WO2005088198A1 - 組み込み式加熱調理器 - Google Patents

Abstract

　本発明の組み込み式加熱調理器は、鍋等を載置する天板と、天板を下方から支持する支持体と、天板の端面部を覆設する枠体と、を有する。支持体は、天板を支持する天板支持面と、天板支持面の外側で支持体を支持する本体支持面とを有する。枠体は、枠体の一辺に設けられ、本体支持面をかかえて、枠体と天板と支持体とを機械的に挟着する複数の爪を有する。

Description

組み込み式加熱調理器

技術分野

[0001] 本発明は、組み込み式加熱調理器のトップ部の構成に関する。

背景技術

[0002] 従来の組み込み式加熱調理器のトップ部の構成は、天板の端面部を覆う枠体を設 けて、枠体と天板の当接部に接着剤を塗布した構成である。例えば、特開平 8— 243 016号公報に開示されている。図 11、 12は、従来のトップ部の構成を示す斜視図と 断面図である。

[0003] 図 11、 12において、天板 1は、セラミックプレート等で構成されている。枠体 2が天 板 1の周囲を囲うように配置され、天板 1と枠体 2との当接部に、接着剤 3が塗布され ている。そして、枠体 2は、本体を構成する外郭 4に、ねじ 5等の締結部によって固定 されている。外郭 4内部には、鍋（図示せず)を加熱させる加熱コイルユニット（以下、 ユニットと呼ぶ） 6が 2つ設けられている。ユニット 6は、コイル支持台 7のボス 8に入れ られた各々 3個ずつのパネ 9によって、天板 1の裏面に押し付けられ、天板 1と一定し た隙間を確保して、保持されている。枠体 2がキャビネット 10に当接し、加熱調理器 本体自体が支持されている。

[0004] し力しながら、従来の構成では、接着剤 3が主として天板 1を支持していることにより 、天板 1を確実に支持するために、大量の接着剤 3が必要である。さらに、本体内に 加熱コイルユニット 6があり、天板 1上には略加熱コイル 6の位置の印刷がされている 。そして、枠体 2と天板 1との位置合わせは重要である力 天板 1と枠体 2との位置決 め機構がないため、天板 1の位置がずれやすい。

発明の開示

[0005] 本発明の組み込み式加熱調理器は、鍋等を載置する天板と、天板を下方から支持 する支持体と、天板の端面部を覆設する枠体と、を有する。支持体は、天板を支持す る天板支持面と、天板支持面の外側で支持体を支持する本体支持面とを有する。枠 体は、枠体の一辺に設けられ、本体支持面を力かえて、枠体と天板と支持体とを機 械的に挟着する複数の爪を有する。この構成により、トップ部の強固な機器を提供で きる。

図面の簡単な説明

[0006] [図 1]図 1は、本発明の実施の形態 1における組み込み式加熱調理器の斜視図であ る。

[図 2]図 2は、図 1における組み込み式加熱調理器の断面図である。

[図 3]図 3は、図 2における組み込み式加熱調理器の詳細断面図である。

[図 4]図 4は、図 1における組み込み式加熱調理器のトップ部の展開図である。

[図 5]図 5は、本発明の実施の形態 2における組み込み式加熱調理器の詳細断面図 である。

[図 6]図 6は、図 5における組み込み式加熱調理器のトップ部の展開図である。

[図 7]図 7は、本発明の実施の形態 3における組み込み式加熱調理器の詳細断面図 である。

[図 8]図 8は、本発明の実施の形態 3における組み込み式加熱調理器の枠体を外し た上面図である。

[図 9]図 9は、本発明の実施の形態 4における組み込み式加熱調理器の断面図であ る。

[図 10]図 10は、図 9における組み込み式加熱調理器のトップ部の展開図である。

[図 11]図 11は、従来の組み込み式加熱調理器の斜視図である。

[図 12]図 12は、従来の組み込み式加熱調理器の断面図である。

符号の説明

[0007] 1 天板

2 枠体

3 接着剤

4 外郭

5 ねじ

6 加熱コイルユニット

7 コイル支持台 8 ボス

9 パネ

10 キャビネット

11 天板

12 支持体

13 天板支持面

14 接着剤

15 枠体

16 外郭

17 本体支持面

18 キャビネット

19 爪

20 加熱コイルユニット

21 コイル支持台

22 ボス

23 パネ

24 枠体支持板

25 側面

25a 側面

25b 側面

26 天面部

27 引っ掛け部

30 本体

31 トップ部

発明を実施するための最良の形態

(実施の形態 1)

図 1は、本発明の実施の形態 1における組み込み式加熱調理器の斜視図である。 図 2は、図 1に示す組み込み式加熱調理器の 2つの加熱コイルユニットの並列方向 に対する垂直方向力 見た断面図である。図 3は、図 2に示す組み込み式加熱調理 器の詳細断面図である。図 4は、図 1に示す組み込み式加熱調理器のトップ部の展 開図である。

[0009] 図 1一 4において、被加熱器である鍋（図示せず)等を載置するセラミックプレート等 で構成された天板 11が、支持体 12の天板支持面 13によって下方力も支持されてい る。天板 11と支持体 12とは耐熱性の接着剤 14で接着固定されている。天板 11の端 面部には、天板 11の全周を覆うように覆設された枠体 15が設けられており、天板 11 と枠体 15とは接着剤 14で固定されている。

[0010] 支持体 12の内部には、本体 30を構成する外郭 16が設けられている。支持体 12の 天板支持面 13の外側に本体支持面 17が形成され、キャビネット 18に本体支持面 17 を載せることによって、支持体 12が支持され、本体 30が支持される。

[0011] 枠体 15は各 4辺の下面に複数の爪 19を有する。爪 19が本体支持面 17にかしめら れて、枠体 15が支持体 12にかかえられ、トップ部 31が組立てられている。枠体 15は 、本体支持面 17より枠体 15の板厚分だけ上に逃げた位置に固定されている。

[0012] また、鍋を加熱させる加熱コイルユニット（以下、ユニットと呼ぶ） 20が 2つ設けられ ている。ユニット 20は、コイル支持台 21のボス 22に入れられた各々 3個ずつのパネ 2 3によって、天板 11と一定した隙間を確保して、保持されている。支持体 12と天板 11 とを挟着、保持する保持力は、爪 19のカゝしめによって機械的に得られる。爪 19のか しめによって得られる保持力により、ユニット 20は、天板 11の裏面に押し付けられて いる。

[0013] 枠体 15に設けられた複数の爪 19は、本体支持面 17をかかえるように各面 4辺とも 力しめられている。天板 11は、天板支持面 13上に載置、固定されている。つまり、天 板 11は、爪 19を介して、枠体 15と支持体 12とによって、機械的に挟着、保持されて いる。

[0014] さらに、天板 11は、接着剤 14によって接着固定されていることにより、枠体 15と支 持体 12とに確実にそして強固に取り付けられている。天板 11の固定が、力しめによ る機械的な大きな保持力で行われていることにより、少ない量の接着剤 14でも十分 な強度が得られる。また、接着剤 14は、本体 30内への水の浸入防止のためのシー ルの役目も果たしている。

[0015] 以上のように、枠体 15に設けられた爪 19が、本体支持面 17を力かえるように曲げ られかしめられ、天板 11が機械的に挟着、保持される。そのことにより、接着剤 14の 量を大幅に減らすことができ、かつ確実にトップ部 31として天板 11が保持される。そ のため、強固なトップ部 31が実現され、信頼性の高い機器が提供される。

[0016] なお、爪 19の曲げ力 辺とも行なわれた場合の説明をしている力 爪 19を設けた辺 は、 3辺でもいいし、対辺どうしの 2辺でもよい。また、爪 19の曲げ部にリブ補強を設 ける、長い曲げしろ設けるなどの、 1辺でも同様の効果が得られる構成を採用すること ちでさる。

[0017] また、 1辺あたりの爪 19の数が 3個の場合について説明したが、 1辺あたりの爪 19 の数は 2つでもよ ヽ。 1つの幅の広 、爪 19を構成させても同様の効果が得られる。

[0018] なお、トップ部 31と外郭 16との固定は、従来例のようにネジの締め付けによらない。

パネ 23により天板 11が上方に押されている力 支持板 12をかかえ込んで爪 19がか しめられ、天板 11が機械的に挟着されている。そのため、天板 11と支持板 12とを接 着固定する接着剤 14にかかる応力を大幅に減らすことができ、従来例と同等以上の 機械的強度を有するトップ部 31が構成される。

[0019] (実施の形態 2)

図 5、 6は本発明の実施の形態 2における組み込み式加熱調理器の詳細断面図、ト ップ部の展開図を示す。

[0020] 基本的な構成は実施の形態 1と同様であるため、構成の違うところのみを説明する

[0021] 枠体 15には爪 19が複数設けられている。そして、枠体 15と支持体 12とが組み立 てられる際に、爪 19が対応する位置に枠体支持板 24が設けられている。枠体支持 板 24は、爪 19の上方で枠体 15の裏面に当接し、枠体 15を下力 支持している。

[0022] 次に、トップ部 31の組み立てについて説明する。

[0023] トップ部 31を組み立てる前の爪 19は、枠体 15の側面と同一平面を形成している。

天板 11を固定した支持体 12が枠体 15内にセットされる。自動機（図示せず）により 爪 19を本体 30の内側に押し曲げて、爪 19が力しめられ、枠体 15は支持体 12をか 力えて固定される。それによつて、枠体 15と天板 11と支持体 12とが挟着される。

[0024] さらに、爪 19の上方には支持体 12から枠体 15の裏面を支える枠体支持板 24が設 けられている。そのため、枠体支持板 24の端部上面が枠体 15の上面裏側に当接し て位置決めされる。それにより、爪 19が曲げられる際に、枠体 15は、確実に支持され 、変形せず、形状を保ったまま加工される。そして、枠体支持板 24を支えとしたかし め固定ができるため、機械的に大きな挟着保持力が得られ、接着剤 14の量が大幅 に軽減できる。

[0025] 以上のように、枠体 12を下方力も支持する枠体支持板 24が設けられていることによ つて、接着剤 14の量を大幅に減らすことができる。さらに、爪 19を曲げる際に枠体 1 5の変形が防止され、外観面である枠体 15の高さが一定に確保される。また、本体 3 0が設置された時も、枠体 15が支えられるので、トップ部 31がきれいでかつ強固な機 器が提供される。

[0026] なお、枠体支持板 17は、爪 19が対応する位置に設けられている力 爪 19の無い 別の位置に設けてもよい。枠体支持板 17が爪 19のない位置に設けられた場合でも 、枠体 15を保持しバックアップするため、同様に、機械的強度を高める効果が得られ る。また、実施の形態 1に記した同様の効果もあわせて得られる。

[0027] (実施の形態 3)

図 7、 8は本発明の実施の形態 3における組み込み式加熱調理器の詳細断面図、 枠体を外した上面図を示す。

[0028] 基本的な構成は実施の形態 1、 2と同様であるため、構成の違うところのみを説明す る。

[0029] 支持体 12の各辺には、枠体支持板 24が少なくとも 2つずつ設けられている。さらに 、支持体 12の同一辺に設けられた 2つの枠体支持板 24の側面 25は実質的に同一 平面を形成している。そして、この平面は、支持体 12の各辺に対して、垂直、平行の 関係が維持されている。

[0030] 天板 11と支持体 12との組立てを行う時に、例えば、図 8に示すように、天板 11を右 辺の側面 25aと前面の側面 25bに当接させて、セットする。すると、天板 11は、支持 体 12に対して、ゆがむことなくセットできる。さらに、取り付けたい位置に位置決めし て、確実にセットできる。その後、接着剤 14や爪 19の力しめ等を用いて、天板 11と支 持体 12とが確実に固定される。

[0031] 以上のように、枠体支持板 24は、支持体 12の一辺に少なくとも 2つ以上で、かつ、 実質的に同一線上に側面 25を有するように設けられている。それにより、天板 11の 位置決めが容易で、天板 11の位置ずれがない。さらに、天板 11上の加熱位置の印 刷と内部部品との位置が揃った、信頼性の高い機器が提供される。

[0032] さらに、支持体 12の 4辺すべてに側面 25が設けられれば、天板 11の 4方が支持さ れる。そのため、トップ部 31の組立完了後または、接着完了後に、前後左右方向に 対して、接着プラス機械的保持方法で確実に天板 11は保持される。また、実施の形 態 1、 2に記した同様の効果も得られる。

[0033] (実施の形態 4)

図 9は、本発明の実施の形態 4における組み込み式加熱調理器の 2つの加熱コィ ルユニットの並列方向に対する平行な方向力も見た断面図である。図 10は、図 9に 示す組み込み式加熱調理器のトップ部の展開図を示す。基本的な構成は実施の形 態 1と同様であるため、詳細な説明は省略する。

[0034] トップ部 31の前方部の支持体 12の辺に 3つの引っ掛け部 27が設けられている。ま た、引っ掛け部 27に対応する側の枠体 15には、枠体 15が縁曲げされた天面部 26 が設けられている。枠体 15と支持体 12とをセットした状態において、引っ掛け部 27 は、天面部 26に嵌合され、引っ掛け部 27が天面部 26に引っ掛力つた状態になって いる。そして、その対辺側、つまり、トップ部 31の後方部は、爪 19が支持体 12の本体 支持面 17にかしめられ、枠体 15と天板 11と支持体 12とが機械的に挟着 ·固定され ている。

[0035] この状態では枠体 15だけを持って、上方に持ち上げたとしても、引っ掛け部 27が 天面部 26に引っ掛かり、天板 11と支持体 12と外郭 16とがつながっていて落ちること はない。これらトップ部 31の固定関係は、前後あるいは左右の対辺方向でなされて いるため、確実に機械的に固定される。

[0036] また、枠体 15は、枠形状で構成され、たわみ易いため、枠体 15と支持体 12とをセ ットしたときにセットしやすい。さらに、引っ掛け部 27と天面部 26との嵌合力 枠体 15 と支持体 12との内外周の形状で決められるため、枠体 15と支持体 12とは抜けにくく 確実に簡単にセットされる。また、トップ部 31の前方側は、力しめが不要なため、自動 機による力しめ加工の工程の削減が可能である。

[0037] 以上のように、複数の爪 19を有する枠体 15の辺の対辺側の支持体 12に、天面部 26に嵌合する引っ掛け部 27が設けられた構成である。それにより、トップ部 31の組 み立て時の爪 19の曲げ力卩ェの工数が減り、かつ、組み立てやすい機器が提供でき る。さらに、十分な強度が確保された強固な機器が提供される。

産業上の利用可能性

[0038] 本発明にカゝかる組み込み式加熱調理器は、ビルトイン型の調理機器、家事機器等 のあらゆる用途の機器に適用できる。

Claims

請求の範囲

[1] 鍋等を載置する天板と、

前記天板を下方から支持する支持体と、

前記天板の端面部を覆設する枠体と、

を備え、

前記支持体は、前記天板を支持する天板支持面と、前記天板支持面の外側で前記 支持体を支持する本体支持面とを有し、

前記枠体は、前記枠体の一辺に設けられ、前記本体支持面をかかえて、前記枠体と 前記天板と前記支持体とを機械的に挟着する複数の爪を備えた、

組み込み式加熱調理器。

[2] 前記支持体は、前記爪と対応する位置で、前記枠体を下方から支える枠体支持板を 備えた、

請求項 1記載の組み込み式加熱調理器。

[3] 前記支持体は、前記枠体を下方から支え、前記支持体の一辺あたりに複数個設けら れた枠体支持板を備え、

前記支持体の同一辺に設けられた複数の前記枠体支持板は、同一線上に形成され 、前記天板を位置決めする側面を備えた、

請求項 1に記載の組み込み式加熱調理器。

[4] 前記枠体は、前記爪が設けられた辺の対辺に内側に縁曲げされて設けられた天面 部を有し、

前記支持体は、前記天面部が設けられた前記枠体に対応する辺に設けられた引つ 掛け部を有し、

前記天面部は前記引っ掛け部に嵌合する、

請求項 1に記載の組み込み式加熱調理器。