ
オン円周方向へ傾斜されることとなり、上記実施の形態
と同様な作用効果を達成することができる。なおこの場
合、コロ軸受9自身には何らの変更を加えることなしに
所期の目的を達成することができてコロ軸受のコスト上
昇を抑制することができ、有利である。
に伴ってトラニオン5が球面リング8に対し相対回転す
る時、螺旋溝8a,5aおよびボール14で構成される
ボールネジが球面リング8とトラニオン5との間に軸線
方向の力を発生させる。この力は、球面リング8とトラ
ニオン5との間に存在するコロ12をして一端がトラニ
オン径方向内側へ変位し、他端がトラニオン径方向外側
へ変位するよう傾動させ、コロ12を点接触から線接触
させる。この状態でトラニオン5の傾転にともなう回転
力がコロ12に加わると、各コロ12は全て同じトラニ
オン円周方向へ傾斜されることとなり、上記実施の形態
と同様な作用効果を達成することができる。なおこの場
合、コロ軸受9自身には何らの変更を加えることなしに
所期の目的を達成することができてコロ軸受のコスト上
昇を抑制することができ、有利である。
【0041】図6に示す実施の形態においては、球面リ
ング8に雌ねじ8bを、またトラニオン5に雄ねじ5b
を形成し、これらを相互に螺合させて螺合部を設定す
る。本実施の形態によれば、トラニオン5の傾転に伴っ
てトラニオン5が球面リング8に対し相対回転する時、
上記螺合部が球面リング8とトラニオン5との間に軸線
方向の力を発生させる。この力は、球面リング8とトラ
ニオン5との間に存在するコロ12をして一端がトラニ
オン径方向内側へ変位し、他端がトラニオン径方向外側
へ変位するよう傾動させ、コロ12を点接触から線接触
させる。この状態でトラニオン5の傾転にともなう回転
力がコロ12に加わると、各コロ12は全て同じトラニ
オン円周方向へ傾斜されることとなり、上記実施の形態
と同様な作用効果を達成することができる。なおこの場
合、コロ軸受9自身には何らの変更を加えることなしに
所期の目的を達成することができてコロ軸受のコスト上
昇を抑制することができ、有利であると共に、図5のよ
うに螺旋溝5a,8aを形成するよりも安価になり、コ
スト上更に有利である。
ング8に雌ねじ8bを、またトラニオン5に雄ねじ5b
を形成し、これらを相互に螺合させて螺合部を設定す
る。本実施の形態によれば、トラニオン5の傾転に伴っ
てトラニオン5が球面リング8に対し相対回転する時、
上記螺合部が球面リング8とトラニオン5との間に軸線
方向の力を発生させる。この力は、球面リング8とトラ
ニオン5との間に存在するコロ12をして一端がトラニ
オン径方向内側へ変位し、他端がトラニオン径方向外側
へ変位するよう傾動させ、コロ12を点接触から線接触
させる。この状態でトラニオン5の傾転にともなう回転
力がコロ12に加わると、各コロ12は全て同じトラニ
オン円周方向へ傾斜されることとなり、上記実施の形態
と同様な作用効果を達成することができる。なおこの場
合、コロ軸受9自身には何らの変更を加えることなしに
所期の目的を達成することができてコロ軸受のコスト上
昇を抑制することができ、有利であると共に、図5のよ
うに螺旋溝5a,8aを形成するよりも安価になり、コ
スト上更に有利である。
【0042】図7および図8に示す実施の形態において
は、球面リング8およびトラニオン5に軸線方向に相互
に対向する面8c,5cを設定すると共に、これら面の
うちトラニオン5側の面5cを円周方向に凹凸がある波
形に形成する。そして、波形面5cの窪み内に転がり部
材としてのボール15を保持器16により保持して介在
させる。かかる構成によれば、トラニオン5の傾転に伴
ってトラニオン5が球面リング8に対し相対回転する
時、ボール15が球面リング8およびトラニオン5の対
向面8c,5c間で転動される。ここで、面5cが円周
方向波形面であることに起因してボール15は、球面リ
ング8とトラニオン5との間に軸線方向の力を発生させ
る。この力は、球面リング8とトラニオン5との間に存
在するコロ12をして一端がトラニオン径方向内側へ変
位し、他端がトラニオン径方向外側へ変位するよう傾動
させ、コロ12を点接触から線接触させる。この状態で
トラニオン5の傾転にともなう回転力がコロ12に加わ
ると、各コロ12は全て同じトラニオン円周方向へ傾斜
されることとなり、上記実施の形態と同様な作用効果を
達成することができる。なおこの場合、コロ軸受9自身
には何らの変更を加えることなしに所期の目的を達成す
ることができてコロ軸受のコスト上昇を抑制することが
でき、有利であると共に、ボール15が球面リング8お
よびトラニオン5間の摩擦抵抗を低減して、トラニオン
5の傾転を滑らかに行わせることができる。
は、球面リング8およびトラニオン5に軸線方向に相互
に対向する面8c,5cを設定すると共に、これら面の
うちトラニオン5側の面5cを円周方向に凹凸がある波
形に形成する。そして、波形面5cの窪み内に転がり部
材としてのボール15を保持器16により保持して介在
させる。かかる構成によれば、トラニオン5の傾転に伴
ってトラニオン5が球面リング8に対し相対回転する
時、ボール15が球面リング8およびトラニオン5の対
向面8c,5c間で転動される。ここで、面5cが円周
方向波形面であることに起因してボール15は、球面リ
ング8とトラニオン5との間に軸線方向の力を発生させ
る。この力は、球面リング8とトラニオン5との間に存
在するコロ12をして一端がトラニオン径方向内側へ変
位し、他端がトラニオン径方向外側へ変位するよう傾動
させ、コロ12を点接触から線接触させる。この状態で
トラニオン5の傾転にともなう回転力がコロ12に加わ
ると、各コロ12は全て同じトラニオン円周方向へ傾斜
されることとなり、上記実施の形態と同様な作用効果を
達成することができる。なおこの場合、コロ軸受9自身
には何らの変更を加えることなしに所期の目的を達成す
ることができてコロ軸受のコスト上昇を抑制することが
でき、有利であると共に、ボール15が球面リング8お
よびトラニオン5間の摩擦抵抗を低減して、トラニオン
5の傾転を滑らかに行わせることができる。
【0043】なお、図7および図8では球面リング8お
よびトラニオン5の軸線方向対向面8c,5cのうちト
ラニオン5側の面5cを円周方向に凹凸がある波形に形
成したが、この代わりに図9に示すごとく、球面リング
8側の面8cを円周方向に凹凸がある波形に形成して
も、同様の作用効果を達成することができること、勿論
である。
よびトラニオン5の軸線方向対向面8c,5cのうちト
ラニオン5側の面5cを円周方向に凹凸がある波形に形
成したが、この代わりに図9に示すごとく、球面リング
8側の面8cを円周方向に凹凸がある波形に形成して
も、同様の作用効果を達成することができること、勿論
である。
【0044】また図10は、球面リング8およびトラニ
オン5の軸線方向対向面8c,5cの双方を円周方向に
凹凸がある波形に形成し、これら波形面8c,5cの対
向する窪み内にボール15を保持器16により保持して
介在させた実施形態を示すものである。かかる構成によ
れば、トラニオン5の傾転に伴ってトラニオン5が球面
リング8に対し相対回転する時、ボール15は球面リン
グ8およびトラニオン5の対向面8c,5c間で転動さ
れて、球面リング8とトラニオン5との間に軸線方向の
力を発生させる。この力は、球面リング8とトラニオン
5との間に存在するコロ12(図8参照)をして一端が
トラニオン径方向内側へ変位し、他端がトラニオン径方
向外側へ変位するよう傾動させ、コロ12を点接触から
線接触させる。この状態でトラニオン5の傾転にともな
う回転力がコロ12に加わると、各コロ12は全て同じ
トラニオン円周方向へ傾斜されることとなり、上記実施
の形態と同様な作用効果を達成することができる。なお
この場合も、コロ軸受には何らの変更を加えることなし
に所期の目的を達成することができてコロ軸受のコスト
上昇を抑制することができ、有利であると共に、ボール
15が球面リング8およびトラニオン5間の摩擦抵抗を
低減して、トラニオン5の傾転を滑らかに行わせること
ができる。
オン5の軸線方向対向面8c,5cの双方を円周方向に
凹凸がある波形に形成し、これら波形面8c,5cの対
向する窪み内にボール15を保持器16により保持して
介在させた実施形態を示すものである。かかる構成によ
れば、トラニオン5の傾転に伴ってトラニオン5が球面
リング8に対し相対回転する時、ボール15は球面リン
グ8およびトラニオン5の対向面8c,5c間で転動さ
れて、球面リング8とトラニオン5との間に軸線方向の
力を発生させる。この力は、球面リング8とトラニオン
5との間に存在するコロ12(図8参照)をして一端が
トラニオン径方向内側へ変位し、他端がトラニオン径方
向外側へ変位するよう傾動させ、コロ12を点接触から
線接触させる。この状態でトラニオン5の傾転にともな
う回転力がコロ12に加わると、各コロ12は全て同じ
トラニオン円周方向へ傾斜されることとなり、上記実施
の形態と同様な作用効果を達成することができる。なお
この場合も、コロ軸受には何らの変更を加えることなし
に所期の目的を達成することができてコロ軸受のコスト
上昇を抑制することができ、有利であると共に、ボール
15が球面リング8およびトラニオン5間の摩擦抵抗を
低減して、トラニオン5の傾転を滑らかに行わせること
ができる。
【0045】なお図7〜図10においては、ボール15
を転がり部材として用いたが、この代わりに図11に示
すように、ローラ17を保持器18により保持して、球
面リング8およびトラニオン5の対向面8c,5c間に
介在させることができる。この場合、ボール15に較べ
て、球面リング8およびトラニオン5の対向面8c,5
cとローラ17との間における接触面積が増大し、耐摩
耗性を向上させることができ、耐久性の点で大いに有利
となる。
を転がり部材として用いたが、この代わりに図11に示
すように、ローラ17を保持器18により保持して、球
面リング8およびトラニオン5の対向面8c,5c間に
介在させることができる。この場合、ボール15に較べ
て、球面リング8およびトラニオン5の対向面8c,5
cとローラ17との間における接触面積が増大し、耐摩
耗性を向上させることができ、耐久性の点で大いに有利
となる。
【図1】トロイダル型無段変速機の一般的な構造を示す
縦断正面図である。
縦断正面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機におけるトラニオン
支持部を示す拡大図である。
支持部を示す拡大図である。
【図3】同トラニオン支持部におけるトラニオン傾転用
のコロ軸受を構成するコロの傾斜状態を示す説明図であ
る。
のコロ軸受を構成するコロの傾斜状態を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態になるトラニオン支持構
造を示す、球面リングとコロ軸受の詳細縦断側面図であ
る。
造を示す、球面リングとコロ軸受の詳細縦断側面図であ
る。
【図5】本発明の他の実施の形態になるトラニオン支持
構造を示す要部詳細縦断側面図である。
構造を示す要部詳細縦断側面図である。
【図6】本発明の更に他の実施の形態になるトラニオン
支持構造を示す、図5と同様な詳細縦断側面図である。
支持構造を示す、図5と同様な詳細縦断側面図である。
【図7】本発明の更に別の実施の形態になるトラニオン
支持構造を示す一部縦断側面図である。
支持構造を示す一部縦断側面図である。
【図8】図7のA−A線上で断面とし、矢の方向に見て
示す詳細縦断側面図である。
示す詳細縦断側面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態になるトラニオン支持
構造を示す、図7と同様の一部縦断側面図である。
構造を示す、図7と同様の一部縦断側面図である。
【図10】本発明の更に他の実施の形態になるトラニオ
ン支持構造を示す、図9と同様の一部縦断側面図であ
る。
ン支持構造を示す、図9と同様の一部縦断側面図であ
る。
【図11】本発明の更に別の実施の形態になるトラニオ
ン支持構造を示す、図8と同様の詳細縦断側面図であ
る。
ン支持構造を示す、図8と同様の詳細縦断側面図であ
る。
1 変速機ケース 2 入出力ディスク 3 パワーローラ 5 トラニオン 5a 螺旋溝 5b 雄ねじ 5c 軸線方向対向面 6 サーボピストン 7 リンク 8 球面リング 8a 螺旋溝 8b 雌ねじ 8c 軸線方向対向面 9 傾転用コロ軸受 10 ワイヤプーリ 11 傾転同期ワイヤ 12 コロ 13 保持器 13a コロ保持開口 14 ボール 15 ボール(転がり部材) 16 保持器 17 ローラ(転がり部材) 18 保持器
Claims (8)
- 【請求項1】 入出力ディスク間で摩擦により動力伝達
を行う複数のパワーローラを個々のトラニオンに回転自
在に支持し、これらトラニオンを、パワーローラ回転軸
線が入出力ディスクの回転軸線と交差した中立位置から
オフセットするようストロークさせることで、該ストロ
ーク方向に延在する軸線周りにおけるトラニオンおよび
パワーローラの傾転を生起させて変速を行うようにし、 トラニオンの隣り合う一端同士および他端同士を、それ
ぞれのリンクにより相互に連結して前記各トラニオンの
ストロークを同位相で同期させると共に、トラニオンお
よびリンク間の連結を、前記ストローク時の関節運動が
軽快になるよう前記リンクに球面嵌合した球面リングを
介し、また前記傾転が軽快になるよう該球面リング内に
配置したコロ軸受を介し行ったトロイダル型無段変速機
において、 前記各トラニオンの端部ごとに前記コロ軸受のコロが同
じトラニオン円周方向に傾斜するよう、しかし、トラニ
オンの両端間で該コロの傾斜方向が逆向きになるよう構
成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラ
ニオン支持構造。 - 【請求項2】 請求項1において、前記トラニオンの両
端におけるコロの傾斜角を同じにしたことを特徴とする
トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記コロ軸
受の保持器により前記コロの傾斜を実現するよう構成し
たことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオ
ン支持構造。 - 【請求項4】 請求項1または2において、前記球面リ
ングの内周面、および該球面リング内周面に対向するト
ラニオン外周面にそれぞれ、相互に対向する螺旋溝を形
成し、これら対向螺旋溝により画成された螺旋通路内に
ボールを収納したことを特徴とするトロイダル型無段変
速機のトラニオン支持構造。 - 【請求項5】 請求項1または2において、前記球面リ
ングおよびトラニオンに、相互に螺合する螺合部を設定
したことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニ
オン支持構造。 - 【請求項6】 請求項1または2において、前記球面リ
ングおよびトラニオンに軸線方向に相互に対向する面を
設定すると共に、これら面の一方を円周方向の波形面に
成形し、該波形面の窪み内に転がり部材を介在させたこ
とを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオン支
持構造。 - 【請求項7】 請求項1または2において、前記球面リ
ングおよびトラニオンに軸線方向に相互に対向する面を
設定すると共に、これら面の双方を円周方向の波形面に
成形し、これら波形面の対向する窪み内に転がり部材を
介在させたことを特徴とするトロイダル型無段変速機の
トラニオン支持構造。 - 【請求項8】 請求項6または7において、前記転がり
部材をローラで構成したことを特徴とするトロイダル型
無段変速機のトラニオン支持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27869997A JPH11118008A (ja) | 1997-10-13 | 1997-10-13 | トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27869997A JPH11118008A (ja) | 1997-10-13 | 1997-10-13 | トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11118008A true JPH11118008A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17600962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27869997A Withdrawn JPH11118008A (ja) | 1997-10-13 | 1997-10-13 | トロイダル型無段変速機のトラニオン支持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11118008A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6196724B1 (en) * | 1998-03-26 | 2001-03-06 | Nsk Ltd. | Cylindrical roller bearing |
US6592491B1 (en) | 1999-04-07 | 2003-07-15 | Nsk Ltd. | Toroidal type continuously variable transmission |
DE19947851C2 (de) * | 1999-04-07 | 2003-10-16 | Nsk Ltd | Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe |
-
1997
- 1997-10-13 JP JP27869997A patent/JPH11118008A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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