JP2022053876A - 自動調心ころ軸受 - Google Patents

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幹隆 佐波
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Abstract

【課題】ころの動きを安定化させると共に、保持器の強度を高めることができる自動調心ころ軸受を提供する。【解決手段】自動調心ころ軸受1は、内輪2と外輪3の軌道面2a,3a間に2列のころ4,4が介在し、2列のころ4,4を保持する保持器5を備える。保持器5は、隣り合うころ列間に設けられた中央環状部7と、各列のころ4に対して中央環状部7と軸方向反対側にそれぞれ位置する一対の外側環状部8,9と、中央環状部7と各外側環状部8,9との間をそれぞれ円周方向一定間隔おきに区切る複数の柱部10とを有する。ころ4が円周方向に隣り合う柱部間に収容される。保持器5の中央環状部7と外輪3の内周面との間に、2列のころ4,4間に介在してころ4の端面4aを案内する案内輪6が設けられた。【選択図】図1

Description

この発明は、アキシアル荷重下において、案内輪にてころの動きを制御できる自動調心ころ軸受に関し、かご型保持器を適用した場合の保持器強度の低下を抑制し得る技術に関する。
ころおよび保持器の案内のために、内輪と左右のかご型保持器との間に案内輪を採用した自動調心ころ軸受が提案されている(特許文献1)。この自動調心ころ軸受が、高アキシアル荷重下で使用された場合の軸受内部の状態を図7、図8に示す。
<内輪30に右側からアキシアル荷重Faを受けた場合>
・負荷側列(図7の左列)のアキシアルすきまは零となる。
・反負荷側列(図7の右列)はアキシアルすきまδaが生じる。
・反負荷側列のころ31はアキシアルすきまδaが存在するため、軸方向に移動することができる(図7)。
・反負荷側列のころ31が軸方向外側へ移動した場合、左右のかご型保持器32,32が別体のため、反負荷側列のかご型保持器32が前記ころ31と一緒に軸方向外側へ移動する。案内輪33は軸方向に移動することが可能となる(図8)。
・この場合、「ころと保持器のアキシアルすきま<ころと案内輪のアキシアルすきま」となるため、ころ31のスキュー時には、ころ端面は案内輪33でなく、保持器ポケット側面32aに接触する(図9)。
このように、ころ31は案内輪33で案内されなくなるため、ころ31の挙動が不安定となるおそれがある。
そこで、図10に示すようなころの安定性を高め得る自動調心ころ軸受を提案している。この自動調心ころ軸受は、図10に示すように、両列一体型のかご型保持器34の内径を平坦な円筒形状とし、案内輪35を保持器34と内輪36の間に配置した構造である。
特開2001-140875号公報
しかしながら、図10の例では、案内輪35を保持器34と内輪36の間に配置していることから、案内輪35を保持器34の内周に軸方向から挿入して組み立てるため、保持器34の内径を平坦な円筒形状にする必要がある。このため、軸方向外側のリング部34a,34aが薄肉となる。このように軸方向外側のリング部34a,34aが薄肉となる場合、保持器34は強度上問題となる場合がある。
この発明の目的は、ころの動きを安定化させると共に、保持器の強度を高めることができる自動調心ころ軸受を提供することである。
この発明の自動調心ころ軸受は、内輪と外輪の軌道面間に2列のころが介在し、前記2列のころを保持する保持器を備えた自動調心ころ軸受であって、
前記保持器は、隣り合うころ列間に設けられた中央環状部と、各列のころに対して前記中央環状部と軸方向反対側にそれぞれ位置する一対の外側環状部と、前記中央環状部と前記各外側環状部との間をそれぞれ円周方向一定間隔おきに区切る複数の柱部とを有し、前記ころが円周方向に隣り合う柱部間に収容され、
前記保持器の前記中央環状部と前記外輪の内周面との間に、前記2列のころ間に介在して前記ころの端面を案内する案内輪が設けられた。
この構成によると、保持器を、隣り合うころ列間に設けられた中央環状部と、各列のころに対して中央環状部と軸方向反対側にそれぞれ位置する一対の外側環状部と、複数の柱部とを有する、所謂、両列一体型のかご型保持器とした。さらに案内輪を、中央環状部と外輪の内周面との間に設けたため、案内輪を保持器と内輪の間に配置する場合と異なり、各外側環状部の内径側端を径方向内方に下げることができる。つまり案内輪および保持器を軸受内部に挿入して組み立てる際、各外側環状部の内径側端が、外径側に位置する案内輪に干渉することがなくなるため、各外側環状部の内径側端を径方向内方に延ばすことが可能となる。これにより、保持器と内輪の間に案内輪を設けた従来構造よりも、一対の外側環状部の肉厚を厚くし強度を高めることができる。
また、両列一体型のかご型保持器で、案内輪を中央環状部と外輪の内周面との間に設けたため、両列別体のものと異なり、ころと保持器との間の軸方向すきま、および、ころと案内輪との間の軸方向すきまの関係を任意に設定することが可能となる。したがって、アキシアル荷重下において、ころ端面を案内輪で案内しころの動きを安定化することができる。このようにころの動きを安定化させると共に、保持器の強度を高めることができる。
前記ころの軸方向内側の端面と前記案内輪との間の軸方向すきまをΔg、前記ころの軸方向内側の端面と前記保持器の前記中央環状部との間の軸方向すきまをΔe1、前記ころの軸方向外側の端面と前記保持器の前記外側環状部との間の軸方向すきまをΔe2とした場合、(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足してもよい。
この場合に、内輪に軸方向一方側からアキシアル荷重を受けると、負荷側列のアキシアルすきまは零となり、反負荷側列にはアキシアルすきまが生じる。このため、反負荷側列のころはアキシアルすきま分軸方向に移動し得る。反負荷側列のころが軸方向外側へ移動した場合、保持器は両列一体型のため、前記ころと共に保持器全体が前記軸方向外側へ移動する。この場合、前記ころと保持器の軸方向すきまはΔe1+Δe2、前記ころと案内輪の軸方向すきまは2Δg+2Δe2となる。この構成によると、(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足しているため、アキシアル荷重下においてころ端面を案内輪で案内することが可能となる。
前記保持器の一方の外側環状部は内径側に延びる第1のフランジ部を有し、この第1のフランジ部の内径側端に、前記内輪の外周面に案内する被案内面が設けられ、他方の外側環状部は内径側に延びる第2のフランジ部を有し、この第2のフランジ部の内径側端は内輪外径より大径に設けられていてもよい。この場合、第1,第2のフランジ部により一対の外側環状部の肉厚を厚くし保持器全体の強度を高め得る。また第2のフランジ部の内径側端は内輪外径より大径に設けられているため、例えば、内輪の外周面に対し、保持器を前記第2のフランジ部側から挿入して組み立てることが可能となる。
前記内輪に鍔部が設けられ、この鍔部の外径が内輪中央部外径以上に設けられていてもよい。この場合、左右対称のかご型保持器を採用することができる。このため、保持器を組み込む際に方向性がなくなるため、組立性が向上する。
前記案内輪の外周面に、前記案内輪を前記外輪の内周面に挿入可能とする切り欠き部が設けられていてもよい。このように案内輪の外周面に切り欠き部を設けたため、外輪の内周面に案内輪を挿入するとき、外輪の端面における内周側縁部に対し、案内輪の切り欠き部のある箇所を軸方向に通過させることができる。その後、外輪と案内輪とが同心となるように案内輪を容易に組み立てることができる。したがって、案内輪の組立性を高めることができる。
前記案内輪は、円周方向に複数分割された案内輪分割体からなるものであってもよい。この場合、一個の案内輪から成るものよりも部品点数が増えるものの、外輪の内周面に複数の案内輪分割体を挿入して簡単かつ確実に案内輪を組み立てることができる。
この発明の自動調心ころ軸受は、内輪と外輪の軌道面間に2列のころが介在し、前記2列のころを保持する保持器を備えた自動調心ころ軸受であって、前記保持器は、隣り合うころ列間に設けられた中央環状部と、各列のころに対して前記中央環状部と軸方向反対側にそれぞれ位置する一対の外側環状部と、前記中央環状部と前記各外側環状部との間をそれぞれ円周方向一定間隔おきに区切る複数の柱部とを有し、前記ころが円周方向に隣り合う柱部間に収容され、前記保持器の前記中央環状部と前記外輪の内周面との間に、前記2列のころ間に介在して前記ころの端面を案内する案内輪が設けられた。このため、ころの動きを安定化させると共に、保持器の強度を高めることができる。
この発明の実施形態に係る自動調心ころ軸受の断面図である。 同自動調心ころ軸受の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 同自動調心ころ軸受の内輪にアキシアル荷重が作用した場合の軸受内部の状態を示す断面図である。 同自動調心ころ軸受の外輪の内周面に案内輪を挿入可能とする構造を概略示す図である。 この発明の他の実施形態に係る自動調心ころ軸受の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る自動調心ころ軸受の外輪の内周面に案内輪を挿入可能とする構造を概略示す図である。 従来例の自動調心ころ軸受が高アキシアル荷重下で使用された場合の軸受内部の状態を示す断面図である。 同自動調心ころ軸受の軸受内部の別の状態を示す断面図である。 同自動調心ころ軸受において、ころ端面と保持器ポケット側面との関係等を説明する断面図である。 提案例の自動調心ころ軸受の断面図である。
[第1の実施形態]
この発明の実施形態に係る自動調心ころ軸受を図1ないし図4と共に説明する。
図1は、この実施形態に係る自動調心ころ軸受につきアキシアル荷重が作用してしない通常時の軸受内部の状態を示す断面図である。同図1に示すように、この自動調心ころ軸受1は、内外輪2,3と、この内外輪2,3間に介在する2列のころ4,4と、前記2列のころ4,4を保持する保持器5と、案内輪6とを備える。内輪2は2列の軌道面2a,2aを有する。外輪3は、内輪2の2列の軌道面2a,2aに渡ってこれら軌道面2a,2aに対向する一つの部分球面状の軌道面3aを有する。前記2列のころ4,4は、内輪2の軌道面2a,2aと外輪3の軌道面3aとの間に配置されている。
<内外輪等>
内輪2の外周面は、2列のころ4,4が転動する2列の軌道面2a,2aと、前記2列の軌道面2a,2a間に位置する外周中央部2bと、各軌道面2aから軸方向外側に延びる外周端部2c,2cとを有する。前記外周中央部2bは、内輪2の最大外径となる円筒面状に形成され、円周方向全周に連続し且つ軸方向に沿うように形成されている。各外周端部2cは軌道面2aよりも小径に形成されている。外輪3は、この内周側で軸受中心軸上の中心がある両列に続いた一つの部分球面状の軌道面3aを有する。
2列のころ4,4のうち一方のころ4は、内輪2の一方の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に介在し、他方のころ4は、内輪2の他方の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に介在する。各ころ4は、外径面が外輪3の球面状の軌道面3aに沿った円弧状断面の曲面とされ、両側の端面4a,4aが平坦面状とされている。軸受回転中、2列のころ4,4の転動面が内輪2の2列の軌道面2a,2aと外輪3の軌道面3aとの間を転動することにより、調心性が発揮される。
<保持器5>
保持器5は、所謂、両列一体型のかご型保持器であり、各列のころ間の円周方向の間隔を均等に保つ。保持器5は、例えば、鋼板を金型でプレス加工した打抜き保持器であり、中央環状部7と、一対の外側環状部8,9と、複数の柱部10とを有する。中央環状部7は、隣り合うころ列間に設けられ、ころPCDよりもやや外径側で軸方向に所定距離延びる円環状に形成されている。一対の外側環状部8,9は、各列のころ4に対して中央環状部7と軸方向反対側にそれぞれ位置する。
複数の柱部10は、中央環状部7と各外側環状部8,9との間をそれぞれ円周方向一定間隔おきに区切る。前記各列のころ4が円周方向に隣り合う各列の柱部間に収容つまり保持される。柱部10は、ころ4の中心軸よりもやや外径側で前記転動面と接触する円周方向のポケット面を有する。
一対の外側環状部8,9において、一方(図1左側)の外側環状部8は、内径側に延びる第1のフランジ部8aを有し、他方(図1右側)の外側環状部9は、内径側に延びる第2のフランジ部9aを有する。
図1および図2に示すように、第1のフランジ部8aの内径側端に、内輪2の左側の外周端部2cに案内する被案内面8aaが設けられている。この被案内面8aaと内輪2の左側の外周端部2cとの間には、径方向の案内すきまδ1が設定されている。第1のフランジ部8aの内側面は、ころ4の中心軸の略延長上から内径側に向かうに従ってころへ接近する側(軸方向内側)へ傾斜するように延びる。第1のフランジ部8aの外側面は、ころ4の中心軸の略延長上から内輪端面と平行に内径側に延びる。但し、第1のフランジ部8aの外側面における内径側部分は、内径側に向かうに従って軸方向内側へ傾斜するように延びる。
図1に示すように、第2のフランジ部9aの内径側端9aaは、第1のフランジ部8aの内径側端より大径で、且つ内輪外径となる外周中央部2bよりも大径に設けられている。この第2のフランジ部9aの内側面は、ころ4の中心軸の略延長上から内径側に向かうに従って軸方向内側へ傾斜するように延びる。第2のフランジ部9aの外側面は、ころ4の中心軸の略延長上から内輪端面と平行に内径側に延びる。
<案内輪6>
案内輪6は、保持器5の中央環状部7と外輪3の内周面との間に、2列のころ間に介在してころ4,4の端面4a,4aを案内する。この案内輪6は、断面矩形状の環状部材であり、幅寸法が、例えば、中央環状部7の幅寸法よりも所定長さ幅広に形成されている。但し、案内輪6のうち、中央環状部7に臨む内周面よりも、外輪3の内周面に臨む外周面がやや幅広となるように設けられている。案内輪6の両側面であるころ案内面6a,6aは、対向するころ4,4の軸方向内側の端面4a,4aに対し、それぞれ平行となるように形成されている。案内輪6の外周面は、後述する切り欠き部を除き、外輪の軌道面3aに沿う球面状に形成されている。また案内輪6の内周面は、前記中央環状部7の外周面に沿う球面状の曲面に形成され、中央環状部7の外周面に対し摺動する。なお案内輪6の外周面及び内周面は、軸方向に平行に延びる平坦な円筒面状であってもよい。
図4に示すように、案内輪6の外周面には、この案内輪6を外輪3の内周面3bに挿入可能とする切り欠き部6b,6bが設けられている。この例では、外輪3の軸心C1と案内輪6の軸心C3とが互いにずれた状態、例えば、外輪3の軸心C1に対し、二つの切り欠き部6b,6bの各中央部を通る中心線C2回りに、案内輪6の軸心C3が90度変位した状態で案内輪6の組み立てが行われる。またこの例では、案内輪6の外周面において、円周方向に180度位相が異なる位置で径方向に直交する平坦面を有する切り欠き部6b,6bが設けられている。これら切り欠き部6b,6bは、互いに平行な平坦面に形成されている。二つの切り欠き部6b,6b間の距離L1は、例えば、外輪3の軌道面3aから軸方向外側に延びる内周縁部3cの内径寸法、および、切り欠き部6bが設けられる円周方向位置の案内輪肉厚t1等を考慮して適宜に設定される。なお、この例では、案内輪6の外周面において、円周方向の二箇所に切り欠き部6b,6bが設けられているが、円周方向の一箇所に切り欠き部6bが設けられていてもよく、円周方向の三箇所以上に切り欠き部6bが設けられていてもよい。
<各軸方向すきまについて>
この自動調心ころ軸受では、図1に示すように、ころ4の軸方向内側の端面4aと案内輪6との間の軸方向すきまをΔg、ころ4の軸方向内側の端面4aと保持器5の中央環状部7との間の軸方向すきまをΔe1、ころ4の軸方向外側の端面4aと保持器5の外側環状部8,9との間の軸方向すきまをΔe2とした場合、(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足する。この(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足することで、後述するように、アキシアル荷重下において、案内輪6でころ4の動きを制御し得る。
この自動調心ころ軸受1につきアキシアル荷重が作用してしない状態において、内輪2が回転すると、各列のころ4と保持器5との間に軸方向すきまが形成される。つまりころ4の軸方向内側の端面4aと、保持器5の中央環状部7の側面との間に、初期の軸方向すきまΔe1が形成される。これと共に、ころ4の軸方向外側の端面4aと、保持器5の外側環状部8,9の側面(ポケット内面)との間に、初期の軸方向すきまΔe2が形成される。各ころ4の軸方向内側の端面4aと、案内輪6のころ案内面6aとの間には、初期の軸方向すきまΔgがそれぞれ形成される。
この状態において、案内輪6の両側のころ案内面6a,6aが2列のころ4,4の軸方向内側の端面4a,4aと摺動することで、ころ4,4の姿勢が安定する。案内輪6の内周面が中央環状部7の外周面と摺動することで、保持器5が半径方向で案内され、保持器5の挙動が安定化する。さらに案内輪6の外周面が外輪3の内周面と摺動することで、案内輪6が半径方向で案内される。
図3に示すように、内輪2に軸方向一方側からアキシアル荷重Faを受けた状態で内輪2が回転すると、負荷側(図3左側)列のアキシアルすきまは零となり、反負荷側(図3右側)列にはアキシアルすきまが生じる。このため、反負荷側列のころ4はアキシアルすきま分軸方向に移動し得る。反負荷側列のころ4が軸方向外側へ移動した場合、前記ころ4が反負荷側列の外側環状部9に当接して前記ころ4と共に保持器全体が前記軸方向外側へ移動する。
この場合、前記ころ4と保持器5の中央環状部7との間の軸方向すきまは、最大の軸方向すきまΔe1+Δe2、前記ころ4と案内輪6のころ案内面6aとの間の軸方向すきまは、最大の軸方向すきま2Δg+2Δe2となる。(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足しているため、アキシアル荷重下においてころ4の端面4aを案内輪6で案内することが可能となる。
<作用効果>
以上説明した自動調心ころ軸受1によれば、保持器5を両列一体型のかご型保持器とした。さらに案内輪6を、保持器5の中央環状部7と外輪3の内周面との間に設けたため、案内輪を保持器と内輪の間に配置する場合と異なり、各外側環状部8,9の内径側端を径方向内方に下げることができる。つまり案内輪6および保持器5を軸受内部に挿入して組み立てる際、各外側環状部8,9の内径側端が、外径側に位置する案内輪6に干渉することがなくなるため、各外側環状部8,9の内径側端を径方向内方に延ばすことが可能となる。これにより、保持器と内輪の間に案内輪を設けた従来構造よりも、一対の外側環状部8,9の肉厚を厚くし強度を高めることができる。
また、両列一体型のかご型保持器で、案内輪6を中央環状部7と外輪3の内周面との間に設けたため、ころ4と保持器5との間の軸方向すきま、および、ころ4と案内輪6との間の軸方向すきまの関係を任意に設定することが可能となる。具体的には、(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足するように設定し得る。したがって、アキシアル荷重下において、ころ4の端面4aを案内輪6で案内しころ4の動きを安定化することができる。このようにころ4の動きを安定化させると共に、保持器5の強度を高めることができる。
第1,第2のフランジ部8a,9aにより一対の外側環状部8,9の肉厚を厚くし保持器全体の強度を高め得る。また第2のフランジ部9aの内径側端は内輪外径より大径に設けられているため、例えば、内輪2の外周面に対し、保持器5を前記第2のフランジ部側から挿入して組み立てることが可能となる。
案内輪6の外周面に、案内輪6を外輪3の内周面に挿入可能とする切り欠き部6bが設けられている。このように案内輪6の外周面に切り欠き部6bを設けたため、外輪3の内周面に案内輪6を挿入するとき、外輪3の軸心C1と案内輪6の軸心C3とが互いにずれた状態で、外輪3の端面における内周側縁部に対し、案内輪6の切り欠き部6bのある箇所を軸方向に通過させることができる。その後、外輪3と案内輪6とが同心となるように案内輪6を容易に組み立てることができる。したがって、案内輪6の組立性を高めることができる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図5の実施形態の自動調心ころ軸受1Aでは、内輪2の外周面における両側部分に鍔部11,11が設けられ、各鍔部11の外径が、内輪2の外周中央部(内輪中央部)2bの外径以上に設けられている。保持器5Aの一対の外側環状部8,9は左右対称に構成されている。つまり、一方の外側環状部8における第1のフランジ部8aの内径側端に、内輪2の左側の鍔部11に案内する被案内面8aaが設けられ、他方の外側環状部9における第2のフランジ部9aの内径側端に、内輪2の右側の鍔部11に案内する被案内面9aaが設けられている。各鍔部11の外径が、内輪2の外周中央部2bの外径以上に設けられたため、左右対称のかご型保持器を採用することができる。このため、保持器5Aを組み込む際に方向性がなくなるため、組立性が向上する。
図6に示すように、案内輪6Aは、円周方向に複数分割された案内輪分割体6Aaからなるものであってもよい。この例では、複数の案内輪分割体6Aaが円周等配に設けられる。
この場合、一個の案内輪から成るものよりも部品点数が増えるものの、外輪3の内周面3bに複数の案内輪分割体6Aaを挿入して簡単かつ確実に案内輪6Aを組み立てることができる。なお案内輪分割体6Aaは図6に示す3個に限定されるものではなく、2個であってもよく4個以上であってもよい。また複数の案内輪分割体6Aaを円周不等配に設けることも可能である。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…内輪、2a…軌道面、3…外輪、3a…軌道面、4…ころ、5…保持器、6,6A…案内輪、6Aa…案内輪分割体、6b…切り欠き部、7…中央環状部、8,9…外側環状部、8a…第1のフランジ部、9a…第2のフランジ部、10…柱部、11…鍔部

Claims (6)

  1. 内輪と外輪の軌道面間に2列のころが介在し、前記2列のころを保持する保持器を備えた自動調心ころ軸受であって、
    前記保持器は、隣り合うころ列間に設けられた中央環状部と、各列のころに対して前記中央環状部と軸方向反対側にそれぞれ位置する一対の外側環状部と、前記中央環状部と前記各外側環状部との間をそれぞれ円周方向一定間隔おきに区切る複数の柱部とを有し、前記ころが円周方向に隣り合う柱部間に収容され、
    前記保持器の前記中央環状部と前記外輪の内周面との間に、前記2列のころ間に介在して前記ころの端面を案内する案内輪が設けられた、自動調心ころ軸受。
  2. 請求項1に記載の自動調心ころ軸受において、前記ころの軸方向内側の端面と前記案内輪との間の軸方向すきまをΔg、前記ころの軸方向内側の端面と前記保持器の前記中央環状部との間の軸方向すきまをΔe1、前記ころの軸方向外側の端面と前記保持器の前記外側環状部との間の軸方向すきまをΔe2とした場合、(2Δg+2Δe2)<(Δe1+Δe2)の関係を充足する自動調心ころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2に記載の自動調心ころ軸受において、前記保持器の一方の外側環状部は内径側に延びる第1のフランジ部を有し、この第1のフランジ部の内径側端に、前記内輪の外周面に案内する被案内面が設けられ、他方の外側環状部は内径側に延びる第2のフランジ部を有し、この第2のフランジ部の内径側端は内輪外径より大径に設けられている自動調心ころ軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自動調心ころ軸受において、前記内輪に鍔部が設けられ、この鍔部の外径が内輪中央部外径以上に設けられている自動調心ころ軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動調心ころ軸受において、前記案内輪の外周面に、前記外輪の内周面に挿入可能とする切り欠き部が設けられている自動調心ころ軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動調心ころ軸受において、前記案内輪は、円周方向に複数分割された案内輪分割体からなる自動調心ころ軸受。
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