WO2004085008A1

WO2004085008A1 - ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number: WO2004085008A1
Application number: PCT/JP1997/003368
Authority: WO
Inventors: Akihiko Kusano; Seiichi Soeda; Masaya Fukuda; Shigeru Chino; Takamitsu Takebayashi; Kenichi Miyazawa; Etsuji Kakimoto
Original assignee: Akihiko Kusano; Seiichi Soeda; Masaya Fukuda; Shigeru Chino; Takamitsu Takebayashi; Kenichi Miyazawa; Etsuji Kakimoto
Priority date: 1996-09-27
Filing date: 1997-09-24
Publication date: 2004-10-07
Also published as: TW360550B; JPH10151231A; US6099414A

Description

ゴルフクラブへッドおよびその製造方法

技術分野

本発明はゴルフクラブへッドに関するものであり、特に異種金属で構成し、接合強度が高く、かつ、低重心化、重心深度の深化及びスイートスポットの拡大が可能なゴルフクラブへッドに係るもので明

め。

細背景技術

チタン或いはチタン合金等の低比重金属と、鋼或いはステンレス等の高比重金属を接合した複合材料で作られたアイァンゴルフクラブはよく知られている。

これは、低比重金属と高比重金属を接合した複合材料製クラブへッドは、総体的に質量が小さくできるため、

① 同一重量でヘッドサイズを大型にすることができる。

② ソ一ルからの重心位置を低くできる。

③ フェースからの重心深度を深くすることができる。

④ スイートスポットを大きくできる。

等の長所を有する設計が可能となるためである。

しかし、低比重金属と高比重金属の多くは溶接のような溶融 · 融合接合が通常では困難である。そのために、クラブヘッドの一部に凹部を設け、異種金属片を接着剤で接合する（特開平 6 — 165843号公報）方法、または圧入等により機械的に嵌合して接合する（特開平 6 — 182006号公報、特開平 6 — 246021号公報）方法等が採用されているが、このような方法においては次のような問題点がある。第 1 には、接着剤で接合したものは、 ①接合強度が弱いため使用時のボールとの衝撃力の繰り返しにより接合面が剝離することがある。 ②接着後熱を加えると接合面が熱により剝離するため、接合後の熱加工が不可能である。また、 ③へッドを研磨加工する場合等の研磨熱でも接着剤の劣化が進むため、加工熱を抑えた慎重な加工が必要となり、短時間加工が困難で、加工コストが高くなる。 ④このためピン等による補助固定を採用するものもあるが、複雑な加工を要することになり加工コストが高くなる。

第 2 に、圧入等により機械的嵌合接合により成形したものは、クラブへッド本体の材料とフ一ス材料間の物理的特性の違い、例えば熱膨張特性差により、夏場の高温環境下では嵌合部が緩み、ガタが発生したり外れたりすることがある。従って、使用可能な材料組合せに制約がある。

一方、爆発圧着により冶金的に接合した複合材料を製作し、これを鍛造加工により成形する方法が提案されている（特公平 6 - 2663 4 号公報参照）。このような爆発圧着等により複合材を製造し鍛造により成形したものは、上記の接着材ゃ嵌合で接合した場合の問題点を解決できるが、しかし、鍛造により成形する場合も次の別の問題がある。

鍛造には熱間緞造法と冷間鍛造法があり、 ①熱間鍛造法においては加熱することにより接合界面に炭素や窒素が拡散してきて接合境界面に炭 · 窒化物が生成し、剝離強度が低下する。また、 ②冷間緞造法では接合両金属の塑性変形能の違いから鍛造加工時接合界面に加工歪みが存在することになり、激しい場合は加工により界面剥離を起こしたり、接合強度が非常に不安定になる。すなわち、これらの方法を採用した場合での接合強度は、例えば低比重金属に純チタン、高比重金属にステンレス鋼を採用した場合では、部分的に強度の低下した部分では、使用時のボールとの衝撃力の繰り返しにより接続面が剝離する。更に、 ③異種金属の鍛造は、熱間または冷間の何れの方法でも一応の形状成形は可能であるが、塑性変形能に違いがあるため重量配分の一定の成形は困難となり、研磨加工でバランス調整を慎重に行う必要があり、加工に長時間を要し加工コストが

|¼) <なる

更に、低比重金属をフェースを含むへッド前面側に配置し、高比重金属をバックフース側に配置した異種金属接合により形成したクラブへッドによって、重心深度が深くスイートスポットの広いクラブとすることができるが、重心を必要なだけ深くしょうとすると、クラブへッドの厚みが厚くなりすぎ、クラブへッドの重量が過重となるという問題点もあった。発明の開示

上記のように、従来の比重の異なる異種金属を複合して用いるゴルフクラブは、異種金属同士の溶接のような溶融 · 融合接合が困難なため、接着剤や機械的嵌合によらざるを得なかった。従って、この種の接合法では経時変化や環境変化により接合面の剝離が懸念される。また、予め複合材化した異種金属を使用し鍛造成形した場合も、鍛造成形過程で接合面の剝離強度の低下をきたすこと等からみて異種金属接合部の剝離強度が小さく、使用中に剝離を起こす虞があり安心して使用できるゴルフクラブとはいえない。

更に、比重の異なる異種金属を複合したのみでは、重心深度を必要なだけ深くすることができない。

そこで、本発明はこのようなゴルフクラブとしての接合部強度を改善すると共に、短時間加工が可能であり、かつ低重心化と重心深度の深度を実現し、慣性モーメントを大きくすることで、振りやすく、高弾道で飛距離が出、方向安定性のある安心して使用できるゴルフクラブへッドおよびその製造方法を提供するものである。

上記の目的を達成する本発明は以下の構成を要旨とする。

( 1 ) フヱース部とバックフヱース部を有するへッドであって、フェース部が比重が 5以下の低比重金属からなり、バックフェース部が前記低比重金属と比重が 7以上の高比重金属を予め冶金的に接合したクラッド材からなり、かつ前記低比重金属と前記クラッド材の低比重金厲部は溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへッド。

( 2 ) フヱース部とバックフヱース部を有するへッドであって、フェ—ス部が比重が 5以下の低比重金属からなり、バックフェース部の一部をフェース部と同種の低比重金属と比重が 7以上の高比重金属とを予め冶金的に接合したクラッド材で構成し、バックフエ一ス部の外面側には前記高比重金属を配置すると共に、フヱ一ス部の低比重金属とバックフース部複合素材の低比重金属部分とを接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへッ卜。

( 3 ) 前記クラッド材は予め冶金的に接合された異種金属からなる板状複合素材として製作され、その後所定の大きさに切断 · 打抜され、前記フヱ一ス部と前記クラッド材は溶接によって接合され一体化されてヘッドを形成することを特徵とする（ 1 ) または（ 2 ) 記載のゴルフクラブへッド。

( 4 ) 前記フ一ス部と前記クラッド材は溶接によつて接合され一体化された後、さらに切削 · 研磨加工を施されてへッドを形成することを特徵とする（ 1 ) から（ 3 ) のいずれかに記載のゴルフクラブへッ。

( 5 ) 前記フェース部とバックフエース部との間に空間を形成することを特徴とする（ 1 ) から（ 4 ) のいずれかに記載のゴルフクラフへッド。

( 6 ) へッド本体部分を比重が 5以下の低比重金属とし、へッドのソール部を、へッド本体部と同じ低比重金属と比重が 7以上の高比重金属とを予め冶金的に接合した異種金属複合素材で構成し、へッド本体の低比重金属とソ一ル部複合素材の低比重金属部分とを溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徽とするゴルフクラブへッド o

( 7 ) へッドの上段部分及び中段部分が比重が 5以下の低比重金属であり、へッドの下段部分が比重が 7以上の高比重金属からなり、中段部分の低比重金属と下段部分の高比重金属とが予め冶金的に接合された異種金属複合素材からなり、該上段部分と該中段部分の低比重金属とを溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへッド。

( 8 ) トゥ部および/またはホーゼル部を比重 7以上の高比重金属で構成し、少なくとも下段の高比重金属に冶金的に接合していることを特徵とする ( 7 ) 記載のゴルフクラブへッド。

( 9 ) ホーゼル部に、比重が 5以下の低比重金属からなる下部材と、該下部材と予め冶金的に結合した比重が 7以上の高比重金属からなる上部材とで構成した中間部材を用い、前記下部材をへッドの上段低比重金属と溶接し、かつ、前記上部材に高比重金属を溶接してホ一ゼル部を形成することを特徴とする ( 7 ) 記載のゴルフクラブへッド。

(10) 前記溶接は、接合面に Uおよび/または V開先を設けた T I G、プラズマ、またはレーザ溶接であることを特徵とする（ 1 ) 〜（4 ) 、（ 6 ) 、（ 7 ) 、（ 9 ) のいずれかに記載のゴルフクラブへッド。 (11) 前記低比重金属が 5以下の比重を有し、チタン、アルミ二ゥム、マグネシウム、ベリリウム、シリコン、ストロンチウム、バナジゥム、ジルコニウム、テルル、アンチモンの 1種または 2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徵とする（ 1 ) から（ 7 ) 、 ( 9 ) のいずれかに記載のゴルフクラブへッド。

(12) 前記高比重金属が 7以上の比重を有し、鉄、銅、銀、白金、金、二オビゥム、ニッケル、クロム、マンガン、コバルト、モリブデン、タンタル、タングステンの 1種または 2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徵とする（ 1 ) 、（ 2 ) 、

( 6 ) 、または ( 7 ) に記載のゴルフクラブへツド。

(13) 比重が 5以下の低比重金属と、比重が 7以上の高比重金属を予め冶金的に接合して製作した複合素材を、へッドの上段主要部が前記低比重金属となり、ソ一ル部を含む下段部が前記高比重金属となるように切削加工してへッド形状に成形することを特徵とするゴルフクラブへッドの製造方法。

(14) 前記予め冶金的に接合される方法が爆発圧着法であることを特徽とする（ 1 ) 、（2 ) 、 ( 6 ) 、 ( 7 ) または (13) 記載のゴルフクラブへッドの製造方法。図面の簡単な説明

第 1 (a) および第 1 ( b ) 図は本発明の実施例 1でのアイアンクラブヘッドの第 1 ( a) 図は正面図、第 1 (b) 図は A— A断面図である。

第 2 (a) および第 2 (b) 図は本発明の実施例 2でのアイアンクラブヘッドの第 2 (a) 図は正面図、第 2 (b) 図は B— B断面図である。

第 3 (a) および第 3 (b) 図は本発明の実施例 3でのアイアンクラブヘッドの第 3 ( a ) 図は正面図、第 3 ( b ) 図は C一 C断面図である。

第 4 ( a ) および第 4 (b) 図は本発明の実施例 4でのアイアンクラブへッドの第 4 ( a ) 図は正面図、第 4 (b ) 図は D— D断面図である。

第 5図は本発明で使用する複合材の素材プロックの構成図である第 6図は本発明の実施例 5及び 6でのアイアンクラブへッドの構成図である。

第 7 ( a ) および第 7 (b) 図は本発明成品の第 7 ( a ) 図はフニース面側面図、第 7 (b ) 図は正面図である。

第 8図は本発明の実施例 7でのアイアンクラブヘッドの構成図でめ。

第 9図は本発明の実施例 8でのアイアンクラプへッドの構成図で第 10図は本発明の実施例 9でのアイアンクラブへッドの構成図である。

第 11図は本発明の実施例 10でのァイアンクラプへッドの構成図で

¾> 0

第 12図は第 11図 Α部の拡大断面図である。

第 13図は本発明の実施例 11でのアイアンクラブへッドの構成図である。

第 14図は本発明の実施例 12でのアイアンクラブへッドの構成図でる。発明を実施するための最良の形態

本発明の第 1 の特徵は、ヘッドのフエ一ス部分に低比重金属を、バックフェース部にフェース部と同じ低比重金属と高比重金属とで予め冶金的に接合した異種金属複合素材としてクラッド材を使用し、この時異種金属複合素材は板状に製作され、必要によって切り出して使用してもよい。さらにフェース部の低比重金属と、ノ 'ックフユース部の複合素材の低比重金属部分とを U開先を設けてプラズマ溶接によつて接合し、この際必要によつて接合後に切削加工を施して成形してもよい。なお、本発明のプラズマ溶接では、高工ネルギ —密度のプラズマ流を利用して溶接溶融部位を狭くし、かつ深くすることが可能となり、従来 T IG 溶接によつていたものでは、熱影響部が広い傾向にあつた点を狭幅に改善可能となる。

また、フヱース部とバックフヱ一ス部との間に必要に応じて空間を有しているゴルフクラブへッドとしても、容易に製造でき、同じく異種金属の冶金的接合強度を劣化させることなく高い接合強度を持ち、更に重心深度を十分に深くすることを可能にして使用感に優れ、かつ長期間使用に耐える特性を付与することを可能とする。上記本発明において低比重金属としては、比重が 5以下のチタン、アルミニウム、マグネシウム、ベリリウム、シリコン、ストロンチウム或いはこれらの少なくとも 1種を含む合金を用いることができ、更に、バナジウム、ジルコニウム、テルル、アンチモンの少なくとも 1種を含む比重が 5以下の合金を用いることもできる。特にチタン或いはチタン合金は比強度が高く、すなわち軽量で反発力が高いため飛距離を延ばすに好適な金属である。

また、比重が 7以上の高比重金属としては、鉄、銅のほか、銀、白金、金、二オビゥム、ニッケル、クロム、マンガン、コバルト、モリブデン、タンタル、タングステン或いはこれらの少なくとも 1 種を含む合金を用いることができる。特に、材料の入手容易性、加ェ性、価格の点から鋼が、更に加えて耐食性に優れている点でステンレス鋼が、更にまた低重心化を図り、色彩を加えるために比重の大きい銅、銅合金、タンタル、タングステン或いはタングステン合金を用いることが好ましい。

上記低比重金属と高比重金属との異種金属を予め冶金的接合して複合素材としてクラッド材を形成する。異種金属の冶金的接合には各種の方法があるが、例えばチタンとステンレス鋼との接合を通常の溶融溶接法により実施すると、両金属の接合界面に硬く脆い金属間化合物が生成するため、必要な継手性能を保持できない。また、抵抗溶接のように、拡散接合を主とした接合法であれば、上記異種金属でも理論的には接合可能であるが、溶接時の加圧力が小さいと充分な接合強度が得られず、すなわち一般の抵抗溶接機レベルの加圧力では安定な継手部性能（接合強度）が得られない。

本発明の異種金属の冶金的接合は固相接合で、かつ安定した接合法を対象にするものであり、これには爆発圧着法、及び熟間或いは冷間で行われる圧延法がある。

爆発圧着法は、爆薬の爆発エネルギーにより金属同士を衝突させ、衝突時に発する高圧力により、材料を加熱することなく冷間で瞬時に金属結合させ得る接合方法である。特徵として、一般に接合界面に波模様が形成され、その接合力は製造時に加熱されることによつて接合された複合材料に比べて強固であり、冶金的接合方法の中で最も優れている。

また圧延法による接合は、爆発圧着法に次いで接合部の安定性を有する方法であり、抵抗溶接と同様な手法であるが、著しく大きな加圧力下で拡散接合させるため高い継手部性能が確保できる。更には摩擦圧接法や大きい圧下のもとに行う拡散接合法も採用できる。上記接合に際しては、異種金属間に中間層を装入し、接合界面に炭素、窒素等が拡散し、界面での炭化物または窒化物及び金属間化合物の生成を防止し、接合強度を維持する方法等を採用してもよい第 1 ( a ) および第 1 ( b ) 図に例示するように、ヘッドのフエ —ス部分 5を低比重金属とし、へッドのバックフエース部 7を低比重金属 2 と高比重金属 3 とが予め冶金的に接合された異種金属複合素材とし、フェース部の低比重金属 5 と、バックフヱ一ス部複合素材の低比重金属部分 2 とを溶接接合 6する構成とすることもできる。また、フヱ一ス部の低比重金属 5 とバックフェース部 7の複合素材との間に空間を有する構成とすることができる。

低比重金属で構成されるフェース部分は、铸造或いは緞造によつてへッド及び必要に応じてホ一ゼル部 4を含んだ形状を容易に形成することができる。冶金的に接合された低比重金属 2 と高比重金属 3 からなる複合部材は、フヱ一ス部の低比重金属 5 との間に空間を有するようにバックフ一ス側に配置され、高比重金属部分 3がバックフヱ一ス部の外面側となる。フヱ一ス部の低比重金属 5 とバックフエース部複合部材の低比重金属 2 とは溶接接合 6 されるが、同種金属同士の接合であり、全く欠陥のない接合を容易に行うことができる。また、高比重金属 3がバックフヱ一ス外面側に位置し、へッドの内部に空間を有するように構成した結果、へッドの重心位置はフェース面から遠ざかり、これまでにない重心深度の深いへッドを構成することができる。また、第 3 ( a ) および第 3 ( b ) 図に示すように、ヘッドの内部に空間を有しない構成とすることも可能であり、このような構成においても深い重心深度を持つクラブへッドを容易に製造することが可能となる。

本発明は、更に、低比重金属からなるへッド本体部分と、前記した異種金属複合素材から構成されるへッドのソール部からなり、へッド本体の低比重金属と、ソール部の複合素材の低比重金属部分とを溶接接合したゴルフクラブへッドであり、容易に製造でき、同じく異種金属の冶金的接合強度を劣化させることなく高い接合強度を持ち、更に低重心化を可能にして使用感に優れ、かつ長期間使用に耐える特性を付与することを可能とする。

本発明ではその他、へッドの上段部分及び中段部分に低比重金属を、下段部分に高比重金属を用い、かつ、中段部分と下段部分の金属を予め冶金的に接合した異種金属複合素材で構成し、上段部分と中段部分の低比重金属とを溶接接合したゴルフクラブへッドであり、容易に製造でき、同じく異種金属の冶金的接合強度を劣化させることなく高い接合強度を持ち、使用感に優れ、かつ長期間使用に耐える特性を付与することを可能とする。

以下に本発明の具体的な製造方法を主体に説明する。

第 5図は複合素材 17の一例を示し、上段に低比重金属 12、下段に高比重金属 13を配置し接合部 14で接合している。上段金属 12と下段金属 13の配分や体積率は目的とするクラブ番手、へッド形状或いは設計質量に応じて任意に設定することができる。限定するものでないが、図示の複合素材の寸法の一例を示せば、素材幅 Wが 50〜60mm 、下段金属 13の幅 H ：上段金属 12の幅 Lが凡そ 1 ： 3〜 5程度とすることができる。

複合素材 17は複合材の大板から切り出すか、或いは直接複合プロックに製造して素材とする。この複合素材を更にへッド形状に切削 • 打抜加工する。切削加工それ自体は、公知の手段 (例えば NC旋盤 ) を用いて行うことができ、上段側主要部が低比重金属に、ソ一ル部を含む下段部が高比重金属になるように中間クラブ形状に加工する。この加工後、粗研磨による重量調整をすると共に、ホーゼル部の切削 · 研磨或いは取付け加工した中間素材を成形する。

第 9図に例示するように、ヘッドを 3段に構成することができる。すなわち、へッドの上段部分 21及び中段部分 12を低比重金属とし、下段部分 13を高比重金属とし、中段部分 12の低比重金属と下段部分 13の高比重金属とを冶金的に接合する異種金属複合部材で構成し、上段部分 21と中段部分 12の低比重金属とを溶接接合する。低比重金属で構成される上段部分は、铸造或いは鍛造によって形状を容易に形成することができる。冶金的に接合された低比重金属（中段部分）と高比重金属（下段部分）からなる複合部材は、第 9図に示すように矩形に近い形状の部材加工が可能であり、材料の無駄を省くことができる。また、この複合部材は、へッドのソール部の湾曲に合わせて軽いプレス曲げ変形を加えることができる。大きな塑性加ェを伴う熱間鍛造や冷間鍛造と異なり、軽いプレス曲げであれば界面剝離による接合強度の劣化も発生しない。上段部分と中段部分の間の溶接接合は、同種金属同士の接合であり、全く欠陥のない接合を容易に行うことができる。

上記クラブヘッドの製作時の溶接として、 T I G (タングステンイナ一トガス）または高エネルギー溶接であるプラズマまたはレーザ溶接が適用可能であり、また接合面には Uまたは V開先を単独に

、またはそれら開先形状を組み合わせて設けても良い。

上記クラブへッドは、アイアンクラブへッドとしてはもちろん、低重心、或いは深い重心深度の特性を生かし、従来の「アイアンクラブ」の範疇に限定されないアイアンクラブとゥット"クラブの両方の特質を有したクラブへッドを形成することも可能である。

第 6図はホーゼル部 15を上段低比重金属 12に接合部 16で接合した中間素材 18のプロフィルの概要を示す。

ホ一ゼル部は前記したように上段低比重金属素材を切削加工して成形した一体物であってもよいが、この場合はホーゼル部の長さに応じて上段低比重金属素材の厚み（幅 L ) を大きくする必要があり、また上段低比重金属素材の切出し量も多くなる。従って、第 6図に示すように、ホーゼル部 15を上段低比重金属 12に接合部 16で接合することにより設置が容易になり、特に上段低比重金属と同種金属を用いることにより溶接接合ができるため工程が簡易になる。

ホーゼル部 15に上段低比重金属 12と同種金属を用いる場合には、更に次の態様に構成することができる。すなわち、低比重金属からなる下部と、該下部低比重金属と冶金的に結合する高比重金属からなる上部で中間部材を構成し、前記下部低比重金属をへッド上段の低比重金属と接合し、上部高比重金属にはホーゼル上部部分となる高比重金属を接合してホーゼル部を形成するようにしてもよい（第 14図参照）。これにより、同種金属の接合が可能となる。

一方、ホーゼル部全体を高比重金属とし、へッドの高比重金属と同種金属接合構成にすることにより、慣性モーメントを高めることができる。この際、更にトウ部にも高比重金属を配置しへッドの高比重金属と同種金属接合することにより、重心位置バランスがとれ、慣性モーメントを更に高めることができると共に、より振りやすく、高弾道で飛距離延びが得られ、かつ高い接合強度を持ったクラブへッドが得られる。

上述のように加工し、更に仕上げ研磨して重量精密調整やバランス調整して第 7 ( a ) 図及び第 7 ( b ) 図（フユース面から見た側面図、正面図）に示すような製品 20とする。

以下に本発明に包含される種々の形態を図に示す実施例に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において本発明で製造した製品或いはクラブへッドにアイァン或いはアイアンクラブの呼称を用いることがある。実施例実施例 1

第 1 ( a ) および第 1 ( b ) 図に示すように、爆発接合法により複合材の全厚が 6 mmで純チタン 2の厚みが 4 mm、ステンレス鋼 3の厚みが 2 mmである素材プロックをバックフヱース部 7の形状に作成し、別に作成したホーゼル部 4 とフヱ一スソール部が一体となったチタン合金（ 6 A 1 — 4 V ) 製鋅造物のフェース部本体 5を複合材との間に空間を有するごとく配置し、複合材のチタン材 2 とフェ一ス部とを U開先を設けたプラズマ溶接それぞれで同種金属接合 6 し、高比重金属であるステンレス鋼 3がバックフヱ一ス部外面側となるようにクラブへッドの形に加工した中間素材を成形した。更にこの中間素材を研磨加工により最終形状に仕上げた。その後、シャフト及びグリップを取り付け、通常 4番アイアンと呼ばれるアイアンを作成した。

このクラブへッドのフエース面から重心までの深さは 8讓であつた。単一金属から製造したクラブへッドのフェース面から重心までの深さは 2. 5rainから 3 mm程度であったから、このような従来のクラブでは実現できなかつた深い重心深度を実現することができた。これにより、ボールの打点位置を重心の真上からずらせて打つた場合の打球の方向のずれを従来のァィアンクラブへッドに比較して少なくすることができた。

このクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43 mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15難打球点をずらして秒速 43mで各 1000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2342浸透探傷試験方法及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壊検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかった実施例 2

実施例 1 におけるバックフェース部の上部の一部を、第 2 ( a ) および第 2 ( b ) 図に示すようにフェース部 5 とソール部と共に一体としてチタン铸物で構成し、バックフヱ一ス部 7のチタン 2 とステンレス鋼 3の複合材の部分を小さくし、その他は実施例 1 と同じ構成で通常 4番アイアンと呼ばれるアイアンクラブヘッドを作成し o

実施例 1 に比較して高比重金属の占める部位がへッドの下部に集中したため、実施例 1 のクラブと同様重心深度が深いと同時に重心位置を下げることができた。

実施例 3

実施例 2 において、第 3 ( a ) および第 3 ( b ) 図に示すようにフエース部本体 5 と複合材 7 との間に空間を有しない形状とし、その他は実施例 2 と同じ構成で通常 9番アイアンと呼ばれるアイアンクラブへッドを作成した。フェース部と複合材との間に空間を有しない結果、重心深度は実施例 2 に比較すると浅くなつたが、低比重金属と高比重金属との複合構造の効果として、単一金属で形成したクラブへツドと比較すると深い重心深度を得ることができた。また、フエース部を低比重の単一金属で形成し、バックフェース部に複合材を配置し、両者を溶接接合構造とした結果、複合材に鍛造のような過酷な加工を加える必要がなく、また、ムクの複合材から切削加工でクラブ形状を作り出す場合に比較し、切削加工で低比重金属を削り取るための材料と加工工程の無駄を省くことができた。

実施例 4

第 4 ( a ) および第 4 ( b ) 図に示すように、爆発接合法により複合材の全厚が 4 mmで純チタン 8の厚みが 2 mm、夕ングステン合金 9の厚みが 2 Dimである素材ブロックをソール面の形状に作成し、別に作成したホーゼル部 4 とへッド本体が一体となった純チタン製铸造物製のへッド本体 10を、複合材の純チタン 8 と T I G溶接および U 開先を設けたプラズマ溶接をそれぞれ行い同種金属接合 6 し、クラブヘッドの形状に仕上げた。その後、シャフト及びグリップを取り付け、通常 4番アイアンと呼ばれるアイアンを作成した。

ソ一ル部を複合金属で構成した結果、このクラブは重心深度が深いという特徵と重心が低いという特徵を併せ持つことができ、打球の方向安定性の改善が実現された。

このクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43 mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43 mで各 1000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2342浸透探傷試験方法及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壌検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかった o

実施例 5

第 5図に示すように、低比重金属である純チタン 12 (TP340) と、高比重金属であるステンレス鋼 13 (SUS31 6L) とを爆発圧着法で圧着 14し、複合素材ブロック 17を製造した。この複合素材 17は全幅 ( W ) が 55mmであり、そのうち純チタン 12の幅 ( L ) を 40mm、ステンレス鋼 13の幅（H ) を 15mmとし、接合境界 14で冶金的に接合している o この素材ブ口ックを、純チタン 12がへッドの上段主要部となり、ステンレス鋼 13がソールを含む下段側となるように、第 6図に示すように、アイアンクラブヘッドの中間形状 18に切削加工した。ホ一ゼル取り付け位置に別に製造したチタン棒 15 (TP340の外径 12mm棒）を T I G溶接および U開先を設けたプラズマ溶接をそれぞれ実施して接合 16した後、研磨加工を行い、第 7 ( a ) 図、第 7 ( b ) 図に示すような、重心位置がソ―ル面より 13mmの最終製品形状 20に仕上げた。その後ホーゼル 15にシャフトを取り付け、その上部にグリップを固定して、通常 2番アイアンと呼ばれるキヤビティ一タイプの口ングアイアンを作製した。製品へッド部におけるステンレス鋼と純チタン部との重量比率はほぼ 1 ： 6. 5 であった。

アイアンクラブ作製後、試験機によりへッドの重心点（スイートスポット）で、秒速 43 mのへッドスピードで 6000回試打する耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 1 5i iずつ打球点をずらし、秒速 43 mで各 1000回試打するネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343で規定する浸透探傷試験方法、及び J I S Z2344で規定する超音波探傷試験方法の非破壌検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかった。

本実施例で用いた異種金属接合部材を用い、 T I G溶接による接合強度の測定を行った。本発明法においては異種金属接合部材を切削加工後、比較例においては鍛造加工後、異種金属の T I G溶接の接合面の 5箇所の測定点を選び、接合強度を測定し、 5点の内の最も低い値を接合強度とした。このような測定を 5例（ 1 〜 5 ) について行った。測定方法は、 J I S G0601のせん断強さ試験の方法に従った。結果を以下第 1表に示す。

第 1表（N /匪² )

実施例 6

第 5図と同様な複合素材プロック 17を熱間圧延法により作製した。複合素材ブロックの全幅は 55mmであり、そのうち純チタン 12を 40 mm、ステンレス鋼 13を 15mmとし、接合境界 14では冶金的に接合されている。この素材ブロックを純チタン 12がへッド上段の主要部となり、ステンレス鋼 13がソ一ルを含む下段側となるように配置し、第 6図に示すように、素材ブロックから直接、アイアンクラブへッドの中間形状に切削加工し、ホーゼル取り付け位置に別に製造したチタン棒 15 (直径 12mm) を T I G溶接および U開先を設けたプラズマ溶接をそれぞれ実施して溶接後、研磨加工を行い、第 7図に示すような重心位置がソ一ル面より 13mmの最終形状に仕上げた。その後シャフト及びグリップを取り付け、通常 2番アイアンと呼ばれるキヤビティータイプのロングアイアンを作製した。製品へッド部におけるステンレス鋼と純チタン部との重量比率は実施例 5 と同様にした。そのクラブを実施例 5 と同様に、試験機によりへ、ソドの重心点で秒速 43 mのへッドスピードで 6000回試打する耐久性試験とへッドの重心よりトゥ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらした秒速 43 m で各 1000回試打するネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343浸透探傷試験方法及び J I S Z 2344超音波探傷試験方法の非破壌検查により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかつた。

実施例 7

接合面を凸状に湾曲加工した純チタン（TP340) と、凹状に湾曲加ェしたステンレス鋼（SUS316L) とを爆発圧着法で接合して複合素材ブロックを製造した。複合素材の全幅は 55mmであり、中央部の純チタン 12を 40mm、ステンレス鋼 13を 15mmとして、接合境界で冶金的に接合されている。この素材ブロックを、第 8図に示すように、純チタン 12がへッドの上段主要部になり、ステンレス鋼 13がソールを含む下段側となるように配置し、素材ブロックから直接、アイアンクラブへッドの中間素材 18の形状に切削加工した。ホ一ゼル取り付け位置に別に製造したチタン棒 15 (TP340の外径 12顏棒）を T I G溶接および U開先を設けたプラズマ溶接をそれぞれ実施して溶接後、研磨加工を行い、実施例 5 と同様に、重心位置がソ一ル面より 13mmの最終形状に仕上げた。その後、ホーゼルにシャフトを取り付け、ダリップを被せて通常 2番アイアンと呼ばれるキヤビティータイプの口ングアイアンを作製した。製品へッド部におけるステンレス鋼と純チタン部との重量比率はほぼ 1 : 6. 4 とした。

そのクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43 mのへッドスピードで 6000回の試打をする耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43 mで各 1000回試打するネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343浸透探傷試験方法及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壊検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかった。

実施例 8

爆発接合法により複合材の全幅が 25腿で純チタン 12が Ι ΟΐΜΚ ステンレス鋼 13が 15誦である素材プロックを作製し、第 9図に示すように、別の製作したホーゼル部 2 と一体となった純チタン製铸造物製のフヱース上部本体 21を、複合材の純チタン 12と T I G溶接および U開先を設けたプラズマ溶接をそれぞれ実施して同種金属接合 22し、高比重金属であるステンレス鋼 13がソール側となるように、クラブへッドの形に加工した中間素材を成形した。更にこの中間素材を研磨加工により最終形状に仕上げした。その後、シャフト及びグリップを取り付け、通常 3番アイァンと呼ばれるキャビティータイプのロングアイアンを作製した。製品へッド部におけるステンレス鋼と純チタン部の重量比率はほぼ 1 : 6. 6 とした。

9 そのクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43 mで各 1000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343浸透探傷試験方法、及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壌検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ欠陥は認められなかつた o

本実施例で上記結果が得られたのは、フース上部本体 21を複合材の純チタン 12と溶接線部 22で溶接する方法をとつているが、フ I —ス部本体 21は 5 MIと薄く、かつ、複合材のチタン 12を 10mmと厚くしているので、低入熱で溶接可能となり、溶接熱による接合部の接合強度の低下がなかったためと考えられる。

実施例 9

第 10図は中間素材（素材プロックは実施例 5 と同様な複合材の全幅が 55i で、純チタンが 40IM、ステンレス鋼が 15mmの爆発圧着材を使用）を、その純チタン側 12の片端を一部切欠き、製品形状に粗切削加工後、切欠き部分に別に製造したステンレス鋼棒（ホ一ゼル部 ) 23を溶接線 24で複合材のステンレス鋼 13と同種溶接するとともに、複合材の純チタン側 12の片端切欠き部とホーゼル部ステンレス鋼棒 23を銀系のロー剤で接合 25した後、研磨により製品形状に仕上げた。ホ一ゼル部にシャフト、更にグリップを取り付け、ホーゼル部に高比重金属を配置して慣性モーメントの高い、通常 2番アイアンと呼ばれるキヤビティ一タイプのロングアイァンを作製した o

そのクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43 mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43 mで各 1000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343浸透探傷試験方法、及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壊検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかつた。

複合材の純チタン側 12とホ一ゼル部ステンレス鋼棒 23はステンレス鋼棒 23にチタン側 12の厚みに相当した凹状切り込み加工を施し、組み込み型とした上で銀系の口一剤で接合 25すれば更に完全な接合がなされる。また、ソ一ル側に高比重金属を配置することは実施例 5， 6 と同様である。

実施例 10

第 1 1図は実施例 5 と同様の複合材の全幅力 55mmで、チタン 12が 40 mm, ステンレス鋼 13が 15mmの爆発圧着素材ブ口ックの純チタン 12側の両端を一部切欠き、製品形状に粗切削加工後、ホ一ゼル取り付け側の切欠き部分にステンレス鋼棒 23を、反対側のトゥ部位置の切欠き部分にステンレス鋼 26をそれぞれ溶接線 27及び 28で複合材のステンレス鋼 13と同種溶接するとともに、複合材の純チタン 12とホ一ゼル部ステンレス鋼棒 23を銀系の口一剤で接合 29した後、複合材の純チタン 12とトウ部ステンレス鋼板 13を銀系の口一剤で接合 30し、切削研磨により製品形状に仕上げた。ホーゼル部 23にシャフトを取り付け、更にグリップを取り付けて、ホーゼル部 23及びトウ部 26に高比重金属を配置してより高い慣性モ一メントを有する、通常 2番ァイアンと呼ばれるキャビティ一タイプのロングアイァンを作製したそのクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43 mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43 mで各 1000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343浸透探傷試験方法、及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壌検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかつ 7 o

なお、第 12図は第 1 1図の A部の断面を示すもので、トウ部ステンレス鋼に凹状切り込み加工を施し、複合材の純チタン 12に形成した凸部を前記トウ部ステンレス鋼の凹状切り込みに組み込んでロー接合することで接合部強度を向上することができる。このような構成は、本発明の他の接合部にも適用可能である。

実施例 1 1

第 1 3図は素材ブロック（複合材の全幅が 55mmで、チタンが 40mm ステンレス鋼が 15删の爆発圧着材を使用）を製品形状（中間素材）に粗切削した後、予め、別に製造した純チタン 31とステンレス鋼 34 とを爆着接合して形成した複合接合片 34のチタン 31面が製品形状に粗切削した純チタン 12の片端 (ホーゼル部）にくるように配置し、接合部 35位置で T I G溶接および U開先を設けたプラズマ溶接それぞれを実施して、更に、ステンレス鋼 32にステンレス鋼棒 15を接合部 36位置で溶接接合して慣性モ一メントを高めたクラブへッドの例でめる。

本法により通常 3番アイアンと呼ばれるキヤビティ一タイプの口ングアイ了ンへッドを作製し、シャフト · グリップを取り付け、そのクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43 mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトゥ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43 mで各 1 000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z 2343浸透探傷試験方法、及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壊検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかった。

実施例 12

第 14図は素材ブロック（複合材の全幅が 55romで、チタンが 40πιπκ ステンレス鋼が 15mmの爆発圧着材を使用）をホ一ゼル部 15 ( 21, 23 ) を有する（或いは設けた）中間素材形状に切削した後、ホーゼル取り付け部にドリルで直径 8. 5mmの孔を必要深さ開け、予め製造したステンレス鋼棒 37を装入して接着剤にて固定した後、研磨により製品形状に仕上げた。ステンレス鋼棒 37をシャフトに装入固定し、グリップを取り付けて、通常 2番と呼ばれるキヤビティ一タイプのオーバ—ホ—ゼル構造の口ングアイァンを製作した。

そのクラブを試験機によりへッドの重心点で秒速 43mで 6000回の耐久性試験と、へッドの重心よりトウ側及びヒール側に各々 15mm打球点をずらして秒速 43mで各 1000回のネック部耐久性試験を行い、これに合格した。また、このクラブへッドを J I S Z2343浸透探傷試験方法及び J I S Z2344超音波探傷試験方法の非破壌検査により異種金属接合界面の健全性を確認したところ、欠陥は認められなかつた o

産業上の利用可能性

以上述べたように、本発明によるゴルフクラブへッドは予め高比重金属と低比重金属の複合材を造り、ソ一ル側に高比重金属をへッドの主要部分に低比重金属を配することにより低重心化とフェースの大型化によりスイートスポットの拡大が可能となるとともに、ホーゼル部に高比重金属を配すれば更に慣性モーメントを高めることが可能になり、振り抜け性が良く、高い打球が打ち易く、飛距離のでるクラブへッドを提供できる。特に問題となる異種金属接合部の剝離強度劣化を主たる加工が切削加工に限定することにより、或いはへッド主要部の形状を低比重金属で予め形成し、これと異種金属複合部材の低比重金属とを溶接接合することにより、異種金属接合界面の酸 · 窒化物の生成を防止し、鍛造等の塑性変形加工による歪みによる接合界面の剝離強度低下及び物性の異なる金属の組合せから発生する塑性変形能の相違が更に上乗せされる現象を防止できる。これにより接合強度が強く、耐久性の高い、安定で量産性の製造方法と使い易いゴルフクラブヘッドを提供できる。

更に、フエース部の低比重金属部とバックフエース部の低比重金属高比重金属複合部材との間に空間を設けることにより、重心深度を深くし、打球の方向安定性の高いゴルフクラブへッドを提供でき -S3

Claims

請求の範囲

1 . フヱース部とバックフヱース部を有するヘッドであって、フエース部が比重が 5以下の低比重金属からなり、バックフェース部が前記低比重金属と比重が 7以上の高比重金属を予め冶金的に接合したクラッド材からなり、かつ前記低比重金属と前記クラッド材の低比重金属部は溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへ、ソド。

2 . フヱ一ス部とバックフェース部を有するへッドであって、フエース部が比重が 5以下の低比重金属からなり、バックフェース部の一部をフース部と同種の低比重金属と比重が 7以上の高比重金属とを予め冶金的に接合したクラッド材で構成し、ノックフヱ一ス部の外面側には前記高比重金属を配置すると共に、フ —ス部の低比重金属とバックフユース部複合素材の低比重金属部分とを接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへヅ卜。

3 . 前記クラッド材は予め冶金的に接合された異種金属からなる板状複合素材として製作され、その後所定の大きさに切断。打抜され、前記フェース部と前記クラッド材は溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徴とする請求の範囲 1 または 2 記載のゴルフクラブへッド

4 . 前記フヱース部と前記クラ、ソド材は溶接によつて接合され一体化された後、さらに切削 ·研磨加工を施されてへッドを形成することを特徴とする請求の範囲 1から 3のいずれかに記載のゴルフクラブへッド。

5 . 前記フヱ一ス部とバックフヱ一ス部との間に空間を形成することを特徼とする請求の範囲 1から 4のいずれかに記載のゴルフクラブへッド。

6 . へッド本体部分を比重が 5以下の低比重金属とし、へッドのソ一ル部を、へッド本体部と同じ低比重金属と比重が 7以上の高比重金属とを予め冶金的に接合した異種金属複合素材で構成し、へッド本体の低比重金属とソール部複合素材の低比重金属部分とを溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへッド。

7 . へッドの上段部分及び中段部分が比重が 5以下の低比重金属であり、へッドの下段部分が比重が 7以上の高比重金属からなり、中段部分の低比重金属と下段部分の高比重金属とが予め冶金的に接合された異種金属複合素材からなり、該上段部分と該中段部分の低比重金属とを溶接によつて接合され一体化されてへッドを形成することを特徵とするゴルフクラブへッド。

8 . トゥ部および Zまたはホ一ゼル部を比重 7以上の高比重金属で構成し、少なくとも下段の高比重金属に冶金的に接合していることを特徴とする請求の範囲 7記載のゴルフクラブへッド。

9 . ホーゼル部に、比重が 5以下の低比重金属からなる下部材と、該下部材と予め冶金的に結合した比重が 7以上の高比重金属からなる上部材とで構成した中間部材を用い、前記下部材をへッドの上段低比重金属と溶接し、かつ、前記上部材に高比重金属を溶接してホーゼル部を形成することを特徴とする請求の範囲 7 記載のゴルフクラブへッド o

10. 前記溶接は、接合面に Uおよび zまたは V開先を設けた T I G、プラズマ、またはレーザ溶接であることを特徵とする請求の範囲 1〜 4、 6、 7、 9のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。

11. 前記低比重金属が 5以下の比重を有し、チタン、アルミニゥム、マグネシウム、ベリリウム、シリコン、ストロンチウム、パ'ナジゥム、ジルコニウム、テルル、アンチモンの 1種または 2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする請求の範囲 1カヽら 7、 9のいずれかに記載のゴルフクラブへッド。

12. 前記高比重金属が 7以上の比重を有し、鉄、銅、銀、白金、金、二オビゥム、ニッケル、クロム、マンガン、コバルト、モリブデン、タンタル、タングステンの 1種または 2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなることを特徵とする請求の範囲 1、 2、

6、または 7 に記載のゴルフクラブへッド。

1 3. 比重が 5以下の低比重金属と、比重が 7以上の高比重金属を予め冶金的に接合して製作した複合素材を、へッドの上段主要部が前記低比重金属となり、ソール部を含む下段部が前記高比重金属となるように切削加工してへッド形状に成形することを特徴とするゴルフクラブへッドの製造方法。

14. 前記予め冶金的に接合される方法が爆発圧着法であることを特徵とする請求の範囲 1、 2、 6、 7または 13記載のゴルフクラブへッドの製造方法。