JP2008190629A - ラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受 - Google Patents

ラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】ラジアル玉軸受の振動・騒音及びトルクの低減を可能とするラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供する。
【解決手段】ポケット8の内面円周方向両側部分にアキシアル円筒面18a,18bを有するラジアル玉軸受用保持器において、そのアキシアル円筒面18a,18bのそれぞれの曲率の中心点O1,O2が、玉5の転動中心軸α上でその玉5の中心点O5からそれぞれ相対向するアキシアル円筒面18a,18b寄りに片寄った位置に存在させた。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種回転機械装置に使用されるラジアル玉軸受及びこのラジアル玉軸受を構成する保持器の改良に関し、保持器と玉との滑り部分の潤滑を十分に確保し、さらに、玉とアキシアル円筒面の円周方向動き量及びラジアル方向動き量をコントロールすることでラジアル玉軸受の振動と騒音を低減するものである。
各種回転機械装置の軸受部等、各種回転部分を支持するために図6に示すようなラジアル玉軸受が広く用いられている。
このラジアル玉軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と内周面に外輪軌道3を有する外輪4とを互いに同心に配置し、上記内輪軌道1と外輪軌道3との間に複数個の玉5、5を転動自在に設けて成る。図示例の場合、上記内輪軌道1と外輪軌道3とは、共に深溝形としている。また、上記複数個の玉5、5は、保持器6に設けたポケット8、8内に、転動自在に保持されている。
上記図6に示したラジアル玉軸受を構成する保持器6は、波形プレス保持器と呼ばれるもので、それぞれが金属板材をプレス成形する事により得られる、波形で円環状に形成された1対の素子9、9を組み合わせて成る。これら両素子9、9は、それぞれの円周方向複数個所に、ポケット8、8を構成する為の凹部8a、8aを形成している。そして、これら1対の素子9、9同士を、上記凹部8a、8aから外れた部分で突き合わせ、これら各部分を複数のリベット10により結合固定して、円環状で円周方向複数個所にポケット8、8を有する保持器6としている。上記各凹部8a、8aの内面中間部は、上記各玉5、5の外面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する、球面状の保持凹面11としている。この為、1対の素子9、9を突き合わせると、上記凹部8a、8aが組み合わされてポケット8、8を構成する。
また、図7に示した、冠型保持器と呼ばれる保持器6aは、合成樹脂等により造られた円環状の主部7の円周方向複数個所に、玉5、5(図6)を転動自在に保持するポケット8、8を設けている。この様な冠型の保持器6aの場合、上記各ポケット8、8は、上記主部7に互いに間隔をあけて配置された1対の弾性片12、12の片側面と、上記主部7の軸方向(図7の上下方向)片面(図7の上面)でこの1対の弾性片12、12の間部分に設けられた球面状の凹面部13、13とから構成する。この凹面部13、13の曲率半径は、上記玉5の外面の曲率半径よりも僅かに大きい。
ラジアル玉軸受を組み立てる場合には上記各玉5、5を、各ポケット8、8を構成する1対ずつの弾性片12、12の先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片12、12の間に押し込む。上記保持器6aは、この様にして上記各ポケット8、8内に玉5、5を抱き込む事により、これら各玉5、5を、前記内輪軌道1と外輪軌道3(図6)との間に、転動自在に保持する。
前述した保持器6或は上述した保持器6aを備えたラジアル玉軸受の使用時には、上記複数個の玉5、5の転動に伴って、上記内輪2と外輪4との相対回転を自在とする。この際上記複数の玉5、5は、自転しつつ上記内輪2の周囲を公転する。又、上記保持器6、6aは、上記玉5、5の公転速度と同じ速度で、上記内輪2の周囲を回転する。
上記内輪2の外周面と外輪4の内周面との間部分には、グリースその他の潤滑油等の潤滑剤を充填若しくは連続的に供給して、上記相対回転が円滑に行なわれる様にする。そして、ラジアル玉軸受に振動や騒音が生じない様にすると共に、焼き付き等の故障を防止する。尚、一部の玉軸受では、シール板やシールド板等の密封部材により、内輪2の外周面と外輪4の内周面との間の空間の両端開口を塞ぎ、この空間から潤滑剤が漏洩したり、或はこの空間内に塵芥等の異物が進入するのを防止する場合もある。但し、前記図6には、この様な密封部材を持たない玉軸受を示している。
上述した様な保持器6、6aを組み込んだラジアル玉軸受の場合、必要量の潤滑剤を充填若しくは供給しても、この保持器6、6aに振動が誘発され、当該保持器6、6aを組み込んだラジアル玉軸受に、保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生する場合がある。この様な保持器6、6aの振動は、保持器6、6aの玉5、5に対する動き量が大きい事に起因して、玉5、5と保持器6、6aとの間の滑り摩擦に基づいて発生する。この様な保持器音の発生を抑える為に従来から、ポケット8、8の内面と玉5、5の転動面との間の隙間を小さくして、玉5、5に対する保持器6、6aの動き量を小さくし、保持器音の発生を抑える事が行なわれている。
しかしながら、単に玉5、5に対する保持器6、6aの動き量を小さくしただけでは、上記保持器6、6aのポケット8、8の内周面形状に起因して、保持器音が発生する。この理由に就いて、図8及び図9により説明する。保持器6、6aのポケット8の開口周縁部14、14には、図8及び図9に示す様に、鋭い(曲率が大きい)角部15、15が存在し、この角部15、15部分が潤滑剤の流れに対する抵抗となる。
従って、保持器音を抑制すべくポケット8の内面と玉5の転動面との間の隙間16を小さくすると、この隙間16内に潤滑剤が流入しにくくなる。即ち、上記玉5の転動に伴って周囲空間からこの隙間16内に入り込もうとする潤滑剤は、上記各角部15、15に掻き取られて、上記隙間16内に入り込みにくくなる。この為、この隙間16内に十分な量の潤滑剤が取り込まれなくなって、保持器6、6aと玉5、5との滑り接触部分の摩擦振動を十分に抑制できなくなり、振動や騒音を誘発する。
これに対して、ポケットの内面形状を、球面ではなく、保持器の放射方向の軸をその中心軸とするラジアル円筒面とする保持器も、従来から知られている。この様にポケットの内周面をラジアル円筒面とした保持器の場合には、玉の転動面に付着した潤滑剤がポケットの開口端縁部で掻き取られる事がなく、保持器と玉との滑り接触部分の摩擦振動を抑えられる反面、ポケット内に過剰の潤滑剤が取り込まれる。ポケット内に過剰の潤滑剤が取り込まれた場合には、このポケット内で玉が転動する事に対する抵抗が大きくなり、保持器を組み込んだラジアル玉軸受の回転トルクが大きくなる。ラジアル玉軸受が、例えば小型モータの回転支持部に組み込むミニアチュアベアリングの場合、回転トルクの増大は、上記小型モータを組み込んだ各種機器の性能(特に電池寿命やワウフラッタ等)に大きな影響を及ぼす為、改良が望まれている。
そこで本発明者は、ラジアル玉軸受における保持器音性能やトルク性能を向上させることを目的として、ポケット内面形状を改良した特許文献1に開示のラジアル玉軸受用保持器を先に提供し、上述の目的達成を図らんとしている。
この特許文献1に開示の技術は、いわゆる冠型の保持器であり、各ポケットの内面の一部で保持器の周面側開口縁を含む部分に、これら各ポケットに保持された玉の転動中心軸をその中心軸とする方向のアキシアル円筒面を、これら各ポケットの一部で円周方向両側に設けている。そして、これら各ポケットの内面の残部で当該ポケット内に保持する玉の転動中心軸の一端側部分を、この玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第一の球状凹面とし、同じく他端側部分を、上記玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第二の球状凹面としている。さらに、上記玉がポケット内の中立位置に存在すると仮定した状態で、上記第一の球状凹面の曲率の中心点が、上記転動中心軸上で上記玉の中心よりも他端側に片寄った位置に存在し、上記第二の球状凹面の曲率の中心点が、上記転動中心軸上で上記玉の中心よりも一端側に片寄った位置に存在する構成としたものである。
この特許文献1に開示のラジアル玉軸受用保持器を用いることにより、次のような特有の作用効果が期待できる。
(1)玉の転動面と外輪軌道及び内輪軌道との間に過剰の潤滑剤が存在する事を防止して、保持器を組み込んだラジアル玉軸受の回転トルク(絶対値並びに変動幅)の低減が図れる。
(2)また、走行部分から外れた部分に付着し、開口端縁で掻き取られる事なくポケット内に取り込まれた潤滑剤は、玉の転動面とポケット内面との潤滑性を向上させて、保持器音と呼ばれる振動や騒音の発生防止、並びに保持器を組み込んだラジアル玉軸受の耐久性向上に寄与する。
(3)特に、上記ポケットの内面の残部に第一、第二の球状凹面を設けると共に、これら両球状凹面の曲率の中心点を、玉の中心に対し適正方向にずらせているので、これら各球状凹面及び上記アキシアル円筒面と上記玉の転動面との距離の最小値をほぼ一致させて、アキシアル方向にわたる保持器の変位を防止しつつ、上記ポケット内への潤滑剤の取り込みを最適に行なわせる事ができる。
さらにこの特許文献1に開示の先行技術にあっては、アキシアル円筒面の開口端縁と玉の転動面との距離が、保持器の外径側と内径側とで互いに異なる構成をも採用し、各アキシアル円筒面の開口端縁部分での潤滑剤の掻き取り効果を調節して、ポケット内への潤滑剤の送り込み量を調節し、保持器音の低減とラジアル玉軸受の低トルク化とを図るものとしている。
特許文献1に開示の先行技術にあっては、上述の通り種々の特有の作用効果を奏する有用なものであるが、本発明者は次のような改良余地を見出し、より好ましいラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供することを目的として更なる改良を重ねた。
すなわち、特許文献1に開示の先行技術にあっては、保持器ポケット円周方向のアキシアル円筒面の中心軸が玉の中心軸と一致しているため、そのアキシアル円筒面の曲率によっては、
(1)アキシアル円筒面と玉の円周方向動き量
(2)保持器のラジアル方向動き量
(3)保持器ポケットのアキシアル円筒面部分の内径・外径エッジによるグリース取り込み量
の独立したコントロールが難しく、ラジアル玉軸受の振動、騒音、トルクへの個別低減が難しいことも考えられる。
特許第3744663号公報
本発明の目的は、ラジアル玉軸受の振動・騒音及びトルクの低減を可能とするラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供することである。
上記課題を達成するために、本発明の第一の発明は、複数の玉を転動自在に保持すべく、全体を円環状に形成し、円周方向複数個所にポケットを設けたラジアル玉軸受用保持器において、
上記各ポケットの内面の一部で保持器の周面側開口縁を含む部分の一端側部分を、玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第一のアキシアル円筒面とし、
同じく他端側部分を、上記玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第二のアキシアル円筒面とし、
上記玉がポケット内の中立位置に存在すると仮定した状態で、
上記第一のアキシアル円筒面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも他端側のアキシアル円筒面寄りに片寄った位置に存在し、
上記第二のアキシアル円筒面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも一端側のアキシアル円筒面寄りに片寄った位置に存在するようにこれら各ポケットの一部で円周方向両側に設けており、
これら各ポケットの内面の残部で当該ポケット内に保持する玉の転動中心軸の一端側部分を、この玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第一の球状凹面とし、同じく他端側部分を、上記玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第二の球状凹面とし、上記玉がポケット内の中立位置に存在すると仮定した状態で、上記第一の球状凹面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも他端側に片寄った位置に存在し、上記第二の球状凹面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも一端側に片寄った位置に存在する
ことを特徴とするラジアル玉軸受用保持器としたことである。
第二の発明は、外周面に内輪軌道を有する内輪と内周面に外輪軌道を有する外輪とを互いに同心に配置し、これら内輪軌道と外輪軌道との間に、第一の発明のラジアル玉軸受用保持器に設けた複数のポケット内に転動自在に保持された複数個の玉を転動自在に設けて成り、
これら各ポケットのピッチ円の直径とこれら各玉のピッチ円の直径とを異ならせて、これら各ポケットのピッチ円をこれら各玉のピッチ円の外側又は内側に位置させたことを特徴とするラジアル玉軸受としたことである。
本発明によれば、ラジアル玉軸受の振動・騒音及びトルクの低減を可能とするラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供することが出来た。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施例1を示している。本実施例は、本発明を前記図7に示した冠型保持器に適用したものである。本発明は、ポケットの内面円周方向両側部分にアキシアル円筒面を有するラジアル玉軸受用保持器において、そのアキシアル円筒面のそれぞれの曲率の中心点が、玉の転動中心軸上でその玉の中心からそれぞれ相対向するアキシアル円筒面寄りに片寄った位置に存在させた点に特徴を有し、その他の構成及び作用効果は前述した特許文献1と同様である。以下、特許文献1の主要構成部分と併せ、本発明の特徴部分について説明する。
本実施例の保持器は、円環状の主部7の軸方向片面に設けたポケット8の内面は、円周方向中央部に、第一の球状凹面17を設けている。
この第一の球状凹面17は、このポケット8に保持する玉5の転動面の曲率半径R5よりも僅かに大きな曲率半径R17を有する(図3参照)。
そして、この第一の球状凹面17の円周方向両側には、ポケット内面の一部で保持器の周面側開口縁を含む部分の一端側部分を、玉5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径R18aを有する第一のアキシアル円筒面18aとし、同じく他端側部分を、玉5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径R18bを有する第二のアキシアル円筒面18b(本実施例では図2で向かって右側が第一のアキシアル円筒面18a、同図向かって左側が第二のアキシアル円筒面18bとする。)とし、これら第一のアキシアル円筒面18a、第二のアキシアル円筒面18bの一端が、上記第一の球状凹面17の円周方向両端部から連続する状態で形成している。
これら第一のアキシアル円筒面18a、第二のアキシアル円筒面18bは、上記ポケット8に保持された玉5がポケット8内の中立位置に存在すると仮定した状態で、上記第一のアキシアル円筒面18aの曲率の中心点O1が、上記玉5の転動中心軸α上でその玉5の中心O5よりも他端側のアキシアル円筒面18b寄りに片寄った位置に存在し、上記第二のアキシアル円筒面18bの曲率の中心点O2が、上記玉5の転動中心軸α上でその玉5の中心点O5よりも一端側のアキシアル円筒面18a寄りに片寄った位置に存在するようにこれら各ポケット8の一部で円周方向両側に設けている。
即ち、玉軸受を構成する内輪2と外輪4(図6)との相対回転に伴って上記ポケット8に保持された玉5は、上記主部7の中心軸と平行な転動中心軸αを中心に転動する。上記それぞれのポケット8毎に1対ずつ設けられるそれぞれの第一のアキシアル円筒面18aと第二のアキシアル円筒面18bは、この転動中心軸αの単一円筒面上に位置する。
図2にて破線で示すアキシアル円筒面18Xは、それぞれの曲率の中心点を玉5の転動中心軸α上でその玉の中心点O5と一致させた前述の特許文献1の保持器(以下、従来の保持器と言う。)ポケット8におけるアキシアル円筒面である。
このように、それぞれの曲率の中心点O1,O2を、玉5の転動中心軸α上で、その玉5の中心点O5よりもそれぞれ相対向するアキシアル円筒面寄りに片寄った位置に存在するように設定したため、上述の従来の保持器と比して、それぞれのアキシアル円筒面18a,18bの曲率半径を大きく設定することが可能となる。
従って、例えば、ラジアル動き量を従来の保持器と同一設定とした場合において、第一のアキシアル円筒面18aと第二のアキシアル円筒面18bの内径エッジE1(又は外径エッジE2)を従来の保持器と同一設定とすると、保持器ラジアル方向の動き量が同等となり、円周方向すきまS1を従来の円周方向すきまS10と比して小さくすることが可能となる。
これにより、ポケット8内へのグリース取り込み量は従来の保持器と同等となり、さらに円周方向の動き量を抑えることが可能となり、保持器音等の振動・騒音の抑制効果が向上する。
更に、図1及び図3に示すように、上記ポケット8の両端開口部に設けた1対の弾性片12、12のうち、このポケット8を構成する内周面は、それぞれが上記転動中心軸α上でこの第一の球状凹面17の中心点と別の点を中心とする第二の球状凹面19、19としている。これら両第二の球状凹面19、19は、上記ポケット8に保持した玉5の走行部分が上記1対のアキシアル円筒面18a,18bから外れる事がない様に、上記1対のアキシアル円筒面18a,18bの長さとの関係で、その長さ及び形状を規制する。この為に、上記第一の球状凹面17と第二の球状凹面19、19とを、上記玉5の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径で、中心を上記転動中心軸αに位置させる。
前記第一の球状凹面17及び第二の球状凹面19、19は、アキシアル方向に亙る保持器の変位を防止しつつ、上記ポケット8内への潤滑剤の取り込みを効果的に行なわせるべく、互いの中心を異ならせている。
図1及び図3に示す様に、1対のアキシアル円筒面18a,18bを上記ポケット8の一部で円周方向(図1及び図3の左右方向)両側に設けた構造で、上記第一の球状凹面17は玉5の転動中心軸αの一端側(図1及び図3の下端側)部分に、第二の球状凹面19、19は同じく他端側(図1及び図3の上端側)部分に、それぞれ設けている。
図3(A)の点O5は、上記玉5がポケット8内の中立位置に存在すると仮定した状態での玉5の中心点である。この様な条件の下で、上記第一の球状凹面17の曲率の中心点O17を、上記転動中心軸α上で上記玉5の中心点O5よりも他端側に片寄った位置に存在させる。一方、上記第二の球状凹面19、19の曲率の中心点O19を、上記転動中心軸α上で上記玉5の中心点O5よりも一端側に片寄った位置に存在させる。従って、上記各第一の球状凹面17、第二の球状凹面19の曲率半径R17、R19が上記玉5の転動面の曲率半径R5よりも大きい程度は、上記各中心点O5、O17、O19を一致させる場合に比べて著しくしている。
上述した図3(A)の様に、上記各第一の球状凹面17、第二の球状凹面19の曲率の中心点O17、O19をずらせる事により、これら各第一の球状凹面17、第二の球状凹面19及び上記アキシアル円筒面18a、18bと上記玉5の転動面との距離の最小値L17、L18、L19をほぼ一致させる事ができる。そして、これら各距離の最小値L17、L18、L19をほぼ一致させる結果、アキシアル方向に亙る保持器の変位を防止しつつ、上記ポケット8内への潤滑剤の取り込みを最適に行なわせる事ができる。
この点に就いて、上記図3(B)の比較例を参照しつつ説明する。
図3(B)に示す様に、第一の球状凹面17の曲率中心と第二の球状凹面19、19の曲率中心点O17、O19とを一致させた構造の場合には、1対のアキシアル円筒面18a,18bと玉5の転動面との距離の最小値L18´を適正値にすると、各球状凹面17、19と上記玉5の転動面との距離の最小値L17´、L19´が過大になり、この玉5に対する保持器のアキシアル方向の移動量が過大になる。この結果、ラジアル玉軸受の運転時に保持器が振動し易くなる。反対に、上記各第一の球状凹面17、第二の球状凹面19と上記玉5の転動面との距離の最小値L17´、L19´を適正値にすると、1対のアキシアル円筒面18、18と玉5の転動面との距離の最小値L18´が小さくなり過ぎて、上記玉5の転動面の走行部分に付着した潤滑剤が上記アキシアル円筒面18a,18bの開口端縁で必要以上に掻き取られ易くなり、保持器音低減の効果が損なわれる。
これに対して、図3(A)の様に、上記各中心点O17、O19をずらせば、上記各第一の球状凹面17、第二の球状凹面19及び上記アキシアル円筒面18a,18bと上記玉5の転動面との距離の最小値L17、L18、L19をほぼ一致させて、アキシアル方向に亙る保持器の変位を防止しつつ、上記ポケット8内への潤滑剤の取り込みを最適に行なわせる事ができる。
図4は、本発明の実施例2を示す。
本実施例では、ポケット内円周方向すきまS1を従来の保持器のポケット円周方向すきまS10と同一設定とした場合であって、それぞれのアキシアル円筒面18a,18bの曲率半径を調整することで、保持器ポケット8の内外径のエッジE1,E2と玉5との空間S2を、従来の保持器ポケット8の内外径のエッジE1,E2と玉5との空間S20と比して大きくすることが可能となり、ポケット8内へのグリース取り込みが容易となる。
これにより、ポケット内の潤滑性を向上することが可能となり、保持器音等による振動・騒音の抑制効果が向上するとともに、軸受の寿命を長くすることが可能となる。
その他の構成及び作用効果は実施例1と同様である。
図5は、ポケット8のピッチ円P8 を玉5のピッチ円P5 よりも外側(外径方向)に位置させた実施例の一例を示す。図面では、二点鎖線によって従来の保持器のアキシアル円筒面18Xを示し、さらに破線によって実施例1の第一のアキシアル円筒面18a及び第二のアキシアル円筒面18bを示す。
本発明を実施する場合に、ポケット8のピッチ円直径(アキシアル円筒面18a、18bの曲率の中心軸を結ぶ円筒面の直径)と玉5のピッチ円直径とは、必ずしも一致させなくても良いが、本実施例の様に両ピッチ円P8 、P5 同士をずらすことにより次のような作用効果を奏する。
従来の保持器の円周方向すきまS10と比して、円周方向すきまS1を小さく設定することが可能で、さらに、保持器ポケット8の内径のエッジE1(又は外径のエッジE2)と玉5との空間S2を、従来の保持器ポケット8の内径のエッジE1(又は外径のエッジE2)と玉5との空間S20よりも小さくすることが可能となり、ラジアル方向の動き量を抑えることが可能となる。
さらに、外径のエッジE2(又は内径のエッジE1)と玉5との空間S2が大きくなりグリースの取り込みが容易となり潤滑性を向上することが可能となり、さらなる保持器音等の振動・騒音の抑制効果が向上する。
さらに、本実施例では、実施例1の場合とも比較して図示しており、これと比しても同様にさらなる保持器音等の振動・騒音の抑制効果が向上する。
尚、上記両ピッチ円P8 、P5 の大小関係は、図5とは逆にする事もできる。
さらに、本実施例では第一のアキシアル円筒面18aと第二のアキシアル円筒面18bのピッチ円P8を同一の径方向(外径方向)に片寄らせた実施の一例を示すが、第一のアキシアル円筒面18aと第二のアキシアル円筒面18bのそれぞれのピッチ円を、一方が外径側、他方が内径側となるように設定することも本発明の範囲内であり設計変更可能である。
その他の構成及び作用効果は実施例1または2と同様である。
尚、本発明は、ミニアチュアベアリングの様に、小径のラジアル玉軸受に組み込む保持器で実施する事により、顕著な効果を得られる。従って、本発明は、小径のラジアル玉軸受用の保持器として一般的に利用されている、合成樹脂製の冠型保持器で実施する事が一般的である。但し、本発明を、図6及び図8に示す様な、金属板製の波形保持器で実施しても、或る程度の効果を得られる。勿論、この様な波形保持器も、本発明の対象となり得る。
本発明の実施例1における保持器の部分拡大斜視図である。 玉を保持した状態を示す、図1のA−A断面に相当する図である。 (A)は本実施例1、(B)は比較例で、保持器のポケット内に玉を保持され、かつ玉がポケット内の中立位置に存在すると仮定した状態を、それぞれ保持器の直径方向から部分的に見た図である。 本発明の実施例2における保持器の部分拡大図で、玉を保持した状態を示す、図1のA−A断面に相当する図である。 本発明の実施例3における保持器の部分拡大図で、玉を保持した状態を示す、図1のA−A断面に相当する図である。 従来から知られている保持器を組み込んだ玉軸受の1例を示す部分切断斜視図である。 従来から知られている保持器の別例を示す斜視図である。 図6に示した保持器に玉を保持した状態を示す拡大断面図である。 図7に示した保持器に玉を保持した状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 内輪軌道
2 内輪
3 外輪軌道
4 外輪
5 玉
6、6a 保持器
7 主部
8 ポケット
12 弾性片
17 第一の球状凹面
18a 第一のアキシアル円筒面
18b 第二のアキシアル円筒面
19 第二の球状凹面
α 玉の転動中心軸
O1 第一のアキシアル円筒面の曲率の中心点
O2 第二のアキシアル円筒面の曲率の中心点
O17 第一の球状凹面の曲率の中心点
O19 第二の球状凹面の曲率の中心点
P5 玉のピッチ円
P8 ポケットのピッチ円

Claims (2)

  1. 複数の玉を転動自在に保持すべく、全体を円環状に形成し、円周方向複数個所にポケットを設けたラジアル玉軸受用保持器において、
    上記各ポケットの内面の一部で保持器の周面側開口縁を含む部分の一端側部分を、玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第一のアキシアル円筒面とし、
    同じく他端側部分を、上記玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第二のアキシアル円筒面とし、
    上記玉がポケット内の中立位置に存在すると仮定した状態で、
    上記第一のアキシアル円筒面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも他端側のアキシアル円筒面寄りに片寄った位置に存在し、
    上記第二のアキシアル円筒面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも一端側のアキシアル円筒面寄りに片寄った位置に存在するようにこれら各ポケットの一部で円周方向両側に設けており、
    これら各ポケットの内面の残部で当該ポケット内に保持する玉の転動中心軸の一端側部分を、この玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第一の球状凹面とし、
    同じく他端側部分を、上記玉の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する第二の球状凹面とし、
    上記玉がポケット内の中立位置に存在すると仮定した状態で、上記第一の球状凹面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも他端側に片寄った位置に存在し、
    上記第二の球状凹面の曲率の中心点が、上記玉の転動中心軸上でその玉の中心よりも一端側に片寄った位置に存在する
    ことを特徴とするラジアル玉軸受用保持器。
  2. 外周面に内輪軌道を有する内輪と内周面に外輪軌道を有する外輪とを互いに同心に配置し、これら内輪軌道と外輪軌道との間に、請求項1に記載したラジアル玉軸受用保持器に設けた複数のポケット内に転動自在に保持された複数個の玉を転動自在に設けて成り、
    これら各ポケットのピッチ円の直径とこれら各玉のピッチ円の直径とを異ならせて、これら各ポケットのピッチ円をこれら各玉のピッチ円の外側又は内側に位置させたことを特徴とするラジアル玉軸受。
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