JP3663367B2 - 可撓性を有するワークの穿孔装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有するワークの穿孔装置、例えばフレキシブル基板等の穿孔装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、フレキシブル基板等の可撓性を有するワークの穿孔装置は、可撓性を有するため、ワークホルダと呼称される平面視枠状の治具に着脱可能に保持されて、穿孔機に搬入され、そこでそのワークホルダがX・Y軸線方向に制御動されて所要の穿孔加工が行われるA者、そのワークホルダを位置決め手段で位置決めし、そのワークホルダに対して穿孔機がX・Y軸線方向に制御動して所要の穿孔加工が行われるB者が存在する。
【0003】
前記するA者、B者は、ワークホルダにフレキシブル基板等を保持するに際して、専らワークホルダの上面四周にテープを貼着し、そのテープでフレキシブル基板等を保持しており、そのテープは10mm程度幅のものをワークホルダの構成枠部4辺または対向する構成枠部2辺にフレキシブル基板に跨って貼着される。
そのため、フレキシブル基板、ワークホルダ両者に対する貼着面積が共に小さくなることからフレキシブル基板を保持するために、比較的大きな強度でテープを貼着する必要があり、他の工程に移行する前のテープの剥離作業が非常に面倒であり、剥離する際に時としてワークホルダを擦る作業を強いりワークホルダを痛めたり、フレキシブル基板の貼着面を傷つける問題があり、特殊な剥離機を必要としてしまう。
【0004】
更に、前記のようにワークホルダをワークの受け体として使用する前記する各種穿孔装置の他に、剛性を有する交換可能な硬材製のテーブルにワークを着脱可能に載承支持し、その各テーブルにおいてワークのターゲットマークと対応する位置にターゲットマークよりも一回り大きなダイ位置決め孔を穿設し、そのテーブル上面にターゲットマークをそのダイ位置決め孔に一致させてワークを着脱可能に載承支持し、穿孔機を、そのパンチが各ターゲットマーク真上に位置するように制御動させた後、ダイを上昇させてそのダイ位置決め孔内に挿入してからパンチを打動してターゲットマークに穿孔加工を行う穿孔装置が存在する(C号)。
このC号は、硬材製のテーブルをワークの受け体として使用するものである。
【0005】
しかしながら、前記C号では、ターゲットマークの配設パターン毎に一致する位置にダイ位置決め孔を開孔した多種類の硬材製のテーブルを交換可能に製作用意しておく必要がありストック場所を広く占有する。また、そのダイ位置決め孔をボール盤等の特殊な加工機で穿孔加工しなければならず、多大な手間を要する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、取り扱いが容易な可撓性部材(テープ、シート)を、ワークを載承するテーブルとして有効活用することによって、ワークの支持を簡略化して、可撓性を有するワークに穿孔加工する穿孔装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために講じた技術的手段は、穿孔機の作業エリアに可撓性を有するテープまたはシートを緊張状水平に配置してワークテーブルを構成すると共に、該ワークテーブルを挟んで上下にパンチ、ダイを有する穿孔機を可動状に配置し、ワークテーブルにワークのターゲットマークに対応して該ターゲットマークよりも一回り大きな開孔面積を有するダイ位置決め孔を開孔したダイ位置決めパターンを配設すると共に、前記ダイ位置決め孔上にターゲットマークを位置させてワークを前記ワークテーブルに着脱可能に載承支持してなり、ワークのそのターゲットマーク上にパンチが位置するように穿孔機を制御動させた後、ダイを前記ダイ位置決め孔に挿入してワークの下面に当接もしくは接近するように上昇させてから、各ターゲットマークを穿孔加工することを特徴とするものである(請求項1)。
前記可撓性を有するテープの場合には、幅方向に少なくとも一枚のワークを着脱可能に載承支持する幅寸法を有するものである。
また、可撓性を有するシートは、ワークを複数枚着脱可能に載承支持可能な面積に形成されている。
そして、このテープ、シートは、ワークに施されたターゲットマーク(穿孔加工位置)に相当する個所にターゲットマークの穿孔加工時にパンチを挿通する孔を予め開孔しておくものである。
このワークの載承支持方式は、その可撓性を有するテープまたはテープからなるワークテーブルの剛性がワークの重量を受圧することから、少なくともワーク両端部を剥離容易なラミネートフィルムで貼着したり、そのワークテーブルの上下から磁性帯体と、その磁性帯体に吸着される金属帯板とでワークの両端部を挟んで挟持する。等方法でワークの載承支持状態を保持することができる。
【0008】
以上の手段では、テープをワークのターゲットマークに対応してそのターゲットマークよりも一回り大きな面積を有するダイ位置決め孔必要個からなるダイ位置決めパターンを多数種並設する面として活用することができる。
また、シートの場合、その上面が、ワークのターゲットマークに対応してそのターゲットマークよりも一回り大きな面積を有するダイ位置決め孔必要個からなるダイ位置決めパターンを1〜複数種設けるワークテーブルとして活用することができる。
【0009】
そして、ダイ位置決めパターンを構成する各ダイ位置決め孔は、穿孔作業前にワークテーブルに載承支持される各ワークのターゲットマークから入力されたティーチングデータを基づいて開孔され、それも穿孔機によるニブリング加工で行われると更に好適なものである(請求項2)(請求項3)。
即ち、以上の手段では、可撓性を有するシートで構成されるワークテーブルに一枚〜複数種のワークを着脱可能に載承支持したり、テープからなるワークテーブルにワークを着脱可能に載承支持したりして、穿孔機を制御動させて同穿孔機に設けられている撮像手段でそのターゲットマークを撮像し画像処理で演算処理して、各ターゲットマークの中心位置をティーチングによって入力し、そのデータをもって穿孔機自体を制御動してそのワークテーブル各々にダイ位置決め孔を開孔させることができる。
【0010】
また、テープがロール原反から繰出し・巻取り可能であって、その所定部位が前記作業エリアに繰出されてワークテーブルを構成し、各所定部位に同種または異種のダイ位置決めパターンが形成されていると更に好適なものである(請求項4)。
【0011】
即ち、そして、ワークを穿孔作業する際に、可撓性を有するテープの繰出・巻取の制御機能によって各ワークのターゲットマークパターンに一致するダイ位置決めパターンを穿孔機の作業エリアに再現性をもって反復可能に移送させることが可能となる。
そして、ワークのターゲットマークパターンに対応するダイ位置決め孔必要個を有するダイ位置決めパターンを穿孔機の作業エリアに送り動させた後、そのダイ位置決め孔にターゲットマークが位置するようにそのワークを着脱可能に載承支持した後、穿孔機を制御動させてターゲットマーク直上にパンチを位置させる度に、ダイをダイ位置決め孔に入り込むように上昇させて各ターゲットマークに穿孔加工していく。
従って、繰出・巻取量を制御可能な可撓性のテープの繰出・巻取量の全てがワークテーブルとして利用できる。
【0012】
そして、請求項4記載において、作業エリアに繰出される前記テープが複数枚のワークを並設可能な長さをもって配置されるワークテーブルを構成し、そのワークテーブルにおける一つのエリアを穿孔機での作業用エリア、他のエリアを予備エリアとし、その予備エリアでワークの載承支持等の前段取りが行えるようになっているとより好適なものである(請求項5)。
【0013】
以上の手段によれば、ワークテーブルにおける一方のエリアに、ダイ位置決めパターンの各ダイ位置決め孔にターゲットマークが位置するようにワークを着脱可能に載承支持して穿孔機でワークのターゲットマークを穿孔加工している最中に、ワークテーブルにおける他のエリアでダイ位置決めパターンの各ダイ位置決め孔にターゲットマークを合わせてワークをセットする前準備を行うことができる。
【0014】
そして、シートが交換可能であると(請求項6)、各シートのその面積を複数種のワークを載承支持して穿孔加工するワークテーブルとして有効活用される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明可撓性を有するワークの穿孔装置の第1の実施の形態を、図2〜図6は、同第2の実施の形態を、図7は、第3の実施の形態を各々示している。まず、第1の実施の形態を説明すると、符号Aは可撓性を有するワークの穿孔装置である。
【0016】
この穿孔装置Aは、機台A1と、その機台A1に設置され図1に示すように繰出・巻取量が制御可能な繰出装置(後述では繰出ローラと称する)1、巻取装置(後述では巻取ローラと称する)2と、その繰出ローラ1、巻取ローラ2間に亘って巻回される可撓性を有するテープTのロール原反と、同機台A1にX・Y軸線方向に制御動可能に設置された穿孔機3とを備えている。
【0017】
可撓性を有するテープTは、穿孔機3で穿孔加工可能な合成樹脂材料で成形されたフィルム材であり、繰出ローラ1にそのロール原反を繰出量を制御可能に軸支すると共に、その遊端を繰出ローラ1と同期して駆動する巻取ローラ2に巻回してなり、所要量繰出す度に同期して同量を巻き取られるように、両ローラ1、2の駆動源として電気的に制御可能なサーボモータを使用しており、繰出ローラ1と巻取ローラ2に渉架されるテープTは緊張状に張設されている。
尚、符号4は中間ローラである。
【0018】
繰出ローラ1、巻取ローラ2間の可撓性を有するテープTの上面は、フレキシブル基板等の可撓性を有するワークWを着脱可能に載承支持するワークテーブルW1として利用されるようになっている。
【0019】
穿孔機3は、側面視コ型状を呈し中央部をワーク(フレキシブル基板)W及び可撓性を有するテープTの搬入空間131とするパンチングユニット13の上半部13a先端に撮像手段Bを設けると共に、その撮像手段Bと同軸となるようにスイングするスイングアーム132を備え、撮像時に撮像手段Bに対する同軸環境から逃避していたそのスイングアーム132を撮像手段Bとパンチングユニット13の下半部13bに支持されているダイDとの間で同軸上に復帰させた後、打動駆動源Cの駆動力を受けてスイングアーム132自体を上下動させて、そのスイングアーム132で支持されているパンチPがワークWに穿孔加工する周知構造になっており、機台A1に対してX・Y軸線方向に制御動可能に設置されている。
この穿孔機3をX軸線方向、Y軸線方向に制御動させる手段は、駆動源(サーボモータ)の駆動で回転するボールネジ機構100とガイド手段200とを併用した従来から周知な駆動機構で機台A1に支持されている。
【0020】
以上のように構成された可撓性を有するワークの穿孔装置Aは、繰出ローラ1から可撓性を有するテープTを所要量繰出し、巻取ローラ2でそれを巻取る度に順次穿孔機3の作業エリアに送り動される両ローラ1、2間のワークテーブルW1に、ワークWの少なくとも前後両端もしくは左右両端をラミネートフィルムからなる帯板Eで貼着したり、同前後両端や左右両端を磁性帯体とそれに吸着される金属帯板とでサンドイッチ状にワークテーブルW1を上下から挟持して、ワークWを所定位置にセットし、該穿孔機3を所定のプログラムに則ってX・Y軸線方向に制御動させて、打動駆動源Cを制御し、そのワークテーブルW1と一緒にワークWに所要の穿孔作業を行う。
また、前記撮像手段BでワークWに付されている基準点を芯出しした後、穿孔機3がX・Y軸線方向に制御動されてその撮像手段3から固定的な距離を隔てて設定されている各穿孔加工位置を穿孔する方式で穿孔加工するものであっても良いものである。
【0021】
ワークWの位置決めは、繰出・巻取で構成されるワークテーブルW1においてワークWのコーナーに相当する上面にマーク(印)Fを付しておき、そのマーク(印)Fに合わせてワークWを前記着脱手段で載承支持したり、ワークWの対角コーナー位置に基準マークを付しておき、この基準マークと対応してワークテーブルW1に設けられている位置決めマークに合わせてワークを同着脱手段で載承支持する等の任意な方法で位置決めされる。
【0022】
また、可撓性を有するテープTは、図示のように一列状にワークWを載承支持する幅寸 法ではなく、複数列状にワークWを載承支持できる広幅寸法のものを使用しても勿論良いものである。
【0023】
以上のように構成された可撓性を有するワークの穿孔装置Aでは、可撓性を有するテープTのロール原反の長さ全長を、ワークWを支持するワークテーブルW1として有効活用することができる。
【0024】
尚、図示しないが、可撓性を有するシートの前後両端または左右両端を解除可能なクランパで交換可能に挟持し、このクランパをエアーシリンダ等のアクチュエータで制御動可能にして前記シートを水平状に張設し、そのシートに複数枚のワークを隣設して載承支持可能とし、シートに前記する手段(ラミネートフィルムからなる帯板での剥離可能な貼着や磁性体とそれに吸着される金属帯板での吸着による挟持、)で各ワークを着脱可能に載承支持し、前記する穿孔機を所定のプログラムに則ってX・Y軸線方向に制御動させると共に打動駆動源を制御して、各ワーク毎に所要の穿孔作業を行うようにしても良いものである。
【0025】
次に図2〜図6に示す第2の実施の形態を説明する。
穿孔装置Aは、機台A1と、その機台A1に設置され図2、図3に示すように繰出・巻取量が制御可能な繰出巻取装置(後述では第1ローラと称する)11、繰出巻取装置(後述では第2ローラと称する)21と、その第1ローラ11、第2ローラ21間に亘って巻回される可撓性を有するテープTのロール原反と、同機台A1にX・Y軸線方向に制御動可能に設置された穿孔機3とを備えている。
また、穿孔機3の構成は前記する第1の実施の形態と同様であるため、具体的な説明は同一符号を付して説明は省略する。
【0026】
前記する可撓性を有するテープTは、トルクモータ(図示せず)を駆動源とする第1ローラ11にロール原反を繰出可能に軸支し、その遊端を同様にトルクモータを駆動源とする第2ローラ21に巻取可能に巻回し、一方で所要量繰出すと他方で巻取り、一方で所要量巻取ると他方で繰出すようにその繰出・巻取量が制御動可能に構成されている。
【0027】
また、本実施の形態では、図示するように可撓性を有するテープTの巻取・繰出方向に少なくとも2枚のワークを並設可能な長さ寸法のワークテーブルW1が確保される間隔をおいて前記第1ローラ11、第2ローラ21が設置されている。
【0028】
この可撓性を有するテープTには、繰出・巻取方向、即ちその長さ方向に各種ワークWのターゲットマークM…に対応するダイ位置決め孔5…必要個からなるダイ位置決めパターン5’が多数種並設されている。
【0029】
ダイ位置決め孔5…の穿孔加工は、前記テープTの繰出・巻取って穿孔機3の作業エリアにワークテーブルW1を送り込む度にそのワークテーブルW1に穿孔作業前のワークWを着脱可能に載承支持した後、そのターゲットマークM…を、穿孔機3を制御動させて前記撮像手段Bで撮像し画像処理で演算処理して、各ターゲットマークM…の中心位置をティーチングで入力し(図4)、ワークWを外した後、図5に示すようにそのティーチングデータをもって穿孔機3を制御動してニブリング加工によってパンチPで各ターゲットマークM…に対応して開孔されている。
尚、図示しないが、このダイ位置決め孔5…は、前記穿孔機3にパンチPに隣設して円切りカッターやポンチを配設し、その円切りカッターやポンチで開孔しても良いものである。
【0030】
また、符号6はワークテーブルW1の中間部を挟持する解除可能なクランパであり、長 くなるワークテーブルW1の弛みを防止する狙いで設けられている。
【0031】
また、各種ワークW…は、繰出・巻取で構成されるワークテーブルW1においてワークWのコーナーに相当する上面に予めマーク(印)Fを付しておき、そのマークFに合わせて各ワークWを前記着脱手段で載承支持したり、ワークWの対角コーナー位置に基準マークを付しておき、この基準マークと対応してワークテーブルW1に設けられている位置決めマークに合わせてワークを前記着脱手段で載承支持する、更には、ワークテーブルW1に載承支持されるワークWにおけるコーナー等複数点の丁度直下にレーザーポインタを配設してそのレーザーポインタからダイ位置決め孔5を通してレーザー光線を照射し、そのレーザー光線が透過するようにターゲットマークを位置決めする方法等が提案できる。
【0032】
そして、所要のダイ位置決めパターン5’各々を繰出・巻取によって穿孔機3の作業エリアに配置させるコントロール手段は、穿孔作業前の各種ワークWを着脱可能に載承支持して各々のターゲットマークM…をティーチングデータとして入力する際のテープTの繰出・巻取量をその都度算出し累積して各々制御部(図示せず)の記憶部に各々記憶し、ワーク別に差別化されたタッチスイッチをタッチ操作することによって、穿孔加工対象になっているワークWのターゲットマークパターンのダイ位置決めパターン5’を開孔しているテープT部分各々が穿孔機3の作業エリアに再現性をもって反復して送り動されるように前記制御部(図示せず)にインターフェースを介して連係された駆動ドライブ手段で第1ローラ11、第2ローラ21各々のトルクモータを制御することによって行われている。
【0033】
それによって、両繰出巻取装置(第1ローラ、第2ローラ)11、21に繰出・巻取可能に巻回されるテープTの長さが、多種類のワークWの各ターゲットマークM…の配設パターンと一致する位置にダイ位置決め孔5…必要個を開孔したダイ位置決めパターン5’の配設スペースとして有効活用されるようになる。
【0034】
以上のように構成された可撓性を有するワークの穿孔装置Aでは、両繰出巻取装置(第1ローラ、第2ローラ)11、21に繰出・巻取可能に巻回されるテープTの長さ全長に亘って、ターゲットマークパターンによって各々異なるダイ位置決め孔5…必要個からなるダイ位置決めパターン5’が多数種並設されている。
そのため、あるワークWのターゲットマークM…を穿孔加工する際には、前記する該当するワーク別に差別化された固有のタッチスイッチをタッチ操作することによって、あるターゲットマークM…に対応するそのダイ位置決めパターン5’を穿孔機3の作業エリアに水平に送り動させることができる。
しかる後、そのダイ位置決め孔5…に一致するようにそのワークWを前記着脱手段でワークテーブルW1に載承支持させる。そしてワーク別に差別化された固有の作動スイッチを操作することによって、穿孔機3が各種ワークW別のティーチングデータ通りにX・Y軸線方向に制御動されてターゲットマークM…真上にパンチPを位置させる度に上昇するダイをダイ位置決め孔5…に挿入してダイDを各ワークWの下面に当接もしくは接近させた状態で各ターゲットマークM…に穿孔加工していく(図6参照)。
【0035】
この実施の形態では、一方のステージ(ワークテーブルW1の一半部)S1で穿孔加工を実行している最中に、隣設する他方のステージ(ワークテーブルW1の他半部)S2でダイ位置決めパターン5’にワークWをセットする前準備を行うことができるようになっている。
【0036】
次に図7に示す第3の実施の形態を説明すると、この実施の形態は、前記する第2の実施の形態のようにテープTをワークテーブルW1と使用せずに、可撓性を有するシートGをワークテーブルW1として使用するようにしたものである。
穿孔装置Aは、エアーシリンダ等の所望のアクチュエータでX軸線方向に制御動可能なクランパ16と、そのクランパ16で前後両端もしくは左右両端が解除可能に挟持される可撓性を有するシートGと、X・Y軸線方向に制御動可能な穿孔機3とを備えている。符号A1は機台である。
【0037】
前記する穿孔機3は、前記する第1、第2の実施の形態と同様の構成になっている。
【0038】
可撓性を有するシートGは、複数種のワークWが隣設して載承支持される面積を有してなり、その各ワークWに相対する各エリアにおいて当該ワークWのターゲットマークM…に対応する位置に、そのターゲットマークM…よりも一回り大きな面積を有するダイ位置決め孔5…必要個からなるダイ位置決めパターン5’が各々隣設して配設されている。
【0039】
ダイ位置決め孔5…各々は、前記各エリアに相対して前記する着脱手段で載承支持される穿孔作業前のワークWの各ターゲットマークM…を、穿孔機3を制御動させて穿孔機3に設けた撮像手段Bで撮像し画像処理で演算処理して、各ターゲットマークM…の中心位置をティーチングで入力しておき、そのワークを外した後、そのティーチングデータをもってその穿孔機3を制御動してニブリング加工でシートGの各エリアに各ワークWのターゲットマークM…に対応して一回り大きな径で前記第2の実施の形態と同様に穿孔加工したり(図4、図5参照)、前記穿孔機3を制御動して同パンチPに隣設して配設されている円切りカッターやポンチで開孔する。
【0040】
ワークの位置決めは、前記実施の形態と同様にワークWのコーナーに相当する前記シートG部分に予めコーナー用のマークF等を付しておき、そのマークFに合わせて前記着脱手段で載承支持したり、ワークWの対角コーナー位置に基準マークを付しておき、この基準マークに対応して前記シートGに設けられている位置決めマークに合わせてワークWを同着脱手段で載承支持したり、更には、シートGに載承支持されるワークWにおけるコーナー等複数点の丁度直下にレーザーポインタを配設してそのレーザーポインタからダイ位置決め孔5を通してレーザー光線を照射し、そのレーザー光線が透過するようにターゲットマークを位置決めする方法等を提案することができる。
【0042】
以上のように構成された可撓性を有するワークの穿孔装置Aでは、ダイ位置決めパターン5’のその各ダイ位置決め孔5…にターゲットマークM…が位置するようにワークWを前記する着脱手段でシートGを交換可能に載承支持してから、穿孔機3をティーチングデータ通りに制御動させてターゲットマークM…真上にパンチPを位置させる度に上昇するダイDをダイ位置決め孔5…に挿入してダイDをワークWの下面に当接もしくは接近させた状態で各ターゲットマークM…に穿孔加工する。
このターゲットマークM…の穿孔加工は、可撓性を有するシートGに載承支持される各種ワークW毎に固有のティーチングデータに基づいて制御される。
【0043】
尚、前記する各実施の形態では、可撓性を有するワークの一例としてフレキシブル基板を例にして詳述しているが、これに限定されるものではないこと言うまでもないものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明は以上のように、可撓性を有するテープまたはシートで穿孔機の作業エリアにワークテーブルを構成し、そのワークテーブルに載承支持された可撓性を有するワークを穿孔機で所要パターンで穿孔作業するものであるから、テープ、シートの剛性がワークの重量を受圧して、ワーク両端部を剥離容易なラミネートフィルムで貼着したり、テープやシートの上下から磁性帯体とその磁性帯体に吸着される金属帯板とでワークの両端部を挟んで挟持する。等簡単に着脱可能な方法でワークの載承状態を保持し、穿孔機を制御させて ワークに所要の穿孔作業を行う。
従って、テープの全長やシートの全体を、ワークテーブルとして有効活用して穿孔作業が行え、比較的大きな貼着強度のテープでワークをワークホルダに剥離可能に貼着するハンドリングタイプの問題点(テープの剥離が面倒。テープ剥離時に誤ってワークやワークホルダを擦り、痛める。)を解決することができる。
【0045】
また、ワークを載承支持するテーブルにターゲットマークに対応してターゲットマークよりも一回り大きなダイ位置決めパターンを設け、そのダイ位置決め孔から挿入するダイをワークの下面に当接もしくは接近させた状態でワークの各ターゲットマークに穿孔加工するようにして、そのワークテーブルをテープや交換可能なシートで成形しているため、従来のように各ワークのターゲットマークに対応するダイ位置決め孔必要個を有する硬材製のテーブルを多数種製作用意する必要がなく、テープにおいてはその巻取長さ全長を利用してワークによって各々異なる多数種のターゲットマークのダイ位置決めパターンが配設でき、管理スペースを全く占有しないし、シートを使用するにしても、折り畳んだり、丸めたりして収納でき、硬材製のテーブルのように管理スペースを占有することがない。
【0046】
その上、ダイ位置決めパターンの各ダイ位置決め孔を、穿孔作業前にワークテーブルに載承支持されるワークのターゲットマークから入力し、更に穿孔機自体を制御動してニブリング加工でテープやシートに開孔しており、例えば硬材製のテーブルのようにボール盤等の専用加工機を使用して開孔した場合のように手間が掛からず、また穿孔装置とその専用加工機とに移動させる移送作業も全く不要である。
【0047】
また、そのワークテーブルを、テープの巻取り・繰出可能であって、複数枚のワークを並設可能な長さ寸法を確保するようにした構成にあっては、一方のステージ(ワークテーブルの一半部)で穿孔作業を実行している最中に、隣設する他方のステージ(ワークテーブルの他半部)でダイ位置決めパターンにワークをセットする前準備を行うこと等が可能となり、穿孔効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明可撓性を有するワークの穿孔装置の第1の実施の形態の概略を示す斜視図である。
【図2】 同第2の実施の形態の概略を示す斜視図。
【図3】 同概略を示す正面図。
【図4】 ワークのターゲットマークをティーチングデータとして入力している状態を示す斜視図。
【図5】 ワークテーブルにニブリング加工している状態を示す斜視図。
【図6】 ダイをダイ位置決め孔内に入り込むように上昇させて穿孔加工する状態を示す部分拡大図。
【図7】 第3の実施の形態の概略を示す平面図。
【符号の説明】
W:ワーク T:テープ
W1:ワークテーブル P:パンチ
G:シート T1:可撓性部材
M:ターゲットマーク 5:ダイ位置決め孔
5’:ダイ位置決めパターン 3:穿孔機
P:パンチ D:ダイ
11:繰出巻取装置(第1ローラ) 21:繰出巻取装置(第1ローラ)
Claims (6)
- 穿孔機の作業エリアに可撓性を有するテープまたはシートを緊張状水平に配置してワークテーブルを構成すると共に、該ワークテーブルを挟んで上下にパンチ、ダイを有する穿孔機を可動状に配置し、ワークテーブルにワークのターゲットマークに対応して該ターゲットマークよりも一回り大きな開孔面積を有するダイ位置決め孔を開孔したダイ位置決めパターンを配設すると共に、前記ダイ位置決め孔上にターゲットマークを位置させてワークを前記ワークテーブルに着脱可能に載承支持してなり、ワークのそのターゲットマーク上にパンチが位置するように穿孔機を制御動させた後、ダイを前記ダイ位置決め孔に挿入してワークの下面に当接もしくは接近するように上昇させてから、各ターゲットマークを穿孔加工する可撓性を有するワークの穿孔装置。
- 前記ダイ位置決めパターンを構成する各ダイ位置決め孔は、穿孔作業前にワークテーブルに載承支持された各ワークのターゲットマークから入力されたティーチングデータに基づいて開孔されることを特徴とする請求項1記載の可撓性を有するワークの穿孔装置。
- 前記ダイ位置決め孔は、前記穿孔機によるニブリング加工で開孔することを特徴とする請求項1または2記載の可撓性を有するワークの穿孔装置。
- 前記テープがロール原反から繰出し・巻取り可能であって、その所定部位が前記作業エリアに繰出されてワークテーブルを構成し、各所定部位に同種または異種のダイ位置決めパターンが形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の可撓性を有するワークの穿孔装置。
- 請求項4記載において、作業エリアに繰出される前記テープが複数枚のワークを並設可能な長さをもって配置されるワークテーブルを構成し、そのワークテーブルにおける一つのエリアを穿孔機での作業用エリア、他のエリアを予備エリアとし、その予備エリアでワークの載承支持等の前段取りが行えるようになっていることを特徴とする可撓性を有するワークの穿孔装置。
- 前記シートが交換可能に配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の可撓性を有するワークの穿孔装置。
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