JP2008202755A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】片環状リング構造の合成樹脂製の保持器を採用し、遠心力による変形が生じる高速回転条件下においても、異常昇温や焼付きを生じることなく、安定した回転特性が得られる転がり軸受を提供する。
【解決手段】深溝玉軸受10は、内輪12と外輪11との間に転動自在に配置される複数の玉13と、円環部21、及び、円環部21の一側面21aから延出する片持ち状の複数の柱部22を備え、円環部21と隣接する柱部22とで形成されるポケット23に玉23を収容する合成樹脂製の保持器14と、を備える。保持器14は、円環部21から柱部22の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜している。
【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受に関し、より詳細には、一般産業機械や工作機械等の駆動モータ、或は、工作機械用主軸等、高速回転で使用される転がり軸受に関する。
近年、一般産業機械や工作機械等で使用される駆動モータにおいては、回転速度が非常に高速のモータが出現している。特に、工作機械用途では、工作機械主軸の高速化に伴い、この傾向が強い。
工作機械主軸において、ある程度の主軸の高速化(例えば、主軸の回転数が10,000min−1以下程度)であれば、最高回転速度が5,000〜8,000min−1程度の駆動モータを使い、ギヤやベルトを使用して増速させれば良い。しかし、主軸の回転数が15,000〜20,000min−1になると、増速比が2倍以上となり、しかもある程度の駆動力を伝達するためには、ギヤ径やベルト車径も大きくなり、伝達部分の周速度が非常に大きくなる。この結果、ギヤ駆動ではギヤのかみ合い部の騒音及び歯の磨耗や欠け、ベルト駆動ではベルトの滑り・ばたつき・摩耗やベルト切れ等が発生しやすくなる。また、高速回転時のベルトのスリップやばたつきを防止するためにベルトテンションも大きくせざるを得ず、過負荷によるモータ支持用軸受の損傷が発生しやすくなる。
このような理由から、工作機械主軸の駆動方法は、ギヤ駆動やベルト駆動からカップリングによる直接駆動方式に変わってきている。カップリング直結駆動方式の場合、カップリングを介して直接駆動トルクが主軸側に伝わるので、モータ支持用軸受には駆動力による荷重成分は発生しない。しかしながら、モータの回転速度は主軸と同一回転数となるため、これに対応した高速回転用の転がり軸受が必要となってきている。
例えば、従来の深溝玉軸受では、回転数等に応じて、種々の保持器が採用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。通常の4極や2極の汎用モータ(1,500〜3,600min−1)では、図10に示すように、ポケット101が球面形状のプレス成形による鉄製保持器100が採用されている。一方、中高速モータ(5,000〜8,000min−1程度)の場合には、図11に示すように、同じくポケット111が球面形状の耐磨耗性に優れた合成樹脂製の冠形保持器110が採用されている。
また、図12に示すように、特許文献1では、耐摩擦・磨耗特性の向上と回転中の保持器音を防止する目的でポケット121の内面を円筒形状とし、ポケット121の一部に凸部122を設けた、高速用深溝玉軸受に採用される玉案内樹脂製保持器120が考案されている。
さらに、図13に示すように、特許文献2では、鉄製のプレス保持器100と同様、波形のポケット部131を持つ合成樹脂製の保持器部材132を軸方向に対向して、2枚組み合わせる構造の保持器130も考案されている。
特開平9−158951(第3図) 特開2006−17301(第4図)
ところで、図13に示す樹脂製保持器130では、鉄製に比べポケット面の耐摩擦・磨耗特性は向上されるが、2枚の保持器部材132を組み合わせる嵌合部の爪部133の断面肉厚や爪部133に対向して該爪部133を挿入する穴部134周辺の断面肉厚が薄く、高速回転で保持器130に作用する高周波の振動荷重や玉から受ける繰り返し荷重により、爪部133の根元付近や穴部134のエッジ部での応力集中によるクラックや破損等の問題が極めて発生しやすい。仮に、これら嵌合部の強度を上げようとしても、爪部133や穴部134周辺の肉厚を大きくするだけの十分なスペースがない。
また、図10に示すような鉄製保持器100の場合、2枚の保持器部材102は金属材のリベット103で加締めてあるので、高速回転においても加締め部分の強度が大きい反面、鉄製のためポケット内面が磨耗してしまう。
また、上記のような背景から必要となった回転数が15,000〜20,000min−1、或はそれ以上の回転数の高速モータの場合、モータ支持軸受のdmn値(dm:転がり軸受の転動体ピッチ円直径(mm)、n:回転数(min−1))が、80万〜100万を越える領域となり、回転時の遠心力により保持器が半径方向外側に膨張してしまう。このため、図11及び図12に示す保持器110,120では、以下の問題が生じる可能性がある。
図11及び図12に示す保持器110,120は、所謂玉案内保持器であり、ΔR〜ΔRで示すように、片環状リング構造の冠形保持器110,120の半径方向動き量は、玉112,123と玉112,123を保持するポケット111,121のすきまで規制される。
例えば、図12の保持器120の場合、遠心力変形が少ない低速回転領域では、玉123と保持器120の接触位置は凸部122の幅Aである。しかし、高速回転領域の場合、保持器120の柱部124は片側でのみ円環部125によって支持されている構造のため、高速回転時の遠心力によって図14に示すように、円環部125から柱部124に向かって、保持器外径面や内径面と同時に、凸部122が外径方向に角度βだけ傾く。
この結果、玉123との接触部が柱部124の先端側寄りに偏り、不均一な接触状態となると共に、最終的に先端側寄りに接触部が限定され接触面圧Pが増加する。さらに高速回転の場合、玉123とポケット接触部との滑り速度Vが大きいため、その結果、当該接触部のPV値が増加し、局部発熱による保持器120の変形・磨耗や溶融が発生してしまう問題があった。
また、図11(b)及び図12(d)に示すように、ポケット内径側に玉112,123と接触する部分を設けた場合、保持器110,120の遠心力膨張により案内すきまが小さくなり、場合によっては、案内すきま(図11(b)のΔR、図12(d)のΔR)が0以下となって当該接触部分で玉を拘束し、回転不良や焼付きを生じる虞もあった。
遠心力による傾きを小さくするには、円環部113,125の断面積を大きく、すなわち円環部113,125の軸方向肉厚(図12(c)のL参照。)や半径方向肉厚(図12(c)のH参照。)を厚くすればよいが、軸受端面に設けたシール及び外輪内周面や内輪外周面に接触するため限界がある。
さらに、従来の片環状リング構造の冠形樹脂保持器について、高速回転時の遠心力による傾き角βを計算したところ、保持器の形状やdmn値によって違いはあるが、軸受のdmn値が90万以上では、概ね1°〜4°程度の傾きが発生していることがわかった。
このような理由から、2枚の保持器部材の組み合わせからなる合成樹脂保持器130よりも保持器強度が高い、一体構造の片環状リング構造の冠形樹脂保持器110,120で、従来仕様に対して、さらなる高速回転においてポケットの磨耗や破損が生じず、安定した回転特性が得られる転がり軸受が望まれていた。
従って、本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、片環状リング構造の合成樹脂製の保持器を採用し、遠心力による変形が生じる高速回転条件下においても、異常昇温や焼付きを生じることなく、安定した回転特性が得られる転がり軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成によって達成される。
(1) 円環部、及び、該円環部の一側面から延出する片持ち状の複数の柱部を備え、前記円環部と前記隣接する柱部とで形成される各ポケットに転動体を転動自在に収容する合成樹脂製の保持器、を備える転がり軸受であって、
前記保持器は、前記円環部から前記柱部の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜していることを特徴とする転がり軸受。
(2) 前記円環部及び前記柱部の傾斜角度は、所定の遠心力によって前記柱部が半径方向外方に変形する角度に相当することを特徴とする(1)に記載の転がり軸受。
(3) 前記柱部は、前記転動体に接触案内される案内部を有し、該案内部は前記柱部の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の転がり軸受。
(4) 前記転動体が玉であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の転がり軸受。
(5) 前記転動体が円筒ころであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の転がり軸受。
本発明の転がり軸受によれば、片環状リング構造の合成樹脂製の保持器を採用し、保持器が、円環部から柱部の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜しているので、遠心力による変形の生じる高速回転条件下で保持器の傾斜が補正され、異常昇温や焼付きを生じることなく、安定した回転を得られる。
以下、本発明の各実施形態に係る転がり軸受について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の転がり軸受10は、深溝玉軸受であり、内周面に外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面に内輪軌道面12aを有する内輪12と、外輪軌道面11a及び内輪軌道面12a間に転動自在に配置される複数の転動体である玉13と、玉13を保持する片環状リング構造の合成樹脂製の保持器14と、玉13が配置される外内輪11,12間を密封する一対のシール部材15と、を備える。
保持器14は、円環部21、及び、円環部21の一側面21aから延出する片持ち状の複数の柱部22を備え、円環部21と隣接する柱部22とで形成される各ポケット23に玉13を転動自在に収容する。円環部21と隣接する柱部22とで形成されるポケット23の内面は、円筒形状に形成され、また、柱部22の半径方向内縁部の円周方向側面には、ポケット23の内面に突出して、玉13に接触案内される案内部である凸部24が形成されている。
さらに、保持器14は、遠心力による半径方向変形を考慮し、予め所定の遠心力による変形分だけ円環部21から柱部22の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜させた構造とし、高速回転時に遠心力により変形した時に傾き分が補正され、柱部22が軸方向略水平となって、玉13と保持器14のポケット23との接触位置が適正になるようにしたものである。
つまり、図2に示すように、遠心力による傾き角β分だけ、予め円環部21から柱部22先端方向に向かって半径方向内方に逆テーパをつけておく。即ち、非回転時において、柱部22の先端内周端部22aは、ポケット23を構成する円環部21の内端部21aより小径に形成されており、柱部22の先端外周端部22bは、ポケット23を構成する円環部21の外端部21bより小径に形成され、また、円環部21の外端部21bは、内端部21aより柱部22の先端側に位置する。
これにより、柱部22の半径方向内縁部に形成される凸部24も、柱部22の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜している。このため、変形の生じない低速領域では、玉13は凸部24の基部側24aでの偏った接触となるが、この場合、低速回転であり、すべり速度Vが小さいので接触部のPV値は小さく、発熱大による磨耗や変形・溶融等の不具合には至らない。また、偏って接触するのであれば、先端側24bよりも保持器14の軸方向中央(保持器の重心近傍)に近い基部側24aで接触した方が保持器14は安定しやすい。
保持器14の材料としては、ポリアミド(PA)・ポリフェニレンサルファイド(PPS)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリイミド(PI)・ポリアミドイミド(PAI)・ポリアセタール(POM)等が使用でき、必要に応じてガラス繊維(GF)・カーボン繊維(CF)・カーボンナノファイバー等の繊維系強化材を添加しても良いし、その他の強化用添加剤を含んでもかまわない。また、保持器14の製造方法としては、切削成形及び射出成形等が選定される。
なお、使用材料の強度物性値によって遠心力変形量が異なるため、軸受のdmn値が速くなるほど、ある程度の傾き角βに抑えるために、強度物性値の高い材料を使用するのが好ましい。傾斜角が5°以上になると、変形の伴わない低速回転時での玉13とポケット23との接触の偏りが大きくなり不安定な挙動となる場合があるので、材料の選定や形状により、5°以下、好ましくは4°以下となるように強度をアップしたほうが良い。
また、添加材、特にカーボン系の添加材の場合、多く混入することで、線膨張係数も小さくすることができる。
図2(c)に示すように、ポケット23の凸部24と玉13とのすきまΔRは、遠心力による柱部22の変形によって小さくなるので、高速回転時に、ΔR<0とならないように、あらかじめΔRを大きく設定しておく。さらに、使用される樹脂材料によっては線膨張係数が大きいものがあるが、この場合、高速回転時の温度上昇による保持器14の半径方向膨張量分を加えて、予めΔRをさらに大きく設定しておく方がよい。
こうすることで、回転時の振動荷重が小さい低速条件では保持器14の半径方向動き量は大きくてよいが、高速回転時には、遠心力による柱部22の変形で柱部22が軸方向と平行になり、半径方向動き量が小さくなると共に、玉13と保持器14のポケット23との均一な接触状態が維持される。その結果、保持器振動時の振幅が抑えられ、玉13から保持器14に加わる衝突荷重を小さくでき、保持器14の安定した回転条件を保つことができる。
なお、玉13に接触案内される案内部の構成は、適宜変形可能である。即ち、案内部は、図2に示したように柱部22の延出方向に連続した単一の凸部24であってもよいが、図3(a)の第1変形例に示すように、柱部22の延出方向に離間した複数の曲面状凸部25,25によって構成されてもよい。また、図3(b)の第2変形例に示すように、柱部22の延出方向に離間した複数の台形状凸部26、26によって構成されてもよい。
さらに、案内部は、図4の第3変形例に示すように、柱部22の半径方向外縁部の円周方向側面に、ポケット23の内面に突出する外径側の凸部27によって形成されてもよい。加えて、案内部は、図5の第4変形例に示すように、柱部22の半径方向内縁部に形成された内径側の凸部24と、柱部22の半径方向外縁部に形成された外径側の凸部27の両方によって構成されてもよい。この場合、非回転時の外径側の凸部27と玉13との隙間ΔRは、内径側の凸部24と玉13との隙間ΔRより小さく(ΔR<ΔR)かつ、停止状態から最高回転に至る間、ΔR>0、ΔR>0となるような仕様にすれば、低速回転から最高回転に至る過程で遠心力による柱部の傾斜変形があった場合、案内部が外径側の凸部27から内径側の凸部24に移行することで、保持器14の半径方向動き量はほとんど変化せず、より安定した回転が得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る転がり軸受について、図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略、或は簡略化する。
図6に示すように、第2実施形態の深溝玉軸受10aは、片環状リング構造の冠形樹脂保持器14aのポケット形状において、第1実施形態のものと異なる。即ち、第1実施形態では、保持器14の円環部21と隣接する柱部22とで形成されるポケット23の内面は、円筒形状に形成されているが、本実施形態では、球面形状としている。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る転がり軸受について、図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略、或は簡略化する。
本実施形態の転がり軸受30は、複列円筒ころ軸受であり、内周面に一対の外輪軌道面31aを有する外輪31と、外周面に一対の内輪軌道面32aを有する内輪32と、外輪軌道面31a及び内輪軌道面32a間に転動自在に複列配置される複数の転動体であるころ33と、各列のころ33をそれぞれ保持する一対の片環状リング構造の合成樹脂製保持器34と、を備える。
図7(b)及び(c)に示すように、保持器34は、円環部41、及び、円環部41の一側面41aから延出する片持ち状の複数の柱部42を備え、円環部41と隣接する柱部42とで形成される各ポケット43にころ33を転動自在に収容する。ポケット43の内面を構成する柱部42の円周方向側面42aは軸方向に延びる一様な曲率半径Rの円筒面によって構成されている。
また、本実施形態においても、予め所定の遠心力による変形分だけ円環部41から柱部42の先端部分に向かって角度βだけ半径方向内方に傾斜させた構造とし、高速回転時に遠心力により変形した時に傾き分が補正され、柱部22が軸方向略水平となって、ころ33と保持器34のポケット43との接触位置が適正になるようにしたものである。このため、柱部42の外周縁部42b及び内周縁部42cが半径方向内方に傾斜した案内部を構成し、低速回転時には、保持器34の半径方向動き量が柱部42の外周縁部42bによって規制され、高速回転時には、保持器34の半径方向動き量が柱部42の内周縁部42cによって規制される。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る転がり軸受について、図8を参照して説明する。なお、第3実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略、或は簡略化する。
図8に示すように、第4実施形態の複列円筒ころ軸受30aは、片環状リング構造の冠形樹脂保持器34aの柱部形状において、第3実施形態のものと異なる。即ち、第3実施形態では、保持器34の柱部42の円周方向側面42aは、一様な曲率半径Rの円筒面によって形成されているが、本実施形態の円周方向側面42aは、ころ33のPCDよりも径方向外側においては、曲率半径Rの円筒面44aによって構成され、PCDよりも半径方向内側においては、この円筒面44aから連続する平坦面44bによって形成される。また、円筒面44aと柱部42の外周縁部との間にも、外径側平坦面44cが形成されている。さらに、柱部42の外周面は、先端部分に向かって、外径側平坦面44cの径方向幅が小さくなるように、傾斜して形成されている。
このような保持器形状とすることで、保持器34aの柱部42は円環部41から先端部分に向かって断面肉厚が小さくなり、保持器34aの重量が軽減されると共に、遠心力による柱部42の膨張が緩和される。
また、本実施形態では、予め所定の遠心力による変形分だけ円環部41から柱部42の先端部分に向かって角度βだけ半径方向内方に傾斜させた構造とし、高速回転時に遠心力により変形した時に傾き分が補正され、柱部22が軸方向略水平となって、ころ33と保持器34aのポケット43との接触位置が適正になる。この場合、柱部42の円筒面44aと外径側平坦面44cとの境界縁部45が半径方向内方に傾斜する案内部を構成し、高速回転時には、保持器34aの半径方向動き量がこの境界縁部45によって規制される。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る転がり軸受について、図9を参照して説明する。なお、第4実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略、或は簡略化する。
本実施形態の転がり軸受50は、単列円筒ころ軸受であり、内周面に外輪軌道面51aを有する外輪51と、外周面に内輪軌道面52aを有する内輪52と、外輪軌道面51a及び内輪軌道面52a間に転動自在に配置される複数の転動体であるころ53と、各列のころ53をそれぞれ保持する片環状リング構造の合成樹脂製保持器54と、を備える。
図9(b)及び(c)に示すように、保持器54は、円環部61、及び、円環部61の一側面61aから延出する片持ち状の複数の柱部62を備え、円環部61と隣接する柱部62とで形成される各ポケット63にころ53を収容する。ポケット63の内面を構成する柱部62の円周方向側面62aは、ころ33のPCDよりも径方向外側において曲率半径Rからなる円筒面64aと、PCDよりも半径方向内側において、この円筒面64aから連続する平坦面64bと、円筒面64aと柱部62の外周縁部との間に形成される外径側平坦面64cと、を備える。また、柱部62は、一対の平坦面64b間に挟まれて、半径方向内方に延び、軸方向のころばれを防止する突起部66を有する。
このような保持器形状とすることで、保持器54の柱部62は円環部61から先端部分に向かって断面肉厚が小さくなり、保持器54の重量が軽減されると共に、遠心力による柱部62の膨張が緩和される。
また、本実施形態においても、予め所定の遠心力による変形分だけ円環部61から柱部62の先端部分に向かって角度βだけ半径方向内方に傾斜させた構造とし、高速回転時に遠心力により変形した時に傾き分が補正され、柱部62が軸方向略水平となって、ころ53と保持器54のポケット63との接触位置が適正になる。この場合、柱部62の円筒面64aと外径側平坦面64cとの境界縁部65が半径方向内方に傾斜する案内部を構成し、高速回転時には、保持器54の半径方向動き量がこの境界縁部65によって規制される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本発明の片側環状リング構造の保持器は、上述した深溝玉軸受の他、アンギュラ玉軸受等の他の玉軸受に適用可能であり、また、上述した単列円筒ころ軸受、複列円筒ころ軸受の他、他のころ軸受にも適用可能である。
また、円環部の形状によって円環部の強度が変わり、遠心力膨張量も変わるが、保持器とシール部との干渉を考えると、以下の値(TC1、TC2)は10%〜40%、好ましくは、15%〜35%が望ましい。
玉軸受の場合には、
C1=保持器底厚(L)/玉径(Da)×100(%)
円筒ころ軸受の場合には、
C2=保持器底厚(L)/ころ径(Da)×100(%)
軸受の内外径方向断面幅或は軸方向断面幅に対して、玉径の比率が大きい程、TC1、TC2は上記の領域の小さい方を選ぶのが望ましい。なお、保持器底厚L,L、玉径Da、ころ径Daは、図2及び図7を参照する。
例えば、図2に示すような深溝玉軸受に適用される片環状リング構造の保持器では、TC1、柱部の傾き角は、表1に示すように設計されている。
Figure 2008202755
さらに、本発明において、柱部22が軸方向と平行となる程度に柱部22を変形させる所定の遠心力とは、dmn値が、80万以上、好ましくは90万以上、より好ましくは100万以上での遠心力を意図する。
本発明の第1実施形態に係る深溝玉軸受の断面図である。 図1の片環状リング構造の保持器の断面図である。 (a)は、第1変形例の片環状リング構造の保持器の上面図で、(b)は、第2変形例の片環状リング構造の保持器の上面図である。 (a)は、第3変形例の片環状リング構造の保持器の断面図で、(b)は、その上面図である。 (a)は、第4変形例の片環状リング構造の保持器の断面図で、(b)は、そのV−V線に沿った断面図である。 (a)は、第2実施形態に係る深溝玉軸受の断面図であり、(b)は、その片環状リング構造の保持器の断面図である。 (a)は、第3実施形態に係る複列円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、その片環状リング構造の保持器の断面図で、(c)は、(b)のVII方向から見た図である。 (a)は、第4実施形態に係る複列円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、その片環状リング構造の保持器の断面図で、(c)は、(b)のVIII方向から見た図である。 (a)は、第5実施形態に係る単列円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、その片環状リング構造の保持器の断面図で、(c)は、(b)のIX方向から見た図である。 従来の2枚保持器の斜視図である。 (a)は、従来の片環状リング構造の保持器の斜視図で、(b)は、その断面図である。 (a)は、従来の他の片環状リング構造の保持器の断面図で、(b)は、その上面図で、(c)は、(a)のXII−XII線に沿った断面図で、(d)は、(c)のXII´−XII´線に沿った断面図である。 従来の他の2枚保持器の要部分解斜視図である。 図12に示す片環状リング構造の保持器が変形した状態を示す断面図である。
符号の説明
10,10a 深溝玉軸受(転がり軸受)
11,31,51 外輪
12,32,52 内輪
13 玉(転動体)
14,34,34a,54 保持器
21,41,61 円環部
22,42,62 柱部
23,43,63 ポケット
24,25,26,27 凸部(案内部)
30,30a 複列円筒ころ軸受(転がり軸受)
33,53 ころ(転動体)
42b 外周縁部(案内部)
42c 内周縁部(案内部)
45,65 境界縁部(案内部)
50 単列円筒ころ軸受(転がり軸受)

Claims (5)

  1. 円環部、及び、該円環部の一側面から延出する片持ち状の複数の柱部を備え、前記円環部と前記隣接する柱部とで形成される各ポケットに転動体を転動自在に収容する合成樹脂製の保持器、を備える転がり軸受であって、
    前記保持器は、前記円環部から前記柱部の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜していることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記円環部及び前記柱部の傾斜角度は、所定の遠心力によって前記柱部が半径方向外方に変形する角度に相当することを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記柱部は、前記転動体に接触案内される案内部を有し、該案内部は前記柱部の先端部分に向かって半径方向内方に傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記転動体が玉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
  5. 前記転動体が円筒ころであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
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