WO2005053181A1

WO2005053181A1 - 携帯通信機器

Info

Publication number: WO2005053181A1
Application number: PCT/JP2004/017399
Authority: WO
Inventors: Hajime Shimada
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2003-11-25
Filing date: 2004-11-24
Publication date: 2005-06-09
Also published as: KR101051105B1; US7494069B2; US20070004456A1; JP2005159607A; KR20060123203A

Abstract

　筐体の複数面において、近接非接触通信可能距離を低下させることなく近接非触通信を行うことができ、利便性の向上を図ることができるとともに、さらに近接非接触通信の特性の劣化も防ぐことができる携帯通信機器を提供する。　近接非接触通信機能を有する携帯通信機１において、外部の近接非接触通信機２との間で近接非接触通信を行うアンテナ１４Ａ～１４Ｃを、携帯通信機１の筐体１０の複数面に備えるとともに、アンテナ１４Ａ～１４Ｃはそれぞれ１ループ以上を有し、アンテナ１４Ａ～１４Ｃどうしが互いに直列に接続されている。

Description

明細書

携帯通信機器

技術分野

[0001] 本発明は、近接非接触通信機能を有する携帯通信機器に関する。

背景技術

[0002] 近時、個人情報、例えば電話帳などのデータが記憶された電子データを携帯電話機へ複写したり、病院や薬局などでの電子カルテの読取 ·書込や住民票 ·戸籍などの電子化された住民台帳データの閲覧 ·請求などを行ったり、個人の趣味のデータ（音楽や画像などの各種データ)を自己の携帯電話機などへ転送 ·複写 ·記憶させたり、自動販売機などのプリペイド月として金額データを所望の電子機器へ読取って入力したり、或いは遊園地 ·駅などでの改札通過用のパスなどとして使用することができる、換言すれば、通信相手と密着あるいは接触可能な程度にまで近接させて (具体的には、電界或いは磁界の作用を利用して)通信を行う通信システム（以下、これを「近接非接触通信システム」とよぶ)の開発要求が高まってきて、る。

[0003] このため、近接非接触通信を行うときの相手側となる外部の近接非接触通信機器（以下、「外部近接非接触通信機器」と略す。）や外部の近接非接触通信カード (以下、「外部近接非接触通信カード」と略す。）などとの間で近接非接触通信を行うことができる近接非接触通信機能を備えた携帯通信機器 (以下、これを「近接非接触通信機能付き携帯通信機器」とよぶ)の開発が各種検討されて!ヽる (例えば、特許文献 1 参照)。

[0004] このような近接非接触通信システムに対応した携帯通信機器の 1つとして、例えば図 16に示すような近接非接触通信機能付き携帯電話機 100が提案されている。この近接非接触通信機能付き携帯電話機 100は、同図に示すように、筐体 101がストレート状 (勿論、折り畳み式でも構わない）であって、筐体 101内部に図示外の基地局との送受信を行う携帯電話用のアンテナ 102の他に、外部近接非接触通信機 2 00との間で近接非接触通信を行う近接非接触通信用のアンテナ 103などを備えている。一方、前述の外部近接非接触通信機 200には、近接非接触通信を行う近接非接触通信用のアンテナ 201を備えて！/、る。

なお、同図において、符号 106は、給電用の電池ユニット 105を収容させ電池蓋 1 04で閉じる電池室を示して!/、る。

[0005] この近接非接触通信機能付き携帯電話機 100では、携帯電話用のアンテナ 103を介して基地局と通話もしくはデータ通信などを行う一方、外部近接非接触通信機 20 0に、携帯電話機 100の筐体 101内の一面 (図 16では上面)近傍に設けた近接非接触通信用のアンテナ 103を密着させたり近づけて力ざしたりすることにより、携帯電話機 100の筐体 101内の近接非接触通信用のアンテナ 103と外部近接非接触通信機 200の筐体内の近接非接触通信用のアンテナ 201とで近接非接触通信を行うことができるように構成されている。

ところで、この近接非接触通信機能付き携帯電話機 100では、前述したように、近接非接触通信用のアンテナ 103が携帯電話機 100の筐体 101の一面に配置してある。このため、近接非接触通信を行う場合に、その筐体 101の一面以外の面を密着させたり近づけてかざしたりしても、近接非接触通信用のアンテナ 103の指向性上、近接非接触通信エラーを起こす場合が多々あった。従って、筐体 101の特定した一面をかざさなければならな!/ヽと、う点で利便性が悪、と、う問題があった。

[0006] そこで、例えば特許文献 2に記載のように、近接非接触通信用のアンテナを 2つ並列に設けることで、一面に限ることなく近接非接触通信を行うことができる構成のものも提案されている。し力しながら、このような構成では、アンテナを並列に設けているため、アンテナの総合インダクタンス値が落ちてしまう。このような場合、所望の周波数にアンテナを共振させるためには、アンテナのインダクタンス成分を大きくするか、共振用コンデンサの定数を大きくする必要がある。

ところで、アンテナのインダクタンス成分を大きくするには、一般に、アンテナの面積を大きく取ってアンテナとなる導体の巻き数を増やす必要があるが、前述の携帯通信機器のような小型の通信機器では、複数のアンテナの面積を拡大させることは困難である。また共振用コンデンサの定数を大きくすると、近接非接触通信用アンテナの利得が低下し、近接非接触通信可能距離が低下するという問題がある。 [0007] そこで、例えば特許文献 3や特許文献 4にあるように、近接非接触通信用アンテナを L字型の構成とすると、アンテナのインダクタンス値を低下させることなぐ一面に限らな、2面以上での近接非接触通信を行うことができるようになる。

ところが、このような構成のものでは、ある一面だけを考え、その一面と外部近接非接触通信機器のアンテナを平行に配置して非接非接触通信を行う場合、 L字の角部分にアンテナがないため、一面だけでアンテナのループを構成した場合と比べ、その一面での磁束密度が低下し、近接非接触通信可能距離が低下してしまうという問題がある。

[0008] そこで、例えば特許文献 5に記載のように、近接非接触通信用アンテナを 6面それぞれでループを組めば、一面に限らずに各面で近接非接触通信を行うことができると同時に、各一面だけを考えた場合でも、その一面でループを形成しているため、磁束密度の低下を防ぎ近接非接触通信可能距離を効果的に保つことができる。

ところが、この構成では、磁束を複数面のアンテナで同時に受けた時、それぞれのアンテナで発生する電流が対向してしまい、近接非接触通信エラーを起こしてしまうという問題がある。

特許文献 1 :特開 2002-236901号公報 (第 2頁右欄、 [0002])

特許文献 2：特開 2001— 28037号公報

特許文献 3：特開平 08-44833号公報

特許文献 4：特開平 11—316806号公報

特許文献 5 :特開 2001— 319206号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、特定の一面 (通信面)以外の部分 (他の面)でも、近接非接触通信可能距離を低下させることなぐ近接非触通信を行うことができ、利便性の向上を図るとともに、近接非接触通信の特性の劣化を防ぐことができる携帯通信機器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明の携帯通信機器は、近接非接触通信機能を有する携帯通信機器にぉヽて、外部の近接非接触通信機器又は外部の近接非接触通信カードとの間で近接非接触通信を行うアンテナを、前記携帯通信機器の筐体の複数面に備えるとともに、前記アンテナはそれぞれ 1ループ以上を有し、かつ、前記各アンテナは直列に接続されている構成となっている。

[0011] この構成により、外部の近接非接触通信機器と近接非接触通信を行う場合、携帯通信機器の筐体の複数面に近接非接触通信用のアンテナが設置されているので、筐体の特定の一面以外でも、外部近接非接触通信機器にカゝざすことなどで近接非接触通信を行うことができる。

[0012] また、本発明の携帯通信機器は、近接非接触通信機能を有する携帯通信機器において、外部の近接非接触通信機器又は外部の近接非接触通信カードとの間で近接非接触通信を行うアンテナを、前記携帯通信機器の筐体の電池室に収容する電池パックの複数面又は前記電池パックとは別体に設けた電池室を閉じる蓋体の複数面に備えるとともに、前記アンテナはそれぞれ 1ループ以上を有し、かつ、前記各ァンテナは直列に接続されて、る構成となって、る。

[0013] この構成により、外部の近接非接触通信機器と近接非接触通信を行う場合、携帯通信機器の電池パックまたは蓋体の複数面に近接非接触通信用のアンテナが設置されているので、筐体の特定の一面以外でも、外部近接非接触通信機器にかざすことなどで近接非接触通信を行うことができる。

[0014] また、本発明の携帯通信機器は、近接非接触通信機能を有する携帯通信機器において、外部の近接非接触通信機器又は外部の近接非接触通信カードとの間で近接非接触通信を行うアンテナを、前記携帯通信機器の筐体の電池室に収容する電池パックの本体部の複数面または前記電池パックと一体に設けて前記電池室を閉じる蓋部の複数面に備えるとともに、前記アンテナはそれぞれ 1ループ以上を有し、かつ、前記各アンテナは直列に接続されてヽる構成となって、る。

[0015] この構成により、外部の近接非接触通信機器と近接非接触通信を行う場合、電池パック（の本体部）の複数面またはこれと一体に設けてある蓋部の複数面に近接非接触通信用のアンテナが設置されているので、筐体の特定の一面以外でも、外部近接非接触通信機器にカゝざすことなどで近接非接触通信を行うことができる。 [0016] また、本発明の携帯通信機器は、前記アンテナの前記近接非接触通信機器に対向する通信面とは反対面側に、電磁干渉抑制シートを有する構成となっている。

[0017] このように、近接非接触通信用アンテナの近接非接触通信を行う通信面とは逆側の面に電磁干渉抑制シートを配置しているため、複数個それぞれのアンテナの結合を防ぐことができる。

[0018] また、本発明の携帯通信機器は、前記近接非接触通信用のアンテナから所要距離以上離間して、携帯電話を行う携帯電話用のアンテナと携帯電話用のアンテナ給電点とを有する構成となって、る。

[0019] この構成により、携帯電話としても使用することが可能となるが、近接非接触通信用のアンテナ力所要距離を確保して携帯電話用のアンテナ給電点が設置してあるため、近接非接触通信として使用する場合、携帯電話用のアンテナ給電点から近接非接触通信用アンテナへの高周波の飛び込み（高周波の幅射）を抑制することができる。

発明の効果

[0020] 本発明によれば、携帯通信機器用として小型の近接非接触通信用のアンテナを複数面に形成することで、複数面での近接非接触通信を行えるようになる。さらに、複数個の近接非接触通信用アンテナを携帯通信機器用電池パック内もしくは電池蓋に配置することで、近接非接触通信用のアンテナの設置面の数以上の面で、近接非接触通信を行えると!ヽぅ効果を有する。

しかも、携帯電話機能も有する携帯通信機器にあっては、携帯電話用無線信号として放射される高周波成分が近接非接触通信用アンテナに飛び込むことを防止できる携帯通信機器を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器の構成を示す概略図

[図 2]本発明の第 1の実施形態に係る近接非接触通信用アンテナパターンを示す展開図

[図 3]本発明の第 1の実施形態に係る近接非接触通信用アンテナパターンの変形例を示す展開図

[図 4]本発明の第 1の実施形態に係る近接非接触通信部の電気的構成を示すブロック図

[図 5]本発明の第 1の実施形態に係る近接非接触通信用アンテナパターンのさら〖こ別の変形例を示す展開図

[図 6]本発明の第 1の実施形態に係る近接非接触通信用アンテナパターンに別のものを用いた場合の近接非接触通信部の電気的構成を示すブロック図

[図 7]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機の近接非接触通信用アンテナの配設状態を示す筐体部分の概略断面図

[図 8]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器との間で近接非接触通信を行うときの筐体の姿勢を示す概略図

[図 9]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器との間で近接非接触通信を行うときの筐体の別姿勢を示す概略図

[図 10]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器との間で近接非接触通信を行うときの筐体のさらに別姿勢を示す概略図

[図 11]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機の筐体を傾斜させて近接非接触通信を行うときの姿勢を示す概略図

[図 12]本発明の第 1の実施形態に係る携帯通信機の筐体を反対向きに傾斜させて近接非接触通信を行うときの姿勢を示す概略図

[図 13]本発明の第 2の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器の構成を示す概略図

[図 14]本発明の第 2および第 3の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器との間で近接非接触通信を行うときの状態を示す概略図

[図 15]本発明の第 2の実施形態に係る携帯通信機と外部の近接非接触通信機器の構成を示す概略図

[図 16]従来の携帯通信機と外部の近接非接触通信機器の構成を示す概略図符号の説明

1 携帯通信機 10 筐体

10A 電池室

10B 電池蓋

IOC 上面

10D 下面

10E 段部

11 筐体

12 携帯電話用のアンテナ (第 1のアンテナ）

13 アンテナ給電点

14A— 14C 近接非接触通信用のアンテナ (第 2のアンテナ）

141一 144 端子

15A-15C 電磁干渉抑制シート

16 インピーダンス整合咅

17 制御部

2 外部の近接非接触通信機

21 アンテナ

3 電池パック（電池ユニット）

4 電池パック（電池蓋が別体）

5 電池パック (本体部；電池蓋が一体）

5A 電池蓋 (蓋部）

5B 鍔部

Dl、 D2 携帯通信機器に搭載される複数の近接非接触通信用アンテナの距離 A、 B 近接非接触通信用アンテナのインピーダンス整合部と近接非接触通信用ァンテナの接続部

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。 (第 1の実施形態）

本発明の第 1の実施形態に係る近接非接触通信機能を有する携帯通信機 1および外部の近接非接触通信機 (これを「外部近接非接触通信機」とよぶ) 2につヽて、図 1乃至図 12を参照しながら説明する。

本発明の携帯通信機 1については、図 1に示すように、通常の携帯電話機としての携帯電話機能 (携帯電話部)と、外部近接非接触通信機 2との間の携帯通信機としての近接非接触通信機能 (近接非接触通信部)の 2つの通信機能を有するものであり、筐体 10部分が、図示外の操作キーや LCDなどを備えたストレート状を有しているなお、本実施形態ではストレート状の構造を有しているが、本発明はこれに限定されるものではなぐ勿論、折り畳み形状でも構わない。

[0024] この筐体 10には、携帯電話用アンテナ 12 (以下、これを「第 1のアンテナ」とよぶ）と、図示しない基板に実装して第 1のアンテナ 12に接続される携帯電話専用の回路（携帯電話部）を構成するアンテナ給電点 13などのほかに、電池ユニット（以下、これを「電池パック」とよぶ） 3を収容する電池室 10Aと、この電池室 10Aを閉じる電池蓋 1 OBなどを備えている。

[0025] また、この筐体 10には、近接非接触通信用アンテナ 14A— 14C (以下、これを「第 2のアンテナ」とよぶ）と、非接触式 ICカード機能を有する近接非接触通信用の ICチップおよび周辺部品、即ち図 4及び図 6に示すように、インピーダンス整合部 16と、制御部 17などを実装している。

なお。本実施形態では、第 2のアンテナを 3つのもので構成している力本発明はこれに限定されるものではなぐ 2つ以上であればその数は問わない。

[0026] 一方、外部近接非接触通信機 2につ、ては、例えば駅の改札口や高速道路の料金所など (勿論、これに限定されない）に設置するものであって、近接非接触通信機能を有する携帯通信機 1との間で近接非接触通信を行うものであり、このためその外部近接非接触通信機 2の内部には、携帯通信機器 1に対面する面 (図 1では下面に相当する部分、以下これを「通信面」とよぶ)寄りに近接非接触通信用アンテナ 21を設置している。

[0027] なお、ここで、「近接非接触通信」とは、 [背景技術]の欄でも述べたように、電界或いは磁界を利用して通信するものであり、周知のように、磁力及び電気力は、クーロンの法則に従う力の一種であって、距離の 2乗に反比例する（逆 2乗則に従う）といつた特徴を有するので、ショートレンジで急激にその力が減少する。このため、本発明での「近接非接触通信」とは、電界或いは磁界の作用する専ら 10cm以下程度の近接領域において成立する通信のことを指すものとする。

[0028] 次に、主に前述した 2種類のアンテナについて詳細に説明する。

第 1のアンテナ 12は、通常の携帯電話用のアンテナであって、この第 1のアンテナ 12により図示外の基地局との間で通話もしくはデータ通信を行うようになっている。

[0029] 一方、第 2のアンテナ 14A (Aアンテナ）、 14B (Bアンテナ）、 14C (Cアンテナ）は、筐体 10内部にお、て、携帯電話用のアンテナ給電点から近接非接触通信用アンテナヘの高周波の飛び込み（高周波の幅射）を抑制することができる程度に)第 1のァンテナ 12から所要の距離離間して設置してある。

しかも、本発明では、できるだけ外部近接非接触通信機 2と対向する外面 (近接非接触通信面）寄り（本実施形態で、図 1において、 Aアンテナ 14Aは上面、 Bアンテナ 14Bは手前表面側寄り、 Cアンテナ 14Cは奥部 ·裏面側寄り）の筐体 11内部に配置されており、近接非接触通信面を介して外部近接非接触通信機器 2のアンテナ 21との間で確実な近接非接触通信を行うことができるように構成されてヽる。

[0030] 特に、この近接非接触通信用の Aアンテナ 14A、 Bアンテナ 14B、 Cアンテナ 14C は、図 2または図 3に示すように一枚のシートに一筆書きの要領で複数のアンテナを各面で 1ループ以上形成し、図中の点線部分で折り曲げ、筐体 10の内部（内壁面）に配置し、図 4のブロック図に示すように、それぞれのアンテナどうしを直列に接続するように構成されている。

[0031] また近接非接触通信用の Aアンテナ 14A— Cアンテナ 14Cは、図 5に示すように複数のシートにそれそれの近接非接触通信用アンテナを 1ループ以上形成し、それぞれを筐体 11の内部に配置するとともに、図 6のブロック図に示すように、それぞれのアンテナを直列に接続するようにしてもよい。この際、図 5および図 6上の端子 141一 144の接続状態については、それぞれ、端子 141と端子 142、端子 143と端子 144 を接続するものである。この接続方法は、図 6に示してあるように、 Aアンテナ 14Aと、 Bアンテナ 14Bと、 Cアンテナ 14Cが直列に接続されるものであれば、図示外の基板に実装する等のようにしてもよぐ要は何らかの方法で接続すれば良い。

[0032] 以上のような構成の携帯通信機 10によれば、図 4または図 6に示すように、近接非接触通信用の第 2のアンテナである複数の Aアンテナ 14A— Cアンテナ 14Cが直列に接続されているため、第 2のアンテナ全体でのインダクタンス値は、それぞれのアンテナのインダクタンス値の総和となり、近接非接触通信用アンテナ全体で共振させるために必要とされるインダクタンス値を、本実施形態の携帯通信機器のような小型端末機でち得ることがでさる。

[0033] さらに、図 1に示す本実施形態の筐体 10には、この筐体 10の断面図である図 7に示すように、第 2のアンテナである Aアンテナ 14A、 Bアンテナ 14B、 Cアンテナ 14C のそれぞれ近接非接触通信面とは逆側の面の近傍に、電磁干渉抑制シート 15A、 1 5B、 15Cがそれぞれ配置されている。

[0034] 従って、本実施形態によれば、図 8—図 10に示すように、 3面のいずれの面を近接通信面として外部近接非接触通信機器 2と近接非接触通信を行う場合であっても、所要な距離の範囲内であれば、確実な通信の授受を行うことができる。

また図 11および図 12のような携帯通信機 1の筐体 10 (図 1の筐体 1の断面図）を斜めの状態にして、外部近接非接触通信機 2と近接非接触通信を行うような場合にも、図 2または図 3のように複数の第 2のアンテナを形成してあればょ、。

即ち、図 2または図 3に示すように、それぞれのアンテナ間距離 D1および D2として、第 2のアンテナのパターン幅や開口面積により距離が変わるが、最低でも lmm以上確保してあれば、図 2又は図 3において紙面の表側力裏側へ磁束が通過した場合、全ての第 2のアンテナで同一方向に電流が流れることになり、十分な近接非接触通信特性が得られる。

[0035] ここで、複数の第 2のアンテナとして、本実施形態では、図 2、 3、 5で示すような構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなぐ図 11および図 12のような姿勢のときに、全ての第 2のアンテナで同一方向に電流が流れるような配線であれば良い

[0036] 従って、図 8乃至図 12のように、近接非接触通信機能付き携帯通信機 1と外部近接非接触通信機 2との間で近接非接触通信を行う場合、外部近接非接触通信機 2の近接非接触通信用アンテナ 21から放射される磁束を携帯通信機器 10で受ける。この際、第 2のアンテナである Aアンテナ 14A、 Bアンテナ 14B、 Cアンテナ 14Cのそれぞれの裏面側に設置してある電磁干渉抑制シート 15A、 15B、 15Cにより、近接非接触信号 (磁束）が筐体 10内部に漏れな、ようにしてある。

このため、例えば図 8の Aアンテナ 14A (第 2アンテナ）で受信した磁束を電磁干渉抑制シート 15Aで遮断し、 Aアンテナ 14Aを通過した磁束が別の第 2のアンテナである Bアンテナ 14B、 Cアンテナ 14Cへ到達しないようにすることができる。

[0037] し力も、第 2のアンテナの巻き方を図 2、 3、 5のようにしてあれば、個々の第 2のアンテナで逆電流を流すことなぐ十分な近接非接触通信特性が得られる。

[0038] また、図 1に示すように、携帯電話用アンテナである第 1のアンテナ 12の給電点 13 の近くに、第 2のアンテナ 14A— 14Cを配置しても、図 7に示すように、その第 2のァンテナ 14A— 14Cのそれぞれの裏面側に電磁干渉抑制シート 15A— 15Cを配置しているため、携帯電話用信号として放射される高周波成分が第 2のアンテナ 14A— 1 4Cに飛び込むことを防ぎ、安定した近接非接触通信を行うことができる。

[0039] (第 2の実施形態）

次に、本発明に係る第 2の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、第 1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。

本実施形態では、第 1の実施形態と異なり、図 13に示すように、近接非接触通信用アンテナである第 2のアンテナ 14A— 14Cおよび電磁干渉抑制シート 15A— 15Cは、携帯通信機器用の電池パック 3の本体内部に配置してある。

[0040] ここで、第 2のアンテナ 14A— 14Cと接続する前述の近接非接触通信用 ICチップなどは、電池パック 3ではなく図示外の筐体 10内部に配置されており、電池パック 4 内で複数のものからなる第 2のアンテナ 14A— 14Cどうしの直列接続を完結させることで、インターフェースとしては、機能によっては 4本になる場合もある力一般的に 2 本に抑えられる。

[0041] このように、インターフェースを従来の 6本以上から 2本へと削減することができるので、信頼性の向上が図れるとともに、第 2のアンテナ 14A— 14Cおよび電磁干渉抑制シート 15A— 15Cのみを電池パックに配置することで、筐体 10の電池部（電池パック 4と電池蓋 10Bの合算値)の厚さを、近接非接触通信機能を持たな!ヽ携帯通信機器のものに比べて、 1mm以下のアップに抑えることができる。

[0042] また本実施形態では、近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14C及び電磁干渉抑制シート 15A— 15Cを 3面に配置しており（勿論、本発明はこれに限定されるものではなく、 2面もしくは 4面以上でも構わない）、これらの電磁干渉抑制シート 15A 一 15Cにより個々のアンテナ 14A— 14Cで逆電流を流すことがなく、複数の面で十分な近接非接触通信を行うことができる。しかも、携帯電話用信号として放射される高周波成分が近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cに飛び込むことを防ぐこともできるようになる。

[0043] し力も、本実施形態では、一般的に、携帯電話用の第 1のアンテナ 12およびアンテナ給電点 13と携帯通信機用の電池部 (電池パック 4)とは離れた位置に配置されるため、必然的にこれらの間は離間することとなり、携帯電話用信号として放射される高周波成分が第 2のアンテナ 14A— 14Cへ飛び込むことを一層確実に防止することができる。これにより、より一層安定した近接非接触通信特性を得ることができる。

[0044] 更に、携帯通信機器用の電池部（電池パック 4)は、携帯電話用の第 1のアンテナ 1 2およびアンテナ給電点 13から離れた位置関係になるように配置させるようにすれば、第 1のアンテナ 12の設置される筐体面とは別の筐体面に電池部を収容する電池室 10Aを設置することになるので、この電池室 10Aが設けられる筐体面には第 1のアンテナが突起することがない。

従って、第 1のアンテナ 12などの突起物に邪魔されることがなく第 2のアンテナ 14A 一 14Cの設置されている筐体面を外部近接非接触通信機 2に接近させた状態で近接非接触通信を行うことができる力図 14に示すような第 2のアンテナ 14A— 14Cの設置面でない筐体面 10D (第 1のアンテナ 12を設置する上面 10Cとは反対の下面）を外部近接非接触通信機 2に接近させた状態で、外部近接非接触通信機器 2にかざしてもよい。

[0045] つまり、図 14のような状態のときには、携帯通信機 1が外部近接非接触通信機 2の近接非接触通信用のアンテナ 21に対して平行な位置関係にな、けれどでも、電池ノック 4内の近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cのいずれかにより、近接非接触通信を行うことができる。つまり、第 2のアンテナが電池パック 4の 3面のみに設置してあっても、近接非接触通信を実質的に 4面で (下面 10Dでも)行うことが可能となる。

[0046] また、本実施形態では、電池パック 4には、近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14 A— 14Cおよび電磁干渉抑制シート 15A— 15Cのみを配置しており、前述したように第 2のアンテナ 14A— 14Cと接続する近接非接触通信用の ICチップは図示外の筐体 10内部に配置されている。このため、たとえ電池パック 4を紛失しても、その電池パック 4を拾った第 3者によって悪用されることがない。つまり、ソフト的に複雑な対策なしに、セキュリティに対しても十分な安全性が確保できるわけである。また、代替品の電池パック 4を使用することで、再度、近接非接触通信機能を回復させることもできる

[0047] また、本実施形態では、電池室 10Aに収容する電池パック 4の複数面に近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cおよび電磁干渉抑制シート 15A— 15Cを配設したが、この電池パック 4ではなぐ例えばこの電池パック 4を収容する電池室 10A を閉じる電池蓋 10Bの複数面にこれらを設置してもよ、。

[0048] (第 3の実施形態）

次に、本発明に係る第 3の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、第 1、第 2の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。本実施形態では、第 1、第 2の実施形態と異なり、図 15に示すように、近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cおよび電磁干渉抑制シート 15A— 15Cは、携帯通信機器用の電池パック 5 (の本体部）と一体になつた電池蓋 (これを「蓋部」とよぶ ) 5A内部に配置してある。

[0049] この電池パック 5は、図 15に示すように、電池パック 5本体の上面において、横方向に突設する鍔部 5Bを設けた形状を有しており、電池室 10Aの開口部分に沿って設けた段部 10Eに係合するような状態で止め付けるように構成されている。

[0050] また、本実施形態でも、第 2の実施形態と同様に、蓋部 5A内の第 2のアンテナ 14A 一 14Cと接続する図示外の近接非接触通信用の ICチップは筐体 10の内部に配置されており、第 2のアンテナ 14A— 14Cどうしの直列接続により、インターフェースとしては 2本に抑えることが可能になる。

従って、第 2の実施形態と同様に、信頼度の向上が図れるとともに、電池部 (電池パック 5)の厚さを、近接非接触通信機能をもたない携帯通信機器に比べて、 1mm以下のアップに抑えることができる。

[0051] また、本実施形態でも、第 2の実施形態と同様に、電磁干渉抑制シート 15A— 15C により個々のアンテナ 14A— 14Cで逆電流を流すことなく複数の面で十分な近接非接触通信を行うことができるとともに、携帯電話用信号として放射される高周波成分が第 2のアンテナ 14A— 14Cに飛び込むことを防ぐこともできる。

[0052] 更に、本実施形態でも、図 14に示すように、第 2の実施形態と同様に、外部近接非接触通信機器 2の近接非接触通信用アンテナ 21に対して携帯通信機器 1の第 2のアンテナ 14A— 14Cが平行な相対位置関係になくても、電池パック 5の蓋部 5A内の近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cにより近接非接触通信を行うことができるので、近接非接触通信を 4面で行うことが可能となる。

[0053] また、本実施形態でも、電池パック 5の蓋部 5Aには、第 2の実施形態と同様に、近接非接触通信用の第 2のアンテナおよび電磁干渉抑制シートのみを配置しており、第 2のアンテナ 14A— 14Cと接続する近接非接触通信用 ICは図示外の筐体 10内部に配置されている。このため、ソフト的に複雑な対策なしに、セキュリティに対しても十分な安全性が確保できる。

また、本実施形態でも、電池パック 5に代替品を使用することで、再度、近接非接触通信機能を利用できる。

[0054] なお、本実施形態では、電池パック 5 (の本体部）と一体になつた蓋部 5Aの複数面に近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cおよび電磁干渉抑制シート 15A 一 15Cを設置した構成とした力蓋部 5Aではなぐ電池パック 5 (の本体部)側の方に設けてもよい。

[0055] また、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなぐその要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。例えば、前述した各実施形態では、近接非接触通信用の第 2のアンテナ 14A— 14Cの通信相手として、外部の近接非接触通信機 2を例に挙げて説明してきたが、本発明はこれに限るものではなぐ外部の近接非接触通信カードとの近接非接触通信を行うような構成のシステムであって可能である。

[0056] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

本出願は、 2003年 11月 25日出願の日本特許出願、特願 2003-393559に基くものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0057] 本発明の携帯通信機器は、携帯通信機器用として小型の近接非接触通信用アンテナを形成でき、かつ、複数面で近接非接触通信を行えるとともに、携帯電話用無線信号として放射される高周波成分が近接非接触通信用アンテナに飛び込むことを防止できる効果を有し、近接非接触通信専用の携帯通信機器ばかりでなぐ近接非接触通信機能を有する各種のの携帯通信機器、例えば携帯電話機、 PHS、 PDA等に有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 近接非接触通信機能を有する携帯通信機器にぉヽて、

外部の近接非接触通信機器又は外部の近接非接触通信カードとの間で近接非接触通信を行うアンテナを、前記携帯通信機器の筐体の複数面に備えるとともに、前記アンテナはそれぞれ 1ループ以上を有し、かつ、

前記各アンテナは直列に接続されている携帯通信機器。

[2] 近接非接触通信機能を有する携帯通信機器にお!ヽて、

外部の近接非接触通信機器又は外部の近接非接触通信カードとの間で近接非接触通信を行うアンテナを、前記携帯通信機器の筐体の電池室に収容する電池パックの複数面又は前記電池パックとは別体に設けた電池室を閉じる蓋体の複数面に備えるとともに、

前記アンテナはそれぞれ 1ループ以上を有し、かつ、

前記各アンテナは直列に接続されている携帯通信機器。

[3] 近接非接触通信機能を有する携帯通信機器にお!ヽて、

外部の近接非接触通信機器又は外部の近接非接触通信カードとの間で近接非接触通信を行うアンテナを、前記携帯通信機器の筐体の電池室に収容する電池パックの本体部の複数面または前記電池パックと一体に設けて前記電池室を閉じる蓋部の複数面に備えるとともに、

前記アンテナはそれぞれ 1ループ以上を有し、かつ、

前記各アンテナ直列に接続されている携帯通信機器。

[4] 前記近接非接触通信用のアンテナは、前記近接非接触通信機器に対向する通信面とは反対面側又はこの近傍に、電磁干渉抑制シートを有する請求項 1一 3のいずれカ 1項に記載の携帯通信機器。

[5] 前記近接非接触通信用のアンテナから所要距離以上離間して、携帯電話を行う携帯電話用のアンテナと携帯電話用のアンテナ給電点とを有する請求項 1一 4のいずれカ 1項に記載の携帯通信機器。