JP2017053420A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり軸受において、固定輪が相手部材に対してクリープしたとしても、相手部材及び固定輪における摩耗を抑制する。【解決手段】転がり軸受7は、内輪11と、外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に介在している複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器14とを備えており、内輪11が回転輪であって外輪12が固定輪となっている。外輪12が取り付けられる相手部材であるハウジング2との嵌め合い面に、外輪12の軸方向側面12cにおいて開口して潤滑油が浸入可能である潤滑用溝31が複数形成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
各種産業機器には多くの転がり軸受が用いられている。転がり軸受は、内輪、外輪、これら内輪と外輪との間に介在している複数の転動体、及びこれら転動体を保持する保持器を備えている。例えば、図7に示すように、ハウジング97内の回転軸95を支持する転がり軸受90では、内輪91が回転軸95に外嵌して取り付けられており、外輪92がハウジング97の内周面98に取り付けられている。
特に、転がり軸受90が深溝玉軸受であり、また、一方向の軸方向荷重が作用する軸受である場合、内輪91と回転軸95とは「締まり嵌め」の状態で組み立てられるのに対して、外輪92とハウジング97とは「すきま嵌め」の状態で組み立てられることが多い。このため、回転軸95が回転している使用状態で、外輪92とハウジング97との間においてクリープ(ハウジング97に対する外輪92の周方向の滑り)が発生することがある。
そこで、特許文献1では、外輪の外周面にクリープ発生を抑制するための溝(環状溝)を形成した転がり軸受が提案されている。この転がり軸受によれば、ラジアル方向の大きな荷重が作用している場合に発生しやすいクリープを抑制することが可能である。なお、このような荷重が作用している場合に発生しやすいクリープは、軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪が滑るクリープである。
特開2006−322579号公報
特許文献1に記載の転がり軸受によれば、ラジアル方向の大きな荷重が作用している場合において、弾性変形する外輪とハウジングとの間の相対滑りの発生を前記溝(環状溝)によって抑えることができ、これにより、クリープを抑制することが可能となる。
しかし、クリープには、前記のような軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪が滑るクリープ(これを、第1のクリープという。)の他に、軸受回転方向と同方向へ速く外輪が滑るクリープ(これを、第2のクリープという。)と、軸受回転方向と逆方向に外輪が滑るクリープ(これを、第3のクリープという。)とが存在する。
このような第2及び第3のクリープについては、第1のクリープと発生メカニズムが異なることから、外輪に形成されている前記溝(環状溝)によって抑制することはできないと考えられる。
そして、前記第1〜第3のクリープのような有害な滑りが発生すると、例えば、ハウジングが摩耗し、摩耗粉が軸受内部に侵入し、これにより振動や騒音等が発生して軸受性能を低下させてしまうおそれがある。
なお、図7では、内輪91が回転する軌道輪(回転輪)であり、外輪92が(クリープは発生するが)固定状態となる軌道輪(固定輪)である場合を示しており、この場合、ハウジング97に対して外輪92がクリープするが、これとは反対に、内輪91が固定輪であり外輪92が回転輪となる転がり軸受である場合、内輪91と、この内輪91が取り付けられている軸(相手部材)との間においてクリープが発生することが考えられる。
そこで、本発明は、固定輪が相手部材に対してクリープしたとしても、相手部材及び固定輪における摩耗を抑制することが可能となる転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の一方が回転輪であって他方が固定輪である転がり軸受であって、前記固定輪が取り付けられる相手部材との嵌め合い面に、当該固定輪の軸方向側面において開口して潤滑油が浸入可能である潤滑用溝が複数形成されている。
本発明によれば、転がり軸受の潤滑のために用いられる潤滑油が、潤滑用溝を通じて、固定輪と、この固定輪が取り付けられる相手部材との間に浸入し介在することができる。このため、相手部材に対して固定輪がクリープしたとしても、これらの間に介在する潤滑油によって相互間の潤滑が行われ、相手部材及び固定輪における摩耗を抑制することが可能となる。
また、本願の発明者らは、クリープの発生メカニズムを検討したところ、次のような知見を得ている。すなわち、転がり軸受にラジアル方向の大きな荷重が作用している場合、転動体が高負荷を受けて固定輪の軌道面を通過する際、その直下で固定輪が部分的に弾性変形し、この固定輪の相手部材との接触領域における弾性変形に起因して相対滑りが生じ、この相対滑りによりクリープ(軸受回転方向と同方向へのゆっくりとしたクリープ)が発生するという知見を得ている。
そこで、前記固定輪の前記嵌め合い面に、環状溝が形成されているのが好ましい。
このように固定輪に環状溝が形成されていることで、前記のような弾性変形に起因する相対滑りの発生を抑え、クリープ(軸受回転方向と同方向へのゆっくりとしたクリープ)を抑制することが可能となる。
そして、前記潤滑用溝は、前記環状溝よりも深いのが好ましく、この場合、転がり軸受の潤滑のために用いられる潤滑油を、潤滑用溝を通じて、固定輪と相手部材との間に浸入させやすい構成が得られる。
または、前記潤滑用溝は、前記環状溝と同じ深さ又は前記環状溝よりも浅い構成であってもよい。
前記のような相手部材と固定輪との間の相対滑りの発生を効果的に抑えるためには、環状溝の深さを、固定輪の弾性変形量が超えない程度として可及的に浅く設定するのが好ましく、そして、潤滑用溝については、この環状溝と同じ深さ又はこの環状溝よりも浅く設定することにより、全体として固定輪に形成される溝(環状溝及び潤滑用溝)が浅くなる。この結果、固定輪の強度低下を防ぐことができる。
本発明によれば、相手部材に対して固定輪がクリープしたとしても、これらの間に介在する潤滑油によって相互間の潤滑が行われ、相手部材及び固定輪における摩耗を抑制することが可能となる。
本発明の転がり軸受を含む回転装置の実施の一形態を示す縦断面図である。 転がり軸受の断面図である。 外輪の外周面を平面に展開した場合の説明図である。 外輪における潤滑用溝の形成部位及びその周囲を示す説明図である。 図4に示す形態の変形例を示す説明図である。 他の形態を有する転がり軸受の断面図である。 従来の転がり軸受を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転がり軸受7を含む回転装置1の実施の一形態を示す縦断面図である。回転装置1はハウジング2及び回転軸4を有しており、一対の転がり軸受7,7によって回転軸4がハウジング2に回転自在となって支持されている。回転軸4は、転がり軸受7,7が取り付けられている小径軸部4a,4aと、転がり軸受7,7(内輪11,11)の間に介在し小径軸部4aよりも外径が大きい大径軸部4bとを有している。
ハウジング2の内周面3(以下、ハウジング内周面3ともいう。)の軸方向両側には、環状部5a,5bが設けられている。そして、これら転がり軸受7,7は、モータ用の予圧付与型の軸受であり、転がり軸受7,7は軸方向一方側の荷重(予圧)が付与された状態にある。
軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7と、軸方向他方側(図1では左側)の転がり軸受7とは同じ構成である。以下において、軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7を代表として詳細な構成を説明する。
図2は、転がり軸受7の断面図である。転がり軸受7は、回転軸4に外嵌して取り付けられている内輪11と、ハウジング内周面3に取り付けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に介在している複数の転動体と、これら転動体を保持する環状の保持器14とを備えている。本実施形態の転動体は玉13であり、図2に示す転がり軸受7は深溝玉軸受である。そして、前記のとおり、この転がり軸受7には一方向の軸方向荷重が作用している。
そこで、本実施形態では、内輪11と回転軸4とは「締まり嵌め」の状態で組み立てられており、内輪11は回転軸4に密着して嵌合しており回転軸4と一体回転可能である。これに対して、外輪12は、固定状態にあるハウジング2に取り付けられているが、この外輪12はハウジング内周面3に「すきま嵌め」の状態で組み立てられている。
このため、回転軸4が内輪11と共に回転している使用状態で、外輪12とハウジング2との間においてクリープ(ハウジング2に対する外輪12の周方向の滑り)が発生することがある。なお、クリープについては、後にも説明する。
内輪11の外周面には、玉13が転動する内輪軌道溝(軌道面)11aが設けられており、外輪12の内周面には、玉13が転動する外輪軌道溝(軌道面)12aが設けられている。そして、複数の玉13は、内輪11と外輪12との間の環状空間15に設けられており、転がり軸受7が回転すると(内輪11が回転すると)、これら玉13は保持器14によって保持された状態で内輪軌道溝11aと外輪軌道溝12aとを転動する。
保持器14は、複数の玉13を周方向に沿って所定間隔(等間隔)をあけて保持することができ、このために、保持器14には玉13を収容するためのポケット18が周方向に沿って複数形成されている。本実施形態の保持器14は、玉13の軸方向一方側に設けられている円環部14aと、この円環部14aから軸方向他方側に延在している複数の柱部14bとを有している。そして、円環部14aの軸方向他方側(図2では左側)であって、周方向で隣り合う一対の柱部14b,14b間が、ポケット18となる。なお、保持器14は、他の形態であってもよく、例えば、軸方向他方側にも円環部を有する構成とすることができる。
そして、本実施形態の転がり軸受7では、外輪12の外周面22がハウジング2(内周面3)に対する嵌め合い面となり、図2及び図3に示すように、この嵌め合い面(外周面22)に潤滑用溝31が形成されている。なお、図3は、外輪12の外周面22を平面に展開した場合の説明図である。更に、本実施形態では、この嵌め合い面(外周面22)に環状溝32も形成されている。
潤滑用溝31は、外輪12の外周面22において軸方向に沿って形成されており、溝長手方向の全長にわたって径方向外側に開口していると共に、溝端部31aが外輪12の軸方向側面12cにおいて開口している。そして、この潤滑用溝31には、外部の潤滑油が浸入可能となっている。なお、この潤滑油は、転がり軸受7を潤滑するためのものである。また、図3に示すように、潤滑用溝31は周方向に沿って複数形成されている。このため、外輪12において上下方向の下部側にも潤滑用溝31が位置することができ(図1参照)、ハウジング2の底に溜まる潤滑油が、潤滑用溝31を通じて外輪12とハウジング2との間に浸入しやすくなっている。
そして、本実施形態では(図3参照)、軸方向の中央に環状溝32が形成されている。環状溝32は、周方向に連続する環状の凹溝からなり、この環状溝32の軸方向両側に潤滑用溝31が形成されている。そして、各潤滑用溝31は、環状溝32と連続しており、この環状溝32においても開口している。環状溝32は、後に説明するが、外輪12の軸方向中央部が径方向外側に弾性変形(拡径)しても、ハウジング2と非接触状態を保たせることを目的として形成されているが、環状溝32は、潤滑用溝31から浸入した潤滑油を溜めることができる空間としての機能も有している。
このように、本実施形態では、固定輪である外輪12がハウジング2(相手部材)に取り付けられており、この外輪12の外周面22が、ハウジング2に対する嵌め合い面となっている。そして、この嵌め合い面(外周面22)に、外輪12の軸方向側面12cにおいて開口して潤滑油が浸入可能である潤滑用溝31が複数形成されている。
この転がり軸受7によれば、転がり軸受7の潤滑のために用いられる潤滑油が、潤滑用溝31を通じて、外輪12と、この外輪12が取り付けられているハウジング2との間に浸入し介在することができる。このため、ハウジング2に対して外輪12がクリープしたとしても(後述する第1〜第3の各クリープが発生したとしても)、これらの間に介在する潤滑油によって相互間の潤滑が行われ、ハウジング2及び外輪12における摩耗を抑制することが可能となる。
ここで、ハウジング2と外輪12との間で生じるクリープについて説明する。転がり軸受7において発生する可能性のあるクリープには、次の三つが考えられる。なお、下記の軸受回転方向とは、本実施形態の場合、回転輪である内輪11の回転方向である。
・第1のクリープ:軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪12が滑るクリープ
・第2のクリープ:軸受回転方向と同方向へ速く外輪12が滑るクリープ
・第3のクリープ:軸受回転方向と逆方向に外輪が滑るクリープ
第1のクリープは、転がり軸受7にラジアル方向の大きな荷重が作用している場合に発生しやすく、下記のメカニズムによって発生すると考えられる。すなわち、転がり軸受7にラジアル方向の大きな荷重が作用している場合、玉13が高負荷を受けて外輪軌道溝12aを通過する際、その直下である外輪外周側において部分的に弾性変形する。玉13は外輪軌道溝12aに沿って移動することから、外輪12は脈動変形(脈動変位)する。これにより、外輪12のハウジング2との接触領域における弾性変形に起因して相対滑りが生じ、この相対滑りにより第1のクリープが発生すると考えられる。
第2のクリープは、第1のクリープと外輪12の移動方向(滑り方向)は同じであるが、転がり軸受7がラジアル方向に関して無負荷である状態で発生しやすい。つまり、ラジアル方向に無負荷である場合、内輪11の回転によって外輪12を連れ回りさせ、これにより第2のクリープが発生すると考えられる。
第3のクリープは、外輪12の移動方向(滑り方向)が第1及び第2のクリープと反対であり、これは、例えばラジアル方向の荷重が偏荷重となることで外輪12がハウジング内周面3に沿って振れ回りすることで発生すると考えられる。
そして、本実施形態の転がり軸受7では、前記第1のクリープを抑制するために、外輪12の外周面22であって外輪軌道溝12aの径方向外側に前記環状溝32が形成されている。この環状溝32は、図2に示すように、外輪軌道溝12aの幅B1を超えない範囲の幅B2を有した溝形状を有している。
このようにハウジング2に対する外輪12の嵌め合い面(外周面22)に、外輪軌道溝12aの幅B1を超えない範囲の幅B2を有する環状溝32が形成されていることで、前記の第1のクリープの発生メカニズムで説明したような弾性変形に起因する相対滑りの発生を抑えることができ、第1のクリープを抑制することが可能となる。
つまり、転がり軸受7にラジアル方向の大きな荷重が作用している場合、外輪12のうちの外輪軌道溝12aの径方向外側の領域は径方向外側に弾性変形(拡径)するが、その領域に環状溝32が形成されていることにより、弾性変形(拡径)を主に環状溝32の範囲で生じさせることができる。このため、弾性変形部分とハウジング内周面3とが直接的に接触する作用を低減することができ、弾性変形が相手部材であるハウジング2に(ほとんど)伝わらず、外輪12とハウジング2との間における第1のクリープの発生が抑制される。以上より、環状溝32は、第1のクリープ抑制用逃げ溝となる。
図4は、外輪12における潤滑用溝31の形成部位及びその周囲を示す説明図である。図4に示すように、潤滑用溝31は環状溝32よりも浅い。つまり、潤滑用溝31の深さ寸法h1は、環状溝32の深さ寸法h2よりも小さく設定されている(h1<h2)。または、図示しないが、潤滑用溝31は環状溝32と同じ深さであってもよい(h1=h2)。
この場合、外輪12に形成される溝(環状溝32及び潤滑用溝31)が浅く、外輪12の強度低下を防ぐことができる。すなわち、前記のようなハウジング2と外輪12との間の相対滑りの発生を効果的に抑えるためには、環状溝32の深さh2を、外輪12の弾性変形量が超えない程度として可及的に浅く設定するのが好ましく、そして、潤滑用溝31については、この環状溝32と同じ深さ又はこの環状溝32よりも浅く設定することにより、全体として外輪12に形成される溝(環状溝32及び潤滑用溝31)が浅くなる。この結果、外輪12における欠損部分は小さく、外輪12の強度低下を防ぐことができる。
図5は、図4に示す形態の変形例を示す説明図である。図5に示すように、潤滑用溝31は環状溝32よりも深くてもよい。つまり、潤滑用溝31の深さ寸法h1は、環状溝32の深さ寸法h2よりも大きく設定されている(h1>h2)。
この場合、転がり軸受7の潤滑のために用いられる潤滑油を、潤滑用溝31を通じて、外輪12とハウジング2との間に浸入させやすい構成が得られ、各種のクリープが発生したとしても、潤滑用溝31の潤滑油によって外輪12とハウジング2との間の潤滑が行われ、相互の摩耗をより効果的に抑制することが可能となる。
なお、前記の各形態では(図2を参照すると)、内輪11が、この内輪11が取り付けられている相手部材(回転軸4)と一体回転する回転輪であり、外輪12が、この外輪12が取り付けられている相手部材(ハウジング2)に(クリープするが)固定されている固定輪である。
しかし、本発明では、内輪11と外輪12との内の一方が回転輪であって他方が固定輪であればよく、前記実施形態と反対に、図6に示すように、軸54に取り付けられている内輪11が固定輪であって、外輪12がハウジング55と共に一体回転する回転輪であってもよい。この場合、内輪11と軸54との間がすきま嵌めの状態とされ、軸54に対して内輪11がクリープすることから、相手部材である軸54に対する内輪11の嵌め合い面(内周面21)に、図2の形態と同様に潤滑用溝41が複数形成され、更には、環状溝42が形成される。
そして、図6に示す形態において、潤滑用溝41は、溝長手方向の全長にわたって径方向内側に開口していると共に、溝端部41aが内輪11の軸方向側面11cにおいて開口しており、転がり軸受7を潤滑するための潤滑油が浸入可能となっている。
そして、環状溝42は、内輪11の内周面21に、内輪軌道溝11aの幅B1を超えない範囲の幅B2を有している。
また、潤滑用溝41は環状溝42よりも深くてもよく、若しくは別の形態として、潤滑用溝41は環状溝42と同じ深さ又は環状溝32よりも浅くてもよい。
前記実施形態では、環状溝32(環状溝42)が、外輪軌道溝12a(内輪軌道溝11a)の幅B1を超えない範囲の幅B2を有している場合について説明しているが、環状溝32(環状溝42)は、外輪軌道溝12a(内輪軌道溝11a)の幅B1と同じであってもよく、又は、前記幅B1を越えた幅(溝幅)B2を有していてもよい。
以上のように、前記各形態の転がり軸受7によれば、固定輪のうちの当該固定輪が取り付けられる相手部材との嵌め合い面に、潤滑用溝31(41)が複数形成されていることで、相手部材と固定輪との間に各種のクリープが生じたとしても、これらの間に介在する潤滑油によって相互間の潤滑が行われ、相手部材及び固定輪における摩耗を抑制することが可能となる。
また、前記各形態では、前記嵌め合い面に潤滑用溝31(41)の他、環状溝32(42)も形成されており、各潤滑用溝31と環状溝32とは繋がっている。ここで、仮に環状溝32のみが形成されている場合、固定輪の嵌め合い面のうちの相手部材と接触している面積が小さくなって接触面圧が高くなることから、クリープが生じた場合に摩耗が進行しやすくなる。しかし、本実施形態のように、環状溝32(42)に繋がる潤滑用溝31(41)が複数形成されており、しかも、この潤滑用溝31(41)は、固定輪のクリープ方向(回転方向)に交差するようにして形成されていることから、潤滑用溝31(41)に浸入した潤滑油が相手部材と固定輪との間に介在しやすくなり、このため、嵌め合い面において接触面圧が少々高くなっていても、摩耗を効果的に抑制することができる。
また、環状溝32の軸方向両側の縁部32a(図3参照)において接触面圧が特に高くなるが、潤滑用溝31を通って環状溝32に到達した潤滑油が、この潤滑用溝31の潤滑油と連続して溜まることのできる構成であることから、この縁部32aにおいても摩耗を効果的に抑制することが可能となる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、潤滑用溝31(41)及び環状溝32(42)の溝形状は、図示したような矩形断面以外であってもよい。また、前記各形態の潤滑用溝31(41)は、その溝長手方向が転がり軸受7の中心線に平行となっているが、転がり軸受7の中心線に平行となる嵌め合い面上の仮想線に対して溝長手方向が傾斜していてもよい。
また、転がり軸受は深溝玉軸受以外にアンギュラ玉軸受であってもよく、また、転動体は玉以外であってもよく、円筒ころや円すいころであってもよい。
また、図1では、転がり軸受7をモータ用の予圧付与型の軸受として説明したが、モータ用以外であってもよく、本発明の転がり軸受は、クリープが課題となる回転機器に適用可能である。
2:ハウジング(相手部材) 7:転がり軸受 11:内輪
11a:内輪軌道溝(軌道面) 11c:軸方向側面 12:外輪
12a:外輪軌道溝(軌道面) 12c:軸方向側面 13:玉(転動体)
14:保持器 21:内輪の内周面(嵌め合い面)
22:外輪の外周面(嵌め合い面) 31:潤滑用溝 32:環状溝
41:潤滑用溝 42:環状溝 54:軸(相手部材)
55:ハウジング

Claims (3)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の一方が回転輪であって他方が固定輪である転がり軸受であって、
    前記固定輪が取り付けられる相手部材との嵌め合い面に、当該固定輪の軸方向側面において開口して潤滑油が浸入可能である潤滑用溝が複数形成されている、転がり軸受。
  2. 前記固定輪の前記嵌め合い面に環状溝が形成されており、
    前記潤滑用溝は、前記環状溝よりも深い、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記固定輪の前記嵌め合い面に環状溝が形成されており、
    前記潤滑用溝は、前記環状溝と同じ深さ又は前記環状溝よりも浅い、請求項1に記載の転がり軸受。
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