JP5347804B2 - レース付スラストころ軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車のトランスミッション、カーエアコン用コンプレッサ等の自動車用補機、或いは、一般産業用の各種機械等の回転支持部分に装着し、この回転支持部分に加わるスラスト荷重を支承する為のレース付スラストころ軸受の改良に関する。尚、本明細書及び特許請求の範囲に記載したスラストころ軸受には、直径に比べて軸方向長さが大きい(アスペクト比が大きい)ころ(ニードル)を使用した、スラストニードル軸受も含む。
自動車用トランスミッション等の各種機械の回転支持部分には、レース付スラストころ軸受を装着する。例えば、自動車用トランスミッションの場合には、回転軸に設けた段部と、この回転軸の周囲に配置した歯車の軸方向端面との間等にレース付スラストころ軸受を装着して、これら回転軸と歯車との間に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら回転軸と歯車との相対回転を可能としている。この様なレース付スラストころ軸受の組み付け性の向上を図る為、レースを相手部材に対して係止する構造が、例えば、特許文献1、2に記載されている様に、従来から知られている。図8〜9は、これら特許文献1、2に記載された従来構造を示している。
先ず、図8には、従来構造の第1例として、上記特許文献1に記載された構造を示している。レース付スラストころ軸受1は、保持器2と、複数個のころ3、3と、レース4とを備える。このうちの保持器2は、金属板を曲げ形成する事により全体を円輪状としたもので、円周方向複数箇所に、それぞれが径方向に向いた(放射方向に配列された)ポケット5、5を設けて成る。又、上記各ころ3、3は、これら各ポケット5、5内に転動自在に保持されている。又、上記レース4は、金属板を曲げ形成する事により造られたもので、上記各ころ3、3の転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部6と、このレース部6の外周縁部から上記各ころ3、3を配置する側に折れ曲がった、円筒状のフランジ部7とを備える。
又、このフランジ部7の先端縁を内径側に折り曲げて成る係止部8と上記保持器2の外周縁部との係合に基づき、この保持器2と上記レース4との分離防止を図っている。又、このレース4の内周縁部に、軸方向に関して上記フランジ部7と反対側に折れ曲がった支持筒部9を形成している。更に、この支持筒部9の外周面の円周方向複数箇所に、それぞれ係止突部10を形成している。一方、上記レース付スラストころ軸受1を装着すべき相手部材である、中空軸11の端部内周面に係止凹溝12を、全周に亙って形成している。上記レース付スラストころ軸受1を上記中空軸11に装着するには、上記支持筒部9をこの中空軸11の端部に内嵌すると共に、上記各係止突部10を上記係止凹溝12に係合させる。この状態で、上記レース付スラストころ軸受1が上記中空軸11に、不用意に分離しない状態に組み付けられる。従って、トランスミッション等の回転機械装置の組立作業を容易に行える。
次に、図9は、前記特許文献2に記載された、従来構造の第2例を示している。この第2例のレース付スラストころ軸受1aは、保持器2aと、複数個のころ3、3と、1対のレース4a、4bとを備える。そして、上述した第1例の場合と同様に、一方(図9の右方)のレース4aと上記保持器2aとの分離防止を、このレース4aの外周縁部に設けた円筒状のフランジ部7aの先端縁に形成した係止部8により図っている。これに対して、他方(図9の左方)のレース4bの内周縁部に形成したフランジ部7bの内周面の円周方向複数箇所に、それぞれ係止突部10aを形成している。一方、上記レース付スラストころ軸受1aを装着すべき相手部材である軸部材13の外周面で段差面14に近い部分に、係止凹溝12aを、全周に亙って形成している。上記レース付スラストころ軸受1aを上記軸部材13に装着するには、上記フランジ部7bをこの軸部材13に外嵌すると共に、上記各係止突部10aを上記係止凹溝12aに係合させる。この状態で、上記レース付スラストころ軸受1aが上記軸部材13に、不用意に分離しない状態に組み付けられて、トランスミッション等の回転機械装置の組立作業を容易に行える。
上述の様な、図8〜9に示した従来構造の第1〜2例の場合、レース4、4bをバックアップする部分の剛性が低い状態での耐久性確保と、製造コストの低廉化とを両立させる事が難しい。この理由は、次の通りである。先ず、図8〜9に示した従来構造の場合、各係止突部10、10aをフランジ部7、7bの軸方向中間部に形成している為、レース4、4bを構成する金属板として、厚さ寸法が大きなものを使用しにくい。即ち、このレース4、4bを構成する金属板は、各ころ3、3から繰り返し加わるスラスト荷重を支承する必要上、炭素鋼、肌焼鋼等の硬い鉄系金属を使用する必要がある。この様な硬い鉄系金属の場合、厚さ寸法が大きくなると、上記各係止突部10、10aの加工が難しくなる。この為、上記レース4、4bを構成する金属板の厚さ寸法を或る程度小さくせざるを得ず、例えば、前記中空軸11や上記軸部材13の材質が軟らかかったり、或いは肉厚が薄い等により、上記レース4、4bをバックアップする部分の剛性が低い状態での耐久性確保が難しくなる。
上記各係止突部10、10aを加工する為の金型の耐久性を考慮せず、しかも、容量の大きなプレス加工機を使用すれば、これら各係止突部10、10aの加工も可能ではあるが、加工コストが嵩み、レース付スラストころ軸受1、1aの低廉化を図る面からは不利になる。更に、全周に亙り連続した状態で形成された上記フランジ部7、7bが、各ころ3、3を設置した内部空間に潤滑油を流通させる事に対して、或る程度大きな障害になる。この為、潤滑性能の面から、上記レース4、4bを含むレース付スラストころ軸受1、1aの耐久性確保を図りにくい。
独国特許出願公開第10227377号明細書 米国特許第5647675号明細書
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、レースをバックアップする部分の剛性が低い状態での耐久性確保と、製造コストの低廉化とを両立できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のレース付スラストころ軸受は何れも、前述した従来から知られているレース付スラストころ軸受と同様に、保持器と、複数個のころと、レースとを備える。
このうちの保持器は、円輪状で、円周方向複数箇所に、それぞれが径方向に向いたポケットを設けている。
又、上記各ころは、上記各ポケット内に転動自在に保持されている。
又、上記レースは、金属板を曲げ形成する事により造られたもので、上記各ころの転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部と、このレース部の周縁部から、軸方向に関して上記各ころを配置する側に、上記金属板を折り曲げる状態で形成された円筒状のフランジ部とを備える。
特に、請求項1に記載した発明のレース付スラストころ軸受に於いては、上記フランジ部を、上記レース部の外周縁部に設けている。
又、上記フランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成している。
又、上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向外方に突出する突出部を設けている。
そして、これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為の、レース抜け止め用係止部としている。
これに対し、請求項2に記載した発明のレース付スラストころ軸受に於いては、上記フランジ部を、上記レース部の内周縁部に設けている。
又、上記フランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成している。
又、上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向内方に突出する突出部を設けている。
そして、これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為の、レース抜け止め用係止部としている。
上述の様な請求項1、2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、上記各切り欠き部を、フランジ部の軸方向全長に亙って設ける。そして、上記レース部の周縁部円周方向に関してこれら各切り欠き部に整合する部分を、上記フランジ部よりも径方向に突出させて、この突出した部分をレース抜け止め用係止部とする。
或いは、請求項4に記載した発明の様に、上記各切り欠き部を、上記フランジ部のうちで上記レース部に近い基端部を除く部分に設ける。そして、この切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部を、径方向に関して上記レース部と反対側に膨出させて、この膨出した部分をレース抜け止め用係止部とする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、上記フランジ部の先端縁の円周方向複数箇所で上記各切り欠き部から円周方向に外れた部分で上記金属板を、径方向に関して各ころを配置した側に折り曲げる。そして、上記レースと上記保持器との分離防止の為の保持器抜け止め用係止部を形成する。
上述の様に構成する本発明によれば、レースをバックアップする部分の剛性が低い状態での耐久性確保と、製造コストの低廉化とを両立できるレース付スラストころ軸受を実現できる。
即ち、本発明のレース付スラストころ軸受の場合には、レースと相手部材との分離防止を図る為の複数のレース抜け止め用係止部を、フランジ部の軸方向中間部ではなく、軸方向に関して各切り欠き部の底縁よりもレース部側に存在する部分を径方向に関して突出させて成る、突出部として設けている。この為、上記レースを構成する金属板の厚さ寸法が或る程度大きくても、上記各レース抜け止め用係止部の加工を、余りコストを掛けずに行える。
例えば、請求項3に記載した発明の構造を造るには、各切り欠き及び各レース抜け止め用係止部となるべき部分を形成した金属板に曲げ加工を施してフランジ部を形成すれば、上記各レース抜け止め用係止部を容易に加工できる。
又、請求項4に記載した発明の構造は、各切り欠きとなるべき部分を形成した金属板に絞り加工を施してフランジ部を形成すると同時に、このフランジ部の基端部のうちで円周方向に関する位相が上記各切り欠きの中間部となるべき部分を膨出させる事により、上記各レース抜け止め用係止部を容易に加工できる。
何れの場合でも、上記レースをプレス加工する為の金型の耐久性を十分に確保する等により、加工コストを抑えつつ、上記レースを構成する硬質金属板の厚さを確保できる。更に、上記フランジ部の一部で上記各レース抜け止め用係止部を形成した部分には、軸方向に凹んだ切り欠き部を設けている為、この切り欠き部を通じて、各ころを設置した内部空間に、十分量の潤滑油を流通させられる。この為、レースをバックアップする部分の剛性が低い状態での耐久性確保と、製造コストの低廉化とを両立できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面図。 レースの一部を取り出して示す斜視図(A)及び正投影図(B)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す半部断面図。 レースの一部を取り出して示す斜視図(A)及び正投影図(B)。 本発明の実施例4に組み込むレースの一部を取り出して示す斜視図(A)及び正投影図(B)及び(B)のX−X断面図(C)。 同第5例を示す半部断面図。 従来構造の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、レース付スラストころ軸受1bを、相手部材であるハウジング15に設けた保持凹部16内に装着し、且つ、この保持凹部16内から不用意に抜け出る事を防止する構造に、本発明を適用した場合に就いて示している。上記レース付スラストころ軸受1bは、保持器2bと、複数個のころ3と、レース4cとを備える。
このうちの保持器2bは、円輪状で、円周方向複数個所に、それぞれが径方向に向いたポケット5aを設けている。本例の場合に上記保持器2bは、それぞれが金属板を曲げ形成する事により断面コ字形とした1対の保持器素子17a、17bを、最中状に重ね合わせる事により、中空円輪状として成る。上記各ポケット5aは、上記両保持器素子17a、17bの互いに整合する部分に形成した矩形の透孔18、18の組み合わせにより構成している。上記両保持器素子17a、17bの円周方向に関して、上記各透孔18、18の幅は、上記各ころ3の外径よりも少しだけ小さい。そして、上記両保持器素子17a、17bは、それぞれに設けた上記各透孔18、18同士の間に上記各ころ3を配置した状態で互いに組み合わせて不離に接合し、上記保持器2bとする。上記両保持器素子17a、17bをこの保持器2bとして組み合わせた状態で、上記各ころ3は、上記各ポケット5a内に転動自在に、且つ、これら各ポケット5aから抜け出ない様に保持される。
又、上記レース4cは、炭素鋼、肌焼鋼等の硬質の金属板を曲げ形成する事により造られたもので、レース部6aとフランジ部7cとを備える。このうちのレース部6aは、上記各ころ3の転動面を転がり接触させる為の部分で、円輪状である。又、上記フランジ部7cは、上記レース部6aの外周縁部から、上記金属板を、軸方向に関して、上記各ころ3を配置する側に向け、図1〜2の上方に折り曲げる状態で形成されたもので、円筒状である。
そして、上記フランジ部7cの内径側に上記保持器2bを、上記レース4cに対する相対回転を可能に設置している。この為に、上記フランジ部7cの内径は上記保持器2bの外径よりも少し大きくしている。又、上記フランジ部7cの先端部の円周方向複数箇所に、それぞれ径方向内方に折れ曲がった保持器抜け止め用係止部19を形成している。これら各保持器抜け止め用係止部19の内接円の直径は、上記保持器2bの外径よりも少し小さい。従って、この保持器2bと上記レース4cとは、互いの相対回転を可能に、且つ、非分離に組み合わされている。
更に、上記フランジ部7cの円周方向複数箇所(好ましくは、円周方向等間隔の3箇所位置以上)に、それぞれこのフランジ部7cの先端縁(図1〜2の上端縁)よりも上記レース部6a側に凹んだ切り欠き部20を、上記フランジ部7cの軸方向全長に亙って設けている。従ってこのフランジ部7cは、上記各切り欠き部20部分で、全幅に亙り不連続となっている。一方、上記レース部6aの外周縁部で、円周方向に関してこれら各切り欠き部20に整合する部分の(外接円の)直径は、他の部分(上記フランジ部7cが設けられている部分)の直径よりも大きくして、当該部分を上記フランジ部7cよりも径方向外方に突出させている。そして、この突出した部分を、レース抜け止め用係止部21としている。本例の場合、これら各レース抜け止め用係止部21の形状を、凸円弧形としている。上記レース4cに外力が加わらない自由状態での、これら各レース抜け止め用係止部21の外接円の直径D21は、上記フランジ部7cの外径D7cよりも少しだけ大きく、次述する保持凹部16の開口寄り部分の内径R16よりも僅かに大きい(D21>R16>D7c)。
上述の様な構成を有するレース付スラストころ軸受1bを組み付ける為、前記ハウジング15に設けた保持凹部16の奥端部内周面には、係止凹溝12bを、全周に亙って形成している。上記レース付スラストころ軸受1bを上記ハウジング15に装着するには、上記各レース抜け止め用係止部21の外接円の直径を弾性的に縮めつつ、これら各レース抜け止め用係止部21を上記保持凹部16内に押し込むのと同時に、上記フランジ部7cを上記保持凹部16に内嵌する。そして、上記レース7cのうちで前記レース部6aの片面をこの保持凹部16の奥端面に当接させるまで、上記フランジ部7cを上記保持凹部16に内嵌した状態で、上記各レース抜け止め用係止部21の先端部と上記係止凹溝12bとを係合させる。この状態で、上記レース付スラストころ軸受1bが上記ハウジング15に、不用意に分離しない状態に組み付けられて、トランスミッション等の回転機械装置の組立作業を容易に行える。本例の場合には、上記各レース抜け止め用係止部21が、先端程幅が狭い凸円弧形である為、これら各レース抜け止め用係止部21が弾性変形し易く、上記係止凹溝12bとの係合作業を、比較的軽い力で行える。
上述の様に構成する本例の構造によれば、上記レース4cをバックアップする部分の剛性が低い状態での耐久性確保と、製造コストの低廉化とを両立できるレース付スラストころ軸受1bを実現できる。このレース付スラストころ軸受1bは、レース4cと上記ハウジング15との分離防止を図る為の複数のレース抜け止め用係止部21を、上記フランジ部7cの軸方向中間部ではなく、前記レース部6aの外周縁の一部でこのフランジ部7cの不連続部に、このレース部6aの一部を径方向外方に延長する状態で形成している。この為、上記レース4cを構成する金属板の厚さ寸法を或る程度大きくしても、上記各レース抜け止め用係止部21の加工を、余りコストを掛けずに行える。即ち、素材となる金属板にプレス等の打ち抜き加工を施し、上記レース部6a、上記各レース抜け止め用係止部21、上記フランジ部7cとなるべき部分を有する平板状の中間素材を形成した後、この中間素材のうちでこのフランジ部7cとなるべき部分を上記レース部6aとなるべき部分に対して折り曲げれば、上記レース部6a、上記各レース抜け止め用係止部21、上記フランジ部7cを同時に形成できる。これらの作業は、上記金属板の厚さ寸法が或る程度大きくても、金型等の設備の耐久性を確保しつつ、容易に行える。この為、加工コストを抑えつつ、上記レース4cを構成する硬質金属板の厚さを確保できる。
更に、上記フランジ部7cのうちの円周方向複数箇所で上記各レース抜け止め用係止部21を形成した部分は、軸方向に凹んだ切り欠き部20としている為、これら各切り欠き部20を通じて、前記各ころ3を設置した内部空間に、十分量の潤滑油を流通させられる。この為、回転速度が速い、加わるスラスト荷重が大きい等の厳しい使用条件下でも、レース付スラストころ軸受の転がり接触部及び滑り接触部に、異常摩耗や焼き付き等の損傷が発生する事を抑えられる。
これらの作用により本発明のレース付スラストころ軸受によれば、上記ハウジング15を構成する材料が軟質であったり、或いはこのハウジング15の肉厚が小さい等により、上記レース4cをバックアップする部分の剛性が低い状態での、或いは、このバックアップする部分に凹溝が存在する等により、このバックアップする部分が周方向或いは径方向の一部で不連続である(バックアップ面が不均一である)状態での耐久性確保と、製造コストの低廉化とを両立できる。
[実施の形態の第2例]
図3も、請求項1、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、レース4dを構成するレース部6aの円周方向複数箇所に設けたレース抜け止め用係止部21aの形状を、角を丸めた略台形としている。
この様な本例の構造によれば、係止凹溝12b(図1参照)との係合作業に要する力が多少嵩む代わりに、係合後に、この係止凹溝12bと上記各レース抜け止め用係止部21aとが、より外れにくくできる。更に、これら各レース抜け止め用係止部21aの先端縁の幅が広い為、上記レース4dの搬送時等に、これら各レース抜け止め用係止部21aの先端縁が他の部材等にぶつかっても、この他の部材の表面に傷等の損傷を与えにくい。
その他の部分の構造及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図4〜5は、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、レース4eを構成するレース部6aの外周縁部に形成したフランジ部7dを、このレース部6aに近い基端部で、全周に亙り連続させている。言い換えれば、上記フランジ部7dの円周方向複数箇所に各欠き切り欠き部20aを、上記レース部6aに近い基端部を除く部分(先端部乃至軸方向中間部)に設けている。そして、上記フランジ部7dのうちで、切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部、及び、これら基端部の円周方向中間部に整合する上記レース部6aの外周縁部の一部に、それぞれレース抜け止め用係止部21bを形成している。これら各レース抜け止め用係止部21bは、上記フランジ部7dの基端部のうちで、円周方向に関する位相が上記各切り欠き部20aの中央部に一致する部分を、径方向に関して上記レース部6aと反対側(径方向外方)に、部分円筒状に膨出させる事により構成している。
本例の場合には、上記各レース抜け止め用係止部21bの軸方向寸法が、前述した実施の形態の第1〜2例の場合よりも長い。これに伴って、ハウジング15aの保持凹部16aの内周面奥端部に設ける係止凹溝12cの幅寸法を、上記実施の形態の第1〜2例の場合よりも広くしている。
本例の構造では、上記各レース抜け止め用係止部21bの加工を、上記フランジ部7dの加工と同時に行える。又、これら各レース抜け止め用係止部21bの加工時に、金型に無理な力が加わる事はなく、金型を含む加工装置の耐久性確保を図れる。
又、本例の構造の場合には、上記各レース抜け止め用係止部21bが相手部材にぶつかる事でこの相手部材に傷等の損傷を発生しにくくできる。
更に本例の場合には、前記レース4eを含むレース付スラストころ軸受1cを上記保持凹部16a内に組み付ける際に、上記各レース抜け止め用係止部21bに無理な力が加わりにくく、これら各レース抜け止め用係止部21bに、亀裂等の損傷が発生する事を防止できる。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図6も、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、フランジ部7dのうちで、切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部に、それぞれレース抜け止め用係止部21cを形成している。これら各レース抜け止め用係止部21cは、径方向に関してレース部6aと反対側(径方向外方)に、くさび状に膨出する状態で形成している。即ち、上記各レース抜け止め用係止部21cは、上記フランジ部7dの外周面から径方向外方への突出量が、レース部6aの側で小さく、このレース部6aから離れるに従って大きくなる方向に傾斜している。この様なレース抜け止め用係止部21cは、上述した実施の形態の第3例のレース抜け止め用係止部21bに比べて、係止凹溝12c(図4参照)に係合させる作業が容易である。又、上記レース抜け止め用係止部21cの加工が容易であり、レース4fの低コスト化を図れる。
その他の部分の構造及び作用は、上述した実施の形態の第3例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図7は、請求項2、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、レース付スラストころ軸受1dを、相手部材である軸部材13aに対し組み付ける事を意図している。この為に本例の場合には、レース4gを構成するレース部6bの内周縁の複数箇所に、それぞれレース抜け止め用係止部21dを形成している。そして、これら各レース抜け止め用係止部21dを、上記軸部材13aの外周面に形成した係止凹溝12dに係合させて、この軸部材13aと上記レース4gを含む上記レース付スラストころ軸受1dとが不用意に分離しない様にしている。
相手部材がハウジングから軸部材13aに変わり、径方向に関する内外が逆転した点以外の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図示の実施の形態は何れも、保持器及びころの片側にのみレースを設けた構造に本発明を適用した場合に就いて示している。この様な構造は、保持器及びころの他側に設ける部材が、軸受鋼等の硬質金属製で、この部材の表面に軌道面を直接形成できる場合に実施できる。これに対して、保持器及びころの両側に存在する1対の部材が、何れもアルミニウム合金等の比較的軟質な材料製である場合には、前述の図9に示した構造の様に、保持器及びころの両側にレースを設ける。この様な構造に就いても、本発明を実施できる事は勿論である。又、図4に示した構造に関しても、径方向を逆にしても実施できる。
1、1a、1b、1c、1d レース付スラストころ軸受
2、2a、2b 保持器
3 ころ
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g レース
5、5a ポケット
6、6a、6b レース部
7、7a、7b、7c、7d フランジ部
8 係止部
9 支持筒部
10、10a 係止突部
11 中空軸
12、12a、12b、12c、12d 係止凹溝
13、13a 軸部材
14 段差面
15、15a ハウジング
16、16a 保持凹部
17a、17b 保持器素子
18 透孔
19 保持器抜け止め用係止部
20、20a 切り欠き部
21、21a、21b、21c、21d レース抜け止め用係止部

Claims (5)

  1. 円周方向複数箇所にそれぞれが径方向に向いたポケットを設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に保持された複数個のころと、金属板を曲げ形成する事により造られたレースとを備え、このレースは、これら各ころの転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部と、このレース部の周縁部から、軸方向に関して上記各ころを配置する側に、上記金属板を折り曲げる状態で形成された円筒状のフランジ部とを備えたものであるレース付スラストころ軸受に於いて、
    上記フランジ部が上記レース部の外周縁部に設けられており、
    このフランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成すると共に、
    上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向外方に突出する突出部を設け、
    これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為のレース抜け止め用係止部とした事を特徴とするレース付スラストころ軸受。
  2. 円周方向複数箇所にそれぞれが径方向に向いたポケットを設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に保持された複数個のころと、金属板を曲げ形成する事により造られたレースとを備え、このレースは、これら各ころの転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部と、このレース部の周縁部から、軸方向に関して上記各ころを配置する側に、上記金属板を折り曲げる状態で形成された円筒状のフランジ部とを備えたものであるレース付スラストころ軸受に於いて、
    上記フランジ部が上記レース部の内周縁部に設けられており、
    このフランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成すると共に、
    上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向内方に突出する突出部を設け、
    これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為のレース抜け止め用係止部とした事を特徴とするレース付スラストころ軸受。
  3. 各切り欠き部を、フランジ部の軸方向全長に亙って設け、レース部の周縁部で円周方向に関してこれら各切り欠き部に整合する部分を、上記フランジ部よりも径方向に突出させて、この突出した部分をレース抜け止め用係止部としている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したレース付スラストころ軸受。
  4. 各切り欠き部を、フランジ部のうちでレース部に近い基端部を除く部分に設けており、この切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部を、径方向に関して上記レース部と反対側に膨出させて、この膨出した部分をレース抜け止め用係止部としている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したレース付スラストころ軸受。
  5. フランジ部の先端縁の円周方向複数箇所で各切り欠き部から円周方向に外れた部分で金属板を、径方向に関して各ころを配置した側に折り曲げる事により、レースと保持器との分離防止の為の保持器抜け止め用係止部を形成した、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したレース付スラストころ軸受。
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