JP2018004062A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受の固定輪にクリープ抑制用として環状溝を形成した場合において、この固定輪が取り付けられる相手部材に発生する接触面圧が局所的に高くなるのを抑制する。【解決手段】転がり軸受7は、内輪11と、外輪12と、複数の玉13と、これら玉13を保持する保持器14とを備え、内輪11が回転輪であり、外輪12が固定輪となる。この場合、外輪12のうち、この外輪12が取付けられるハウジング2(相手部材)側の面に、クリープ抑制用の環状溝32が形成されている。更に、外輪12に、環状溝32の両側部を覆う筒状部材17が設けられている。【選択図】 図2
Description
本発明は、転がり軸受に関する。
各種産業機器には多くの転がり軸受が用いられている。転がり軸受は、内輪、外輪、これら内輪と外輪との間に介在している複数の転動体、及びこれら転動体を保持する保持器を備えている。例えば、図5に示すように、ハウジング97内の回転軸95を支持する転がり軸受90では、内輪91が回転軸95に外嵌して取り付けられており、外輪92がハウジング97の内周面98に取り付けられている。
このような転がり軸受90では、内輪91と回転軸95とは「締まり嵌め」の状態で組み立てられるのに対して、外輪92とハウジング97とは「すきま嵌め」の状態で組み立てられることがある。このため、回転軸95が回転している使用状態で、外輪92とハウジング97との間においてクリープ(ハウジング97に対する外輪92の周方向の滑り)が発生しやすい。
そこで、外輪92の外周面94にクリープ発生を抑制するための溝(環状溝)93を形成した転がり軸受が提案されている(特許文献1参照)。この転がり軸受90によれば、径方向(ラジアル方向)の大きな荷重が作用している場合に発生しやすいクリープを抑制することが可能となる。なお、このような荷重が作用している場合に発生しやすいクリープは、軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪92が滑るクリープである。
前記のとおり、外輪92の外周面94に環状溝93を形成することで、転がり軸受90に径方向の大きな荷重が作用した場合の前記クリープを抑制することが可能となる。しかし、この径方向の大きな荷重によって、環状溝93の軸方向両側のエッジ部99がハウジング97の内周面98に接触することで、ハウジング97のうち、このエッジ部99が接触する部分において、図6に示すように、接触面圧が局所的に高くなる。この場合、外輪92が少しでもクリープすると、接触面圧が局所的に高くなっている位置でハウジング97が摩耗するおそれがある。特に外輪92が軸受鋼等であるのに対して、ハウジング97がアルミ合金製等のように比較的摩耗しやすい材料である場合、何らかの対策が必要となる。
そこで、本発明は、転がり軸受の固定輪にクリープ抑制用として環状溝を形成した場合において、この固定輪が取り付けられる相手部材に発生する接触面圧が局所的に高くなるのを抑制することを目的とする。
本発明は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の一方が回転輪であり他方が固定輪である転がり軸受であって、前記固定輪のうち、当該固定輪が取付けられる相手部材側の面に、クリープ抑制用の環状溝が形成されており、前記固定輪に、前記環状溝の両側部を覆う筒状部材が設けられている。
この転がり軸受によれば、固定輪に形成されている環状溝の両側部と、相手部材との間には筒状部材が介在するため、転がり軸受に径方向荷重が作用しても、相手部材における接触面圧が、環状溝の両側部に対応する位置で局所的に高くなるのを抑えることができる。また、このように固定輪と相手部材との間に筒状部材が介在していても、固定輪に環状溝が形成されていることで、固定輪の弾性変形に起因する相手部材との間の相対滑りの発生を抑えることができ、クリープを抑制する機能は確保される。
また、前記筒状部材は前記固定輪に締り嵌めの状態で取り付けられているのが好ましい。
この場合、固定輪との接触により生じる筒状部材での面圧は、環状溝の両側部が接触する位置で高くなるが、筒状部材と固定輪とは締まり嵌めの状態となっていることで、これら筒状部材と固定輪との間でクリープは生じず、相互間で摩耗は発生しない。
この場合、固定輪との接触により生じる筒状部材での面圧は、環状溝の両側部が接触する位置で高くなるが、筒状部材と固定輪とは締まり嵌めの状態となっていることで、これら筒状部材と固定輪との間でクリープは生じず、相互間で摩耗は発生しない。
また、前記筒状部材は、前記固定輪のうち、前記環状溝が形成されている面の全体を覆っているのが好ましい。
これにより、相手部材と筒状部材との接触面積が広くなり、相手部材における接触面圧をより一層低下させることができる。
これにより、相手部材と筒状部材との接触面積が広くなり、相手部材における接触面圧をより一層低下させることができる。
本発明によれば、固定輪に環状溝が形成されていることでクリープの発生を抑制することができ、しかも、固定輪が取付けられる相手部材に発生する接触面圧が局所的に高くなるのを抑制することが可能となる。この結果、相手部材における摩耗を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転がり軸受7を含む回転装置1の実施の一形態を示す断面図である。回転装置1はハウジング2及び回転軸4を有しており、一対の転がり軸受7,7によって回転軸4がハウジング2に回転自在となって支持されている。これら転がり軸受7,7は、予圧付与型の軸受であり、軸方向の荷重(予圧)が付与された状態にある。軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7と、軸方向他方側(図1では左側)の転がり軸受7とは同じ構成である。以下において、軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7を代表として詳細な構成を説明する。
図1は、本発明の転がり軸受7を含む回転装置1の実施の一形態を示す断面図である。回転装置1はハウジング2及び回転軸4を有しており、一対の転がり軸受7,7によって回転軸4がハウジング2に回転自在となって支持されている。これら転がり軸受7,7は、予圧付与型の軸受であり、軸方向の荷重(予圧)が付与された状態にある。軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7と、軸方向他方側(図1では左側)の転がり軸受7とは同じ構成である。以下において、軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7を代表として詳細な構成を説明する。
図2は、転がり軸受7の断面図である。転がり軸受7は、回転軸4に外嵌して取り付けられている内輪11と、内輪11の径方向外側に設けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に介在している複数の転動体と、これら転動体を保持する環状の保持器14とを備えている。本実施形態の転動体は玉13であり、図2に示す転がり軸受7は深溝玉軸受である。また、転がり軸受7は、外輪12に外嵌して取付けられている筒状部材17を備えている。外輪12は筒状部材17を介してハウジング2の内周面3(以下、ハウジング内周面3ともいう。)に取り付けられている。以下の説明において、外輪12と筒状部材17とをあわせて外輪体16と呼ぶ。
内輪11の外周面には、玉13が転動する内輪軌道溝(軌道面)11aが形成されており、外輪12の内周面には、玉13が転動する外輪軌道溝(軌道面)12aが形成されている。複数の玉13は、内輪11と外輪12との間の環状空間15に設けられており、転がり軸受7が回転すると(本実施形態では内輪11が回転すると)、これら玉13は保持器14によって保持された状態で内輪軌道溝11aと外輪軌道溝12aとを転動する。
保持器14は、複数の玉13を周方向に沿って所定間隔(等間隔)をあけて保持することができ、このために、保持器14には玉13を収容するためのポケット18が周方向に沿って複数形成されている。本実施形態の保持器14は、玉13の軸方向一方側に設けられている円環部14aと、この円環部14aから軸方向他方側に延びている複数の柱部14bとを有している。そして、円環部14aの軸方向他方側(図2では左側)であって、周方向で隣り合う一対の柱部14b,14b間が、ポケット18となる。なお、保持器14は、他の形態であってもよく、例えば、軸方向他方側にも円環部を有する構成とすることができる。
外輪12に環状溝32が形成されている。環状溝32はハウジング2側の面、つまり外輪12の外周面22に形成されている。環状溝32は、周方向に連続する環状の凹溝からなり、その断面形状は、周方向に沿って変化しておらず同じである。環状溝32は、外輪12の外周面22であって外輪軌道溝12aの径方向外側に形成されている。なお、環状溝32を示す各図では、その形状の説明を容易とするために深く記載しているが、実際の環状溝32の深さは外輪12の厚さに比べて極めて小さく、環状溝32の深さは、例えば1mm未満である。図2に示す環状溝32は、外輪軌道溝12aの軸方向幅Yよりも大きな溝幅X0を有しているが、軸方向幅Y以下の溝幅X0を有している形状であってもよい。
外輪12の外周側に環状溝32が設けられていることから、外輪12は、環状溝32の軸方向両側に円筒部36,37を有している。これら円筒部36,37の外周面は、転がり軸受7の軸受中心線C0を中心とする円筒面36a,37aからなる。図2に示すように、軸受中心線C0を含む断面において、円筒面36a,37aは、軸受中心線C0に平行な直線形状を有している。
筒状部材17は、金属製であり、本実施形態では、薄い鋼板(冷間圧延鋼板:SPCC)を円筒状として構成した部材である。なお、筒状部材17は、その他の材質であってもよい。筒状部材17は、外輪12に比べて薄く、例えば筒状部材17の板厚は1ミリメートル未満である。本実施形態では、筒状部材17と外輪12とは軸方向に同じ寸法である。そして、筒状部材17は、外輪12に締り嵌めの状態で取り付けられている。つまり、筒状部材17は、前記円筒面36a,37aに締まり嵌めの状態となって外輪12に取付けられている。このため、筒状部材17と外輪12とは相対回転不能な状態となる。なお、筒状部材17と環状溝32(溝底面41)とは非接触の状態にある。
内輪11と回転軸4とは「締まり嵌め」の状態で組み立てられており、内輪11は回転軸4に密着して嵌合しており回転軸4と一体回転可能である。これに対して、外輪12は、筒状部材17を介して、固定状態にあるハウジング2に取り付けられているが、これら外輪12及び筒状部材17からなる外輪体16は、ハウジング内周面3に「すきま嵌め」の状態となっている。このため、回転軸4が内輪11と共に回転している使用状態で、外輪体16とハウジング2との間においてクリープ(ハウジング2に対する外輪体16の周方向の滑り)が発生することがある。
ここで、ハウジング2と転がり軸受7との間で生じるクリープについて説明する。なお、クリープ及びその発生メカニズムについては、外輪12に環状溝32が形成されておらず、また、外輪12とハウジング2との間に筒状部材17が介在しておらず、外輪12とハウジング2とがすき間嵌めの状態となっている場合として、図2を参照しながら説明する。転がり軸受7において発生する可能性のあるクリープには、次の三つが考えられる。なお、下記の軸受回転方向とは、本実施形態の場合、回転輪である内輪11の回転方向である。
・第一のクリープ:軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪12が滑るクリープ
・第二のクリープ:軸受回転方向と同方向へ速く外輪12が滑るクリープ
・第三のクリープ:軸受回転方向と逆方向に外輪12が滑るクリープ
・第一のクリープ:軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪12が滑るクリープ
・第二のクリープ:軸受回転方向と同方向へ速く外輪12が滑るクリープ
・第三のクリープ:軸受回転方向と逆方向に外輪12が滑るクリープ
第一のクリープは、転がり軸受7に径方向(ラジアル方向)の大きな荷重が作用している場合に発生しやすく、下記のメカニズムによって発生すると考えられる。すなわち、転がり軸受7に径方向の大きな荷重が作用している場合、玉13が高負荷を受けて外輪軌道溝12aを通過し、その際、玉13の直下である外輪外周側が部分的に弾性変形する。玉13は外輪軌道溝12aに沿って移動することから、外輪12は脈動変形(脈動変位)する。この脈動変形により、外輪12とハウジング2との間に周方向の相対滑りが生じ、この相対滑りにより第一のクリープが発生すると考えられる。
第二のクリープは、第一のクリープと外輪12の移動方向(滑り方向)は同じであるが、転がり軸受7が径方向に関して無負荷である状態で発生しやすい。つまり、径方向に無負荷である場合、内輪11の回転によって外輪12を連れ回りさせ、これにより第二のクリープが発生すると考えられる。
第三のクリープは、外輪12の移動方向(滑り方向)が第一及び第二のクリープと反対であり、これは、例えば径方向の荷重が偏荷重となることで外輪12がハウジング内周面3に沿って振れ回りすることで発生すると考えられる。
以上が、クリープ及びその発生メカニズムについての説明である。
以上が、クリープ及びその発生メカニズムについての説明である。
本実施形態の転がり軸受7の環状溝32及び筒状部材17の機能について説明する。前記のとおり(図2参照)外輪12には筒状部材17が外嵌しており、外輪12は筒状部材17を介してハウジング2(相手部材)に取り付けられている。このため、筒状部材17の外周面が、ハウジング内周面3に対する嵌め合い面となっている。ただし、筒状部材17はハウジング内周面3に「すきま嵌め」の状態にある。
前記第一のクリープの説明のとおり、転がり軸受7に径方向の大きな荷重が作用している場合、玉13が高負荷を受けて外輪軌道溝12aを通過し、その際、玉13の直下である外輪外周側が部分的に弾性変形する。玉13は外輪軌道溝12aに沿って移動することから、外輪12は脈動変形(脈動変位)する。これは、外輪12に筒状部材17が外嵌していても、同じである。
そこで、本実施形態では、外輪12の外周面22に環状溝32が形成されていることで、前記弾性変形(脈動変形)に起因するハウジング2との間の周方向の相対滑りの発生を抑え、第一のクリープを抑制している。つまり、転がり軸受7に径方向の大きな荷重が作用すると、外輪12のうちの外輪軌道溝12aの径方向外側の領域は径方向外側に弾性変形(拡径)するが、その領域に環状溝32が形成されていることにより、弾性変形(拡径)を主に環状溝32の範囲で生じさせることができる。これは、外輪12に筒状部材17が外嵌していても、同じである。
このため、外輪12の弾性変形(拡径)部分は、筒状部材17に接触せず、又は、接触したとしても、ハウジング内周面3との間に筒状部材17が介在していることにより、外輪12の弾性変形部分における脈動がハウジング内周面3に伝わる範囲を減らすことができる。つまり、外輪12(外輪体16)の弾性変形がハウジング2に(ほとんど)伝わらず、脈動変形による外輪12とハウジング2との間の周方向の相対滑りが生じない。この結果、外輪12(外輪体16)とハウジング2との間における第一のクリープの発生が抑制される。以上より、環状溝32は、第一のクリープ抑制用の溝(逃げ溝)となっている。
図2に示す環状溝32は、中央の溝底面41と、この溝底面41の軸方向両側の側面42,43とを有した溝形状を備えている。一方の側面42は、前記円筒面36aと所定の角度を有して交差しており、他方の側面43は、前記円筒面37aと所定の角度を有して交差している。側面42と円筒面36aとの交差部が、環状溝32の第一のエッジ部46となり、側面43と円筒面37aとの交差部が、環状溝32の第二のエッジ部47となる。
そして、筒状部材17は、環状溝32の両側部のエッジ部46,47を覆っている。なお、本実施形態では、筒状部材17は、外輪12の外周面22の全体を覆っている。筒状部材17がエッジ部46,47を覆っているため、つまり、エッジ部46,47と、ハウジング2との間には筒状部材17が介在しているため、転がり軸受7に大きな径方向荷重が作用しても、図3に示すように、ハウジング2における接触面圧が、環状溝32の両側のエッジ部46,47に対応する位置で、局所的に高くなるのを抑えることができる。つまり、筒状部材17によってハウジング2における接触面圧が分散され、ハウジング2における接触面圧のピークを緩和することができる。このため、他の要因でクリープが発生したとしても、ハウジング2に発生する接触面圧は局所的に大きくならないため、仮にクリープが少し発生したとしても、ハウジング2の摩耗を効果的に防ぐことが可能となる。特に、本実施形態では外輪12が軸受鋼であるのに対して、ハウジング2はアルミ合金製であって局部的に面圧が高くなる部分で摩耗しやすいが、筒状部材17が外輪12との間に介在することで、このような摩耗を防ぐことが可能となる。
そして、外輪12とハウジング2との間に筒状部材17が介在していても、外輪12には環状溝32が形成されていることで、前記のとおり、外輪12(外輪体16)の弾性変形に起因するハウジング2との間の相対滑りの発生を抑え、前記第一のクリープを抑制する機能は確保されている。
なお、筒状部材17に対して外輪12が接触することで、この筒状部材17の内周面に生じる面圧は、環状溝32の両側のエッジ部46,47が接触する位置で高くなる。しかし、本実施形態では、筒状部材17が、外輪12に締り嵌めの状態で取り付けられていることで、これら筒状部材17と外輪12との間でクリープは発生しない。このため、これらの間の接触面圧が高くても、滑り接触による摩耗は相互間で発生しない。
また、筒状部材17は環状溝32を全て覆っている。特に、筒状部材17は、外輪12の外周面22の全体を覆っている。このため、外輪12に単一の筒状部材17を取り付けることで、図3により説明したように、ハウジング2における接触面圧が、環状溝32の両側のエッジ部46,47それぞれに対応する位置で、局部的に高くなるのを抑えることのできる構成が得られる。また、筒状部材17が外輪12の外周面22の全体を覆っていることで、ハウジング2と筒状部材17との接触面積が広くなり、相互間の接触面圧をより一層低下させることが可能となる。
前記実施形態(図2参照)では、内輪11が、この内輪11が取り付けられている相手部材(回転軸4)と一体回転する回転輪であり、外輪12が、この外輪12及び筒状部材17が取り付けられている相手部材(ハウジング2)に(クリープするが)固定されている固定輪である。
しかし、本発明では、内輪11と外輪12との内の一方が回転輪であって他方が固定輪であればよく、図2に示す形態と反対に、図4に示すように、軸4に取り付けられている内輪11が固定輪であって、外輪12がハウジング2と共に一体回転する回転輪であってもよい。この場合、内輪11の内周面にクリープ抑制用の環状溝32を形成し、内輪11の内周側に環状溝32の両側部(エッジ部)を覆う筒状部材17が設けられる。筒状部材17は、内輪11に締まり嵌めの状態で取付けられているが、筒状部材17は、軸4にすきま嵌めの状態となって取付けられる。この転がり軸受7においても、内輪11の環状溝32と軸4との間には筒状部材17が介在するため、径方向荷重が作用しても、軸4における接触面圧が、環状溝32の両側部に対応する位置で局所的に高くなるのを抑えることができる。また、環状溝32によって、内輪11のクリープを抑制する機能は確保される。
しかし、本発明では、内輪11と外輪12との内の一方が回転輪であって他方が固定輪であればよく、図2に示す形態と反対に、図4に示すように、軸4に取り付けられている内輪11が固定輪であって、外輪12がハウジング2と共に一体回転する回転輪であってもよい。この場合、内輪11の内周面にクリープ抑制用の環状溝32を形成し、内輪11の内周側に環状溝32の両側部(エッジ部)を覆う筒状部材17が設けられる。筒状部材17は、内輪11に締まり嵌めの状態で取付けられているが、筒状部材17は、軸4にすきま嵌めの状態となって取付けられる。この転がり軸受7においても、内輪11の環状溝32と軸4との間には筒状部材17が介在するため、径方向荷重が作用しても、軸4における接触面圧が、環状溝32の両側部に対応する位置で局所的に高くなるのを抑えることができる。また、環状溝32によって、内輪11のクリープを抑制する機能は確保される。
なお、以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、本発明の転がり軸受は、深溝玉軸受以外にアンギュラ玉軸受であってもよく、また、転動体は玉以外であってもよく、円筒ころや円すいころであってもよい。また、本発明の転がり軸受は様々な機器に適用可能であり、特にクリープが課題となる回転機器に適用するのが好ましい。
例えば、本発明の転がり軸受は、深溝玉軸受以外にアンギュラ玉軸受であってもよく、また、転動体は玉以外であってもよく、円筒ころや円すいころであってもよい。また、本発明の転がり軸受は様々な機器に適用可能であり、特にクリープが課題となる回転機器に適用するのが好ましい。
7:転がり軸受 11:内輪 12:外輪
13:玉(転動体) 14:保持器 17:筒状部材
22:外周面(相手部材側の面) 32:環状溝
46,47:エッジ部(側部)
13:玉(転動体) 14:保持器 17:筒状部材
22:外周面(相手部材側の面) 32:環状溝
46,47:エッジ部(側部)
Claims (3)
- 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の一方が回転輪であり他方が固定輪である転がり軸受であって、
前記固定輪のうち、当該固定輪が取付けられる相手部材側の面に、クリープ抑制用の環状溝が形成されており、
前記固定輪に、前記環状溝の両側部を覆う筒状部材が設けられている、転がり軸受。 - 前記筒状部材は前記固定輪に締り嵌めの状態で取り付けられている、請求項1に記載の転がり軸受。
- 前記筒状部材は、前記固定輪のうち、前記環状溝が形成されている面の全体を覆っている、請求項1又は2に記載の転がり軸受。
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