JP3747503B2 - ゴルフ用ウッドクラブヘッド及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばアルミニウム合金等の金属外殻構造からなるゴルフ用ウッドクラブヘッド(以下、これをメタルヘッドと称する)及びその製法に関し、特に、ヘッド本体を接合形成する複数のヘッド構成部材の接合性に工夫を施すことにより、耐久性及び成形性を高めるとともに、ヘッド全体の重量の軽量化や体積の増大化(大型化)による飛距離及び方向安定性の向上を図るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
メタルヘッドは、今やウッドクラブにおける中心的存在になっており、その代表的な素材としては、例えばステンレススチール(SUS)などの鉄系合金やチタン(Ti)あるいはアルミニウム系などの軽合金などがある。
【0003】
また、ステンレススチールヘッドとチタンヘッドとの大きな相違は、両者の比重(ステンレススチール:7.8、チタン:4.5)にあり、このような比重の相違によって、一般に、ステンレススチールヘッドは、「コンパクト(小型)なヘッド」、チタンヘッドは、「大きな(大型)ヘッド」と区分されていたものであるが、最近では、ステンレススチールヘッドの中にも体積が200cc以上のものが増えている。
【0004】
ところが、このようなステンレススチールヘッドを大型化するにあっては、ヘッド全体の肉厚を薄くするといっても、打球時に大きな衝撃が加わるフェース面部やネック部を薄くすることはできないために、フェース面部やネック部はある程度の厚さを必要とし、これによって、ヘッド後方に重量配分ができず、必然的にフェース面部側の近くに重心が位置するとともに、重心位置も高いために、ボールが上がりにくいという性質がある。
【0005】
一方、チタンヘッドやアルミニウム系などの軽合金のヘッドにあっては、ステンレススチールヘッドに比べてその比重の差分だけヘッド後方やトウ側に重量配分ができるために、重心が低くかつ深くなり、これによって、バックスピン量が減少し、ボールを上げ易くなるという性質があり、いずれのヘッドにおいても、ヘッド全体の重量配分及び重量調整を効果的に行なえるようにすることは、ヘッドの性質を高める方向に設計する上で重要である。
【0006】
特に、アルミニウム合金からなるメタルヘッドの製造法には、大きく分けて鋳造成形法と鍛造成形法とがあり、鋳造成形法としては、例えば砂型鋳造法や金型鋳造法などがあり、場合によってはダイカスト法も用いられることもあるが、このような鋳造成形法に用いられるアルミニウム合金の強度(引張強さ)は、高々30kgf/mm2 程度の機械的性質を有するものである。
【0007】
このため、例えばヘッド本体のフェース面部位にアルミニウム合金を用いる場合、強度的に耐え得るように設計するには、フェース面部を比較的肉厚にしなければならず、これによって、フェース面部側の重量が大きくなり、ヘッド重心位置が必然的に打球方向の前方に移動し、その結果、飛距離の低下を招く。
【0008】
しかも、ヘッド全体重量の軽量化を図るには、体積の増大化(大型化)が困難であることから、慣性モーメントが低下し、スイートスポットの拡大化が図れないために、方向性も低下する。
【0009】
また、鍛造成形法としては、例えば特開昭59−20182号公報等に開示されているように、板材の冷間や熱間プレス加工、あるいはブロックの冷間、熱間鍛造により形成された複数のヘッド構成部材を互いに溶接することにより行なわれ、このような鍛造成形法に用いられるアルミニウム合金素材としては、機械的性質の高い展伸材が好適に用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の鍛造成形法では、例えばJIS規格で質別される2014,2024,7075などの展伸用アルミニウム合金を用いると、これらの展伸材は、引張強さが40kgf/mm2 以上の高い機械的性質を有する反面、溶接性(易接合性)が極めて悪く、耐久性及び成形性に劣り、特に、このような高い機械的性質を有する展伸用アルミニウム合金をヘッド本体のフェース面部位に用いた場合には、接合部付近で破壊し易いことから、その使用が不可能である。
【0011】
したがって、従来では、ヘッド構成部材にとして、例えばJIS規格で質別される6061や7N01などの比較的溶接性(易接合性)の良い展伸用アルミニウム合金を使用しているのが現状であり、引張強さも高々30kgf/mm2 程度の低い機械的性質のものであり、飛距離及び方向安定性の一層の向上を図ることができなかった。
【0012】
この発明の目的は、ヘッド全体の重量の軽量化や体積の増大化(大型化)による飛距離及び方向安定性の向上を図るとともに、耐久性及び成形性を高めることができるようにしたゴルフ用ウッドクラブヘッド及びその製法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、この発明は、金属外殻構造を有するヘッド本体が複数のヘッド構成部材の接合にて形成されるゴルフ用ウッドクラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体のフェース面部位を形成するヘッド前部側構成部材が高引張強さを有する難接合性組成合金からなるとともに、その接合部位に易接合性組成合金を添設して一体化した複合部材にて形成し、前記接合部位を他のヘッド構成部材と溶接により接合したことを特徴とするものである。
【0014】
この場合、前記複合部材は、易接合性組成合金からなる接合部位を除く他の部位の難接合性組成合金の引張強さが40kgf/mm2 以上で、少なくともヘッド本体のフェース面部位に用いられる。
【0015】
また、この発明は、上記したゴルフ用ウッドクラブヘッドを製造するにあたり、前記複合部材は、易接合性組成合金からなる外筒部材を成形する工程と、この外筒部材内に高引張強さを有する難接合性組成合金からなる内挿部材を挿入して複合成形部材を成形する工程と、この複合成形部材を板状に切断する工程と、この板状部材を所望のヘッド構成部材形状に鍛造成形する工程とからなることを特徴としたもので、前記内挿部材は、高引張強さを有する難接合性組成合金にて前記外筒部材内に挿入可能な柱状に予め成形するか、粉末状の難接合性組成合金からなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、この発明は、これらに限定されるものではない。
【0017】
図1から図7は、この発明に係るゴルフ用ウッドクラブの第1の実施の形態を示すもので、図1にように、図中1はヘッド本体で、このヘッド本体1は、金属外殻構造からなリ、フェース面部位1A、クラウン面部位1B、ソール面部位1C、周側面部位1D、バック面部位1E及びシャフト差込み基部1Fからなる形態を備えている。
【0018】
そして、前記ヘッド本体1は、図2に示すように、前記フェース面部位1Aの周辺部が後方に一体に延出する後述する製法にて成形されたカップ形状のヘッド前部側構成部材2と、このヘッド前部側構成部材2に溶接Wにてそれぞれ接合される前記クラウン面部位1Bとしてバック面部位1Eの一部を共に形成するヘッド上面部側構成部材3と、前記ソール面部位1C、周側面部位1D及びバック面部位1Eの一部を共に形成するヘッド下面部側構成部材4との3分割構造からなり、前記シャフト差込み基部1Fには、シャフトが保持される円筒状のホーゼル部材5が挿入され接合されている。
【0019】
また、前記ヘッド本体1のフェース面部位1Aを形成するヘッド前部側構成部材2は、打球面となる前面側の部位2aが高引張強さを有する難接合性の組成合金、例えばJIS規格にて質別される2014,2024,7075などの引張強さが40kgf/mm2 以上の展伸用アルミニウム合金21からなるとともに、その接合部周辺側の部位(接合部位)2bを比較的溶接性に優れた易接合性の組成合金、例えばJIS規格で質別される6061や7N01などの展伸用アルミニウム合金22にて添設してなる複合部材によって形成されている。
【0020】
一方、前記ヘッド上面部側構成部材3及びヘッド下面部側構成部材4は、比較的溶接性に優れた易接合性の組成合金、例えばJIS規格で質別される6061や7N01などの展伸用アルミニウム合金からなる板材により熱間プレスにて別途に形成され、さらに、前記ホーゼル部材5もまた、例えばJIS規格にて質別される6061や7N01などの比較的溶接性(易接合性)の良い展伸用アルミニウム合金により別途に形成されている。
【0021】
すなわち、この発明は、上記の構成を採用することによって、ヘッド本体1をヘッド前部側構成部材2、ヘッド上面部側構成部材3及びヘッド下面部側構成部材4との複数のヘッド構成部材にて分割形成するとともに、ヘッド前部側構成部材2が打球面となる高引張強さを有する難接合性の組成合金21と接合部となる易接合性の組成合金22との複合部材で形成してなるために、ヘッド前部側構成部材2とヘッド上面部側構成部材3及びヘッド下面部側構成部材4との接合性を高めることが可能になり、耐久性及び成形性の向上が図れる
【0022】
しかも、ヘッド本体1のフェース面部位1Aに引張強さが40kgf/mm2 以上の高い機械的性質を有する難接合性の組成合金21が使用可能になり、フェース面部側の薄肉化によるヘッド全体重量の軽量化あるいは体積の増大化(大型化)が図れるために、重量配分によるヘッド重心の位置や慣性モーメントの増減調整が容易に行なえ、スイートスポットの拡大化と共に飛距離及び方向安定性の一層の向上が図れる。
【0023】
また、図3から図7は、前記ヘッド本体1のフェース面部位1Aを形成する複合部材からなるヘッド前部側構成部材2の製造工程を示すもので、図3に示すように、接合部位2bとなる比較的溶接性に優れた易接合性の組成合金、例えばJIS規格で質別される6061や7N01などの展伸用アルミニウム合金にて外筒部材31を成形し、この外筒部材31内に打球面側の部位2aとなる高引張強さを有する難接合性の組成合金、例えばJIS規格にて質別される2014,2024,7075などの引張強さが40kgf/mm2 以上の展伸用アルミニウム合金にて予め成形された柱状の塊からなる内挿部材32を挿入する。
【0024】
このとき、外筒部材31と内挿部材32とは、隙間なく圧入嵌合状態で挿入することが好ましく、また、内挿部材32として粉末状の成形材料を用いることが可能であり、この場合には、通常の押出し法のように、外筒部材31内に粉末状の内挿部材32を充填し、真空雰囲気中でプレス等を行なうことによりプリフォーム化する。
【0025】
次いで、この内挿部材32が挿入された外筒部材31の開口部を、図4に示すように、真空雰囲気中において脱ガス処理を施しながら電子ビーム溶接等にて施蓋することによりカンニング(密閉)し、このようにカンニングされた複合成形部材30を押出し成形し、外筒部材31と内挿部材32との圧接を行なうことにより接合する。
【0026】
この場合、内挿部材32として粉末状のプリフォームを用いるときには、粉末成形を兼ね、また、押出し比としては、3〜15が好ましい。
【0027】
さらに、このような押出し成形部材40を、図5に示すように、板状に切断することにより、中央部の高引張強さを有する難接合性の組成合金51の周辺部が易接合性の組成合金52にて添設され一体化された板状部材50を成形する。
【0028】
そして、このような板状部材50を、図6に示すように、金型61,62内に配置し、図7に示すような複合部材からなるカップ状のヘッド前部側構成部材2の完成品を熱間鍛造により成形してなるものである。
【0029】
このときの鍛造は、例えば荒鍛造と仕上げ鍛造の2回で行ない、鍛造温度は、350〜450℃が好ましいが、鍛造の度合によって変化させることは云うまでもない。
【0030】
また、前記複合成形部材30を形成する外筒部材31と内挿部材32の接合強度を考えると、押出し時の剪断応力により接合を行なった方が良いが、外筒部材31と内挿部材32の接合性が良い場合には、押出し行程を省略して、外筒部材31と内挿部材32を組合わせたものをそのまま鍛造し、接合と成形を同時に行なうようにしても良い。
【0031】
このように成形されたヘッド前部側構成部材2は、ヘッド上面部側構成部材3及びヘッド下面部側構成部材4と共に組付けることにより接合してなるもので、その接合法には、例えばTIG、MIG、レーザ溶接、ロウ付けあるいはビス止め等があるが、接合強度等から考えると、溶接法が好ましく、特に、レーザ溶接法は、入熱が極めて少ないために、内挿部材32が粉末状成形材料のように、高温になることを嫌う材料には好適である。
【0032】
また、ヘッド成形材料として、熱処理型アルミニウム合金を用いるものでは、時効熱処理が必要であるが、この発明では、各々のヘッド構成部材を溶接前に別々に熱処理したり、あるいは溶接後にヘッド全体を熱処理しても良く、特に、溶接前にヘッド部材を別々に熱処理する場合には、時効熱処理効果の低下を防止するために、溶接接合の際には、なるべく溶接入熱を抑えた方が良い。
【0033】
さらに、複合部材の溶接部位にJIS規格で質別される7N01に代表される自然時効型のアルミニウム合金を用いれば、この展伸用アルミニウム合金は、自然時効する性質を有することから、この効果により溶接後の熱影響部位も母材に近い強度に回復するために、溶接後の熱処理が不要になる。
【0034】
さらにまた、複合成形部材30の内挿部材32として粉末状成形材料を用いるときなどには、外筒部材31に自然時効型のアルミニウム合金を用いることにより、時効等の熱処理が不要になる。
【0035】
また、溶接後にヘッド全体を熱処理する場合には、各々のヘッド構成部材に異なる材質のものを用いている際にも、同一の熱処理を行なう必要があるために、熱処理条件の最適化が重要である。
【0036】
なお、上記第1の実施の形態においては、ヘッド本体1をヘッド前部側構成部材2、ヘッド上面部側構成部材3及びヘッド下面部側構成部材4とに3分割したが、図8に示す第2の実施の形態のように、ヘッド前部側構成部材2とヘッド上面部側構成部材3とを連続的に一体化したり、また、図9に示す第3の実施の形態のように、ヘッド上面部側構成部材3とヘッド下面部側構成部材4とを連続的に一体化して2分割しても良く、この場合、ヘッド前部側構成部材2と一体化されるヘッド上面部側構成部材3またはヘッド下面部側構成部材4は、上述したヘッド前部側構成部材2と連続的な複合部材からなるものである。
【0037】
図10は、この発明に係る第4の実施の形態を示すもので、ヘッド前部側構成部材2、ヘッド上面部側構成部材3、ヘッド下面部側構成部材4の他にバック面部位1Eも分割して4分割し、これら各々のヘッド構成部材を上述した複合部材にて形成してなるものである。
【0038】
また、上記各々の実施の形態において、各々のヘッド構成部材の全てを鍛造法にて成形する必要はなく、少なくともヘッド前部側構成部材2が上述した複合部材にて形成されれば、この発明の作用効果を充分に発揮させることが可能であり、他のヘッド構成部材は、鍛造法以外の鋳造法等による他の成形法にて成形しても良い。
【0039】
さらに、打球時に比較的応力の掛かるヘッド本体1のヘッド上面部側構成部材3を上述した複合部材にて形成すれば、クラウン面部位1Bの薄肉化が図れ、これによって、ヘッドの低重心化が可能になる。
【0040】
さらにまた、ヘッド本体1のシャフト差込み基部1Fに挿入されるホーゼル部材5を他の部材と一体成形とすれば、ホーゼル部材を接合する行程及び部品点数の低減化が図れるとともに、ネック部の高強度化等を図ることが可能になる。
【0041】
【具体例】
次に、この発明に係る製法にて製作されたメタルヘッドの各具体例を従前の製法にて製作されたメタルヘッドの各比較例と比較し、それらの試打用ロボットによるヘッドスピードが45m/秒で5000発実打したときのヘッドフェース面のテスト結果を下記の表1及び表2にそれぞれ示す。この場合、ヘッドフェース面部位1Aの形状は、厚さ以外は全て同一にし、ヘッドクラウン面部位1Bの厚さを2mm、ヘッドソール面部位1Cの厚さを3mmに統一して行なった(なお、この場合の打球位置は、フェース面中央部である)。
【0042】
【表1】
Figure 0003747503
但し、各具体例及び比較例のアルミニウム合金の材質(JIS規格)は、
具体例1
打球面部位 :A7075−T6
接合周辺部位 :A7N01−T6
クラウン面部位:A7N01−T6
ソール面部位 :A7N01−T6
具体例2
打球面部位 :Al85Ni10Ce5 (粉末状成形材料)
接合周辺部位 :A7N01−T6
クラウン面部位:A7N01−T6
ソール面部位 :A7N01−T6
比較例1(鋳造一体品)
打球面部位 :AC5A−T6
接合周辺部位 :AC5A−T6
クラウン面部位:AC5A−T6
ソール面部位 :AC5A−T6
比較例2
打球面部位 :A7N01−T6
接合部位 :A7N01−T6
クラウン面部位:A7N01−T6
ソール面部位 :A7N01−T6
比較例3
打球面部位 :A6061−T6
接合部位 :A7N01−T6
クラウン面部位:A7N01−T6
ソール面部位 :A7N01−T6
とした。
【0043】
【表2】
Figure 0003747503
但し、各具体例及び比較例のアルミニウム合金の材質(JIS規格)は、
具体例3
打球面部位 :A7075−T6
接合部位 :A7N01−T6
クラウン面部位:A7N01−T6
ソール面部位 :A7N01−T6
比較例4(鋳造一体品)
打球面部位 :AC5A−T6
接合部位 :AC5A−T6
クラウン面部位:AC5A−T6
ソール面部位 :AC5A−T6
比較例5
打球面部位 :A7N01−T6
接合部位 :A7N01−T6
クラウン面部位:A7N01−T6
ソール面部位 :A7N01−T6
とした。
【0044】
また、図12は、上記表2の具体例3及び比較例4,5において、ヘッドフェース面の中心軸O上のスイートスポットを中心に打球方向に直交するトウ・ヒール側前後水平方向にずらして打球した際の飛距離(キャリー:m)を示し、また、図12は同じく打球方向に直交するクラウン・ソール側上下垂直方向にずらして打球した際の飛距離(キャリー:m)をそれぞれ示すもので、この結果、この発明に係るメタルヘッドの具体例3においては、ヘッド体積の大型化やフェース面部位の軽量化及び高強度化によるヘッド設計上の高い自由度により、従前のメタルヘッドの比較例4,5と比較して、スイートエリアの拡大化及び飛距離の向上が図れることが分かる。
【0045】
ところで、上記した複合部材からなるヘッド構成部材を成形するにおいて、外筒部材31としてJIS規格にて質別される6061あるいは7N01の展伸用アルミニウム合金を用いて説明したが、この外筒部材31としては、特に、引張強さを問わず、例えばJIS規格にて質別されるMg合金6種などの展伸用マグネシウム合金やTi合金などの易接合性を有する材料であれば良い。
【0046】
また、内挿部材32としてJIS規格にて質別される7075の展伸用アルミニウム合金を用いて説明したが、この内挿部材32としては、高引張強さを有する難接合性の材料、例えばJIS規格にて質別されるMg合金6種などの展伸用マグネシウム合金、展伸用マグネシウム合金の粉末状材料、Al−Li合金、Al−Be合金あるいはTi合金などの材料であれば良く、ウイスカ等の繊維を含有させて強化を図るようにしても良い。
【0047】
さらに、外筒部材31と内挿部材32との組合せは、例えばAl合金−Al合金のような同系同士の組合せが接合強度上において好ましいが、Al合金−Mg合金のような異種の材料同士の組合せでも構わない。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ヘッド本体を複数のヘッド構成部材にて分割して互いに接合し、かつ、少なくともヘッドフェース面部位を形成するヘッド構成部材が打球面となる高引張強さを有する難接合性の組成合金と接合部となる易接合性の組成合金との複合部材にて形成してなることから、ヘッドフェース面部位のヘッド構成部材と他のヘッド構成部材との接合強度を高めることができるために、耐久性及び成形性の向上を図ることができる。
【0049】
しかも、ヘッド本体のフェース面部位に引張強さが40kgf/mm2 以上の高い機械的性質を有する難接合性の組成合金を使用できるために、フェース面部側の薄肉化によるヘッド全体重量の軽量化あるいは体積の増大化(大型化)を図ることができ、これによって、重量配分によるヘッド重心の位置や慣性モーメントの増減調整を容易に行なうことができ、スイートスポットの拡大化による方向安定性及び飛距離の向上を図ることができるとともに、ヘッド設計上の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッドの第1の実施の形態を示す断面図。
【図2】 同じく分解斜視図。
【図3】 同じく複合部材の第1の製造工程を示す説明図。
【図4】 同じく複合部材の第2の製造工程を示す説明図。
【図5】 同じく複合部材の第3の製造工程を示す説明図。
【図6】 同じく複合部材の第4の製造工程を示す説明図。
【図7】 同じく複合部材からなるヘッド構成部材の完成品を示す断面図。
【図8】 この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッドの第2の実施の形態を概略的に分解して示す断面図。
【図9】 この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッドの第3の実施の形態を概略的に分解して示す断面図。
【図10】 この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッドの第4の実施の形態を概略的に分解して示す断面図。
【図11】 この発明に係る製法によるメタルヘッドの具体例を従前の製法によるメタルヘッドの比較例と比較して試打用ロボットにて実打したときのヘッドフェース面の中心軸上のスイートスポットを中心に打球方向に直交するトウ・ヒール側前後水平方向にずらして打球した際の飛距離の実測結果を示す説明図。
【図12】 同じく打球方向に直交するクラウン・ソール側上下垂直方向にずらして打球した際の飛距離の実測結果を示す説明図。
【符号の説明】
1・・・・・・ヘッド本体、1A・・・・・・フェース面部位、1B・・・・・・クラウン面部位、1C・・・・・・ソール面部位、1D・・・・・・周側面部位、1E・・・・・・バック面部位、1F・・・・・・シャフト差込み基部、2・・・・・・ヘッド前部側構成部材、2a・・・・・・打球面部位、2b・・・・・・接合部位、21・・・・・・難接合性組成合金、22・・・・・・易接合性組成合金、3・・・・・・ヘッド上面側構成部材、4・・・・・・ヘッド下面側構成部材、5・・・・・・ホーゼル部材、30・・・・・・複合成形部材、31・・・・・・外筒部材(易接合性組成合金)、32・・・・・・内挿部材(難接合性組成合金)、40・・・・・・押出し成形部材、50・・・・・・板状部材、51・・・・・・難接合性組成合金、52・・・・・・易接合性組成合金、61,62・・・・・・熱間鍛造用金型、W・・・・・・溶接部。

Claims (2)

  1. 金属外殻構造を有するヘッド本体が複数のヘッド構成部材の接合にて形成されるゴルフ用ウッドクラブヘッドにおいて、
    前記ヘッド本体のフェース面部位を形成するヘッド前部側構成部材が高引張強さを有する難接合性組成合金からなるとともに、その接合部位に易接合性組成合金を添設して一体化した複合部材にて形成し、前記接合部位を他のヘッド構成部材と溶接により接合したことを特徴とするゴルフ用ウッドクラブヘッド。
  2. 金属外殻構造を有するヘッド本体が複数のヘッド構成部材の接合にて形成され、前記ヘッド本体のフェース面部位を形成するヘッド前部側構成部材が高引張強さを有する難接合性組成合金からなるとともに、その接合部位に易接合性組成合金を添設して一体化した複合部材にて形成されたゴルフ用ウッドクラブヘッドを製造するにあたり、
    前記複合部材は、易接合性組成合金からなる外筒部材を形成する工程と、
    この外筒部材内に高引張強さを有する難接合性組成合金からなる内挿部材を挿入して複合成形部材を成形する工程と、
    この複合成形部材を板状に切断する工程と、
    この板状部材を所望のヘッド構成部材形状に鍛造成形する工程
    からなることを特徴とするゴルフ用ウッドクラブヘッドの製法。
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