明 細 書
穿孔装置、穿孔用金型、穿孔方法及び穿孔用金型の位置決め固定方法 技術分野
[0001] 本発明は、シート状の被カ卩ェ物に穿孔を実施する場合に使用するのに好適な穿孔 装置、穿孔用金型、穿孔方法及び穿孔用金型の位置決め固定方法に関する。 背景技術
[0002] 例えば、金属シート、プリント基板、フレキシブル基板等の被加工物に穿孔を実施 するには、パンチ用金型とダイ用金型との間に被加工物を介在させ、パンチ用金型 のパンチをダイ用金型のダイ孔に嵌合することにより行う。
従来、この種の被加工物の穿孔には、図 14に示すような穿孔装置が用いられてい る (例えば、特許文献 1参照。)。
この穿孔装置について、図 14を用いて説明すると、穿孔装置 1は、パンチ用金型 2 及びダイ用金型 3を備えている。
[0003] パンチ用金型 2は、図 14 (a)に示すように、バッキングプレート 4、パンチプレート 5 及びストリッパ 6を有し、ガイドプレート 7の下端部に取付用プレート 8を介して配設さ れている。そして、昇降機構(図示せず。)の駆動によってガイドプレート 7及び取付 用プレート 8と共に昇降するように構成されている。ノ ッキングプレート 4は、ガイドプ レート 7に取付用プレート 8を介して固定されている。パンチプレート 5は、ストリッパ 6 を揷通可能なパンチ 5aを有し、バッキングプレート 4に固定されている。ストリッパ 6は 、突出部 6aを有し、パンチプレート 5の下方に昇降可能に配設されている。
[0004] ガイドプレート 7は、昇降機構(図示せず。 )にガイド軸 9を介して連結されている。取 付用プレート 8には、圧縮スプリング 10を収容するスプリング収容孔 8aが設けられて レ、る。圧縮スプリング 10の下端部には、バッキングプレート 4及びパンチプレート 5を 挿通するストリッパガイドピン 11が取り付けられている。ストリッパガイドピン 11の先端 部にはストリッパ 6が取り付けられている。
[0005] 一方、ダイ用金型 3は、図 14 (b)に示すように、ダイプレート 12を有し、パンチ用金 型 2の下方に配設されている。ダイプレート 12には、パンチ 5aを嵌合可能なダイ孔 1
2aが設けられている。
[0006] このように構成された穿孔装置 1を用い、被カ卩ェ物に穿孔を実施するには、ダイ用 金型 3のダイプレート 12上に被力卩ェ物(図示せず。)を載置した後、予め上方待機位 置に配置されたパンチ用金型 2を下降させることにより行う。
この場合、パンチ用金型 2が下降すると、ストリッパ 6の突出部 6aがダイプレート 12 上の被カ卩ェ物に当接する。この状態からパンチ用金型 2がさらに下降すると、ストリツ パ 6の突出部 6aが被加工物をダイプレート 12上に圧接する。このため、ストリッパ 6が ダイプレート 12上の被力卩ェ物を圧接した状態でパンチ 5aがダイプレート 12から下方 に突出してダイ孔 12aに嵌合し、被加工物に穿孔が実施される。
パンチ用金型 2が上昇する際には、ストリッパ 6がダイプレート 12上の被力卩ェ物を圧 接したままの状態で、パンチ 5aが被カ卩ェ物のダイ孔 12aから抜けていくため、円滑な 穿孔動作が実現する。
特許文献 1 :特開 2002-263750号公報(図 6)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] ところで、上記した穿孔装置においては、被カ卩ェ物の穿孔を円滑に行うためにストリ ッパを必要とするため、部品点数が嵩み、コスト高になるばかりか、金型構造が複雑 になるという課題があった。
また、穿孔時には、ストリッパが被力卩ェ物をダイプレートに圧接するものであるため、 被加工物が損傷し易ぐ品質上の信頼性が低下するという課題もあった。
また、穿孔時には、パンチ用金型全体が昇降する必要があるため、穿孔を高速化 するのが容易ではないという課題もあった。
[0008] 本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、コストの低廉化及び金 型構造の簡素化を図ることができるとともに品質上の信頼性を高めることができ、さら には穿孔を高速化することが容易な穿孔装置、穿孔用金型及び穿孔方法を提供す ることを目的とする。
また、本発明は、穿孔用金型の位置決め作業の簡素化を図ることができる穿孔用 金型の位置決め固定方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] (1)本発明の穿孔装置は、シート状の被加工物に穿孔を実施するためのパンチ用金 型及びダイ用金型からなる穿孔用金型を有する穿孔機構と、前記パンチ用金型と前 記ダイ用金型との間に介在するシート状の被加工物に緊張力を付与するための手段 とを備えた穿孔装置であって、前記穿孔機構は、パンチ用金型とダイ用金型との間 の空隙がシート状の被加工物の厚さよりも大きい状態で穿孔を実施する穿孔機構で あることを特 ί数とする。
[0010] このため、本発明の穿孔装置によれば、パンチ用金型とダイ用金型との間に介在 する被カ卩ェ物に緊張力が付与された状態で穿孔動作が行われるため、シート状の被 加工物のたわみが効果的に抑制され、その結果、被加工物に対して正しい角度で穿 孔動作が行われ、パンチが被加工物から円滑に抜けるようになる。このため、パンチ 用金型とダイ用金型との間の空隙がシート状の被加工物の厚さよりも大きい状態で穿 孔を実施することが可能になる。すなわち、従来必要であったストリッパを不要とする ことができるようになる。従って、本発明の穿孔装置によれば、部品点数を削減するこ とができ、コストの低廉化及び金型構造の簡素化を図ることができる。
また、被力卩ェ物を非押圧状態にした状態で穿孔が実施されるようになるため、被カロ ェ物に対する損傷発生を確実に抑制することができ、品質上の信頼性を高めることも できる。
なお、これらの効果は、穿孔装置が、ロール状の被加工物をシート状に繰り出す繰 り出し機構とシート状の被加工物をロール状に巻き取る巻き取り機構とを備えた穿孔 装置である場合に、特に大きいものとなる。
また、パンチ用金型とダイ用金型との間の空隙がシート状の被カ卩ェ物の厚さよりも 大きい状態で穿孔を実施するため、穿孔時には、パンチ用金型自体は昇降する必 要がなくなり、パンチのみが昇降することで足りるため、穿孔を高速化するのが容易と なる。
[0011] (2)上記(1)に記載の穿孔装置においては、前記穿孔機構は、パンチ用金型とダイ 用金型との間の空隙が 0. 10mm— 5. Ommである状態で穿孔を実施することが好ま しい。
ここで、空隙を 0. 10mm以上としたのは、空隙を 0. 10mm未満とすると比較的厚 い被力卩ェ物を穿孔することができなくなる場合が生じるからである。この観点から言え ば、空隙を 0. 20mm以上とすることがより好ましぐ 0. 30mm以上とすることがさらに 好ましレ、。また、空隙を 5. Omm以下としたのは、空隙が 5. Ommを超えるとパンチの 先端部とダイ孔との位置精度を確保するのが容易ではなくなるからであり、また、穿 孔時にパンチの真直度を維持するのが容易ではなくなるからである。この観点から言 えば、空隙を 3. Omm以下とすることがより好ましぐ 2. Omm以下とすることがさらに 好ましい。
[0012] (3)上記(1)又は(2)に記載の穿孔装置においては、前記穿孔機構は、前記パンチ 用金型と前記ダイ用金型との間にガイドピンが介在しない状態で穿孔を実施すること が好ましい。
このように構成することにより、パンチ用金型とダイ用金型との間に大面積の被カロェ 物を載置することが可能になるため、大面積の被加工物に穿孔を実施することができ るよつになる。
[0013] (4)上記(1)一(3)のいずれかに記載の穿孔装置においては、シート状の被加工物 を挟むための上下 2本のロールシャフトを被加工領域の両側のそれぞれに備えたも のであることが好ましい。
このように構成することにより、シート状の被加工物のたわみがさらに効果的に抑制 される。
なお、この効果は、穿孔装置が、ロール状の被力卩ェ物をシート状に繰り出す繰り出 し機構とシート状の被加工物をロール状に巻き取る巻き取り機構を備えた穿孔装置 である場合に、上記した(1)の場合と同様に、特に大きいものとなる。
[0014] (5)本発明の穿孔装置は、シート状の被加工物に穿孔を実施するためのパンチ用金 型及びダイ用金型からなる穿孔用金型を有する穿孔機構と、穿孔装置の穿孔用金 型取り付け部に前記穿孔用金型を位置決め固定するための穿孔用金型位置決め固 定機構とを備えた穿孔装置であって、この穿孔用金型位置決め固定機構は、上下方 向に移動可能な少なくとも 2本の位置決め用ピンを有し、前記穿孔用金型取り付け部 には、前記位置決め用ピンを嵌合するピン位置決め用孔が設けられ、前記ダイ用金
型には、前記位置決め用ピンを揷通可能なピン挿通孔が設けられ、前記パンチ用金 型には、前記位置決め用ピンを嵌合可能なピン嵌合孔が設けられていることを特徴 とする。
[0015] このため、本発明の穿孔装置によれば、位置決め用ピンを上下するだけの簡単な 操作で、パンチ用金型とダイ用金型との位置決め及び穿孔装置の穿孔用金型取り 付け部とダイ用金型との位置決めを高精度に行うことができる。
従って、穿孔装置の穿孔用金型取り付け部と穿孔用金型との位置精度が高まるた め、被カ卩ェ物における穿孔位置の精度を高めることができる。また、パンチ用金型と ダイ用金型との位置精度が高まるため、切片の返りの出ないきれいな穿孔を行うこと ができる。また、専用の穿孔用金型位置調整装置が不要となり穿孔装置の低コスト化 を図ることができるという効果もある。
なお、これらの効果は、穿孔装置が、ロール状の被加工物をシート状に繰り出す繰 り出し機構とシート状の被加工物をロール状に巻き取る巻き取り機構とを備えた穿孔 装置である場合に、上記した(1)又は (4)の場合と同様に、特に大きいものとなる。 また、本発明の穿孔装置における特徴を上記(1)又は (4)に記載の穿孔装置に追 加することにより、さらに優れた穿孔装置となる。
[0016] (6)本発明の穿孔装置は、直角に交わる 2つの方向に移動可能なテーブルを有する テーブル移動機構と、このテーブル移動機構のテーブルに配設され、シート状の被 加工物に穿孔を実施するためのパンチ用金型及びダイ用金型からなる穿孔用金型 を有する穿孔機構とを備えた穿孔装置であって、前記テーブル上には、互いに対向 する 2つの脚部及びこれら 2つの脚部を連結する天井部を有する門型のフレームが 立設され、このフレームの天井部には、前記パンチ用金型が取り付けられていること を特徴とする。
[0017] このため、本発明の穿孔装置によれば、パンチ用金型を取り付けるフレームの剛性 が確実に高められる。
従って、ダイ用金型に対するパンチ用金型の位置精度を高めることができ、穿孔に よる切片の返りの発生を防止することができるとともに、穿孔の高速化に対応すること ができる。
なお、これらの効果は、穿孔装置が、ロール状の被加工物をシート状に繰り出す繰 り出し機構とシート状の被加工物をロール状に巻き取る巻き取り機構とを備えた穿孔 装置である場合に、上記した(1)、(4)又は(5)の場合と同様に、特に大きいものとな る。
また、本発明の穿孔装置における特徴を上記(1)、 (4)又は(5)に記載の穿孔装置 に追加することにより、さらに優れた穿孔装置となる。
[0018] (7)本発明の穿孔装置は、ロール状の被加工物をシート状に繰り出す繰り出し機構 と、シート状の被力卩ェ物をロール状に卷き取る卷き取り機構と、前記繰り出し機構と前 記巻き取り機構との間に配設され、シート状の被カ卩ェ物に穿孔を実施するためのパ ンチ用金型及びダイ用金型からなる穿孔用金型を有する穿孔機構とを備えた穿孔装 置であって、前記繰り出し機構と前記穿孔機構との間及び前記穿孔機構と前記巻き 取り機構との間にそれぞれ配設され、被加工物を弛緩 '緊張させるための昇降ローラ を有する一対のテンション機構とをさらに備えたことを特徴とする。
[0019] このため、本発明の穿孔装置によれば、各テンション機構の昇降ローラの上昇によ つて被カ卩ェ物が弛緩し、また、昇降ローラの下降によって被カ卩ェ物が再度緊張する。 従って、長時間にわたる繰り出し'卷き取り動作によって発生する被カ卩ェ物の蛇行 移動を解消することができ、良好な穿孔力卩ェを実施することができる。
本発明の穿孔装置における特徴を上記(1)、(4)、(5)又は(6)に記載の穿孔装置 に追加することにより、さらに優れた穿孔装置となる。
[0020] (8)本発明の穿孔装置は、直角に交わる 2つの方向に移動可能なテーブルを有する テーブル移動機構と、このテーブル移動機構のテーブルに配設され、シート状の被 加工物に穿孔を実施するためのパンチ用金型及びダイ用金型からなる穿孔用金型 を有する穿孔機構とを備えた穿孔装置であって、前記パンチ用金型及び前記ダイ用 金型のうちいずれか一方の金型には、被加工物側に開口する撮影用の貫通孔が設 けられ、この貫通孔の中心軸上には、被加工物の穿孔位置を読み取るための撮像 素子が配設されてレ、ることを特徴とする。
[0021] このため、本発明の穿孔装置によれば、撮像素子によってパンチ用金型及びダイ 用金型の平面内で穿孔位置の読み取りが可能となる。
従って、撮像素子による穿孔位置の読み取りから穿孔用金型の穿孔位置に到達す るまでの水平移動時間を短縮することができ、穿孔力卩ェの高速化を図ることができる また、撮像素子による穿孔位置の読み取りを被カ卩ェ物に垂直な方向力 行うことが できるため、読み取り精度を高めることができる。
なお、上記した効果は、穿孔装置が、ロール状の被力卩ェ物をシート状に繰り出す繰 り出し機構とシート状の被加工物をロール状に巻き取る巻き取り機構とを備えた穿孔 装置である場合に、特に大きいものとなる。
また、本発明の穿孔装置における特徴を上記(1)、 (4)、(5)、(6)又は(7)に記載 の穿孔装置に追加することにより、さらに優れた穿孔装置となる。
[0022] 上記(8)に記載の穿孔装置においては、前記貫通孔の中心軸は前記いずれか一 方の金型の中心軸に一致してレ、ることが好ましレ、。
このように構成することにより、貫通孔から各パンチまでの水平距離が同一の寸法と なり、撮像素子による穿孔位置の読み取りから各パンチの穿孔位置に到達するまで の水平移動時間を同一の時間に設定することができる。
なお、穿孔目的(例えば、スルーホールを明ける場合)によっては、撮像素子による 穿孔位置の読み取りを行わないこととすることもできる。
[0023] (9)上記(8)に記載の穿孔装置にぉレ、て、前記パンチ用金型及び前記ダイ用金型 のうち前記貫通孔が設けられた金型と異なる金型には、前記貫通孔の中心軸上に位 置し、かつ、被加工物側に開口する収容孔が設けられ、この収容孔には、被加工物 を照明する発光素子が収容されていることが好ましい。
このように構成することにより、発光素子からの照明光が被カ卩ェ物の照明に有効利 用される。そして、被力卩ェ物を透過した光が撮像素子に読み取られることにより穿孔 位置の読み込みが効果的に行われる。
[0024] (10)上記(1)一(9)のいずれかに記載の穿孔装置においては、前記パンチ用金型 は、このパンチ用金型における中心軸を含む仮想平面に沿って配置された複数のパ ンチ揷通孔を有し、前記ダイ用金型は、前記複数のパンチ揷通孔に対応する複数の ダイ孔を有し、前記各パンチ揷通孔に対応する各パンチは、カム軸の回転によって
互いに異なる昇降路内で移動可能に構成されていることが好ましい。
このように構成することにより、カム軸の回動領域を変更することにより、複数のパン チのうちいずれかのパンチを選択して被加工物の穿孔に使用することができる。
[0025] (11)上記(10)に記載の穿孔装置においては、前記パンチ金型は、前記中心軸を 含むとともに前記仮想平面とは異なる仮想平面に沿って配置された別の複数のパン チ揷通孔をさらに有し、前記ダイ用金型は、前記別の複数のパンチ揷通孔に対応す る別の複数のダイ孔を有し、前記パンチ用金型及び前記ダイ用金型は、穿孔装置の 穿孔用金型取り付け部の上面と垂直な仮想基準線の周囲における複数の周方向位 置に着脱可能に取り付けられていることが好ましい。
このように構成することにより、パンチ用金型及びダイ用金型における取付位置を 変更することにより、所望の方向に配列する複数のパンチを選択して被加工物の穿 孔に使用することができる。
[0026] (12)本発明の穿孔用金型は、シート状の被加工物に穿孔を実施するためのパンチ 用金型、ダイ用金型及びこれらパンチ用金型とダイ用金型との位置決めを行うための 少なくとも 2本の位置決め用ピンを有する穿孔用金型であって、前記ダイ用金型には 、前記位置決め用ピンを挿通可能なピン挿通孔が設けられ、前記パンチ用金型には 、前記位置決め用ピンを嵌合可能なピン嵌合孔が設けられていることを特徴とする。
[0027] このため、本発明の穿孔用金型によれば、位置決め用ピンを上下するだけの簡単 な操作で、パンチ用金型とダイ用金型との位置決め及び穿孔装置の穿孔用金型取り 付け部とダイ用金型との位置決めを高精度に行うことができる。
従って、穿孔装置の穿孔用金型取り付け部と穿孔用金型との位置精度が高まるた め、被カ卩ェ物における穿孔位置の精度を高めることができる。また、パンチ用金型と ダイ用金型との位置精度が高まるため、切片の返りの出ないきれいな穿孔を行うこと ができる。また、専用の穿孔用金型位置調整装置が不要となり穿孔装置の低コストィ匕 を図ることができるという効果もある。
[0028] (13)本発明の穿孔方法は、シート状の被加工物に穿孔を実施するためのパンチ用 金型及びダイ用金型からなる穿孔用金型を有する穿孔機構を備えた穿孔装置を用 レ、、前記パンチ用金型と前記ダイ用金型との間に介在するシート状の被加工物に緊
張力を付与した状態で、被加工物に穿孔を実施する穿孔方法であって、前記パンチ 用金型と前記ダイ用金型との間の空隙がシート状の被加工物の厚さよりも大きい状 態で穿孔を実施することを特徴とする。
[0029] このため、本発明の穿孔方法によれば、パンチ用金型とダイ用金型との間に介在 する被加工物に緊張力を付与した状態で穿孔動作を行うため、シート状の被加工物 のたわみが効果的に抑制され、その結果、被加工物に対して正しい角度で穿孔動作 が行われ、パンチが被カ卩ェ物から円滑に抜けるようになる。このため、パンチ用金型 とダイ用金型との間の空隙がシート状の被カ卩ェ物の厚さよりも大きい状態で穿孔を実 施することが可能になる。すなわち、従来必要であったストリッパを不要とすることがで きる。従って、本発明の穿孔方法によれば、穿孔装置の部品点数を削減することがで き、コストの低廉化及び金型構造の簡素化を図ることができる。
また、被力卩ェ物を非押圧状態にした状態で穿孔を実施することになるため、被カロェ 物に対する損傷発生を確実に抑制することができ、品質上の信頼性を高めることもで きる。
なお、これらの効果は、穿孔装置が、シート状の被加工物がロール状の被加工物を シート状に繰り出す繰り出し機構とシート状の被加工物をロール状に卷き取る卷き取 り機構とを備えた穿孔装置である場合に、特に大きいものとなる。
また、パンチ用金型とダイ用金型との間の空隙がシート状の被加工物の厚さよりも 大きい状態で穿孔を実施するため、穿孔時には、パンチ用金型自体は昇降する必 要がなくなり、パンチのみが昇降することで足りるため、穿孔を高速化するのが容易と なる。
[0030] (14)本発明の穿孔用金型の位置決め固定方法は、ピン位置決め用孔を有する穿 孔用金型取り付け部と、シート状の被カ卩ェ物に穿孔を実施するためのピン嵌合孔付 きのパンチ用金型及びピン揷通孔付きのダイ用金型からなる穿孔用金型を有する穿 孔機構とを備えた穿孔装置において、前記穿孔用金型を前記穿孔用金型取り付け 部に位置決め固定する方法であって、位置決め用ピンを前記ピン揷通孔及び前記 ピン嵌合孔に嵌合して穿孔用金型組立体を形成する工程と、前記穿孔用金型組立 体を前記穿孔機構における所定位置に配置する工程と、前記位置決め用ピンを下
降させて前記位置決め用孔に嵌合してから、前記ダイ用金型を前記ダイ用金型側の 穿孔用金型取り付け部に固定するとともに前記パンチ用金型を前記パンチ用金型側 の穿孔用金型取り付け部に固定する工程と、前記位置決め用ピンをさらに下降させ て前記ピン嵌合孔との嵌合を解除して前記穿孔用金型組立体を分解する工程と、を この順序で有することを特徴とする。
[0031] このため、本発明の穿孔用金型の位置決め固定方法によれば、位置決め用ピンを 上下するだけの簡単な操作で、パンチ用金型とダイ用金型との位置決め及びテープ ルとダイ用金型との位置決めを高精度に行うことができる。
従って、テーブルと穿孔用金型との位置精度が高まるため、被カ卩ェ物における穿 孔位置の精度を高めることができる。また、パンチ用金型とダイ用金型との位置精度 が高まるため、切片の返りの出ないきれいな穿孔を行うことができる。また、専用の穿 孔用金型位置調整装置が不要となり穿孔装置の低コスト化を図ることができるという 効果もある。
なお、これらの効果は、穿孔装置が、ロール状の被加工物をシート状に繰り出す繰 り出し機構とシート状の被加工物をロール状に巻き取る巻き取り機構とを備えた穿孔 装置である場合に、特に大きいものとなる。
[0032] (15)上記(14)に記載の穿孔用金型の位置決め固定方法においては、前記穿孔用 金型組立体を形成する工程においては、前記パンチ用金型と前記ダイ用金型との間 に、ピン挿通孔を有し 0· 10mm— 5· Ommの厚さを有するスぺーサを予め介在させ て穿孔用金型組立体を形成し、前記穿孔用金型組立体を分解する工程にぉレ、ては 、前記パンチ用金型と前記ダイ用金型との間に介在する前記スぺーサを取り外すこ とを特徴とする。
このように構成することにより、所定のスぺーサを用いるだけの簡単な方法で、パン チ用金型とダイ用金型との間の空隙の大きさを 0. 10mm— 5. Ommの範囲で極め て高い精度で制御することができる。また、所定の空隙が開くようにパンチ用金型とダ ィ用金型とを分離する必要がなくなるため、パンチ用金型下面とダイ用金型上面との 平行度を極めて高いものにすることができる。さらに、このことから、位置決め用ピンを 上下する際に、位置決め用ピンとピン揷通孔及びピン嵌合孔との間で力^りが発生
するのを防止することができるという効果もある。
また、このことは、ピン揷通孔及びピン嵌合孔の内径と位置決め用ピンの外径との 寸法差を極めて小さい寸法に設定することができることを意味する。これにより、パン チ用金型とダイ用金型との相対的な水平方向の位置精度を高めることができ、穿孔 による切片の返りの発生の防止及び穿孔の高速化に効果がある。
図面の簡単な説明
[0033] [図 1]実施形態に係る穿孔装置を示す正面図。
[図 2]実施形態に係る穿孔装置を示す平面図。
[図 3]図 2の A— A断面図。
[図 4]実施形態に係る穿孔装置の穿孔機構を示す斜視図。
[図 5]図 4の局部断面図。
[図 6]実施形態に係る穿孔装置の穿孔機構を示す側面図。
[図 7]実施形態に係る穿孔装置の穿孔機構を示す平面図。
[図 8]図 7の B— B断面図。
[図 9]図 8の A部を拡大して示す断面図。
[図 10]実施形態に係る穿孔用金型を示す斜視図。
[図 11]実施形態に係る穿孔用金型を示す図。
[図 12]実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法を説明するために示すフロ ^— ^5 "ャ "—
[図 13]実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法を実施するために用いるス ぺーサを示す平面図。
[図 14]従来の穿孔装置を示す断面図。
発明を実施するための最良の形態
[0034] 以下、本発明の穿孔装置、穿孔用金型、穿孔方法及び穿孔用金型の位置決め固 定方法にっレ、て、図に示す実施の形態に基づレ、て説明する。
[0035] まず、実施形態に係る穿孔装置、穿孔用金型及び穿孔方法について、図 1一図 11 を用いて説明する。図 1は、実施形態に係る穿孔装置を示す正面図である。図 2は、 実施形態に係る穿孔装置を示す平面図である。図 3は、図 2の A— A断面図である。
図 4は、実施形態に係る穿孔装置の穿孔機構を示す斜視図である。図 5は、図 4の局 部断面図である。図 6は、実施形態に係る穿孔装置の穿孔機構を示す側面図である 。図 7は、実施形態に係る穿孔装置の穿孔機構を示す平面図である。図 8は、図 7の B—B断面図である。図 9は、図 8の A部を拡大して示す断面図である。図 10は、実施 形態に係る穿孔用金型を示す斜視図である。図 11は、実施形態に係る穿孔用金型 を示す図である。図 11 (a)は平面図であり、図 11 (b)は図 11 (a)の C—C断面図(伹 し、図 11 (b)においては、側面から見える部分は省略して、正面から見える部分のみ をつないで表示してある。)である。
[0036] なお、以下の説明においては、互いに直交する 3つの方向をそれぞれ X軸方向(図 1における紙面に平行で左右方向) Y軸方向(図 1における紙面に垂直な方向)及び Z軸方向(図 1における紙面に平行かつ X軸に直交する方向)とする。
[0037] 穿孔装置 100は、図 1一図 3に示すように、各種の機構 (後述する。)を搭載'固定 するための装置本体 200と、ロール状の被加工物 Wをシート状に繰り出すための繰り 出し機構 300と、この繰り出し機構 300から繰り出されたシート状の被加工物 Wを穿 孔後に巻き取るための卷き取り機構 400と、この卷き取り機構 400と繰り出し機構 30 0との間の被加工物 Wを緊張 '弛緩するための一対のテンション機構 500, 600と、こ れら一対のテンション機構 500, 600間に介在するテーブル移動機構 700と、このテ 一ブル移動機構 700によって移動し被力卩ェ物 Wに穿孔を実施するための穿孔機構 800と、この穿孔機構 800の穿孔用金型をテーブル上に位置決め固定するための穿 孔用金型位置決め固定機構 900とを備えている。
[0038] 装置本体 200は、平面略矩形状の機台によって構成されている。装置本体 200の 背面側には、各機構等を設定プログラムによって駆動制御するコントローラ(図示せ ず。)を内蔵するコントローラボックス 210が配設されている。装置本体 200の X軸方 向(左右方向)両側部には、垂直部 220A, 230A及び水平部 220B, 230Bを有す る略 L字状の立ち上がり壁 220, 230が立設されている。また、装置本体 200の X軸 方向両側部には、各立ち上がり壁 220, 230の後方に位置するローラ支持台 240, 2 50がそれぞれ立設されてレ、る。
[0039] 立ち上がり壁 220, 230には、所定の曲率をもち、厚手の被加工物 Wを案内するガ
イド面 221 , 231力 S設けられてレヽる。立ち上力 Sり壁 220, 230の垂直部 220A, 230A には、被加工物 Wを把持可能な移動型のクランパ 222、固定型のクランパ 232がそ れぞれ配設されている。立ち上がり壁 230の水平部 230Bには、被加工物 Wを把持 可能な固定型のクランパ 233が配設されている。
[0040] 穿孔機構 800の上流側 (繰り出し機構 300側)には、図 4一図 7に示すように、被カロ ェ物 Wを挟むための上下 2本のロールシャフト 742, 744力設けられ、穿孔機構 800 の下流側(卷き取り機構 400側)には、被力卩ェ物 Wを挟むための上下 2本のロールシ ャフト 752, 754力 S設けられてレヽる。被カロェ物 Wは、下方のローノレシャフト 742, 752 上にセットされ、この被加工物 W上に上方のロールシャフト 744, 754が設置される。 これによつて、被力卩ェ物 Wは、上方のロールシャフト 744, 754の自重により、これら のローノレシャフト
これら 4つのローノレシャフト 742, 744, 752, 75 4はボールベアリングにより回転自在になっており、被加工物 Wの移動の妨げになら ないようになっている。
[0041] 繰り出し機構 300は、図 1一図 3に示すように、繰り出しローラ 310及びガイドローラ 320, 321を有してレヽる。
繰り出しローラ 310は、ローラ支持台 240の上方端部に回転自在に支承されている 。そして、トルクモータ 330の駆動による回転によってロール状の被力卩ェ物 Wをシート 状に繰り出すように構成されてレ、る。
ガイドローラ 320, 321は、 X軸方向に所定の間隔をもって並設されている。そして、 左方のガイドローラ 320にあっては厚手又は薄手の被加工物を案内するように構成 され、右方のガイドローラ 321にあっては薄手の被力卩ェ物を案内するように構成され ている。
[0042] 卷き取り機構 400は、卷き取りローラ 410及びガイドローラ 420, 421を有してレヽる。
卷き取りローラ 410は、ローラ支持台 250の上方端部に回転自在に支承されている
。そして、トルクモータ 430の駆動による回転によってシート状の被力卩ェ物 Wをロール 状に卷き取るように構成されてレ、る。
ガイドローラ 420, 421は、 X軸方向に所定の間隔をもって並設されている。そして、 左方のガイドローラ 420にあっては薄手の被力卩ェ物を案内するように構成され、右方
のガイドローラ 421にあっては厚手又は薄手の被加工物を案内するように構成されて いる。
[0043] テンション機構 500, 600のうち左方のテンション機構 500は、昇降ローラ 510を有 し、繰り出し機構 300の下方に配設され、かつ、装置本体 200の左側部に設置され ている。昇降ローラ 510は、ローラ軸 510Aが昇降ガイド 530にスライダ 540を介して 回転'昇降自在に軸支されている。そして、シリンダ 520の駆動による上昇によって被 加工物 Wを弛緩させ、また自重による下降によって緊張させるようにそれぞれ構成さ れている。
[0044] 右方のテンション機構 600は、昇降ローラ 610を有し、卷き取り機構 400の下方に 配設され、かつ、装置本体 200の右側部に設置されている。昇降ローラ 610は、ロー ラ軸 610Aが昇降ガイド 630にスライダ 640を介して回転 ·昇降自在に軸支されてい る。そして、シリンダ 620の駆動による上昇によって被力卩ェ物 Wを弛緩させ、また自重 による下降によって緊張させるようにそれぞれ構成されてレ、る。
[0045] テーブル移動機構 700は、図 3に示すように、第 1テーブル移動機構 710及び第 2 テーブル移動機構 720を備えている。
第 1テーブル移動機構 710は、スクリューシャフト 711及びテーブル 712を有してい る。スクリューシャフト 711は、水平横方向(X軸方向)に延在し、装置本体 200の上 面幅方向中央部に回転自在に軸支されている。そして、サーボモータ 713の駆動に よって回転し得るように構成されている。テーブル 712は、装置本体 200上及びスクリ ユーシャフト 711上に進退自在に保持され、サーボモータ 713の駆動によるスクリュ 一シャフト 711の回転によって X軸方向に進退し得るように構成されている。
[0046] 第 2テーブル移動機構 720は、スクリューシャフト 721及びテーブル 722を有してい る。スクリューシャフト 721は、水平縦方向(Y軸方向)に延在し、テーブル 712の上面 に回転自在に軸支されている。そして、サーボモータ 723 (図 2参照。)の駆動によつ て回転し得るように構成されている。テーブル 722は、穿孔用金型位置決め固定機 構 900の位置決め用ピン (後述する。)に嵌合する位置決め用孔(図示せず。)を有し 、テーブル 712上及びスクリューシャフト 721上に進退自在に保持されている。そして 、サーボモータ 723の駆動によるスクリューシャフト 721の回転によって Y軸方向に進
退し得るように構成されている。テーブル 722の卷き取り機構 400側には、被加工物 Wを把持して繰り出し機構 300側から卷き取り機構 400側に供給する固定型のクラン パ 730が配設されている。
[0047] テーブル 722の上面中央部には、図 4一図 7に示すように、互いに対向する 2つの 脚部 724A, 724B及びこれら 2つの脚部 724A, 724Bを連結する天井部 724Cを 有する門型(コ字状)のフレーム 724が立設されている。
なお、 2つの脚部 724A, 724B間の寸法は、被力卩ェ物 Wの幅方向寸法より大きい 寸法に設定されている。
[0048] ここでは図示しなレ、が、穿孔用金型取り付け部は、パンチ用金型取り付け部とダイ 用金型取り付け部とを有している。パンチ用金型取り付け部はフレーム 724に設けら れ、ダイ用金型取り付け部はテーブル 722に設けられている。
[0049] 穿孔機構 800は、穿孔用金型 810を有し、第 2テーブル移動機構 720のテーブル 722に配設されている。
穿孔用金型 810は、パンチ用金型 820及びダイ用金型 830からなり、被加工物 W に対して穿孔を実施するように構成されてレ、る。
[0050] パンチ用金型 820は、図 11に示すように、ベース 821、プレート取付用ブロック 822 及びパンチプレート 823を有し、全体が段状 (鍔部付き)のブロック体によって形成さ れている。そして、フレーム 724の天井部 724Cにチャック部材 910 (図 5参照。)を介 して取り付けられている。パンチ用金型 820の中央部には、被加工物側に開口する 段状の収容孔 820Aが設けられている。収容孔 820Aには、被加工物 Wを照明する 発光素子 840 (図 8及び図 9に図示)が収容されている。これにより、発光素子 840か らの照明光が被力卩ェ物 Wの照明に有効に利用される。
[0051] パンチ用金型 820の中央部付近には、収容孔 820Aの中心軸を含む仮想平面に 沿って配置された 2つの第 1パンチ揷通孔 820B, 820C及び収容孔 820Aの中心軸 を含み上記した仮想平面に直交する別の仮想平面に沿って配置された 2つの第 2パ ンチ揷通孔 820D, 820E力 S設けられてレ、る。第 1パンチ揷通孔 820B, 820Cには、 図 9及び図 10に示すように、 1組のパンチ 850, 851が揷通されている。また、第 2パ ンチ揷通孔 820D, 820Eにおいても第 1パンチ揷通孔 820B, 820Cと同様に、 1組
のパンチ(図示せず。)が挿通されている。パンチ用金型 820の角部(互いに対向す る角部)には、第 1パンチ揷通孔 820B, 820C及び第 2パンチ挿通孔 820D, 820E の外周部であって、互いに等間隔(180° )をもって周方向に並列する 2つのピン嵌 合? L820F, 820G力 S設けられてレヽる。
[0052] パンチ 850, 851は、図 8 図 10に示すように、サーボモータ 860によって回転す るカムシャフト 870に対し、ローラシャフト 871 , 872等を介して連結されている。そし て、各パンチ 850, 851がサーボモータ 860の駆動によるカムシャフト 870の回転に よって互いに異なる昇降路内で移動可能に構成されている。このため、カムシャフト 8 60の回動領域を変更することにより、ノ ンチ 850, 851のうちいずれかのパンチ(本 実施形態ではパンチ 850)を選択して被力卩ェ物 Wの穿孔に使用することができる。サ ーボモータ 860及びカムシャフト 870は、フレーム 724の天井部 724Cに配設されて いる。
[0053] なお、ノ ンチ 850, 851が同一径のパンチである場合には、例えば、同一径の穿孔 実施時にパンチ 850が破損すると、パンチ 850に代えてパンチ 851を使用することが でき、パンチ 850の取り付け ·取り外し交換が不要になる。
また、パンチ 850, 851が互いに異なる径のパンチ(例えば、スルーホール孔明け 用のパンチとガイド孔明け用のパンチ)である場合には、互いに異なる径の穿孔を実 施することができ、孔明け対象の変更によるパンチ 850, 851の取り付け '取り外し交 換が不要になる。
[0054] ダイ用金型 830は、図 11 (b)に示すように、プレート取付用ブロック 831及びダイプ レート 832を有し、全体が段状 (鍔部付き)のブロック体によって形成されている。そし て、パンチ用金型 820の下方に配置され、かつ、テープノレ 722にチャック部材 911 ( 図 5参照。)を介して取り付けられている。また、ダイ用金型 830は、パンチ用金型 82 0と共に、中心軸 aの周囲における 2つの周方向位置に着脱可能に取り付けられてい る。このため、ダイ用金型 830及びパンチ用金型 820における取付位置を変更するこ とにより、 2組のパンチのうち 1組のパンチ 850, 851を選択して被加工物 Wの穿孔に 使用すること力 Sできる。
なお、パンチ用金型及びダイ用金型の形状を六角形又は八角形にすることにより、
パンチ用金型 1個に対して 3組又は 4組のパンチを設けることも可能になる。
[0055] ダイ用金型 830の中央部には、図 11 (b)に示すように、収容孔 820Aの中心軸 a上 に位置し、かつ、被加工物 W側に開口する撮影用の貫通孔 830Aが設けられている 。ダイ用金型 830の角部には、ピン嵌合孔 820F, 820Gにそれぞれ対応し、かつ、 互いに等間隔(180° )をもって周方向に並列するピン揷通孔 830B, 830Cが設け られている。
[0056] ダイ用金型 830 (ダイプレート 832)には、第 1パンチ揷通孔 820B、 820C及び第 2 パンチ揷通孔 820D, 820Eに対応するダイ孔(図示せず。)が設けられている。ダイ 用金型 830における貫通孔 830Aの中心軸 a上には、被力卩ェ物 Wの穿孔位置を読 み取るための撮像素子 880 (図 8に図示)が配設されている。これにより、撮像素子 8 80 (貫通孔 830A)から各パンチ 850, 851までの水平距離が同一の寸法となるため 、撮像素子 880による穿孔位置の読み取りから各パンチ 850, 851 (穿孔用金型 810 )の穿孔位置に到達するまでの水平移動時間を同一の時間に設定することができる また、発光素子 840による照明光力 被加工物 Wを透過して撮像素子 880に読み 取られることにより、穿孔位置の読み込みが効果的に行われる。
[0057] 穿孔用金型位置決め固定機構 900は、図 5、図 10及び図 11 (b)に示すように、チ ャック部材 910, 911及び位置決め用ピン 920, 921を有している。そして、穿孔用金 型 810による穿孔実施状態において、パンチ用金型 820及びダイ用金型 830との間 に、被加工物 Wの厚さより大きい上下方向寸法をもつ空隙 Gを形成するように構成さ れている
なお、空隙 Gの上下方向寸法は、例えば、被加工物 Wの厚さが 0. 10mmのときに は、 0. 40mmとする。また、パンチ 850, 851の直径は、穿孔対象によっても異なる 力 例えば、 0. 10mm 5. Ommとする。
[0058] チャック部材 910はフレーム 724の天井部 724Cに取り付けられ、チャック部材 911 はテーブル 722の幅方向中央部に取り付けられている。そして、チャック部材 910に よってパンチ用金型 820をフレーム 724の天井部 724Cに固定し、チャック部材 911 によってダイ用金型 830をテーブル 722の幅方向中央部(パンチ用金型 820の下方
)に固定するように構成されている。
[0059] 位置決め用ピン 920, 921は、図 10及び図 11に示すように、パンチ用金型 820の ピン嵌合孔 820F, 820Gに対して嵌合可能な、またダイ用金型 830のピン揷通孔 83 OB, 830Cに対して揷通可能な、さらにはテーブル 722に設けられた位置決め用孔( 図示せず。)に対して嵌合する円柱体によって形成されている。位置決め用ピン 920 , 921の下端部には、ピン径方向に貫通し、かつ、ピン操作子 930, 931の偏心軸 9 30A, 931Aが揷通する長孔 920A, 921Aがそれぞれ設けられている。そして、位 置決め用ピン 920, 921がピン操作子 930, 931の回転操作によって上下方向にそ れぞれ移動するように構成されてレヽる。
[0060] このように構成された穿孔装置 100を用いて被力卩ェ物 Wに穿孔を実施するには、 次に示すようにして行う。
[0061] まず、パンチ用金型 820 (パンチプレート 823)とダイ用金型 830 (ダイプレート 832 )との間に被加工物 Wを介在させる。この場合、パンチ用金型 820とダイ用金型 830 との間には、穿孔用金型位置決め固定機構 900によって被加工物 Wの厚さより大き い寸法に設定された空隙 G (図 11に図示)が形成されている。
[0062] 次いで、繰り出し機構 300、卷き取り機構 400及びテーブル移動機構 700 (第 1テ 一ブル移動機構 710)を同期して駆動し、被加工物 Wを繰り出し側から卷き取り側に 定量供給する。このとき、被力卩ェ物 Wには固定型のクランパ 730による把持力が付与 され、移動型のクランパ 222及び固定型のクランパ 232, 233による把持力は解除さ れている。
[0063] その後、移動型のクランパ 222が繰り出し側から卷き取り側に往動し、この往動位置 で被力卩ェ物 Wに把持力を付与するとともに、固定型のクランパ 232が把持力を付与 して力 、固定型のクランパ 730による把持力を解除する。
固定型のクランパ 730による把持力が解除されると、移動型のクランパ 222が把持 力を付与したまま卷き取り側から繰り出し側に復動する。これにより、被加工物 Wには 移動型のクランパ 222及び固定型のクランパ 232による緊張力が付与される。このた め、パンチ用金型 820とダイ用金型 830との間に介在するシート状の被力卩ェ物 Wに おけるたわみが抑制された状態になっている。
[0064] この際、シート状の被力卩ェ物 Wは、上方のロールシャフト 744, 754と下方のローノレ シャフト 742, 752との間に挟まれているため、たわみがさらに効果的に抑制された状 態になっている。
[0065] そして、撮像素子 880によって被力卩ェ物 Wの基準マーク(穿孔位置を読み取るため の表示マーク)が検出されると、第 1テーブル移動機構 710の駆動によって穿孔用金 型 810 (パンチ用金型 820及びダイ用金型 830)を穿孔領域に移送する。
[0066] そして、テーブル移動機構 700の駆動によって直角に交わる 2つの水平方向に沿 つて穿孔用金型 810を移動させ、カムシャフト 870の回転によるパンチ 850の昇降に よって被力卩ェ物 Wに穿孔を実施する。この場合、カムシャフト 870の回動領域を変更 することにより、パンチ 850に代えてパンチ 851を被力卩ェ物 Wの穿孔に使用すること ができる。
このようにして、被力卩ェ物 Wに穿孔が実施される。
[0067] なお、長時間にわたる穿孔 (繰り出し'卷き取り動作)によって発生する被加工物 W の蛇行移動を解消するために、テンション機構 500, 600の昇降ローラ 510, 610を 適宜上昇させて被力卩ェ物 Wに対する緊張力を解除することが好ましい。
[0068] 以上より、実施形態に係る穿孔装置 100、穿孔用金型 810及び穿孔方法は、以下 の (A)— (E)に示すような効果を得ることができる。
[0069] (A)パンチ用金型 820とダイ用金型 830との間に介在する被力卩ェ物 Wに緊張力が 付与された状態で穿孔動作が行われるため、シート状の被加工物 Wのたわみが効果 的に抑制され、その結果、被加工物 Wに対して正しい角度で穿孔動作が行われ、パ ンチが被力卩ェ物 Wから円滑に抜けるようになる。このため、パンチ用金型 820とダイ 用金型 830との間の空隙 Gがシート状の被力卩ェ物 Wの厚さよりも大きい状態で穿孔 を実施することが可能になる。すなわち、従来必要であったストリッパを不要とすること ができるようになる。従って、部品点数を削減することができ、コストの低廉化及び金 型構造の簡素化を図ることができる。
また、被力卩ェ物 Wを非押圧状態にした状態で穿孔が実施されるようになるため、被 加工物 Wに対する損傷発生を確実に抑制することができ、品質上の信頼性を高める こともできる。
また、パンチ用金型 820とダイ用金型 830との間の空隙 Gがシート状の被加工物 W の厚さよりも大きい状態で穿孔を実施するため、穿孔時には、パンチ用金型 820自 体は昇降する必要がなくなり、パンチ 850, 851のみが昇降することで足りるため、穿 孔を高速化するのが容易となる。
[0070] (B)フレーム 724が、互いに対向する 2つの脚部 724A, 724B及びこれら 2つの脚 部 724A, 724Bを連結する天井部 724Cを有する門型のフレームであるので、パン チ用金型 820を取り付けるフレーム 724の剛性が確実に高められる。
このため、ダイ用金型 830に対するパンチ用金型 820の位置精度を高めることがで き、穿孔による切片の返りの発生を防止することができるとともに、穿孔の高速化に対 応すること力 Sできる。
[0071] (C)被加工物 Wを弛緩.緊張させるための昇降ローラ 510, 610を有する一対のテン シヨン機構 500, 600を備えたので、各テンション機構 500, 600の昇降ローラ 510, 610の上昇によって被加工物 Wが弛緩し、また、下降によって被力卩ェ物 Wが再度緊 張する。
このため、長時間にわたる繰り出し'卷き取り動作によって発生する被加工物の蛇 行移動を解消することができ、良好な穿孔力卩ェを実施することができる。
[0072] (D)被力卩ェ物 Wの穿孔位置を読み取るための撮像素子 880が貫通孔 830Aの中心 軸 a上に配設されているので、撮像素子 880によってパンチ用金型 820及びダイ用 金型 830の平面内で穿孔位置の読み取りが可能となる。
このため、撮像素子 880による穿孔位置の読み取りから穿孔用金型 810の穿孔位 置に到達するまでの水平移動時間を短縮することができ、穿孔加工の高速化を図る こと力 Sできる。
また、撮像素子 880による穿孔位置の読み取りを被力卩ェ物 Wに垂直な方向から行 うことができるため、読み取り精度を高めることができる。
[0073] (E)穿孔用金型位置決め固定機構 900は、上下方向に移動可能な 2本の位置決め 用ピン 920, 921を有し、穿孔用金型取り付け部には、位置決め用ピン 920, 921を 嵌合するピン位置決め用孔が設けられ、ダイ用金型 830には、位置決め用ピン 920 , 921を揷通可能なピン揷通孔 830B, 830C力 S設けられ、パンチ用金型 820には、
位置決め用ピン 920, 921を嵌合可能なピン嵌合孔 820F, 820Gが設けられている このため、位置決め用ピン 920, 921を上下するだけの簡単な操作で、パンチ用金 型 820とダイ用金型 830との位置決め及び穿孔装置 800の穿孔用金型取り付け部と ダイ用金型 830との位置決めを高精度に行うことができる。
従って、穿孔装置 800の穿孔用金型取り付け部と穿孔用金型 810との位置精度が 高まるため、被力卩ェ物 Wにおける穿孔位置の精度を高めることができる。また、パン チ用金型 820とダイ用金型 830との位置精度が高まるため、切片の返りの出ないき れいな穿孔を行うことができる。また、専用の穿孔用金型位置調整装置が不要となり 穿孔装置の低コストィ匕を図ることができるという効果もある。
[0074] 次に、実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法について、図 5及び図 10 一図 13を用いて説明する。図 12は、実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方 法を説明するために示すフロートチャートである。図 13は、実施形態に係る穿孔用金 型の位置決め固定方法を実施するために用いるスぺーサを示す平面図である。 実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法は、「穿孔用金型組立体の形成 工程」、「穿孔用金型組立体の配置工程」、「パンチ用金型'ダイ用金型の取り付けェ 程」及び「穿孔用金型組立体の分解工程」が順次実施されるため、これら各工程を順 次説明する。
[0075] なお、実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法に用いる位置決め用ピン 9 20, 921は、穿孔用金型組立体の形成前においてはダイ用金型 830のピン挿通孔 8 30B, 830Cに嵌合し、その上方端部がダイ用金型 830の上方に露呈されているも のとする。
[0076] 1.穿孔用金型組立体の形成工程
まず、予め空隙 G (図 11に図示)の上下方向寸法 (例えば 400 μ m)より少し小さレ、 寸法に設定された厚さ(例えば 395 μ m)をもつスぺーサ P (図 13に図示)を、パンチ 用金型 820 (パンチプレート 823)とダイ用金型 830 (ダイプレート 832)との間に介在 させて穿孔用金型組立体を形成する(図 12のステップ Sl)。このとき、位置決め用ピ ン 920, 921をピン揷通孔 P , Pに揷通させてダイプレート 832上にスぺーサ Pを載
置し、さらに位置決め用ピン 920, 921をピン嵌合孔 820F, 820Gに嵌合してスぺー サ P上にパンチ用金型 820を載置することにより、穿孔用金型組立体が形成される。
[0077] 2.穿孔用金型組立体の配置工程
次に、「穿孔用金型組立体の形成工程」で形成された穿孔用金型組立体を、穿孔 機構 800 (図 5に図示)における上下の取付位置 (互いに平行な取付面)間に介在さ せる(図 12のステップ S2)。
[0078] 3.パンチ用金型 ·ダイ用金型の取り付け工程
次に、ピン操作子 930, 931 (図 10に図示)を回動操作することにより、位置決め用 ピン 920, 921を、下方に移動させてテーブル 722の位置決め用孔(図示せず。)に 嵌合させる。これにより、ダイ用金型 830のテーブル 722に対する位置決めを精度良 く行うこと力 Sできる。このとき、位置決め用ピン 920, 921は、スぺーサ Pのピン揷通孔 P, Pを揷通し、パンチ用金型 820のピン嵌合孔 820F, 820Gに嵌合したままであ
1 2
る。
[0079] 次に、穿孔用金型位置決め固定機構 900のチャック部材 911によって穿孔機構 80 0の下方取付位置にダイ用金型 830を取り付ける。この場合、ダイ用金型 830の取り 付けが位置決め用ピン 920, 921によってダイ用金型 830を位置決めして行われる ため、その取付精度が高められる。
次に、穿孔機構 800の上方取付位置にパンチ用金型 820を位置決めしてから、穿 孔用金型位置決め固定機構 900のチャック部材 910によってパンチ用金型 820を取 り付ける(図 12のステップ S3)。
[0080] 4.穿孔用金型組立体の分解工程
その後、ピン操作子 930, 931を回動操作することにより、位置決め用ピン 920, 92 1をさらに下方に移動させてピン嵌合孔 820F, 820Gとの嵌合を解除するとともにパ ンチ用金型 820とダイ用金型 830との間のスぺーサ Pを除去する(図 12のステップ S 4)。これにより、穿孔用金型組立体が分解される。このとき、位置決め用ピン 920, 9 21の上方端部は、ダイ用金型 830のピン揷通孔 830B, 830C内に収容された状態 にある。
スぺーサ pが除去されると、パンチ用金型 820 (パンチプレート 823)とダイ用金型 8
30 (ダイプレート 832)との間には、高精度かつ高平行度に設定された空隙 Gが形成 される。
このようにして、穿孔用金型 810が穿孔機構 800に対して位置決め固定される。
[0081] 以上のように、実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法によれば、位置決 め用ピン 920, 921を上下するだけの簡単な操作で、パンチ用金型 820とダイ用金 型 830との位置決め及びテーブル 722とダイ用金型 830との位置決めを高精度に行 うことができる。
このため、テーブル 722と穿孔用金型 810との位置精度が高まるため、被加工物 W における穿孔位置の精度を高めることができる。また、パンチ用金型 820とダイ用金 型 830との位置精度が高まるため、切片の返りの出ないきれいな穿孔を行うことがで きる。また、専用の穿孔用金型位置調整装置が不要となり穿孔装置の低コスト化を図 ること力 Sできるとレ、う効果もある。
[0082] また、実施形態に係る穿孔用金型の位置決め固定方法においては、穿孔用金型 組立体の形成工程においては、パンチ用金型 820とダイ用金型 830との間に、ピン 挿通孔 P , Pを有し 0· 10mm— 5· Ommの厚さを有するスぺーサ Pを予め介在させ
1 2
て穿孔用金型組立体を形成し、穿孔用金型組立体の分解工程においては、パンチ 用金型 820とダイ用金型 830との間に介在するスぺーサ Pを取り外すように構成され ている。
[0083] これにより、所定のスぺーサ Pを用いるだけの簡単な方法で、パンチ用金型 820と ダイ用金型 830との間の空隙の大きさを 0. 10mm— 5. Ommの範囲で極めて高い 精度で制御することができる。また、所定の空隙が開くようにパンチ用金型 820とダイ 用金型 830とを分離する必要がなくなるため、パンチ用金型 820の下面とダイ用金型 830の上面との平行度を極めて高いものにすることができる。さらに、このこと力 、位 置決め用ピン 920, 921を上下する際に、位置決め用ピン 920, 921とピン揷通孔 8 30B, 830C及びピン嵌合孔 820F, 820Gとの間でかじりが発生するのを防止するこ とができるという効果もある。
[0084] また、このことは、ピン揷通孔 830B, 830C及びピン嵌合孔 820F, 820Gの内径と 位置決め用ピン 920, 921の外径との寸法差を極めて小さい寸法に設定することが
できることを意味する。これにより、パンチ用金型 820とダイ用金型 830との相対的な 水平方向の位置精度を高めることができ、穿孔による切片の返りの発生の防止及び 穿孔の高速化に効果がある。
[0085] 以上、本発明の穿孔装置、穿孔用金型、穿孔方法及び穿孔用金型の位置決め固 定方法について上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態 に限られるものではなぐその要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において 実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[0086] (1)上記の実施形態においては、ロール状からシート状に繰り出された被カ卩ェ物に 対して穿孔を実施する穿孔装置に適用する場合について説明したが、本発明はこれ に限定されず、短冊状の被カ卩ェ物に対して穿孔を実施する穿孔装置にも同様に適 用すること力 Sできる。
[0087] (2)上記の実施形態においては、被カ卩ェ物に対して穿孔用金型が移動する方式の 穿孔装置に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、穿孔用 金型に対して被カ卩ェ物が移動する方式の穿孔装置にも同様に適用することができる 符号の説明
[0088] 100…穿孔装置、 200…装置本体、 222…移動型のクランパ、 232, 233…固定型 のクランパ、 300…繰り出し機構、 400…卷き取り機構、 500…テンション機構、 510 …昇降ローラ、 600…テンション機構、 610…昇降ローラ、 700…テープノレ移動機構 、 710…第 1テーブル移動機構、 720…第 2テーブル移動機構、 712, 722…テープ ノレ、 724. · -フレーム、 724A, 724Β· . ·)ί却音 ^ 724C. - -天井き、 730· . ·固定型のクラン ノヽ。、 742, 744, 752, 754…ローノレシャフト、 800…穿孑し機構、 810…穿孑し用金型、 820…ノ、°ンチ用金型、 820Α…収容?し、 820F, 820G…ピン嵌合?し、 830…ダイ用 金型、 830Α…貫通孑し、 830Β, 830C…ピン挿通孑し、 840…発光素子、 850, 851 …パンチ、 870…カムシャフト、 880…撮像素子、 900…穿孔用金型位置決め固定 機構、 910, 911…チャック部材、 920, 921…位置決め用ピン、 a…中心軸、 P…ス ぺーサ、 P , P…ピン揷通孔、 W…被力卩ェ物