JP2008039128A - 鍔付ころ軸受 - Google Patents

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雅人 松井
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    • F16C2240/50Crowning, e.g. crowning height or crowning radius

Abstract

【課題】鍔部8、8の基端部に設けた逃げ溝13、13に基づくエッジロード(過大面圧)の低減を図る。
【解決手段】これら各逃げ溝13、13の軸方向内端縁と内輪軌道4の軸方向外端縁との連続部に、軸方向外側に向かう程これら各逃げ溝13、13の深さが深くなる方向に傾斜した逃げ面14、14を、それぞれ全周に亙って形成する。この結果、相対傾きが大きくなる場合や大きな荷重が加わる場合でも、各円筒ころ7の転動面9は上記逃げ面14、14と接触する為、上記課題を解決できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば工作機械の主軸(スピンドル)等、各種回転機械装置の回転部材を回転自在に支持する為の鍔付ころ軸受(例えば鍔付円筒ころ軸受、鍔付円すいころ軸受等)の改良に関し、製造コストが嵩む事を防止しつつ、鍔部の基端部に設けた逃げ溝に起因するエッジロードの低減を図る事により、耐久性の確保(長寿命化)を図るものである。
各種回転機械装置の回転支持部に転がり軸受が組み込まれているが、大きな荷重が加わる回転支持部を構成する為の転がり軸受としては、転動体としてころ(例えば円筒ころ、円すいころ等)を使用したころ軸受が使用されている。図7は、この様なころ軸受の1例として、例えば工作機械の回転支持部に組み込む、(単列のラジアル)鍔付円筒ころ軸受1を示している。この鍔付円筒ころ軸受1は、内周面の軸方向中間部に円筒面状の外輪軌道2を有する外輪3と、外周面の軸方向中間部に円筒面状の内輪軌道4を有する内輪5と、これら外輪軌道2と内輪軌道4との間に保持器6により保持した状態で転動自在に設けられた、複数の円筒ころ7とから成る。又、上記内輪5の軸方向両端部外周面には、それぞれ全周に亙り鍔部8、8を設けて、上記各円筒ころ7が上記両軌道2、4同士の間から脱落するのを防止している。
又、上記各円筒ころ7の外周面である転動面9の軸方向両端部には、図8に誇張して示す様に、それぞれクラウニングを施している。即ち、この転動面9のうち、軸方向中間部に設けた円筒面部10の両側部分に、それぞれクラウニング部11、11を設けている。これら各クラウニング部11、11は、母線の形状(断面形状)が曲率半径Rの大きい円弧である、凸曲面である。又、上記各クラウニング部11、11の端縁と上記円筒ころ7の両端面とは、それぞれ凸曲面状の面取り部12、12により滑らかに連続させている。そして、この様なクラウニング部11、11を設ける事により、上記外輪軌道2及び内輪軌道4のうち、上記転動面9の両端縁と転がり接触する部分に、エッジロードに基づく過大面圧が加わらない様にしている。
上述の様な円筒ころ軸受1により回転支持部を構成するには、例えば、上記外輪3を図示しない工作機械等のハウジングに内嵌支持すると共に、上記内輪5を、やはり図示しない主軸等の回転軸に外嵌支持する。
又、例えば特許文献1には、外輪軌道と内輪軌道と各ころの転動面とのうちの少なくとも何れかの面にクラウニングを施すと共に、その母線形状を対数曲線に近似した形状にする技術が記載されている。又、特許文献2には、母線形状を2段円弧としたクラウニングを施す技術が記載されている。又、特許文献3には、所定位置に於ける各ころのクラウニング量{各ころの転動面の軸方向中央部に対する母線の変化の程度(半径の差)}と内輪軌道のクラウニング量{内輪軌道の軌道面の軸方向中央部に対する母線の変化の程度(半径の差)}との和を、所定の条件式を満たす様に規制する技術が記載されている。この様な技術を採用すれば、ころ軸受に加わる荷重の変化やミスアライメントに拘らず、エッジロードを低減でき(過大面圧の低減化を図れ)、ころ軸受の長寿命化を図れると考えられる。尚、この特許文献3には、転動面又は軌道面に施すクラウニングを、軸方向全体に亙って施すフルクラウニング(全クラウニング)とする事や、例えば転動面又は軌道面の軸方向端部にのみ施すパーシャルクラウニング(部分的クラウニング)とする事も記載されている。
ところで、上述の図7〜8に示した鍔付円筒ころ軸受1を含む、一般的な鍔付ころ軸受の場合、図9に示す様に、各鍔部8、8の基端部と内輪軌道4の軸方向両端縁との連続部に、それぞれ逃げ溝13、13を設けている。尚、この図9は、(A)に円筒ころ7を、(B)に内輪5(の部分断面)を、これら円筒ころ7と内輪5とを互いに径方向(図9の上下方向)に離隔した状態で、それぞれ示している。又、これら逃げ溝13、13は、後述する本発明の実施の形態の第2例の図3に示す様に、外輪3aの内周面の軸方向両端部に設けた各鍔部8、8の基端部と外輪軌道2の軸方向両端縁との連続部に設ける場合もある。何れにしても、上述の様な逃げ溝13、13を設ける理由は、上記各鍔部8、8の軸方向内側面並びに内輪軌道4の軌道面を研削加工する際に、上記各鍔部8、8の基端部と内輪軌道4の軸方向両端縁との連続部に砥石により研削できない部分(研削残り)が残存する事を防止して、この様な残存部分と各円筒ころ7との接触による寿命の短縮を防止する為である。ところが、この様な逃げ溝13、13を設けた構造の場合、この逃げ溝13、13の存在に基づいて、次の様な問題を生じる可能性がある。この点に就いて、上記図9を用いて説明する。
この図9に示す様に、上記各円筒ころ7の軸方向長さをLとし、これら各円筒ころ7の両端部に設けた面取り部12、12の軸方向長さをそれぞれLcとし、これら各円筒ころ7の軸方向長さLからこれら面取り部12、12の軸方向長さLcを減じた長さ(転動面の軸方向長さ)である、ころ有効接触長さをLe(図示の例の場合はLe=L−2Lc)とし、上記鍔部8、8を設けた上記内輪5の内輪軌道4の軸方向長さ(各逃げ溝13、13の軸方向内端縁同士の軸方向距離)をAとする。ここで、このうちのころ有効接触長さLeが、上記内輪軌道4の軸方向長さAに比べて大きい場合、上記各逃げ溝13、13の軸方向内端縁と各円筒ころ7の転動面とが接触する可能性がある。
より具体的には、上記内輪軌道4や各円筒ころ7の転動面にクラウニングを施さない場合、或は、施してもクラウニング量が小さい場合、ころ軸受の取り付け誤差(ミスアライメント)やモーメント荷重等に基づき、上記内輪5と外輪3(図7参照)との相対傾き(中心軸同士のずれ)が大きくなると、上記各円筒ころ7の転動面と内輪軌道4との転がり接触部が、上記各逃げ溝13、13の軸方向内端縁に達する可能性がある。又、これら外輪3と内輪5との間に大きなラジアル荷重が加わった場合にも、上記転がり接触部の軸方向長さが大きくなり、この転がり接触部が上記各逃げ溝13、13の軸方向内端縁に達する可能性がある。この様な場合、これら各逃げ溝13、13の内端縁と各円筒ころ7との間にエッジロードに基づく過大面圧が加わり易くなり、著しい場合にはかじりや剥離等に伴う寿命の短縮を生じる可能性がある。
この様な不都合を防止する為に、上記各円筒ころ7の転動面や内輪軌道4(又は外輪軌道2)の軌道面のクラウニング量、即ち、上記円筒ころ7の転動面や内輪軌道4(又は外輪軌道2)の転動面の軸方向中央部に対する母線の変化の程度(落ち量、半径の差)を大きくする事が考えられる。即ち、例えば上記各円筒ころ7の転動面の母線形状を、上記図9(A)に破線αで誇張して示す様にする事が考えられる。この様にクラウニング量を大きくすれば、上記各円筒ころ7の転動面の軸方向両端部と上記各逃げ溝13、13との径方向に関する間隔を大きくでき、これら各逃げ溝13、13の内端縁と各円筒ころ7の転動面との接触を防止できると考えられる。但し、この様にクラウニング量を大きくした場合、上記各円筒ころ7の転動面と上記内輪軌道4(又は外輪軌道2)との転がり接触部の軸方向長さが小さくなる可能性がある。そして、この様に軸方向長さが小さくなると、上記各円筒ころ7並びに内輪軌道4(又は外輪軌道2)の軸方向中央部での面圧が大きくなり、転がり寿命を確保しにくくなる可能性がある。又、上記クラウニング量を大きくする場合には、その分研削量が大きくなるだけでなく、形状精度や寸法の管理が面倒になる等、加工の手間が増大し、製造コストが増大する可能性もある。
尚、特許文献4には、図10に示す様に、鍔部8、8の基端部と内輪軌道4の端縁との連続部に逃げ溝13a、13aを有する構造で、これら各逃げ溝13a、13aを上記鍔部8、8の軸方向内側面に達しない様にした(内輪軌道4の軌道面から径方向内方にのみ凹入し、鍔部8、8の軸方向内側面には凹入しない)構造が記載されている。この様な構造を採用すれば、上記各鍔部8、8の軸方向内側面と各円筒ころ7、7(図7、8等参照)の軸方向端面との(滑り)接触部が上記各逃げ溝13、13の端縁に達しにくくできる。但し、この様な構造を採用したとしても、これだけでは、前述した様な各円筒ころ7の転動面と逃げ溝13a、13aの軸方向内端縁との接触に伴う不都合は防止できないと考える。
特開2005−155763号公報 実開平3−12015号公報 特許第3731401号公報 特開2006−9891号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、取り付け誤差(ミスアライメント)やモーメント荷重に基づき内輪と外輪との相対傾き(中心軸同士のずれ)が大きくなる場合や、これら内輪と外輪との間に大きな荷重が加わる場合でも、鍔部の基端部に設けた逃げ溝に基づくエッジロード(過大面圧)の低減を図れる構造を、製造コストの増大を抑えつつ実現すべく発明したものである。
本発明の鍔付ころ軸受は、前述した従来から知られているころ軸受と同様に、外輪と、内輪と、複数のころとを備える。
このうちの外輪は、内周面に外輪軌道を設けている。
又、上記内輪は、外周面に内輪軌道を設けている。
又、上記各ころは、上記内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けている。
この様なころ軸受としては、例えば、円筒面状の外輪軌道と円筒面状の内輪軌道との間に複数の円筒ころを転動自在に設けた円筒ころ軸受や、円すい凹面状の外輪軌道と円すい凸面状の内輪軌道との間に複数の円すいころを転動自在に設けた円すいころ軸受等を例示できる。
そして、上記内輪と外輪とのうちの少なくとも一方の軌道輪の周面の少なくとも軸方向一端部に、他方の軌道輪に向けて突出する鍔部を全周に亙って設けている。例えば、上記内輪と外輪とのうちの一方(又は双方)の軌道輪の周面の軸方向一端部(又は両端部)に、他方の軌道輪に向けて突出する鍔部を全周に亙って設ける。
又、これと共に、この鍔部を設けた軌道輪の軌道面の軸方向外端縁とこの鍔部の基端縁との連続部に、少なくともこの軌道面から径方向に凹入する逃げ溝を全周に亙って形成する。例えば、上記一方の軌道輪(内輪又は外輪)の軸方向両端部に鍔部をそれぞれ設けた場合には、これら各鍔部を設けた軌道輪(内輪又は外輪)の軌道面の軸方向両端縁とこれら各鍔部の基端縁との連続部に、この軌道面から径方向に(必要に応じて鍔部の軸方向内側面の軸方向外方に)凹入する逃げ溝を、それぞれ全周に亙って形成する。
特に、本発明の鍔付ころ軸受に於いては、上記(各)逃げ溝の軸方向内端縁と上記軌道面の軸方向外端縁との連続部に、軸方向外側に向かう程この逃げ溝の深さが深くなる方向に傾斜した逃げ面(だらし)を、全周に亙って形成する。
この様な本発明の鍔付ころ軸受を実施する場合に好ましくは、各部の寸法を次の様に規制する。即ち、上記各ころの軸方向長さをLとし、これら各ころの端部に設けた面取り部の軸方向長さをLcとし、これら各ころの軸方向長さLから面取り部の軸方向長さLcを減じた長さ(各ころの転動面の軸方向長さ)である、ころ有効接触長さをLe(例えば各ころの軸方向両端部に面取り部を設けた場合はLe=L−2Lc)とする。又、鍔部を設けた軌道輪の軌道の軸方向長さをAとし、逃げ面の軸方向長さ(幅)をBとし、上記軌道の軸方向長さAからこの逃げ面の軸方向長さBを減じた長さである、軌道面有効長さをA1 (例えば軌道の軸方向一端部にのみ逃げ面を設けた場合はA1 =A−B、軌道の軸方向両端部に逃げ面を設けた場合はA1 =A−2B)とし、上記逃げ面の軸方向両端縁同士の径方向に関する距離である、この逃げ面の深さ(逃げ面の軸方向両端縁同士の外径の差の1/2)をCとする。そして、これら各値を、次の様に規制する。
即ち、請求項2に記載した様に、0.05Le≦B≦0.10Leとし、1μm≦C≦10μmとする。より好ましくは、1μm≦C≦5μm、更に好ましくは、1μm≦C≦2μmとする。 又、請求項3に記載した様に、Le>A1 とする。
又、請求項4に記載した様に、Le>A1 +B(例えば軸方向一端部にのみ逃げ溝を設けた構造の場合)、又は、必要に応じてLe>A1 +2B(例えば軌道の軸方向両端部に逃げ溝をそれぞれ設けた構造の場合)とする。言い換えれば、Le>Aとする。
又、本発明の鍔付ころ軸受を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、鍔部を設けた軌道輪の軌道面の軸方向中央部の母線形状を直線とする。
又、請求項6に記載した様に、各ころの転動面の軸方向中央部に対する母線の変化の程度であるクラウニング量(落ち量、半径の差)を、以下の(イ)、(ロ)の少なくとも何れかの条件を満たす様にする。
(イ)上記各ころの転動面の軸方向中央部からの軸方向距離が0.425Leである位置のクラウニング量が、0.0005Le以下である。
(ロ)同じく軸方向距離が0.5Leである位置のクラウニング量が、0.0015Le以下である。
尚、上記各ころの転動面に施すクラウニングは、軸方向全体に亙って施すフルクラウニング(全クラウニング)や、例えば転動面の軸方向端部にのみ施すパーシャルクラウニング(部分的クラウニング)を採用できる。
又、請求項7に記載した様に、上記各ころの転動面に対数クラウニングを施しても良い。
上述の様に構成する本発明の鍔付ころ軸受によれば、取り付け誤差(ミスアライメント)やモーメント荷重に基づき内輪と外輪との相対傾き(中心軸同士のずれ)が大きくなる場合や、これら内輪と外輪との間に大きな荷重が加わる場合でも、鍔部の基端部に設けた逃げ溝に基づくエッジロード(過大面圧)の低減を図れる構造を、製造コストの増大を抑えつつ実現できる。
即ち、上記逃げ溝と軌道面との連続部に、全周に亙って逃げ面(だらし)を設けている。この為、上記相対傾きが大きくなる場合や大きな荷重が加わる場合でも、上記各ころの転動面は上記逃げ面と接触する事になり、エッジロード(過大面圧)の低減を図れる。又、この様な逃げ面の加工は、上記各ころや軌道に施すクラウニングの量を大きくする場合に比べ、形状精度や寸法の管理が面倒でない為、製造コストが増大する事も抑えられる。又、上記クラウニング量を大きくする場合は、上記各ころの転動面と軌道面との転がり接触部の軸方向寸法が小さくなり、この転がり接触部の面圧が大きくなる傾向となるが、この様にクラウニング量を大きくしなくても、上記逃げ面の軸方向寸法を適切に規制する事で、上記各ころの転動面並びに軌道面の軸方向中央部の面圧が大きくなる事も抑えられる。この為、上記エッジロードの低減だけでなく、この面からも、耐久性(転がり寿命)の確保を図れる。
又、ころ軸受の諸元との関係で{例えば、NUP2208型、即ち、内輪の内径がφ40mm、外輪の外径がφ80mm、軸方向(幅)寸法が23mm、円筒ころの外径が11mm、同じく軸方向長さが15mm、ころ有効接触長さが14mm、面取り部の軸方向長さが0.5mmの鍔付円筒ころ軸受の場合、又は、NUP320型、即ち、内輪の内径がφ100mm、外輪の外径がφ215mm、軸方向(幅)寸法が47mm、円筒ころの外径が32mm、同じく軸方向長さが32mm、ころ有効接触長さが29mm、面取り部の軸方向長さが0.5mmの鍔付円筒ころ軸受の場合}、請求項2に記載した様に、逃げ面の軸方向寸法(幅)Bと深さCとを、0.05Le≦B≦0.10Le、1μm≦C≦10μm(より好ましくはC≦5μm、更に好ましくはC≦2μm)に規制すれば、エッジロードを確実に低減できる。即ち、上記逃げ面は、上記各ころを組み付けた状態でのこれら各ころの軸方向中央部からの距離が0.425Leの位置で、これら各ころの転動面と対向する事が好ましい。言い換えれば、上記各ころの軸方向中央部からの距離が0.425Leの位置が、上記逃げ面に含まれる(逃げ面の途中となる)様にする事が好ましい。又、上記各ころの転動面の端縁から上記逃げ溝の軸方向内端縁までの距離は、一般的に0.025Le以上となる。言い換えれば、上記逃げ溝の軸方向内端縁は、上記各ころの軸方向中央部からの距離が0.475Le以下(軸方向内側)となる部分に位置する。
これらの点から、少なくとも上記各ころの軸方向中央部からの距離が0.425Leの位置と上記逃げ溝の軸方向内端縁との間(軸方向中央部からの距離で0.425Leから0.475Leまでの間)が上記逃げ面となる様に、これら逃げ面の軸方向距離Bを、0.05Le以上とする。尚、この逃げ面の軸方向距離Bが0.05Leよりも小さいと、この逃げ面の存在の基づくエッジロード(過大面圧)の低減効果を十分に得られなくなる可能性がある。これに対して、上記逃げ面の軸方向距離Bが0.10Leよりも大きいと、各ころと軌道面との接触部の軸方向寸法が小さくなり、面圧が大きくなる可能性がある。又、上記逃げ面の深さCが10μmよりも大きいと、この逃げ面の傾斜が急になり過ぎて、この逃げ面の軸方向内端縁と軌道との連続部に大きな面圧が加わり易くなる他、この逃げ面の加工が面倒になる可能性がある。これに対して、上記深さCが1μmよりも小さいと、この逃げ面の傾斜が緩やか過ぎて、上記逃げ溝の軸方向内端縁と逃げ面の軸方向外端縁との連続部で大きな面圧が加わり易くなる可能性がある。
又、請求項3、4に記載した様に、Le>A1 、Le>A1 +B(必要に応じてLe>A1 +2B)とした場合には、逃げ面を設ける効果をより有効に得られる。即ち、この様な構造の場合、各ころの転動面と軌道との転がり接触部が、上記各ころの転動面と逃げ面の軸方向内端縁乃至は逃げ溝の軸方向内端縁に達し易くなる。但し、この様な場合でも、上記逃げ面の存在に基づいて、これら各ころの転動面と逃げ溝の軸方向内端縁との接触に基づくエッジロードの発生を低減できる。
又、請求項5に記載した様に、鍔部を設けた軌道輪の軌道面の軸方向中央部の母線形状を直線とした場合にも、上記逃げ面を設ける事による効果をより有効に得られる。即ち、この様に軸方向中央部の母線形状を直線とすると、この直線部分の存在に基づいて、上記各ころの転動面の軸方向端部と上記逃げ溝の軸方向内端縁との径方向に関する間隔が小さくなる傾向となる。そして、この様に小さくなる分、上記各ころの転動面の軸方向端部と上記逃げ溝の軸方向内端縁とが接触し易くなる。但し、この様な場合でも、上記各ころの転動面が上記逃げ面と接触する事で、エッジロードの発生を低減できる。
又、請求項6に記載した様に、各ころの転動面のクラウニング量(落ち量)が所定の条件を満たす場合、或は、請求項7に記載した様に、各ころの転動面に対数クラウニングを施す場合も、上記逃げ面を設ける事による効果をより有効に得られる。即ち、上記請求項6に記載した様な所定の条件を満たす場合には、クラウニング量が小さく乃至は0になるが、この様にクラウニング量が小さく乃至は0でも、上記逃げ面の存在に基づいて、上記各ころの転動面と逃げ溝の軸方向内端縁との接触に基づくエッジロードの発生を低減できる。又、上記請求項7に記載した様に対数クラウニングを施した場合も、各ころの軸方向中央部から0.425Leの位置のクラウニング量が同じく0.5Leの位置のクラウニング量に比べ小さくなる傾向となるが、この様な場合でも、上記逃げ面の存在に基づいて、上記各ころの転動面と逃げ溝の軸方向内端縁との接触に基づくエッジロードの発生を低減できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1〜7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、鍔付円筒ころ軸受1を構成する内輪5の鍔部8、8の基端部に設けた逃げ溝13、13と内輪軌道4との連続部の形状を工夫する事により、エッジロード(過大面圧)の低減を、製造コストの増大を抑えつつ図る点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図7〜9に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合は、上記内輪5の外周面の軸方向両端部にそれぞれ、外輪3に向けて突出する鍔部8、8を全周に亙って設けている。又、これと共に、上記内輪5の外周面に設けた内輪軌道4の軸方向両端縁と上記各鍔部8、8の基端縁との連続部に、この内輪軌道4から径方向内方に凹入すると共に、上記各鍔部8、8の軸方向内側面から軸方向外側にも凹入する逃げ溝13、13を、それぞれ全周に亙って形成している。更に本例の場合は、これら各逃げ溝13、13の軸方向内端縁と上記内輪軌道4の軸方向外端縁との連続部に、軸方向外側に向かう程これら各逃げ溝13、13の深さが深くなる方向(図1、2の下方)に傾斜した(母線が例えば直線状の)逃げ面(だらし)14、14を、それぞれ全周に亙って形成している。
又、本例の場合は、各部の寸法を次の様に規制している。即ち、各円筒ころ7の軸方向長さをLとし、これら各円筒ころ7の軸方向両端部に設けた各面取り部12、12の軸方向長さをLcとし、これら各円筒ころ7の軸方向長さLから上記各面取り部12、12の軸方向長さLcを減じた長さ(転動面9の軸方向長さ)である、ころ有効接触長さをLe(=L−2Lc)とする。又、上記内輪軌道4の軸方向長さをAとし、上記各逃げ面14、14の軸方向長さ(幅)をBとし、上記内輪軌道4の軸方向長さAからこれら各逃げ面の14、14軸方向長さBを減じた長さである、軌道面有効長さをA1 (=A−2B)とし、上記各逃げ面14、14の軸方向両端縁同士の径方向に関する距離である、これら各逃げ面14、14の深さ(逃げ面14、14の軸方向両端縁同士の外径の差の1/2)をCとする。そして、これら各値を、次の様に規制している。
即ち、0.05Le≦B≦0.10Leとし、1μm≦C≦10μm(より好ましくは、1μm≦C≦5μm、更に好ましくは、1μm≦C≦2μm)としている。又、Le>A1 とし、更に、Le>A1 +2B(言い換えれば、Le>A)としている。又、本例の場合は、上記内輪軌道4の軸方向中央部の母線形状を直線とすると共に、上記各円筒ころ7の転動面9にクラウニングを施している。尚、これら各円筒ころ7の転動面9に施すクラウニングのクラウニング量、即ち、この転動面9の軸方向中央部に対する母線の変化の程度(落ち量、半径の差)を、以下の(イ)、(ロ)の少なくとも何れかの条件を満たす様にしている。(イ)上記各円筒ころ7の転動面9の軸方向中央部からの軸方向距離が0.425Leである位置のクラウニング量が、0.0005Le以下である。
(ロ)同じく軸方向距離が0.5Leである位置のクラウニング量が、0.0015Le以下である。
尚、これら(イ)、(ロ)の少なくとも何れかの条件を満たせば、上記転動面9に施すクラウニングは、軸方向全体に亙って施すフルクラウニング(全クラウニング)や、例えば転動面9の軸方向端部にのみ施すパーシャルクラウニング(部分的クラウニング)でも良い。又、必要に応じて、上記転動面9に施すクラウニングを、前述の特許文献2、3等に記載された対数クラウニング乃至はこれに近似した曲線のクラウニング、2段円弧の母線形状を有するクラウニング等としても良い。
上述の様な本例の鍔付円筒ころ軸受1によれば、取り付け誤差(ミスアライメント)やモーメント荷重に基づき内輪5と外輪3との相対傾き(中心軸同士のずれ)が大きくなる場合や、これら内輪5と外輪3との間に大きな荷重が加わる場合でも、各鍔部8、8の基端部に設けた逃げ溝13、13に基づくエッジロード(過大面圧)の低減を図れる構造を、製造コストの増大を抑えつつ実現できる。
即ち、上記各逃げ溝13、13と内輪軌道4との連続部に、全周に亙って逃げ面14、14を設けている。この為、上記相対傾きが大きくなる場合や大きな荷重が加わる場合でも、上記各円筒ころ7の転動面9は上記逃げ面14、14と接触する為、エッジロード(過大面圧)の低減を図れる。又、この様な逃げ面14、14の加工は、上記各円筒ころ7や内輪軌道4に施すクラウニングの量を大きくする場合に比べ、形状精度や寸法の管理が面倒でない為、製造コストが増大する事も抑えられる。又、上記クラウニング量を大きくする場合は、上記各円筒ころ7の転動面9と内輪軌道4との転がり接触部の軸方向寸法が小さくなり、この転がり接触部の面圧が大きくなる傾向となるが、この様にクラウニング量を大きくしなくても、上記逃げ面14、14の軸方向寸法を適切に規制する事で、上記各円筒ころ7の転動面9並びに内輪軌道4の軸方向中央部の面圧が大きくなる事も抑えられる。この為、上記エッジロードの低減だけでなく、この面からも、耐久性(転がり寿命)の確保を図れる。
[実施の形態の第2例]
図3は、同じく請求項1〜7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合は、外輪3aの内周面の軸方向両端部にそれぞれ、内輪5aに向けて突出する鍔部8、8を全周に亙って設けている。又、これと共に、上記外輪3aの内周面に設けた外輪軌道2の軸方向両端縁と上記各鍔部8、8の基端縁との連続部に、少なくともこの外輪軌道2から径方向外方に凹入する逃げ溝13、13を、それぞれ全周に亙って形成している。更に本例の場合は、これら各逃げ溝13、13の軸方向内端縁と上記外輪軌道2の軸方向外端縁との連続部に、軸方向外側に向かう程これら各逃げ溝13、13の深さが深くなる方向に傾斜した逃げ面(だらし)14、14(図2参照)を、それぞれ全周に亙って形成している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した第1例と同様である。
本発明の効果を確認する為に行なった、円筒ころの転動面と内輪軌道との接触部に加わる面圧の計算結果に就いて説明する。この計算は、図4に示すNUP型(より具体的には、比較的寸法の小さいNUP2208型、及び、比較的寸法の大きいNUP320型)の鍔付円筒ころ軸受1aで行なった。この鍔付円筒ころ軸受1aは、外輪3bと、内輪5bと、鍔輪15と、複数個の円筒ころ7とを備える。このうちの外輪3bは、内周面の軸方向両端部に内向鍔部16、16を設けている。又、上記内輪5bは、外周面の軸方向一端部(図4の右端部)に外向鍔部17を設けている。又、上記鍔輪15は、上記内輪5bの軸方向他端面(図4の左端面)に突き当てた状態で設けており、この内輪5bの外周面のうち内輪軌道4よりも直径方向外方に突出する部分を、やはり外向鍔部17としている。そして、各逃げ溝13、13の軸方向内端縁と内輪軌道4及び外輪軌道2の軸方向外端縁との連続部に逃げ面14、14(図2参照)を設けている。
この様なNUP型の鍔付円筒ころ軸受1aのうち、NUP2208型の諸元は、内輪5bの内径をφ40mm、外輪3bの外径をφ80mm、軸方向(幅)寸法を23mm、円筒ころ7の外径を11mm、同じく軸方向長さを15mm、ころ有効接触長さLeを14mm、面取り部12の軸方向寸法Lcを0.5mmとしている。又、同じくNUP320型の鍔付円筒ころ軸受1aの諸元は、内輪5bの内径をφ100mm、外輪3bの外径をφ215mm、軸方向(幅)寸法を47mm、円筒ころ7の外径を32mm、同じく軸方向長さを32mm、ころ有効長さLeを29mm、面取り部12の軸方向寸法Lcを0.5mmとしている。そして、動定格荷重の0.3倍のラジアル荷重を負荷すると共に、上記内輪5bと外輪3bの相対傾きを12/10000rad (ラジアン)とした場合に於ける上記面圧を計算した。尚、この面圧は、図9(B)に示した従来の母線形状の場合と、図2(B)に示した逃げ面14、14を設けた母線形状の場合で、これら各逃げ面14、14の深さCを1μmとした場合と、同じく2μm(NUP2208型)又は10μm(NUP320型)とした場合との、合計3例に就いて、それぞれ求めた。又、これら各逃げ面14、14の幅Bは1mm(NUP2208型)又は2mm(NUP320型)とした。即ち、各逃げ溝13、13の軸方向内端縁から軸方向内側に1mm(NUP2208型)又は2mm(NUP320型)の位置からこれら各逃げ溝13、13の軸方向内端縁に至るまで、上記各逃げ面14、14を滑らかに形成した。又、各円筒ころ7は、対数クラウニングが施されており、NUP2208型の場合は、ころ有効接触長さをLe(=14mm)とした場合に、これら各円筒ころ7の軸方向中央部から0.425Le(=5.95mm)の位置のクラウニング量(落ち量、軸方向中央部に対する半径の差)を4μmとし、同じく0.5Le(=7mm)の位置でのクラウニング量を13μmとした。又、NUP320型の場合は、同じく対数クラウニングが施されており、ころ有効接触長さをLe(=29mm)とした場合に、各円筒ころ7の軸方向中央部から0.425Le(=12.325mm)の位置のクラウニング量を12μmとし、同じく0.5Le(=14.5mm)の位置のクラウニング量を42μmとした。
図5にNUP2208型の計算結果を、図6にNUP320型の計算結果を、それぞれ示す。これら図5、6中の破線は、各逃げ面14、14の深さCが0μm(逃げ面14、14を形成しない従来の母線形状)の場合を、同じく細線は、各逃げ面14、14の深さCが1μmの場合を、同じく全線は、各逃げ面14、14の深さCが2μm(NUP2208型、図5)又は10μm(NUP320型、図6)の場合を、それぞれ示している。又、各図の横軸は、各円筒ころ7の軸方向に関する位置を表しており、ころ接触有効長さLeの1/2{0.5Le=7mm(NUP2208型、図5)又は14.5mm(NUP320型、図6)}を1としている。又、各図の縦軸は、接触面圧を比で表している。この様な図5、6から明らかな様に、上記各逃げ面14、14の深さCが0μm(従来の母線形状)の場合は、面圧が過度に高くなる点a(エッジロード)を生じるのに対して、これら各逃げ面14、14の深さCが1μm、2μm(NUP2208型、図5)又は10μm(NUP320型、図6)の場合は、この様に面圧が過度に高くなる点が生じない。又、これら各逃げ面14、14の深さCが1μmの場合は、ピークbを生じるが、このピークbが他の部分の面圧(転がり接触部の面圧)と比べて過度に高くなるものではない。又、上記各逃げ面14、14の深さCが2μm(NUP2208型、図5)又は10μm(NUP320型、図6)の場合は、ピークを生じず、面圧の変化が滑らかになる。この様な結果から、上記各逃げ面14、14を設ける事で、逃げ溝13、13に基づくエッジロード(過大面圧)の低減を図れる事が分かる。
尚、図示は省略するが、上述の様な逃げ面14、14を形成しない場合でも、各円筒ころ7の転動面に大きなクラウニングを施せば、上記図5、6に示すa点の様な、過度に面圧が大きくなる点が出現する事を防止できる。例えば、NUP2208型程度の寸法の鍔付円筒ころ軸受の場合は、上記各円筒ころ7の軸方向中央部から0.425Leの位置でのクラウニング量(落ち量、軸方向中央部に対する半径の差)を10μm、同じく0.5Leの位置でのクラウニング量を25μmとした、クラウニング(例えばパーシャルクラウニング)を施す事で、過度に面圧が大きくなる事を防止できる。但し、加工コストが嵩む。これに対して本実施例では、各円筒ころ7の軸方向中央部から0.425Leの位置のクラウニング量を4μmとし、同じく0.5Leの位置でのクラウニング量を13μmとして、クラウニングの加工コストを抑えている。即ち、本例の場合は、上述の様な大きなクラウニング(10μm、25μm)を各円筒ころ7に施さなくても{小さいクラウニング(4μm、13μm)でも}、上記逃げ面14、14の存在に基づいて(深さが1〜2μm程度の逃げ面14、14を形成するだけで)、上記各逃げ溝13、13の軸方向内端縁に起因するエッジロードの低減を図れる(逃げ溝13、13近傍の面圧のピークを転がり接触部の最も高い面圧よりも小さくできる)。
尚、上記各逃げ面14、14は、上記各円筒ころ7を組み付けた状態でのこれら各円筒ころ7の軸方向中央部からの距離が0.425Leの位置に存在する事が好ましい。一方、上記各円筒ころ7の転動面9(面取り部12、12同士の間の外周面)の端縁から上記逃げ溝13、13の軸方向内端縁までの距離は、一般的に0.025Le以上となる。そこで、少なくとも上記各円筒ころ7の軸方向中央部からの距離が0.425Leの位置と上記逃げ溝13、13の軸方向内端縁との間(軸方向中央部からの距離で0.425Leから0.475Leの間)が上記逃げ面14、14となる様に、これら逃げ面14、14の軸方向距離Bを、0.05Le以上とする事が望ましい。尚、この軸方向距離Bの上限は、0.10Le以下とする事が望ましい。
又、上記各円筒ころ7は、例えば下記の(イ)(ロ)の条件の少なくとも何れかを満たす様な、小さなクラウニングが施されている、乃至は、クラウニングが施されていない場合でも、上記逃げ面14、14の存在に基づいて(例えば深さが1〜2μm程度の逃げ面14、14を形成するだけで)、上記各逃げ溝13、13の内端縁に起因するエッジロードの低減を図れる。
(イ)上記各円筒ころ7の転動面9の軸方向中央部からの軸方向距離が0.425Leである位置のクラウニング量が、0.0005Le以下である。
(ロ)同じく軸方向距離が0.5Leである位置のクラウニング量が、0.0015Le以下である。
尚、上記逃げ面14、14の存在に基づく効果は、上記(イ)(ロ)の条件の何れか一方のみを満たす場合だけでなく、これら(イ)(ロ)の条件の両方が満たされる場合にも、より顕著に得られる。
又、上記各円筒ころ7の転動面9には、直線と円弧とを組合せた母線を有するパーシャルクラウニングを施しても良いし、軸方向全体に亙り円弧状の母線を有するフルクラウニング、対数近似曲線の母線を有するクラウニング等を施しても良い。特にクラウニング量が小さい場合、乃至は、クラウニングが施されていない場合に、上記逃げ面14、14の存在に基づく効果をより顕著に得られる。又、これら逃げ面14、14を設ける軌道面の軸方向両端部を除く中央部の母線形状は、直線としても良いし、クラウニングを施したものとしても良い。何れにしても、クラウニング量が小さい場合、乃至は、クラウニングが施されていない場合に、上記逃げ面14、14の存在に基づく効果をより顕著に得られる。尚、これら逃げ面14、14の深さCは、円筒ころ7の寸法を含む円筒ころ軸受1の諸元、使用される荷重条件、更にはころ軸受の種類等に応じて、適宜変更可能である。又、上記逃げ面14、14の存在に基づく効果は、各円筒ころ7のころ有効接触長さLeが、軌道面長さA(A1 +B、A1 +2B)よりも長い場合に、特に顕著に得られる。
上述した各例では、鍔付ころ軸受として、鍔付円筒ころ軸受の場合に就いて説明したが、本発明は、ころとして円すいころを使用した、鍔付円すいころ軸受にも適用可能である。又、各鍔は、内輪と外輪との何れか一方又は双方に設けても良いし、軌道輪の軸方向一端部にのみ、又は、両端部に設けても良い。何れの場合も、鍔部の基端部に設けた逃げ溝と軌道面との連続部に逃げ面(だらし)を設ける。
本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面図。 円筒ころと内輪とを取り出して図1と同方向から見た図。 本発明の実施の形態の第2例を示す半部断面図。 面圧の計算に使用した円筒ころ軸受を示す部分断面図。 NUP2208型に関する、逃げ面の深さ毎に面圧分布を示す線図。 同じくNUP320型に関する、逃げ面の深さ毎に面圧分布を示す線図。 鍔付円筒ころ軸受の部分断面図。 クラウニング量(径方向の落ち量)を誇張して示す、円筒ころの半部正面図。 円筒ころと内輪とを取り出して図7と同方向から見た図。 内輪の別例を示す部分断面図。
符号の説明
1、1a 鍔付円筒ころ軸受
2 外輪軌道
3、3a、3b 外輪
4 内輪軌道
5、5a、5b 内輪
6 保持器
7 円筒ころ
8 鍔部
9 転動面
10 円筒面部
11 クラウニング部
12 面取り部
13、13a 逃げ溝
14 逃げ面
15 鍔輪
16 内向鍔部
17 外向鍔部

Claims (7)

  1. 内周面に外輪軌道を設けた外輪と、外周面に内輪軌道を設けた内輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数のころとを備え、上記内輪と外輪とのうちの少なくとも一方の軌道輪の周面の少なくとも軸方向一端部に、他方の軌道輪に向けて突出する鍔部を全周に亙って設けると共に、この鍔部を設けた軌道輪の軌道面の軸方向外端縁とこの鍔部の基端縁との連続部に、少なくともこの軌道面から径方向に凹入する逃げ溝を全周に亙って形成した鍔付ころ軸受に於いて、この逃げ溝の軸方向内端縁と上記軌道面の軸方向外端縁との連続部に、軸方向外側に向かう程この逃げ溝の深さが深くなる方向に傾斜した逃げ面を、全周に亙って形成した事を特徴とする鍔付ころ軸受。
  2. 各ころの軸方向長さからこれら各ころの端部に設けた面取り部の軸方向長さを減じた長さである、ころ有効接触長さをLeとし、逃げ面の軸方向長さをBとし、この逃げ面の軸方向両端縁同士の径方向に関する距離である、この逃げ面の深さをCとした場合に、0.05Le≦B≦0.10Leとし、1μm≦C≦10μmとした、請求項1に記載した鍔付ころ軸受。
  3. 各ころの軸方向長さからこれら各ころの端部に設けた面取り部の軸方向長さを減じた長さである、ころ有効接触長さをLeとし、鍔部を設けた軌道輪の軌道面の軸方向長さから逃げ面の軸方向長さBを減じた長さである、軌道面有効長さをA1 とした場合に、Le>A1 とした、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した鍔付ころ軸受。
  4. Le>A1 +Bとした、請求項3に記載した鍔付ころ軸受。
  5. 鍔部を設けた軌道輪の軌道面の軸方向中央部の母線形状を直線とした、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した鍔付ころ軸受。
  6. 各ころの転動面の軸方向中央部に対する母線の変化の程度であるクラウニング量が、以下の(イ)、(ロ)の少なくとも何れかの条件を満たす、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した鍔付ころ軸受。
    (イ)上記各ころの転動面の軸方向中央部からの軸方向距離が0.425Leである位置のクラウニング量が、0.0005Le以下である。
    (ロ)同じく軸方向距離が0.5Leである位置のクラウニング量が、0.0015Le以下である。
  7. 各ころの転動面に対数クラウニングが施されている、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した鍔付ころ軸受。
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