JP2607609Y2 - 円筒ころ軸受 - Google Patents

円筒ころ軸受

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JP2607609Y2
JP2607609Y2 JP1993029802U JP2980293U JP2607609Y2 JP 2607609 Y2 JP2607609 Y2 JP 2607609Y2 JP 1993029802 U JP1993029802 U JP 1993029802U JP 2980293 U JP2980293 U JP 2980293U JP 2607609 Y2 JP2607609 Y2 JP 2607609Y2
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roller
cylindrical roller
cylindrical
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秀司 伊藤
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NTN Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、円筒ころ軸受に関す
る。
【0002】
【従来の技術】円筒ころ軸受の中には、例えば、図4に
示すような形状の保持器15を用いたものがある。この
保持器15は外輪案内のもので(内輪案内のものもあ
る)、ポケット16(図5c参照)の軸方向両側の環状
部17が外輪12の鍔部12aの内径によって案内され
る。ポケット16間を仕切る柱部18は、環状部17か
らそれぞれ軸方向に連続した軸方向部18aと、軸方向
部18aからそれぞれ内径側傾斜方向に連続した傾斜部
18bと、傾斜部18b間を軸方向に連続させるころ落
ち止め部18cとからなり、その縦断面は略M字状をな
している。環状部17および軸方向部18aは円筒ころ
13のピッチ円Pの近傍に位置し、図5に示すように、
軸方向部18aの側壁18a1によってピッチ円Pの近
傍部分で円筒ころ13を案内するようになっている。こ
ろ落ち止め部18cはピッチ円Pよりもやや内径側に位
置し、円筒ころ13のころ落ちを防止する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記保持器15は、環
状部17から軸方向に連続した軸方向部18aの側壁1
8a1で円筒ころ13を案内するものである。したがっ
て、円筒ころ13をピッチ円Pの近傍部分で案内しよう
とすると、軸方向部18aのみならず環状部17をもピ
ッチ円Pの近傍に位置させる必要が生じる。その結果、
環状部17を案内する外輪12の鍔部12aの鍔寸法L
2を必要以上に大きくしなければならないという不都合
がある。尚、この種の保持器において、環状部を内輪の
鍔部で案内する場合もあるが、その場合でも同様のこと
が言える。一般に、標準軸受軌道輪の鍔寸法は、円筒こ
ろの直径(2×d)の約20%程度に設定されており、
上記理由から、この種の保持器を用いた円筒ころ軸受に
あっては、標準軸受軌道輪を使用することができなかっ
た。このことは、同型番の軸受に対して複数種の軌道輪
を製作する必要が生じるためコストアップにつながり、
また、鍔寸法が増大するため軌道輪重量の増大にもつな
がる。
【0004】本考案の目的は、上述した不都合を解消し
得る円筒ころ軸受用保持器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の円筒ころ軸受
は、内輪と、両端部に鍔部を有する外輪と、内輪と外輪
との間に介在する複数の円筒ころと、円筒ころを収容す
る複数のポケットが円周等間隔に形成され、ポケットの
軸方向両側が外輪の鍔部の内径に案内される環状部、円
周方向両側がポケット間を仕切る柱部をなした保持器と
を備えたものであって、保持器の柱部が、軸方向両側の
環状部からそれぞれ連続して内径側傾斜方向に円筒ころ
のピッチ円を越えて延びた傾斜部と、これら傾斜部間を
軸方向に連続させ、かつ、円周方向に相対向した相互間
の最小距離が円筒ころの直径よりも小さなころ落ち止め
部とからなり、傾斜部の側壁に、円筒ころを前記ピッチ
円の近傍部分で案内するころ案内部を有し、かつ、ころ
案内部が、前記ピッチ円上に曲率中心をもち、前記ポケ
ットに収容された円筒ころの転動面に対応した曲率を有
する円弧面で描かれているものである。
【0006】
【作用】円筒ころの両端面は外輪の鍔部によって案内さ
れる。また、保持器の環状部は外輪の鍔部の内径によっ
て案内される。
【0007】柱部の傾斜部の側壁に設けられたころ案内
部は、ピッチ円の近傍部分で円筒ころの転動面に接触し
て円筒ころを案内する。
【0008】ころ落ち止め部は、円筒ころに係合してこ
ろ落ちを防止する。
【0009】ころ案内部を、ピッチ円上に曲率中心をも
ち、ポケットに収容された円筒ころの転動面に対応した
曲率を有する円弧面で描くことにより、円筒ころの転動
面ところ案内部との接触面積が増大し、両者の間の接触
面圧が低減する。また、円弧面状のころ案内部は、ピッ
チ円を中心として内径側と外径側に延在した状態になる
ので、軸受回転時における円筒ころの転動面ところ案内
部との接触状態も安定する
【実施例】
【0010】以下、本考案の実施例を図面に従って説明
する。
【0011】図1に示す円筒ころ軸受は、内輪1、外輪
2、内・外輪1、2間に介在する複数の円筒ころ3、円
筒ころ3を円周等間隔に保持する環状の保持器5で構成
されている。
【0012】保持器5には複数のポケット6(図2c参
照)が円周等間隔に形成され、ポケット6に円筒ころ3
が転動自在に収容されている。この保持器5は、例え
ば、環状の鋼板素材からプレス成形したもので、ポケッ
ト6の軸方向両側が環状部7、円周方向両側がポケット
6間を仕切る柱部8になっている。柱部8は、軸方向両
側の環状部7からそれぞれ連続して内径側傾斜方向に延
びた傾斜部8aと、傾斜部8a間を軸方向に連続させる
ころ落ち止め部8bとからなり、その縦断面は略V字状
をなしている。この保持器5は、環状部7の外径を外輪
2の鍔部2aの内径によって案内され、後述するよう
に、傾斜部8aの側壁に設けられたころ案内部8a1で
円筒ころ3を案内する。
【0013】図2に示すように、柱部8の傾斜部8aは
円筒ころ3のピッチ円Pを越えて内径側に延び、その側
壁に、円筒ころ3を案内するころ案内部8a1が設けら
れている。ころ案内部8a1の形状、形成位置は特に問
わないが、この実施例では、ころ案内部8a1を円筒面
とし、かつ、これをピッチ円Pの近傍に位置させてい
る。このようなころ案内部8a1は、例えば、ポケット
6の中心および軸線を含む平面Sとピッチ円Pとの交点
O1を曲率中心とし、円筒ころ3の半径dよりもポケッ
トすきま分(片側)だけ大きな曲率半径rの円弧面で描
かくことができる。ころ案内部8a1より外径側は平坦
な平坦部8a2であり、ころ案内部8a1と平坦部8a
2とは滑らかに連続している。円筒ころ3と保持器5と
が円周方向に相対移動すると、円筒ころ3の転動面とこ
ろ案内部8a1とが接触し、円筒ころ3がころ案内部8
a1によって案内される。
【0014】一方、ころ落ち止め部8bはピッチ円Pよ
りも内径側に位置し、円周方向に相対向した相互間の最
小距離Hが、円筒ころ3の直径(2×d)よりも僅かに
小さくなっている。そのため、ポケット6に収容された
円筒ころ3が内径側に移動するところ落ち止め部8bに
係合し、これにより、ころ落ちが防止される。
【0015】この保持器5は、円筒ころ3を案内するこ
ろ案内部8a1が柱部8の傾斜部8aにあり、外輪2の
鍔部2aに案内される環状部7がころ案内部8a1より
も外径側にずれた位置にあるので、ころ案内部8a1を
ピッチ円Pの近傍部分に設定した場合でも、標準軸受外
輪に対し、外輪2の鍔寸法L1の増大が少なく、あるい
は、保持器5の形状・寸法を適宜設定することによって
標準軸受外輪をそのまま使用することができる。また、
ころ案内部8a1が円筒ころ3の転動面に対応した曲率
を有するので、両者の間の接触面積が従来に比べ大き
く、接触面圧が低減するので、円筒ころ3の転動面およ
びころ案内部8a1に接触摩耗が生じにくい。さらに、
環状部7がピッチ円Pから外径側にずれることにより、
ポケット6の角アールRを大きく取ることができ、これ
により、ポケット6に生じる応力を低減させ、保持器強
度を向上させることができる。
【0016】図3に示す実施例は、柱部8の傾斜部8a
の側壁に、上記ころ案内部8a1に加え、ころ案内部8
a3を設けたものである。ころ案内部8a3は平坦部8
a2の途中部分に設けられ、ころ案内部8a1よりも外
径側に位置している。ころ案内部8a3はころ案内部8
a1と同様の円筒面であり、例えば、交点O1を曲率中
心とする曲率半径rの円弧面で描かれる。
【0017】尚、本考案は、以上例示した外輪案内の保
持器に限らず、内輪案内の保持器に適用された場合にも
同様の作用効果を奏する。
【0018】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の円筒ころ
軸受は、円筒ころをピッチ円の近傍部分で案内する保持
器のころ案内部を傾斜部に設けると共に、外輪の鍔部の
内径に案内される保持器の環状部をころ案内部よりも外
径側にずれた位置に設けたので、従来軸受に比べて、外
輪の鍔寸法を小さくすることができる。これにより、円
筒ころ軸受の重量軽減を図り、また、標準軸受軌道輪を
そのまま使用することを可能にして、円筒ころ軸受のコ
スト低減を図ることができる。また、保持器の環状部
ピッチ円から外径側にずらすことにより、ポケットの角
アールを大きく取ることができるので、ポケットに応力
集中が生じにくく、耐久性が向上する。さらに、保持器
のころ案内部を、ピッチ円上に曲率中心をもち、ポケッ
トに収容された円筒ころの転動面に対応した曲率を有す
円弧面で描かくことにより、円筒ころの転動面および
ころ案内部の接触摩耗を抑制することができる。また、
円弧面状のころ案内部が、ピッチ円を中心として内径側
と外径側に延在した状態になるので、軸受回転時におけ
る円筒ころの転動面ところ案内部との接触状態も安定す
【0019】以上の効果により、本考案は、円筒ころ軸
受におけるコスト低減、重量軽減、さらには耐久性向上
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の保持器を用いた円筒ころ軸受の縦断面
図である。
【図2】図1における保持器のa−a線に沿った横断面
図(図a)、図2aにおける柱部の拡大横断面図(図
b)、保持器のポケット上方からみた平面図(図c)で
ある。
【図3】本考案の他の実施例に係わる保持器の柱部を示
す拡大横断面図である。
【図4】従来構成の保持器を用いた円筒ころ軸受の縦断
面図である。
【図5】図4における保持器のa−a線に沿った拡大横
断面図(図a)、b−b線に沿った拡大横断面図(図
b)、保持器のポケット上方からみた平面図(図c)で
ある。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 2a 鍔部 3 円筒ころ 5 保持器 6 ポケット 7 環状部 8 柱部 8a 傾斜部 8a1 ころ案内部 8a3 ころ案内部 8b ころ落ち止め部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、両端部に鍔部を有する外輪と、
    内輪と外輪との間に介在する複数の円筒ころと、円筒こ
    ろを収容する複数のポケットが円周等間隔に形成され、
    ポケットの軸方向両側が外輪の鍔部の内径に案内される
    環状部、円周方向両側がポケット間を仕切る柱部をなし
    保持器とを備えたものであって、 前記保持器の柱部が、前記軸方向両側の環状部からそれ
    ぞれ連続して内径側傾斜方向に円筒ころのピッチ円を越
    えて延びた傾斜部と、これら傾斜部間を軸方向に連続さ
    せ、かつ、円周方向に相対向した相互間の最小距離が円
    筒ころの直径よりも小さなころ落ち止め部とからなり、
    前記傾斜部の側壁に、円筒ころを前記ピッチ円の近傍部
    分で案内するころ案内部を有し、かつ、前記ころ案内部
    が、前記ピッチ円上に曲率中心をもち、前記ポケットに
    収容された円筒ころの転動面に対応した曲率を有する
    弧面で描かれていることを特徴とする円筒ころ軸受
JP1993029802U 1993-06-03 1993-06-03 円筒ころ軸受 Expired - Lifetime JP2607609Y2 (ja)

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JPH0687723U JPH0687723U (ja) 1994-12-22
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JPH11344035A (ja) * 1998-03-31 1999-12-14 Nippon Seiko Kk 円筒ころ軸受
JP5241115B2 (ja) * 2007-03-02 2013-07-17 Ntn株式会社 針状ころ軸受
JP6244624B2 (ja) * 2012-12-18 2017-12-13 株式会社ジェイテクト 保持器及び保持器を備えたころ軸受

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