JP2021148128A - クロスローラ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロスローラ軸受の外輪の傾斜軌道面における局部摩耗を、大幅なコスト増加を伴わずに抑制できるようにする。【解決手段】外輪1の各傾斜軌道面3aの深さ方向中央部に、周方向に延びる環状溝3cを形成することにより、その環状溝3cの両側の溝縁部にローラ5の軸方向の一端面が接触し、ローラの一端面が外輪の平坦な傾斜軌道面の深さ方向中央部に接触する場合よりも接触面圧が低くなって、外輪1の傾斜軌道面3aの局部摩耗を抑制できるようにした。しかも、その外輪1の傾斜軌道面3aの環状溝3cは、軸受製造時に外輪1の内周面を研削する砥石に傾斜軌道面3aの環状溝3cの形状に対応する突部を設けておくだけで形成できるので、軸受全体のコストにはほとんど影響しない。【選択図】図1
Description
本発明は、外輪と内輪の間に周方向に交互に傾斜方向が変わるようにローラを組み込んだクロスローラ軸受に関する。
クロスローラ軸受は、外輪と内輪の間に周方向に交互に傾斜方向が変わるようにローラを組み込んだもので、大きなラジアル荷重やスラスト荷重、モーメント荷重を支えることができる軸受として、産業機械、例えばロボット用の減速機等に広く使用されている。このようなクロスローラ軸受には、ローラとして、生産量が多くコスト的に有利な円筒ころを使用したものが多い(例えば、特許文献1参照。)。
上記の円筒ころからなるローラを使用したクロスローラ軸受の一例を図4に示す。このクロスローラ軸受は、外輪51および内輪52がそれぞれ一体形成されたもので、その外輪51の内周面に形成された断面略V字状の軌道溝53と、内輪52の外周面に形成された断面略V字状の軌道溝54との間に、円筒ころからなる複数のローラ55が軸受周方向に交互に傾斜方向が変わるように配されている。
前記外輪51の軌道溝53は、その軸方向断面において互いに直交する一対の傾斜軌道面53aが、軸方向中央部に形成された逃げ溝53bから軸方向両側へ延びている。同様に、前記内輪52の軌道溝54は、その軸方向断面において互いに直交する一対の傾斜軌道面54aが、軸方向中央部に形成された逃げ溝54bから軸方向両側へ延びている。
そして、前記ローラ55は、外周面が外輪51の軌道溝53の一方の傾斜軌道面53aおよび内輪52の軌道溝54の一方の傾斜軌道面54aと線接触した状態で、外輪51と内輪52の間を転動するようになっている。なお、以下の説明では、外輪および内輪のそれぞれの一対の傾斜軌道面のうち、軸方向断面においてローラの外周面と接触する方を「負荷側」、ローラの外周面と接触しない方を「非負荷側」と称する。
ここで、図5(図4のローラ55と外輪51の軌道溝53の一部をB方向すなわち非負荷側の傾斜軌道面53aの傾斜方向から見た図)および図6に示すように、ローラ55のスキューがない状態では、ローラ55と外輪51の軌道溝53との幾何学的な関係から、ローラ55の軸方向の一端面の外周部分が、外輪51の非負荷側の傾斜軌道面53aの深さ方向中央部と2点で点接触する。この点接触はローラ55のスキューが生じると1点接触となる。また、図示は省略するが、ローラ55の他端面は、その中心を通る1つの直線部で内輪52の非負荷側の傾斜軌道面54aと線接触する。
このため、軸受使用中に内輪52の各傾斜軌道面54aはほぼ均一に摩耗するが、外輪51の各傾斜軌道面53aはローラ55の一端面が高い面圧で点接触する深さ方向中央部に局部摩耗が生じ、これによって軸受寿命が短くなるという問題がある。
これに対し、特許文献2では、クロスローラ軸受の各ローラの軸方向の一端面の外周部分に、ローラの外周面と軸端の平坦面をなだらかに連続させる「だらし面」を形成し、その「だらし面」のローラ軸方向断面における曲率半径を、外輪の傾斜軌道面の軸方向断面における傾斜方向から見た深さ方向中央部の曲率半径と概ね等しくすることにより、ローラの一端面と外輪の傾斜軌道面との接触面積を大きくして接触面圧を下げ、外輪の傾斜軌道面の局部摩耗を抑制することが提案されている。
しかしながら、上記特許文献2で提案されている外輪の局部摩耗抑制手段では、ローラに「だらし面」を形成することによってローラ単体の製造コストが高くなるうえ、外輪の傾斜軌道面の寸法(深さ方向中央部を通る円の半径)に応じた形状の「だらし面」を有するローラを用意する必要があるため、軸受全体のコストがさらに高くなってしまう。
そこで、本発明は、クロスローラ軸受の外輪の傾斜軌道面における局部摩耗を、大幅なコスト増加を伴わずに抑制できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、内周面に互いに直交する一対の傾斜軌道面を有する外輪と、外周面に互いに直交する一対の傾斜軌道面を有する内輪と、前記外輪の一対の傾斜軌道面と前記内輪の一対の傾斜軌道面との間に、周方向に交互に傾斜方向が変わるように配される複数のローラとを備えているクロスローラ軸受において、前記外輪は、前記一対の傾斜軌道面のそれぞれの深さ方向中央部に、周方向に延びる環状溝が形成されている構成を採用した。
上記の構成によれば、ローラの軸方向の一端面が外輪の傾斜軌道面に対して環状溝の両側の溝縁部で接触するので、従来のようにローラの一端面が外輪の平坦な傾斜軌道面の深さ方向中央部に接触する場合に比べて、ローラの一端面と外輪の傾斜軌道面との接触面積が大きくなって接触面圧が下がり、傾斜軌道面の局部摩耗を抑制することができる。しかも、外輪の傾斜軌道面の環状溝は、軸受製造時に外輪の内周面を研削する砥石に環状溝の形状に対応する突部を設けておくだけで形成できるので、軸受全体のコストにはほとんど影響しない。
上記の構成において、前記外輪は、前記環状溝の両側の溝縁部が断面凸曲線状に形成されているものとすれば、ローラの一端面との接触面積がさらに大きくなって面圧集中が一層緩和されるので、より効果的に傾斜軌道面の局部摩耗を抑えられるようになる。
本発明のクロスローラ軸受は、上述したように、外輪の各傾斜軌道面の深さ方向中央部に、周方向に延びる環状溝を形成することにより、その環状溝の両側の溝縁部にローラの軸方向の一端面が接触して、ローラの一端面と外輪の傾斜軌道面との接触面圧が低く抑えられるようにしたものであるから、従来構造のものに対してほとんどコスト増加を伴うことなく、外輪の傾斜軌道面の局部摩耗を抑制でき、長期間にわたって安定して使用することができる。
以下、図1乃至図3に基づき本発明の実施形態を説明する。このクロスローラ軸受は、ロボット用の減速機に組み込まれる内輪回転タイプのもので、図1に示すように、外輪1と、内輪2と、外輪1の内周面に形成された断面略V字状の軌道溝3と内輪2の外周面に形成された断面略V字状の軌道溝4との間に配される複数のローラ5とを備えている。そのローラ5は、円筒ころからなるもので、周方向に交互に傾斜方向が変わり、隣り合うものと互いに接触する状態、いわゆる総ころ状態で配されている。また、外輪1および内輪2はそれぞれ一体形成されており、組立時には外輪1の外周面の一箇所から径方向にあけられたローラ挿入穴(図示省略)を用いて、ローラ5を外輪1と内輪2の間に挿入するようになっている。
前記外輪1の軌道溝3は、その軸方向断面において、互いに直交する一対の傾斜軌道面3aが、軸方向中央部に形成された逃げ溝3bから軸方向両側へ延びており、各傾斜軌道面3aのそれぞれの深さ方向中央部に、周方向に延びる環状溝3cが形成されている。また、その環状溝3cの両側の溝縁部は、環状溝3cの側面と傾斜軌道面3aの平坦部をなだらかにつなぐ断面凸曲線状に形成されている。
一方、前記内輪2の軌道溝4は、その軸方向断面において、互いに直交する一対の傾斜軌道面4aが、軸方向中央部に形成された逃げ溝4bから軸方向両側へ延びている点は外輪1の軌道溝3と同じであるが、各傾斜軌道面4aは全体が平坦に形成されている。
そして、前記ローラ5は、外周面が外輪1の軌道溝3の一方(負荷側)の傾斜軌道面3aおよび内輪2の軌道溝4の一方(負荷側)の傾斜軌道面4aと線接触した状態で、外輪1と内輪2の間を転動するようになっている。
ここで、図2(図1のローラ5と外輪1の軌道溝3の一部をA方向すなわち非負荷側の傾斜軌道面3aの傾斜方向から見た図)および図3に示すように、ローラ5は、スキューしていない状態では、その軸方向の一端面の外周部分が外輪1の非負荷側の傾斜軌道面3aに対して環状溝3cの両側の溝縁部の4点で接触する(スキューが生じると2点接触となる)。また、図示は省略するが、ローラ5の他端面は、その中心を通る1つの直線部で内輪2の非負荷側の傾斜軌道面4aと線接触する。
なお、図1乃至図3では、外輪1の傾斜軌道面3aにおける環状溝3cは誇張して描かれている。実際には、軸受全体の寸法が通常範囲内のものである場合、環状溝3cの深さを1μm程度とすれば、ローラ5の一端面が環状溝3cの両側の溝縁部に接触する状態とすることができる。
このクロスローラ軸受は、上記の構成であり、ローラ5の軸方向の一端面が外輪1の傾斜軌道面3aの深さ方向中央部に形成された環状溝3cの両側の溝縁部に接触するうえ、その溝縁部が断面凸曲線状に形成されているので、ローラの一端面が外輪の平坦な傾斜軌道面の深さ方向中央部に接触するものに比べて、ローラ5の一端面と外輪1の傾斜軌道面3aとの接触面積が大きく、接触面圧が低く抑えられる。したがって、外輪1の各傾斜軌道面3aの局部摩耗が生じにくく、長期間にわたって安定して使用することができる。
また、外輪1の傾斜軌道面3aの環状溝3cには、軸受内部に供給される潤滑油が保持されるので、ローラ5の一端面と傾斜軌道面3aとの接触部分の摩耗が抑制されるとともに、その接触部分の摩擦抵抗の低下によるトルク低減が図れるという利点もある。
しかも、外輪1の傾斜軌道面3aの環状溝3cは、軸受製造時に外輪1の内周面を研削する砥石に環状溝3cの形状に対応する突部を設けておくだけで形成できるので、軸受全体のコストは従来のものとほとんど変わらない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、本発明のクロスローラ軸受は、実施形態のように外輪および内輪をそれぞれ一体形成し、ローラを総ころ状態で配した内輪回転タイプのものに限らず、外輪と内輪のいずれか一方が軸方向に分割されているものや、ローラが保持器によって周方向に等間隔で配されているもの、外輪回転タイプのものにも、もちろん適用することができる。
1 外輪
2 内輪
3 軌道溝
3a 傾斜軌道面
3b 逃げ溝
3c 環状溝
4 軌道溝
4a 傾斜軌道面
4b 逃げ溝
5 ローラ
2 内輪
3 軌道溝
3a 傾斜軌道面
3b 逃げ溝
3c 環状溝
4 軌道溝
4a 傾斜軌道面
4b 逃げ溝
5 ローラ
Claims (2)
- 内周面に互いに直交する一対の傾斜軌道面を有する外輪と、外周面に互いに直交する一対の傾斜軌道面を有する内輪と、前記外輪の一対の傾斜軌道面と前記内輪の一対の傾斜軌道面との間に、周方向に交互に傾斜方向が変わるように配される複数のローラとを備えているクロスローラ軸受において、
前記外輪は、前記一対の傾斜軌道面のそれぞれの深さ方向中央部に、周方向に延びる環状溝が形成されていることを特徴とするクロスローラ軸受。 - 前記外輪は、前記環状溝の両側の溝縁部が断面凸曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクロスローラ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020044998A JP2021148128A (ja) | 2020-03-16 | 2020-03-16 | クロスローラ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020044998A JP2021148128A (ja) | 2020-03-16 | 2020-03-16 | クロスローラ軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021148128A true JP2021148128A (ja) | 2021-09-27 |
Family
ID=77848059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020044998A Pending JP2021148128A (ja) | 2020-03-16 | 2020-03-16 | クロスローラ軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021148128A (ja) |
-
2020
- 2020-03-16 JP JP2020044998A patent/JP2021148128A/ja active Pending
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