JP2011140982A - 減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏心軸部の外周部に設けた玉軸受内輪の周方向の一部領域への荷重の集中を防止して、トルク損失を抑制する。
【解決手段】ハウジング11に回転可能に支持される入力軸12および出力軸13と、ハウジング11に固定される内歯車14とが同軸状に配置され、入力軸12に円形断面の偏心軸部17が設けられる。偏心軸部17の外周部に玉軸受19がころ軸受18を介して設けられ、内歯車14とその内部に設けた玉軸受19との間に複数のローラ21が介在され、ローラ21を保持するポケット24を有する環状の保持器部23が出力軸13に設けられる。入力軸12の回転時、ころ軸受18により玉軸受19は、偏心軸部17に対して相対回転し、偏心軸部17の偏心部分の径方向外側に位置する内輪19aの周方向の一部領域が、定位置に固定されず周方向に変位する。これにより、偏心軸部17の偏心部分からの荷重が、玉軸受19の内輪19aのうち周方向に対して同じ位置となる一部領域にのみ作用し続けることがない。
【選択図】図1

Description

この発明は、入力軸の回転を減速して出力軸に伝達する減速装置に関するものである。
一般に、DCモータ等の駆動源から駆動力を受けた入力軸の回転を減速して出力軸に伝達し、出力軸に接続した相手機械を駆動する装置として、減速装置が知られている。
このような減速装置としては、例えば、図8に示すように、円筒状のハウジング41に回転可能に支持される入力軸42および出力軸43と、ハウジング41内に固定される内歯車44とが同軸状に配置され、入力軸42に断面円形の偏心軸部45が設けられ、その外周部に圧入する玉軸受46と、内歯車44との間に複数のローラ47が介在され、これらのローラ47を保持するポケットを有する環状の保持器部48が、出力軸43に設けられたものがある(特許文献1参照)。
特開昭62−93565号公報
前記の保持器部48は、図9に示すように、円周方向に等ピッチで分割したときの分割点の数が、内歯車44の歯の数より1つ多い分割点の一部の間引いた位置にポケット49を有する構造となっている。
入力軸42を一方向に1回転させると、ローラ47は入力軸42の偏心軸部45の玉軸受46外輪によって、内歯車44の歯に押し付けられ、内歯車44の歯に対して入力軸42と同方向に1歯(ひと歯)分だけ入力軸42の軸心周りを同方向に公転する。ローラ47の公転により、保持器部48を介して出力軸43に、内歯車44の歯数に応じた減速比の回転が伝達される。
特許文献1に記載の減速装置では、入力軸の回転中、偏心軸部45のうち入力軸42の回転中心を基準にして径方向に最も外側に位置する部分(以下、偏心部分という)から、その外周部の玉軸受46は、その周方向における偏心部分付近の一部領域にのみ荷重が作用する。この荷重が作用する領域では、入力軸42の回転中、荷重が作用し続け、玉軸受46の玉と内輪の軌道面に圧痕や剥離が生じ、玉軸受46の寿命に悪影響を及ぼす問題が生じる。
この問題を解消するための対策としては、図10に示すように、偏心軸部45の外周部に、玉軸受46の代わりにころ軸受50を設けることが考えられる。ころ軸受50は、軌道輪と転動体とが点接触する玉軸受と比較して、負荷容量が大きく、同じ荷重を支持する場合には接触面圧が小さくなる。したがって、ころ軸受50の内輪に圧痕や剥離、割れが生じることを防止でき、内輪の耐久性を確保することが可能である。
しかし、ころ軸受50は、ころ50aと鍔部50bとの滑り接触部において、摩擦による回転抵抗が生じるため、ころ50aの回転抵抗が大きくなり、トルク損失が増大するとともに、応答性の低下を招くという問題があった。
そこで、この発明の課題は、偏心軸部の外周部に設けた玉軸受内輪の周方向の一部領域への荷重の集中を防止して、トルク損失を抑制することにある。
前記課題を解決するために、この発明は、ハウジングに回転可能に支持される入力軸および出力軸と、前記ハウジング内に固定される内歯車とを同軸状に配置し、前記入力軸に円形断面の偏心軸部を設け、その偏心軸部の外周部に玉軸受を設け、前記内歯車とその内部に設けた前記玉軸受との間に複数のローラを介在し、そのローラを保持するポケットを周方向に等ピッチに設けた環状の保持器部を前記出力軸に設け、前記環状の保持器部は円周方向に等ピッチで分割したときの分割点の数が、前記内歯車の歯の数と1つだけ異なる分割点の全ての位置または一部の間引いた位置に、前記ローラを保持するポケットを有し、前記歯の1ピッチ分の形状は、前記入力軸が回転するとき、前記玉軸受の外周部に沿って公転する前記ローラの中心が描く軌跡と平行な曲線のうち前記ローラの外径側にある曲線と合致し、前記ローラの公転を前記保持器部を介して前記出力軸に伝達するようにした減速装置において、前記玉軸受の径方向内側にその玉軸受の回転手段を設け、その回転手段により前記玉軸受が前記偏心軸部に対して相対回転するようにした構成を採用したのである。
この構成によると、入力軸の回転中、前記回転手段によって玉軸受は、偏心軸部に対して相対回転し、その内輪が偏心軸部の外周部に対して相対回転するようになる。このため、前述の偏心部分からの荷重が、回転する玉軸受の内輪のうち周方向における偏心部分付近の一部領域にのみ作用し続けることがない。よって、従来のように玉軸受の内輪軌道面において圧痕等の発生を防止することができる。
また、偏心軸部の径方向外側に玉軸受が設けられているので、上述した偏心軸部の径方向外側にころ軸受を設けた従来の減速装置のように、ころと鍔部との滑り接触部における摩擦による回転抵抗が生じない。よって、トルク損失が抑制されるとともに、応答性が確保され得る。
玉軸受の回転手段としては、種々考えられるが、玉軸受が偏心軸部に対して相対回転するものであればよく、例えば、前記偏心軸部の外周部に嵌められたころ軸受とすることができる。
回転手段であるころ軸受は、軌道輪と転動体とが線接触であるため、軌道輪と転動体とが点接触する玉軸受と比較して、負荷容量が大きく、偏心軸部からの負荷を周方向に複数配置されたころで受けることができる。このため、偏心軸部からの負荷は周方向に分散されて、玉軸受の内輪への周方向における偏心部分付近の一部領域に集中することが防止される。
回転手段が上記のころ軸受により形成された構成を採用した場合、前記ころ軸受の内輪が前記偏心軸部の外周部で形成された構成を採用することができる。この構成によると、ころ軸受の内輪が不要となり、偏心軸部の径方向寸法を小さくすることができる。したがって、減速装置の径方向のサイズを小さくすることが可能となる。
また、前記の場合、前記ころ軸受が、隣接するころが相互に接触するように配置された総ころ形式のころ軸受である構成を採用してもよい。この構成でのころ軸受は、ころの数を増加させ、ラジアル方向の負荷容量を大きくすることが可能となる。また、ころの数が多いほど、ころ端面とつばとの間の接触面圧を下げることができるため、これらの間の摩耗低減が図られるとともに、回転抵抗が低減される。したがって、ころ軸受の回転が円滑となり、効果的にトルク損失を抑制することができる。
回転手段が上記のころ軸受により形成された構成を採用した場合、前記ころ軸受がシェル形ころ軸受である構成を採用することができる。この構成では、例えば、シェル外輪は鋼板により形成される。このため、鍛造または鋳造した環状素材を切削、研削加工により製作した外輪よりも、偏心軸部の径方向寸法を小さくすることが可能となる。
前記のシェル形ころ軸受は、シェル外輪を鋼板のプレス加工、折り曲げ加工などにより形成することが可能となる。このため、鍛造、鋳造した環状素材を切削、研削加工により製作された外輪よりも、その製造コストを低減させることが可能となる。
さらに、前記の場合、前記ころ軸受が保持器を備え、前記ころ軸受の外輪を前記玉軸受の内輪で形成した構成を採用することができる。これにより、ころ軸受の内輪のみならず外輪も不要となり、偏心軸部の径方向寸法をより小さいものとすることができる。
前記偏心軸部については、前記入力軸に対して軸方向2箇所に設けられ、各偏心軸部はその軸心が前記入力軸の軸心周りに180°位相を変えた状態で設けられた構成を採用することができる。これにより、入力軸の回転時、偏心軸部の偏心運動による遠心力を相互に打ち消し合って、振動の発生が抑制されるとともに、入力軸が円滑に回転する。
前記保持器部のローラを保持するポケットを、前記分割点の一部の間引いた位置に設け、その間引き間隔を周方向で均等にすることにより、出力軸の回転バランスを良好に保ち、回転伝達の際のトルク損失が抑制される。また、ポケットの加工数とローラの組み込み数を減らすことができ、出力軸の製造効率を向上させることができる。
また、前記ころ軸受のころの外径端部にクラウニングを施し、エッジロードの発生を防止することができる。
この発明の減速装置では、偏心軸部の外周部に設けた玉軸受内輪の周方向の一部領域への荷重の集中が防止されるので、玉軸受の内輪軌道面において圧痕等の発生を防止することができる。
この発明に係る減速装置の実施例1を示す断面図 図1のII−II線に沿った断面図 実施例1の要部を示す斜視図 この発明に係る減速装置の実施例2を示す断面図 図4のV−V線に沿った断面図 この発明に係る減速装置の実施例3を示す断面図 図6のVII−VII線に沿った断面図 従来の減速装置を示す断面図 図8のIX−IX線に沿った断面図 従来の減速装置の他の形態を示す断面図 図10のXI−XI線に沿った断面図
以下、この発明に係る減速装置の実施例1を図1〜図3に示す。
この実施例における減速装置は、図1に示すように、円筒状をなすハウジング11に回転可能に支持される入力軸12および出力軸13と、ハウジング11内に固定された内歯車14とが同軸状に配置されたものである。
ハウジング11は、軸方向に分割された円筒体を、図示しない公知の手段により嵌め合わせたものであり、一端部側において入力軸12が、他端部側に出力軸13がそれぞれ回転可能に支持されている。
入力軸12は、ハウジング11の一端部および出力軸13の大径部13bにおいて軸受15、16により回転可能に支持されている。入力軸12の軸受15、16の間に一対の断面円形の偏心軸部17、17が軸方向2箇所に一体に設けられる。
各偏心軸部17は、その外周部に嵌め合わされたころ軸受18を備えている。各偏心軸部17の軸心は、入力軸12の軸心を両側に挟むように位置している。すなわち、各偏心軸部17の軸心が、入力軸12の軸心に対して180°位相を変えた状態で設けられている。
この入力軸12に対する偏心軸部17の位置により、各偏心軸部17、17の偏心運動による遠心力を相互に打ち消し合う。このため、入力軸12の回転がスムーズに行われて、高速回転時における振動の発生が抑制される。
偏心軸部17は入力軸12に対して軸方向に2箇所設けられているが、1箇所のみに設けてもよく、また、2箇所以上に設けることもできる。2箇所以上に設ける場合、各偏心軸部17、17は、その軸心を入力軸12の軸心の周りに周方向に等配すればよい。このようにすると、偏心軸部17の偏心運動による遠心力が相互に打ち消し合されるので好ましい。
偏心軸部17、17は、その外周部に嵌められたころ軸受18を備えている。ころ軸受18は、図2に示すように、保持器を備えておらず、隣接するころ18aが相互に接触するように配置された総ころ形式の軸受である。
この軸受18としては、保持器を備えていない総ころ形式のものであるが、円筒ころ18aを周方向に間隔をおいて保持するようにした保持器を備えるものであってもよい。ころ軸受18を保持器を備えていない軸受とすることで、円筒ころ18aの数を増加させ、ラジアル方向の負荷容量を大きくすることが可能となり好ましい。また、円筒ころ18aが多い程、ころ端面とつばとの間の接触面圧を下げることができるため、これらの間の摩耗低減が図られるとともに、回転抵抗が低減する。
偏心軸部17のころ軸受18は、内輪が偏心軸部17の外周部により形成され、その偏心軸部17の外周部に軌道面17aが形成されている。円筒ころ18aの外径端部には、エッジロードの発生を防止するために、クラウニングが施されている。
偏心軸部17の外周部の軌道面17aの軸方向両側には、円筒ころ18aの軸方向への移動を規制する一対のつば部が形成されている。一対のつば部のうち、軌道面17aに対して入力軸12の軸受15、16側(軸方向両側)のつば部が偏心軸部17に沿う環状のつば輪17bによって形成されている(図1参照)。
ころ軸受18の内輪は、偏心軸部17に対して環状の別部材で形成することができるが、偏心軸部17の外周部により形成すると、偏心軸部17の径方向寸法を小さくすることができる。
ころ軸受18の外輪の外周部には玉軸受19が圧入固定され、ころ軸受18により玉軸受19が偏心軸部17に対して相対回転可能に支持される。この支持により、ころ軸受18が玉軸受19の回転手段とされる。
ころ軸受18により玉軸受19は、入力軸12の回転時、ころ軸受18により偏心軸部17に対して相対回転する。この相対回転により、偏心軸部17のうち入力軸12の回転中心を基準にして径方向に最も外側に位置する部分(以下、単に偏心部分という)の径方向外側に位置する内輪19aの周方向の一部領域が、定位置に固定されず周方向に変位する。このため、偏心軸部17の偏心部分からの荷重が、玉軸受19の内輪19aのうち周方向に対して同じ位置となる一部領域にのみ作用し続けることがない。このため、従来のように玉軸受19の内輪軌道面において圧痕等の発生を防止することができる。
また、偏心軸部17の径方向外側にころ軸受18を介して玉軸受19が設けられているので、上述した偏心軸部の径方向外側にころ軸受を設けた従来の減速装置のように、ころと鍔部との滑り接触部における摩擦による回転抵抗が生じない。よって、トルク損失が抑制されるとともに、応答性が確保され得る。
図2に示すように、ハウジング11の内周部に内歯車14が固定され、入力軸12に対して同軸状に配置されている。内歯車14の内周部が、一対の偏心軸部17の玉軸受19の外周部(外輪の外周部)に対向している。内歯車14の内周部には、図2に示すように、歯14aが周方向に定ピッチで複数(図2の場合では51個)形成されている。内歯車14の内周部と偏心軸部17の玉軸受19との間には、これらに接する状態で複数のローラ21が転動可能に介在されている。
内歯車14の歯14aの1ピッチ分の形状は、入力軸12が回転するとき、玉軸受19の外周部に沿って公転するローラ21の中心が描く軌跡と平行な曲線のうちローラ21の外側にある曲線と合致している。
出力軸13は、ハウジング11の他端部側に位置する小径部13aと、小径部13aよりも入力軸12寄りに位置する大径部13bとが同軸状に一体に形成され、小径部13aにおいてハウジング11の他端部の軸方向2箇所で軸受22により回転可能に支持されている。
出力軸13の大径部13bは、円筒状をなし、外周部に他端部から一端部へ向かってその外径が次第に大きくなるテーパ部を有し、内周部に嵌合した軸受16で入力軸12の他端部を回転可能に支持している。出力軸13の大径部13bの一端部には円環状の保持器部23が同軸状に一体に形成されている。保持器部23は内歯車14と両偏心軸部17の玉軸受19との間に位置している。
保持器部23には、図3に示すように、ポケット24が周方向に等ピッチで形成され、ポケット24に内歯車14と偏心軸部17の玉軸受19との間に介在する複数のローラ21が転動可能に収容される。そのポケット24群は、前記ピッチに対して半ピッチずれた状態で軸方向に2列に並んで形成されている。
ポケット24は、内歯車14の歯14aに対して1つ異なる数に設けられ、例えば、内歯車14の歯14aの数よりも1つ多い数だけ周方向に等分したときの分割点に対して3つおきに間引いた位置(図2の場合では13箇所)、すなわち、その間引き間隔を周方向で均等するように設けられている。これにより、出力軸13の回転バランスを良好に保ち、ポケット24の加工数とローラ21の組み込み数を減らすことができる。
ここで、「ポケット24は内歯車14の歯14aに対して1つ異なる数に設けられ」るとは、ポケット24が前記分割点に対して全ての位置に設けられる場合のみならず、一部の間引いた位置に設けられる場合も含むことを意味する。また、ポケット24は、内歯車14の歯14aの数よりも1つ少ない数に設けてもよい。
以上の構成からなる減速装置について、その動作について説明する。
図2に矢印で示したように、入力軸12が時計回りに回転し、偏心軸部17が回転して偏心部分付近のころ軸受18が、径方向外側の玉軸受19の内輪19aの周方向の一部領域を押し付け、外輪19bの一部領域がローラ21を押し付ける。これにより、玉軸受19の内輪19aと、内歯車14の内周部との間の環状空間の極小部Aが時計回りに0°の位置、極大部Bが180°の位置にあるとすると、極小部Aと極大部Bは時計回りに移動し、環状空間の右半分は狭くなる傾向、環状空間の左半分は広くなる傾向となる。
この傾向によって、環状空間の右半分に存在するローラ21は内歯車14の歯14aを下る外径方向へ、環状空間の左半分に存在するローラ21は歯14aを上る内径方向へ移動し、図中に矢印で示すように、ローラ21を保持する保持器部31は、入力軸12と同じ時計回りに回転する。
また、入力軸12の回転に伴って、玉軸受19は、内輪19aが偏心軸部17に対して相対回転し、偏心軸部17の偏心部分の径方向外側に位置する内輪19aの周方向の一部領域が、定位置に固定されず周方向に変位する。このため、偏心軸部17の偏心部分からの荷重が、玉軸受19の内輪19aのうち周方向に対して同じ位置となる一部領域にのみ作用し続けることがない。その結果、玉軸受19の内輪軌道面において圧痕等の発生を防止することができる。
この実施例1では、保持器部23の分割点の数Nが歯14aの数よりも1つだけ多いので、入力軸12が1回転すると各ローラ21は歯14aの1ピッチ分だけ時計回りに公転し、入力軸12と出力軸13の減速比は、分割点の数Nと等しくなる。なお、分割点の数Nが歯14aの数よりも1つだけ少ない場合は、各ローラ21は反時計回りに公転し、出力軸13は入力軸12と逆方向に回転する。
出力軸13の保持器部23が時計回りに回転することにより、保持器部23と一体の大径部13bを有する出力軸13が回転する。このようにして、入力軸12の回転が前記の減速比で減速され、保持器部30を介して出力軸13に伝達されて、出力軸13が回転する。
偏心軸部17の外周部に設けたころ軸受18の構造は、偏心軸部17の偏心部分からの荷重が、玉軸受19の内輪19aのうち周方向における偏心部分付近の一部領域にのみ作用し続けることがないものとなる限り、適宜に変更することができる。一例として、この発明の実施例2を図4、5に示す。なお、以下においては、上述した実施例1との相違点を中心に述べ、同一に考えられる構成に同符号を用いて、その説明を省略する。
この実施例2における減速装置は、偏心軸部17の外周部に設けたころ軸受18が、シェル形ころ軸受である点が前述の実施例1と相違する。その他の構成は実施例1と同様である。
この実施例2では、ころ軸受18は、図4、5に示すように、シェル形外輪18bと、偏心軸部17の外周部により形成されている内輪との間に保持器18cにより針状のころ18aが転動可能に保持されたシェル形ころ軸受である。
ころ軸受18をシェル形ころ軸受とすると、シェル形外輪18bは鋼板により形成されるため、鍛造または鋳造した環状素材を切削、研削加工により製作した外輪よりも、偏心軸部の径方向寸法を小さくすることが可能となる。
また、シェル形外輪を鋼板のプレス加工、折り曲げ加工などにより形成することが可能となる。このため、鍛造、鋳造した環状素材を切削、研削加工により製作された外輪よりも、その製造コストを低減させることが可能となる。
玉軸受19はころ軸受18により偏心軸部17に対して相対回転可能となっている。このため、入力軸12の回転時、偏心軸部17に対して玉軸受19が相対回転する。また、偏心軸部17の偏心部分は、外周部のころ軸受18を介して玉軸受19をローラ21を介して内歯車14に押し付ける。この押し付けにより、玉軸受19の内輪19aは、ころ軸受18を介して偏心部分から荷重を受ける。
偏心軸部17に対して相対回転する玉軸受19の内輪19aは、玉軸受19の相対回転に伴って、偏心部分の外周部に位置する周方向の一部領域が、定位置に固定されず周方向に変位する。このため、偏心軸部17の偏心部分からの荷重が、玉軸受19の内輪19aのうち周方向に対して同じ位置となる一部領域にのみ作用し続けることがない。よって、従来のように玉軸受の内輪軌道面に圧痕等の発生を防止することができる。
また、偏心軸部17の径方向外側にころ軸受18を介して玉軸受19が設けられているので、上述の実施例1の場合と同様に、ころと鍔部との滑り接触部における摩擦による回転抵抗が生じない。よって、トルク損失が抑制されるとともに、応答性が確保され得る。
次にこの発明の実施例3を図6、7に示す。
この実施例3において、偏心軸部17の外周部に設けたころ軸受18は、図6に示すように、円筒ころ18aを周方向に間隔をおいて転動可能に保持する保持器18cを備え、内輪を偏心軸部17の外周部により形成し、かつ、外輪を玉軸受19の内輪19aにより形成した点が前述の実施例1と相違する。その他の構成は実施例1と同様であり、同一に考えられる構成に同符号を用いて、その説明を省略する。
ころ軸受18は、外輪が玉軸受19の内輪により形成されているので、ころ軸受18の内輪のみならず外輪も不要となり、偏心軸部の径方向寸法をより小さいものとすることができる。
この実施例3では、玉軸受19はころ軸受18により偏心軸部17に対して相対回転可能となっているため、入力軸12の回転時、偏心軸部17に対して相対回転する。このため、前述の実施例1と同様に、偏心軸部17に対して相対回転する玉軸受19の内輪19aは、玉軸受19の相対回転に伴って、偏心部分の外周部に位置する周方向の一部領域が、定位置に固定されず周方向に変位する。
これにより、入力軸12の回転時、偏心軸部17の偏心部分からの荷重が、玉軸受19の内輪19aのうち周方向に対して同じ位置となる一部領域にのみ作用し続けることがない。このため、従来のように玉軸受19の内輪軌道面において圧痕等の発生を防止することができる。
また、偏心軸部17の径方向外側にころ軸受18を介して玉軸受19が設けられているので、上述の実施例1の場合と同様に、ころと鍔部との滑り接触部における摩擦による回転抵抗が生じない。よって、トルク損失が抑制されるとともに、応答性が確保され得る。
11 ハウジング
12 入力軸
13 出力軸
13a 小径部
13b 大径部
14 内歯車
14a 歯
15、16 軸受
17 偏心軸部
17a 軌道面
17b つば輪
18 ころ軸受
18a 円筒ころ
18b シェル形外輪
18c 保持器
19 玉軸受
19a 内輪
19b 外輪
21 ローラ
22 軸受
23 保持器部
24 ポケット
41 ハウジング
42 入力軸
43 出力軸
44 内歯車
45 偏心軸部
46 玉軸受
47 ローラ
48 保持器部
49 ポケット
50 ころ軸受
50a ころ
50b 鍔部

Claims (9)

  1. ハウジングに回転可能に支持される入力軸および出力軸と、前記ハウジング内に固定される内歯車とを同軸状に配置し、前記入力軸に円形断面の偏心軸部を設け、その偏心軸部の外周部に玉軸受を設け、前記内歯車とその内部に設けた前記玉軸受との間に複数のローラを介在し、そのローラを保持するポケットを周方向に等ピッチに設けた環状の保持器部を前記出力軸に設け、前記環状の保持器部は円周方向に等ピッチで分割したときの分割点の数が、前記内歯車の歯の数と1つだけ異なる分割点の全ての位置または一部の間引いた位置に、前記ローラを保持するポケットを有し、前記歯の1ピッチ分の形状は、前記入力軸が回転するとき、前記玉軸受の外周部に沿って公転する前記ローラの中心が描く軌跡と平行な曲線のうち前記ローラの外径側にある曲線と合致し、前記ローラの公転を前記保持器部を介して前記出力軸に伝達するようにした減速装置において、
    前記玉軸受の径方向内側にその玉軸受の回転手段を設け、その回転手段により前記玉軸受が前記偏心軸部に対して相対回転するようにしたことを特徴とする減速装置。
  2. 前記回転手段が前記偏心軸部の外周部に嵌められたころ軸受により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記ころ軸受の内輪が前記偏心軸部の外周部で形成されたことを特徴とする請求項2に記載の減速装置。
  4. 前記ころ軸受が隣接するころが相互に接触するように配置された総ころ形式のころ軸受であることを特徴とする請求項2または3に記載の減速装置。
  5. 前記ころ軸受がシェル形ころ軸受であることを特徴とする請求項2または3に記載の減速装置。
  6. 前記ころ軸受が保持器を備え、前記ころ軸受の外輪を前記玉軸受の内輪で形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の減速装置。
  7. 前記偏心軸部が前記入力軸に対して軸方向2箇所に設けられ、各偏心軸部は、その軸心が前記入力軸の軸心に対して180°位相を変えた状態で設けられたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の減速装置。
  8. 前記保持器部のローラを保持するポケットを、前記分割点の一部の間引いた位置に設け、その間引き間隔を周方向で均等にした請求項1から7のいずれか1つに記載の減速装置。
  9. 前記ころ軸受のころの外径端部にクラウニングが施されたことを特徴とする請求項2から8のいずれか1つに記載の減速装置。
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