JPH0586368U - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ゴルフクラブヘッドに関し、飛距
離の向上と併せて打球時の衝撃に対する耐久性の向上を
図ったゴルフクラブヘッドを提供することを目的とす
る。 【構成】 ゴルフクラブヘッドのヘッド本体のバック部
を後方へ突出させて当該バック部に突出部を設けると共
に、ヘッド本体内に、フェース部に開口し上記バック部
の形状に沿った内面を有する凹部を形成し、この凹部内
に、上記突出部に包囲される密閉状の空気室を設けた樹
脂製のフェース体を嵌合したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、飛距離の向上と併せて打球時の衝撃に対する耐久性の向上を図った ゴルフクラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

アイアンクラブのヘッドは、軟鉄やステンレス等の金属によってホーゼル部や ソール部，フェース部等が一体的に成形されているのが一般的である。

【０００３】 然し、この種のゴルフクラブヘッドは各番手に合わせた形状，重さになってい るものの、金属の塊であるため弾性に乏しく、特にボールのヒットに最も重要な フェース部に弾性がないとその反発係数が小さく、又、ウッドクラブのようなソ フトな打球感が得られない。

【０００４】 そこで、従来、ソフトな打球感を得るため、ヘッド本体のフェース部に樹脂製 フェースプレートを取り付けたゴルフクラブヘッドが実公昭３５−３１５１４号 公報に開示されている。

【０００５】 このゴルフクラブヘッドは、図４に示すようにヘッド本体１のフェース部３に 設けた凹部５に、裏面側に凹欠部７を設けた樹脂製のフェースプレート９をねじ １１で着脱自在に取り付けたものである。

【０００６】 而して、斯かるゴルフクラブヘッドによれば、フェースプレート９に凹欠部７ を設けたことによって打球面が肉薄となり、然も、凹欠部７を設けたことによっ てフェースプレート９と凹部５の底面５ａの間に間隙１３ができるので、フェー スプレート９の弾性変形による反発力が期待できることとなる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 然し、斯様に凹欠部７を設けたことによってフェースプレート９に反発力が得 られる反面、打球面が肉薄となるためフェースプレート９の強度低下を来たし、 而も、上記間隙１３は密閉構造ではないため、間隙１３内の空気が一種のエアク ッションとして打球面に掛かる応力を和らげる機能を果たさないことも相俟って 、長期に亘る使用によりフェースプレート９が破損してしまう虞があった。

【０００８】 又、アイアンクラブに関する考案ではないが、実開昭４９−５００６３号公報 には、図５に示すように裏面側を凹状に成形した樹脂製フェースプレート１５の 打球面中心に、タングステンカーバイド或いはチタンカーバイドからなるチップ １７を植設して、これをヘッド本体１９のフェース部２１に設けた凹部２３に装 着したウッドクラブヘッドが開示されている。

【０００９】 而して、上記ゴルフクラブヘッドにあっても、フェースプレート１５の裏面側 を凹状に成形したことによってフェースプレート１５に反発力が得られるものの 、図４に示すゴルフクラブヘッドと同様、打球時の衝撃でフェースプレート１５ が破損してしまう虞があった。

【００１０】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、飛距離の向上と併せて打球時の 衝撃に対する耐久性の向上を図ったゴルフクラブヘッドを提供することを目的と する。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、本考案は、ゴルフクラブヘッドのヘッド本体のバ ック部を後方へ突出させて当該バック部に突出部を設けると共に、ヘッド本体内 に、フェース部に開口し上記バック部の形状に沿った内面を有する凹部を形成し 、この凹部内に、上記突出部に包囲される密閉状の空気室を設けた樹脂製のフェ ース体を嵌合したものである。

【００１２】

【作用】 本考案に係るゴルフクラブヘッドを装着したゴルフクラブで打球したとき、そ の衝撃によってフェース体は変形するが、空気室内の空気の圧縮に対する反発力 とフェース体の打球面の弾性変形力によってゴルフボールに大きな反発エネルギ ーがかかり、而も、本考案のゴルフクラブヘッドは、空気室がヘッド本体のバッ ク部の突出部に周囲を包囲された構造であるため、衝撃による空気の圧縮エネル ギーが効率的に反発エネルギーとしてゴルフボールに伝わることとなる。

【００１３】 又、打球時の衝撃による応力を空気室内の空気によるエアクッション作用によ って吸収，分散し、フェース体の破損が防止されることとなる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。 図１は本考案の一実施例に係るゴルフクラブヘッドの正面図を示し、図中、２ ５は繊維強化金属を含む金属によって形成されたヘッド本体で、従来と同様、こ のヘッド本体２５はホーゼル部２７やソール部２９，フェース部３１、又、図２ の如くバック部３３等が一体に成形されている。そして、図２及び図３に示すよ うにバック部３３のソール部２９側には、後方へ突出する突出部３５がヘッド本 体２５のヒール側からトゥ側に亘って形成されており、この突出部３５は、後述 するフェース体３７の打球面３７ａのスイートスポットＰから垂線Ｌをバック部 ３３側に延長した部分が、最も後方へ突出した形状となっている。

【００１５】 又、ヘッド本体２５には、フェース部３１の周縁部を残して当該フェース部３ １に開口する凹部３９が、バック部３３の形状に沿って形成されており、図３に 示すようにヘッド本体２５は、ヒール側やトゥ側に比べて突出部３５側が薄肉と なっている。そして、この凹部３９内に、フェース体３７が接着材によってフェ ース部３１と面一となるように嵌合，固定されている。

【００１６】 フェース体３７は、繊維強化樹脂を含む合成樹脂によって成形されており、そ の外形は凹部３９の内面と同一形状となっている。そして、上記突出部３５内に 嵌合するその嵌合部３７ｂ内に、突出部３５に包囲された密閉状の空気室４１が 大きな容量を以って設けられている。

【００１７】 この空気室４１は、ヘッド本体２５のバック部３３側が図２に示すように突出 部３５の内面に沿って形成され、又、フェース部３１側が打球面３７ａと略平行 とされている。そして、フェース体３７は、空気室４１と打球面３７ａの間の肉 厚ｍが、バック部３３側の肉厚ｎに比べ略３倍程度に厚く成形されており、又、 上述したように、突出部３５はフェース体３７のスイートスポットＰから垂線Ｌ をバック部３３側に延長した部分が最も突出した形状とされていることから、当 該部位のフェース体３７及び空気室４１の幅が最も大きくなっている。

【００１８】 このように、本実施例は、空気室４１を含めたフェース体３７が、打球面３７ ａを除いて金属製のヘッド本体２５に周囲を包囲された構造となっている。 その他、図１に於て、４３はフェース体３７の打球面３７ａに設けたスコアラ イン溝、４５はゴルフボールである。

【００１９】 本実施例に係るゴルフクラブヘッドはこのように構成されているから、斯かる ゴルフクラブヘッドを装着したゴルフクラブで打球すると、その衝撃によってフ ェース体３７は変形するが、空気室４１内の空気の圧縮に対する反発力と打球面 ３７ａの弾性変形力によってゴルフボール４５に大きな反発エネルギーがかかり 、而も、上述したように本実施例のゴルフクラブヘッドは、空気室４１を含めた フェース体３７が打球面３７ａを除いて金属製のヘッド本体２５に周囲を包囲さ れた構造であるため、衝撃による空気の圧縮エネルギーを効率的に反発エネルギ ーとしてゴルフボール４５に与えることができる。

【００２０】 従って、本実施例によれば、従来に比しゴルフボール４５の飛距離を確実に伸 ばすことが可能となった。 又、打球時の衝撃による応力は、空気室４１内の空気によるエアクッション作 用によって吸収，分散されることとなる。

【００２１】 従って、本実施例によれば、空気室４１と打球面３７ａとの間の肉厚ｍをバッ ク部３３側の肉厚ｎに比し厚く成形して打球面３７ａ側の補強を図ったことと相 俟って、打球時の衝撃によるフェース体３７の打球面３７の破損が確実に防止で きることとなる。

【００２２】 更に、本実施例によれば、容量の大きい空気室４１をヘッド本体２５内に組み 込んだことによってトゥ，ヒールバランスが良好となると共に、フェース体３７ のスイートスポットＰから垂線Ｌをバック部３３側に延長した部分を最も突出さ せて、当該部位のフェース体３７と空気室４１の幅を最も大きくしたため、打球 の方向性が従来に比べ良好となる利点を有する。

【００２３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案に係るゴルフクラブヘッドによれば、ゴルフボール の飛距離の向上と打球時の衝撃に対する耐久性の向上が確実に図れることとなっ た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係るゴルフクラブヘッド
の正面図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【図３】図１のIII − III線断面図である。

【図４】従来のゴルフクラブヘッドの断面図である。

【図５】従来の他のゴルフクラブヘッドの断面図であ
る。

【符号の説明】

２５ ヘッド本体 ３１ フェース部 ３３ バック部 ３５ 突出部 ３７ フェース体 ３７ａ 打球面 ３９ 凹部 ４１ 空気室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴルフクラブヘッドのヘッド本体のバッ
   ク部を後方へ突出させて当該バック部に突出部を設ける
   と共に、ヘッド本体内に、フェース部に開口し上記バッ
   ク部の形状に沿った内面を有する凹部を形成し、この凹
   部内に、上記突出部に包囲される密閉状の空気室を設け
   た樹脂製のフェース体を嵌合したことを特徴とするゴル
   フクラブヘッド。