JP5347804B2 - レース付スラストころ軸受 - Google Patents
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Description
このうちの保持器は、円輪状で、円周方向複数箇所に、それぞれが径方向に向いたポケットを設けている。
又、上記各ころは、上記各ポケット内に転動自在に保持されている。
又、上記レースは、金属板を曲げ形成する事により造られたもので、上記各ころの転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部と、このレース部の周縁部から、軸方向に関して上記各ころを配置する側に、上記金属板を折り曲げる状態で形成された円筒状のフランジ部とを備える。
又、上記フランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成している。
又、上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向外方に突出する突出部を設けている。
そして、これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為の、レース抜け止め用係止部としている。
これに対し、請求項2に記載した発明のレース付スラストころ軸受に於いては、上記フランジ部を、上記レース部の内周縁部に設けている。
又、上記フランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成している。
又、上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向内方に突出する突出部を設けている。
そして、これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為の、レース抜け止め用係止部としている。
或いは、請求項4に記載した発明の様に、上記各切り欠き部を、上記フランジ部のうちで上記レース部に近い基端部を除く部分に設ける。そして、この切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部を、径方向に関して上記レース部と反対側に膨出させて、この膨出した部分をレース抜け止め用係止部とする。
即ち、本発明のレース付スラストころ軸受の場合には、レースと相手部材との分離防止を図る為の複数のレース抜け止め用係止部を、フランジ部の軸方向中間部ではなく、軸方向に関して各切り欠き部の底縁よりもレース部側に存在する部分を径方向に関して突出させて成る、突出部として設けている。この為、上記レースを構成する金属板の厚さ寸法が或る程度大きくても、上記各レース抜け止め用係止部の加工を、余りコストを掛けずに行える。
例えば、請求項3に記載した発明の構造を造るには、各切り欠き及び各レース抜け止め用係止部となるべき部分を形成した金属板に曲げ加工を施してフランジ部を形成すれば、上記各レース抜け止め用係止部を容易に加工できる。
又、請求項4に記載した発明の構造は、各切り欠きとなるべき部分を形成した金属板に絞り加工を施してフランジ部を形成すると同時に、このフランジ部の基端部のうちで円周方向に関する位相が上記各切り欠きの中間部となるべき部分を膨出させる事により、上記各レース抜け止め用係止部を容易に加工できる。
図1〜2は、請求項1、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、レース付スラストころ軸受1bを、相手部材であるハウジング15に設けた保持凹部16内に装着し、且つ、この保持凹部16内から不用意に抜け出る事を防止する構造に、本発明を適用した場合に就いて示している。上記レース付スラストころ軸受1bは、保持器2bと、複数個のころ3と、レース4cとを備える。
図3も、請求項1、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、レース4dを構成するレース部6aの円周方向複数箇所に設けたレース抜け止め用係止部21aの形状を、角を丸めた略台形としている。
この様な本例の構造によれば、係止凹溝12b(図1参照)との係合作業に要する力が多少嵩む代わりに、係合後に、この係止凹溝12bと上記各レース抜け止め用係止部21aとが、より外れにくくできる。更に、これら各レース抜け止め用係止部21aの先端縁の幅が広い為、上記レース4dの搬送時等に、これら各レース抜け止め用係止部21aの先端縁が他の部材等にぶつかっても、この他の部材の表面に傷等の損傷を与えにくい。
その他の部分の構造及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図4〜5は、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、レース4eを構成するレース部6aの外周縁部に形成したフランジ部7dを、このレース部6aに近い基端部で、全周に亙り連続させている。言い換えれば、上記フランジ部7dの円周方向複数箇所に各欠き切り欠き部20aを、上記レース部6aに近い基端部を除く部分(先端部乃至軸方向中間部)に設けている。そして、上記フランジ部7dのうちで、切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部、及び、これら基端部の円周方向中間部に整合する上記レース部6aの外周縁部の一部に、それぞれレース抜け止め用係止部21bを形成している。これら各レース抜け止め用係止部21bは、上記フランジ部7dの基端部のうちで、円周方向に関する位相が上記各切り欠き部20aの中央部に一致する部分を、径方向に関して上記レース部6aと反対側(径方向外方)に、部分円筒状に膨出させる事により構成している。
本例の構造では、上記各レース抜け止め用係止部21bの加工を、上記フランジ部7dの加工と同時に行える。又、これら各レース抜け止め用係止部21bの加工時に、金型に無理な力が加わる事はなく、金型を含む加工装置の耐久性確保を図れる。
又、本例の構造の場合には、上記各レース抜け止め用係止部21bが相手部材にぶつかる事でこの相手部材に傷等の損傷を発生しにくくできる。
更に本例の場合には、前記レース4eを含むレース付スラストころ軸受1cを上記保持凹部16a内に組み付ける際に、上記各レース抜け止め用係止部21bに無理な力が加わりにくく、これら各レース抜け止め用係止部21bに、亀裂等の損傷が発生する事を防止できる。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図6も、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、フランジ部7dのうちで、切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部に、それぞれレース抜け止め用係止部21cを形成している。これら各レース抜け止め用係止部21cは、径方向に関してレース部6aと反対側(径方向外方)に、くさび状に膨出する状態で形成している。即ち、上記各レース抜け止め用係止部21cは、上記フランジ部7dの外周面から径方向外方への突出量が、レース部6aの側で小さく、このレース部6aから離れるに従って大きくなる方向に傾斜している。この様なレース抜け止め用係止部21cは、上述した実施の形態の第3例のレース抜け止め用係止部21bに比べて、係止凹溝12c(図4参照)に係合させる作業が容易である。又、上記レース抜け止め用係止部21cの加工が容易であり、レース4fの低コスト化を図れる。
その他の部分の構造及び作用は、上述した実施の形態の第3例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図7は、請求項2、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、レース付スラストころ軸受1dを、相手部材である軸部材13aに対し組み付ける事を意図している。この為に本例の場合には、レース4gを構成するレース部6bの内周縁の複数箇所に、それぞれレース抜け止め用係止部21dを形成している。そして、これら各レース抜け止め用係止部21dを、上記軸部材13aの外周面に形成した係止凹溝12dに係合させて、この軸部材13aと上記レース4gを含む上記レース付スラストころ軸受1dとが不用意に分離しない様にしている。
相手部材がハウジングから軸部材13aに変わり、径方向に関する内外が逆転した点以外の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
2、2a、2b 保持器
3 ころ
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g レース
5、5a ポケット
6、6a、6b レース部
7、7a、7b、7c、7d フランジ部
8 係止部
9 支持筒部
10、10a 係止突部
11 中空軸
12、12a、12b、12c、12d 係止凹溝
13、13a 軸部材
14 段差面
15、15a ハウジング
16、16a 保持凹部
17a、17b 保持器素子
18 透孔
19 保持器抜け止め用係止部
20、20a 切り欠き部
21、21a、21b、21c、21d レース抜け止め用係止部
Claims (5)
- 円周方向複数箇所にそれぞれが径方向に向いたポケットを設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に保持された複数個のころと、金属板を曲げ形成する事により造られたレースとを備え、このレースは、これら各ころの転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部と、このレース部の周縁部から、軸方向に関して上記各ころを配置する側に、上記金属板を折り曲げる状態で形成された円筒状のフランジ部とを備えたものであるレース付スラストころ軸受に於いて、
上記フランジ部が上記レース部の外周縁部に設けられており、
このフランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成すると共に、
上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向外方に突出する突出部を設け、
これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為のレース抜け止め用係止部とした事を特徴とするレース付スラストころ軸受。 - 円周方向複数箇所にそれぞれが径方向に向いたポケットを設けた円輪状の保持器と、これら各ポケット内に転動自在に保持された複数個のころと、金属板を曲げ形成する事により造られたレースとを備え、このレースは、これら各ころの転動面を転がり接触させる為の円輪状のレース部と、このレース部の周縁部から、軸方向に関して上記各ころを配置する側に、上記金属板を折り曲げる状態で形成された円筒状のフランジ部とを備えたものであるレース付スラストころ軸受に於いて、
上記フランジ部が上記レース部の内周縁部に設けられており、
このフランジ部の円周方向複数箇所に、軸方向に関して、それぞれこのフランジ部の先端縁よりも上記レース部側に凹んだ切り欠き部を形成すると共に、
上記フランジ部及び上記レース部のうち、円周方向に関してこれら各切り欠き部と整合する部分で、且つ、軸方向に関してこれら各切り欠き部の底縁よりも上記レース部側に存在する部分に、上記フランジ部よりも径方向内方に突出する突出部を設け、
これら各突出部を、上記レースを装着する相手部材からこのレースが抜け出る事を防止する為のレース抜け止め用係止部とした事を特徴とするレース付スラストころ軸受。 - 各切り欠き部を、フランジ部の軸方向全長に亙って設け、レース部の周縁部で円周方向に関してこれら各切り欠き部に整合する部分を、上記フランジ部よりも径方向に突出させて、この突出した部分をレース抜け止め用係止部としている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したレース付スラストころ軸受。
- 各切り欠き部を、フランジ部のうちでレース部に近い基端部を除く部分に設けており、この切り欠かずに残った基端部の円周方向中間部を、径方向に関して上記レース部と反対側に膨出させて、この膨出した部分をレース抜け止め用係止部としている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したレース付スラストころ軸受。
- フランジ部の先端縁の円周方向複数箇所で各切り欠き部から円周方向に外れた部分で金属板を、径方向に関して各ころを配置した側に折り曲げる事により、レースと保持器との分離防止の為の保持器抜け止め用係止部を形成した、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したレース付スラストころ軸受。
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