WO2006043543A1

WO2006043543A1 - 非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末

Info

Publication number: WO2006043543A1
Application number: PCT/JP2005/019112
Authority: WO
Inventors: Yukichi Aihara; Katsuhiko Tando
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-10-18
Filing date: 2005-10-18
Publication date: 2006-04-27

Abstract

　携帯電話の従来の形を大きく変えること無く、従来のカードタイプと同等の通信性能を維持する非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末を提供する。　同調用コンデンサ２３に接続されて共振アンテナ２４を構成する平面状コイル２２を、比較的大きな面積が得られる電池カバー２１の裏面２１ａに埋め込んだので、面積に比例して通信可能距離が大きくなり、従来の形を大きく変えることなく、容易に安定した通信を行うことができる。また、電池カバー２１は通常プラスチック製であり、非接触通信の近傍磁界にはまったく透明であるので、電池カバー２１の成形時にアンテナコイル２２を埋め込むことができ、容易に設けることができる。さらに、電池カバー２１を取り外すことにより、アンテナ部分を容易に本体から切り離すことができるので、量産時のばらつきなどへの対応がしやすくなる。

Description

明細書

非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末

技術分野

[0001] 本発明は、非接触通信を行うための非接触通信アンテナの構造、特に携帯電話等小型移動端末に搭載するトランスボンダ側の非接触通信アンテナに関するものである。

背景技術

[0002] 近年、 ICチップをカードに埋め込み、個人認証を始め各種情報のやり取りを行うための非接触式 ICカードがカードビジネスの世界にも登場してきた。その中には、身分証、学生証、交通系のカードのようにすでに大衆ィ匕したものもある。

[0003] 一方、携帯電話の普及はすさまじぐ多くの人が携帯電話を持ち歩くライフスタイルが定着してきている。また、携帯電話にはメモリカードが装着できるようになり、画像データの蓄積等に利用されている。

[0004] そこで、携帯電話のようなモパイル機器と非接触式 ICカードを組み合わせたサービスを提供するための無線通信モジュールが提案されている（例えば特許文献 1参照）

[0005] 図 4には、特許文献 1に開示されている無線通信モジュールが示されている。

[0006] この無線通信モジュール 100は、ノッテリー用蓋 101の内側に組み込まれるものであり、外部のリーダライタ装置と信号の送受信を行うためのアンテナコイル 102と、このアンテナコイル 102に接続されて非接触式 ICカード機能を発揮する ICチップ 103 と、バッテリー内部の金属板の悪影響を低減させるシート状の電磁シールド材 104とを備えている。

特許文献 1 :特開 2003— 67692号公報（図 4)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] し力しながら、 ICカードの中のアンテナと同等のアンテナを携帯電話の中に実装するのはスペースの確保が困難であることや、アンテナを小型化すればその面積に比例して通信距離等性能が劣化して信頼性が低下するという不都合がある。

[0008] また、アンテナ周辺の携帯電話等の回路部品や金属材料の影響を受けて同様に劣化してしまうおそれもある。

[0009] これらを防止するためには、アンテナを大きくしたり、金属を遠ざけたりすることが考えられるが、これでは携帯電話が大型化してしまい、携帯電話等の小型化の要請に反すること〖こなる。

[0010] 本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、携帯電話の従来の形を大きく変えること無ぐ従来のカードタイプと同等の通信性能を維持する非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明の非接触通信アンテナは、携帯型移動端末の電池カバーの裏面に平面状コイルを埋め込み、前記平面状コイルの端子部には同調用コンデンサを装荷して共振アンテナとする構成を有して!/、る。

[0012] この構成により、同調用コンデンサに接続されて共振アンテナを構成する平面状コィルを、比較的大きな面積が得られる電池カバーの裏面に一体的に埋め込んだので、面積に比例して通信可能距離が大きくなり、容易に安定した通信を行うことができる

[0013] また、電池カバーは通常プラスチック製であり、非接触通信の近傍磁界にはまったく透明であるので、電池カバーの成形時にアンテナを埋め込むことができ、容易に設けること

ができる。さらに、電池カバーを取り外すことにより、アンテナ部分を容易に本体から切り離すことができるので、量産時のばらつきなどへの対応がしゃすくなる。

[0014] また、本発明に力かる非接触通信アンテナは、非接触通信アンテナの出力がコネクタ接点を経由して携帯型移動端末に収容されているカードに入力される構成を有している。

[0015] この構成により、受信した情報をカードに入力することができるとともに、コネクタ接点を介してカードに接続されるので、カードを交換することにより異なるタイプの非接触通信が可能になる。 [0016] さらに、本発明にかかる非接触通信アンテナは、前記平面状コイルを多層化して、並列複卷した構成を有して!/、る。

[0017] この構成により、平面状コイルを多層化して、並列複卷したので、コイル導体の表面積が増加する。従って、高周波損失が減るので、蓄積エネルギーと損失エネルギーとの比であるコイルの Q値が上がり通信距離の拡大をもたらす。

[0018] さらに、本発明にかかる非接触通信アンテナは、全体または一部を覆い隠すように磁性体シートが被せられて、る構成を有して、る。

[0019] この構成により、磁性体シートを被せて非接触通信アンテナの全体または一部を覆い隠したので、磁気シールド効果により、電池パック内部で使用されている金属による渦電流損の発生等コイルアンテナに及ぼす悪影響を除去することができる。

[0020] さらに、本発明にかかる非接触通信アンテナは、携帯型移動端末に収容されているカードに、通信の信号処理を行う ICチップが搭載される構成を有して、る。

[0021] この構成により、携帯型移動端末に収容されているカードに、通信の信号処理を行う ICチップが搭載されるため、カードを交換することにより、異なる用途の通信も可能となる。

[0022] そして、本発明にかかる非接触通信アンテナは、カードが、交換可能にソケットに装着される構成を有している。

[0023] この構成により、ソケットから ICチップを容易に揷跋できるので、異なるタイプのカードに交換することで、異なる用途の通信が容易に可能となる。

[0024] さらに、本発明にかかる非接触通信アンテナは、磁性体シートを平面状コイルに密着させず、 0. 1mmないし lmmの間隔を設けている構成を有している。

[0025] この構成により、磁性体シートが、平面状コイルに密着させず、 0. lmmないし lm mの間隔を設けられているので、磁性体シート自身が発生する損失によるコイルアンテナに及ぼす悪影響を除去することができる。

[0026] そして、本発明にカゝかる非接触通信アンテナは、前記 ICチップを搭載した前記力ードを異なる種類のカードに交換したときに、交換をした前記カードの種類に対応して交換をすることが可能になる構成を有して、る。

[0027] また、本発明に力かる携帯型移動端末は、前述した非接触通信アンテナを搭載した構成を有している。

発明の効果

[0028] 本発明は、同調用コンデンサに接続されて共振アンテナを構成する平面状コイルを、比較的大きな面積が得られる電池カバーの裏面に埋め込み、更に並列複卷コィルとしたので、従来のアンテナの開口面積に比し通信可能距離が拡大し、これにより容易に安定した通信を行うことができる。

[0029] このため、携帯電話の従来の形を大きく変えること無ぐ従来のカードタイプと同等の通信性能を維持する非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末を提供することができるものである。

図面の簡単な説明

[0030] [図 1]本発明の実施の形態に係る非接触通信アンテナの断面図である。

[図 2]本発明の実施の形態に係る非接触通信アンテナの分解組立図である。

[図 3]本発明の実施の形態に係る非接触通信アンテナの要部拡大断面図である。

[図 4]従来の非接触通信アンテナの斜視図である。

符号の説明

[0031] 10 携帯電話 (携帯型移動端末）

21 電池カバー

21a 裏面

22 アンテナコイル（平面状コイル）

22a 端子部

23 同調用コンデンサ

24 共振アンテナ

20 非接触通信アンテナ

25 接点パネ (コネクタ接点）

26 磁性体シート

31 カード

32 ICチップ

33 ソケット 34 接点パネ端子基板

発明を実施するための最良の形態

[0032] 以下、本発明の実施形態の非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末について、図面を用いて説明する。

[0033] 図 1は本発明の実施形態に係る非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末の断面図、図 2は本発明の実施形態に係る非接触通信アンテナの分解組立図、図 3本発明の実施形態に係る非接触通信アンテナ及び携帯型移動端末の要部拡大断面図である。

[0034] 図 1に示すように、非接触通信アンテナ 20は、携帯型移動端末としての携帯電話 1 0の電池カバー 21の裏面（内側面） 21aに平面状コイルであるアンテナコイル 22を埋め込み、前記アンテナコイル 22の端子部 22aには同調用コンデンサ 23を装荷して共振アンテナ 24としている。

[0035] なお、アンテナコイル 22は、平面状コイルを多層化して並列複卷構成となっている

[0036] 携帯電話 10は、例えば折り畳み型のものであり、上筐体 10aと下筐体 10bとが、ヒンジ 10cにより開閉自在に連結されている。

[0037] 一般に、上筐体 10aの内側面には液晶表示部（図示省略）が設けられており、下筐体 10bの内側面には種々の操作ボタン（図示省略）が設けられている。

[0038] 従って、使用時には上筐体 10aと下筐体 10bとを開いて、液晶表示部を見ながら操作ボタンを操作することになるが、非接触通信アンテナ 20を用いて受信および送信する場合には、図 1に示すように、上筐体 10aと下筐体 10bを閉じた状態で行うこともできる。

[0039] 下筐体 10bの内部に非接触通信アンテナ 20と電池パック 27が内蔵されており、下筐体 10bの外側面（図 1において下面）には、例えばプラスチック成型品から成る電池カバー 21が、開閉ある、は取り外し可能に設けられて！/、る。

[0040] なお、前述したように電池カバー 21の裏面 21aにアンテナコイル 22を埋め込む場合のほか、電池カバー 21の裏面 21aに一体的に密着してアンテナコイル 22を装着するようにしてちょい。 [0041] 図 2に示すように、アンテナコイル 22は、例えばポリイミドフィルムにフォトエッチングでパターン形成されており、アンテナコイル 22の出力引き出し部である端子部 22aは、その直近に同調用コンデンサ 23が実装され共振アンテナ 24を構成している。

[0042] 端子部 22aは、電池交換の際容易に接続断続できるよう、接点接触面ランド (図示省略）が設けられている。従って、電池を取り出すと断となる力電池を入れ電池カバ一を装着すると接続状態となる。

[0043] 図 3に示すように、非接触通信アンテナ 20の出力は、コネクタ接点である接点パネ 25を経由して携帯電話 10に収容されてヽるカード 31に入力されるようになってヽる

[0044] カード 31の中には、従来のメモリの他、非接触通信の信号処理を行う ICチップ 32 が実装されて、リーダライタとのデータのやりとりを行う。カード 31はソケット 33から容易に揷跋できるようになっており、異なるタイプのカード 31に交換することで、異なる用途の通信も可能となる。

[0045] この場合、異なるタイプのカード 31に交換したことで、 ICチップ 32は、交換前とは異なるチップとなる。 ICチップ 32が交換後に異なるものに変わったことで、 ICチップ 3 2の入力インピーダンスは交換の前後で変化することがある。非接触通信アンテナ 20 は、通信を最適化するために ICチップ 32の入力インピーダンスに合わせて最適化を行っている。カード 31の交換によって ICチップ 32の入力インピーダンスが変化した場合には、非接触通信アンテナ 20を埋め込んだ電池カバー 21は、人力インピーダンスを最適化したものに交換することで、通信の最適化を図ることも可能である。

[0046] また、アンテナコイル 22が受信した信号は出力端子力も接点パネ 25を経由して携帯電話 10側に装填されているカード 31に入力される。

[0047] なお、アンテナコイル 22の同調コンデンサは接点パネの取り付けられている基板 3 4上に設けることもできる。この場合は交換するカード 31の ICチップ 32の入力容量は同一仕様が望まれる。

[0048] 電池パック 27では内部に金属を使用しており、渦電流損を発生するなどコイルアンテナ 22に悪影響をおよぼすので、アンテナコイル 22の全体または一部を覆、隠すように磁性体シート 26を設けてある。電池カバー 21は磁性体シート 26まで含めて一体に成型されており、電池カバー 21の裏面 21a全体をアンテナ開口面積として利用できるようになつている。

[0049] なお、磁性体シート 26はアンテナコイル 22に密着しないように、スぺーサ 28を介在して実装されている。スぺーサ 28は、具体的には例えば両面接着シートなどで厚さ調整を行い、 O. lmm〜： Lmm程度の間隙を設けるようにする。

[0050] 以上、説明したような本発明の実施の形態に係る非接触通信アンテナ 20によれば

、非接触通信を行うコイルアンテナ 22を携帯電話 10の電池カバー 21に装着したので、比較的大きな開口面積が得られ、また、端末の無線回路、各種アンテナとのアイソレーシヨンも得られやすくなるので、実装が容易となると同時に他の通信との干渉を防止することができる。また、通信距離の広い安定した非接触通信が可能になる。

[0051] さらに、本発明の構成では、 ICチップの搭載されているカードを交換することで容易に異なるタイプの非接触通信が可能になるなど利用者の利便性をさらに高めることができる。

[0052] また、電池カバー 21は通常プラスチック製であり、非接触通信の近傍磁界にはまつたく透明であるので、電池カバー 21の成形時にアンテナコイル 22を埋め込むことができ、容易に設けることができる。さらに、電池カバー 21を取り外すことにより、アンテナ部分を容易に本体力切り離すことができるので、量産時のばらつきなどへの対応力 Sしゃすくなる。

[0053] なお、本発明の非接触通信アンテナ 20及び携帯型移動端末 10は、前述した実施形態に限定されるものでなぐ適宜な変形，改良等が可能である。

(実施例）

本発明に係る非接触通信アンテナの具体例を示す。前述した非接触通信アンテナ

20によれば、携帯電話 10の体積増加は、電池パック 27と電池カバー 21の間が約 1.

5mm厚みを増すだけで可能であり、従来の形を大きく変えること無ぐ非接触通信ァンテナ 20を提供することができる。

[0054] なお、厚さの内訳は、例えばアンテナコイル 22力0.4mm、ギャップ 0.6mm、磁性体シート 26が 0.5mmである。

[0055] 本出願は、 2004年 10月 18日出願の日本特許出願 (特願 2004-303095)に基づくものであり、それらの内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0056] 以上のように、本発明に係る非接触通信アンテナは、同調用コンデンサに接続されて共振アンテナを構成する平面状コイルを、比較的大きな面積が得られる電池カバ一の裏面に埋め込んだので、面積に比例して通信可能距離が大きくなり、容易に安定した通信を行うことができる。

[0057] このため、携帯電話の従来の形を大きく変えること無ぐ従来のカードタイプと同等の通信性能を維持する非接触通信アンテナを提供することができるという効果を有し、非接触通信を行うための非接触通信アンテナの構造、特に携帯電話等小型移動端末に搭載するトランスボンダ側の非接触通信アンテナ等として有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 携帯型移動端末の電池カバーの裏面に平面状コイルを埋め込み、前記平面状コィルの端子部には同調用コンデンサを装荷して共振アンテナとすることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[2] 請求項 1記載の非接触通信アンテナの出力が、コネクタ接点を経由して前記携帯型移動端末に収容されているカードに入力されることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[3] 請求項 1または請求項 2に記載の非接触通信アンテナ力前記平面状コイルを多層化して、並列複卷構成としたことを特徴とする非接触通信アンテナ。

[4] 請求項 1または請求項 2に記載の非接触通信アンテナ力全体または一部を覆い隠すように磁性体シートが被せられて!/、ることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[5] 請求項 2に記載のカードに、通信の信号処理を行う ICチップが搭載されることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[6] 請求項 5に記載のカードが、交換可能にソケットに装着されることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[7] 請求項 4に記載の磁性体シートが、前記平面状コイルに密着させず、 0. 1mmないし lmmの間隔を設けることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[8] 請求項 2に記載の前記電池カバーに搭載された非接触通信アンテナは、前記 ICチップを搭載した前記カードを異なる種類のカードに交換したときに、交換をした前記カードの種類に対応して交換をすることを特徴とする非接触通信アンテナ。

[9] 請求項 1乃至請求項 8を搭載した携帯型移動端末。